JPH09297168A - 超伝導線材の交流損失の測定法および測定装置 - Google Patents
超伝導線材の交流損失の測定法および測定装置Info
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- JPH09297168A JPH09297168A JP11072096A JP11072096A JPH09297168A JP H09297168 A JPH09297168 A JP H09297168A JP 11072096 A JP11072096 A JP 11072096A JP 11072096 A JP11072096 A JP 11072096A JP H09297168 A JPH09297168 A JP H09297168A
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Landscapes
- Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 超伝導線の交流損失を簡便な装置を用いて容
易に、かつ高精度で測定する。 【解決手段】 超伝導マグネット1、試料コイル3およ
び磁界検出コイル2を同軸状に配置し、超伝導マグネッ
ト1に通電して外部磁場を発生させ、主検出コイル端子
6から試料コイル3の電圧信号を信号測定機器4で検出
する。同時に信号線2aから磁界検出コイル2の電圧信
号を信号測定機器4で検出する。これらの入力信号はコ
ンピュータ5へ出力され、ここでデータ処理を施すこと
により交流損失の値が得られる。
易に、かつ高精度で測定する。 【解決手段】 超伝導マグネット1、試料コイル3およ
び磁界検出コイル2を同軸状に配置し、超伝導マグネッ
ト1に通電して外部磁場を発生させ、主検出コイル端子
6から試料コイル3の電圧信号を信号測定機器4で検出
する。同時に信号線2aから磁界検出コイル2の電圧信
号を信号測定機器4で検出する。これらの入力信号はコ
ンピュータ5へ出力され、ここでデータ処理を施すこと
により交流損失の値が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超伝導線材の交流損
失の測定法およびその測定装置に関する。
失の測定法およびその測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超伝導線材の製造技術の進歩に伴
い、交流用の超伝導応用機器およびそれに適用する超伝
導線材の開発が行われている。このような発電機や変圧
器等の交流機器においては交流損失、即ち発熱が生ず
る。上記のような交流機器でなくとも、直流超伝導マグ
ネットの励消磁時、あるいは超伝導線に交流電流を通電
している時や交流磁界中に超伝導線がある場合等にはコ
イル状でなくとも交流損失が発生する。
い、交流用の超伝導応用機器およびそれに適用する超伝
導線材の開発が行われている。このような発電機や変圧
器等の交流機器においては交流損失、即ち発熱が生ず
る。上記のような交流機器でなくとも、直流超伝導マグ
ネットの励消磁時、あるいは超伝導線に交流電流を通電
している時や交流磁界中に超伝導線がある場合等にはコ
イル状でなくとも交流損失が発生する。
【0003】従って、線材や導体の交流損失を簡便な装
置を用いて容易に、かつ高精度で測定する技術を開発す
ることは、交流機器やそれに適する超伝導線材を開発す
る上で特に重要である。従来、交流損失を測定すること
は種々の方法により行われているが、その方法により測
定し得る損失の種類、試料の形状、試料への通電状態、
外部磁場の種類、検出コイルの有無、測定の困難さある
いは計算処理の方法に相違があり、それぞれ一長一短が
ある。
置を用いて容易に、かつ高精度で測定する技術を開発す
ることは、交流機器やそれに適する超伝導線材を開発す
る上で特に重要である。従来、交流損失を測定すること
は種々の方法により行われているが、その方法により測
定し得る損失の種類、試料の形状、試料への通電状態、
外部磁場の種類、検出コイルの有無、測定の困難さある
いは計算処理の方法に相違があり、それぞれ一長一短が
ある。
【0004】従来知られている交流損失の測定法として
は、(1) 無誘導巻コイル法(小笠原他、低温工学、Vol.
