JPH09287080A - 反射板およびその製造方法 - Google Patents

反射板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09287080A
JPH09287080A JP8099912A JP9991296A JPH09287080A JP H09287080 A JPH09287080 A JP H09287080A JP 8099912 A JP8099912 A JP 8099912A JP 9991296 A JP9991296 A JP 9991296A JP H09287080 A JPH09287080 A JP H09287080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
black
aluminum plate
thickness
treatment
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8099912A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Yamada
裕司 山田
Ryosuke Shimao
良介 島尾
Kazuhisa Arai
和久 新居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Aluminum Corp filed Critical Showa Aluminum Corp
Priority to JP8099912A priority Critical patent/JPH09287080A/ja
Publication of JPH09287080A publication Critical patent/JPH09287080A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のヘッドランプ用シェード材等の反射
板であって、外面は光沢面とされかつ内面は光の吸収の
ために黒色ないし灰黒色面とされた反射板について、表
面処理を施したアルミニウム板から、軽量で、しかも処
理作業が簡単で、製造コストが低廉である反射板および
その製造方法を提供する。反射板は、成形性と耐熱性に
すぐれている。 【解決手段】 反射板10は、アルミニウム板1の光を
反射すべき片面に、厚さ0.1〜5μmのケイ酸系無機
皮膜2が設けられ、同他面に、厚さ0.5〜20μmの
黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜3が設けられている。
反射板10の製造方法は、アルミニウム板1の光を反射
すべき片面に、アルカリケイ酸塩水溶液を塗布し、焼成
硬化して、アルカリケイ酸塩系無機皮膜2を設け、つい
で同他面に粗面化処理を施したのち、硫酸法による陽極
酸化処理を施して、黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜3
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車の
ヘッドランプの光が人の目に直接入らないように散乱さ
せるシェード材等に用いられる反射板およびその製造方
法に関するものである。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語は、その合金を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】一般に、自動車のヘッドランプには、ラ
ンプの光が人の目に直接入らないように散乱させる遮蔽
板としてシェード材が用いられていて、シェード材によ
りランプの一部、例えば上半部を覆うようになされてい
る。そして、このようなシェード材の外面は光沢面とさ
れ、かつ内面は光の吸収のために黒色ないし灰黒色面と
されていた。また、ヘッドランプに用いられるハロゲン
ランプは発熱温度が高く、シェード材を構成する反射板
の表面は、200℃以上にも達し、このため反射板には
耐熱性が要求された。
【0004】そこで従来、このような反射板として、鉄
板よりなる反射基板の外面に、下地層としてニッケルメ
