JPH09291008A - 植物性抗菌剤 - Google Patents

植物性抗菌剤

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JPH09291008A
JPH09291008A JP8102877A JP10287796A JPH09291008A JP H09291008 A JPH09291008 A JP H09291008A JP 8102877 A JP8102877 A JP 8102877A JP 10287796 A JP10287796 A JP 10287796A JP H09291008 A JPH09291008 A JP H09291008A
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preservative
clove
weight
ethyl alcohol
weight ratio
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JP8102877A
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English (en)
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Onso Kan
恩相 韓
Soko Ri
相鎬 李
Saikan Boku
宰漢 朴
Chitai Kin
知泰 金
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Haitai Confectionery Co Ltd
Original Assignee
Haitai Confectionery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安全性が高く、抗菌作用が優秀である植物性
抗菌剤を提供し、これを食品、環境、薬用素材として利
用する。 【解決手段】 丁子(clove、Eugenia c
aryophyllata)の乾燥花軸及び樹皮に対し
て溶媒として水を重量比1:3〜1:10の比率で加
え、循環式連続蒸留装置で蒸留して得た丁子抽出物を含
有する植物性抗菌剤、食品用保存剤、噴射型殺菌剤、抗
虫歯ガム、歯磨き組成物、化粧料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食用にする植物素材
の抗菌剤、特に丁子(Clove, Eugenia caryophyllata)
の蒸留抽出液を主とする植物性抗菌剤及びその組成物、
そしてそれらの用途に関するものである。食用植物素材
としては、中国南部地方等の地で自生する常緑樹木であ
る丁子(Eugenia caryophllata)の樹皮、花軸(秋から
翌年春に採取して日干しにしたもの)等を使用する。本
発明では抗菌性素材を効率的に抽出する方法と、これに
より得た抗菌剤を食品用保存剤、環境用殺菌剤、薬用化
粧品原料、歯磨き及びガム等に添加する歯衛生用原料を
製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】食品の保存料としては、各種化学合成品
系の保存料と天然物由来の保存料が使用されている。化
学合成品系保存料としての純粋な化学合成品の例として
は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ジフェニル、ソル
ビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ジヒドロアセト酸、ジ
ヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、
プロピオン酸ナトリウム、チアベンダゾル等が主に使用
されている。(日本国食品添加物の実際知識(第2版)
参照)
【0003】ニューフードインダストリー("New Food
Industry" Vol.18. No.11 (1976)の1〜7ページ〔低
級脂肪酸エステルの抗菌性〕参照)には、炭素数の少な
い低級脂肪酸(炭素数4〜12)モノグリセライドが食
品の鮮度保持剤として使用され、ポリ燐酸、杓櫞酸(ク
エン酸)等の有機酸、酢酸等が助剤として使用されるこ
とが記載されている。このように低級脂肪酸モノグリセ
ライドを使用する保存料が多数の特許で出願されてい
る。
【0004】天然由来の合成保存料としては、グリシ
ン、フェニルアラニン、ライシン等幾つかが知られてい
る。日本国特開平2−1630号は食品中に、植物から
抽出した天然由来の抗菌性物質を添加して使用すること
を報告している。ここに報告されている天然抗菌性物質
の例としては、タマネギ、オレガノ、甘草、丁子、サラ
リ、ホップ、バニラ、ワサビ、桂皮、茶等から有機溶剤
で抽出した多数の抽出液がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学合
成系保存料は使用基準が厳格に規定されて、使用量及び
適用対象に対して制限を受け、人体の有害性有無のた
め、消費者がこれらの使用を忌避しているのが実情であ
