JPH092948A - アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤

Info

Publication number
JPH092948A
JPH092948A JP15597495A JP15597495A JPH092948A JP H092948 A JPH092948 A JP H092948A JP 15597495 A JP15597495 A JP 15597495A JP 15597495 A JP15597495 A JP 15597495A JP H092948 A JPH092948 A JP H092948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cholesterol
carbon atoms
acat
blood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15597495A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruji Sawada
治司 澤田
Kenji Oishi
憲司 大石
Yasuto Yoshida
康人 吉田
Yasue Wada
康江 和田
Wakae Mori
稚恵 森
Tsuneichi Watanabe
常一 渡辺
Teruo Yokokura
輝男 横倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP15597495A priority Critical patent/JPH092948A/ja
Publication of JPH092948A publication Critical patent/JPH092948A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1)のポリオキシアルキレン化合物を有
効成分とするアシルコエンザイムA:コレステロールア
シルトランスフェラーゼ阻害剤、血中コレステロール低
下剤及び動脈硬化症予防治療剤。 【化1】R1-O-(R2O)m-H (1) 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜24のアルキルも
しくはアルケニル基、総炭素数7〜34のアルキルアリ
ール基又は炭素数2〜24のアシル基を示し、m個のR
2 は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキ
レン基を示し、mは2〜30の数を示す〕 【効果】 ACAT阻害活性が強く、血中コレステロー
ルを低下させ、コレステロールの蓄積を抑制することか
らヒトの動脈硬化症の予防及び治療剤として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動脈硬化症の予防に有用
なアシルコエンザイムA:コレステロールアシルトラン
スフェラーゼ(以下ACATという)阻害剤及び血中コ
レステロール低下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】食生活の欧米化に伴って、わが国におけ
る虚血性心疾患の発生頻度は著しく増加している。欧米
型の食生活によって上昇する血中のコレステロール値と
動脈硬化症の関係は、多くの疫学的研究で明らかにされ
てきた。すなわち、血清コレステロール値と虚血性心疾
患発生頻度との間には有意な相関があり、高コレステロ
ール血症を治療することが動脈硬化症、ひいては虚血性
心疾患を予防するといわれている。動脈硬化症は、血管
への脂質蓄積による内膜の肥厚が特徴的な病変である
が、近年粥状動脈硬化症の病巣に、マクロファージ由来
の細胞がコレステロールエステルを脂肪滴として貯蔵し
ている泡沫細胞が観察され、病変の進展に深く関わって
いると推定されている。
【0003】一方、ACATは、コレステロールの脂肪
酸エステル化酵素であり、本酵素の阻害剤は動脈硬化の
治療薬として期待されている(Drago R.et
al.,Tips 194,(12),1991)。す
なわち、動脈硬化病変部位の血管壁ではACAT活性が
高くなっており、血管壁へコレステロールエステルが蓄
積していることが報告されている。従って、ACAT活
性抑制作用を有する物質を用いれば、コレステロールの
エステル化を阻害することができ、細胞に存在する遊離
コレステロールは高比重リポ蛋白(HDL)によって、
沈着部位から取り去られ、肝臓に運ばれて代謝されるの
で、病変部位でのコレステロールエステルの蓄積が抑制