ッキ層(例えば6〜8μm)および仕上げ層としてクロ
ムメッキ層(例えば0.3μm程度)がそれぞれ施さ
れ、同基板の内面に黒色耐熱焼付け塗装が施されたもの
が知られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の反射板では、基板が鉄材のため、重量が重いし、
基板外面にニッケルメッキおよびクロムメッキを施すた
めに、コストが非常に高くつき、また基板内面の黒色耐
熱焼付け塗装はその塗膜が厚くなるため、やはりコスト
が高くつくという問題があり、また耐熱性も充分ではな
いという問題があった。
【0006】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、自動車のヘッドランプ用シェード材等の反射
板について、表面処理を施した一般のアルミニウム板の
単体から、軽量で、しかも表面処理作業および処理時間
がそれぞれ短くてすみ、処理コストが安くつくととも
に、成形加工によっても表層皮膜にクラックを生じるよ
うなことがなく、製造コストが低廉であり、かつ耐熱性
にすぐれている、反射板およびその製造方法を提供しよ
うとするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明による反射板は、アルミニウム板の光を
反射すべき片面に、厚さ0.1〜5μmのケイ酸系無機
皮膜が設けられ、同他面に、厚さ0.5〜20μmの黒
色または灰黒色の陽極酸化皮膜が設けられていることを
特徴としている。
【0008】また、この発明による反射板の製造方法
は、アルミニウム板の光を反射すべき片面に、アルカリ
ケイ酸塩水溶液を塗布したのち、焼成して、アルカリケ
イ酸塩を硬化させることにより、厚さ0.1〜5μmの
アルカリケイ酸塩系無機皮膜を設け、ついで同他面に、
粗面化処理を施したのち、該粗面化処理面に、硫酸法に
よる陽極酸化処理を施して、厚さ0.5〜20μmの黒
色または灰黒色の陽極酸化皮膜を設けることを特徴とし
ている。
【0009】上記において、アルミニウム板としては光
沢板の半硬材程度のものであれば、とくに制限がない
が、中でも純アルミニウム系のA1100、A105
0、またAl−Mn系のA3003、A3004、ある
いはまたAl−Mg系のA5052を使用するのが好ま
しく、とくにA3003、A3004およびA5052
系アルミニウム合金を使用するのが、望ましい。
【0010】アルミニウム板の片側の光沢面に設けるケ
イ酸系無機皮膜は、ケイ酸系無機塗料の透明な塗膜より
なるものであり、具体的には、ケイ酸ナトリウム、およ
びケイ酸カリウムなどのアルカリケイ酸塩やコロイダル
シリカを用いる。
【0011】上記のケイ酸系無機皮膜の厚さは、0.1
〜5μm、好ましくは0.2〜0.6μmである。
【0012】ここで、ケイ酸系無機皮膜の厚さが0.1
μm未満であれば、ピンホールなどの欠陥が生じやす
く、これによりアルミニウム板に腐食が発生するので、
好ましくない。またケイ酸系無機皮膜の厚さが5μmを
越えると、反射率が大幅に低下するので、好ましくな
い。上記ケイ酸系無機皮膜の厚さは、0.2〜0.6μ
mであるのが、好ましい。というのは、ケイ酸系無機皮
膜の厚さが1.0μmを越えると、いわゆる干渉色が生
じて、虹色が発生し、外観がやゝ不良となり、光沢が若
干低下するからである。
【0013】アルミニウム板の他面の無処理面には、機
械的に粗面化処理を施す。
【0014】このアルミニウム板表面の粗面化後に、該
粗面化処理面に、硫酸法による陽極酸化処理を施す。な
お、ケイ酸系無機皮膜は、この陽極酸化処理のさいにも
溶解せす、片面にケイ酸系無機皮膜を有するアルミニウ
ム板の粗面化処理面に陽極酸化処理を施することが可能
である。
【0015】上記陽極酸化皮膜の被覆により、アルミニ
ウム板の粗面化した片面は、黒色または灰黒色系色調を
呈し、一方の透明なケイ酸系無機皮膜を有する他面は、
光沢を有していて、反射面となされている。
【0016】なお、上記アルミニウム板他面の粗面化処
理と、硫酸法による陽極酸化処理との間に、プレス機に
より成形加工を行なって、自動車ヘッドランプ用シェー
ド材等の反射板製品の形状に成形するのが、好ましい。