11、No.1,1976、p19〜26)、(2) コイルシュミレーション
法(T.Ezaki et al.、CRYOGENICS,Sep.1979,p731〜735
)、(3) 同軸法(住吉他、低温工学、Vol.27,No.4,199
2,p339〜346 )、(4) カロリーメトリック法、(5)ta
nδ法があるが、これらの方法による測定し得る損失の
種類、試料の形状、試料への通電状態、外部磁場の種
類、検出コイルの有無、測定の困難さを比較して表1に
示す。
は、(1) 無誘導巻コイル法(小笠原他、低温工学、Vol.
11、No.1,1976、p19〜26)、(2) コイルシュミレーション
法(T.Ezaki et al.、CRYOGENICS,Sep.1979,p731〜735
)、(3) 同軸法(住吉他、低温工学、Vol.27,No.4,199
2,p339〜346 )、(4) カロリーメトリック法、(5)ta
nδ法があるが、これらの方法による測定し得る損失の
種類、試料の形状、試料への通電状態、外部磁場の種
類、検出コイルの有無、測定の困難さを比較して表1に
示す。
【0005】
【表1】
【0006】この表における測定し得る超伝導線状態で
の交流損失の種類としてPt 、Pd、Pm およびPc が
あるが、これは、通電時の全損失をPt (通電)、非通
電時の全損失をPt (非通電)とすれば、 Pt (通電) =Pd +Pm(通電)+Pc(通電) … Pt (非通電)=Pm(非通電)+Pc(非通電) … と表される。ここで Pd :動的抵抗損失 Pm(通電):通電時の磁化損失(超伝導部分で発生) Pm(非通電):非通電時の磁化損失(超伝導部分で発
生) Pc (通電):通電時の結合損失(超伝導以外の金属部
分で発生) Pc (非通電):非通電時の結合損失(超伝導以外の金
属部分で発生) である。
の交流損失の種類としてPt 、Pd、Pm およびPc が
あるが、これは、通電時の全損失をPt (通電)、非通
電時の全損失をPt (非通電)とすれば、 Pt (通電) =Pd +Pm(通電)+Pc(通電) … Pt (非通電)=Pm(非通電)+Pc(非通電) … と表される。ここで Pd :動的抵抗損失 Pm(通電):通電時の磁化損失(超伝導部分で発生) Pm(非通電):非通電時の磁化損失(超伝導部分で発
生) Pc (通電):通電時の結合損失(超伝導以外の金属部
分で発生) Pc (非通電):非通電時の結合損失(超伝導以外の金
属部分で発生) である。
【0007】上記の表から明らかなように各測定法には
それぞれ長所短所があり、現在まで行われている測定法
では、交流損失を簡便な装置を用いて容易に、かつ高精
度で測定することは困難である。表1から、比較的簡便
な装置を用いて容易に交流損失を測定することができる
方法として無誘導巻コイル法をあげることができる。
それぞれ長所短所があり、現在まで行われている測定法
では、交流損失を簡便な装置を用いて容易に、かつ高精
度で測定することは困難である。表1から、比較的簡便
な装置を用いて容易に交流損失を測定することができる
方法として無誘導巻コイル法をあげることができる。
【0008】この測定法は、外部磁場発生用マグネット
(直流磁界用、変動磁界用)およびこれらの電源、試料
通電用直流電源、信号測定用機器およびデータ処理装置
からなる装置を用いて測定するものである。測定は、ま
ず試料を2層無誘導巻きして外部磁場発生用マグネット
の中心に同軸状に配置し、試料に外部直流磁場を加え、
さらに試料に輸送電流を供給して一定値に保持する。次
に振動磁界を直流磁界と同一方向に加えて試料両端に発
生する電圧を測定する。また、振動磁界1周期での交流
損失は、同時に試料に通電している電流を測定し、これ
らの測定値を用いてデータ処理装置で以下の式を計算す
る。
(直流磁界用、変動磁界用)およびこれらの電源、試料
通電用直流電源、信号測定用機器およびデータ処理装置
からなる装置を用いて測定するものである。測定は、ま
ず試料を2層無誘導巻きして外部磁場発生用マグネット
の中心に同軸状に配置し、試料に外部直流磁場を加え、
さらに試料に輸送電流を供給して一定値に保持する。次
に振動磁界を直流磁界と同一方向に加えて試料両端に発
