JPH0929260A - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置

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Publication number
JPH0929260A
JPH0929260A JP18735995A JP18735995A JPH0929260A JP H0929260 A JPH0929260 A JP H0929260A JP 18735995 A JP18735995 A JP 18735995A JP 18735995 A JP18735995 A JP 18735995A JP H0929260 A JPH0929260 A JP H0929260A
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JP
Japan
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water
water treatment
tank
electrodes
electrode
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Application number
JP18735995A
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English (en)
Inventor
Takashi Kishioka
俊 岸岡
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型でメンテナンス頻度が少なく且つ流水処理
においても案内した処理能力が得られる水処理装置を提
供すること。 【課題解決手段】生成したフロックを電解浮上させる前
処理槽としての内槽1と、沈澱作用を利用して不純物を
分離ろ過する後処理槽としての外槽2を持つ。対をなす
環状の第1及び第2の電極(17,18)(19,20)を、通水方向
である上下方向に交互に積層し、内槽1内に配置した。
第1及び第2の電極17〜20にそれぞれ埋設した不溶解性
の補助電極が、電気の流れを確保し、第1及び第2の電
極の不動態化を防止する。内槽1から外槽2への連通口
3を絞ることにより内槽1からの流出速度を制限し、内
槽1から外槽2へ電解生成物が流出しないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃水、家庭廃
水等の廃水処理を要する被処理水、或いは水質改善を必
要とするその他の被処理水を電解処理する水処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より廃水処理法として、電解処理法
があった。この電解処理法では、対向電極間に廃水を流
して電解処理し、電極における酸化及び還元によって汚
濁物質を分解すると共に、陽極から溶解した金属イオン
により生成される金属水酸化物の凝集作用を利用して、
上記分解された汚濁物質を吸着凝集させてフロックを形
成し、該フロックに電解反応により発生した微細なガス
を吸着させて浮上分離させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の電解処理法の欠
点としては、電極の汚損によって、電極の性能が悪くな
り電解効果が低下することがある。すなわち、陽極で
は、酸化によって表面に酸化被膜が形成されることによ
り、いわゆる不動態化が起こり、また、陰極では、水中
の正電荷物質や陽極から溶解する、正電荷金属イオンが
金属として陰極表面に析出したり金属塩として吸着する
ことによる不動態化が起こる。このように電極の不動態
化が起こると、陽極と陰極の間で電気が流れなくなるた
め、廃水の処理ができなくなる。したがって、これを防
止するため、頻繁に電極の交換等のメンテナンスをする
必要があった。
【0004】また、従来、一般的に電極に平行平板が用
いられていたが、上記のように電極が早期に劣化してい
く状況のなかで、分解能力を確保するには、必然的に、
電極面積を広くとっておく必要があり、このため、電解
処理槽が大型になるという欠点があった。また、電解処
理槽に被処理水を連続的に流しながら処理する場合、処
理能力が著しく低下してしまうという問題があった。こ
れは、上記電解処理槽から次工程へ、凝集剤としての金
属水酸化物が流出してしまう傾向にあるため、電解処理
槽内での凝集剤の濃度が低下し、必要な凝集作用が得ら
れなくなってしまうからである。このため、実際上、流
水としての被処理水の処理は困難であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、小型でメンテナ
ンス頻度が少なく且つ流水処理においても安定した処理
能力が得られる水処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、 (1) 請求項1に係る発明の水処理装置は、供給経路を介
して連続的に供給される被処理水の電解反応処理により
生じたフロックを電解浮上させるための前処理槽と、水
との比重差による沈澱作用により不純物を分離ろ過する
ための後処理槽と、前処理槽の底部に形成され、後処理
槽の底部に連通した連通口と、後処理槽の上部に開口さ
れ、処理済水を排出する排出口と、環状をしており、前
処理槽内に収容され、且つ上下方向に沿う同一軸線上に
所定間隔をあけて少なくとも一対が交互に対向配置され
た、互いに反対極性の第1及び第2の電極と、隣接する
第1及び第2の電極にそれぞれ端面を露出した状態で埋
設され、互いの端面同士が相対した不溶解性の補助電極
とを備え、上記連通口は、該連通口を通しての被処理水
の後処理槽への流出速度が前処理槽内での電解生成物の
上昇速度よりも小さくなるように、所定の絞りが与えら
れていることを特徴とするものである。
【0007】上記構成によれば、前処理槽内に連続的に
供給される被処理水に含まれる不純物等は、電解生成ガ
スと共にフロックに吸着され、電解浮上する。一方、前
処理槽において殆どの不純物を除去された被処理水は、
前処理槽の底部から連通口を通して後処理槽へ導かれて
水と混合される。そして、前処理槽で除去を免れた極小
の不純物も、水との比重差による沈澱作用により分離さ
れるので、後処理槽の上部の排出口からは処理済水が排
出されることになる。
【0008】端面同士が互いに相対した不溶解性の補助
電極によって、対をなす第1及び第2の電極間の電気の
流れを確保することができるので、第1及び第2の電極