この場合、アルミニウム板片面のケイ酸系無機皮膜の膜
厚が薄いために、成形加工のさいに皮膜にクラックが生
じない。
【0017】黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜を有する
アルミニウム板の封孔処理を行なったのち、得られる陽
極酸化皮膜の厚さは0.5〜20μm、好ましくは1〜
10μm、より好ましくは2〜8μmである。
【0018】ここで、陽極酸化皮膜の厚さが0.5μm
未満であれば、入射光の乱反射効果を充分に発揮させる
ことができず、黒色または灰黒色系色調を得ることがで
きないので、好ましくない。これに対し、膜厚が20μ
mを越える陽極酸化皮膜を施しても、黒色または灰黒色
の発色の効果が飽和し、処理エネルギーの無駄を招くの
で、好ましくない。
【0019】なお、上記陽極酸化皮膜は、厚さ3μmあ
たりを境目として、3μm以下すなわち0.5〜3μm
で灰黒色の色調を呈し、厚さ3μmを越えると、黒色の
色調を呈するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態
を、図面を参照して説明する。
【0021】図1において、この発明による反射板(10)
は、アルミニウム板(1) の光を反射すべき片側の光沢面
に、厚さ0.1〜5μmのケイ酸系無機皮膜(2) が設け
られ、同他面に、厚さ0.5〜20μmの黒色または灰
黒色の陽極酸化皮膜(3) が設けられているものである。
【0022】また、この発明による反射板(10)の製造方
法は、アルミニウム板(1) の光を反射すべき光沢を有す
る片面に、アルカリケイ酸塩水溶液を塗布したのち、焼
成して、アルカリケイ酸塩を硬化させることにより、厚
さ0.1〜5μmのアルカリケイ酸塩系無機皮膜(2) を
設け、ついで同他面に、粗面化処理を施したのち、該粗
面化処理面に、硫酸法による陽極酸化処理を施して、厚
さ0.5〜20μmの黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜
(3) を設けるものである。
【0023】反射板(10)の製造にさいして具体的には、
アルミニウム板の表面に、まず脱脂処理を施す。ここ
で、脱脂処理は、例えば液温約95℃の5%アルカリ水
溶液に1分間浸漬して行なう。このようなアルカリ脱脂
処理の後には、通常、水洗および湯洗を行なうのが、好
ましい。
【0024】つぎに、アルミニウム板の表面は、予め光
沢面とするが、このような光沢面処理は、光沢圧延処理
により行なうのが好ましい。なお、光沢を有する表面は
アルミニウム板の片面に形成すれば良いが、両面に形成
しても差し支えない。
【0025】このような光沢圧延処理を施すことによ
り、その後に化学研磨や電解研磨等の光輝処理が不要と
なるので、好ましい。
【0026】そしてつぎに、アルミニウム板の片側の光
沢面に、ケイ酸系無機皮膜を設ける。このケイ酸系無機
皮膜の厚さは、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜
0.6μmである。
【0027】ここで、ケイ酸系無機皮膜は、ケイ酸系無
機塗料の透明な塗膜よりなるものであり、具体的には、
ケイ酸ナトリウム、およびケイ酸カリウムなどのアルカ
リケイ酸塩やコロイダルシリカを用いる。これらのケイ
酸系無機塗料は、例えば5〜50重量%の濃度を有する
水溶液のかたちで、アルミニウム板の光沢面に塗布する
のが、好ましい。そして、このような片面アルカリケイ
酸塩処理後、180〜300℃で、8〜20秒間、焼成
する。
【0028】ついで、同アルミニウム板他面の無処理面
に、機械的に粗面化処理を施す。
【0029】ここで、機械的な粗面化処理とは、化学的
処理により粗面化を行なうことを除く意味であり、この
ような機械的な粗面化処理としては、砂目立てによる湿
式研磨法をあげることができる。
【0030】この砂目立てによる湿式研磨法は、#30
0〜1000程度のAl2 3 その他の硬質粒子を使用
し、アルミニウム板表面をAl2 3 粉と硝子球にて研
磨粗面化するものである。なお、ショットブラスト法で
は、粗度が粗すぎ、かつアルミニウム板を処理するとき
に、被処理板が曲がってしまうので、好ましくない。