生する電圧を測定する。また、振動磁界1周期での交流
損失は、同時に試料に通電している電流を測定し、これ
らの測定値を用いてデータ処理装置で以下の式を計算す
る。
【0009】
【数2】
【0010】ここで、Tは振動磁界の周期、Veff は試
料の有効体積、It は試料への通電電流、Vc は試料両
端の電圧である。これにより、試料通電時の動的抵抗損
失を測定することができる。しかしながら、測定値とし
て全損失の一部であるPd (動的抵抗損失)以外測定し
得ないという問題がある。
料の有効体積、It は試料への通電電流、Vc は試料両
端の電圧である。これにより、試料通電時の動的抵抗損
失を測定することができる。しかしながら、測定値とし
て全損失の一部であるPd (動的抵抗損失)以外測定し
得ないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題を
解決するためになされたもので、無誘導巻コイル法の改
良に関する。本発明の目的は、交流損失を簡便な装置を
用いて容易に、かつ高精度で測定する方法及び装置を提
供することにある。
解決するためになされたもので、無誘導巻コイル法の改
良に関する。本発明の目的は、交流損失を簡便な装置を
用いて容易に、かつ高精度で測定する方法及び装置を提
供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、通電時の全損
失および動的抵抗損失、非通電時の全損失および磁化損
失を測定することが可能な測定法及びその装置を提供す
ることにある。
失および動的抵抗損失、非通電時の全損失および磁化損
失を測定することが可能な測定法及びその装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明の超伝導線材の交流損失の測定法は、超伝
導マグネットの内部に2層無誘導巻きした超伝導線を収
容し、この超伝導線の内部にさらに磁界検出コイルを収
容した後、超伝導マグネットに通電して外部磁場を発生
させ、超伝導線の電圧信号を検出するとともに、磁界検
出コイルの電圧信号を検出し、これらの信号にコンピュ
ータによるデータ処理を施すようにしたものである。
めに、本発明の超伝導線材の交流損失の測定法は、超伝
導マグネットの内部に2層無誘導巻きした超伝導線を収
容し、この超伝導線の内部にさらに磁界検出コイルを収
容した後、超伝導マグネットに通電して外部磁場を発生
させ、超伝導線の電圧信号を検出するとともに、磁界検
出コイルの電圧信号を検出し、これらの信号にコンピュ
ータによるデータ処理を施すようにしたものである。
【0014】上記の測定法において、超伝導マグネッ
ト、2層無誘導巻きした超伝導線および磁界検出コイル
は、同軸状に配置することが好ましい。これにより、精
度の向上と測定の簡便化を図ることができる。また、本
発明の超伝導線材の交流損失の測定装置は、超伝導マグ
ネットの内部に磁界検出コイルを配置して、超伝導マグ
ネットと磁界検出コイルとの間に被測定物である2層無
誘導巻きした超伝導線を収容する空間を形成するととも
に、超伝導マグネットに接続された外部磁場発生用電源
と、超伝導線および磁界検出コイルに接続された超伝導
線および磁界検出コイルの電圧信号を検出する信号測定
装置と、これらの測定信号にデータ処理を施すコンピュ
ータを備えるようにしたものである。
ト、2層無誘導巻きした超伝導線および磁界検出コイル
は、同軸状に配置することが好ましい。これにより、精
度の向上と測定の簡便化を図ることができる。また、本
発明の超伝導線材の交流損失の測定装置は、超伝導マグ
ネットの内部に磁界検出コイルを配置して、超伝導マグ
ネットと磁界検出コイルとの間に被測定物である2層無
誘導巻きした超伝導線を収容する空間を形成するととも
に、超伝導マグネットに接続された外部磁場発生用電源
と、超伝導線および磁界検出コイルに接続された超伝導
線および磁界検出コイルの電圧信号を検出する信号測定
装置と、これらの測定信号にデータ処理を施すコンピュ
ータを備えるようにしたものである。
【0015】この場合、超伝導マグネットに接続された
外部磁場発生用電源は、周波数可変であることが好まし
い。さらに、被測定物である2層無誘導巻きした超伝導