のうち陽極性が与えられる電極で起こる酸化による不動
態化を阻止し、陰極性が与えられる電極で起こる電析や
金属塩の付着を抑制することができる。なお、補助電極
は不溶解性であるので、殆ど劣化しない。
【0009】また、反対極性が与えられる環状の第1及
び第2の電極を通水方向に沿って交互に組み合わせたの
で、まんべんのない状態で効率良く酸化分解処理を行な
うことができる。したがって、電極としては小型のもの
を採用することができる。さらに、連通口を絞ることに
よって、電解生成ガスと共に上昇する凝集剤としての金
属水酸化物の上昇速度を、前処理槽からの被処理水の流
出速度よりも速くしたので、凝集剤が後処理槽側へ流出
するのを阻止することができる結果、前処理槽内で凝集
剤を高濃度に維持することができる。 (2) 請求項2に係る発明の水処理装置は、請求項1記載
の水処理装置において、上記供給経路に配置された水処
理用電極ユニットをさらに備え、この水処理用電極ユニ
ットは、環状をしており、通水方向に沿う同一軸線上に
所定間隔をあけて少なくとも一対が対向配置された、互
いに反対極性の第3及び第4の電極を含む電極積層体
と、隣接する第3及び第4の電極にそれぞれ端面を露出
して埋設され、互いの端面同士が相対する不溶解性の補
助電極とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】上記構成によれば、供給経路に配置した水
処理用電極ユニットの第3及び第4の電極を、サブ電極
として用いることができ、前処理槽に配置した第1及び
第2の電極をメイン電極として、その役割を分担させな
がら、複数種の目的を単一の装置で達成することが可能
となる。特に、内槽へ供給する前の被処理水に予め酸
化、還元を施すことができると共に、陽極性が与えられ
る側の電極から溶解した金属イオンを内槽へ供給するこ
とも必要に応じて可能となるので、流水を処理する場合
にも、安定した処理能力を発揮することができる。さら
に、不溶解性の補助電極によって、対をなす第3及び第
4の電極間の電気の流れを確保することができる結果、
第3及び第4の電極の不動態化を阻止することができ
る。なお、補助電極は不溶解性であるので、殆ど劣化し
ない。 (3) 請求項3に係る発明の水処理装置は、請求項2記載
の水処理装置において、上記第3及び第4の電極の何れ
か一方は、アルミニウムからなり、他方は、アルミニウ
ム、銀、銅、鉄及び不溶解性金属のグループから少なく
とも一つ選択された金属からなることを特徴とするもの
である。
【0011】上記構成によれば、上記構成によれば、電
極として、殺菌を目的とする銀を用いた場合、目的を終
えた過剰の銀イオンが水酸化アルミニウムに包含される
という脱銀作用が起こる。このため、上記目的を達成さ
せるのに必要な量を超える銀イオンを流出させない。殺
藻を目的とする銅や、脱珪素を目的とする鉄を電極とし
て用いた場合に関しても過剰なイオンを流出させない点
で同様である。不溶解性金属(例えばチタニウム等)の
場合、不溶解性であるので、イオン流出のおそれがな
い。 (4) 請求項4に係る発明の水処理装置は、請求項2記載
の水処理装置において、上記第1及び第2の電極はアル
ミニウムからなり、上記第3及び第4の電極は不溶解性
金属、炭素、銀、銅及び鉄のグループから少なくとも一
つ選択されたものからなることを特徴とするものであ
る。
【0012】上記構成によれば、第3及び第4の電極
に、チタニウム等の不溶解性金属又は炭素を用いての酸
化、銀を用いての殺菌、銅を用いての殺藻、及び鉄を用
いての脱珪素の少なくとも一つの役割を分担させ、メイ
ン電極に、凝集剤としての水酸化アルミニウムの生成や
気泡発生の役割を分担させることができる。 (5) 請求項5に係る発明の水処理装置は、請求項2ない
し4の何れかに記載の水処理装置において、上記第3及
び第4の電極には、所定の周期で極性を変換する直流交
番電流が付与されることを特徴とするものである。
【0013】上記構成によれば、固定的な極性の陽極の
もとで発生していた酸化被膜の形成や負電荷物の付着を
抑制できるので、水処理用電極ユニットの第3及び第4
の電極の汚損劣化を防止できる結果、電極寿命を長くで
きる。また、長期にわたって安定した性能を維持するこ
とができ、流水処理が可能となる。 (6) 請求項6に係る発明の水処理装置は、請求項1ない
し5の何れかに記載の水処理装置において、上記第1及
び第2の電極には、所定の周期で極性を変換する直流交
番電流が付与されることを特徴とするものである。
【0014】上記構成によれば、固定的な極性の陽極の
もとで発生していた酸化被膜の形成や負電荷物の付着を
抑制できるので、第1及び第2の電極の汚損劣化を防止
できる結果、電極寿命を長くできる。 (7) 請求項7に係る発明の水処理装置は、請求項1ない
し6の何れかに記載の水処理装置において、上記供給経
路に、該供給経路内の被処理水に空気を混合させるエア
レーション手段を設けたことを特徴とするものである。
【0015】上記構成によれば、被処理水に混入させた
気泡によって、電極表面に付着した油分等の不導電性物
質を電極表面から剥離させ、電極表面を洗浄することが
できる。また、被処理水に混入させた気泡によって、前
処理槽内でのフロックの浮上性を向上させることができ
る。 (8) 請求項8に係る発明の水処理装置は、請求項1ない
し7の何れかに記載の水処理装置において、上記供給経
路に、該供給経路内の被処理水に所要の電解質を添加す
る電解質添加手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】上記構成によれば、電解質の添加によって
被処理水に対し各種作用を付加し、処理機能の向上が期
待できる。 (9) 請求項9に係る発明の水処理装置は、請求項8記載
の水処理装置において、上記電解質は、塩化ナトリウム
を含むことを特徴とするものである。上記構成によれ
ば、塩化ナトリウムの電解により生成される次亜塩素酸
(HOCl)が酸化力を持ち、これが電極の持つ酸化力
に付加されるので、全体としての酸化力及び酸化による
殺菌力を向上できる。一方、加水分解により生成する水
素イオンの量も増えるので、還元力も向上できる。この
ように、酸化力、還元力を向上できるので、酸化、還元
を主目的として不溶解性の電極を使用する場合と組み合
わせることに適している。 (10)請求項10に係る発明の水処理装置は、請求項8記
載の水処理装置において、上記電解質は、炭酸カルシウ
ムを含むことを特徴とするものである。
【0017】上記構成によれば、炭酸カルシウムの水溶