され、直接的な抗動脈硬化作用を得ることができる。
【0004】また、食事中に含まれるコレステロールは
小腸粘膜細胞においてACATによりエステル化された
後、カイロミクロンの成分として血流に放出される。よ
って、ACAT阻害剤を用いれば、食事中のコレステロ
ールの小腸上皮細胞での吸収を阻害することにより、血
中コレステロールを低下させることができるため、その
結果として、動脈硬化を抑制することができる。
【0005】また、カイロミクロンによって肝臓まで運
ばれたコレステロールエステルはコレステロールエステ
ラーゼで遊離コレステロールに分解された後、肝臓で合
成された遊離コレステロールとともにACATによって
再度コレステロールエステルに変換され、超低比重リポ
蛋白(VLDL)に組み込まれて血中へと放出される。
よって、かかるACAT阻害剤によってコレステロール
のエステル化が阻止されれば、肝臓の遊離コレステロー
ル量が増加し、コレステロール合成系の抑制がかかると
共に、コレステロールの胆汁酸への変換の過程における
律速酵素である7α−水酸化酵素活性が亢進し、コレス
テロールの胆汁酸への異化排泄作用が高まる。
【0006】このように、ACAT阻害剤を用いれば、
食事中のコレステロールの小腸からの吸収を阻害するこ
とにより、また、肝臓でのコレステロールの再エステル
化を抑制し、更にコレステロールの異化排泄促進作用に
より血中コレステロールを低下させることができ、動脈
硬化を予防又は治療することができる。
【0007】このような背景からACAT阻害物質の探
索が行なわれており、微生物が産生するACAT阻害物
質がいくつか知られているが、これらの物質は作用及び
安全性の両面を考慮すると未だ満足できるものではなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はACAT阻害活性が高く、安全性に問題がなく、血中
コレステロール低下剤、動脈硬化症予防治療剤として有
用な医薬を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる実情において本発
明者らは、ACAT活性阻害作用を有する物質の探索を
続けた結果、意外にもポリオキシアルキレン化合物がA
CAT阻害作用、コレステロールエステル蓄積抑制作用
及び血中コレステロール低下作用を有し、医薬として有
用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は次式(1)
【0011】
【化4】R1-O-(R2O)m-H (1)
【0012】〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜24
のアルキルもしくはアルケニル基、総炭素数7〜34の
アルキルアリール基又は炭素数2〜24のアシル基を示
し、m個のR2 は同一でも異なっていてもよい炭素数2
〜4のアルキレン基を示し、mは2〜30の数を示す〕
【0013】で表されるポリオキシアルキレン化合物を
有効成分とするアシルコエンザイムA:コレステロール
アシルトランスフェラーゼ阻害剤を提供するものであ
る。
【0014】また、本発明は上記ポリオキシアルキレン
化合物(1)を有効成分とする血中コレステロール低下
剤を提供するものである。
【0015】更にまた、本発明は上記ポリオキシアルキ
レン化合物(1)を有効成分とする動脈硬化症予防治療
剤を提供するものである。
【0016】本発明に用いられるポリオキシアルキレン
化合物は、上記一般式(1)で表されるものであるが、
当該式中R1 で示される炭素数1〜24のアルキル又は
アルケニル基としては直鎖又は分岐鎖のアルキル基及び
アルケニル基のいずれでもよいが炭素数1〜24の直鎖
又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数10〜
20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。こ
のようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0017】また、総炭素数7〜34のアルキルアリー
ル基としては、総炭素数7〜34のアルキルフェニル及
びアルキルナフチル基が挙げられ、このうち総炭素数1
0〜20のアルキルフェニル基及び総炭素数14〜24
のアルキルナフチル基がより好ましい。かかるアルキル
アリール基の具体例としては、メチルフェニル基、エチ
ルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェ
ニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オク
チルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル
基、テトラデシルフェニル基、ヘキサデシルフェニル
基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナ
フチル基、イソプロピルナフチル基、ブチルナフチル
基、ヘキシルナフチル基、オクチルナフチル基、デシル
ナフチル基等が挙げられる。
【0018】また、炭素数2〜24のアシル基として
は、炭素数2〜24のアルカノイル又はアルケノイル基
が挙げられ、このうち炭素数10〜20のアルカノイル
又はアルケノイル基がより好ましい。かかるアシル基の
具体例としてはアセチル基、プロピオニル基、ヘキサノ
イル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル
基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタ
デカノイル基、オレオイル基等が挙げられる。
【0019】R2 としては、エチレン基、トリメチレン
基、プロピレン基、テトラメチレン基が挙げられるが、
エチレン基及びプロピレン基がより好ましく、プロピレ
ン基が特に好ましい。また、エチレン基とプロピレン基
が混在していてもよい。
【0020】mは2〜30の数を示すが、2〜20が特
に好ましい。
【0021】一般式(1)で表されるポリオキシアルキ
レン化合物のうち、下記一般式(2)で表される化合物
が特に好ましい。
【0022】
【化5】R1a-O-(R2aO)m-H (2)
【0023】〔式中、R1aは水素原子又は炭素数1〜2
4のアルキル基を示し、m個のR2aはプロピレン基又は
プロピレン基とエチレン基の混在を示し、mは2〜30
の数を示す〕
【0024】かかるポリオキシアルキレン化合物(1)
はそのアルキル基の疎水作用と末端の水酸基に由来する
親水作用を有するが故に界面活性剤等としても使用され
る物質である。本物質は微生物に対する毒性がほとんど
認められず、その増殖特性にも影響を与えないので、発
酵工業等においても使用されている。また、ポリオキシ
アルキレン化合物(1)は後記実施例に示すように優れ
たACAT阻害作用細胞内へのコレステロールエステル
蓄積抑制作用及び血中コレステロール低下作用を有する
ので、血中コレステロール低下剤及び動脈硬化症予防治
療剤として有用である。
【0025】本発明の医薬は、ポリオキシアルキレン化
合物(1)を単独で或いは他の薬効成分(例えば、他の
作用機序を有する抗動脈硬化用薬)とともに、更に必要
に応じて薬学的に許容される担体とともに経口的又は注
射等の非経口的に投与されるが、経口的に投与されるの
が好ましい。
【0026】経口的な製剤としては例えば錠剤、カプセ
ル剤、顆粒剤、粉末剤、トローチ剤、シロップ剤などが
挙げられる。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、トロ
ーチ剤などの固型の組成物においてはデンプン、ラクト
ース、カルボキシメチルセルロース、沈降炭酸カルシウ
ムなどの賦形剤;アラビアゴム、トラガントゴム、ゼラ
チン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
などの結合剤;アルギン酸、コーンスターチなどの崩壊
剤;ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽
質無水ケイ酸などの滑沢剤;サッカロースなどの甘味
剤;メントールなどのフレーバー剤などを含有させるこ
とができる。シロップ剤などの液状の組成物においては
ソルビトール、ゼラチン、メチルセルロース、植物油、
乳化剤のほか甘味剤、フレーバー剤、着色剤などを含有
させることができる。これら製剤中には1〜95重量%
のポリオキシアルキレン化合物(1)を含有するのが望
ましい。
【0027】また、本発明の医薬の投与量は、症状、体
重、投与経路等によって異なるが、経口投与の場合ポリ
オキシアルキレン化合物(1)として成人1日あたり1
0〜1,500mgを1〜数回に分けて投与するのが好ま
しい。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0029】実施例1 (ラット由来ACATに対する阻害作用)ACAT活性
に対する影響は、ラット肝臓のミクロゾーム蛋白画分よ
り調製した粗酵素を用い、(14C)−オレオイルCoA
を基質に、内因性のコレステロールから(14C)−コレ
ステリルオレエートを生成させる反応をインビトロで行
