JPH0929929A - グラビア版面乾燥防止方法及び乾燥防止装置 - Google Patents

グラビア版面乾燥防止方法及び乾燥防止装置

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JPH0929929A
JPH0929929A JP20051895A JP20051895A JPH0929929A JP H0929929 A JPH0929929 A JP H0929929A JP 20051895 A JP20051895 A JP 20051895A JP 20051895 A JP20051895 A JP 20051895A JP H0929929 A JPH0929929 A JP H0929929A
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solvent vapor
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JP20051895A
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Akira Kikukawa
暁 菊川
Yukio Motoyama
幸夫 本山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷中に版胴のセルに詰まったインキの乾燥
を防止するグラビア版面乾燥防止装置であって、インキ
転移率向上及び目詰まり発生防止による印刷物の品質向
上に非常に効果的である。 【構成】 版胴5に対して、ドクター接点Dと圧胴ニッ
プ部Pの間の版面6及び圧胴ニップ部Pとインキ接点F
の間の版面6を覆う2つの溶剤蒸気発生機構8、9を設
けることにより、その内側に版面6に近接する空間を形
成し、前記2つの溶剤蒸気発生機構8、9の内周面から
溶剤蒸気を発生させることで、前記近接空間を溶剤蒸気
を含有する雰囲気に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、グラビア印刷機、フレ
キソ印刷機、ラミネーター、コーター等の印刷又は塗工
ユニットにおける、版胴シリンダーの周面(版面)のセ
ルの中に詰まったインキ、接着剤、塗工液等から溶剤が
蒸発することを防止するグラビア版面乾燥防止方法及び
それに使用する乾燥防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のグラビア印刷機における印刷ユニ
ットの一例を図6に示す。図において48はインキパ
ン、49はファニッシャーロール、50は版胴、51は
ドクター、52は圧胴、Iはインキ、Wはウェブであ
り、インキパン48内にあるインキIをファニッシャー
ロール49の掻き上げにより版胴50の周面である版面
53に供給し、ドクター51による版面上のインキの掻
き取りにより、版面53に穿孔されているセル54の中
にインキIが盛られるとともに、版面53に付着してい
る余分なインキが掻き取られる。そして、セル54の中
に詰まったインキIは、版胴50と圧胴52との間を通
過する時にウェブWの表面に転移して印刷が行われる方
式を示している。なお、ここで使用されているインキI
は溶剤系インキであり、ウェブWの表面に転移したイン
キを定着させるため、グラビア印刷ユニットにはドライ
ヤー(図示せず)が設けられており、このドライヤー中
をウェブWが通過するときに、ウェブW上のインキIか
ら溶剤が蒸発する、すなわちインキを乾燥させている。
【0003】このような従来のグラビア印刷機の印刷ユ
ニットにおいては、セル54中のインキIは、ドクター
51先端と版胴50が接触するドクター接点Dを通過し
た後、余分なインキを掻き取られて外気と接触する状態
になり、ドライヤーの中以外でもインキ乾燥が発生す
る。さらに、セル54中のインキIは、圧胴ニップ部P