液の持つアルカリ性によって還元性を向上させることが
できる。 (11)請求項11に係る発明の水処理装置は、請求項8記
載の水処理装置において、上記電解質は、硫酸及び水酸
化ナトリウムの少なくとも一つを含むことを特徴とする
ものである。
【0018】上記構成によれば、被処理水のpH調整が
可能となる。 (12)請求項12に係る発明の水処理装置は、請求項1な
いし11の何れかに記載の水処理装置において、後処理
槽内に配置され、後処理槽の底部に沈澱された沈澱物の
浮き上がりを抑制する沈澱物浮上抑制手段をさらに備え
たことを特徴とするものである。
【0019】上記構成によれば、後処理槽の底部の沈澱
物の浮上を防止し、処理済水に沈澱物が混入することを
防止することができる。 (13)請求項13に係る発明の水処理装置は、請求項12
記載の水処理装置において、上記沈澱物浮上抑制手段
は、後処理槽を上下に仕切る網状積層体及び衝突板体を
含むことを特徴とするものである。
【0020】上記構成によれば、後処理槽の底部の沈澱
物が被処理水の流れによって仮に巻き上げられたとして
も、この巻き上げられた沈澱物は、網状積層体又は衝突
板体によって遮られるので、後処理槽の上方へ移動する
ことがない。 (14)請求項14に係る発明の水処理装置は、請求項12
記載の水処理装置において、上記沈澱物浮上抑制手段
は、前処理槽の連通口から流出する被処理水が後処理槽
の底部の沈澱物に当たることを抑制するように、上記沈
澱物の上方を覆った状態で上記被処理水の流れ方向を規
制する流れ方向規制板を含むことを特徴とするものであ
る。
【0021】上記構成によれば、流れ方向規制板によっ
て、連通口から流出する被処理水が後処理槽の底部の沈
澱物に当たることが抑制されるので、沈澱物の巻き上げ
を防止することができる。 (15)請求項15に係る発明の水処理装置は、請求項1な
いし14の何れかに記載の水処理装置において、上記後
処理槽は前処理槽の周囲を取り囲む環状のものからな
り、上記供給経路は、後処理槽の底部及び前処理槽の底
部の連通口を貫通して前処理槽の上部まで達する供給パ
イプを含むことを特徴とするものである。
【0022】上記構成によれば、後処理槽が前処理槽を
包含した構造となるので、全体を小型で一体的な装置と
して構成することができる。なお、後処理槽に収容され
ることになる前処理槽へは、両槽の底部を貫通した供給
パイプを通して被処理水が供給される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の好ましい実施形態について詳述する。図2は本発明
の一実施形態に係る水処理装置100の概略斜視図であ
り、図1はその内部構成を示す概略断面図である。図1
を参照して、本水処理装置100は、 被処理水の電解反応処理により生じたフロックを電解
浮上させるための前処理槽として機能する内槽1と、 水との比重差による沈澱作用により不純物を分離ろ過
するための後処理槽として機能する外槽2と、 内槽1の底部に形成され外槽2の底部に連通した連通
口3と、 内槽1内に被処理水を供給する給水パイプ4を含む供
給経路Rと、 外槽2の上部に開口され、処理済水を排出する排出口
5と、 内槽1内に収容された第1の電極積層体6と、 上記給水パイプ4の上流側端に接続された水処理用電
極ユニット40内に収容された第2の電極積層体7と、 水処理用電極ユニット40よりも上流側の供給経路R
に接続され、供給経路R内の被処理水に、空気及び所要
の電解質を噴射状に注入して混合させるエジェクタ33
とを主要部として備えている。
【0024】本水処理装置は、内筒8及び外筒9からな
る二重筒構造を採用しており、内筒8内に上記内槽1が
区画形成されていると共に、内筒8と外筒9との間に、
断面略四角形形状の環状の外槽2が区画形成されてい
る。このように、外槽2が内槽1を包含した構造となる
ので、全体を小型で一体的な装置として構成することが
できる。内槽1は、浮上スカムをオーバーフローさせる
ために上方に開放されている。内外筒8,9の上端同士
は四角枠状の天板10により連結されており、これによ
り、外槽2の上端部は閉塞されている。また、図1及び
図2を参照して、内外槽1,2の上端部の周囲を取り囲
むように取り付けられた箱状部材11は、環状のスラッ
ジ搬出路12と、このスラッジ搬出路12から外部へス
ラッジを流出させる流出路13を区画する流出ガイド1
3aとを形成している。14は、上記天板10に取り付
けられ外槽2内を大気に開放させるためのエアー抜きパ
イプである。
【0025】外槽2の下部から下方に向かって除々に断
面積が狭くされており、一定断面積の底部に連続してお
り、この底部によりドレン槽2aが構成されている。こ
のドレン槽2aに外槽2内で沈降した汚泥等の沈澱物T
が溜まるようになっており、ドレン槽2aには、所要時
にポンプPを用いて上記沈澱物Tを排出するためのドレ
ン15が設けられている。
【0026】連通口3の直下方には、連通口3から流出
する被処理水が外槽2の底部2aの沈澱物Tに当たるこ
とを抑制する流れ方向規制板32が配置されている。こ
の流れ方向規制板32は、下向きに開いたコーン状をし
ており、給水パイプ4の周囲に取り付けられている。流
れ方向規制板32は、上記沈澱物Tの上方を覆った状態
で、連通口3から流出する被処理水の流れ方向を規制す
ることにより、上記被処理水が上記沈澱物Tに当たるこ
とを抑制し、これにより、沈澱物Tの巻き上げを防止す
る。
【0027】また、外槽2の径が細くなり始める部分に
は、外槽2内を上下に仕切る網状体31が複数段に取り
付けられている。そのため、仮に、外槽2の底部2aに
溜まった沈澱物Tが、流れによって多少巻き上げられた
としても、この巻き上げられた沈澱物Tは、上記網状体
31によって、外槽2の上部へ浮上するのを遮られる。
【0028】上記網状体31及び流れ方向規制板32
は、何れも沈澱物浮上抑制手段を構成している。上記網
状体31としては、例えばステンレス製の金網のような
ものでも良いし、また、繊維を編んだものであっても良
い。また、上記網状体に代えて、同箇所に、沈澱物Tの
浮上を抑制する小型の衝突板体を複数、平面状に連結配
置したもの複数段積層して、沈澱物浮上抑制手段として
も良い。この場合、衝突板体としては、下向きに拡がっ
た略円錐形のものを用いることが考えられる。
【0029】内槽1は、上部1a、中央部1b及び下部
1cへと段階的に絞られており、互いの間は傾斜面によ
り連結されている。上記中央部1bには、上記第1の電
極積層体6が収容され、下部1cの下端には、上記連通
口3が開口されている。この連通口3は、外槽2のドレ