る。
【0006】このうち、低級脂肪酸モノグリセライドは
化学合成品に分類されるが、天然では存在して人体代謝
における安全性が高いことが知られている。これの浄菌
作用は酵素系活性阻害に起因して発育阻止作用が大き
い。このため、食品に大量に添加されるべきものである
ため、食品の風味を変化させるなどの問題がある。概し
て、天然由来の保存料としては、グリシン、プロタミ
ン、フェニルアラニン、その他の食品抽出物等があり、
安全性が高いが浄菌作用が弱くて、対象食品に大量添加
する時だけ化学合成品系の保存量と同等の効果が得られ
る。又、既存の食品抽出物系天然保存料は有効濃度で独
特な風味及び色相を有するため、添加時、食品の風味を
変化させる欠点を有する。
【0007】近来、製品に対して保存力が強いこととと
もに製品の風味及び物性の変化を与えない一方、人体に
有害でない天然物由来の保存料が切実に要求されてい
る。従って、本発明はこのような実情に鑑みて、安全性
が高く、抗菌作用が優秀である植物性抗菌剤を提供し、
これを食品、環境、薬用素材として利用し得るようにす
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、丁子(clove、Eugenia、caryophyllata)の
乾燥花軸及び樹皮に溶媒である水を重量比で1:3〜
1:10の比率にして循環式連続蒸留装置で蒸留して得
た抽出物を含有する植物性抗菌剤である。以下、本発明
を実施例、試験例、比較例及び参考例に基づいて詳細に
説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではな
く、各々の実施例、試験例等は反復実施してその結果の
再現性を確認した。
【0009】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉 抗菌剤の抽出工程 丁子(クロブ)の、秋から翌年春に採取して日干しにし
た花軸及び樹皮に対して溶媒である水を重量比で1:3
〜1:10の比率にし、循環式蒸留装置で蒸留して得た
無色又は黄白色の脂溶性物質(pH4.8〜5.0)で
乾試料対比収率(量)が10〜18重量%の抗菌剤を得
る。こうして得た本発明の抗菌剤は25℃で比重が1.
034であった。本発明の抗菌剤は65%以上のエタノ
ール及び非極性溶媒によく溶解され、150℃の熱にも
比較的安全性があり、広いpH範囲でも活性を維持し、
紫外線等の光にも安全性が高い。
【0010】本発明の抗菌剤の抽出蒸留工程は図1に示
すようである。図1は循環式連続蒸留装置を示すもの
で、本発明の抗菌剤は抽出タンクを通じて蒸留されて貯
蔵タンクに回収される脂溶性物質をいう。図面で、図面
符号1はモーター、2は抽出タンク、3はスチームジヤ
ケット、4は凝縮機、5は冷却ジャケット、6は貯蔵タ
ンクである。
【0011】〈試験例1〉 抗菌剤の吸収スペクトル 実施例1で得た脂溶性物質の丁子抽出液抗菌剤は、エタ
ノールに溶解し、比色計(Pharmacia LKB, Biochrom 40
60)で波長200〜900nmの範囲で走査したところ、
図2のような主吸収ピークが三つ(203、228、2
80nm)を有することを特徴とする抗菌剤である。
【0012】〈試験例2〉 丁子抽出液の抗菌力測定 実施例1の抽出液を濾紙拡散法による抗菌活性を測定し
た。使用菌株はEscherichia coli KCCM1175
0、Bacillus subtilis KCCM11733、Staphylo
coccus aureus KCCM11764、Pseudomonas aeru
ginosaKCCM11266、Klebsiella pneumoniae K
CCM11391、Salmonella typhimuriumKCCM4
0253等の細菌6種と、Aspergillus niger KCCM
11478、Penicillum citrinum KCCM1166
3、Trichoderma viride KCCM11246、Tricho
phyton mentagrophytes KCCM111950、Candid
a utilisKCCM11660、Saccharomyces cerevisi
aeLCCM11666等の真菌6種の総12種の微生物
を使用した。
【0013】これらの前培養において、細菌6種はNutr
ient broth (Bacto Beef Extract0.3%、Bacto Pept
one 0.5%、pH6.8)を使用して30〜37℃の
恒温振蘯培養器で培養し、真菌中の酵母2種はYM broth
(Bacto Yeast Extract 0.3%、Bacto Malt Extract
0.3%、Bacto Peptone 0.5%、Bacto dextrose
1.0%、pH6.2)を用いて26℃の恒温振蘯培養
器で培養した。又、真菌類4種中のT. mentagrophytes
はSabouraud's培地を用いて26℃の恒温振蘯培養器で
培養し、残り3種はPotato Dextrose broth (potato、i
nfusion from 20%、Bacto Dextrose2%、pH5.
