JPH09284809A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法

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JPH09284809A
JPH09284809A JP8097134A JP9713496A JPH09284809A JP H09284809 A JPH09284809 A JP H09284809A JP 8097134 A JP8097134 A JP 8097134A JP 9713496 A JP9713496 A JP 9713496A JP H09284809 A JPH09284809 A JP H09284809A
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JP8097134A
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English (en)
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Shinya Urisaka
真也 瓜阪
Akihiro Katayama
昭宏 片山
Kouichirou Tanaka
宏一良 田中
Eita Ono
英太 小野
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者の視点が任意方向に移動されても、そ
の移動に追随して立体画像を表示する画像処理装置を提
案する。 【解決手段】 エピポーラプレーンイメージ化された多
視点画像から生成されたパラメトリック画像データを読
出可能に記憶しておき、観察者が移動したときの目の位
置を検出し、検出された観察者の視点位置に基づいて、
該位置を視点とする再生画像を、記憶されたパラメトリ
ック画像データから内挿補間して生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の現在の目
の位置等に応じた再生画像を出力するために必要なパラ
メトリック画像データを生成記憶する画像処理装置及び
画像処理方法、並びに、記憶されたパラメトリック画像
データから観察者の現在の目の位置等に応じた再生画像
を出力する画像処理装置及び画像処理方法に関するもの
である。
【従来の技術】従来、前もって得た複数の視点からの画
像に基づいて立体表示を行う装置として、ステレオディ
スプレイやレンチキュラーディスプレイなどがある。ス
テレオディスプレイは、2台のカメラから得られる左目
用画像と右目用画像とを交互に高速に切り替えて表示す
る。観察者は、この切り替えに同期するシャッターメガ
ネや偏光メガネを用いることにより、映像を立体的に観
察することができる。また、レンチキュラディスプレイ
は、例えば4台のカメラからの画像をそれぞれ画素単位
に並べ替え、この並べ替えた画像を前面にレンチキュラ
ーシートを張り付けた表示装置において表示する。観察
者は、レンチキュラーシート上に映じた4視点の映像の
2つを立体映像として見ることになる。また、4視点を
映じるレンチキュラーシートを用いれば、観察者は2つ
の異なる位置において立体視が可能になる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の立体画像表示では、画像を撮影した時における
カメラの撮影方向と同じ方向(同じ視線)の立体像しか
観察することができなかった。すなわち、例えば2台の
カメラを固定して物体を撮影して2つの画像を得ても、
観察者が視点(目の位置)を移動しても見える画像は同
じである。たとえ観察者の側が視点を移動しても、その
移動が反映されないので臨場感に欠けるという問題点が
ある。尚、レンチキュラーディスプレイは、観察者の視
点の左右方向の移動に対応して立体視を維持することが
できるが、それは複数のカメラのどれかから見た画像を
とびとびに見るというものであって、連続的な視点移動
には対応できないうえに、前後方向への視点を移動させ
ることはできなかい。立体視を前後方向への視点移動に
ついても維持することに関して、コンピュータ・グラフ
ィックスで予め作成された画像を用いて立体視する場合
には可能であるが、これはコンピュータ・グラフィック
スという画像としては単純なものを、画像内の点の対応
する3次元空間内での座標値が全て明らかにしておくと
いう特殊な状況を満足させて初めて可能になるものであ
る。一方、複数の視点位置から撮影した画像をもとに、
撮影した位置とは異なった位置から撮影した画像を生成
する手段としてエピポーラ・プレーン・イメージ(以下
EPIと略す)を用いる方法がある。この方法は、第2
9図に示すように、予め複数の視点(第29図の例では
4視点)からの画像を取り込んでおき、各画像中の同じ
水平位置にあるラインを抽出して1つの画像に合成し、
このEPI上で直線検出を行うことにより注目点に対応
する点(対応点)を求め、撮影した位置とは異なる位置
から撮影した場合に得られるであろう画像を内挿補間に
より生成するというものである。しかしながら、上記の
EPIを用いた従来例では観察者の動きに応じて滑らか
に変化する映像を得ることは困難であった。また、上記
従来例では視線方向は常に一定であり、対象物の横や後
方に回り込んで眺めることはできなかった。本発明は、
上記問題点に鑑みてなされたもので、観察者の目の位置
が任意に移動しても、移動した視点に応じた再生画像を
与えることができるようなパラメトリック画像データを
生成して記憶することの出来る画像処理方法及び画像処
理装置を提供することにある。本発明の他の目的は、観
察者の目の位置が任意に移動しても、移動した視点に応
じた再生画像を与えることができるようなパラメトリッ
ク画像データを生成して出力することの出来る画像処理
方法及び画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の請求項1に係る画像処理装置は、それぞれ
異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多視点
画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれの輝点に
ついて、前記輝点の対応点を前記複数の多視点画像に亙
って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝点につい
て同定された対応点を表すパラメトリック画像データを
生成する生成手段と、生成されたパラメトリック画像デ
ータを記憶する記憶する記憶手段とを有することを特徴
とする。同課題を達成するための、他の構成を有すると
ころの、請求項2に係る本発明の画像処理装置は、それ
ぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多
視点画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれの輝
点について、前記輝点の対応点を前記複数の多視点画像
に亙って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝点に
ついて同定された対応点を表すパラメトリック画像デー
タを生成する生成手段と、生成されたパラメトリック画
像データと対応する輝点の画素値とを記憶する記憶する
記憶手段とを有する。同課題を達成するための、他の構
成を有するところの、請求項3に係る本発明の画像処理
装置は、それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して
得た複数の多視点画像を入力する入力手段と、被写体の
それぞれの輝点について、前記輝点の対応点を前記複数
の多視点画像に亙って同定する同定手段と、個々の輝点
毎に、輝点について同定された対応点を表すパラメトリ
ック画像データを生成する生成手段と、生成されたパラ
メトリック画像データを解像度に応じて階層化する手段
と、階層化されたパラメトリック画像データを記憶する
記憶する記憶手段とを有する。本発明の好適な一態様で
ある請求項4に拠れば、前記パラメトリック画像データ
は、個々の輝点について同定された対応点の軌跡を近似
表現する直線の傾き及び切片である。本発明の好適な一
態様である請求項5に拠れば、前記入力手段は、予め多
数の方向から撮影された画像を格納したデータベースか
ら前記多視点画像を入力することを特徴とする。本発明
の好適な一態様である請求項6に拠れば、前記入力手段
は、1台以上のカメラから前記多視点画像を入力するも
のであることを特徴とする。本発明の好適な一態様であ
る請求項7に拠れば、前記同定手段は、前記複数の多視
点画像から夫々のエピポーラ・プレーン画像を抽出し、
抽出したエピポーラ・プレーン画像上で対応点を同定す
ることを特徴とする。本発明の好適な一態様である請求
項8に拠れば、前記同定手段は、前記多視点画像データ
中で平面状軌跡を検出することを特徴とする。本発明の
好適な一態様である請求項9に拠れば、前記生成手段
は、対応点を表すパラメトリック画像データを量子化す
ることを特徴とする。本発明の好適な一態様である請求
項10に拠れば、前記生成手段は、検出された傾きを量
子化することを特徴とする。本発明の好適な一態様であ
る請求項11に拠れば、前記生成手段は、同定された輝
点の画素値を差分符号化することを特徴とする。本発明
の好適な一態様である請求項6に拠れば、前記階層化手
段は、輝点について同定された対応点を表すパラメトリ
ック画像データを、異なる解像度毎に別個に生成するこ
とを特徴とする。本発明の好適な一態様である請求項1
3に拠れば、さらに、各輝点についてのパラメトリック
画像データ及び画素値を圧縮する圧縮手段を具備するこ
とを特徴とする。本発明の好適な一態様である請求項1
4に拠れば、前記圧縮手段は、各輝点についてのパラメ
トリック画像データ及び画素値に対してそれぞれ異なる
圧縮を施すことを特徴とする。本発明の好適な一態様で
ある請求項15に拠れば、前記圧縮手段は、基準撮像面
の各ラスタを一方の軸とし、もう一方の直交する軸を対
応点の軌跡が形成する直線の傾きとした場合に構成され
る複数の平面の相関を用いて圧縮を施すことを特徴とす
る。本発明の好適な一態様である請求項16に拠れば、
前記階層化手段は、パラメトリック画像データを記録す
る空間の解像度を多段階に順に下げて階層化することを
特徴とする。上記課題を達成するための本発明の請求項
17に係る画像処理装置は、エピポーラプレーンイメー
ジ化された多視点画像から生成されたパラメトリック画
像データを読出可能に記憶する記憶手段と、観察者の目
の位置を検出する検出手段と、前記検出手段で検出され
た観察者の視点位置に基づいて、該位置を視点とする再
生画像を、前記記憶手段から読み出したパラメトリック
画像データから生成する画像生成手段と、生成された画
像を出力する画像出力手段を備えたことを特徴とする。
上記課題を達成するための本発明の請求項18に係る画
像処理装置は、エピポーラプレーンイメージ化された多
視点画像から所定の圧縮方法により圧縮されて生成され
たパラメトリック画像データを読出可能に記憶する記憶
手段と、観察者の目の位置を検出する検出手段と、前記
検出手段で検出された観察者の視点位置に関連するパラ
メトリック画像データを全記憶手段から読み出して伸張
する伸張手段と、前記検出手段で検出された観察者の視
点位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から読み
出した前記パラメトリック画像データから生成する画像
生成手段と、生成された再生画像を出力する画像出力手
段を備えたことを特徴とする。本発明の好適な一態様で
ある請求項19の画像処理装置に拠れば、前記パラメト
リック画像データは、前もって、それぞれ異なる位置か
ら同じ被写体を撮像して得た複数の多視点画像から、前
記被写体のそれぞれの輝点の、前記複数の多視点画像に
亙る軌跡を表すものとして得たパラメトリック画像デー
タデータである。本発明の好適な一態様である請求項2
0の画像処理装置に拠れば、前記検出手段はさらに観察
者の視線を検出し、前記画像生成手段は、前記再生画像
を、前記検出手段が検出した視点位置と視線とに基づい
て、前記記憶手段から読み出したパラメトリック画像デ
ータから生成することを特徴とする。本発明の好適な一
態様である請求項21の画像処理装置に拠れば、前記画
像出力手段は表示装置であることを特徴とする。本発明
の好適な一態様である請求項22の画像処理装置に拠れ
ば、前記画像生成手段は、パラメトリック画像データ中
の直線状軌跡データに対応する3次元空間内の輝点を画
像面上に投影することを特徴とする。本発明の好適な一
態様である請求項23の画像処理装置に拠れば、前記画
像生成手段は、パラメトリック画像データ中の平面状軌
跡データに対応する3次元空間内の輝点を画像面上に投
影することを特徴とする。本発明の好適な一態様である
請求項24の画像処理装置に拠れば、前記画像生成手段
が生成した画像のゆがみを補正する歪み補正手段をさら
に備えたことを特徴とする。本発明の好適な一態様であ
る請求項25の画像処理装置に拠れば、前記表示装置は
ステレオディスプレイであることを特徴とする。本発明
の好適な一態様である請求項26の画像処理装置に拠れ
ば、前記表示装置は円弧状の表示面をもつディスプレイ
であることを特徴とする。本発明の好適な一態様である
請求項27の画像処理装置に拠れば、前記画像生成手段
は、検出された視線に基づいて処理範囲を視線方向に限
定することを特徴とする。本発明の好適な一態様である
請求項28の画像処理装置に拠れば、前記検出手段は、
観察者の目の位置を、前記多視点画像の撮像方向に平行
な方向で検出し、前記画像生成手段は、前記観察者の目
の検出された方向の位置を視点とする再生画像を、前記
記憶手段から読み出したパラメトリック画像データから
生成することを特徴とする。本発明の好適な一態様であ
る請求項29の画像処理装置に拠れば、前記検出手段
は、観察者の目の位置を、前記多視点画像の撮像方向に
平行な第1の方向と、この第1の方向に垂直な方向であ
って水平面内に含まれる第2の方向とで検出し、前記画
像生成手段は、前記観察者の目の検出された前記第1の
方向と第2の方向における位置を視点とする再生画像
を、前記記憶手段から読み出したパラメトリック画像デ
ータから生成することを特徴とする。本発明の好適な一
態様である請求項30の画像処理装置に拠れば、前記検
出手段は、観察者の目の位置を、前記多視点画像の撮像
方向に平行な第1の方向と、この第1の方向に垂直な方
向であって水平面内に含まれる第2の方向と、前記第1
と第2の方向に垂直な第3の方向とで検出し、前記画像
生成手段は、前記観察者の目の検出された前記第1の方
向と第2の方向と第3の方向とにおける位置を視点とす
る再生画像を、前記記憶手段から読み出したパラメトリ
ック画像データから生成することを特徴とする。上記課
題を達成するための請求項31に係る画像処理装置は、
それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数
の多視点画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれ
の輝点について、前記輝点の対応点を前記複数の多視点
画像に亙って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝
点について同定された対応点を表すパラメトリック画像
データを生成する生成手段と、生成されたパラメトリッ
ク画像データを記憶する記憶手段観察者の目の位置を検
出する検出手段と、前記検出手段で検出された観察者の
視点位置に基づいて、該位置を視点とする再生画像を、
前記記憶手段から読み出したパラメトリック画像データ
基づいて生成する画像生成手段とを具備する。本発明の
好適な一態様である請求項32の画像処理装置に拠れ
ば、前記画像出力装置の解像度を検出する手段をさらに
有し、前記生成手段は、輝点について同定された対応点
を表すパラメトリック画像データを、異なる解像度毎に
別個に生成し、前記記憶手段は解像度毎に生成されたパ
ラメトリック画像データを記憶する生成されたパラメト
リック画像データを記憶し、前記画像生成手段は、検出
された解像度に応じて、前記記憶手段から読み出すパラ
メトリック画像データデータを制御することを特徴とす
る。本発明の好適な一態様である請求項33の画像処理
装置に拠れば、前記画像生成手段は検出された視点位置
に基づいて、前期パラメトリック画像データに対して内
挿処理を行うことを特徴とする。上記課題を達成するた
めの本発明の画像処理方法は、それぞれ異なる位置から
同じ被写体を撮像して得た複数の多視点画像を入力する
入力工程と、被写体のそれぞれの輝点について、前記輝
点の対応点を前記複数の多視点画像に亙って同定する同
定工程と、個々の輝点毎に、輝点について同定された対
応点を表すパラメトリック画像データを生成する生成工
程と、生成されたパラメトリック画像データを記憶する
記憶工程と、観察者の目の位置を検出する検出工程と、
検出された観察者の視点位置に基づいて、該位置を視点
とする再生画像を、前記記憶手段から読み出したパラメ
トリック画像データから生成し、その再生画像を出力す
る出力工程とを備えたことを特徴とする。本発明の好適
な一態様である請求項35の画像処理方法に拠れば、前
記記憶工程において、個々の輝点毎に、輝点について同
定された対応点を表すパラメトリック画像データと、当
該輝点の画素データとを併せて記憶し、前記画像生成工
程において、検出された視点に対応するパラメトリック
画像データに対して、内挿補間処理を行う。本発明の好
適な一態様である請求項36の画像処理方法に拠れば、
さらに、生成されたパラメトリック画像データを解像度
に応じて階層化する階層化工程を有する。本発明の好適
な一態様である請求項37の画像処理方法に拠れば、前
記パラメトリック画像データは、個々の輝点について同
定された対応点の軌跡を近似表現する直線の傾き及び切
片である。本発明の好適な一態様である請求項38の画
像処理方法に拠れば、前記入力工程では、予め多数の方
向から撮影された画像を格納したデータベースから前記
多視点画像を入力する。本発明の好適な一態様である請
求項39の画像処理方法に拠れば、前記入力工程は、1
台以上のカメラから前記多視点画像を入力する。本発明
の好適な一態様である請求項40の画像処理方法に拠れ
ば、前記同定工程は、前記複数の多視点画像から夫々の
エピポーラ・プレーン画像を抽出し、抽出したエピポー
ラ・プレーン画像上で対応点を同定する。本発明の好適
な一態様である請求項41の画像処理方法に拠れば、前
記同定工程は、前記多視点画像データ中で平面状軌跡を
検出する。本発明の好適な一態様である請求項42の画
像処理方法に拠れば、前記生成工程は、対応点を表すパ
ラメトリック画像データを量子化する。本発明の好適な
一態様である請求項43の画像処理方法に拠れば、前記
生成工程は、検出された傾きを量子化する。本発明の好
適な一態様である請求項44の画像処理方法に拠れば、
前記生成工程は、同定された輝点の画素値を差分符号化
する。本発明の好適な一態様である請求項45の画像処
理方法に拠れば、前記階層化工程は、輝点について同定
された対応点を表すパラメトリック画像データを、異な
る解像度毎に別個に生成する。本発明の好適な一態様で
ある請求項46の画像処理方法に拠れば、さらに、各輝
点についてのパラメトリック画像データ及び画素値を圧
縮する圧縮工程を具備する。本発明の好適な一態様であ
る請求項47の画像処理方法に拠れば、前記圧縮工程
は、各輝点についてのパラメトリック画像データ及び画