ン槽2aに臨んでいる。上記エジェクタ33は、空気注
入口33a及び電解質注入口33bを有する公知の構成
のものからなり、エアレーション手段及び電解質添加手
段を構成している。
【0030】エジェクタ33によって被処理水に混入さ
せた気泡によって、各電極17〜20,46〜49表面
に付着した油分等の不導電性物質を電極17〜20,4
6〜49の表面から剥離させ、電極17〜20,46〜
49の表面を洗浄することができる。また、被処理水に
混入させた気泡によって、内槽1内でのフロックの浮上
性を向上させることができる。
【0031】また、エジェクタ33によって添加される
電解質としては、塩化ナトリウムや炭酸カルシウムを例
示することができる。塩化ナトリウムを添加した場合、
塩化ナトリウムの電解により生成される次亜塩素酸(H
OCl)が酸化力を持ち、これが電極17〜20,46
〜49の持つ酸化力に付加されるので、全体としての酸
化力及び酸化による殺菌力を向上できる。一方、加水分
解により生成する水素イオンの量も増えるので、還元力
も向上できる。このように、酸化力、還元力を向上でき
るので、酸化、還元を主目的として不溶解性の電極を使
用する場合と組み合わせることに適している。
【0032】一方、炭酸カルシウムを添加した場合は、
炭酸カルシウムの水溶液の持つアルカリ性によって還元
性を向上させることができる。また、添加される電解質
が、硫酸又は水酸化ナトリウムの少なくとも一つを含む
ものであっても良く、この場合には、被処理水のpH調
整が可能となる。上記給水パイプ4は、外槽2の底部壁
2b、連通口3、及び第1の電極積層体6を貫通して、
内槽1内の中央部1cの最上部分まで達している。
【0033】上記第1の電極積層体6は、上方から、主
電極としての、第1の電極17、第2の電極18、第1
の電極19及び第2の電極20を、この順で同一軸線L
上に積層して支持ステー16により内槽1内に支持した
ものからなる。上記の第1の電極17及び第2の電極1
8が電極対Dをなし、上記第1の電極19及び第2の電
極20が電極対Eをなしている。第1の電極17,19
及び第2の電極18,20には、電極の不動態化を防止
するため、所定時間(例えば数分程度)毎に極性を変換
する直流交番電源が供給されるようになっている。この
場合、先端効果を高めるうえで、パルス状の電流を用い
ることが好ましい。
【0034】また、上記交番電流の付与は、全電極17
〜19を同一材料で構成した場合や、各電極対D,E毎
に第1及び第2の電極を同一材料で構成した場合との組
合せにおいて、電極寿命を長くすることができるという
効果がある。というのは、固定的な陽極のもとでは不動
態化を早期に起こして溶解量が不足するという問題があ
るのに対して、交番により溶解側となる陽極が交互に入
れ替わるので、第1及び第2の電極双方17〜20を溶
解に寄与させることができる結果、長期にわたって円滑
な溶解を確保することができるからである。
【0035】図1のA−A線に沿う断面図である図3を
参照して、第1の電極17は、その中央に給水パイプ4
をその周囲に隙間をあけて貫通させる中心孔17aを有
しており、また、中心孔17aを中心とする円周等配で
放射状に並ぶ貫通孔17c及び貫通孔17bを有してい
る。これらの貫通孔17c,17bはイオンや気泡を発
生させ易くするためのものである。また、貫通孔17c
と貫通孔17bとの間の中間位置には、不溶解性の補助
電極30が端面30aを露出した状態で埋設されてい
る。図3のF−F線に沿う断面図である図4を参照し
て、各陽極17,19及び各陰極18,20にそれぞれ
埋設された補助電極30は、隣接するものの端面30a
同士が互いに相対している。図3において、中心孔17
aを中心とする円周等配に複数箇所(図3では4箇所で
あるが、これに限定されるものではない)設けられてい
る21は、電極17〜20を一体的に連結するための連
結ユニットである。
【0036】第1及び第2の電極17〜20に埋設され
る補助電極30としては、チタニウム等の不溶解性金属
や炭素を例示することができる。尚、本実施形態では第
1及び第2の電極17〜20が交互に陽極及び陰極にな
るが、陽極及び陰極の極性が固定される場合において、
陽極に埋設される補助電極としては、酸素過電圧の高い
白金(Pt)、炭素(C)、二酸化鉛(PbO2)また
はチタニウム等の不溶解性金属等を例示することができ
る。また、一方、陰極は酸化反応に関与しないため、不
溶性の電極であれば、陰極に埋設される補助電極として
は、如何なる物でも採用し得るが、電析や金属塩の吸着
が起きにくくするためには、水素過電圧が高く導電性の
ある無機質の炭素(C)を採用することが好ましい。
【0037】図3のB−B線に沿う断面図である図5を
参照して、連結ユニット21は、ヘッドスペーサ23
と、3個の中間スペーサ24と、ボトムスペーサ25
と、これらのスペーサ23,24,25を貫通したボル
ト22と、ボトムスペーサ25の下方でボルト22にね
じ込まれたナット26とを備えている。各スペーサ2
3,24,25はポリ塩化ビニル等からなる絶縁性のも
のである。スペーサ24,25は、それぞれ対応する電
極17〜20を上下に貫通していると共に、上記のスペ
ーサ23〜25のうち、隣接するもの同士は、互いに凹
凸結合された状態で、対応する電極17〜20を上下に
挟んで支持している。これにより、隣接する電極17〜
20同士の間の間隔が所定の規制されている。また、上
記ボルト22の頭部と上記ナット26との間で全スペー
サ23〜25を上下に挟み込むことにより、全電極17
〜20を一体的に締結している。なお、図5では図示し
ていないが、ボルト22の下端は上記した支持ステー1
6に締結されている。
【0038】この連結ユニット21に関しては、図3に
おけるC−C線,D−D線及びE−E線にそれぞれ沿う
断面図である図6,図7及び図8におけるものは略同様
の構成であるが、端子ボルト27の長さのみが異なる。
すなわち、図5に示す端子ボルト27は、最下端の第2
の電極20に通電するためのものであり、ヘッドスペー
サ23から第1の電極17,第2の電極18及び第1の
電極19を貫通して第2の電極20にねじ込まれてい
る。端子ボルト27には、第2の電極20にねじ込まれ
る部分を除いてポリ塩化ビニル等の絶縁性のチューブ2
8が被せられており、第1の電極17,第2の電極18
及び第1の電極19に対する絶縁性が確保されている。
29は端子ボルト27の上端にねじ込まれてヘッドスペ
ーサ23に押圧されるロックナットである。
【0039】図6に示す端子ボルト27は、第1の電極