1)を使用し24〜26℃の恒温振蘯培養器で培養して
使用した。
【0014】前記菌株培養用栄養培地はDlFCO社の
製品を購入して使用した。濾紙拡散法による抗菌力測定
としては、普通栄養寒天培地上に細菌、酵母の場合は前
記条件で培養した菌株を108cell/mlに希釈調節し0.
5ml程度取って均等に塗抹した後、ここに円形濾紙(直
径8mm)を一定間隔に置き、濾紙に丁子抽出液50ulを
取って接触させた後、適正条件で3日間培養して阻止環
の有無を観察した。
【0015】又、かび4種の場合は、前記条件で培養し
た菌株を無菌均質器で磨砕し、殺菌された適正培地に比
色計で濁度が0.1O.D(660nm)となるように調
節し、柔らかな栄養寒天(寒天濃度0.9重量%)培地
に10重量%添加し普通の栄養寒天培地上に薄く注いで
固くさせる。ここに円形濾紙(直径8mm)を一定間隔に
置き、濾紙上に丁子抽出液を50ul取って接触させた
後、適正条件で5〜7日間培養して阻止環の有無を観察
した。適正条件で7日間培養し阻止環の有無を観察し
た。その結果、丁子抽出液は、有害微細物12種に対し
比較的大きい阻止環が観察されたので、抗菌性があるこ
とを確認した。
【0016】次は前記丁子抽出液における、抗菌性を最
少生育阻止濃度(MlC)を求める方法で検査した。そ
の結果は表1に示した。表1に示すように、細菌、酵母
に対しては比較的高い濃度で強い活性を現し、かびの場
合は比較的これらより低い濃度で強い活性を現した。
【0017】
【表1】
【0018】〈実施例2、参考例1、比較例1〉実施例
lで得た丁子抽出液と低級脂肪酸モノグリセライド混合
物の抗菌力を表2に示す。抗菌力の測定において、細
菌、酵母等8種は前記試験例2と同様な方法で培養され
た微生物を殺菌された適正培地に比色計で0.08O.
D(660nm)に調節し、ここに実施例1で得た丁子抽
出液と低級脂肪酸モノグリセライドを重量比1:2の混
合物にし、これを0.05重量%添加したものを実施例
2に、丁子抽出液単独で0.016重量%添加したもの
を参考例1に、低級脂肪酸モノグリセライド単独で0.
034重量%添加したものを比較例1にし、これらを適
正温度の振蘯培養器で3日間培養し、抗菌力を表2に示
した。
【0019】又、かび4種の場合は、前記条件で培養し
た菌株を無菌均質器で磨砕し、殺菌された適正培地に比
色計で濁度が0.05O.D(660nm)となるように
調節し、ここに実施例1で得た丁子抽出液と低級脂肪酸
モノグリセライドを重量比1:2の混合物にし、これを
0.05重量%添加したものを実施例2に、丁子抽出液
を単独で0.016重量%添加したものを参考例1に、
低級脂肪酸モノグリセライド単独で0.034重量%添
加したものを比較例1にし、これらを適正温度の振蘯培
養器で7日間培養し、抗菌力を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】〈実施例3、参考例2、比較例2、3〉実
施例1で得た丁子抽出液とグリシン、エチルアルコール
混合物の抗菌力を表2に示す。抗菌力の測定において、
細菌、酵母等8種は前記試験例2と同様な方法で培養さ
れた微生物を殺菌された適正培地に比色計で0.08
O.D(660nm)で調節し、ここに実施例1で得た丁
子蒸留液とグリセリン、エチルアルコールを重量比1:
3.6:5.4の混合物にし、これを0.05重量%添
加したものを実施例3に、グリセリン単独で0.018