素値に対してそれぞれ異なる圧縮を施す。本発明の好適
な一態様である請求項48の画像処理方法に拠れば、前
記圧縮工程は、基準撮像面の各ラスタを一方の軸とし、
もう一方の直交する軸を対応点の軌跡が形成する直線の
傾きとした場合に構成される複数の平面の相関を用いて
圧縮を施す。本発明の好適な一態様である請求項49の
画像処理方法に拠れば、前記階層化工程は、パラメトリ
ック画像データを記録する空間の解像度を多段階に順に
下げて階層化する。
【作用】請求項1による画像処理装置によれば、記憶手
段に、多視点画像の輝点について同定された対応点を表
すパラメトリック画像データを記憶せしめるので、この
記憶手段のパラメトリック画像データを用いた画像再生
が可能となる。請求項2による画像処理装置によれば、
記憶手段に、多視点画像の輝点について同定された対応
点を表すパラメトリック画像データと、同輝点の画素値
とを記憶せしめるので、この記憶手段のパラメトリック
画像データを用いた画像再生が可能となる。請求項3に
よる画像処理装置によれば、記憶手段に、多視点画像の
輝点について同定された対応点を表すパラメトリック画
像データを解像度に応じて階層化して記憶せしめるの
で、この記憶手段のパラメトリック画像データを用いる
ことにより、再生側の出力手段の解像度に応じた画像再
生が可能となる。請求項4による画像処理装置によれ
ば、多視点画像は所定の直線方向に沿って撮影するの
で、直線によってパラメータ化するのが好適である。請
求項5,6の画像処理装置によれば、多視点画像は、デ
ータベース、または1台以上のカメラから得られたもの
である。請求項7の画像処理装置に拠れば、エピポーラ
プレーン画像は直線抽出に好適である。請求項8の画像
処理装置に拠れば、観察者が上下方向に移動したときに
も追随が可能なパラメトリック画像データを生成するこ
とが出来る。請求項9の画像処理装置に拠れば、対応点
を表すパラメトリック画像データを量子化することによ
りデータ量を圧縮する。請求項10の画像処理装置に拠
れば、量子化対象は検出された傾きである。請求項11
の画像処理装置に拠れば、同定された輝点の画素値が差
分符号化される。請求項12の画像処理装置に拠れば、
パラメトリック画像データを異なる解像度毎に別個に生
成するので、再生手段である出力装置の解像度に応じた
パラメトリック画像データを生成することが出来、高速
化に寄与する。請求項13の画像処理装置に拠れば、さ
らに、各輝点についてのパラメトリック画像データ及び
画素値を圧縮する圧縮手段を具備することを特徴とす
る。請求項14の画像処理装置に拠れば、各輝点につい
てのパラメトリック画像データ及び画素値に対してそれ
ぞれ異なる圧縮を施す。パラメトリック画像データと画
素値とは物理的性質が異なるために、その性質にあった
圧縮が好ましい。請求項15の画像処理装置に拠れば、
基準撮像面の各ラスタを一方の軸とし、もう一方の直交
する軸を対応点の軌跡が形成する直線の傾きとした場合
に構成される複数の平面の相関を用いて圧縮を行うの
で、圧縮効率が上がる。請求項16の画像処理装置に拠
れば、パラメトリック画像データを記録する空間の解像
度を多段階に順に下げて階層化するので、記録効率が上
昇する。請求項17の画像処理装置に拠れば、観察者の
任意の移動に対しても、その移動にあった再生画像が出
力される。請求項18の画像処理装置に拠れば、記憶容
量の低減と、観察者の任意の移動を確保することの両立
が図れる。請求項19の画像処理装置に拠れば、前記パ
ラメトリック画像データは、前もって、それぞれ異なる
位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多視点画像か
ら、前記被写体のそれぞれの輝点の、前記複数の多視点
画像に亙る軌跡を表すものとして得たパラメトリック画
像データデータである。請求項20の画像処理装置に拠
れば、観察者は、その位置のみならず、視線方向も移動
させることが許される。請求項21の画像処理装置に拠
れば、前記画像出力手段は表示装置である。請求項22
の画像処理装置に拠れば、パラメトリック画像データ中
の直線状軌跡データに対応する3次元空間内の輝点が画
像面上に投影される。請求項23の画像処理装置に拠れ
ば、パラメトリック画像データ中の平面状軌跡データに
対応する3次元空間内の輝点が画像面上に投影される。
請求項24の画像処理装置に拠れば、例えば、画像再生
に際して、奥行き方向もしくは上下方向の視点移動を考
慮することにより、再生画像のゆがみを補正する。請求
項25,26の画像処理装置に拠れば、前記表示装置は
ステレオディスプレイまたは円弧状の表示面をもつディ
スプレイである。請求項27の画像処理装置に拠れば、
検出された視線に基づいて処理範囲を視線方向に限定す
ることにより処理速度の向上を図る。請求項28の画像
処理装置に拠れば、観察者の1次元の任意の移動に対し
てなめらかな再生が可能となる。請求項29の画像処理
装置に拠れば、観察者の2次元の任意の移動に対してな
めらかな再生が可能となる。請求項30の画像処理装置
に拠れば、観察者の3次元の任意の移動に対してなめら
かな再生が可能となる。請求項31の画像処理装置に拠
れば、観察者の任意の移動に対してなめらかな再生画像
を得ることが出来る。請求項32の画像処理装置に拠れ
ば、解像度毎に階層化されたパラメトリック画像データ
を用いて、出力装置の解像度に適した画像再生を高速に
行うことが出来る。請求項33の画像処理装置に拠れ
ば、内挿処理により視点位置の移動に対処する。
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態について説明する。 〈原理〉第1図は本発明の画像処理装置を適用した立体
視システム構成を示す図である。第1図のシステムは本
発明の全ての実施形態に共通である。図中、21は投影
する被写体(この例では、円板の上に球体と三角錐が載
せられている)、22a〜22fは折れ線状に並べられ
た多眼カメラ、100は本システムの中核をなす画像処
理装置、70は画像処理装置100が出力する多視点画
像を表示するための視点検出器80つき表示スクリーン
である。尚、このシステムにおいては、表示スクリーン
70に表示する画像を高速に切り替えたり、あるいは所
謂パララックスバリア方式を採用しても良い。パララッ
クスバリア方式を採用する場合には、メガネ形状の検出
器80のレンズ部分には偏光フィルタなどを用いる。画
像の切換方式を採用する場合には、視点位置検出器80
は単にメガネの形状をしているだけで、センサを人間の
頭部に固定するために機能する。画像処理装置100
(他の実施形態の画像処理装置も)はEPIを用いる。
EPIについて第2図,第3図を用いて説明する。EP
Iとは、他眼カメラ22によって各視点から撮影された
画像から、各画像における同じ位置にあるラインを集
め、それらを視点順に並べることによって構成された画
像である。例えば、第2図のように、異なる視点位置の
複数のカメラ(第2図の例では4つ)により、あるいは
多眼カメラにより1つの被写体を撮像すると、画像1〜
4が得られる。これらの画像の夫々において、同じ水平
ラインに注目する。多眼カメラ22は水平面上に並んで
いるので、この水平ライン上にのった被写体上の同じ輝
点(第2図において黒の矩形で表す)は、視点位置に応
じて、個々の水平ライン上において水平方向にずれた位
置をとる。第2図に示すように、カメラの視点の移動方
向にX軸を取り、このX軸に垂直にカメラの光軸方向に
Z軸をとり、カメラの画像空間にx軸をとると、第3図
に示すように、横軸xが輝点の水平表示位置を示すよう
に、縦軸Xが視点位置を示すように、x軸,X軸をとる
と、ある水平ライン上に載った1つの輝点の像(即ちE
PI)は第3図の点の集合、即ち、ある傾きkと切片x
0を有する直線となる。
【数1】 第3図において、切片x0は、最も左のカメラ(視点位
置X=0)によって得られた画像の表示値を示す。従っ
て、この直線が表す輝点の位置は、カメラ22の光学系
の焦点距離をf、カメラ22のイメージセンサの画素ピ
ッチをpとして座標系XZで表すと、第5図に示すよう
に、
【数2】
【数3】 が得られる。式1は、ある輝点の表示位置xは、離散的
な視点X(X1, X2,…)から得られるだけでなく、
視点Xの値が任意の値、即ち、観察者がカメラ視点以外
の位置Xにいる場合にも、表示位置xを演算できること
を意味する。この演算は内挿補間処理による。尚、カメ
ラから遠い被写体の多視点画像をとった場合、その被写
体上の一点である輝点位置は、視点位置の変化に対し
て、水平方向の変化が少ない。従って、このような被写
体のEPIにおける直線の傾きは垂直に近くなる。即
ち、観察者が後方に移動した場合に対応する多視点画像
のEPIは急峻な傾きkを有するものであり、観察者が
前方に移動した場合に対応する多視点画像のEPIは緩
い傾きを有するものである。また、手前にある輝点の直
線軌跡が、奥にある輝点の直線軌跡を多い隠すという、
オクルージョン関係も存在する。従って、ある輝点の多
視点画像は、その輝点の多視点画像におけるEPI上に
おいて、直線の傾きkと横軸xとの切片x0とによって
定義される。換言すれば、1つの輝点の複数の多視点画
像データは、その輝点の画素値(濃度値もしくは色デー
タ値)と共に、データ kとx0とに圧縮されることにな
る。1つのEPIには、通常、複数の輝点が含まれる。
従って、第3図の直線を抽出するためには、複数の画像
データの中から、同じ輝点に由来するものだけを同定し
なければならない。この同定の処理を、本実施形態で
は、輝点に対応する複数の点によって表される軌跡を検
出するという意味で、「対応点軌跡の検出」と呼ぶ。ま
た、検出された軌跡を表す直線のデータ、上述の kと
0とを「軌跡データ」と呼ぶ。尚、軌跡データには、
後述するように、「奥行きデータ」も含まれる。第4図
に画像処理装置100における処理の概略を示す。第4
図中、カメラ22からの多視点画像に基づいて、対応点
の軌跡が検出され、続いて軌跡データに圧縮される。即
ち、被写体の全ての輝点についての軌跡データが得られ
る。これらの軌跡データはパラメトリックデータとして
ファイルに記憶される。以上が、多視点画像を取得し、
それをパラメトリックデータとしての記憶するまでの処
理である。実際に立体視するときは、観察者の視点に応
じて多視点画像データを補正しなければならないから、
その補正処理、即ち内挿処理が第4図に示されている。
即ち、立体視を行うときは、ファイルからパラメトリッ
クデータが読み取られ、軌跡データに伸張される。その
上で、検出器80によって検出された観察者の視点が入
力されて、内挿処理が行われる。この内挿処理は、視点
位置の変化に応じてリアルタイムで行われる必要がある
ために、本実施形態では「オンデマンド内挿表示」処理
と呼ぶ。これから説明する実施形態に係る画像処理装置
は、軌跡の検出に特徴ある処理を行うもの、或いは内挿
処理に特徴ある処理を行うものが含まれる。 〈第1実施形態〉第6図は第1実施形態の画像処理装置
100の構成、即ち、対応点軌跡検出部50とオンデマ
ンド内挿表示部60の構成を示す図である。先ず、対応
点軌跡検出部50について説明する。図中、画像メモリ
11は、多眼カメラ22によって撮影した複数の画像を
記憶する。メモリ11の記憶データは、左右に直線上に
並んだ多数の視点から得た被写体の多視点画像である。
対応点軌跡判定部12はメモリ11中の多視点画像をス
キャンし、直線状の軌跡を有する輝点像を探索する。こ
の探索は係数制御部13から送られてくる係数によって
制御される。メモリ14は、軌跡判定部12が検出した
輝点nの軌跡の係数(knとx0n)および同輝点nの濃
淡値Dnを記憶する。係数制御部13が生成する係数
は、1組の傾きkと切片x0の値である。前述したよう
に、被写体の1つの輝点のEPIは、傾きkと切片のx
0によって定義できるので、判定部における探索は、係
数制御部13から送られてくる1組の傾きkと切片x0
によって定義される直線に載るような輝点の画像を探索
することに等しい。軌跡判定部12における判定には2
つの閾値が用いられる。この閾値を制御するのが閾値制
御部15である。メモリ16は、軌跡判定部12が検出
した対応点軌跡の画像中での位置と検出した条件とを保
持する。データ出力部17はメモリ14に記憶された対
応点軌跡係数を出力する。オンデマンド内挿表示部60
は、データ入力部30と、対応点軌跡内挿部31と、画
像表示部33と、視点位置入力部32とを有する。デー
タ入力部110はパラメトリックデータをファイル40
から入力する。対応点軌跡内挿部31は、観察者の実際
の視点位置(視点位置入部32が検出器80から入力し
た)にもとづいてデータ入力部30の対応点軌跡を内挿
することにより、その視点から見える画像を生成する。
こうして生成された立体画像は画像表示部33によりス
クリーン70に表示される。次に、対応点軌跡内挿部3
1の動作をくわしく説明する。対応点軌跡内挿部31は
視点検出器80から左右方向の視点位置Xpを得る。も
し、視点位置Xpがカメラの位置に等しいならば、ファ
イル40のパラメトリックデータ(軌跡係数と濃淡値情
報Dとからなる)の各水平ライン上のすべての輝点につ
いて、式1に基づいて、画像中の水平方向の表示位置を
算出し、その表示位置に輝点の濃淡値Dを描画する。結
果として。視点位置に対応した画像が1枚生成される。
視点位置Xpがカメラの位置に等しくない場合、即ち、
観察者の視点が任意の位置にある場合について説明す
る。ここで、第7図に示すように、横方向視野角をfov
とし、ある水平ライン中のある輝点(XI,ZI)の水平
方向の表示位置をxとすると、
【数4】 で表される。なお、表示スクリーン70および画像表示
部33に、レンチキュラ方式やメガネ方式などの両眼立
体視が可能な立体表示スクリーン及び立体画像表示部を
用い、かつ、視点位置入力部32が左右おのおのの目の
位置に対応する視点パラメータを算出し、これに対応し
て対応点軌跡内挿部31が左右おのおのの目に提示する
ための画像を生成することにより、カメラ列状において
視点移動可能な両眼立体表示装置となる。また、第1図
のように、多眼カメラ22を被写体21の周りを囲む円
周状に並べ、表示スクリーン70を円形上のディスプレ
イにすることで、全周方向からの映像を眺めることがで
きる。 〈第1実施形態の第1変形例〉第1実施形態の立体視シ
ステムは、観察者の視点が、多眼カメラの撮影方向(方
向が既知であれば、直線状あるいは曲線状であるを問わ
ない)に平行に移動する場合において、立体視が維持で
きるものであった。次に、本発明を、前後左右に視点移
動が可能であり、かつ、任意視線方向を眺めることので
きる画像処理装置に適用した第1実施形態の第1変形例
を示す。第1変形例では、第1実施形態の視点検出器8
0を観察者の目の位置及び視線方向を検出できる視線検
出器に置き換える。また、これに伴い視点位置入力部3
2に関しても、観察者の目の位置及び視線方向に対応し
た視線情報を対応点軌跡内挿部31へ送るものに置き換
える。さらに、対応点軌跡内挿部31の投影処理を以下
に説明する処理に置き換える。第8図は第1変形例の画
像処理装置の対応点軌跡内挿部31の投影計算の算出原
理を示す図である。第1変形例においては、観察者のZ
方向への移動に追随して立体視を許すために、第8図に
示すように、2つのカメラ列を設け、その2列のカメラ
列の交点Bの座標を(XB,ZB)とする。図中、Pは観
察者の視点の位置(Xp,Zp)を示し、観察者はZ軸に
対してθ°、そして直線PBからはα度だけずれた視線
方向を見つめているとする。ただし、ファイル40に
は、パラメトリックデータとして、カメラ列1により撮
影された画像から得られる輝点データとカメラ列2より
撮影された画像から得られる輝点データとが保持されて
いるものとする。観察者が視点位置Pから視線方向θを
眺めている場合には、第8図に示すように、表示面を左
右2つの領域90,91に分け、画像の右側領域91に
はカメラ列1により得られた輝点データにより輝点を投
影し、画像の左側領域92はカメラ2により得られた輝
点データにより輝点を投影する。これにより、観察者の
視点位置、及び、視点方向に対応した1枚の画像が生成
される。ここで、第1実施形態と同じように、ある水平
ライン中のある輝点の水平方向の表示位置をx、視点位
置を(Xp,Zp)、横方向視野角をfovとすると、表示
位置xは以下の5式で算出する。
【数5】 以上の動作により、カメラ列を円弧状に組み合わせるこ
とで、保持されている各画像を撮影した視点以外の場所
に観察者が移動しても、すなわち多眼カメラ22の視点
以外の前後左右の場所に観察者が移動しても、さらに
は、観察者が任意視線方向に視線を移動した場合でも、
対応した対象物の画像を表示スクリーン70を通して眺
めることができる。第1変形例では、入力画像に上下方
向の視差がないため、前後の視点移動に対して生成され
る画像には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離
に応じて、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を
行うことによりこの歪みを目立たなく補正することがで
きる。 〈第1実施形態の第2変形例〉次に、第1実施形態の処
理を高速に行う変形例を第2変形例として示す。第2変
形例では、第1変形例の対応点軌跡内挿部31の投影処
理を第9図に説明するものに置き換える。第9図におい
て、生成像の左右2つの領域について、それぞれ画像生
成に必要な輝点の領域を示している。第1変形例におい
ては、輝点を投影する際に全ての輝点を描画するが、第
2変形例においては、図に示すように、輝点の集合をい
くつかのブロック領域に領域分割し、視野に含まれる領
域内の点のみを描画し、視野からはみ出る領域内の点は
描画しないようにする。この処理により、画像を生成す
る上で不必要な輝点の投影処理を省くことができるた
め、本実施形態では高速に対応輝点投影処理を行うこと
ができ、よりスムーズな視線変化が可能になる。 〈第1実施形態の第3変形例〉次に、本発明を、前後上
下方向に視点移動可能な画像処理装置に適用した第3変
形例を示す。第3変形例では、第2変形例の対応点軌跡
検出部18の検出処理、オンデマンド内挿表示部60の
投影処理を以下に説明する処理に置き換える。まず、対
応点軌跡検出部18の動作を説明する。第3変形例で
は、メモリ11の入力画像は、左右上下に平面状に並ん
だ視点から撮影された画像である。このため、ある輝点
の像の軌跡は、入力多視点画像保持部11の多視点画像
がなす4次元画像空間中の平面となる。したがって、対
応点軌跡判定部12の対応点軌跡判定処理は、この入力
4次元画像空間中の平面判定処理に等しい。左右方向及
び観察者の見つめる方向を、第1実施形態と同じよう
に、X軸、Z軸をとり、さらに、上下方向にY軸をとる
と、前記4次元空間は、XYZの三次元と、表示位置の
x軸の4次元空間である。輝点位置を表す平面は以下の
6式で表される。
【数6】 ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌跡の位置、傾
きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第3変形例の軌跡係数制御部13の算出する軌
跡係数は、平面の位置と傾きを示す(x0,y0,k)の
3つの係数の組みとなる。対応点軌跡判定部12は軌跡
係数制御部13および判定しきい値制御部15に順次制
御され、画像空間中で平面上の軌跡を判定し、検出した
平面の係数を検出軌跡記憶部14に記憶する。データ出
力部17によって出力されるパラメトリックデータは、
検出された平面上軌跡の枚数分の、輝点の座標値であ
る。ここで、焦点距離をf、画像ピッチをpとすると、