なうことにより調べた。すなわち、培養上清を試料とす
るときの反応液組成は、20μlのミクロゾーム蛋白
(1.83mg/ml)、20μlの(14C)−オレオイル
CoA(5μCi/ml、BSA:96nmol/ml)、90
μlの100mMリン酸緩衝液(5mMのジチオスレイトー
ルを含む、pH7.4)、20μlの培養上清液、合計1
50μlからなる。一方、被検体を試料とする時の反応
液組成は、20μlのミクロゾーム蛋白(1.83mg/
ml)、20μlの(14C)−オレオイルCoA(5μC
i/ml、BSA:96nmol/ml)、106μlの100
mMリン酸緩衝液(5mMのジチオスレイトールを含む、pH
7.4)、4μlのメタノール或いはジメチルスルホキ
シドに溶解した試料、合計150μlからなる。
【0030】なお、反応は37℃で行ない、所定の反応
時間(通常18分間)終了後、5.65mlのクロロホル
ム:メタノール(2:1)を添加して反応を停止したの
ち、0.04Nの塩酸水溶液0.98ml及びキャリアー
としてコレステリルオレエートを加え、20分間振盪機
で抽出したのち、1晩冷暗所に放置した。翌日、分離し
たクロロホルム下層全量を抜き取り、これを窒素気流下
に乾燥させ、残った上層にホルチの分配溶液下層5.6
5mlを加えて再度抽出した。これを1晩暗所に放置した
後、下層全量を抜き取り、先に乾固したクロロホルム下
層画分と合わせて乾固した。
【0031】次に、これを200μlのクロロホルムに
溶解し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーG60プレ
ート(アルミニウムシート)に全量塗布した。これをジ
エチルエーテル:石油エーテル(10:190)で10
cm展開した後、オートラジオグラフィーを行ない、生成
した(14C)−コレステリルオレエートを確認した。次
にこの部分を切りとって、トルエン中で各試料共5分間
の液体シンチレーションカウンティングあるいはベータ
スコープ(ベータ・ジェン社製)によって30分間放射
活性を測定した。得られた結果を図1に示す。図1中の
各試料は次の通りである。
【0032】試料1:ポリオキシプロピレンポリオキシ
エチレンアルキルエーテル(アデカノールLG294,
旭電化) 試料2:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリ
オキシエチレン(プルロニック,旭電化) 試料3:ポリプロピレングリコール(平均分子量70
0)
【0033】更に、分子量が742のポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物(アデ
カノールLG294を酢酸エチル:アセトン=95:5
の混合溶媒にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より分画した物質)のACATを50%阻害する濃度
(IC50)は70nMであった。
【0034】実施例2 (マクロファージに対するコレステロールエステル蓄積
抑制作用)マクロファージに対するコレステロールエス
テル蓄積抑制作用は、マウスのマクロファージ樹立細胞
であるJ774.1株を用いて行なった。
【0035】内皮細胞や平滑筋細胞におけるLDLの代
謝は細胞内の過剰の遊離コレステロールによって、LD
Lレセプターのダウンレギュレーションがかかるが、マ
クロファージにおいては変性LDLの取り込みは、スカ
ベンジャーレセプター経由による。この経路はレギュレ
ーションがかからないためコレステロールエステルが無
制限に蓄積してゆく。
【0036】そこで、14Cでラベルしたコレステロール
とホスファチジルコリンからなるリポソームをマクロフ
ァージ細胞に取り込ませ、粗面小胞体に存在するACA
Tに作用させることにより、被検体が細胞内コレステロ
ールエステルの蓄積を抑制するか否かを調べた。
【0037】マクロファージ細胞を10%牛胎児血清及
びペニシリン50U/ml、ストレプトマイシン50μg
/mlを加えたRPMI 1640培地(日水製薬社製)
にて、2日間、5%CO2 の条件にてインキュベートし
た。次いで、トリプシン処理を行ない、ウェルの底面に
付着している細胞を剥がして細胞懸濁液とした後、細胞
を上記新鮮培地で洗浄し、24穴のマルチプルウェルプ
レート(コーニング社製 25820−24)に1ウェ
ル当たり2×106 個/mlの細胞溶液750μlを播種
した。37℃、5%CO2 の条件下で37時間培養した
後に前記新鮮培地と交換し、更に80μgのコレステロ
ール(0.4μCiの(3H)−コレステロールを含
む)と160μgのホスファチジルコリンを含んだ0.