線に通電可能な周波数可変の試料通電用電源を備えるこ
とが好ましい。上記の測定装置においては、超伝導マグ
ネットと磁界検出コイルを同軸状に配置し、この間に被
測定物である2層無誘導巻きした超伝導線を同軸状に固
定する支持部材を設けることが、前述と同様の理由によ
り、好ましい。
外部磁場発生用電源は、周波数可変であることが好まし
い。さらに、被測定物である2層無誘導巻きした超伝導
線に通電可能な周波数可変の試料通電用電源を備えるこ
とが好ましい。上記の測定装置においては、超伝導マグ
ネットと磁界検出コイルを同軸状に配置し、この間に被
測定物である2層無誘導巻きした超伝導線を同軸状に固
定する支持部材を設けることが、前述と同様の理由によ
り、好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。図1は本発明の測定装置を示したもので、1
は超伝導マグネット、2は磁界検出コイル、3は試料コ
イル、4は信号測定機器、5はコンピュータである。試
料コイル3は、多芯超伝導線を2層無誘導巻きしたもの
で、試料内部での電界分布の対称性を利用し易くするた
めと、それ自身の誘導電流をキャンセルするために一端
で折返され2層コイルとしたものである。この試料コイ
ル3は、超伝導マグネット1と同軸状に配置され、その
両端に信号線6aを接続して主検出コイル端子6が設け
られている。
説明する。図1は本発明の測定装置を示したもので、1
は超伝導マグネット、2は磁界検出コイル、3は試料コ
イル、4は信号測定機器、5はコンピュータである。試
料コイル3は、多芯超伝導線を2層無誘導巻きしたもの
で、試料内部での電界分布の対称性を利用し易くするた
めと、それ自身の誘導電流をキャンセルするために一端
で折返され2層コイルとしたものである。この試料コイ
ル3は、超伝導マグネット1と同軸状に配置され、その
両端に信号線6aを接続して主検出コイル端子6が設け
られている。
【0017】また、試料コイル3の内部に試料コイル3
と同軸状に磁界検出コイル2を配置し、主検出コイル端
子6からの信号に含まれる空間磁界による信号をキャン
セルするために、この磁界検出コイル2の信号を抵抗分
圧した。従って、上記の超伝導マグネット1、試料コイ
ル3および磁界検出コイル2は同軸状に配置される。
と同軸状に磁界検出コイル2を配置し、主検出コイル端
子6からの信号に含まれる空間磁界による信号をキャン
セルするために、この磁界検出コイル2の信号を抵抗分
圧した。従って、上記の超伝導マグネット1、試料コイ
ル3および磁界検出コイル2は同軸状に配置される。
【0018】上記の測定装置を用いて交流損失を測定す
るには、超伝導マグネット1に通電し、外部磁場を発生
させ、主検出コイル端子6から試料コイル3の電圧信号
を信号測定機器4で検出する。同時に信号線2aから磁
界検出コイル2の電圧信号を信号測定機器4で検出す
る。これらの入力信号はコンピュータ5へ出力され、デ
ータ処理を施すことにより交流損失の値が以下に述べる
方法により得られる。
るには、超伝導マグネット1に通電し、外部磁場を発生
させ、主検出コイル端子6から試料コイル3の電圧信号
を信号測定機器4で検出する。同時に信号線2aから磁
界検出コイル2の電圧信号を信号測定機器4で検出す
る。これらの入力信号はコンピュータ5へ出力され、デ
ータ処理を施すことにより交流損失の値が以下に述べる
方法により得られる。
【0019】図2は、本発明の方法による交流損失を測
定法の原理を説明するための試料コイル3の一部断面図
である。図において、多芯超伝導線を2層無誘導巻きし
たソレノイドコイル3aの軸方向に交流磁界Bac=Bm
cosωtを印加したとき、層間に鎖交する磁束により
誘起される電圧がコイル端子間電圧Vc として測定され
る。
定法の原理を説明するための試料コイル3の一部断面図
である。図において、多芯超伝導線を2層無誘導巻きし
たソレノイドコイル3aの軸方向に交流磁界Bac=Bm
cosωtを印加したとき、層間に鎖交する磁束により
誘起される電圧がコイル端子間電圧Vc として測定され
る。
【0020】ここで、多芯超伝導線内の電気的中立線を
電界E=0の点(図2の点Nで示される)を連続してつ
ないだ線として定義する。ソレノイドコイル3aの層間