において全てウェブWに転移するものではなく、圧胴ニ
ップ部Pを通過した後にもセル54中にはウェブWに転
移しなかったインキIが残留しており、インキ接点Fで
新たにインキ供給されるまでの間、ここでもセル54の
底に残留したインキIが外気と接触する状態にあり、イ
ンキ乾燥が発生する。こうしたセル54中のインキの乾
燥は、インキの乾燥性が高い種類のものを使用する場合
には特に著しく、ドクター接点Dから圧胴ニップ部Pの
間におけるインキの乾燥はインキの転移率低下を引き起
こし、圧胴ニップ部Pからインキ接点Fの間における残
留インキの乾燥はセル54の底に乾燥固化したインキが
残留堆積して、いわゆる目詰まりを引き起こすことにも
なる。従って、このような種々の問題が発生するのを防
止するため、ドクター接点Dを出来る限り圧胴ニップ部
Pに近づけるとともに、印刷速度を上げることにより、
セル54中のインキがドクター接点Dから圧胴ニップ部
Pを経てインキ接点Fに至る距離を通過する乾燥発生時
間を短縮する、インキの粘度を変える、又は、ファニッ
シャー条件を変える等の試行錯誤を実施することで、セ
ル54中のインキが乾燥するのを抑えることが行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の版
面乾燥防止方法では、上記試行錯誤を品目切替え時に
行うことは、切替え作業の長時間化による生産性低下を
もたらす。上記試行錯誤にて変更する諸条件は印刷物
の品質に影響するため、品質が安定しなくなる。等の問
題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、インキの
転移率低下防止及び目詰まり発生防止等の効果が大き
く、印刷物の品質を向上させることのできる、グラビア
版面乾燥防止方法及び乾燥防止装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のグラビア版面乾燥防止方法は、印刷中に版
胴のセルに詰まったインキの乾燥を防止する方法であっ
て、ドクター接点と圧胴ニップ部の間の版面および圧胴
ニップ部とインキ接点の間の版面に近接する空間を形成
し、前記空間を溶剤蒸気を含有する雰囲気に保つことを
特徴とするものである。
【0007】また、上記の版面乾燥防止方法に使用する
乾燥防止装置は、ドクター接点と圧胴ニップ部の間の版
面を覆う形状であって且つその内周面に溶剤が含浸可能
な多孔質部材を設けた第1の溶剤蒸気発生機構と、圧胴
ニップ部とインキ接点の間の版面を覆う形状であって且
つその内周面に溶剤が含浸可能な多孔質部材を設けた第
2の溶剤蒸気発生機構と、前記第1の溶剤蒸気発生機構
及び第2の溶剤蒸気発生機構に溶剤を供給する溶剤供給
機構を有することを特徴とするものである。
【0008】また、印刷中に版胴のセルに詰まったイン
キの乾燥を防止する方法であって、ドクター接点と圧胴
ニップ部の間の版面および圧胴ニップ部とインキ接点の
間の版面に溶剤蒸気を吹きつけることを特徴とするもの
である。
【0009】また、上記の版面乾燥防止方法に使用する
乾燥防止装置は、ドクター接点と圧胴ニップ部の間で版
胴と平行に取り付けられた第1の溶剤蒸気吹き付けノズ
ルと、圧胴ニップ部とインキ接点の間で版胴と平行に取
り付けられた第2の溶剤蒸気吹き付けノズルと、前記第
1の溶剤蒸気吹き付けノズル及び第2の溶剤蒸気吹き付
けノズルに溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給機構を有す
ることを特徴とするものである。
【0010】また、前記第1の溶剤蒸気吹き付けノズル
がドクター接点と圧胴ニップ部の間の版面を覆う形状で
あって且つその内周面に溶剤蒸気の吹き出し口を設けた
ものであり、前記第2の溶剤蒸気吹き付けノズルが圧胴
ニップ部とインキ接点の間の版面を覆う形状であって且
つその内周面に溶剤蒸気の吹き出し口を設けたものであ
ることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】上述の構成からなる本発明のグラビア版面乾燥
防止方法では、セル中のインキと接触する外気が溶剤蒸
気を含有することにより、インキからの溶剤が蒸発する
のを抑えることが可能になる。具体的には、ドクター接
点と圧胴ニップ部の間を通過する時のセル中のインキの
乾燥を抑えることで、圧胴ニップ部での版胴からウェブ
へのインキ転移率が向上する。さらに、圧胴ニップ部と
インキ接点の間を通過する時のセル中のインキの乾燥を
抑えることで、セルの底の残留インキの乾燥固化がおこ
りにくくなる。また、上述の構成からなる本発明のグラ
ビア版面乾燥防止装置を印刷ユニットに適用することに
より、乾燥防止対策として従来から行われてきた、ドク
ターを圧胴に近づけるような配置に限定を受けることが
なくなり、ドクター位置の設計上の融通性が広がる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0013】図1は請求項1乃至請求項2の発明の実施
例を示す概略正面図であり、図2は図1に示す装置の溶
剤蒸気発生機構を示す断面図である。
【0014】図1において1はインキパン、2はファニ
ッシャーロール、3は版胴、4はドクター、5は圧胴、
6は版面、7はセル、Iはインキ、Wはウェブ、Dはド
クター接点、Pは圧胴ニップ部、Fはインキ接点であ
り、ここでは図6で示した従来のグラビア印刷機の印刷
ユニットに対して、グラビア版面乾燥防止装置が取り付
けられており、ドクター接点Dと圧胴ニップ部Pの間の
版面6に対しては第1の溶剤蒸気発生機構8が、圧胴ニ
ップ部Pとインキ接点Fの間の版面6に対しては第2の
溶剤蒸気発生機構9がそれぞれ設置されており、さらに
この2つの溶剤蒸気発生機構8、9は、液用チューブ1
0、11を介し溶剤供給機構12に接続している。
【0015】第1の溶剤蒸気発生機構8は、図1に示す
ように、ドクター接点Dと圧胴ニップ部Pの間の版面6
を覆う湾曲形状を有しており、その内周面と版面6との
間に近接空間を形成している。また、第1の溶剤蒸気発
生機構8自体は、図2に示すように、溶剤供給パイプ1
3、ケーシング14、多孔質部材15、保持部材16か
ら構成されている。溶剤供給パイプ13は、版胴巾方向
に延びるパイプであって、一定間隔毎に穿孔された小孔
17を有し、この小孔17から液用チューブ10を介し
て送られてきた溶剤が点下し、下の多孔質部材15を湿
潤する。ケーシング14は、版胴巾方向全面に渡って版
面6を覆うカバーであり、その内周面には多孔質部材1
5を保持する。多孔質部材15は、ケーシング14の内
周面の全面に保持部材16で留められており、溶剤を含
浸する性質を有している。保持部材16は、ネット形状
を有し、多孔質部材15をケーシング14の側に留めて
多孔質部材15と版面6の接触を防止するとともに、そ
の網目を通して、多孔質部材15の表面を近接空間と接
触させている。
【0016】第2の溶剤蒸気発生機構9は、図1に示す
ように、圧胴ニップ部Pとインキ接点Fの間の版面6を
覆う湾曲形状を有しており、版面6との間に近接空間を
形成している。また、その構成は、第1の溶剤蒸気発生
機構8と同じ、溶剤供給パイプ13、ケーシング14、
多孔質部材15、保持部材16から構成されている。
【0017】溶剤供給機構12は、図1に示すように、
溶剤タンク18、液用チューブ19、20、第1の溶剤
ポンプ21、第2の溶剤ポンプ22から構成されてお
り、溶剤タンク18中の溶剤を第1の溶剤蒸気発生機構
8及び第2の溶剤蒸気発生機構9に対して、それぞれの
設定液量に応じて供給するものである。溶剤タンク1
8、液用チューブ19、20については、耐溶剤腐食性
を有する材質であるものが望ましく、このことは前述の
液用チューブ10、11についても同様である。第1の