19に通電するために第1の電極19にねじ込まれると
共に貫通した第1の電極17及び第2の電極18に対す
る絶縁性が確保されている。図7に示す端子ボルト27
は、第2の電極18に通電するために第2の電極18に
ねじ込まれると共に貫通した第1の電極17に対する絶
縁性が確保されている。図8に示す端子ボルト27は第
1の電極17に通電するべく第1の電極17にねじ込ま
れている。
【0040】上記水処理用電極ユニット40は、内槽2
1内へ供給する水を調整するためのものである。水処理
用電極ユニット40の断面図である図9及び水処理用電
極ユニット40の要部の分解斜視図である図10を参照
して、水処理用電極ユニット40は、 一端に給水口41を設け他端に排水口42を設けた筒
状の絶縁性を有するハウジング43と、 このハウジング43内に区画され、給水口41から排
水口42に至る通水経路44と、 ハウジング43内に収容されて通水経路44の一部を区
画し、通水方向45 に沿う同一軸線K上に順に並べられ
て第2の電極積層体7を構成する、環状の、第3の電極
46,第4の電極47,第3の電極48及び第4の電極
49と、 隣接する電極46〜49同士の間に介在してハウジン
グ43内に収容され、極間距離を規定する絶縁性のポリ
塩化ビニル等からなる環状のスペーサ50と、 各電極46〜49にそれぞれ埋設された非溶解性の補
助電極51と、 電極積層体7の反通水方向に隣接してハウジング43
内に収容された環状体52と を主要部として備えている。
【0041】上記環状体52は、給水口41から導入さ
れた被処理水に渦巻き状の運動性を与えるためのらせん
状の案内面52aを有している。この案内面52aによ
って、通水が軸線Kを中心とする渦巻き状に回転するこ
とになる。その結果、第3及び第4の電極46〜49の
表面を物理洗浄することができる。また、通水の、第3
及び第4の電極46〜49に対する接触頻度を高めるこ
とができる結果、電極46〜49の有効表面積が実質的
に増したと同様の処理性能を達成できる。また、溶解を
意図した電極の表面からは、まんべんのない溶解を実現
できると共に、各電極46〜49が、安定して消耗する
ことになる。
【0042】53は、ハウジング43内で最も排水口4
2寄りに収容された固定リングである。通水経路44
は、環状体52、第3及び第4の電極46〜49、各ス
ペーサ50、及び固定リング53により区画される。上
記ハウジング43は、円筒部43aと一対の端面部43
b,43cとをそれぞれ液密的にねじ結合したものから
なる。一方の端面部43bに上記給水口41が設けら
れ、他方の端面部43cに上記排水口42が設けられて
いる。
【0043】スペーサ50の内径は各電極46〜49の
内径よりもかなり大きく設定されており、これにより、
各電極46〜49の電極面積を稼いでいるので、処理能
力が不足することがない。また、各スペーサ50及び各
電極46〜49のそれぞれの外径は、ハウジング43の
内径に等しく設定されている。本水処理用電極ユニット
40を組み立てる際には、端面部43b及び43cの何
れか一方を取り外した状態のハウジング43内へ、固定
リング53、環状体52、各スペーサ50及び各電極4
6〜49を、所要の順序で挿入し、スペーサ50を介在
させながら第3及び第4の電極46〜49を交互に積層
した後、上記端面部43b又は43cを取り付けること
により、容易に水処理用電極ユニット40を組み立てる
ことができる。
【0044】そして、このように水処理用電極ユニット
40が、ハウジング43を含めたユニットとして構成さ
れているので、これを、水処理経路の一部に介在させて
簡便に用いることができる。また、必要に応じて、多数
の水処理用電極ユニット40を直列に又は並列にする等
の、自在なレイアウトを簡便に達成できる。上記第3の
電極46と第4の電極47が電極対Bをなしており、第
3の電極48と第4の電極49が電極対Cをなしてい
る。
【0045】上記第3の電極46,48と第4の電極4
7,49とには、互いに反対極性の直流交番電流が与え
られ、所定の周期で極性が変換されるようになってい
る。すなわち、第3の電極46,48が陽極となって第
4の電極47,49が陰極となる状態と、第3の電極4
6,48が陰極となって第4の電極47,49が陽極と
なる状態とを、交互に繰り返すことになる。これによ
り、固定的な陽極や陰極のもとで発生していた、不動態
化を防止することができる。
【0046】上記サブ電極としての、第3及び第4の電
極46〜49を構成する材料としては、全電極対B,C
に同一溶解性材料を用いる第1の場合と、各電極対毎に
同一溶解性材料を用いる第2の場合と、各電極対B,C
を構成する第3及び第4の電極同士(46,47)(4
8,49)に相異なる金属材料を用いる第3の場合とが
ある。
【0047】上記第1の場合、全電極46〜49に、ア
ルミニウム、銅、銀、チタニウム、炭素及びSUS等か
ら一つを選択して用いたものを例示することができる。
上記第2の場合、電極対B及びCの何れか一方に、アル
ミニウムを用い、他方に銀、銅、チタニウム及び炭素か
ら少なくとも一つ選択されたものも用いたものを例示す
ることができる。
【0048】上記第3の場合、相異なる金属材料の組合
せとしては、アルミニウムと銀、アルミニウムと銅、及
びアルミニウムとチタニウム等の各組合せを例示するこ
とができる。この場合、各電極対B,C毎に組合せが異
なっていても良い。例えば、電極対Bがアルミニウムと
銀であり、電極対Cがアルミニウムと銅であっても良
い。また、電極対が3対ある場合において、アルミニウ
ムと銀、アルミニウムと銅、及びアルミニウムとチタニ
ウムの3つの組合せが含まれていても良い。
【0049】上記の銀から溶解した銀イオンは殺菌作用
を持ち、銅から溶解した銅イオンが殺藻作用を持ち、ま
た、チタニウムや炭素はイオンの凝集性(ゼータ電位=
0とすること)と気泡発生に寄与することから、赤水防
止作用及び浮上用気泡発生作用を奏するので、それぞれ
の目的に応じて用いられる。なお、上記第2及び第3の
場合においては、2種類の異なる目的を達成することが
できる。また、上記第2及び第3の場合においてアルニ
ウム電極を用いていれば、目的を終えた、銀イオンや銅
イオンが、水酸化アルミニウムに包含される、脱銀作用
や脱銅作用が起こる。したがって、目的を達するに必要
な量を超える分の銀イオンや銅イオンが、下流側へ流出
することを防止することができ、安全性の向上に繋が
る。なお、チタニウムや炭素は不溶解性であるので、イ
オン流出のおそれはない。
【0050】また、上記第1及び第2の場合において