【0031】このようなアルミニウム板表面の粗面化に
より、後述する陽極酸化処理を通してアルミニウム板表
面に入射した光が乱反射されるため、結果としてアルミ
ニウム板の表面が黒色または灰黒色系色調を呈するもの
である。
【0032】アルミニウム板表面の粗面化は、例えばR
max 1〜10μmである。
【0033】ここで、アルミニウム板表面の粗面化がR
max 1μm未満であれば、入射光に対する乱反射効果が
なく、また粗面化がRmax 10μmを越えると、それ以
上の粗面化を施しても乱反射効果が増大せず、返って生
産性が低下するので、好ましくない。
【0034】上記アルミニウム板他面の粗面化処理と、
後述の硫酸法による陽極酸化処理との間に、成形加工を
行なう。この成形加工は具体的には、プレス機により深
絞り成形を行ない、ケイ酸系無機皮膜(2) を有する光沢
面を外側にかつ粗面化処理面を内側にして、光源である
ランプ側に対向する開口部を有する略箱形の光源遮蔽部
を備えたヘッドランプ・シェード材の形状に成形する。
【0035】その後、この所定のシェード材形状を有す
るアルミニウム板(1) の粗面化処理面に、硫酸法による
陽極酸化処理を施す。
【0036】硫酸法による陽極酸化処理の処理条件は、
例えば硫酸アルマイト10%溶液を使用し、液温20±
2℃、電流密度0.5〜3A/dm2 、および処理時間
3〜35分とする。
【0037】さらに、陽極酸化皮膜を有するアルミニウ
ム板を、例えば98℃の熱湯に5分間浸漬して、封孔処
理を行なう。なお、封孔処理の方法は、その他の方法を
用いても勿論良い。
【0038】上記陽極酸化皮膜の被覆により、アルミニ
ウム板の粗面化した片面は、黒色または灰黒色系色調を
呈するが、この場合、アルミニウム板の粗面化後の研磨
粒子や研磨屑が存在する状態で陽極酸化処理するため、
これら研磨粒子等が陽極酸化皮膜中に取り込まれて、一
層の乱反射効果を生じ、より鮮明な黒色の色調を得るこ
とができる。
【0039】一方、透明なケイ酸系無機皮膜を有するア
ルミニウム板の他面は、光沢を有していて、反射面とな
されている。
【0040】上記において、アルミニウム板(1) の片側
の光沢面に設けられたケイ酸系無機塗膜よりなる皮膜
(2) は、透明であり、かつ充分に硬質で、光沢のある反
射面を確実に保護することができる。
【0041】そして、ケイ酸系無機皮膜(2) は、耐熱性
がよく、例えば自動車のヘッドランプのシェード材とし
て長期間使用しても、ハロゲンランプの高熱にもよく耐
えて、変色せず、高い反射率を維持することができ、耐
久性にすぐれている。
【0042】また、この発明の方法によれば、自動車の
ヘッドランプ用シェード材等に用いられる反射板(10)
を、一般のアルミニウム板の単体でつくることができ、
従って軽量で、しかも表面処理作業は、アルミニウム板
(1) の一方の面にアルカリケイ酸塩系無機皮膜(2) を塗
装により設け、他方の面に粗面化処理を施したのち、硫
酸法による陽極酸化処理を施すだけであるため、処理作
業および時間がそれぞれ短くてすみ、処理コストが安く
つく。
【0043】またケイ酸系無機皮膜(2) の厚さは0.1
〜5μmと、非常に薄いので、表面処理を施したアルミ
ニウム板からヘッドランプ用シェード材等の反射板を成
形するさいにも、表層皮膜にクラックを生じるようなこ
とがなく、成形性にすぐれている。
【0044】さらに、この発明の方法によれば、反射板
(10)を一般のアルミニウム板の単体でつくることがで
き、かつアルミニウム板(1) の表面処理作業および時間
がそれぞれ短くてすむこととあいまって、製造コストが
非常に低廉である。
【0045】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。
【0046】実施例1〜3 図面において、自動車のヘッドランプのシェード材に用
いられる反射板(10)は、アルミニウム板(1) の光沢を有
する片面に、所定厚さのケイ酸系無機皮膜(2)が設けら
れ、同他面に、所定厚さの黒色または灰黒色の陽極酸化
皮膜が設けられたものである。
【0047】このような反射板(10)を、この発明の方法
によりつぎのようにして製造した。
【0048】まずアルミニウム板(1) として、板厚0.