溶剤ポンプ21は、図1に示すように、吸入口23の側
が液用チューブ19を介して溶剤タンク18中の溶剤
と、吐出口24の側が液用チューブ10を介して第1の
溶剤蒸気発生機構8と繋がっており、溶剤タンク18中
の溶剤を第1の溶剤蒸気発生機構8に送るポンプ機能を
有している。さらに、第1の溶剤ポンプ21は、かかる
ポンプ機能に加えて、溶剤を送る量を設定できる機能も
有するものであり、具体的には、ポンプを起動させる間
隔(インターバル時間)を調整するタイマーとポンプが
起動して停止するまでの間隔(開放時間)を調整するタ
イマーを内蔵しており、印刷機の回転中にインターバル
時間のタイマーに電気が流れるように配線されている。
第2の溶剤ポンプ22は、図1に示すように、吸入口2
5の側が液用チューブ20を介して溶剤タンク18中の
溶剤と、吐出口26の側が液用チューブ11を介して第
2の溶剤蒸気発生機構9と繋がっており、第1の溶剤ポ
ンプ21の場合と同じく、溶剤タンク18中の溶剤を第
2の溶剤蒸気発生機構9に送るポンプ機能を有するとと
もに、溶剤を送る量を設定できる機能も有している。
【0018】次にグラビア版面乾燥防止装置の動作につ
いて、溶剤タンク18から第1の溶剤ポンプ21を経て
第1の溶剤蒸気発生機構8に至る流れに沿って説明す
る。印刷開始前にオペレーターは、溶剤供給機構12の
調整を行う、具体的には、第1の溶剤ポンプ21の内蔵
する2つのタイマーを調整して、第1の溶剤ポンプ21
の溶剤を送る量を設定する。印刷が開始すると、印刷機
の回転中には、第1の溶剤ポンプ21のインターバル時
間のタイマーに電気が流れてタイマーが進行し、設定し
たインターバル時間毎に設定した開放時間だけ第1の溶
剤ポンプ21が起動する。第1の溶剤ポンプ21の起動
に伴い、溶剤タンク18中の溶剤を液用チューブ19を
介して汲み上げて、その溶剤を液用チューブ10を介し
て第1の溶剤蒸気発生機構8の溶剤供給パイプ13中に
送り込む。第1の溶剤蒸気発生機構8では、溶剤供給機
構12から液用チューブ10を通って送り込まれてきた
溶剤が、まず溶剤供給パイプ13を介して版胴巾方向に
均等に小孔17から点下され、点下された溶剤が多孔質
部材15を介して版胴周方向に染み込んで拡散し、多孔
質部材15全体に染み込んだ溶剤が保持部材16の網目
を通して近接空間と接触して蒸発する。このようにして
第1の溶剤蒸気発生機構8の内側に形成された近接空間
が溶剤蒸気を含有する雰囲気に保たれ、セル7に詰まっ
たインキIからの溶剤の蒸発が抑えられる。第2の溶剤
ポンプ22側の動作についても同じであり、印刷開始前
の設定条件が異なるだけである。
【0019】なお、溶剤供給量が少なければ、かかる複
雑な構造を有する溶剤供給機構12でなく、小型の溶剤
タンクを高い位置に設置して、溶剤タンク内の溶剤を重
力の作用で液用チューブ10、11を介して2つの溶剤
蒸気発生機構8、9に送り込む点滴式の供給機構を用い
てもよく、溶剤を送る量は溶剤タンクとチューブの間に
調整弁を取り付けておけば良い。
【0020】図3は請求項3乃至請求項4の発明の実施
例を示す概略正面図であり、図4は図3に示す装置の蒸
発管を示すX−X’線矢視断面図である。
【0021】ここでは、図1に示した、版面6近傍で溶
剤蒸気を発生させる第1の溶剤蒸気発生機構8、第2の
溶剤蒸気発生機構9がなく、ドクター接点Dと圧胴ニッ
プ部Pの間の版面6に対しては第1の溶剤蒸気吹き付け
ノズル27が、圧胴ニップ部Pとインキ接点Fの間の版
面6に対しては第2の溶剤蒸気吹き付けノズル28がそ
れぞれ設置されており、版胴近傍においては比較的簡単
な構造になっており、この2つの溶剤蒸気吹き付けノズ
ル27、28は、エアー用チューブ29、30を介し
て、それぞれ第1の溶剤蒸気供給機構31、第2の溶剤
蒸気供給機構32に接続している。
【0022】第1の溶剤蒸気供給機構31は、図3に示
すように、蒸発管33、ブロアポンプ34、溶剤ポンプ