は、特に、交番直流電流の付与との組合せにおいて、電
極寿命を長くすることができるという効果がある。とい
うのは、固定的な陽極のもとでは不動態化を早期に起こ
して溶解量が不足するという問題があるのに対して、交
番により溶解側となる陽極が交互に入れ替わるので、第
3及び第4の電極双方を溶解に寄与させることができる
結果、長期にわたって円滑な溶解を確保することができ
るからである。
【0051】上記は、サブ電極としての、第3及び第4
の電極46〜49を構成する材料の組合せについて示し
たが、本実施形態では、メイン電極としての第1及び第
2の電極17〜20と、サブ電極としての第3及び第4
の電極46〜49とに、役割を分担させて異なる目的を
達成させることが好ましい。例えば、サブ電極としての
第3及び第4の電極46〜49に、チタニウム又は炭素
を用いることで付加される酸化、気泡発生電解浮上作
用、銀を用いることで付加される殺菌作用、銅を用いる
ことで付加される殺藻作用、及び鉄を用いることで付加
される脱珪素作用の、少なくとも一つの作用役割を分担
させる一方、メイン電極としての第1及び第2の電極1
7〜20にアルミニウムを用いることにより、凝集剤と
しての水酸化アルミニウムの生成や気泡発生の役割を分
担させることができる。
【0052】上記補助電極51は、第3及び第4電極4
6〜49にそれぞれ埋設され、端面51a同士が互いに
相対している。補助電極51としては、炭素やチタニウ
ム等の不溶解性金属を用いることができる。補助電極5
1としては、完全に純粋なものが好ましいが、実際上、
多少の不純物を含んでいることも多く、この場合、多少
の劣化はするが実用上問題はない。
【0053】また、補助電極51の端面51aの一部
は、上記スペーサ50によって覆われている。これは、
劣化した補助電極51が、第3又は第4の電極46〜4
9から脱落する可能性ができた場合でも、この脱落をス
ペーサ50によって阻止するためである。動作 水処理用電極ユニット40での処理について まず、内槽1及び外槽2に水道水を満たしておき、被処
理水を流す前に、各電極積層体6,7を作動させる、い
わゆるエイジング動作を行い、内槽1内を金属イオンや
金属水酸化物の濃度を所定のレベルまで高めておく。こ
の状態で、被処理水としての廃水を水処理用電極ユニッ
ト40側から流入させるが、流入の初期から所要の処理
性能を発揮できる。
【0054】被処理水としての廃水は、水処理用電極ユ
ニット40を通過する際、多段に形成され且つ交互に入
れ替わる反対極性が与えられる第3及び第4の電極46
〜49を通過することで、繰り返し酸化、還元作用を受
け、溶存する物質は、効率良く酸化分解処理を受ける。
また、第3及び第4の電極46〜49のうち陽極となっ
たものから溶出する金属イオンは、金属水酸化物とな
り、溶存した懸濁物質(以下SSという)を吸着する。
さらに金属イオンは、廃水中のSSの界面電荷を中性化
し(ゼータ電位=0)、中性化した粒子同士は引力によ
り互いに引き合って結合し団粒化し沈澱する(イオンの
凝集性)。特に電極としてアルミニウムを採用すること
で、生成される金属水酸化物である水酸化アルミニウム
は、そのゲル体に微細孔(ポーラス)を有するので、よ
り凝集性が高い。上記SSは発生ガス(水素ガスや酸素
ガス)に包まれてSSは内槽1に流入する。
【0055】また、生成された金属イオン(例えばアル
ミニウムイオン)も、内槽1側へ供給されることにな
る。 内槽1での処理について 副生成物と共に内槽1内に流入した廃水は、内槽1内
で、第1及び第2の電極17〜19のうち陽極性が与え
られた電極からの溶出により高濃度に高められた電解凝
集液によって、更に凝集反応が進み、同時に、電解浮上
によりスカム化したSSや油分は、内槽1の上方へオー
バーフローして、スラッジ搬送路12に導かれ、外部へ
と排出される。
【0056】ここで、電解により生成されるH2 ガスや
2 ガスの上昇速度は、一般的に1.5〜4.5cm/
secと言われている。一方、このガスを吸着する水酸
化アルミニウム等のフロックの上昇速度は、ガスの上昇
速度よりも遅く、また、アルミニウムイオン等の電解生
成物の上昇速度と略同等と考えられる。本実施形態で
は、内槽1から外槽2へ流れ出る処理水の流速を、電解
生成物の浮上速度よりも小さくする(本実施形態では、
内槽1から流れ出る処理水の流速を0.8cm/sec
とした。)ことで、殆どのスラッジが、外槽2に流出す
ることなく、内槽1内で処理されることになる。また、
排出を免れたスラッジは、時間の経過と共に団粒化し、
沈澱して外槽2のドレン槽2aに溜まる。ドレン槽2a
に滞留したスラッジは、ドレン15を通して外部へ排出
される。 外槽2での処理について 殆どの不純物を除去された廃水は、内槽1の底部より連
通口3を通して外槽2内へ底部から導かれ、水と混合さ
れる。内槽1で除去を免れた極小の不純物も、水との比
重差で分離され、ドレン槽2aへ沈降する。一方、水よ
りも比重の小さな物質は、浮上して外槽2の上層部に滞
留することにより、外部へ出ないようになっている。
【0057】本実施形態によれば、不溶解性の補助電極
30を通して、対をなす第1及び第2の電極(17,1
8)(19,20)間の通電を確保できるので、各電極
17〜19のうち、陽極性が与えられる側の電極で起こ
る酸化による不動態化を阻止し、陰極性が与えられる側
の電極で起こる電析や金属塩の付着を抑制することがで
きる。その結果、電極17〜20に対するメンテナンス
を長期にわたって不要にできる。また、補助電極30は
不溶解性であるので、殆ど劣化しない。さらに、通水方
向に沿って配置した複数対の環状の第1及び第2の電極
の対(17,18)(19,20)を交互に組み合わせ
たので、被処理水は繰り返し酸化、還元反応を受けるこ
とになる結果、効率良く酸化分解処理を行なうことがで
き、しかも、電極積層体6の小型化を図れる。
【0058】さらに、生成される金属イオン(例えばア
ルミニウムイオン)や凝集剤としての金属水酸化物(例
えば水酸化アルニウム)等の電解生成物は電解生成ガス
と共に上昇するが、連通口3を絞ることによって、内槽
1での電解生成物の上昇速度を、内槽1での被処理水の
沈降速度(すなわち外槽2への流出速度)よりも大きく
した。これにより、電解生成物が外槽2側へ流出するの
を阻止することができる結果、内槽1内において金属イ
オンや凝集剤を高濃度に維持することができる。したが
って、流水としての被処理水を処理することが可能であ
る。
【0059】特に、水処理用電極ユニット40に収容し
た第3及び第4の電極46〜49のうち陽極性が与えら