3Mのグルコース溶液40μl及び被検試料を溶解した
メタノール溶液10μlを添加して、12時間培養し
た。これらの操作は無菌的に行なった。
【0038】培養終了後、血清を含まないRPMI 1
640培地を使用して底面に付着している細胞を5回駒
込ピペットで洗浄した後、1mlのイソプロパノールを添
加して細胞内のコレステロール及び生成したコレステロ
ールエステルを抽出した。この抽出液をシリカゲル薄層
クロマトグラフィー(メルク社製 Art.5553)
に全量塗布し、ヘキサン:エーテル:ギ酸(80:2
0:2)にて展開した後、オートラジオグラフィーを行
なった。次に、3Hでラベルされたコレステロールエス
テル及びコレステロール部分を切り取り、液体シンチレ
ーションカウンターにて放射活性を測定し、対照と比較
してコレステロールエステル蓄積抑制率を得た。その結
果実施例1で用いた分子量742のポリオキシプロピレ
ンポリオキシエチレンアルキルエーテルの50%コレス
テロールエステル蓄積抑制濃度(IC50値)は0.9μ
Mであった。
【0039】実施例3 ラットに対する血清コレステロール低下作用 5週齢のSDラット(120〜150g、1群10匹)
を使用して、実施例1及び実施例2に記載したポリプロ
ピレンアルキルエーテル化合物のラットにおける血清コ
レステロール低下作用を検討した。対照群には、船橋農
場製F−2食にコレステロール1.5%、コール酸0.
5%、ヤシ油10%、ショ糖10%を添加した飼料を、
高脂血漿誘導食として自由摂食させた。一方、ポリオキ
シアルキレン化合物(被検試料)投与群には上記組成の
高脂血漿誘導食に実施例1及び2記載の分子量742の
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエー
テル化合物0.01%を添加した飼料を自由摂食させ
た。また、高脂血漿誘導食からコレステロールを除外し
た飼料を自由摂食させた普通食群についても同様に試験
した。試験方法は、これらの飼料を3日間自由摂食させ
た後、4日目にネンブタール麻酔下に下大動脈より採血
し、血清を採取した後、血清コレステロールはデタミナ
TC555キット(協和メデックス製)、HDLコレス
テロールはデタミナHDLキット(協和メデックス製)
にて定量した。得られたデータの統計処理は、ダネット
の検定にて行った。
【0040】図2は、その結果であり、対照群のラット
は高脂血漿誘導食の投与により血清コレステロール値は
535ml/dlにまで上昇しているのに比べて、ポリオキ
シアルキレン化合物投与群のラットでは血清コレステロ
ール値が216mg/dlしか上昇しておらず、危険率1%
以下で有意に血清コレステロールの上昇抑制効果が認め
られた。一方、コレステロール非添加食を摂食させた普
通食群の血清コレステロール値は116mg/dlであった
ことから、0.01%のポリオキシアルキレン化合物は
対照群(高脂血漿誘導食投与群)に比べて76%もの血
清コレステロール値上昇抑制効果を示すことが明らかと
なった。また、普通食群の血清HDLコレステロール値
は約50mg/dlであるが、コレステロール投与群(対照
群)のHDLコレステロール値は約15mg/dlにまで低
下する。しかしながら、被検試料を投与した群では約2
3mg/dlと対照群に比べて危険率5%で有意にHDLコ
レステロール値の低下を抑制した(図3)。なお、餌の
摂食量並びに体重の増加量については、対照群に比べて
普通食群及び被検試料投与群のいずれにも有意な差は認
められなかった。
【0041】
【表1】 製剤例1(錠剤) ポリオキシプロピレンポリオキシエチレン 40g アルキルエーテル(分子量742) ラクトース 360g ステアリン酸タルク 40g デンプン 60g
【0042】以上を混合機で混和し、打錠して0.5g
の錠剤1000個を得た。
【0043】
【発明の効果】本発明の有効成分はACAT阻害活性が
強く、血中コレステロールを低下させ、コレステロール
の蓄積を抑制することからヒトの動脈硬化症の予防及び
治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリオキシアルキレン化合物のACAT阻害作
用を示す図である。
【図2】ポリオキシアルキレン化合物の血清コレステロ
ール低下作用を示す図である。
【図3】ポリオキシアルキレン化合物の血清HDLコレ
ステロールに対する作用を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 康江 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内 (72)発明者 森 稚恵 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内 (72)発明者 渡辺 常一 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内 (72)発明者 横倉 輝男 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】R1-O-(R2O)m-H (1) 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜24のアルキルも
    しくはアルケニル基、総炭素数7〜34のアルキルアリ
    ール基又は炭素数2〜24のアシル基を示し、m個のR
    2 は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキ
    レン基を示し、mは2〜30の数を示す〕で表されるポ
    リオキシアルキレン化合物を有効成分とするアシルコエ
    ンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ
    阻害剤。
  2. 【請求項2】 式(1) 【化2】R1-O-(R2O)m-H (1) 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜24のアルキルも
    しくはアルケニル基、総炭素数7〜34のアルキルアリ
    ール基又は炭素数2〜24のアシル基を示し、m個のR
    2 は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキ
    レン基を示し、mは2〜30の数を示す〕で表されるポ
    リオキシアルキレン化合物を有効成分とする血中コレス
    テロール低下剤。
  3. 【請求項3】 式(1) 【化3】R1-O-(R2O)m-H (1) 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜24のアルキルも
    しくはアルケニル基、総炭素数7〜34のアルキルアリ
    ール基又は炭素数2〜24のアシル基を示し、m個のR