この平面に対応する輝点の座標(XI,YI,ZI)は以
下の7式で算出する。
【数7】 次に本実施形態のオンデマンド内挿表示部50の処理に
ついて説明する。対応点軌跡内挿部31は、視点位置を
(Xp,Yp,Zp)、横方向視野角をそれぞれfovx、f
ovyとすると、パラメトリックデータの輝点の表示位置
(x,y)を以下の8式を用いて計算する。
【数8】 第3変形例では、入力画像が上下方向の視差を持つた
め、第1変形例、および第2変形例で生じたような上下
方向の画像の歪みを生じない。 〈更なる変形例〉以上の実施形態及び変形例では、あら
かじめ撮影された多視点画像が入力多視点画像保持部1
1に保持されている構成としたが、これを、多視点画像
を実時間で取り込むことのできる多眼テレビカメラに置
き換えることにより、実時間の任意視線画像撮影・表示
システムとなる。さらに、パラメトリックデータ19を
通信データとして遠隔端末間でやり取りする場合、実時
間の任意視線画像通信システムとなる。なお、本発明は
単体の画像処理装置に適用しても良いし、多視点テレ
ビ、多視点テレビ電話端末や多視点テレビ会議システム
のようなシステム機器に適用しても良いし、コンピュー
タや他の画像処理装置と組み合わせた復号装置にも適用
できる。前記第1実施形態とその3つの変形例は本発明
の基本的な実施形態である。これから説明する第2実施
形態は主に、前記第1実施形態に対する圧縮処理の改良
に関するものである。 〈第2実施形態〉第2実施形態の画像処理装置の構成を
第10図に示す。第2実施形態のシステム構成は、第1
実施形態のそれ(第4図)に対して、対応点の軌跡デー
タを圧縮する軌跡データ圧縮部110と圧縮された軌跡
データを伸張する軌跡データ伸張部120が付加されて
いる点を除けば同じであって、例えば、EPIを用いる
点も共通している。先ず、軌跡データ圧縮部120の構
成について説明する。軌跡データ圧縮部110は、軌跡
検出部50とファイル40との間におかれ、検出部50
内の検出軌跡メモリ24のデータを圧縮してファイル4
0に送る。第11図は、第2実施形態の軌跡検出部50
の構成を示す。第12図は第2実施形態の画像処理装置
の軌跡データ圧縮部110の構成を示す図である。図
中、分解部111は、対応点軌跡検出部50のメモリ2
4から出力される直線データを、後述するXK平面上で
の輝点位置データ(kn,x0n)と輝点の濃淡値データ
(Dn)とに分解し、前者を輝点位置符号化部112
に、後者を輝点濃淡値符号化部113に送る。輝点位置
符号化部112は直線データ分解部111で得られた輝
点位置データ(kn,x0n)を符号化する。輝点濃淡値
符号化部113は輝点濃淡値データ(Dn)を符号化す
る。符号化データ統合部114は輝点位置符号化部11
2と輝点濃淡値符号化部113で符号化されたデータを
統合してファイル40に出力する。軌跡データ圧縮部1
10の動作を説明する。メモリ24に記憶されているデ
ータは、直線の切片位置x0nと傾きknと色Dnの組みで
ある。入力されたこれらのデータは、直線データ分解部
41においてXK平面上での輝点位置データと輝点の濃
淡値データに分解される。ここでいうXK平面とは、第
13図に示すように、直線の位置(X)と傾き(K)を
それぞれ直交する軸にとった平面のことである。1つの
軌跡を表す直線データは、XK平面上では濃淡値Dn
持った点として表すことができる。もしEPIの個数が
仮に480とすれば、XK平面には480個の点が存在
する。直線データ分解部111は、直線で多をXK平面
上で輝点位置データに分解する。輝点位置データに分解
するとは、各EPI上で検出されたすべての直線データ
をXK平面上にマッピングし、このXK平面を所定の分
解能で離散化(量子化)して、この平面上に点が存在す
るかどうかを1/0で表すということである。第13図
の軌跡データを離散化した結果を第14図に示す。第2
実施形態の量子化の根拠を説明する。第2実施形態の対
応点軌跡検出部42(第11図)は、直線の傾きを検出
する際に、傾きの最小ステップS幅を設定する。この最
小ステップ幅の値からXK平面での輝点間の最小間隔を
決定することができる。直線データ分解部111がこの
決定した最小間隔で平面を離散化(量子化)することに
より、量子化で失われる情報量を少なくすることが出来
る。また、量子化された輝点の存在範囲は、検出された
直線から予め分かるので、すべての輝点を包括する最小
の矩形で平面をクリッピングすることができる。輝点の
存在する領域だけを処理対象とすることで、輝点位置の
データ量を低減することができる。第15図はXK平面
の離散化・グリッピング処理を示している。矩形領域
は、第15図に示すように、最も左上の点ULと最も下
右の点LRによって表される。このようにして得られた
輝点位置データを輝点位置符号化部112は、例えばハ
フマン(MH)符号化などで符号化する。これと同時
に、クリッピングした矩形を一意に特定できる2点(U
LとLR)の座標値も符号化する。ここでは符号化方式
としてMH符号化を用いたが、MR符号化、MMR符号
化、算術符号化等で良い。また、直線データ分解部11
1は、輝点の軌跡を濃淡値データに分解する。濃淡値デ
ータに分解するとは、第15図のように示された輝点位
置データをX方向を主走査方向としK方向を副走査方向
として走査して、存在する点の順番に従い、対応する輝
点の濃淡値を、第16図に示すように、羅列して表すと
いうことである。ここではMH符号化を適用したので、
この方式の符号化順序に従っている。走査方向を符号化
の方向と一致させたのは、符号化順序に従う方が輝点位
置と後述する濃淡値の対応がとりやすいからである。輝
点濃淡値符号化部113では、輝点の濃淡値データを、
一例としてRGB各色8ビットのデータとして考える。
尚、対応点軌跡検出部50で使用する色空間はRGBの
8ビットに限定するものでもない。輝点濃淡値符号化部
113は、色データを、一例としてDPCM(Different
ial Pulse Code Modulation)符号化法を適用して符号化
する。但し、DPCM符号化をXK平面上で空間的に離
れた位置にある任意の2点に適用するに際しては、これ
ら2点の差分値はとらず、そのままのデータを符号化す
る。XK平面上で空間的に離れた位置にある任意の2点
はまったく相関のないデータを表すので、相関のない2
点のデータの差分を演算することは符号量の増加を招く
ので、差分値の符号化を行わないのである。符号化デー
タ統合部114は、輝点位置符号化部112と輝点濃淡
値符号化部113で生成された符号データを統合し、パ
ラメトリックデータとしてファイル40に出力する。以
上のように第2実施形態を構成することにより、対応点
軌跡検出部50からの出力を第1実施形態のようにその
ままの状態で保持するよりも、より少ない情報量でデー
タを保持することができ、機器に必要なメモリ量が少な
くてすむという利点がある。第17図は第2実施形態の
画像処理装置の軌跡データ伸長部120の構成を示す図
である。図中、符号化データ分解部121は、ファイル
40から入力されたパラメトリックデータを、輝点位置
の符号データと輝点濃淡値のデータとに分解して、2つ
の復号化部122,123に出力する。輝点位置復号化
部122は符号化データ分解部121で得られた輝点位
置の符号化データを復号する。輝点濃淡値復号化部12
3は符号化データ分解部121で得られた輝点濃淡値デ
ータDを復号する。統合部124は輝点位置復号化部1
22と輝点濃淡値復号化部123で復号されたデータを
統合して直線データとして出力する。軌跡データ伸長部
120では、軌跡データ圧縮部110での処理と全く逆
の処理が行われる。まず、符号化データ分解部121で
はパラメトリックデータを読み込み、輝点位置データと
輝点濃淡値データとに分解する。輝点位置復号化部12
2では輝点位置符号データを、また輝点濃淡値復号化部
123では輝点濃淡値データを復号し、直線データ統合
部124においてこれらを直線データとして統合する。
第18図は第2実施形態の画像処理装置のオンデマンド
内挿表示部60の構成を示す図である。第2実施形態の
オンデマンド内挿表示部60の構成は第1実施形態のそ
れ(第6図)と同じである。表示スクリーン70を眺め
る利用者が頭の位置を変えて視点を移動させると、視点
検出器80の信号が変化する。視点位置入力部32は、
この変化を受けて、視点位置を対応点軌跡内挿部31へ
送る。対応点軌跡内挿部31は視点位置を受けると、視
点移動に対応した新たな画像の生成を行い、画像表示部
33へ画像を送る。画像表示部33は表示スクリーン7
0へ画像を表示する。次に、対応点軌跡内挿部31の動
作をくわしく説明する。対応点軌跡内挿部31は視点検
出器80から左右方向の視点位置Xpを得る。一方、対
応点軌跡内挿部31は、パラメトリックデータの各水平
ラインのすべての対応点軌跡について、輝点の画像中の
水平方向の表示位置xを算出し、その表示位置xに輝点
の濃淡値Dを描画する。結果として、視点位置に対応し
た画像が1枚生成される。ここで、ある水平ライン中の
ある輝点の水平方向(X方向)の表示位置をx、対応点
軌跡の直線位置をx0、直線傾きをk、視点位置をXp
すると、
【数9】 が得られる。なお、第2実施形態で、表示スクリーン7
0および画像表示部33に、レンチキュラ方式やメガネ
方式などの両眼立体視が可能な立体表示スクリーン及び
立体画像表示部を用い、かつ、視点位置入力部32が左
右おのおのの目の位置に対応する視点パラメータを算出
するように変形することは、第1実施形態と同じように
可能である。この変形に対応して対応点軌跡内挿部31
が左右おのおのの目に提示するための画像を生成するこ
とにより、前後左右に視点移動可能な両眼立体表示装置
となる。 〈第2実施形態の第1変形例〉第2実施形態中の軌跡デ
ータ圧縮部110では、直線データを輝点位置データと
輝点濃淡値データに分解してそれぞれを符号化したが、
その輝点濃淡値をベクトル量子化を用いて符号化するこ
とも可能である。第19図は、この第1変形例で用いら
れるデータの構成を表す図である。軌跡データの傾きk
は実際には整数値のみならず、多くは少数で表される値
である。前述したように、第2実施形態の対応点軌跡検
出部50は検出する直線の傾きのステップS幅を固定値
(△S)としているため、検出された任意の直線の傾き
kは、△Sの整数倍(N)で表現可能である。ここで
は、任意のkを、
【数10】k=△S*N で表すことにする。第19図は、第2実施形態の検出部
50によって生成される軌跡データを示す。また、検出
された各輝点の色データを順に並べたテーブルを第20
図に示す。第19図の軌跡位置データと第20図の色デ
ータとは、インデックスの値でリンクされている。ま
た、第19図において、x0は輝点のX方向の切片位置
を示し、Nは式10に従ってkを量子化しときのNであ
る。第19図のテーブルは、傾きkが整数値に量子化さ
れたことによって情報圧縮がなされた。また、この色デ
ータに対してベクトル量子化を行うことにより、データ
量を画像の種類によらず一定にしたい場合などに有効で
ある。ベクトル量子化に用いるテーブルは、画像ごとに
用意して、符号データと一緒に蓄積あるいは伝送しても
よいし、一般的なテーブルを用意して全ての画像に適用
してもよい。 〈第2実施形態の第2変形例〉次に、第2実施形態の画
像処理装置を、前後左右に視点移動可能な立体視システ
ムに適用した例を第2変形例として示す。この第2変形
例のシステム構成は、第10図,第11図の通りであ
る。そこで、第2変形例では、第2実施形態の対応点軌
跡内挿部31の内挿処理を以下に説明する処理に置き換
える。第21図は第2変形例の画像処理装置の対応点軌
跡内挿部31の内挿計算の算出原理を示す図である。図
中、ある輝点200(XI,ZI)が(+X,+Z)だけ
ずれた点201へXZ空間で移動する場合を考える。カ
メラ22の光学系の焦点距離をfとすると、Z軸の距離
fのところに撮像面が存在し、その撮像面においては画
素ピッチはpであるとする。輝点200(XI,ZI)は
撮像面においてはx0位置にある。輝点200(XI,Z
I)が(+X,+Z)だけXZ空間で移動すると、画像
の表示位置は202x0から203xに移動する。x0
置が、視点位置(0,0)の仮想的なカメラの撮像面に
投影されているとする。投影される位置は、直線の切片
位置x0に相当する。このとき、視点位置が移動した場
合の、輝点の像の移動を考える。視点202がある方向
へ移動することは、逆方向ヘ輝点200が移動すること
と等価である。この原理を利用して、輝点200が移動
量(+X,+Z)だけ移動した場合の移動後の像203
(x)を式11に従って求める。
【数11】 但し、式11中のk,aは、
【数12】
【数13】 で表すことが出来る。尚、式11は、第21図におい
て、
【数14】
【数15】 を解くことにより導かれる。式11を用いることによ
り、視点移動(−X、−Z)に対応した、移動後の像x
203を求めることができる。次に第2変形例の対応点
軌跡内挿部31の動作を説明する。視点検出器80は左
右前後の視点位置(−X、−Z)を対応点軌跡内挿部3
1へ送る。対応点軌跡内挿部31は、パラメトリックデ
ータの各水平ラインのすべての対応点軌跡について11
式を計算することにより、前後左右の視点移動に対応し
た画像を生成する。第2変形例では、入力画像に上下方
向の視差がないため、前後の視点移動に対して生成され
る画像には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離
に応じて、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を
行うことによりこの歪みを目立たなく補正することがで
きる。 〈第2実施形態の第3変形例〉次に、第2実施形態の処
理を高速に行うという観点からの提案を第3変形例とし
て示す。この第3変形例では、第2実施形態の対応点軌
跡内挿部31の内挿処理を以下に説明する処理に置き換
える。第22図は第3実施形態の第3変形例の画像処理
装置の対応点軌跡内挿部31の高速計算処理を示すフロ
ーチャートである。はじめに、本実施形態の対応点軌跡
内挿部31の内挿処理の原理を説明する。前述の第2変
形例の11式は以下の16式に変形できる。
【数16】 ここで、x',k',Z'を式17,式18,式19のよ
うに定義すると、式16は、式20のように変形され
る。
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】 ここで、x'およびk'は視点位置に依存しないため、あ
らかじめ計算しておくことができる。また、Z'は対応
点軌跡に依存しないため、視点位置の変化に対して1回
だけ計算すればよい。次に、第2実施形態の第3変形例
の対応点軌跡内挿部31の内挿処理の動作を説明する。
対応点軌跡内挿部31はまず第22図のステップS11
1およびステップS112において、すべての対応点の
軌跡係数(kとx0)について、それぞれx'およびk'
を式17,式18を用いて求める。次にステップS11
3で、視点位置(Xp,Zp)を視点位置入力部32から
取得し、ステップS114において、視点位置が変化す
るごとに1回だけ、式19を用いてZ'を計算する。そ
して、各水平ラインの全ての対応点軌跡係数について、
ステップS115で式20を用いて輝点の表示位置を算
出し、ステップS116で輝点の濃淡値を描画する。以
上の処理により、本実施形態では高速に対応点軌跡内挿
処理を行うことができ、よりスムーズな視点移動が可能
になるという実施形態特有の効果がある。 〈第2実施形態の第4変形例〉次に、本発明を、前後上
下左右に視点移動可能な画像処理装置に適用した例を、
第2実施形態の第4変形例として示す。この第4変形例
は前後左右上下に視点移動可能であるという観点から、
第1実施形態の第3変形例に相当する。本第4変形例で
は、第1変形例の対応点軌跡検出部50の検出処理、オ
ンデマンド内挿表示部60の内挿処理を以下に説明する
処理に置き換える。まず、変形された対応点軌跡検出部
50の動作を説明する。第2変形例では、入力画像は、
左右上下に平面上に並んだ視点から撮影された画像であ
った。このため、ある輝点の像の軌跡は、メモリ41
(第11図を参照)の多視点画像がなす4次元画像空間
中の平面となる。したがって、対応点軌跡判定部42の
対応点軌跡判定処理は、この入力4次元画像空間中の平
面判定処理に等しい。左右方向及び観察者の見つめる方
向を、第1実施形態と同じように、X軸、Z軸にとり、
さらに、上下方向にY軸をとると、前記4次元空間は、
XYZの三次元と、表示位置のx軸の4次元空間であ
る。輝点位置を表す平面は以下の21式で表される。
【数21】 ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌跡の位置、傾
きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第4変形例の軌跡係数制御部33(第11図)
の算出する軌跡係数は、平面の位置と傾きを示す
(x0,y0,k)の3つの係数の組みとなる。対応点軌
跡判定部32は軌跡係数制御部33および判定しきい値
制御部35に順次制御され、画像空間中で平面上の軌跡
を判定し、検出した平面の係数を検出軌跡記憶部34に
記憶する。圧縮部110によって出力されるパラメトリ
ックデータは、検出された平面上軌跡の枚数分の、輝点
の座標値である。次に第4変形例のオンデマンド内挿表
示部60の処理について説明する。第4変形例のオンデ
マンド内挿表示部60の構成は第1実施形態のそれ(第
6図)に同じである。対応点軌跡内挿部31のステップ
S111は、上記の17式に加えて、以下の22式を計
算する。
【数22】 また、ステップS115では、以下の23式を用いて、
輝点の表示位置(x,y)を計算する。
【数23】 ステップS116では、表示位置に合わせて輝点の濃淡
値を描画する。第4変形例では、入力画像が上下方向の
視差を持つため、第2変形例、および第3変形例で生じ
たような上下方向の画像の歪みが生じない、という実施
形態特有の効果がある。 〈第2実施形態の他の変形〉第2実施形態、第1変形例
では、各XK平面ごとに輝点データ(直線データ)を符
号化しているが、隣り合ったXK平面間の相関を使って
符号化することが可能である。この場合は、既に処理済
みXK平面の輝点位置データを参照テンプレートとし、
今処理しているXK平面の輝点位置データを算術符号化
あるいはこれと類似の符号化、例えば、2値画像の符号
化標準方式であるQMコーダなどを用いると、符号化効
率がよい。輝点濃淡値データに関しても、隣接するXK
平面間では相関が非常に強いので、隣接するXK平面間
で濃淡値データの差分をとり、符号化すると符号化効率
が向上する。パラメトリックデータを通信データとして
遠隔端末間でやり取りする場合、実時間の任意視点画像
通信システムとなる。なお、本発明は単体の画像処理装
置に適用しても良いし、多視点テレビ、多視点テレビ電
話端末や多視点テレビ会議システムのようなシステム機
器に適用しても良いし、コンピュータや他の画像処理装
置と組み合わせた復合装置にも適用できる。次に説明す
る第3実施形態は、表示装置の差異による表示速度の差
が大きくならない工夫を行ったものである。 〈第3実施形態〉第23図は第3実施形態の画像処理装
置100の構成を示す図である。第3実施形態の画像処
理装置100も、第1実施形態,第2実施形態と同様
に、軌跡検出部50と内挿表示部60とを有する。軌跡
検出部50の構成は、軌跡データ階層化部217を除い
て、第1実施形態,第2実施形態と異なるところがな
い。軌跡データ階層化部217はメモリ214に記憶さ
れた対応点軌跡係数を多段階のデータ構造にする。その
結果、データ出力部219は、軌跡データ階層化部17