35、溶剤タンク36、エアー用チューブ37、液用チ
ューブ38、39から構成されており、蒸発管33にて
ブロアポンプ34から送られてきたエアーの中に溶剤ポ
ンプ35から送られてきた溶剤を蒸発させて溶剤蒸気を
生成し、これを第1の溶剤蒸気吹き付けノズル27に対
して設定流量に応じて供給するものである。蒸発管33
自体は、図4に示すように、ケーシング40、多孔質部
材41、溶剤供給パイプ42、保持部材43から構成さ
れている。ケーシング40は、蒸発管33を形成する外
壁であって、その内周面には多孔質部材41を保持す
る。多孔質部材41は、ケーシング40の内周面の全面
に保持部材43で留められており、溶剤を含浸する性質
を有している。溶剤供給パイプ42は、蒸発管33の長
さ方向に延びるパイプであって、多孔質部材41の中に
複数配置されている。また、一定間隔毎に穿孔された小
孔44を有し、この小孔44から液用チューブ39を介
して送られてきた溶剤が放出し、周囲の多孔質部材41
を湿潤する。保持部材43は、管形状のネットであり、
多孔質部材41をケーシング40の側に留めて、その内
部に空間を形成するとともに、その網目を通して、多孔
質部材41の表面をその内部空間と接触させている。ブ
ロアポンプ34は、流量調整機構のついた吹き専用のエ
アーポンプであって、外気をフィルターを通して吸い込
んで粉塵を除去した新鮮なエアーをエアー用チューブ3
7を介して、蒸発管33の管内に送っており、印刷機と
連動して回転するように電気配線されている。溶剤ポン
プ35は、図3に示すように、吸入口45の側が液用チ
ューブ38を介して溶剤タンク36中の溶剤と、吐出口
46の側が液用チューブ39を介して蒸発管33と繋が
っており、図1の溶剤ポンプ21、22の場合と同じ
く、溶剤タンク36中の溶剤を蒸発管33に送るポンプ
機能を有するとともに、溶剤を送る量を設定できる機能
も有している。
【0023】第2の溶剤蒸気供給機構32の構成は、第
1の溶剤蒸気供給機構31と同じ、蒸発管33、ブロア
ポンプ34、溶剤ポンプ35、溶剤タンク36、エアー
用チューブ37、液用チューブ38、39から構成され
ており、蒸発管33にて生成した溶剤蒸気を第2の溶剤
蒸気吹き付けノズル28に対して設定流量に応じて供給
するものである。
【0024】次にグラビア版面乾燥防止装置の動作につ
いて第1の溶剤蒸気供給機構31と第1の溶剤蒸気吹き
付けノズル27の系統に沿って説明する。印刷開始前に
オペレーターは、第1の溶剤蒸気供給機構31の調整を
行う、具体的には、ブロアポンプ34の風量と溶剤ポン
プ35の溶剤を供給する量を設定する。印刷が開始する
と、印刷機に連動して、ブロアポンプ34が設定流量に
応じたエアーを、連続的に蒸発管33に送る一方で、溶
剤ポンプ35は間欠的に設定液量に応じた溶剤を蒸発管
33に送り込む。蒸発管33では、溶剤ポンプ35から
液用チューブ39を通って送り込まれてきた溶剤が、ま
ず溶剤供給パイプ42を介して蒸発管33の長さ方向並
びに円周方向にに均等に小孔44から放出され、放出さ
れた溶剤が多孔質部材41を介して染み込んで拡散し、
多孔質部材41全体に染み込んだ溶剤が保持部材43の
網目を通して、その内部空間を流れるブロアポンプ34
から送られてきたエアーと接触して蒸発する。このよう
にして、蒸発管33にて生成した溶剤蒸気を第1の溶剤
蒸気吹き付けノズル27に供給して版面に吹きつけるこ
とで、ドクター接点Dと圧胴ニップ部Pの間の版面6近
傍の溶剤蒸気圧濃度を高くし、セル7に詰まったインキ
Iからの溶剤の蒸発が抑えられる。第2の蒸気供給機構
32側の動作についても同じであり、印刷開始前の設定
条件が異なるだけである。
【0025】なお、印刷ユニット数が多い印刷機に関し
ては、このように蒸気供給機構を印刷ユニット毎に有す
る装置はコスト的に不利であるので、溶剤蒸発器を一つ
据え置いて、そこで溶剤蒸気を生成し、当該溶剤蒸発器