重量%添加したものを比較例2に、エチルアルコール単
独で0.027重量%添加したものを比較例3に、丁子
蒸留液単独で0.005重量%添加したものを参考例2
にし、これらを適正温度の振蘯培養器で3日間培養し、
抗菌力を表3に示した。
【0022】又、かび4種の場合は、前記条件で培養し
た菌株を無菌均質器で磨砕し、殺菌された適正培地に比
色計で濁度が0.05O.D(660nm)となるように
調節し、ここに実施例1で得た丁子抽出液とグリセリ
ン、エチルアルコールを重量比1:3.6:5.4の混
合物にし、これを0.05重量%添加したものを実施例
3に、グリセリン単独で0.018重量%添加したもの
を比較例2に、エチルアルコール単独で0.027重量
%添加したものを比較例3に、丁子抽出液単独で0.0
05重量%添加したものを参考例2にし、これらを適正
温度の振蘯培養器で7日間培養し、抗菌力を表3に示
す。
【0023】
【表3】
【0024】〈実施例4〜20、比較例〉 冷麪肉水(肉を煮出した汁)に対する抗菌力測定 本発明で、冷麪肉水(冷麺肉水)は牛肉300gに水1
Lを添加し1時間煮た後、冷却し、上層の脂成分を除去
し、1日間常温で放置したものを使用した。前記のよう
に調製された冷麪肉水に前記実施例1で得た丁子抽出液
と通常の保存剤であるグリセリン、低級脂肪酸モノグリ
セライド、エチルアルコール等を単独又は混合添加し、
10℃の恒温室で貯蔵しながら保存性を測定した結果を
表4に示した。本発明の保存剤を添加しなかった冷麪肉
水を比較例4で示した。保存性は外観(匂い、色相等)
変化の有無を官能的に観察し、これらをYM brothに塗
抹し、添加した試料と無添加試料を比較して保存効果を
判定した。又、これらの保存効果は平均有効保存日数で
測定して表示した。
【0025】
【表4】
【0026】〈実施例21〜37、比較例〉 麪に対する抗菌力実験 本発明では麪類(麺類)は強力粉500g、水60mlを
基準配合組成とし、表5の保存剤を添加して十分に混合
した後、小型製麪器で麪を作り沸く水に4分間煮てから
水冷して水分を除去し、ポリエチレン包装器で適量を包
装、密封し、25℃の恒温室に保存しながら外観(匂
い、色相、組織、かび発生等)の変化有無を観察して保
存効果を評価した。本発明の保存剤を添加しなかった麪
を比較例5で示した。又、これらの保存効果は平均有効
保存日数で測定して表示した。
【0027】
【表5】
【0028】〈実施例38〜54、比較例6〉 ガレ餅(米で細長く棒状に作った餅)に対する抗菌力実
験 本発明で、ガレ餅は米を水に浸してふやかし、粉砕した
米粉に表6の保存剤を添加し十分に混合した後、蒸熟器
で40分間蒸煮したものを圧出成形器で圧出してガレ餅
を試製した。試製したガレ餅は適当大きさに切断し、ポ
リエチレン包装器で包装し30℃の恒温室で保存しなが
ら外観(匂い、色相、組織、かび発生)の変化を観察し
て保存評価を評価した。本発明の保存剤を添加しなかっ
たガレ餅を比較例6で示した。又、これらの保存効果は
平均有効保存日数で測定して表示した。
【0029】
【表6】
【0030】〈実施例55〜71、比較例7〉 ケーキに対する抗菌力実験 本発明のケーキ(パウンドケーキ)は通常の方法である
薄力粉500g、粉砂糖550g、全卵500g、食塩
10g、ベーキングパウダー10g、モノグリセライド
15g、ショートニング200g、水250gを混合し
た後、表7の抗菌剤を添加し、これをミキシングし、2
00〜210℃のオーブンでベーキングして製造し、こ