で階層的なデータ構造にされたた軌跡係数を出力する。
次に、第3実施形態の動作の概略を説明する。対応点軌
跡検出部50は、カメラ22から多視点画像を受け取
り、パラメトリックデータを出力する。オンデマンド内
挿表示部60はパラメトリックデータをファイル40か
ら受け取り、利用者の視点位置の変化に応じて表示スク
リーン70に画像を表示する。パラメトリックデータ
は、任意視点表示に必要な十分な情報を含んでおり、そ
のデータ量は、考えられうる視点移動に対応した画像を
全て保持する場合に比べて、極めて小さい。さらに、表
示装置の性能差に対応すべく、ファイル装置40におい
ては、複数の解像度のデータを保持する。このような構
成をとることにより、機器に必要なメモリ量が少なくて
すみ、表示装置の性能に依存しないという利点がある。
対応点軌跡検出部50の動作を説明する。メモリ211
は多視点画像を保持する。軌跡係数制御部213は、被
写空間中の仮想的な輝点を順次想定し、その輝点が多視
点画像中で成す軌跡の係数を算出する。対応点軌跡判定
部212は軌跡係数制御部13の軌跡係数が示す軌跡が
メモリ211の画像中に存在するかどうか判定する。こ
の時、判定閾値制御部15は対応点軌跡判定部212の
判定条件を順次制御する。対応点軌跡判定部212は検
出した対応点軌跡の係数をメモリ214に記憶する。ま
た、同時に、検出した対応点軌跡の、画像中での位置や
条件を検出マーク配列保持部216に記憶し、後の軌跡
判定時に利用する。対応点軌跡判定部212の処理が終
了すると、軌跡データ階層化部217は、メモリ214
に記憶された対応点軌跡係数をもとに、解像度を下げた
場合に相当する対応点軌跡係数を算出し、メモリ214
に追記録する。データ出力部219はメモリ214の値
をパラメトリックデータとしてフィル40に出力する。
次にオンデマンド内挿表示部60の動作を説明する。デ
ータ入力部311はパラメトリックデータをファイル4
0から入力して対応点軌跡内挿部312へ送る。この
時、入力されたデータを全てではなく、表示装置316
に予め設定されているランクに応じたデータ解像度の軌
跡係数だけを伝送する。表示スクリーン70を眺める利
用者が頭の位置を変えて視点を移動させると、視点検出
器80の信号が変化する。視点位置入力部315は、こ
の変化を受けて、視点位置を対応点軌跡内挿部312へ
送る。対応点軌跡内挿部312は視点位置を受けると、
視点移動に対応した新たな画像の生成を行い、画像表示
部316へ画像を送る。画像表示部316は表示スクリ
ーン70へ画像を表示する。次に、対応点軌跡判定部3
12の動作を詳しく説明する。対応点軌跡判定部312
はまず、メモリ211の入力画像から、ある水平ライン
に注目し、そのラインのエピポーラ・プレーン画像(E
PI)を作成する。第3実施形態がEPIに基づいて軌
跡データを生成することは、第1実施形態,第2実施形
態と同じである。軌跡係数制御部213は、軌跡直線の
位置X0と傾きkの2つの係数の組みである軌跡係数
を、考えられるもの全てを順次想定し、算出する。対応
点軌跡判定部212は、先ず算出された直線上に対応す
るEPI上で、未処理の画素が存在するかどうか探索す
る。未処理の画素が見つかった場合、その画素の濃淡値
と、直線上の他の画素間の濃淡値の例えば差分値及び判
定閾値制御部215によって制御された閾値以下となる
かどうか判定する。閾値以下の場合、この直線上のすべ
ての画素に対して、検出マーク配列保持部16に検出済
として検出された直線の傾き(奥行き情報)を記録す
る。そして、軌跡係数(直線の位置と傾き)及び対応点
の濃淡値情報(例えば対応点の濃淡値の平均値)をメモ
リ214に記憶する。データ出力部219によって出力
されるパラメトリックデータは、各水平ラインごとの、
検出された直線状軌跡の本数分の、直線の位置と傾きと
濃淡値情報の組みである。次に、検出された軌跡を記憶
するメモリ214について第24図を用いて詳しく説明
する。第24図はメモリ214に記憶される1つの情報
単位を示す。1つの単位は、対応点軌跡判定部212が
検出した直線の切片位置x0、傾きk、色Dを記憶す
る。第25図は、メモリ214の空間を示す。メモリ2
14の空間の任意の位置は、横軸と縦軸によって指定さ
れる。一例として横軸を直線の切片位置x0とし、縦軸
を直線の傾きkとする。メモリ214の任意番地
(x0n,kn)には、その深さ方向に、直線(x0n
n)が表す輝点の色の濃度値及び存在の有無情報が記
憶される。即ち、メモリ214の1ワードは、色濃度が
RGBの各々について各8ビットならば、25ビット
(=8ビット×3+1ビット)の長さを有する。第25
図に示すように、メモリ214には、画像のサイズや被
写体までの距離などに応じて、同じ被写体の複数通りの
軌跡データが記憶されている。第25図の例では、画像
のサイズや被写体までの距離などに応じて、一例として
4通りの領域が設けられている。即ち、画像のサイズや
被写体までの距離が変わると、解像度が変化する。そこ
で、所定距離にある被写体の画像について所定のサイズ
を設定し、そのときの解像度を「タイプ1倍」と呼び、
その半分の解像度を「タイプ1/2倍」、さらに半分の解
像度を「タイプ1/4倍」、さらに半分の解像度を「タイ
プ1/8倍」と呼ぶものとする。すると、ある任意の輝点
の直線(x0n,kn)が「タイプ1倍」であるならば、
その「タイプ1/2倍」の軌跡データは(x0n//2,kn//
2)、「タイプ1/4倍」の軌跡データは(x0n//4,kn//
4)、「タイプ1/8倍」の軌跡データは(x0n//8,kn//
8)となる。メモリ214に記録されている軌跡係数デ
ータの解像度毎に階層化する方法を説明する。対応点軌
跡判定部212により検出された対応点軌跡は、先ず、
メモリ214の解像度タイプ1の領域231に記憶され
る。この解像度タイプ1のデータを最大解像度のデータ
とする。この解像度「タイプ1」のデータを1/mの解
像度にさげるには、領域231を、m×mのマス毎に区
切り、各区画において、その区画内の全画素の濃度値の
平均値を計算し、それを解像度のタイプ1/mの領域に
記録する。この解像度を下げる処理を1/m=1/2、
1/4、1/8で行い、第25図のような階層的なデー
タ構造にする。ここで、対応点軌跡判定部212が行う
解像度変換は通常の解像度変換ではなく、値を持つ画素
だけ、即ち、有無を示すフラグが「有り」である画素だ
けを用いることに注意する。以上により、メモリ214
は多段階解像度のデータ構成になり、解像度を下げたデ
ータでは当然データ量も少なく、表示装置もしくは観察
者の位置に応じた解像度データだけをファイル40に記
憶することが許され、記憶量が少なくて済む。また、デ
ータ量を少なくすることにより、内挿表示部60におけ
る表示時での負担を軽減できる。次に、出力部219か
らファイル40に出力されるデータ構造について説明す
る。データ出力部219によって出力されるパラメトリ
ックデータは、第26図に示すように、各水平ラインご
との、検出された直線状軌跡の本数分の、直線の位置x
0と傾きkの組みをパックにして、それを解像度毎に組
み合わせた構造になっている。尚、カメラ22の画像空
間がx方向にt個の画素を有するのであれば、1水平ラ
イン毎にt個の軌跡データを有する。次に、データ入力
部311の動作をくわしく説明する。入力されるパラメ
トリックデータは対応点軌跡係数の多段階解像度分のデ
ータを含んでいる。そこで、データ入力部311は、対
応点軌跡内挿部312の性能に併せて予め設定してある
表示装置タイプに従って、適切な解像度のデータだけを
対応点軌跡内挿部312に伝送する。この時、表示装置
の解像度に合わせて、y方向の解像度を1/mに調整す
ることが必要な場合には、ファイル40からの元データ
のうち、0,m,2m,3m,4m,…ラインのデータ
だけを用いる。このようにして、解像度を1/m倍した
時のデータ量は、y方向について1/m倍、一つのライ
ンyについても多少のデータ量削減(必ずしも1/mに
ならない)が可能であり、表示時に計算する輝点の数も
減る。したがって、計算スピードの劣る表示装置におい
ても解像度を下げることで高速表示を実現できる。次
に、対応点軌跡内挿部312の動作を詳しく説明する。
対応点軌跡内挿部312は視点検出器80から左右方向
の視点位置を得る。そして、パラメトリックデータの各
水平ラインの全ての対応点軌跡について、輝点の画像中
の水平方向の表示位置を算出し、その表示位置に輝点の
濃淡値を描画する。結果として、視点位置に対応した画
像が1枚生成される。ここで、ある水平ライン中のある
輝点の水平方向の表示位置、対応点軌跡の直線の切片位
置、直線傾き、視点位置をそれぞれ、 XI、x0、k、Xp とすると、表示位置は以下の24式で算出する。
【数24】 ただし、輝点の大きさは解像度により変化する。解像度
が最大の時には、輝点のサイズは1×1で、解像度が1
/2、1/4となるに従って2×2、4×4と輝点のサ
イズは大きくなる。なお、表示スクリーン70および画
像表示部に、レンチキュラ方式やメガネ方式などの両眼
立体視が可能な立体表示スクリーン及び立体画像表示部
を用い、かつ、視点位置入力部315が左右おのおのの
目の位置に対応する視点パラメータを算出し、これに対
応して対応点軌跡内挿部112が左右おのおのの目に提
示するための画像を生成することにより、前後左右に視
点移動可能な両眼立体表示装置となる。 〈第3実施形態の第1変形例〉次に、第3実施形態の画
像処理装置を、前後左右に視点移動可能な画像処理装置
に適用した例を第1変形例として示す。この第1変形例
では、第3実施形態の対応点軌跡内挿部312の内挿処
理を以下に説明する処理に置き換える。第27図は第1
変形例の画像処理装置の対応点軌跡内挿部331の内挿
計算の算出原理を示す図である。図中、ある輝点451
(XI,ZI)が(+X,+Z)だけずれた点452へX
Z空間で移動する場合を考える。カメラ22の光学系の
焦点距離をfとすると、Z軸の距離fのところに撮像面
が存在し、その撮像面においては画素ピッチはpである
とする。輝点451(XI,ZI)は撮像面においてはx
0位置にある。輝点451(XI,ZI)が(+X,+
Z)だけXZ空間で移動すると、画像の表示位置は45
5のx0から456のxに移動する。x0位置が、視点位
置(0,0)の仮想的なカメラの撮像面に投影されてい
るとする。投影される位置は、直線の切片位置x0に相
当する。このとき、視点位置が移動した場合の、輝点の
像の移動を考える。視点455がある方向へ移動するこ
とは、逆方向ヘ輝点451が移動することと等価であ
る。この原理を利用して、輝点451が移動量(+X,
+Z)だけ移動した場合の移動後の像455(x)を式
25に従って求める。
【数25】 但し、式25中のk,aは、
【数26】
【数27】 で表すことが出来る。尚、式25は、第27図におい
て、
【数28】
【数29】 を解くことにより導かれる。式25を用いることによ
り、視点移動(−X、−Z)に対応した、移動後の像x
456を求めることができる。第1変形例では、入力画
像に上下方向の視差がないため、前後の視点移動に対し
て生成される画像には上下方向の歪みが生じる。被写体
までの距離に応じて、画像の表示時に、上下方向に拡大
縮小変換を行うことによりこの歪みを目立たなく補正す
ることができる。次に第1変形例の対応点軌跡内挿部3
12の動作を説明する。視点検出器80は左右前後の視
点位置(−x、−z)を対応点軌跡内挿部312へ送
る。対応点軌跡内挿部312は、パラメトリックデータ
の各水平ラインのすべての対応点軌跡について25式を
計算することにより、前後左右の視点移動に対応した画
像を生成する。第1変形例では、入力画像に上下方向の
視差がないため、前後の視点移動に対して生成される画
像には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離に応
じて、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を行う
ことによりこの歪みを目立たなく補正することができ
る。 〈第3実施形態の第2変形例〉次に、第3実施形態の処
理を高速に行う例を第2変形例として示す。第2変形例
では、第3実施形態の対応点軌跡内挿部312の内挿処
理を以下に説明する処理に置き換える。第28図は第2
変形例の画像処理装置の対応点軌跡内挿部312の高速
計算処理を示すフローチャートである。はじめに、第2
変形例の対応点軌跡内挿部112による内挿処理の原理
を説明する。 前述の25式は以下の30式に変形でき
る。
【数30】 ここで、x',k',Z'を式31,式32,式33のよ
うに定義すると、式30は、式34のように変形され
る。
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】 ここで、x'およびk'は視点位置に依存しないため、あ
らかじめ計算しておくことができる。また、Z'は対応
点軌跡に依存しないため、視点位置の変化に対して1回
だけ計算すればよい。次に、第3実施形態の第2変形例
の対応点軌跡内挿部331の内挿処理の動作を説明す
る。対応点軌跡内挿部331はまず第28図のステップ
S61およびステップS62において、すべての対応点
の軌跡係数(kとx0)について、それぞれx'およびk
'を式31,式32を用いて求める。次にステップS6
3で、視点位置(Xp,Zp)を視点位置入力部315か
ら取得し、ステップS64において、視点位置が変化す
るごとに1回だけ、式33を用いてZ'を計算する。そ
して、各水平ラインの全ての対応点軌跡係数について、
ステップS65で式34を用いて輝点の表示位置を算出
し、ステップS66で輝点の濃淡値を描画する。以上の
処理により、本実施形態では高速に対応点軌跡内挿処理
を行うことができ、よりスムーズな視点移動が可能にな
るという実施形態特有の効果がある。 〈第3実施形態の第3変形例〉次に、第3実施形態を、
前後上下左右に視点移動可能な画像処理装置に適用した
例を第3変形例として示す。本第3変形例では、第2変
形例の対応点軌跡検出部50の検出処理、オンデマンド
内挿表示部60の内挿処理を以下に説明する処理に置き
換える。まず、対応点軌跡検出部50の動作を説明す
る。本実施形態では、メモリ211の入力画像は、左右
上下に平面上に並んだ視点から撮影された画像である。
このため、ある輝点の像の軌跡は、メモリ211の多視
点画像がなす4次元画像空間中の平面となる。したがっ
て、対応点軌跡判定部212の対応点軌跡判定処理は、
この入力4次元画像空間中の平面判定処理に等しい。こ
の平面は、以下の35式で表される。
【数35】 ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌跡の位置、傾
きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第3変形例の軌跡係数制御部213(第23
図)の算出する軌跡係数は、平面の位置と傾きを示す
(x0,y0,k)の3つの係数の組みとなる。対応点軌
跡判定部212は軌跡係数制御部213および判定しき
い値制御部215に順次制御され、画像空間中で平面上
の軌跡を判定し、検出した平面の係数を検出軌跡記憶部
214に記憶する。データ出力部219によって出力さ
れるパラメトリックデータは、検出された平面上軌跡の
枚数分の、輝点の座標値である。次に第3変形例のオン
デマンド内挿表示部60の処理について説明する。第3
変形例のオンデマンド内挿表示部60の構成は第3実施
形態のそれ(第23図)に同じである。対応点軌跡内挿
部312のステップS61は、上記の31式に加えて、
以下の36式を計算する。
【数36】 また、ステップS65では、以下の37式を用いて、輝
点の表示位置(x,y)を計算する。
【数37】 ステップS66では、表示位置に合わせて輝点の濃淡値
を描画する。第3変形例では、入力画像が上下方向の視
差を持つため、第1変形例、および第2変形例で生じた
ような上下方向の画像の歪みが生じない、という実施形
態特有の効果がある。 〈第3実施形態の他の変形例〉以上の第3実施形態及び
その変形例では、あらかじめ撮影された多視点画像がメ
モリ211に保持されている構成としたが、これを、多
視点画像を実時間で取り込むことのできる多眼テレビカ
メラに置き換えることにより、実時間の任意視点画像撮
影・表示システムとなる。さらに、パラメトリックデー
タを通信データとして遠隔端末間でやり取りする場合、
実時間の任意視点画像通信システムとなる。なお、本発
明は単体の画像処理装置に適用しても良いし、多視点テ
レビ、多視点テレビ電話端末や多視点テレビ会議システ
ムのようなシステム機器に適用しても良いし、コンピュ
ータや他の画像処理装置と組み合わせた復合装置にも適
用できる。 尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることはいうまでもない。
【発明の効果】以上説明したように本発明は、観察者の
目の位置等を検出し、観察者から見える画像を複数枚の
画像から再構成することにより、観察者の視点移動、及
びまたは、視線方向の変化に対応した画像をスムーズに
出力することを可能にする。装置に必要な記憶容量も、
考えられうる視点移動に対応した画像をすべて保持する
場合に比べて、極めて少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の立体視システムの構成を示す図
である。
【図2】第1実施形態〜第3実施形態に用いられるエピ
ポーラプレーン画像の生成過程を説明する図。
【図3】第1実施形態〜第3実施形態に用いられるエピ
ポーラプレーン画像において、輝点対応点の軌跡が直線
で近似され、その直線が傾き及び切片の値によって表さ
れることを示す図。
【図4】第1実施形態〜第3実施形態の画像処理システ
ムの概略的構成を示す図。
【図5】第1実施形態において、輝点位置とエピポーラ
プレーン画像の直線との関係を説明する図。
【図6】第1実施形態の画像処理装置の構成を示す図。
【図7】第1実施形態において、視点において観察者が
視野角を有して観察する場合の輝点と視野角の関係を示
す図。
【図8】第1実施形態の第1変形例におけるカメラ配列
を説明する図。
【図9】第1実施形態の第2変形例における画像処理の
手法を説明する図。
【図10】第2実施形態の構成を示すブロック図。
【図11】第2実施形態の軌跡検出部50の構成を示す
ブロック図。
【図12】第2実施形態の軌跡データ圧縮部の構成を示
すブロック図。
【図13】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図14】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図15】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図16】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図17】第2実施形態における伸張部の構成を説明す
る図。
【図18】第2実施形態のオンデマンド内挿表示部60
の構成を説明する図。
【図19】第2実施形態の第1変形例における圧縮原理
を説明する図。
【図20】第2実施形態の第1変形例における圧縮原理
を説明する図。
【図21】第2実施形態の第2変形例における視点の移
動に伴う輝点の移動を説明する図。
【図22】第2実施形態の第3変形例の制御手順を示す
フローチャート。
【図23】本発明の第3実施形態の画像処理をの構成を
示すブロック図。