    2 は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキ
    レン基を示し、mは2〜30の数を示す〕で表されるポ
    リオキシアルキレン化合物を有効成分とする動脈硬化症
    予防治療剤。
JP15597495A 1995-06-22 1995-06-22 アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤 Pending JPH092948A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15597495A JPH092948A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15597495A JPH092948A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH092948A true JPH092948A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15617607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15597495A Pending JPH092948A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH092948A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4603142A (en) Cholesterol lowering method of use
EP3383377B1 (en) Compounds and methods for inhibiting production of trimethylamine
KR20060052792A (ko) 신규 화합물 및 스테롤 및/또는 스탄올 및 콜레스테롤생합성 억제제를 포함하는 조성물 및 다양한 질병 및증상을 치료 또는 예방하기 위한 이들의 용도
Swann et al. Tissue distribution of cholesterol feedback control in the guinea pig.
WO2005102357A1 (en) Compositions comprising one or more policosanols and/or policosanoic acids combined with sterol and/or steroid based ascorbic acid derivatives, and uses thereof
EP0488513B1 (en) Use of dioxabicyclo [3.3.0]octane derivatives for the manufacture of a medicament for inhibiting the metabolism of cholesterol.
AU2004283631A1 (en) Use of a deoxynojirimycin derivative or a pharmaceutically salt thereof
Endo [56] 3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA reductase inhibitors from Penicillium and Monascus Species
US8673976B2 (en) Medicament for prophylactic and/or therapeutic treatment of hepatic steatosis or non-alcoholic steatohepatitis
Yamamoto et al. Dietary taurine decreases hepatic secretion of cholesterol ester in rats fed a high-cholesterol diet
US4939134A (en) 26-aminocholesterol and derivatives and analogs thereof in the regulation of cholesterol accumulation in body tissue
JPH092948A (ja) アシルコエンザイムa:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤
JPH09510446A (ja) ペリリルアルコール及びペリラ酸メチルエステルの使用
US20030232797A1 (en) Novel derivatives of androstane and androstene with ascorbic acid and use thereof in treating or preventing various conditions, diseases, and disorders
US6057308A (en) Remedy or preventive for hyperlipemia
JP2004018489A (ja) Acat−1阻害剤
WO2003013420A2 (en) Isoprenyl derivatives and their use in the treatment and prevention of osteoporosis and cardiovascular calcification
JP2002529409A (ja) グルコース及び脂質低下化合物類
WO2001068101A1 (en) Phosphatidylcholine compositions and methods for lowering intestinal absorption and plasma levels of cholesterol
JP3075360B2 (ja) コレステロール降下剤
JPH0859461A (ja) Acat阻害剤
WO2001083511A1 (fr) Procede de recherche d'inhibiteurs de l'arteriosclerose et d'agents de retraction
EP2179732B1 (en) Pharmaceutical composition combining an enzyme hmg-coa reductase inhibiting agent and a gastrointestinal lipase enzyme inhibiting agent
KR960008227B1 (ko) 파낙시돌의 고지혈증 억제제로써의 용도
SONODA et al. Hypolipidemic effects of dietary 7-oxo-24, 25-dihydrolanosterol