れを一定大きさに切断した。このように調製したケーキ
はポリエチレン包装器で包装し、30℃の恒温室で保存
しながら外観(匂い、色相、かび発生)の変化を観察し
て保存効果を評価した。本発明の保存剤を添加しなかっ
たケーキを比較例7で示した。又、これらの保存効果は
平均保存日数で測定して表示した。
【0031】
【表7】
【0032】〈実施例72〜88、比較例8〉 醤類(唐辛子味噌、味噌、醤油)に対する抗菌力実験 本発明で、醤類(唐辛子味噌、醤油、味噌)は通常の方
法で製造し、ここに表8の保存剤を添加して均等に混ぜ
た後、これを殺菌されたガラスシャーレ(Glass petri
dish)に一定量ずつ分株し、30℃の恒温室に保存しな
がら外観(匂い、色相、かび発生等)の変化を観察して
保存効果を評価した。本発明の保存剤を添加しなかった
唐辛子昧噌、味噌、醤油等を比較例8で示した。又、こ
れらの保存効果は平均有効保存日数で測定して表示し
た。
【0033】
【表8】
【0034】〈試験例3〉 噴射型殺菌剤の製造 実施例1で得た丁子抽出液とエチルアルコール、プロピ
レングリコール等を一定濃度に配合して、表9のように
殺菌剤製剤A、B、C、Dの4種に製造した。本発明の
殺菌剤はスプレー容器に一定量取って使用することを特
徴とする。
【0035】
【表9】
【0036】〈実施例89、比較例9〜10〉 噴射型殺菌剤の抗菌力測定 1)接触スライド(Contact Slide)法 前記試験例3の殺菌剤の抗菌力は有害細菌及びかび菌の
汚染が予想される場所である製パン工場の作業室及び包
装室に、殺菌剤を噴射し、その内部壁面又は作業台表面
にペトリフィルム(Petrifilm)(3M社製品)を接触さ
せて表面の有害細菌及びかび菌をフィルム表面から移勧
させ、7日間24〜30℃の恒温室で培養した後、汚染
程度を判断した。製造した殺菌剤の撒布前の実験具を比
較例9として表10に示した。
【0037】2)空気サンプリング(Air Sampler)法 前記試験例3の殺菌剤を汚染された製パン工場に噴射
し、ペトリフィルムを装着した空気試料器(Air Sample
r)で室内空気を適正量吸入してフィルムに接触させ、
これを24〜30℃の恒温室で培養した後、汚染程度を
観察した。製造した殺菌剤の撒布前の空気を吸入して培
養した実験具を比較例10として表10に示した。
【0038】
【表10】
【0039】〈実施例90〜95、比較例11〉実施例
1で得た抗菌剤の虫歯誘発菌であるStreptococcus muta
nsKCT3065に対する抗菌力を検査した。虫歯菌の
前培養はBHI(Brain Heart Infusion 20%、Beef h
eart25%、Protease Peptone1.0%、Bacto Dextro
se0.2%、Sodium chloride 0.5%、Disodium pho
sphateO.25%)肉汁(broth)を使用し37℃の培
養器で15時間培養した後、これを1.4×107cell/
mlで菌数を調節して公示菌液として使用した。
【0040】本発明の抗菌剤の抗菌力を測定するため、
殺菌されたBHI肉汁(broth)に抗菌剤と前培養され
た公示菌を接種し、37℃の培養器で1時間間隔で菌の
生育程度を測定するために15時間以上培養した。菌生
育程度の測定は比色計で濁度を測定しながら、これらを
寒天平板培地に塗抹して菌の生育抑制効果を測定した。
その結果を表11に示した。本発明の抗菌剤を添加しな