【図24】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図25】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図26】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図27】第3実施形態の第1変形例における視点の移
動に伴う輝点の移動を説明する図。
【図28】第3実施形態の第2変形例の制御手順を示す
フローチャート。
【図29】従来のエピポーラプレーン画像を説明する
図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像処理装置及び画像処理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の現在の目
の位置等に応じた再生画像を出力するために必要なパラ
メトリック画像データを生成記憶する画像処理装置及び
画像処理方法、並びに、記憶されたパラメトリック画像
データから観察者の現在の目の位置等に応じた再生画像
を出力する画像処理装置及び画像処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、前もって得た複数の視点からの画
像に基づいて立体表示を行う装置として、ステレオディ
スプレイやレンチキュラーディスプレイなどがある。ス
テレオディスプレイは、2台のカメラから得られる左目
用画像と右目用画像とを交互に高速に切り替えて表示す
る。観察者は、この切り替えに同期するシャッターメガ
ネや偏光メガネを用いることにより、映像を立体的に観
察することができる。
【0003】また、レンチキュラディスプレイは、例え
ば4台のカメラからの画像をそれぞれ画素単位に並べ替
え、この並べ替えた画像を前面にレンチキュラーシート
を張り付けた表示装置において表示する。観察者は、レ
ンチキュラーシート上に映じた4視点の映像の2つを立
体映像として見ることになる。また、4視点を映じるレ
ンチキュラーシートを用いれば、観察者は2つの異なる
位置において立体視が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の立体画像表示では、画像を撮影した時における
カメラの撮影方向と同じ方向(同じ視線)の立体像しか
観察することができなかった。すなわち、例えば2台の
カメラを固定して物体を撮影して2つの画像を得ても、
観察者が視点(目の位置)を移動しても見える画像は同
じである。たとえ観察者の側が視点を移動しても、その
移動が反映されないので臨場感に欠けるという問題点が
ある。
【0005】尚、レンチキュラーディスプレイは、観察
者の視点の左右方向の移動に対応して立体視を維持する
ことができるが、それは複数のカメラのどれかから見た
画像をとびとびに見るというものであって、連続的な視
点移動には対応できないうえに、前後方向への視点を移
動させることはできなかい。立体視を前後方向への視点
移動についても維持することに関して、コンピュータ・
グラフィックスで予め作成された画像を用いて立体視す
る場合には可能であるが、これはコンピュータ・グラフ
ィックスという画像としては単純なものを、画像内の点
の対応する3次元空間内での座標値が全て明らかにして
おくという特殊な状況を満足させて初めて可能になるも
のである。
【0006】一方、複数の視点位置から撮影した画像を
もとに、撮影した位置とは異なった位置から撮影した画
像を生成する手段としてエピポーラ・プレーン・イメー
ジ(以下EPIと略す)を用いる方法がある。この方法
は、第29図に示すように、予め複数の視点(第29図
の例では4視点)からの画像を取り込んでおき、各画像
中の同じ水平位置にあるラインを抽出して1つの画像に
合成し、このEPI上で直線検出を行うことにより注目
点に対応する点(対応点)を求め、撮影した位置とは異
なる位置から撮影した場合に得られるであろう画像を内
挿補間により生成するというものである。
【0007】しかしながら、上記のEPIを用いた従来
例では観察者の動きに応じて滑らかに変化する映像を得
ることは困難であった。また、上記従来例では視線方向
は常に一定であり、対象物の横や後方に回り込んで眺め
ることはできなかった。本発明は、上記問題点に鑑みて
なされたもので、観察者の目の位置が任意に移動して
も、移動した視点に応じた再生画像を与えることができ
るようなパラメトリック画像データを生成して記憶する
ことの出来る画像処理方法及び画像処理装置を提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、観察者の目の位置が
任意に移動しても、移動した視点に応じた再生画像を与
えることができるようなパラメトリック画像データを生
成して出力することの出来る画像処理方法及び画像処理
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の請求項1に係る画像処理装置は、それぞれ
異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多視点
画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれの輝点に
ついて、前記輝点の対応点を前記複数の多視点画像に亙
って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝点につい
て同定された対応点を表すパラメトリック画像データを
生成する生成手段と、生成されたパラメトリック画像デ
ータを記憶する記憶する記憶手段とを有することを特徴
とする。
【0010】同課題を達成するための、他の構成を有す
るところの、請求項2に係る本発明の画像処理装置は、
それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数
の多視点画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれ
の輝点について、前記輝点の対応点を前記複数の多視点
画像に亙って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝
点について同定された対応点を表すパラメトリック画像
データを生成する生成手段と、生成されたパラメトリッ
ク画像データと対応する輝点の画素値とを記憶する記憶
する記憶手段とを有する。
【0011】同課題を達成するための、他の構成を有す
るところの、請求項3に係る本発明の画像処理装置は、
それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数
の多視点画像を入力する入力手段と、被写体のそれぞれ
の輝点について、前記輝点の対応点を前記複数の多視点
画像に亙って同定する同定手段と、個々の輝点毎に、輝
点について同定された対応点を表すパラメトリック画像
データを生成する生成手段と、生成されたパラメトリッ
ク画像データを解像度に応じて階層化する手段と、階層
化されたパラメトリック画像データを記憶する記憶する
記憶手段とを有する。
【0012】本発明の好適な一態様である請求項4に拠
れば、前記パラメトリック画像データは、個々の輝点に
ついて同定された対応点の軌跡を近似表現する直線の傾
き及び切片である。本発明の好適な一態様である請求項
5に拠れば、前記入力手段は、予め多数の方向から撮影
された画像を格納したデータベースから前記多視点画像
を入力することを特徴とする。
【0013】本発明の好適な一態様である請求項6に拠
れば、前記入力手段は、1台以上のカメラから前記多視
点画像を入力するものであることを特徴とする。本発明
の好適な一態様である請求項7に拠れば、前記同定手段
は、前記複数の多視点画像から夫々のエピポーラ・プレ
ーン画像を抽出し、抽出したエピポーラ・プレーン画像
上で対応点を同定することを特徴とする。
【0014】本発明の好適な一態様である請求項8に拠
れば、前記同定手段は、前記多視点画像データ中で平面
状軌跡を検出することを特徴とする。本発明の好適な一
態様である請求項9に拠れば、前記生成手段は、対応点
を表すパラメトリック画像データを量子化することを特
徴とする。本発明の好適な一態様である請求項10に拠
れば、前記生成手段は、検出された傾きを量子化するこ
とを特徴とする。
【0015】本発明の好適な一態様である請求項11に
拠れば、前記生成手段は、同定された輝点の画素値を差
分符号化することを特徴とする。本発明の好適な一態様
である請求項6に拠れば、前記階層化手段は、輝点につ
いて同定された対応点を表すパラメトリック画像データ
を、異なる解像度毎に別個に生成することを特徴とす
る。
【0016】本発明の好適な一態様である請求項13に
拠れば、さらに、各輝点についてのパラメトリック画像
データ及び画素値を圧縮する圧縮手段を具備することを
特徴とする。本発明の好適な一態様である請求項14に
拠れば、前記圧縮手段は、各輝点についてのパラメトリ
ック画像データ及び画素値に対してそれぞれ異なる圧縮
を施すことを特徴とする。
【0017】本発明の好適な一態様である請求項15に
拠れば、前記圧縮手段は、基準撮像面の各ラスタを一方
の軸とし、もう一方の直交する軸を対応点の軌跡が形成
する直線の傾きとした場合に構成される複数の平面の相
関を用いて圧縮を施すことを特徴とする。本発明の好適
な一態様である請求項16に拠れば、前記階層化手段
は、パラメトリック画像データを記録する空間の解像度
を多段階に順に下げて階層化することを特徴とする。
【0018】上記課題を達成するための本発明の請求項
17に係る画像処理装置は、エピポーラプレーンイメー
ジ化された多視点画像から生成されたパラメトリック画
像データを読出可能に記憶する記憶手段と、観察者の目
の位置を検出する検出手段と、前記検出手段で検出され
た観察者の視点位置に基づいて、該位置を視点とする再
生画像を、前記記憶手段から読み出したパラメトリック
画像データから生成する画像生成手段と、生成された画
像を出力する画像出力手段を備えたことを特徴とする。
【0019】上記課題を達成するための本発明の請求項
18に係る画像処理装置は、エピポーラプレーンイメー
ジ化された多視点画像から所定の圧縮方法により圧縮さ
れて生成されたパラメトリック画像データを読出可能に
記憶する記憶手段と、観察者の目の位置を検出する検出
手段と、前記検出手段で検出された観察者の視点位置に
関連するパラメトリック画像データを全記憶手段から読
み出して伸張する伸張手段と、前記検出手段で検出され
た観察者の視点位置を視点とする再生画像を、前記記憶
手段から読み出した前記パラメトリック画像データから
生成する画像生成手段と、生成された再生画像を出力す
る画像出力手段を備えたことを特徴とする。
【0020】本発明の好適な一態様である請求項19の
画像処理装置に拠れば、前記パラメトリック画像データ
は、前もって、それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮
像して得た複数の多視点画像から、前記被写体のそれぞ
れの輝点の、前記複数の多視点画像に亙る軌跡を表すも
のとして得たパラメトリック画像データデータである。
【0021】本発明の好適な一態様である請求項20の
画像処理装置に拠れば、前記検出手段はさらに観察者の
視線を検出し、前記画像生成手段は、前記再生画像を、
前記検出手段が検出した視点位置と視線とに基づいて、
前記記憶手段から読み出したパラメトリック画像データ
から生成することを特徴とする。本発明の好適な一態様
である請求項21の画像処理装置に拠れば、前記画像出
力手段は表示装置であることを特徴とする。
【0022】本発明の好適な一態様である請求項22の
画像処理装置に拠れば、前記画像生成手段は、パラメト
リック画像データ中の直線状軌跡データに対応する3次
元空間内の輝点を画像面上に投影することを特徴とす
る。本発明の好適な一態様である請求項23の画像処理
装置に拠れば、前記画像生成手段は、パラメトリック画
像データ中の平面状軌跡データに対応する3次元空間内
の輝点を画像面上に投影することを特徴とする。
【0023】本発明の好適な一態様である請求項24の
画像処理装置に拠れば、前記画像生成手段が生成した画
像のゆがみを補正する歪み補正手段をさらに備えたこと
を特徴とする。本発明の好適な一態様である請求項25
の画像処理装置に拠れば、前記表示装置はステレオディ
スプレイであることを特徴とする。
【0024】本発明の好適な一態様である請求項26の
画像処理装置に拠れば、前記表示装置は円弧状の表示面
をもつディスプレイであることを特徴とする。本発明の
好適な一態様である請求項27の画像処理装置に拠れ
ば、前記画像生成手段は、検出された視線に基づいて処
理範囲を視線方向に限定することを特徴とする。
【0025】本発明の好適な一態様である請求項28の
画像処理装置に拠れば、前記検出手段は、観察者の目の
位置を、前記多視点画像の撮像方向に平行な方向で検出
し、前記画像生成手段は、前記観察者の目の検出された
方向の位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から
読み出したパラメトリック画像データから生成すること
を特徴とする。
【0026】本発明の好適な一態様である請求項29の
画像処理装置に拠れば、前記検出手段は、観察者の目の
位置を、前記多視点画像の撮像方向に平行な第1の方向
と、この第1の方向に垂直な方向であって水平面内に含
まれる第2の方向とで検出し、前記画像生成手段は、前
記観察者の目の検出された前記第1の方向と第2の方向
における位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段か
ら読み出したパラメトリック画像データから生成するこ
とを特徴とする。
【0027】本発明の好適な一態様である請求項30の
画像処理装置に拠れば、前記検出手段は、観察者の目の
位置を、前記多視点画像の撮像方向に平行な第1の方向
と、この第1の方向に垂直な方向であって水平面内に含
まれる第2の方向と、前記第1と第2の方向に垂直な第
3の方向とで検出し、前記画像生成手段は、前記観察者
の目の検出された前記第1の方向と第2の方向と第3の
方向とにおける位置を視点とする再生画像を、前記記憶
手段から読み出したパラメトリック画像データから生成
することを特徴とする。
【0028】上記課題を達成するための請求項31に係
る画像処理装置は、それぞれ異なる位置から同じ被写体
を撮像して得た複数の多視点画像を入力する入力手段
と、被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応
点を前記複数の多視点画像に亙って同定する同定手段
と、個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を
表すパラメトリック画像データを生成する生成手段と、
生成されたパラメトリック画像データを記憶する記憶手
段観察者の目の位置を検出する検出手段と、前記検出手
段で検出された観察者の視点位置に基づいて、該位置を
視点とする再生画像を、前記記憶手段から読み出したパ
ラメトリック画像データ基づいて生成する画像生成手段
とを具備する。
【0029】本発明の好適な一態様である請求項32の
画像処理装置に拠れば、前記画像出力装置の解像度を検
出する手段をさらに有し、前記生成手段は、輝点につい
て同定された対応点を表すパラメトリック画像データ
を、異なる解像度毎に別個に生成し、前記記憶手段は解
像度毎に生成されたパラメトリック画像データを記憶す
る生成されたパラメトリック画像データを記憶し、前記
画像生成手段は、検出された解像度に応じて、前記記憶
手段から読み出すパラメトリック画像データデータを制
御することを特徴とする。
【0030】本発明の好適な一態様である請求項33の
画像処理装置に拠れば、前記画像生成手段は検出された
視点位置に基づいて、前期パラメトリック画像データに
対して内挿処理を行うことを特徴とする。上記課題を達
成するための本発明の画像処理方法は、それぞれ異なる
位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多視点画像を
入力する入力工程と、被写体のそれぞれの輝点につい
て、前記輝点の対応点を前記複数の多視点画像に亙って
同定する同定工程と、個々の輝点毎に、輝点について同
定された対応点を表すパラメトリック画像データを生成
する生成工程と、生成されたパラメトリック画像データ
を記憶する記憶工程と、観察者の目の位置を検出する検
出工程と、検出された観察者の視点位置に基づいて、該
位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から読み出
したパラメトリック画像データから生成し、その再生画
像を出力する出力工程とを備えたことを特徴とする。
【0031】本発明の好適な一態様である請求項35の
画像処理方法に拠れば、前記記憶工程において、個々の
輝点毎に、輝点について同定された対応点を表すパラメ
トリック画像データと、当該輝点の画素データとを併せ
て記憶し、前記画像生成工程において、検出された視点
に対応するパラメトリック画像データに対して、内挿補
間処理を行う。
【0032】本発明の好適な一態様である請求項36の
画像処理方法に拠れば、さらに、生成されたパラメトリ
ック画像データを解像度に応じて階層化する階層化工程
を有する。本発明の好適な一態様である請求項37の画
像処理方法に拠れば、前記パラメトリック画像データ
は、個々の輝点について同定された対応点の軌跡を近似
表現する直線の傾き及び切片である。
【0033】本発明の好適な一態様である請求項38の
画像処理方法に拠れば、前記入力工程では、予め多数の
方向から撮影された画像を格納したデータベースから前
記多視点画像を入力する。本発明の好適な一態様である
請求項39の画像処理方法に拠れば、前記入力工程は、
1台以上のカメラから前記多視点画像を入力する。
【0034】本発明の好適な一態様である請求項40の
画像処理方法に拠れば、前記同定工程は、前記複数の多
視点画像から夫々のエピポーラ・プレーン画像を抽出
し、抽出したエピポーラ・プレーン画像上で対応点を同
定する。本発明の好適な一態様である請求項41の画像
処理方法に拠れば、前記同定工程は、前記多視点画像デ
ータ中で平面状軌跡を検出する。
【0035】本発明の好適な一態様である請求項42の
画像処理方法に拠れば、前記生成工程は、対応点を表す
パラメトリック画像データを量子化する。本発明の好適
な一態様である請求項43の画像処理方法に拠れば、前
記生成工程は、検出された傾きを量子化する。本発明の
好適な一態様である請求項44の画像処理方法に拠れ
ば、前記生成工程は、同定された輝点の画素値を差分符
号化する。
【0036】本発明の好適な一態様である請求項45の
画像処理方法に拠れば、前記階層化工程は、輝点につい
て同定された対応点を表すパラメトリック画像データ
を、異なる解像度毎に別個に生成する。本発明の好適な
一態様である請求項46の画像処理方法に拠れば、さら
に、各輝点についてのパラメトリック画像データ及び画
素値を圧縮する圧縮工程を具備する。
【0037】本発明の好適な一態様である請求項47の
画像処理方法に拠れば、前記圧縮工程は、各輝点につい
てのパラメトリック画像データ及び画素値に対してそれ
ぞれ異なる圧縮を施す。本発明の好適な一態様である請
求項48の画像処理方法に拠れば、前記圧縮工程は、基
準撮像面の各ラスタを一方の軸とし、もう一方の直交す
る軸を対応点の軌跡が形成する直線の傾きとした場合に
構成される複数の平面の相関を用いて圧縮を施す。
【0038】本発明の好適な一態様である請求項49の
画像処理方法に拠れば、前記階層化工程は、パラメトリ
ック画像データを記録する空間の解像度を多段階に順に