から集中的に各印刷ユニットのノズルに溶剤蒸気を供給
する集中分配型の供給機構を用いた方が良い。
【0026】図5は請求項5の発明の実施例を示す概略
正面図である。
【0027】ここでは、図4に示したグラビア版面乾燥
防止装置に対して、第1の溶剤蒸気吹き付けノズル27
及び第2の溶剤蒸気吹き付けノズル28の形状が異なる
ものである。第1の溶剤蒸気吹き付けノズル27は、図
5に示すように、ドクター接点Dと圧胴ニップ部Pの間
の版面6を覆う湾曲形状を有しており、その内周面と版
面6との間に近接空間を形成する一方で、その内周面に
は全面均一に溶剤蒸気の吹き出し口47が設けられてい
る。第2の溶剤蒸気吹き付けノズル28は、図5に示す
ように、圧胴ニップ部Pとインキ接点Fの間の版面6を
覆う湾曲形状を有しており、その内周面と版面6との間
に近接空間を形成する一方で、その内周面には全面均一
に溶剤蒸気の吹き出し口45が設けられている。ここで
は、図4の場合と比べて、近接空間に対して均一に溶剤
蒸気を吹き付けることが可能であり、さらに、近接空間
に吹き付けた溶剤蒸気が外気に拡散するのを抑えること
が可能になるので、溶剤蒸気を供給する量が少なくてす
み、コスト面での効果が見込まれる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セル中のインキからの溶剤が蒸発するのを抑えること
で、インキ転移率向上並びに目詰まり防止等による印刷
物の品質向上を図ることが可能になる。また、印刷物の
品質をコントロールするにあたり影響の大きなドクター
の位置や印刷機の回転速度を版面乾燥防止目的から切り
離すことができるので、印刷物の品質のコントロールが
容易になる。また、ドクターの設置する位置を圧胴ニッ
プ部Pに近づける必要がなく、従来では出来なかった、
作業性やインキハネ防止に有利な位置にドクターを設置
することで、印刷物の品質向上並びに作業性向上を図る
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項2のグラビア版面乾燥防止
装置の実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1の蒸気発生機構を示す断面図である。
【図3】請求項3乃至請求項4のグラビア版面乾燥防止
装置の実施例を示す概略正面図である。
【図4】図3の蒸気管のX−X’線矢視断面図である。
【図5】請求項5のグラビア版面乾燥防止装置の実施例
を示す概略正面図である。
【図5】従来のグラビア印刷機の印刷ユニットを示す概
略正面図である。
【符号の説明】
1,48 インキパン 2,49 ファニッシャーロール 3,50 版胴 4,51 ドクター 5,52 圧胴 6,53 版面 7,54 セル 8 第1の溶剤蒸気発生機構 9 第2の溶剤蒸気発生機構 10,11,19,20,38,39 液用チューブ 12 溶剤供給機構 13,42 溶剤供給パイプ 14,40 ケーシング 15,41 多孔質部材 16,43 保持部材 17,44 小孔 18,36 溶剤タンク 21 第1の溶剤ポンプ 22 第2の溶剤ポンプ 23,25,45 吸入口 24,26,46 吐出口 27 第1の溶剤蒸気吹き付けノズル 28 第2の溶剤蒸気吹き付けノズル 29,30,37 エアー用チューブ 31 第1の溶剤蒸気供給機構 32 第2の溶剤蒸気供給機構 33 蒸発管 34 ブロアポンプ 35 溶剤ポンプ 47 吹き出し口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項2のグラビア版面乾燥防止
装置の実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1の蒸気発生機構を示す断面図である。
【図3】請求項3乃至請求項4のグラビア版面乾燥防止
装置の実施例を示す概略正面図である。