に鎖交する磁束は、この電気的中立線がつくる2層の円
筒面Si (半径Ri )とSo (半径Ro )で挟まれた部
分に鎖交する磁束の平均値で近似することができる。
電界E=0の点(図2の点Nで示される)を連続してつ
ないだ線として定義する。ソレノイドコイル3aの層間
に鎖交する磁束は、この電気的中立線がつくる2層の円
筒面Si (半径Ri )とSo (半径Ro )で挟まれた部
分に鎖交する磁束の平均値で近似することができる。
【0021】簡単化のために、電界や磁界に対してコイ
ル軸方向の分布を無視してその平均値を用いると、半径
Rm =(Ri +Ro )/2の円筒面Sm と円筒面So
で挟まれた空間内での単位体積当りの交流損失Po は、
ル軸方向の分布を無視してその平均値を用いると、半径
Rm =(Ri +Ro )/2の円筒面Sm と円筒面So
で挟まれた空間内での単位体積当りの交流損失Po は、
【0022】
【数3】
【0023】で計算することができる。 ここで、ω :外部磁界の角周波数 Ss :試料の等価断面積 Ns :1層の巻数 また、円筒面So 上での電界Eo と円筒面Sm 上での電
界Em を用いると、 Eo =0 Em =Vc /(2πRm Nc ) 従って、数3で示す式は以下のように表される。
界Em を用いると、 Eo =0 Em =Vc /(2πRm Nc ) 従って、数3で示す式は以下のように表される。
【0024】
【数4】
【0025】ここで、μo :真空の等磁率 Vc(t):試料両端の電圧 Bs(t):円筒面Sm 上の磁界 であり、Bs(t)は通電電流がない場合には印加磁界Bac
に等しく、電流It が通電されている場合には、コイル
長をLc として Bac+μo Nc It /Lc となる。この場合には、多芯超伝導線内での電気的中立
線の対称性が破れるので、電流の位相に他の修正を施す
必要がある。
に等しく、電流It が通電されている場合には、コイル
長をLc として Bac+μo Nc It /Lc となる。この場合には、多芯超伝導線内での電気的中立
線の対称性が破れるので、電流の位相に他の修正を施す
必要がある。
【0026】以上の測定法において、各種の損失は以下
のようにして求めることができる。即ち、試料コイル3
に電流を通電していない場合では、外部磁界の周波数f
を極めて小さくしたとき(f=0)の交流損失Po はP
m(非通電)に等しく、ある周波数fもとでの測定値Po
はPt(非通電)に等しい。また、この周波数fでのPc
(非通電)は、式より求められる。一方、試料コイル
3に電流を通電した場合では、測定値PoはPt(通電)
に等しい。また、本発明は無誘導巻コイル法の改良であ
るため、試料コイル3の通電電流値を測定するとこによ
りPdは求められる。また、外部磁界の周波数fを極め
て小さくしたとき(f=0)の交流損失PoはPm(通
電)となる。すなわち、ある外部磁界の周波数fの時の
Pt(通電)、Pm(通電)、Pd が既知となるので、式
よりPc(通電)も求められる。
のようにして求めることができる。即ち、試料コイル3
に電流を通電していない場合では、外部磁界の周波数f
を極めて小さくしたとき(f=0)の交流損失Po はP
m(非通電)に等しく、ある周波数fもとでの測定値Po
はPt(非通電)に等しい。また、この周波数fでのPc
(非通電)は、式より求められる。一方、試料コイル
3に電流を通電した場合では、測定値PoはPt(通電)
に等しい。また、本発明は無誘導巻コイル法の改良であ
るため、試料コイル3の通電電流値を測定するとこによ
りPdは求められる。また、外部磁界の周波数fを極め
て小さくしたとき(f=0)の交流損失PoはPm(通
電)となる。すなわち、ある外部磁界の周波数fの時の
Pt(通電)、Pm(通電)、Pd が既知となるので、式
よりPc(通電)も求められる。
【0027】
【実施例】以下本発明の一実施例について説明する。図
1および2に示す方法により交流損失を測定した。この
ときの試料コイルの諸元は以下の通りであった。 線径(絶縁後)…0.112(0.135)mm フィラメント径…0.42μm ツイストピッチ…0.98mm マトリックス比…CuTi:NbTi=2:1 フィラメント数…23749本 図3は、外部横磁界を印加したときの交流損失の測定結