下げて階層化する。
【0039】
【作用】請求項1による画像処理装置によれば、記憶手
段に、多視点画像の輝点について同定された対応点を表
すパラメトリック画像データを記憶せしめるので、この
記憶手段のパラメトリック画像データを用いた画像再生
が可能となる。請求項2による画像処理装置によれば、
記憶手段に、多視点画像の輝点について同定された対応
点を表すパラメトリック画像データと、同輝点の画素値
とを記憶せしめるので、この記憶手段のパラメトリック
画像データを用いた画像再生が可能となる。
【0040】請求項3による画像処理装置によれば、記
憶手段に、多視点画像の輝点について同定された対応点
を表すパラメトリック画像データを解像度に応じて階層
化して記憶せしめるので、この記憶手段のパラメトリッ
ク画像データを用いることにより、再生側の出力手段の
解像度に応じた画像再生が可能となる。請求項4による
画像処理装置によれば、多視点画像は所定の直線方向に
沿って撮影するので、直線によってパラメータ化するの
が好適である。
【0041】請求項5,6の画像処理装置によれば、多
視点画像は、データベース、または1台以上のカメラか
ら得られたものである。請求項7の画像処理装置に拠れ
ば、エピポーラプレーン画像は直線抽出に好適である。
請求項8の画像処理装置に拠れば、観察者が上下方向に
移動したときにも追随が可能なパラメトリック画像デー
タを生成することが出来る。
【0042】請求項9の画像処理装置に拠れば、対応点
を表すパラメトリック画像データを量子化することによ
りデータ量を圧縮する。請求項10の画像処理装置に拠
れば、量子化対象は検出された傾きである。請求項11
の画像処理装置に拠れば、同定された輝点の画素値が差
分符号化される。
【0043】請求項12の画像処理装置に拠れば、パラ
メトリック画像データを異なる解像度毎に別個に生成す
るので、再生手段である出力装置の解像度に応じたパラ
メトリック画像データを生成することが出来、高速化に
寄与する。請求項13の画像処理装置に拠れば、さら
に、各輝点についてのパラメトリック画像データ及び画
素値を圧縮する圧縮手段を具備することを特徴とする。
【0044】請求項14の画像処理装置に拠れば、各輝
点についてのパラメトリック画像データ及び画素値に対
してそれぞれ異なる圧縮を施す。パラメトリック画像デ
ータと画素値とは物理的性質が異なるために、その性質
にあった圧縮が好ましい。請求項15の画像処理装置に
拠れば、基準撮像面の各ラスタを一方の軸とし、もう一
方の直交する軸を対応点の軌跡が形成する直線の傾きと
した場合に構成される複数の平面の相関を用いて圧縮を
行うので、圧縮効率が上がる。
【0045】請求項16の画像処理装置に拠れば、パラ
メトリック画像データを記録する空間の解像度を多段階
に順に下げて階層化するので、記録効率が上昇する。請
求項17の画像処理装置に拠れば、観察者の任意の移動
に対しても、その移動にあった再生画像が出力される。
請求項18の画像処理装置に拠れば、記憶容量の低減
と、観察者の任意の移動を確保することの両立が図れ
る。
【0046】請求項19の画像処理装置に拠れば、前記
パラメトリック画像データは、前もって、それぞれ異な
る位置から同じ被写体を撮像して得た複数の多視点画像
から、前記被写体のそれぞれの輝点の、前記複数の多視
点画像に亙る軌跡を表すものとして得たパラメトリック
画像データデータである。
【0047】請求項20の画像処理装置に拠れば、観察
者は、その位置のみならず、視線方向も移動させること
が許される。請求項21の画像処理装置に拠れば、前記
画像出力手段は表示装置である。請求項22の画像処理
装置に拠れば、パラメトリック画像データ中の直線状軌
跡データに対応する3次元空間内の輝点が画像面上に投
影される。
【0048】請求項23の画像処理装置に拠れば、パラ
メトリック画像データ中の平面状軌跡データに対応する
3次元空間内の輝点が画像面上に投影される。請求項2
4の画像処理装置に拠れば、例えば、画像再生に際し
て、奥行き方向もしくは上下方向の視点移動を考慮する
ことにより、再生画像のゆがみを補正する。
【0049】請求項25,26の画像処理装置に拠れ
ば、前記表示装置はステレオディスプレイまたは円弧状
の表示面をもつディスプレイである。請求項27の画像
処理装置に拠れば、検出された視線に基づいて処理範囲
を視線方向に限定することにより処理速度の向上を図
る。請求項28の画像処理装置に拠れば、観察者の1次
元の任意の移動に対してなめらかな再生が可能となる。
【0050】請求項29の画像処理装置に拠れば、観察
者の2次元の任意の移動に対してなめらかな再生が可能
となる。請求項30の画像処理装置に拠れば、観察者の
3次元の任意の移動に対してなめらかな再生が可能とな
る。請求項31の画像処理装置に拠れば、観察者の任意
の移動に対してなめらかな再生画像を得ることが出来
る。
【0051】請求項32の画像処理装置に拠れば、解像
度毎に階層化されたパラメトリック画像データを用い
て、出力装置の解像度に適した画像再生を高速に行うこ
とが出来る。請求項33の画像処理装置に拠れば、内挿
処理により視点位置の移動に対処する。
【0052】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態について説明する。 〈原理〉第1図は本発明の画像処理装置を適用した立体
視システム構成を示す図である。第1図のシステムは本
発明の全ての実施形態に共通である。
【0053】図中、21は投影する被写体(この例で
は、円板の上に球体と三角錐が載せられている)、22
a〜22fは折れ線状に並べられた多眼カメラ、100
は本システムの中核をなす画像処理装置、70は画像処
理装置100が出力する多視点画像を表示するための視
点検出器80つき表示スクリーンである。尚、このシス
テムにおいては、表示スクリーン70に表示する画像を
高速に切り替えたり、あるいは所謂パララックスバリア
方式を採用しても良い。パララックスバリア方式を採用
する場合には、メガネ形状の検出器80のレンズ部分に
は偏光フィルタなどを用いる。画像の切換方式を採用す
る場合には、視点位置検出器80は単にメガネの形状を
しているだけで、センサを人間の頭部に固定するために
機能する。
【0054】画像処理装置100(他の実施形態の画像
処理装置も)はEPIを用いる。EPIについて第2
図,第3図を用いて説明する。EPIとは、他眼カメラ
22によって各視点から撮影された画像から、各画像に
おける同じ位置にあるラインを集め、それらを視点順に
並べることによって構成された画像である。例えば、第
2図のように、異なる視点位置の複数のカメラ(第2図
の例では4つ)により、あるいは多眼カメラにより1つ
の被写体を撮像すると、画像1〜4が得られる。これら
の画像の夫々において、同じ水平ラインに注目する。多
眼カメラ22は水平面上に並んでいるので、この水平ラ
イン上にのった被写体上の同じ輝点(第2図において黒
の矩形で表す)は、視点位置に応じて、個々の水平ライ
ン上において水平方向にずれた位置をとる。
【0055】第2図に示すように、カメラの視点の移動
方向にX軸を取り、このX軸に垂直にカメラの光軸方向
にZ軸をとり、カメラの画像空間にx軸をとると、第3
図に示すように、横軸xが輝点の水平表示位置を示すよ
うに、縦軸Xが視点位置を示すように、x軸,X軸をと
ると、ある水平ライン上に載った1つの輝点の像(即ち
EPI)は第3図の点の集合、即ち、ある傾きkと切片
0を有する直線となる。
【0056】
【数1】
【0057】第3図において、切片x0は、最も左のカ
メラ(視点位置X=0)によって得られた画像の表示値
を示す。従って、この直線が表す輝点の位置は、カメラ
22の光学系の焦点距離をf、カメラ22のイメージセ
ンサの画素ピッチをpとして座標系XZで表すと、第5
図に示すように、
【0058】
【数2】
【0059】
【数3】
【0060】が得られる。式1は、ある輝点の表示位置
xは、離散的な視点X(X1, X2,…)から得られる
だけでなく、視点Xの値が任意の値、即ち、観察者がカ
メラ視点以外の位置Xにいる場合にも、表示位置xを演
算できることを意味する。この演算は内挿補間処理によ
る。
【0061】尚、カメラから遠い被写体の多視点画像を
とった場合、その被写体上の一点である輝点位置は、視
点位置の変化に対して、水平方向の変化が少ない。従っ
て、このような被写体のEPIにおける直線の傾きは垂
直に近くなる。即ち、観察者が後方に移動した場合に対
応する多視点画像のEPIは急峻な傾きkを有するもの
であり、観察者が前方に移動した場合に対応する多視点
画像のEPIは緩い傾きを有するものである。また、手
前にある輝点の直線軌跡が、奥にある輝点の直線軌跡を
多い隠すという、オクルージョン関係も存在する。
【0062】従って、ある輝点の多視点画像は、その輝
点の多視点画像におけるEPI上において、直線の傾き
kと横軸xとの切片x0とによって定義される。換言す
れば、1つの輝点の複数の多視点画像データは、その輝
点の画素値(濃度値もしくは色データ値)と共に、デー
タ kとx0とに圧縮されることになる。1つのEPIに
は、通常、複数の輝点が含まれる。従って、第3図の直
線を抽出するためには、複数の画像データの中から、同
じ輝点に由来するものだけを同定しなければならない。
この同定の処理を、本実施形態では、輝点に対応する複
数の点によって表される軌跡を検出するという意味で、
「対応点軌跡の検出」と呼ぶ。また、検出された軌跡を
表す直線のデータ、上述の kとx0とを「軌跡データ」
と呼ぶ。尚、軌跡データには、後述するように、「奥行
きデータ」も含まれる。
【0063】第4図に画像処理装置100における処理
の概略を示す。第4図中、カメラ22からの多視点画像
に基づいて、対応点の軌跡が検出され、続いて軌跡デー
タに圧縮される。即ち、被写体の全ての輝点についての
軌跡データが得られる。これらの軌跡データはパラメト
リックデータとしてファイルに記憶される。
【0064】以上が、多視点画像を取得し、それをパラ
メトリックデータとしての記憶するまでの処理である。
実際に立体視するときは、観察者の視点に応じて多視点
画像データを補正しなければならないから、その補正処
理、即ち内挿処理が第4図に示されている。即ち、立体
視を行うときは、ファイルからパラメトリックデータが
読み取られ、軌跡データに伸張される。その上で、検出
器80によって検出された観察者の視点が入力されて、
内挿処理が行われる。この内挿処理は、視点位置の変化
に応じてリアルタイムで行われる必要があるために、本
実施形態では「オンデマンド内挿表示」処理と呼ぶ。
【0065】これから説明する実施形態に係る画像処理
装置は、軌跡の検出に特徴ある処理を行うもの、或いは
内挿処理に特徴ある処理を行うものが含まれる。 〈第1実施形態〉第6図は第1実施形態の画像処理装置
100の構成、即ち、対応点軌跡検出部50とオンデマ
ンド内挿表示部60の構成を示す図である。
【0066】先ず、対応点軌跡検出部50について説明
する。図中、画像メモリ11は、多眼カメラ22によっ
て撮影した複数の画像を記憶する。メモリ11の記憶デ
ータは、左右に直線上に並んだ多数の視点から得た被写
体の多視点画像である。対応点軌跡判定部12はメモリ
11中の多視点画像をスキャンし、直線状の軌跡を有す
る輝点像を探索する。この探索は係数制御部13から送
られてくる係数によって制御される。メモリ14は、軌
跡判定部12が検出した輝点nの軌跡の係数(knとx
0n)および同輝点nの濃淡値Dnを記憶する。
【0067】係数制御部13が生成する係数は、1組の
傾きkと切片x0の値である。前述したように、被写体
の1つの輝点のEPIは、傾きkと切片のx0によって
定義できるので、判定部における探索は、係数制御部1
3から送られてくる1組の傾きkと切片x0によって定
義される直線に載るような輝点の画像を探索することに
等しい。
【0068】軌跡判定部12における判定には2つの閾
値が用いられる。この閾値を制御するのが閾値制御部1
5である。メモリ16は、軌跡判定部12が検出した対
応点軌跡の画像中での位置と検出した条件とを保持す
る。データ出力部17はメモリ14に記憶された対応点
軌跡係数を出力する。オンデマンド内挿表示部60は、
データ入力部30と、対応点軌跡内挿部31と、画像表
示部33と、視点位置入力部32とを有する。
【0069】データ入力部110はパラメトリックデー
タをファイル40から入力する。対応点軌跡内挿部31
は、観察者の実際の視点位置(視点位置入部32が検出
器80から入力した)にもとづいてデータ入力部30の
対応点軌跡を内挿することにより、その視点から見える
画像を生成する。こうして生成された立体画像は画像表
示部33によりスクリーン70に表示される。
【0070】次に、対応点軌跡内挿部31の動作をくわ
しく説明する。対応点軌跡内挿部31は視点検出器80
から左右方向の視点位置Xpを得る。もし、視点位置Xp
がカメラの位置に等しいならば、ファイル40のパラメ
トリックデータ(軌跡係数と濃淡値情報Dとからなる)
の各水平ライン上のすべての輝点について、式1に基づ
いて、画像中の水平方向の表示位置を算出し、その表示
位置に輝点の濃淡値Dを描画する。結果として。視点位
置に対応した画像が1枚生成される。
【0071】視点位置Xpがカメラの位置に等しくない
場合、即ち、観察者の視点が任意の位置にある場合につ
いて説明する。ここで、第7図に示すように、横方向視
野角をfovとし、ある水平ライン中のある輝点(XI
I)の水平方向の表示位置をxとすると、
【0072】
【数4】
【0073】で表される。なお、表示スクリーン70お
よび画像表示部33に、レンチキュラ方式やメガネ方式
などの両眼立体視が可能な立体表示スクリーン及び立体
画像表示部を用い、かつ、視点位置入力部32が左右お
のおのの目の位置に対応する視点パラメータを算出し、
これに対応して対応点軌跡内挿部31が左右おのおのの
目に提示するための画像を生成することにより、カメラ
列状において視点移動可能な両眼立体表示装置となる。
【0074】また、第1図のように、多眼カメラ22を
被写体21の周りを囲む円周状に並べ、表示スクリーン
70を円形上のディスプレイにすることで、全周方向か
らの映像を眺めることができる。 〈第1実施形態の第1変形例〉第1実施形態の立体視シ
ステムは、観察者の視点が、多眼カメラの撮影方向(方
向が既知であれば、直線状あるいは曲線状であるを問わ
ない)に平行に移動する場合において、立体視が維持で
きるものであった。次に、本発明を、前後左右に視点移
動が可能であり、かつ、任意視線方向を眺めることので
きる画像処理装置に適用した第1実施形態の第1変形例
を示す。第1変形例では、第1実施形態の視点検出器8
0を観察者の目の位置及び視線方向を検出できる視線検
出器に置き換える。また、これに伴い視点位置入力部3
2に関しても、観察者の目の位置及び視線方向に対応し
た視線情報を対応点軌跡内挿部31へ送るものに置き換
える。さらに、対応点軌跡内挿部31の投影処理を以下
に説明する処理に置き換える。
【0075】第8図は第1変形例の画像処理装置の対応
点軌跡内挿部31の投影計算の算出原理を示す図であ
る。第1変形例においては、観察者のZ方向への移動に
追随して立体視を許すために、第8図に示すように、2
つのカメラ列を設け、その2列のカメラ列の交点Bの座
標を(XB,ZB)とする。図中、Pは観察者の視点の位
置(Xp,Zp)を示し、観察者はZ軸に対してθ°、そ
して直線PBからはα度だけずれた視線方向を見つめて
いるとする。ただし、ファイル40には、パラメトリッ
クデータとして、カメラ列1により撮影された画像から
得られる輝点データとカメラ列2より撮影された画像か
ら得られる輝点データとが保持されているものとする。
【0076】観察者が視点位置Pから視線方向θを眺め
ている場合には、第8図に示すように、表示面を左右2
つの領域90,91に分け、画像の右側領域91にはカ
メラ列1により得られた輝点データにより輝点を投影
し、画像の左側領域92はカメラ2により得られた輝点
データにより輝点を投影する。これにより、観察者の視
点位置、及び、視点方向に対応した1枚の画像が生成さ
れる。
【0077】ここで、第1実施形態と同じように、ある
水平ライン中のある輝点の水平方向の表示位置をx、視
点位置を(Xp,Zp)、横方向視野角をfovとすると、
表示位置xは以下の5式で算出する。
【0078】
【数5】
【0079】以上の動作により、カメラ列を円弧状に組
み合わせることで、保持されている各画像を撮影した視
点以外の場所に観察者が移動しても、すなわち多眼カメ
ラ22の視点以外の前後左右の場所に観察者が移動して
も、さらには、観察者が任意視線方向に視線を移動した
場合でも、対応した対象物の画像を表示スクリーン70
を通して眺めることができる。
【0080】第1変形例では、入力画像に上下方向の視
差がないため、前後の視点移動に対して生成される画像
には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離に応じ
て、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を行うこ
とによりこの歪みを目立たなく補正することができる。 〈第1実施形態の第2変形例〉次に、第1実施形態の処
理を高速に行う変形例を第2変形例として示す。第2変
形例では、第1変形例の対応点軌跡内挿部31の投影処
理を第9図に説明するものに置き換える。
【0081】第9図において、生成像の左右2つの領域
について、それぞれ画像生成に必要な輝点の領域を示し
ている。第1変形例においては、輝点を投影する際に全
ての輝点を描画するが、第2変形例においては、図に示
すように、輝点の集合をいくつかのブロック領域に領域
分割し、視野に含まれる領域内の点のみを描画し、視野
からはみ出る領域内の点は描画しないようにする。
【0082】この処理により、画像を生成する上で不必
要な輝点の投影処理を省くことができるため、本実施形
態では高速に対応輝点投影処理を行うことができ、より
スムーズな視線変化が可能になる。 〈第1実施形態の第3変形例〉次に、本発明を、前後上
下方向に視点移動可能な画像処理装置に適用した第3変
形例を示す。第3変形例では、第2変形例の対応点軌跡
検出部18の検出処理、オンデマンド内挿表示部60の
投影処理を以下に説明する処理に置き換える。
【0083】まず、対応点軌跡検出部18の動作を説明
する。第3変形例では、メモリ11の入力画像は、左右
上下に平面状に並んだ視点から撮影された画像である。
このため、ある輝点の像の軌跡は、入力多視点画像保持
部11の多視点画像がなす4次元画像空間中の平面とな
る。したがって、対応点軌跡判定部12の対応点軌跡判
定処理は、この入力4次元画像空間中の平面判定処理に
等しい。
【0084】左右方向及び観察者の見つめる方向を、第
1実施形態と同じように、X軸、Z軸をとり、さらに、
上下方向にY軸をとると、前記4次元空間は、XYZの
三次元と、表示位置のx軸の4次元空間である。輝点位
置を表す平面は以下の6式で表される。
【0085】
【数6】
【0086】ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌
跡の位置、傾きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第3変形例の軌跡係数制御部13の算出する軌
跡係数は、平面の位置と傾きを示す(x0,y0,k)の
3つの係数の組みとなる。対応点軌跡判定部12は軌跡
係数制御部13および判定しきい値制御部15に順次制
御され、画像空間中で平面上の軌跡を判定し、検出した
平面の係数を検出軌跡記憶部14に記憶する。データ出