【図4】図3の蒸気管のX−X’線矢視断面図でる。
【図5】請求項5のグラビア版面乾燥防止装置の実施例
を示す概略正面図である。
【図6】従来のグラビア印刷機の印刷ユニットを示す概
略正面図である。
【符号の説明】 1,48 インキパン 2,49 ファニッシャーロール 3,50 版胴 4,51 ドクター 5,52 圧胴 6,53 版面 7,54 セル 8 第1の溶剤蒸気発生機構 9 第2の溶剤蒸気発生機構 10,11,19,20,38,39 液用チューブ 12 溶剤供給機構 13,42 溶剤供給パイプ 14,40 ケーシング 15,41 多孔質部材 16,43 保持部材 17,44 小孔 18,36 溶剤タンク 21 第1の溶剤ポンプ 22 第2の溶剤ポンプ 23,25,45 吸入口 24,26,46 吐出口 27 第1の溶剤蒸気吹き付けノズル 28 第2の溶剤蒸気吹き付けノズル 29,30,37 エアー用チューブ 31 第1の溶剤蒸気供給機構 32 第2の溶剤蒸気供給機構 33 蒸発管 34 ブロアポンプ 35 溶剤ポンプ 47 吹き出し口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷中に版胴のセルに詰まったインキの
    乾燥を防止する方法であって、ドクター接点と圧胴ニッ
    プ部の間の版面および圧胴ニップ部とインキ接点の間の
    版面に近接する空間を形成し、前記空間を溶剤蒸気を含
    有する雰囲気に保つことを特徴とするグラビア版面乾燥
    防止方法。
  2. 【請求項2】 印刷中に版胴のセルに詰まったインキの
    乾燥を防止する装置であって、ドクター接点と圧胴ニッ
    プ部の間の版面を覆う形状であって且つその内周面に溶
    剤が含浸可能な多孔質部材を設けた第1の溶剤蒸気発生
    機構と、圧胴ニップ部とインキ接点の間の版面を覆う形
    状であって且つその内周面に溶剤が含浸可能な多孔質部
    材を設けた第2の溶剤蒸気発生機構と、前記第1の溶剤
    蒸気発生機構及び第2の溶剤蒸気発生機構に溶剤を供給
    する溶剤供給機構を有することを特徴とするグラビア版
    面乾燥防止装置。
  3. 【請求項3】 印刷中に版胴のセルに詰まったインキの
    乾燥を防止する方法であって、ドクター接点と圧胴ニッ
    プ部の間の版面および圧胴ニップ部とインキ接点の間の
    版面に溶剤蒸気を吹きつけることを特徴とするグラビア
    版面乾燥防止方法。
  4. 【請求項4】 印刷中に版胴のセルに詰まったインキの
    乾燥を防止する装置であって、ドクター接点と圧胴ニッ
    プ部の間で版胴と平行に取り付けられた第1の溶剤蒸気
    吹き付けノズルと、圧胴ニップ部とインキ接点の間で版
    胴と平行に取り付けられた第2の溶剤蒸気吹き付けノズ
    ルと、前記第1の溶剤蒸気吹き付けノズル及び第2の溶
    剤蒸気吹き付けノズルに溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供
    給機構を有することを特徴とするグラビア版面乾燥防止
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の溶剤蒸気吹き付けノズルがド
    クター接点と圧胴ニップ部の間の版面を覆う形状であっ
    て且つその内周面に溶剤蒸気の吹き出し口を設けたもの
    であり、前記第2の溶剤蒸気吹き付けノズルが圧胴ニッ
    プ部とインキ接点の間の版面を覆う形状であって且つそ
    の内周面に溶剤蒸気の吹き出し口を設けたものであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のグラビア版面乾燥防止
    装置。
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