果を示したもので(白丸印)、比較のために、試料コイ
ルの内外に検出コイルを配置した従来の同軸法による測
定結果も同時に示した(黒丸印)。
1および2に示す方法により交流損失を測定した。この
ときの試料コイルの諸元は以下の通りであった。 線径(絶縁後)…0.112(0.135)mm フィラメント径…0.42μm ツイストピッチ…0.98mm マトリックス比…CuTi:NbTi=2:1 フィラメント数…23749本 図3は、外部横磁界を印加したときの交流損失の測定結
果を示したもので(白丸印)、比較のために、試料コイ
ルの内外に検出コイルを配置した従来の同軸法による測
定結果も同時に示した(黒丸印)。
【0028】図3の結果から明らかなように、本発明の
方法による交流損失の測定結果は従来の同軸法による測
定結果と同等の測定が可能であることを示している。
方法による交流損失の測定結果は従来の同軸法による測
定結果と同等の測定が可能であることを示している。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による超伝導
線材の交流損失の測定法および測定装置によれば、交流
損失を簡便な装置を用いて容易に、かつ高精度で測定す
ることができ、また、通電時、非通電時の各種の損失を
測定することが可能である。
線材の交流損失の測定法および測定装置によれば、交流
損失を簡便な装置を用いて容易に、かつ高精度で測定す
ることができ、また、通電時、非通電時の各種の損失を
測定することが可能である。
【図1】 本発明の測定法を示す一部断面図。
【図2】 本発明の方法による交流損失の測定法の原理
を示す説明図。
を示す説明図。
【図3】 本発明の方法および従来の方法による外部横
磁界に対する交流損失の測定結果を示すグラフ。
磁界に対する交流損失の測定結果を示すグラフ。
1…超伝導マグネット 2…磁界検出コイル 3a…ソレノイドコイル 3…試料コイル 4…信号測定機器 5…コンピュータ 6…主検出コイル端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船木 和夫 福岡市東区みどりが丘1丁目1番7号 (72)発明者 岩熊 成卓 大野城市下大利団地26−402 (72)発明者 三宅 清市 川崎市川崎区小田栄2丁目1番1号 昭和 電線電纜株式会社内 (72)発明者 熊野 智幸 川崎市川崎区小田栄2丁目1番1号 昭和 電線電纜株式会社内 (72)発明者 市原 政光 川崎市川崎区小田栄2丁目1番1号 昭和 電線電纜株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】超伝導マグネットの内部に2層無誘導巻き
した超伝導線を収容し、この超伝導線の内部にさらに磁
界検出コイルを収容した後、前記超伝導マグネットに通
電して外部磁場を発生させ、前記超伝導線の電圧信号を
検出するとともに、前記磁界検出コイルの電圧信号を検
出し、これらの信号にコンピュータによるデータ処理を
施すことにより交流損失を測定することを特徴とする超
伝導線材の交流損失の測定法。 - 【請求項2】データ処理は、ωを外部磁界の周波数をf
としたときの角周波数(ω=2πf)、Ss を試料の等
価断面積、Ns を1層の巻数、μo を真空の等磁率、V
c(t)を試料両端の電圧およびBs(t)を磁界検出コイルか
ら算出した外部磁場としたとき、以下の式により行われ
ることを特徴とする請求項1記載の超伝導線材の交流損
失の測定法。 【数1】 - 【請求項3】超伝導マグネット、2層無誘導巻きした超
伝導線および磁界検出コイルは、同軸状に配置されてい
ることを特徴とする請求項1または2記載の超伝導線材
の交流損失の測定法。 - 【請求項4】超伝導マグネットの内部に磁界検出コイル
を配置して、前記超伝導マグネットと前記磁界検出コイ
ルとの間に被測定物である2層無誘導巻きした超伝導線
を収容する空間を形成するとともに、前記超伝導マグネ
ットに接続された外部磁場発生用電源と、前記超伝導線
および前記磁界検出コイルに接続された超伝導線および
磁界検出コイルの電圧信号を検出する信号測定装置と、
これらの測定信号にデータ処理を施すコンピュータを備