5mm、および幅1000mmを有するJIS A−105
0P−H18のアルミニウム・コイルを用いた。
【0049】このアルミニウム板(1) を液温約95℃の
5%アルカリ水溶液に1分間浸漬して、アルミニウム板
(1) の表面をアルカリ脱脂処理したのち、水洗し、さら
に湯洗した。その後、アルミニウム板(1) を光沢圧延処
理するにより、その片面を光沢面とした。
【0050】ついで、アルミニウム板(1) の片側の光沢
を有する表面に、ケイ酸ナトリウム10重量%を含む水
溶液をロール・コート法により塗布し、180〜300
℃で、8〜20秒間焼付け硬化することにより、厚さ
0.3μmのケイ酸ナトリウムよりなる無機皮膜(2) を
それぞれ形成し、さらに中和のために硝酸洗浄と水洗の
後、70〜80℃の温風で水切り乾燥した。
【0051】さらにアルミニウム板(1) の他面を、#5
00のAl2 3 を用いて、湿式研磨法による砂目立て
により研磨粗面化する処理を施して、Rmax 3μmに粗
面化したのち、プレス機により深絞り成形を行ない、ケ
イ酸系無機皮膜(2) を有する光沢面を外側にかつ粗面化
処理面を内側にして、光源であるランプ側に対向する開
口部を有する略箱形の光源遮蔽部を備えたヘッドランプ
・シェード材の形状に成形した。
【0052】その後、この所定のシェード材形状を有す
るアルミニウム板(1) の粗面化処理面に、硫酸法による
陽極酸化処理を施した。処理条件は、硫酸アルマイト1
0%溶液を使用し、液温20±2℃、電流密度0.5〜
3A/dm2 、および処理時間3〜15分とした。
【0053】こうして、アルミニウム板(1) の粗面化処
理面に、それぞれ厚さ1μm(実施例1)、厚さ3μm
(実施例2)、および厚さ5μm(実施例3)の3種類
の黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜(3) を形成した。
【0054】最後に、ケイ酸系無機皮膜(2) と黒色また
は灰黒色の陽極酸化皮膜(3) を有するアルミニウム板
(1) を98℃の熱湯に5分間浸漬して、封孔処理を行な
った。
【0055】評価試験 上記のようにして得られたこの発明による反射板(10)の
性能を確認するために、反射板(10)のケイ酸系無機皮膜
(2) 側の光沢面について反射率を測定し、陽極酸化皮膜
(3) 側の黒色または灰黒色の面についてL値を測定し
た。また反射板(10)の耐熱性を評価し、得られた結果を
表1に示した。
【0056】なおここで、反射率は60°鏡面反射率を
%で表示し、数値の高いものほど、反射板としての機能
がすぐれているものである。
【0057】また、L値とは、色差表示方法(JIS
Z8730)において、Lab表色系におけるLの値、
すなわち明度指数を表わすものである。
【0058】耐熱性は、反射板(10)を、350℃の恒温
槽に1時間保持して、加熱テストを行なうことにより、
ケイ酸系無機皮膜(2) と黒色または灰黒色の陽極酸化皮
膜(3) の表面状態、とくにクラックの発生を観察した。
【0059】なお、耐熱性の評価は、クラックの発生が
無いものを○、クラックの発生が有るが分かりにくいも
のを△、クラックの発生が有るものを×と表示した。
【0060】比較例1〜5 比較のために、実施例1の場合と同様のアルミニウム板
の片面を、電解研磨よりなる光輝処理によって光沢面と
した。ついでこのアルミニウム板(1) の他面を、実施例
1の場合と同様に、砂目立てにより研磨粗面化する処理
を施して、Rmax 3μmに粗面化した。
【0061】ついで、これらの光沢面および粗面化処理
面を有するアルミニウム板に、硫酸法による陽極酸化処
理を施し、それぞれ陽極酸化皮膜を形成した。処理条件
は実施例1の場合と同様とした。
【0062】こうして、アルミニウム板の両面に、それ
ぞれ厚さ1μm(比較例1)、厚さ3μm(比較例
2)、厚さ5μm(比較例3)、厚さ10μm(比較例
4)、および厚さ15μm(比較例5)の5種類の陽極
酸化皮膜を形成した。
【0063】さらに、これらの陽極酸化皮膜を有するア
ルミニウム板を、実施例1の場合と同様にして、封孔処
理を行ない、ヘッドランプ・シェード材に用いられる反
射板を製造した。
【0064】比較例6 また比較のために、実施例1の場合と同じアルミニウム
板の片面に、下地層として厚さ6.7μmのニッケルメ
ッキ層および仕上げ層として厚さ0.3μmのクロムメ
ッキ層をそれぞれ施し、光沢面とした。ついで同アルミ
ニウム板の他面を、実施例1の場合と同様に、砂目立て
により研磨粗面化する処理を施して、粗面化した後、硫
酸法による陽極酸化処理を施し、粗面化処理面に厚さ1
5μmの黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜を形成し、さ
らに封孔処理を行ない、ヘッドランプ・シェード材に用
いられる反射板を製造した。各処理条件は実施例1の場
合と同様とした。
【0065】そして、上記比較例1〜5と比較例6の反
射板について、上記実施例1の場合と同様に、反射板の
光沢面の反射率を測定し、かつ陽極酸化皮膜側の黒色ま
たは灰黒色の面についてL値を測定した。また反射板の
耐熱性を評価し、得られた結果を表1にあわせて示し
た。
【0066】
【表1】
【0067】上記表1の結果から明らかなように、実施
例1〜3の本発明による反射板(10)は、アルミニウム板
(1) の光沢を有する表面に、所定厚さを有するケイ酸ナ
トリウムの透明な硬質無機皮膜(2) が設けられているの