力部17によって出力されるパラメトリックデータは、
検出された平面上軌跡の枚数分の、輝点の座標値であ
る。
【0087】ここで、焦点距離をf、画像ピッチをpと
すると、この平面に対応する輝点の座標(XI,YI,Z
I)は以下の7式で算出する。
【0088】
【数7】
【0089】次に本実施形態のオンデマンド内挿表示部
50の処理について説明する。対応点軌跡内挿部31
は、視点位置を(Xp,Yp,Zp)、横方向視野角をそ
れぞれfovx、fovyとすると、パラメトリックデータの
輝点の表示位置(x,y)を以下の8式を用いて計算す
る。
【0090】
【数8】
【0091】第3変形例では、入力画像が上下方向の視
差を持つため、第1変形例、および第2変形例で生じた
ような上下方向の画像の歪みを生じない。 〈更なる変形例〉以上の実施形態及び変形例では、あら
かじめ撮影された多視点画像が入力多視点画像保持部1
1に保持されている構成としたが、これを、多視点画像
を実時間で取り込むことのできる多眼テレビカメラに置
き換えることにより、実時間の任意視線画像撮影・表示
システムとなる。
【0092】さらに、パラメトリックデータ19を通信
データとして遠隔端末間でやり取りする場合、実時間の
任意視線画像通信システムとなる。なお、本発明は単体
の画像処理装置に適用しても良いし、多視点テレビ、多
視点テレビ電話端末や多視点テレビ会議システムのよう
なシステム機器に適用しても良いし、コンピュータや他
の画像処理装置と組み合わせた復号装置にも適用でき
る。
【0093】前記第1実施形態とその3つの変形例は本
発明の基本的な実施形態である。これから説明する第2
実施形態は主に、前記第1実施形態に対する圧縮処理の
改良に関するものである。 〈第2実施形態〉第2実施形態の画像処理装置の構成を
第10図に示す。第2実施形態のシステム構成は、第1
実施形態のそれ(第4図)に対して、対応点の軌跡デー
タを圧縮する軌跡データ圧縮部110と圧縮された軌跡
データを伸張する軌跡データ伸張部120が付加されて
いる点を除けば同じであって、例えば、EPIを用いる
点も共通している。
【0094】先ず、軌跡データ圧縮部120の構成につ
いて説明する。軌跡データ圧縮部110は、軌跡検出部
50とファイル40との間におかれ、検出部50内の検
出軌跡メモリ24のデータを圧縮してファイル40に送
る。第11図は、第2実施形態の軌跡検出部50の構成
を示す。第12図は第2実施形態の画像処理装置の軌跡
データ圧縮部110の構成を示す図である。図中、分解
部111は、対応点軌跡検出部50のメモリ24から出
力される直線データを、後述するXK平面上での輝点位
置データ(kn,x0n)と輝点の濃淡値データ(Dn)と
に分解し、前者を輝点位置符号化部112に、後者を輝
点濃淡値符号化部113に送る。輝点位置符号化部11
2は直線データ分解部111で得られた輝点位置データ
(kn,x0n)を符号化する。輝点濃淡値符号化部11
3は輝点濃淡値データ(Dn)を符号化する。符号化デ
ータ統合部114は輝点位置符号化部112と輝点濃淡
値符号化部113で符号化されたデータを統合してファ
イル40に出力する。
【0095】軌跡データ圧縮部110の動作を説明す
る。メモリ24に記憶されているデータは、直線の切片
位置x0nと傾きknと色Dnの組みである。入力されたこ
れらのデータは、直線データ分解部41においてXK平
面上での輝点位置データと輝点の濃淡値データに分解さ
れる。ここでいうXK平面とは、第13図に示すよう
に、直線の位置(X)と傾き(K)をそれぞれ直交する
軸にとった平面のことである。1つの軌跡を表す直線デ
ータは、XK平面上では濃淡値Dnを持った点として表
すことができる。もしEPIの個数が仮に480とすれ
ば、XK平面には480個の点が存在する。
【0096】直線データ分解部111は、直線で多をX
K平面上で輝点位置データに分解する。輝点位置データ
に分解するとは、各EPI上で検出されたすべての直線
データをXK平面上にマッピングし、このXK平面を所
定の分解能で離散化(量子化)して、この平面上に点が
存在するかどうかを1/0で表すということである。第
13図の軌跡データを離散化した結果を第14図に示
す。
【0097】第2実施形態の量子化の根拠を説明する。
第2実施形態の対応点軌跡検出部42(第11図)は、
直線の傾きを検出する際に、傾きの最小ステップS幅を
設定する。この最小ステップ幅の値からXK平面での輝
点間の最小間隔を決定することができる。直線データ分
解部111がこの決定した最小間隔で平面を離散化(量
子化)することにより、量子化で失われる情報量を少な
くすることが出来る。また、量子化された輝点の存在範
囲は、検出された直線から予め分かるので、すべての輝
点を包括する最小の矩形で平面をクリッピングすること
ができる。輝点の存在する領域だけを処理対象とするこ
とで、輝点位置のデータ量を低減することができる。第
15図はXK平面の離散化・グリッピング処理を示して
いる。矩形領域は、第15図に示すように、最も左上の
点ULと最も下右の点LRによって表される。
【0098】このようにして得られた輝点位置データを
輝点位置符号化部112は、例えばハフマン(MH)符
号化などで符号化する。これと同時に、クリッピングし
た矩形を一意に特定できる2点(ULとLR)の座標値
も符号化する。ここでは符号化方式としてMH符号化を
用いたが、MR符号化、MMR符号化、算術符号化等で
良い。
【0099】また、直線データ分解部111は、輝点の
軌跡を濃淡値データに分解する。濃淡値データに分解す
るとは、第15図のように示された輝点位置データをX
方向を主走査方向としK方向を副走査方向として走査し
て、存在する点の順番に従い、対応する輝点の濃淡値
を、第16図に示すように、羅列して表すということで
ある。ここではMH符号化を適用したので、この方式の
符号化順序に従っている。走査方向を符号化の方向と一
致させたのは、符号化順序に従う方が輝点位置と後述す
る濃淡値の対応がとりやすいからである。
【0100】輝点濃淡値符号化部113では、輝点の濃
淡値データを、一例としてRGB各色8ビットのデータ
として考える。尚、対応点軌跡検出部50で使用する色
空間はRGBの8ビットに限定するものでもない。輝点
濃淡値符号化部113は、色データを、一例としてDP
CM(Differential Pulse Code Modulation)符号化法を
適用して符号化する。但し、DPCM符号化をXK平面
上で空間的に離れた位置にある任意の2点に適用するに
際しては、これら2点の差分値はとらず、そのままのデ
ータを符号化する。XK平面上で空間的に離れた位置に
ある任意の2点はまったく相関のないデータを表すの
で、相関のない2点のデータの差分を演算することは符
号量の増加を招くので、差分値の符号化を行わないので
ある。
【0101】符号化データ統合部114は、輝点位置符
号化部112と輝点濃淡値符号化部113で生成された
符号データを統合し、パラメトリックデータとしてファ
イル40に出力する。以上のように第2実施形態を構成
することにより、対応点軌跡検出部50からの出力を第
1実施形態のようにそのままの状態で保持するよりも、
より少ない情報量でデータを保持することができ、機器
に必要なメモリ量が少なくてすむという利点がある。
【0102】第17図は第2実施形態の画像処理装置の
軌跡データ伸長部120の構成を示す図である。図中、
符号化データ分解部121は、ファイル40から入力さ
れたパラメトリックデータを、輝点位置の符号データと
輝点濃淡値のデータとに分解して、2つの復号化部12
2,123に出力する。輝点位置復号化部122は符号
化データ分解部121で得られた輝点位置の符号化デー
タを復号する。輝点濃淡値復号化部123は符号化デー
タ分解部121で得られた輝点濃淡値データDを復号す
る。統合部124は輝点位置復号化部122と輝点濃淡
値復号化部123で復号されたデータを統合して直線デ
ータとして出力する。
【0103】軌跡データ伸長部120では、軌跡データ
圧縮部110での処理と全く逆の処理が行われる。ま
ず、符号化データ分解部121ではパラメトリックデー
タを読み込み、輝点位置データと輝点濃淡値データとに
分解する。輝点位置復号化部122では輝点位置符号デ
ータを、また輝点濃淡値復号化部123では輝点濃淡値
データを復号し、直線データ統合部124においてこれ
らを直線データとして統合する。
【0104】第18図は第2実施形態の画像処理装置の
オンデマンド内挿表示部60の構成を示す図である。第
2実施形態のオンデマンド内挿表示部60の構成は第1
実施形態のそれ(第6図)と同じである。表示スクリー
ン70を眺める利用者が頭の位置を変えて視点を移動さ
せると、視点検出器80の信号が変化する。視点位置入
力部32は、この変化を受けて、視点位置を対応点軌跡
内挿部31へ送る。対応点軌跡内挿部31は視点位置を
受けると、視点移動に対応した新たな画像の生成を行
い、画像表示部33へ画像を送る。画像表示部33は表
示スクリーン70へ画像を表示する。
【0105】次に、対応点軌跡内挿部31の動作をくわ
しく説明する。対応点軌跡内挿部31は視点検出器80
から左右方向の視点位置Xpを得る。一方、対応点軌跡
内挿部31は、パラメトリックデータの各水平ラインの
すべての対応点軌跡について、輝点の画像中の水平方向
の表示位置xを算出し、その表示位置xに輝点の濃淡値
Dを描画する。結果として、視点位置に対応した画像が
1枚生成される。
【0106】ここで、ある水平ライン中のある輝点の水
平方向(X方向)の表示位置をx、対応点軌跡の直線位
置をx0、直線傾きをk、視点位置をXpとすると、
【0107】
【数9】
【0108】が得られる。なお、第2実施形態で、表示
スクリーン70および画像表示部33に、レンチキュラ
方式やメガネ方式などの両眼立体視が可能な立体表示ス
クリーン及び立体画像表示部を用い、かつ、視点位置入
力部32が左右おのおのの目の位置に対応する視点パラ
メータを算出するように変形することは、第1実施形態
と同じように可能である。この変形に対応して対応点軌
跡内挿部31が左右おのおのの目に提示するための画像
を生成することにより、前後左右に視点移動可能な両眼
立体表示装置となる。
【0109】〈第2実施形態の第1変形例〉第2実施形
態中の軌跡データ圧縮部110では、直線データを輝点
位置データと輝点濃淡値データに分解してそれぞれを符
号化したが、その輝点濃淡値をベクトル量子化を用いて
符号化することも可能である。第19図は、この第1変
形例で用いられるデータの構成を表す図である。
【0110】軌跡データの傾きkは実際には整数値のみ
ならず、多くは少数で表される値である。前述したよう
に、第2実施形態の対応点軌跡検出部50は検出する直
線の傾きのステップS幅を固定値(△S)としているた
め、検出された任意の直線の傾きkは、△Sの整数倍
(N)で表現可能である。ここでは、任意のkを、
【0111】
【数10】k=△S*N で表すことにする。第19図は、第2実施形態の検出部
50によって生成される軌跡データを示す。また、検出
された各輝点の色データを順に並べたテーブルを第20
図に示す。第19図の軌跡位置データと第20図の色デ
ータとは、インデックスの値でリンクされている。ま
た、第19図において、x0は輝点のX方向の切片位置
を示し、Nは式10に従ってkを量子化しときのNであ
る。
【0112】第19図のテーブルは、傾きkが整数値に
量子化されたことによって情報圧縮がなされた。また、
この色データに対してベクトル量子化を行うことによ
り、データ量を画像の種類によらず一定にしたい場合な
どに有効である。ベクトル量子化に用いるテーブルは、
画像ごとに用意して、符号データと一緒に蓄積あるいは
伝送してもよいし、一般的なテーブルを用意して全ての
画像に適用してもよい。
【0113】〈第2実施形態の第2変形例〉次に、第2
実施形態の画像処理装置を、前後左右に視点移動可能な
立体視システムに適用した例を第2変形例として示す。
この第2変形例のシステム構成は、第10図,第11図
の通りである。そこで、第2変形例では、第2実施形態
の対応点軌跡内挿部31の内挿処理を以下に説明する処
理に置き換える。
【0114】第21図は第2変形例の画像処理装置の対
応点軌跡内挿部31の内挿計算の算出原理を示す図であ
る。図中、ある輝点200(XI,ZI)が(+X,+
Z)だけずれた点201へXZ空間で移動する場合を考
える。カメラ22の光学系の焦点距離をfとすると、Z
軸の距離fのところに撮像面が存在し、その撮像面にお
いては画素ピッチはpであるとする。
【0115】輝点200(XI,ZI)は撮像面において
はx0位置にある。輝点200(XI,ZI)が(+X,
+Z)だけXZ空間で移動すると、画像の表示位置は2
02x0から203xに移動する。x0位置が、視点位置
(0,0)の仮想的なカメラの撮像面に投影されている
とする。投影される位置は、直線の切片位置x0に相当
する。このとき、視点位置が移動した場合の、輝点の像
の移動を考える。
【0116】視点202がある方向へ移動することは、
逆方向ヘ輝点200が移動することと等価である。この
原理を利用して、輝点200が移動量(+X,+Z)だ
け移動した場合の移動後の像203(x)を式11に従
って求める。
【0117】
【数11】
【0118】但し、式11中のk,aは、
【0119】
【数12】
【0120】
【数13】
【0121】で表すことが出来る。尚、式11は、第2
1図において、
【0122】
【数14】
【0123】
【数15】
【0124】を解くことにより導かれる。式11を用い
ることにより、視点移動(−X、−Z)に対応した、移
動後の像x203を求めることができる。次に第2変形
例の対応点軌跡内挿部31の動作を説明する。視点検出
器80は左右前後の視点位置(−X、−Z)を対応点軌
跡内挿部31へ送る。対応点軌跡内挿部31は、パラメ
トリックデータの各水平ラインのすべての対応点軌跡に
ついて11式を計算することにより、前後左右の視点移
動に対応した画像を生成する。
【0125】第2変形例では、入力画像に上下方向の視
差がないため、前後の視点移動に対して生成される画像
には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離に応じ
て、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を行うこ
とによりこの歪みを目立たなく補正することができる。 〈第2実施形態の第3変形例〉次に、第2実施形態の処
理を高速に行うという観点からの提案を第3変形例とし
て示す。この第3変形例では、第2実施形態の対応点軌
跡内挿部31の内挿処理を以下に説明する処理に置き換
える。
【0126】第22図は第3実施形態の第3変形例の画
像処理装置の対応点軌跡内挿部31の高速計算処理を示
すフローチャートである。はじめに、本実施形態の対応
点軌跡内挿部31の内挿処理の原理を説明する。前述の
第2変形例の11式は以下の16式に変形できる。
【0127】
【数16】
【0128】ここで、x',k',Z'を式17,式1
8,式19のように定義すると、式16は、式20のよ
うに変形される。
【0129】
【数17】
【0130】
【数18】
【0131】
【数19】
【0132】
【数20】
【0133】ここで、x'およびk'は視点位置に依存し
ないため、あらかじめ計算しておくことができる。ま
た、Z'は対応点軌跡に依存しないため、視点位置の変
化に対して1回だけ計算すればよい。次に、第2実施形
態の第3変形例の対応点軌跡内挿部31の内挿処理の動
作を説明する。
【0134】対応点軌跡内挿部31はまず第22図のス
テップS111およびステップS112において、すべ
ての対応点の軌跡係数(kとx0)について、それぞれ
'およびk'を式17,式18を用いて求める。次にス
テップS113で、視点位置(Xp,Zp)を視点位置入
力部32から取得し、ステップS114において、視点
位置が変化するごとに1回だけ、式19を用いてZ'
計算する。そして、各水平ラインの全ての対応点軌跡係
数について、ステップS115で式20を用いて輝点の
表示位置を算出し、ステップS116で輝点の濃淡値を
描画する。
【0135】以上の処理により、本実施形態では高速に
対応点軌跡内挿処理を行うことができ、よりスムーズな
視点移動が可能になるという実施形態特有の効果があ
る。 〈第2実施形態の第4変形例〉次に、本発明を、前後上
下左右に視点移動可能な画像処理装置に適用した例を、
第2実施形態の第4変形例として示す。この第4変形例
は前後左右上下に視点移動可能であるという観点から、
第1実施形態の第3変形例に相当する。本第4変形例で
は、第1変形例の対応点軌跡検出部50の検出処理、オ
ンデマンド内挿表示部60の内挿処理を以下に説明する
処理に置き換える。
【0136】まず、変形された対応点軌跡検出部50の
動作を説明する。第2変形例では、入力画像は、左右上
下に平面上に並んだ視点から撮影された画像であった。
このため、ある輝点の像の軌跡は、メモリ41(第11
図を参照)の多視点画像がなす4次元画像空間中の平面
となる。したがって、対応点軌跡判定部42の対応点軌
跡判定処理は、この入力4次元画像空間中の平面判定処
理に等しい。
【0137】左右方向及び観察者の見つめる方向を、第
1実施形態と同じように、X軸、Z軸にとり、さらに、
上下方向にY軸をとると、前記4次元空間は、XYZの
三次元と、表示位置のx軸の4次元空間である。輝点位
置を表す平面は以下の21式で表される。
【0138】
【数21】
【0139】ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌
跡の位置、傾きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第4変形例の軌跡係数制御部33(第11図)
の算出する軌跡係数は、平面の位置と傾きを示す
(x0,y0,k)の3つの係数の組みとなる。対応点軌
跡判定部32は軌跡係数制御部33および判定しきい値
制御部35に順次制御され、画像空間中で平面上の軌跡
を判定し、検出した平面の係数を検出軌跡記憶部34に
記憶する。圧縮部110によって出力されるパラメトリ
ックデータは、検出された平面上軌跡の枚数分の、輝点
の座標値である。
【0140】次に第4変形例のオンデマンド内挿表示部
60の処理について説明する。第4変形例のオンデマン
ド内挿表示部60の構成は第1実施形態のそれ(第6
図)に同じである。対応点軌跡内挿部31のステップS
111は、上記の17式に加えて、以下の22式を計算
する。
【0141】
【数22】
【0142】また、ステップS115では、以下の23
式を用いて、輝点の表示位置(x,y)を計算する。
【0143】
【数23】
【0144】ステップS116では、表示位置に合わせ
て輝点の濃淡値を描画する。第4変形例では、入力画像
が上下方向の視差を持つため、第2変形例、および第3
変形例で生じたような上下方向の画像の歪みが生じな
い、という実施形態特有の効果がある。 〈第2実施形態の他の変形〉第2実施形態、第1変形例
では、各XK平面ごとに輝点データ(直線データ)を符
号化しているが、隣り合ったXK平面間の相関を使って
符号化することが可能である。この場合は、既に処理済
みXK平面の輝点位置データを参照テンプレートとし、
今処理しているXK平面の輝点位置データを算術符号化
あるいはこれと類似の符号化、例えば、2値画像の符号
化標準方式であるQMコーダなどを用いると、符号化効
率がよい。輝点濃淡値データに関しても、隣接するXK
平面間では相関が非常に強いので、隣接するXK平面間
で濃淡値データの差分をとり、符号化すると符号化効率
が向上する。