れた電極から溶け出した金属イオンが、内槽1内へ供給
される結果、内槽1内での金属イオンを高濃度に維持す
ることができると共に金属水酸化物の生成が促進される
ので、単位時間当たりの流量の多い被処理水の処理にも
充分に対応できる。また、上記第2の電極積層体7にお
いても補助電極51を採用しているので、これについて
も長期にわたってメンテナンスを不要にすることができ
る。
【0060】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
るものではなく、例えば電極積層体6,7での電極対は
3対以上であっても良い。その他、特許請求の範囲内に
おいて種々の変更が可能である。
【0061】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、補助電極
によって陽極及び陰極の不動態化を防止できるので、電
極に対するメンテナンスを長期にわたって不要にでき
る。また、反対極性の環状の第1及び第2の電極を通水
方向に沿って交互に組み合わせたので、省スペースを図
りつつ、酸化、還元反応をまんべんのない状態で効率良
く行なうことができる。さらに、前処理槽内で凝集剤を
高濃度に維持することができるので、流水処理において
も安定した処理能力を発揮できる。
【0062】請求項2に係る発明によれば、水処理用電
極ユニット側の電極と、前処理槽側の電極とで、役割を
分担させながら、複数種の目的を単一の装置で達成する
ことが可能となる。特に、内槽へ供給する前の被処理水
に予め酸化、還元を施すことができると共に、陽極性が
与えられる電極から溶解した金属イオンを内槽へ供給す
ることも必要に応じて可能となるので、流水を処理する
場合にも、安定した処理能力を発揮できる。また、不溶
解性の補助電極によって、対をなす第3及び第4の電極
間の電気の流れを確保することができる結果、第3及び
第4の電極の不動態化を阻止することができる。なお、
補助電極は不溶解性であるので、殆ど劣化しない。
【0063】請求項3に係る発明によれば、所定の目的
のために用いられた過剰の金属イオンが、水酸化アルミ
ニウムに包含されるので、上記金属イオンが不必要に下
流側へ流出することがない。請求項4に係る発明によれ
ば、第3及び第4の電極に、不溶解性金属又は炭素を用
いての酸化、銀を用いての殺菌、銅を用いての殺藻、及
び鉄を用いての脱珪素の少なくとも一つの役割を分担さ
せ、メイン電極に、凝集剤としての水酸化アルミニウム
の生成や気泡発生の役割を分担させることができる。
【0064】請求項5に係る発明によれば、陽極で酸化
によって表面に酸化被膜が形成されることにより起こる
いわゆる不動態化、及び陰極で水中の正電荷物質や陽極
から溶解する、正電荷金属イオンが金属として陰極表面
に析出したり金属塩として吸着することにより起こる不
動態化を抑制できるので、水処理用電極ユニットの第3
及び第4の電極の汚損劣化を防止できる結果、電極寿命
を長くできる。また、長期にわたって安定した性能を維
持することができ、流水処理が可能となる。
【0065】請求項6に係る発明によれば、陽極で酸化
によって表面に酸化被膜が形成されることにより起こる
いわゆる不動態化、及び陰極で水中の正電荷物質や陽極
から溶解する、正電荷金属イオンが金属として陰極表面
に析出したり金属塩として吸着することにより起こる不
動態化を抑制できるので、第1及び第2の電極の汚損劣
化を防止できる結果、電極寿命を長くできる。また、長
期にわたって安定した性能を維持することができ、流水
処理が可能となる。
【0066】請求項7に係る発明によれば、被処理水に
混入させた気泡によって、電極表面に付着した油分等の
不導電性物質を電極表面から剥離させ、電極表面を洗浄
することができる。また、被処理水に混入させた気泡に
よって、前処理槽内でのフロックの浮上性を向上させる
ことができる。請求項8に係る発明によれば、電解質の
添加によって、例えば酸化、還元、殺菌、漂白又は脱臭
等の所望の効果が期待できる。
【0067】請求項9に係る発明によれば、第1及び第
2の電極の少なくとも一方に不溶解性の電極が使用され
た場合に、この電極の酸化性を向上させることができ
る。また、電解により生成する次亜塩素酸により、酸化
力及び殺菌力を向上させることができる。請求項10に
係る発明によれば、炭酸カルシウムによって還元性を向
上させることができる。
【0068】請求項11に係る発明によれば、被処理水
のpH調整が可能となる。請求項12に係る発明によれ
ば、後処理槽の底部の沈澱物の浮上を防止し、処理済水
に沈澱物が混入することを防止することができる。請求
項13に係る発明によれば、後処理槽の底部の沈澱物が
被処理水の流れによって仮に巻き上げられたとしても、
この巻き上げられた沈澱物は、網状積層体又は衝突板体
によって遮られるので、後処理槽の上方へ移動すること
がない。
【0069】請求項14に係る発明によれば、流れ方向
規制板によって、連通口から流出する被処理水が後処理
槽の底部の沈澱物に当たることが抑制されるので、沈澱
物の巻き上げを防止することができる。請求項15に係
る発明によれば、後処理槽に前処理槽を包含することが
できるので、全体を小型で一体的な装置として構成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理装置の概略断
面図である。
【図2】水処理装置の概略斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図3のF−F線に沿う断面図である。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図3のC−C線に沿う断面図である。
【図7】図3のD−D線に沿う断面図である。
【図8】図3のE−E線に沿う断面図である。
【図9】電極積層体を収容した水処理用電極ユニットの
概略断面図である。
【図10】電極積層体の要部の斜視図である。
【符号の説明】
100 水処理装置 1 内槽(前処理槽) 2 外槽(後処理槽) 3 連通口 4 給水パイプ 5 排出口 6 第1の電極積層体 7 第2の電極積層体 17,19 第1の電極 18,20 第2の電極 30 補助電極 30a 端面 40 水処理用電極ユニット 45 通水方向 46,48 第3の電極 47,49 第4の電極 51 補助電極 51a 端面 K 軸線

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給経路(R) を介して連続的に供給される
    被処理水の電解反応処理により生じたフロックを電解浮