で、該光沢面を確実に保護することができ、高い反射率
を維持することができる。そしてケイ酸ナトリウムより
なる無機皮膜(2) は、耐熱性がすぐれており、従って耐
久性にすぐれている。しかも安価なケイ酸ナトリウム水
溶液を塗布して塗膜を形成するだけで、透明な硬質無機
皮膜(2) を形成することができるから、製造コストが安
くつく。
【0068】また、硫酸法による陽極酸化処理を施すさ
い、アルミニウム板(1) の光沢面は透明な硬質無機皮膜
(2) により保護されているため、一方の粗面化処理面を
処理するだけで良く、従って陽極酸化の処理時間および
処理コストが半分ですむ。
【0069】これに対し、比較例1〜5の反射板では、
アルミニウム板の表面を電解研磨よりなる光輝処理によ
って光沢面としているため、反射率は比較的高いものと
言えるが、電解研磨よりなる光輝処理は非常にコストが
高くついた。
【0070】また比較例では、アルミニウム板の片面を
砂目立てにより研磨粗面化する処理を施して、粗面化し
たのち、アルミニウム板の光沢面および粗面化処理面の
両面に、硫酸法による陽極酸化処理を施して、それぞれ
陽極酸化皮膜を形成しているため、やはり処理コストが
非常に高くついた。
【0071】
【発明の効果】この発明による反射板は、上述のよう
に、アルミニウム板の光を反射すべき片面に、厚さ0.
1〜5μmのケイ酸系無機皮膜が設けられ、同他面に、
厚さ0.5〜20μmの黒色または灰黒色の陽極酸化皮
膜が設けられているもので、アルミニウム板の光沢を有
する表面に設けられたケイ酸系無機塗膜よりなる皮膜
は、透明であり、かつ充分に硬質で、光沢のある反射面
を確実に保護することができる。
【0072】また、ケイ酸系無機皮膜は、耐熱性がよ
く、例えば自動車のヘッドランプのシェード材として長
期間使用しても、ハロゲンランプの高熱にもよく耐え
て、変色せず、高い反射率を維持することができて、耐
久性にすぐれている。
【0073】また、この発明による反射板の製造方法
は、上述のように、アルミニウム板の光を反射すべき光
沢を有する片面に、アルカリケイ酸塩水溶液を塗布した
のち、焼成して、アルカリケイ酸塩を硬化させることに
より、厚さ0.1〜5μmのアルカリケイ酸塩系無機皮
膜を設け、ついで同他面に、粗面化処理を施したのち、
該粗面化処理面に、硫酸法による陽極酸化処理を施し
て、厚さ0.5〜20μmの黒色または灰黒色の陽極酸
化皮膜を設けるもので、この発明の方法によれば、自動
車のヘッドランプ用シェード材等に用いられる反射板
を、一般のアルミニウム板の単体でつくることができ、
従って軽量で、しかも表面処理作業は、アルミニウム板
の一方の面にアルカリケイ酸塩系無機皮膜を塗装により
設け、他方の面に粗面化処理を施したのち、硫酸法によ
る陽極酸化処理を施すもので、無機皮膜を塗装により設
ける処理作業は非常に簡単であるとともに、硫酸法によ
る陽極酸化処理を施すさい、アルミニウム板の光沢面は
透明な硬質無機皮膜により保護されているため、一方の
粗面化処理面を処理するだけで良く、従って陽極酸化の
処理時間および処理コストが半分ですみ、処理コストが
安くついて、反射板の製造コストが低廉であるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による反射板を示す部分拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 ケイ酸系無機皮膜 3 黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜 10 反射板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板(1) の光を反射すべき片
    面に、厚さ0.1〜5μmのケイ酸系無機皮膜(2) が設
    けられ、同他面に、厚さ0.5〜20μmの黒色または
    灰黒色の陽極酸化皮膜(3) が設けられている、反射板。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板(1) の光を反射すべき片
    面に、アルカリケイ酸塩水溶液を塗布したのち、焼成し
    て、アルカリケイ酸塩を硬化させることにより、厚さ
    0.1〜5μmのアルカリケイ酸塩系無機皮膜(2) を設
    け、ついで同他面に、粗面化処理を施したのち、該粗面
    化処理面に、硫酸法による陽極酸化処理を施して、厚さ
    0.5〜20μmの黒色または灰黒色の陽極酸化皮膜
    (3) を設けることを特徴とする、反射板の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗面化処理と、硫酸法による陽極酸化処
    理との間に、プレス成形を行なう、請求項2記載の反射
    板の製造方法。