えたことを特徴とする超伝導線材の交流損失の測定装
置。 - 【請求項5】超伝導マグネットに接続された外部磁場発
生用電源は、周波数可変であることを特徴とする請求項
4記載の超伝導線材の交流損失の測定装置。 - 【請求項6】被測定物である2層無誘導巻きした超伝導
線に通電可能な周波数可変の試料通電用電源を備えたこ
とを特徴とする請求項4または5記載の超伝導線材の交
流損失の測定装置。 - 【請求項7】超伝導マグネットと磁界検出コイルは、同
軸状に配置されていることを特徴とする請求項4乃至6
のいずれか1項記載の超伝導線材の交流損失の測定装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11072096A JPH09297168A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 超伝導線材の交流損失の測定法および測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11072096A JPH09297168A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 超伝導線材の交流損失の測定法および測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09297168A true JPH09297168A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14542782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11072096A Withdrawn JPH09297168A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 超伝導線材の交流損失の測定法および測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09297168A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005127940A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超伝導厚膜の臨界電流密度及び電流・電圧特性の測定方法、及び装置 |
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CN103226187A (zh) * | 2013-04-23 | 2013-07-31 | 福州大学 | 一种磁性元件损耗测量方法 |
CN103728576A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-04-16 | 中国计量科学研究院 | 一种用于电工钢连续铁损测量的直流磁场补偿装置及方法 |
CN103777081A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-05-07 | 中国计量科学研究院 | 一种用于电工钢连续铁损测量的信号同步控制系统及方法 |
CN112462149A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-03-09 | 天津大学 | 一种超导线圈电感测量新方法 |
CN113495238A (zh) * | 2020-04-07 | 2021-10-12 | 中国航天科工飞航技术研究院(中国航天海鹰机电技术研究院) | 有背景磁场的动态超导磁体热负载测试系统 |
KR20220059804A (ko) * | 2020-11-03 | 2022-05-10 | 창원대학교 산학협력단 | 초전도 코일의 교류 손실 측정 방법 및 그 장치 |
-
1996
- 1996-05-01 JP JP11072096A patent/JPH09297168A/ja not_active Withdrawn
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