    上させるための前処理槽(1) と、 水との比重差による沈澱作用により不純物を分離ろ過す
    るための後処理槽(2)と、 前処理槽(1) の底部に形成され、後処理槽(2) の底部に
    連通した連通口(3) と、 後処理槽(2) の上部に開口され、処理済水を排出する排
    出口(5) と、 環状をしており、前処理槽(1) 内に収容され、且つ上下
    方向に沿う同一軸線上に所定間隔をあけて少なくとも一
    対が交互に対向配置された、互いに反対極性の第1及び
    第2の電極(17,18)(19,20)と、 隣接する第1及び第2の電極(17,18)(19,20)にそれぞれ
    端面(30a) を露出した状態で埋設され、互いの端面(30
    a) 同士が相対した不溶解性の補助電極(30)とを備え、 上記連通口(3) は、該連通口(3) を通しての被処理水の
    後処理槽(2) への流出速度が前処理槽(1) 内での電解生
    成物の上昇速度よりも小さくなるように、所定の絞りが
    与えられていることを特徴とする水処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の水処理装置において、上記
    供給経路(R) に配置された水処理用電極ユニット(40)を
    さらに備え、 この水処理用電極ユニット(40)は、環状をしており、通
    水方向(45)に沿う同一軸線(K) 上に所定間隔をあけて少
    なくとも一対が対向配置された、互いに反対極性の第3
    及び第4の電極(46,47)(48,49)を含む電極積層体(7)
    と、 隣接する第3及び第4の電極(46,47)(48,49)にそれぞれ
    端面(51a) を露出して埋設され、互いの端面(51a) 同士
    が相対する不溶解性の補助電極(51)を備えたことを特徴
    とする水処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の水処理装置において、上記
    第3及び第4の電極(46,47)(48,49)の何れか一方は、ア
    ルミニウムからなり、他方は、アルミニウム、銀、銅、
    鉄及び不溶解性金属のグループから少なくとも一つ選択
    された金属からなることを特徴とする水処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の水処理装置において、上記
    第1及び第2の電極(17,18)(19,20)はアルミニウムから
    なり、上記第3及び第4の電極(46,47)(48,49)は不溶解
    性金属、炭素、銀、銅、及び鉄のグループから少なくと
    も一つ選択されたものからなることを特徴とする水処理
    装置。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4の何れかに記載の水処理
    装置において、上記第3及び第4の電極(46,47)(48,49)
    には、所定の周期で極性を変換する直流交番電流が付与
    されることを特徴とする水処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れかに記載の水処理
    装置において、上記第1及び第2の電極(17,18)(19,20)
    には、所定の周期で極性を変換する直流交番電流が付与
    されることを特徴とする水処理装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れかに記載の水処理
    装置において、上記供給経路(R) に、該供給経路(R) 内
    の被処理水に空気を混合させるエアレーション手段(33)
    を設けたことを特徴とする水処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7の何れかに記載の水処理
    装置において、上記供給経路(R) に、該供給経路(R) 内
    の被処理水に所要の電解質を添加する電解質添加手段(3
    3)を設けたことを特徴とする水処理装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の水処理装置において、上記
    電解質は、塩化ナトリウムを含むことを特徴とする水処
    理装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の水処理装置において、上
    記電解質は、炭酸カルシウムを含むことを特徴とする水
    処理装置。
  11. 【請求項11】請求項8記載の水処理装置において、上
    記電解質は、硫酸及び水酸化ナトリウムの少なくとも一
    つを含むことを特徴とする水処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11の何れかに記載の水
    処理装置において、後処理槽(2) 内に配置され、後処理
    槽(2) の底部に沈澱された沈澱物(T) の浮き上がりを抑
    制する沈澱物浮上抑制手段(31,32) をさらに備えたこと
    を特徴とする水処理装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の水処理装置において、
    上記沈澱物浮上抑制手段は、後処理槽(2) を上下に仕切
    る網状積層体(31)又は衝突板体を含むことを特徴とする
    水処理装置。
  14. 【請求項14】請求項12記載の水処理装置において、
    上記沈澱物浮上抑制手段は、前処理槽(1) の連通口(3)
    から流出される被処理水が後処理槽(2) の底部(2a)の沈
    澱物(T) に当たることを抑制するように、上記沈澱物
    (T) の上方を覆った状態で上記被処理水の流れ方向を規
    制する流れ方向規制板(32)を含むことを特徴とする水処
    理装置。
  15. 【請求項15】請求項1ないし14の何れかに記載の水
    処理装置において、上記後処理槽(2)は前処理槽(1) の
    周囲を取り囲む環状のものからなり、上記供給経路(R)
    は、後処理槽(2) の底部(2a)及び前処理槽(1) の底部の
    連通口(3) を貫通して前処理槽(1) の上部まで達する供
    給パイプ(4) を含むことを特徴とする水処理装置。
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