JP8099912A 1996-04-22 1996-04-22 反射板およびその製造方法 Withdrawn JPH09287080A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8099912A JPH09287080A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 反射板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8099912A JPH09287080A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 反射板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09287080A true JPH09287080A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14259995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8099912A Withdrawn JPH09287080A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 反射板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09287080A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0959152A1 (fr) * 1998-05-20 1999-11-24 Coil S.A. Bobine en alliage d'aluminium procédé d'obtention et installation pour sa mise en oeuvre
JP2009099271A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Harison Toshiba Lighting Corp 中空式面照明装置
JP2013004349A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Harison Toshiba Lighting Corp 放電ランプ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0959152A1 (fr) * 1998-05-20 1999-11-24 Coil S.A. Bobine en alliage d'aluminium procédé d'obtention et installation pour sa mise en oeuvre
JP2009099271A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Harison Toshiba Lighting Corp 中空式面照明装置
JP2013004349A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Harison Toshiba Lighting Corp 放電ランプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5919561A (en) Reflector with resistant surface
AU2001262237B2 (en) Reflector
KR100386336B1 (ko) 반사력증진복합표면층을가진알루미늄반사기
US20180049337A1 (en) Colored multilayer oxide coatings
US5779871A (en) Process of manufacturing aluminum surfaces for technical lighting purposes
US3499780A (en) Method of making a coated aluminum reflector
JPH09287080A (ja) 反射板およびその製造方法
US3625737A (en) Protective coating and method of making
JP3666375B2 (ja) 表面処理アルミニウム材及びその製造方法
JPH09287093A (ja) 反射板およびその製造方法
US5288372A (en) Altering a metal body surface
US3920488A (en) Process for coloring aluminum black
US5985046A (en) Process for making clear coated aluminum alloy lighting sheet
US5725683A (en) Manufacturing clear coated aluminum alloy lighting sheet
JPH02215599A (ja) 平版印刷版用支持体
KR20050106713A (ko) 알루미늄 박판에 다양한 문양을 형성하는 방법
JPH08225992A (ja) 紫外線拡散反射板
JP2002069696A (ja) 塗膜硬度、塗膜密着性及び耐衝撃性に優れた表面処理アルミニウム材
KR20200076510A (ko) 마그네슘 부재의 표면처리방법 및 이를 이용하여 처리된 마그네슘 부재
CN114134546B (zh) 一种积分球及其制备方法
US3849208A (en) White, opaque conversion coating on aluminum
JP4239386B2 (ja) 表面処理アルミニウム材の製造方法
JPH0721816A (ja) 反射板
JP2001107293A (ja) アルミニウム材の表面加工方法およびアルミニウム材
JP2696328B2 (ja) アルミニウム合金製ホイール

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701