かった実験具は比較例11で示した。
【0041】
【表11】
【0042】〈実施例96〜100、比較例12〉 ガムに対する抗虫歯菌力実験 通常の方法でソルビット58重量%、キシリット1.0
重量%、マンニット7020 4.0重量%、マニエル(ガ
ムベース)28重量%に本発明の抗虫歯剤を0.5〜
5.0重量部添加してガムベース混合器で均等に混ぜた
後、シート成形器で成形、切断して、個当たり2.5g
程度の抗虫歯ガムを製造した。一定量の水が入っている
すり鉢に前記製造したガム一定量を入れ、5分間機械的
咀嚼を実施し、実施例96〜100のように前培養した
虫歯菌をBHI brothに接種し、本発明の抗虫歯物を
0.05〜0.5重量部の濃度で添加して、抗虫歯物を
添加しなく製造したガムを比較例12として、表12に
示した。これら各々を37℃の培養器で定置培養しなが
らその濁度を比色計で測定して菌の生育抑制効果を分析
評価した。
【0043】
【表12】
【0044】〈実施例101〜105、比較例13〉 歯磨きの抗虫歯菌力実験 通常の方法で第1燐酸カルシウム42%、グリセリン1
9%、カラギーナン9.5%、SDS(ドデシル硫酸ナ
トリウム)1.2%、サッカリン1.0%、ポリフェノ
ール化合物1.0%、パラオキシ安息香酸ブチル0.0
05%に対して本発明の抗虫歯物を0.05〜0.5重
量部添加し高速ミキサーで混合して抗虫歯用歯磨きを製
造する。このように製造した抗虫歯用歯磨きを、実施例
90〜95のように前培養した虫歯菌液をBHI broth
に接種し培養したものに添加したものを実施例101〜
105で示し、本発明の抗菌剤を添加しなく製造した歯
磨きを接種培養したものを比較例13で示した。これら
各々を37℃の培養器で定置培養しながらその濁度を比
色計で測定して菌生育抑制効果を分析評価した。
【0045】
【表13】
【0046】〈実施例106〜109、比較例14〉本
発明の抗菌剤は頭皮に対して刺激が小さく、ふけ、かゆ
さを防止する効果を有し、持続性の優れた薬用化粧料を
提供する。本発明の薬用化粧料は実施例1の抗菌性素材
を用い必須成分をエチルアルコール等の水性溶媒に含有
して使用する。本発明の化粧料の実施倒に基づいて具体
的に説明すると次のようである。表14は通常の化粧料
製造方法に準じて本発明の抗菌剤を一定量添加して薬用
化粧料を製造して実施例106〜109で示した。又、
本発明の抗菌剤を添加しなく製造した薬用化粧料を比較
例14で示した。
【0047】
【表14】
【0048】前記実施例106〜109及び比較例14
で製造した薬用化粧料を使用し、次の測定法で頭皮上の
好気性菌数を測定して表15に示した。頭上部のかゆさ
防止効果を、薬用化粧料を頭皮に直接塗布するか、塗布
しなくて、次の判定基準でパネル判定の平均値(パネル
数N=5)で判定して表16に示した。 1)判定基準 大変なかゆさを感ずる・・・・・・+2 かゆさを感ずる・・・・・・・・・−2 かゆさを感じない・・・・・・・・・0
【0049】2)測定法 製造した薬用化粧料を所定量頭皮に直接塗布する。頭皮
に塗布してから所定時間が経過した後、生埋食塩水を使
用し内径2cmのガラスカップにて抽出して得、これをS
CD(Bacto tryptone1.7%、Bacto soytone 0.3
%、Bacto dextrose0.25%、Sodium chloride 0.
5%、Dipotassium phosphate 0.25%、pH7.
3)培地で、37℃で48時間培養してから菌数を測定
した。
【0050】
【表15】
【0051】
【表16】
【0052】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は天然物で、安全性が保
障され、低級脂肪酸モノグリセライド、エチルアルコー
ル、グリセリン等の混合物は食品衛生法上においてもそ
の安全性が非常に高く、これらを単独で使用する時より
小さい濃度で使用しても保存効果が優れ、食品の風味に
影響を全然及ぼさないので、食品の種類又は添加量に制
約のない天然抗菌剤である。本発明の抗菌剤は製品の製
造工程時原料とともに配合するか別の水溶性懸濁液又は
アルコール溶液に製造して添加、浸漬、噴射してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植物性抗菌剤を抽出する循環式連続蒸
留装置を示すレイアウト図である。
【図2】本発明による丁子抽出液の主要吸収スペクトル
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 モーター 2 抽出タンク 3 スチームジャケット 4 凝縮機 5 冷却ジャケット 6 貯蔵タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 相鎬 大韓民国ソウル特別市江南區▲清▼潭洞 127−31 (72)発明者 朴 宰漢 大韓民国ソウル特別市衿川區禿山洞964− 9 (72)発明者 金 知泰 大韓民国ソウル特別市城東區金湖洞1087− 2

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丁子(clove、Eugenia caryophyllata)
    の乾燥花軸及び樹皮に対して溶媒として水を重量比1:
    3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置で蒸留
    して得た丁子抽出物を含有することを特徴とする植物性
    抗菌剤。
  2. 【請求項2】 丁子の乾燥花軸及び樹皮に水を重量比
    1:3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置で
    蒸留して得た丁子抽出物を単独で又は通常の食品保存剤
    少なくとも一つとともに含有することを特徴とする食品
    用保存剤。
  3. 【請求項3】 通常の食品保存剤が低級脂肪酸モノグリ
    セライド(炭素数4〜12)、グリセリン、エチルアル
    コールのいずれか一つ以上である請求項2記載の食品用
    保存剤。
  4. 【請求項4】 丁子抽出液とエチルアルコールの混合比
    率を重量比で1:4〜4:1にする請求項3記載の食品
    用保存剤。
  5. 【請求項5】 丁子抽出液、グリセリン及びエチルアル
    コールの混合比率を重量比で1:3.6:5.4〜5.
    4:1.5:4.5にする請求項3記載の食品用保存
    剤。
  6. 【請求項6】 丁子抽出液と低級脂肪酸モノグリセライ
    ドの混合比率を重量比で1:2〜2:1にする請求項3
    記載の食品用保存剤。
  7. 【請求項7】 冷麪肉水、麪類、餅類、醤類、ケーキ類
    等の一般食品の保存性を向上させるため、食品に対して
    丁子抽出液0.05〜0.5重量部を添加することを特
    徴とする食品の保存方法。
  8. 【請求項8】 丁子の乾燥花軸及び樹皮に水を重量比で
    1:3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置で
    蒸留して得た丁子抽出液とエチルアルコール、プロピレ
    ングリコール等を混合したことを特徴とする環境消毒型
    の噴射用殺菌剤。
  9. 【請求項9】 丁子の乾燥花軸及び樹皮に水を重量比で
    1:3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置で
    蒸留して得た丁子抽出液、エチルアルコール及びプロピ
    レングリコールの混合比率を重量比で0.5:89.
    5:10〜5:85:10にすることを特徴とする噴射
    型殺菌剤組成物。
  10. 【請求項10】 丁子の乾燥花軸及び樹皮に水を重量比
    で1:3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置
    で蒸留して得た丁子抽出液を0.05〜1.0重量部で
    歯磨き、チューイングガム類に添加したことを特徴とす
    る歯衛生用組成物。
  11. 【請求項11】 丁子の乾燥花軸及び樹皮に水を重量比
    で1:3〜1:10の比率で加え、循環式連続蒸留装置
    で蒸留して得た丁子抽出液を0.05〜1.0重量部で
    薬用化粧品に添加して得られたことを特徴とする化粧品
    組成物。
JP8102877A 1996-04-24 1996-04-24 植物性抗菌剤 Pending JPH09291008A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012411A (ja) * 2001-07-05 2003-01-15 Kao Corp 防カビ剤組成物
KR100425926B1 (ko) * 2001-03-19 2004-04-03 (주)제이엔헬스존 정향을 이용한 뿌리혹선충(Meloidogyne sp.)에 의해 발생되는 식물병 방제방법
JP2007044053A (ja) * 2006-11-13 2007-02-22 Ogawa & Co Ltd 香味劣化抑制剤
JP2007325584A (ja) * 2006-04-27 2007-12-20 Xeda Internatl マイコトキシンが混在した備蓄貯蔵庫の処理方法
KR101270972B1 (ko) * 2011-02-10 2013-06-11 상주시 식물 추출물을 포함하는 항진균 조성물
KR101511747B1 (ko) * 2013-05-31 2015-04-13 (주)모아캠 금전초, 오배자, 계피 및 정향 추출물을 함유하는 천연 복합 방부제 조성물

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