【0145】パラメトリックデータを通信データとして
遠隔端末間でやり取りする場合、実時間の任意視点画像
通信システムとなる。なお、本発明は単体の画像処理装
置に適用しても良いし、多視点テレビ、多視点テレビ電
話端末や多視点テレビ会議システムのようなシステム機
器に適用しても良いし、コンピュータや他の画像処理装
置と組み合わせた復合装置にも適用できる。
【0146】次に説明する第3実施形態は、表示装置の
差異による表示速度の差が大きくならない工夫を行った
ものである。 〈第3実施形態〉第23図は第3実施形態の画像処理装
置100の構成を示す図である。第3実施形態の画像処
理装置100も、第1実施形態,第2実施形態と同様
に、軌跡検出部50と内挿表示部60とを有する。軌跡
検出部50の構成は、軌跡データ階層化部217を除い
て、第1実施形態,第2実施形態と異なるところがな
い。
【0147】軌跡データ階層化部217はメモリ214
に記憶された対応点軌跡係数を多段階のデータ構造にす
る。その結果、データ出力部219は、軌跡データ階層
化部17で階層的なデータ構造にされたた軌跡係数を出
力する。次に、第3実施形態の動作の概略を説明する。
対応点軌跡検出部50は、カメラ22から多視点画像を
受け取り、パラメトリックデータを出力する。オンデマ
ンド内挿表示部60はパラメトリックデータをファイル
40から受け取り、利用者の視点位置の変化に応じて表
示スクリーン70に画像を表示する。パラメトリックデ
ータは、任意視点表示に必要な十分な情報を含んでお
り、そのデータ量は、考えられうる視点移動に対応した
画像を全て保持する場合に比べて、極めて小さい。さら
に、表示装置の性能差に対応すべく、ファイル装置40
においては、複数の解像度のデータを保持する。このよ
うな構成をとることにより、機器に必要なメモリ量が少
なくてすみ、表示装置の性能に依存しないという利点が
ある。
【0148】対応点軌跡検出部50の動作を説明する。
メモリ211は多視点画像を保持する。軌跡係数制御部
213は、被写空間中の仮想的な輝点を順次想定し、そ
の輝点が多視点画像中で成す軌跡の係数を算出する。対
応点軌跡判定部212は軌跡係数制御部13の軌跡係数
が示す軌跡がメモリ211の画像中に存在するかどうか
判定する。この時、判定閾値制御部15は対応点軌跡判
定部212の判定条件を順次制御する。対応点軌跡判定
部212は検出した対応点軌跡の係数をメモリ214に
記憶する。また、同時に、検出した対応点軌跡の、画像
中での位置や条件を検出マーク配列保持部216に記憶
し、後の軌跡判定時に利用する。対応点軌跡判定部21
2の処理が終了すると、軌跡データ階層化部217は、
メモリ214に記憶された対応点軌跡係数をもとに、解
像度を下げた場合に相当する対応点軌跡係数を算出し、
メモリ214に追記録する。データ出力部219はメモ
リ214の値をパラメトリックデータとしてフィル40
に出力する。
【0149】次にオンデマンド内挿表示部60の動作を
説明する。データ入力部311はパラメトリックデータ
をファイル40から入力して対応点軌跡内挿部312へ
送る。この時、入力されたデータを全てではなく、表示
装置316に予め設定されているランクに応じたデータ
解像度の軌跡係数だけを伝送する。表示スクリーン70
を眺める利用者が頭の位置を変えて視点を移動させる
と、視点検出器80の信号が変化する。視点位置入力部
315は、この変化を受けて、視点位置を対応点軌跡内
挿部312へ送る。対応点軌跡内挿部312は視点位置
を受けると、視点移動に対応した新たな画像の生成を行
い、画像表示部316へ画像を送る。画像表示部316
は表示スクリーン70へ画像を表示する。
【0150】次に、対応点軌跡判定部312の動作を詳
しく説明する。対応点軌跡判定部312はまず、メモリ
211の入力画像から、ある水平ラインに注目し、その
ラインのエピポーラ・プレーン画像(EPI)を作成す
る。第3実施形態がEPIに基づいて軌跡データを生成
することは、第1実施形態,第2実施形態と同じであ
る。
【0151】軌跡係数制御部213は、軌跡直線の位置
0と傾きkの2つの係数の組みである軌跡係数を、考
えられるもの全てを順次想定し、算出する。対応点軌跡
判定部212は、先ず算出された直線上に対応するEP
I上で、未処理の画素が存在するかどうか探索する。未
処理の画素が見つかった場合、その画素の濃淡値と、直
線上の他の画素間の濃淡値の例えば差分値及び判定閾値
制御部215によって制御された閾値以下となるかどう
か判定する。閾値以下の場合、この直線上のすべての画
素に対して、検出マーク配列保持部16に検出済として
検出された直線の傾き(奥行き情報)を記録する。そし
て、軌跡係数(直線の位置と傾き)及び対応点の濃淡値
情報(例えば対応点の濃淡値の平均値)をメモリ214
に記憶する。データ出力部219によって出力されるパ
ラメトリックデータは、各水平ラインごとの、検出され
た直線状軌跡の本数分の、直線の位置と傾きと濃淡値情
報の組みである。
【0152】次に、検出された軌跡を記憶するメモリ2
14について第24図を用いて詳しく説明する。第24
図はメモリ214に記憶される1つの情報単位を示す。
1つの単位は、対応点軌跡判定部212が検出した直線
の切片位置x0、傾きk、色Dを記憶する。第25図
は、メモリ214の空間を示す。メモリ214の空間の
任意の位置は、横軸と縦軸によって指定される。一例と
して横軸を直線の切片位置x0とし、縦軸を直線の傾き
kとする。メモリ214の任意番地(x0n,kn)に
は、その深さ方向に、直線(x0n,kn)が表す輝点の
色の濃度値及び存在の有無情報が記憶される。即ち、メ
モリ214の1ワードは、色濃度がRGBの各々につい
て各8ビットならば、25ビット(=8ビット×3+1
ビット)の長さを有する。
【0153】第25図に示すように、メモリ214に
は、画像のサイズや被写体までの距離などに応じて、同
じ被写体の複数通りの軌跡データが記憶されている。第
25図の例では、画像のサイズや被写体までの距離など
に応じて、一例として4通りの領域が設けられている。
即ち、画像のサイズや被写体までの距離が変わると、解
像度が変化する。そこで、所定距離にある被写体の画像
について所定のサイズを設定し、そのときの解像度を
「タイプ1倍」と呼び、その半分の解像度を「タイプ1/
2倍」、さらに半分の解像度を「タイプ1/4倍」、さらに
半分の解像度を「タイプ1/8倍」と呼ぶものとする。
【0154】すると、ある任意の輝点の直線(x0n,k
n)が「タイプ1倍」であるならば、その「タイプ1/2
倍」の軌跡データは(x0n//2,kn//2)、「タイプ1/4
倍」の軌跡データは(x0n//4,kn//4)、「タイプ1/8
倍」の軌跡データは(x0n//8,kn//8)となる。メモ
リ214に記録されている軌跡係数データの解像度毎に
階層化する方法を説明する。
【0155】対応点軌跡判定部212により検出された
対応点軌跡は、先ず、メモリ214の解像度タイプ1の
領域231に記憶される。この解像度タイプ1のデータ
を最大解像度のデータとする。この解像度「タイプ1」
のデータを1/mの解像度にさげるには、領域231
を、m×mのマス毎に区切り、各区画において、その区
画内の全画素の濃度値の平均値を計算し、それを解像度
のタイプ1/mの領域に記録する。この解像度を下げる
処理を1/m=1/2、1/4、1/8で行い、第25
図のような階層的なデータ構造にする。
【0156】ここで、対応点軌跡判定部212が行う解
像度変換は通常の解像度変換ではなく、値を持つ画素だ
け、即ち、有無を示すフラグが「有り」である画素だけ
を用いることに注意する。以上により、メモリ214は
多段階解像度のデータ構成になり、解像度を下げたデー
タでは当然データ量も少なく、表示装置もしくは観察者
の位置に応じた解像度データだけをファイル40に記憶
することが許され、記憶量が少なくて済む。また、デー
タ量を少なくすることにより、内挿表示部60における
表示時での負担を軽減できる。
【0157】次に、出力部219からファイル40に出
力されるデータ構造について説明する。データ出力部2
19によって出力されるパラメトリックデータは、第2
6図に示すように、各水平ラインごとの、検出された直
線状軌跡の本数分の、直線の位置x0と傾きkの組みを
パックにして、それを解像度毎に組み合わせた構造にな
っている。尚、カメラ22の画像空間がx方向にt個の
画素を有するのであれば、1水平ライン毎にt個の軌跡
データを有する。
【0158】次に、データ入力部311の動作をくわし
く説明する。入力されるパラメトリックデータは対応点
軌跡係数の多段階解像度分のデータを含んでいる。そこ
で、データ入力部311は、対応点軌跡内挿部312の
性能に併せて予め設定してある表示装置タイプに従っ
て、適切な解像度のデータだけを対応点軌跡内挿部31
2に伝送する。この時、表示装置の解像度に合わせて、
y方向の解像度を1/mに調整することが必要な場合に
は、ファイル40からの元データのうち、0,m,2
m,3m,4m,…ラインのデータだけを用いる。この
ようにして、解像度を1/m倍した時のデータ量は、y
方向について1/m倍、一つのラインyについても多少
のデータ量削減(必ずしも1/mにならない)が可能で
あり、表示時に計算する輝点の数も減る。したがって、
計算スピードの劣る表示装置においても解像度を下げる
ことで高速表示を実現できる。
【0159】次に、対応点軌跡内挿部312の動作を詳
しく説明する。対応点軌跡内挿部312は視点検出器8
0から左右方向の視点位置を得る。そして、パラメトリ
ックデータの各水平ラインの全ての対応点軌跡につい
て、輝点の画像中の水平方向の表示位置を算出し、その
表示位置に輝点の濃淡値を描画する。結果として、視点
位置に対応した画像が1枚生成される。
【0160】ここで、ある水平ライン中のある輝点の水
平方向の表示位置、対応点軌跡の直線の切片位置、直線
傾き、視点位置をそれぞれ、 XI、x0、k、Xp とすると、表示位置は以下の24式で算出する。
【0161】
【数24】
【0162】ただし、輝点の大きさは解像度により変化
する。解像度が最大の時には、輝点のサイズは1×1
で、解像度が1/2、1/4となるに従って2×2、4
×4と輝点のサイズは大きくなる。なお、表示スクリー
ン70および画像表示部に、レンチキュラ方式やメガネ
方式などの両眼立体視が可能な立体表示スクリーン及び
立体画像表示部を用い、かつ、視点位置入力部315が
左右おのおのの目の位置に対応する視点パラメータを算
出し、これに対応して対応点軌跡内挿部112が左右お
のおのの目に提示するための画像を生成することによ
り、前後左右に視点移動可能な両眼立体表示装置とな
る。
【0163】〈第3実施形態の第1変形例〉次に、第3
実施形態の画像処理装置を、前後左右に視点移動可能な
画像処理装置に適用した例を第1変形例として示す。こ
の第1変形例では、第3実施形態の対応点軌跡内挿部3
12の内挿処理を以下に説明する処理に置き換える。第
27図は第1変形例の画像処理装置の対応点軌跡内挿部
331の内挿計算の算出原理を示す図である。
【0164】図中、ある輝点451(XI,ZI)が(+
X,+Z)だけずれた点452へXZ空間で移動する場
合を考える。カメラ22の光学系の焦点距離をfとする
と、Z軸の距離fのところに撮像面が存在し、その撮像
面においては画素ピッチはpであるとする。輝点451
(XI,ZI)は撮像面においてはx0位置にある。輝点
451(XI,ZI)が(+X,+Z)だけXZ空間で移
動すると、画像の表示位置は455のx0から456の
xに移動する。x0位置が、視点位置(0,0)の仮想
的なカメラの撮像面に投影されているとする。投影され
る位置は、直線の切片位置x0に相当する。このとき、
視点位置が移動した場合の、輝点の像の移動を考える。
【0165】視点455がある方向へ移動することは、
逆方向ヘ輝点451が移動することと等価である。この
原理を利用して、輝点451が移動量(+X,+Z)だ
け移動した場合の移動後の像455(x)を式25に従
って求める。
【0166】
【数25】
【0167】但し、式25中のk,aは、
【0168】
【数26】
【0169】
【数27】
【0170】で表すことが出来る。尚、式25は、第2
7図において、
【0171】
【数28】
【0172】
【数29】
【0173】を解くことにより導かれる。式25を用い
ることにより、視点移動(−X、−Z)に対応した、移
動後の像x456を求めることができる。第1変形例で
は、入力画像に上下方向の視差がないため、前後の視点
移動に対して生成される画像には上下方向の歪みが生じ
る。被写体までの距離に応じて、画像の表示時に、上下
方向に拡大縮小変換を行うことによりこの歪みを目立た
なく補正することができる。
【0174】次に第1変形例の対応点軌跡内挿部312
の動作を説明する。視点検出器80は左右前後の視点位
置(−x、−z)を対応点軌跡内挿部312へ送る。対
応点軌跡内挿部312は、パラメトリックデータの各水
平ラインのすべての対応点軌跡について25式を計算す
ることにより、前後左右の視点移動に対応した画像を生
成する。
【0175】第1変形例では、入力画像に上下方向の視
差がないため、前後の視点移動に対して生成される画像
には上下方向の歪みが生じる。被写体までの距離に応じ
て、画像の表示時に、上下方向に拡大縮小変換を行うこ
とによりこの歪みを目立たなく補正することができる。 〈第3実施形態の第2変形例〉次に、第3実施形態の処
理を高速に行う例を第2変形例として示す。第2変形例
では、第3実施形態の対応点軌跡内挿部312の内挿処
理を以下に説明する処理に置き換える。
【0176】第28図は第2変形例の画像処理装置の対
応点軌跡内挿部312の高速計算処理を示すフローチャ
ートである。はじめに、第2変形例の対応点軌跡内挿部
112による内挿処理の原理を説明する。 前述の25
式は以下の30式に変形できる。
【0177】
【数30】
【0178】ここで、x',k',Z'を式31,式3
2,式33のように定義すると、式30は、式34のよ
うに変形される。
【0179】
【数31】
【0180】
【数32】
【0181】
【数33】
【0182】
【数34】
【0183】ここで、x'およびk'は視点位置に依存し
ないため、あらかじめ計算しておくことができる。ま
た、Z'は対応点軌跡に依存しないため、視点位置の変
化に対して1回だけ計算すればよい。次に、第3実施形
態の第2変形例の対応点軌跡内挿部331の内挿処理の
動作を説明する。
【0184】対応点軌跡内挿部331はまず第28図の
ステップS61およびステップS62において、すべて
の対応点の軌跡係数(kとx0)について、それぞれx'
およびk'を式31,式32を用いて求める。次にステ
ップS63で、視点位置(Xp,Zp)を視点位置入力部
315から取得し、ステップS64において、視点位置
が変化するごとに1回だけ、式33を用いてZ'を計算
する。そして、各水平ラインの全ての対応点軌跡係数に
ついて、ステップS65で式34を用いて輝点の表示位
置を算出し、ステップS66で輝点の濃淡値を描画す
る。
【0185】以上の処理により、本実施形態では高速に
対応点軌跡内挿処理を行うことができ、よりスムーズな
視点移動が可能になるという実施形態特有の効果があ
る。 〈第3実施形態の第3変形例〉次に、第3実施形態を、
前後上下左右に視点移動可能な画像処理装置に適用した
例を第3変形例として示す。本第3変形例では、第2変
形例の対応点軌跡検出部50の検出処理、オンデマンド
内挿表示部60の内挿処理を以下に説明する処理に置き
換える。
【0186】まず、対応点軌跡検出部50の動作を説明
する。本実施形態では、メモリ211の入力画像は、左
右上下に平面上に並んだ視点から撮影された画像であ
る。このため、ある輝点の像の軌跡は、メモリ211の
多視点画像がなす4次元画像空間中の平面となる。した
がって、対応点軌跡判定部212の対応点軌跡判定処理
は、この入力4次元画像空間中の平面判定処理に等し
い。この平面は、以下の35式で表される。
【0187】
【数35】
【0188】ここで、視点位置、軌跡上の輝点位置、軌
跡の位置、傾きは、それぞれ (Xp,Yp)、(XI,YI)、(x0,y0)、k である。第3変形例の軌跡係数制御部213(第23
図)の算出する軌跡係数は、平面の位置と傾きを示す
(x0,y0,k)の3つの係数の組みとなる。対応点軌
跡判定部212は軌跡係数制御部213および判定しき
い値制御部215に順次制御され、画像空間中で平面上
の軌跡を判定し、検出した平面の係数を検出軌跡記憶部
214に記憶する。データ出力部219によって出力さ
れるパラメトリックデータは、検出された平面上軌跡の
枚数分の、輝点の座標値である。
【0189】次に第3変形例のオンデマンド内挿表示部
60の処理について説明する。第3変形例のオンデマン
ド内挿表示部60の構成は第3実施形態のそれ(第23
図)に同じである。対応点軌跡内挿部312のステップ
S61は、上記の31式に加えて、以下の36式を計算
する。
【0190】
【数36】
【0191】また、ステップS65では、以下の37式
を用いて、輝点の表示位置(x,y)を計算する。
【0192】
【数37】
【0193】ステップS66では、表示位置に合わせて
輝点の濃淡値を描画する。第3変形例では、入力画像が
上下方向の視差を持つため、第1変形例、および第2変
形例で生じたような上下方向の画像の歪みが生じない、
という実施形態特有の効果がある。 〈第3実施形態の他の変形例〉以上の第3実施形態及び
その変形例では、あらかじめ撮影された多視点画像がメ
モリ211に保持されている構成としたが、これを、多
視点画像を実時間で取り込むことのできる多眼テレビカ
メラに置き換えることにより、実時間の任意視点画像撮
影・表示システムとなる。
【0194】さらに、パラメトリックデータを通信デー
タとして遠隔端末間でやり取りする場合、実時間の任意
視点画像通信システムとなる。なお、本発明は単体の画
像処理装置に適用しても良いし、多視点テレビ、多視点
テレビ電話端末や多視点テレビ会議システムのようなシ
ステム機器に適用しても良いし、コンピュータや他の画
像処理装置と組み合わせた復合装置にも適用できる。
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適
用しても、1つの機器から成る装置に適用しても良い。
また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給す
ることによって達成される場合にも適用できることはい
うまでもない。
【0195】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、観察者の
目の位置等を検出し、観察者から見える画像を複数枚の
画像から再構成することにより、観察者の視点移動、及
びまたは、視線方向の変化に対応した画像をスムーズに
出力することを可能にする。装置に必要な記憶容量も、
考えられうる視点移動に対応した画像をすべて保持する
場合に比べて、極めて少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の立体視システムの構成を示す図
である。
【図2】第1実施形態〜第3実施形態に用いられるエピ
ポーラプレーン画像の生成過程を説明する図。
【図3】第1実施形態〜第3実施形態に用いられるエピ
ポーラプレーン画像において、輝点対応点の軌跡が直線
で近似され、その直線が傾き及び切片の値によって表さ
れることを示す図。
【図4】第1実施形態〜第3実施形態の画像処理システ
ムの概略的構成を示す図。
【図5】第1実施形態において、輝点位置とエピポーラ
プレーン画像の直線との関係を説明する図。
【図6】第1実施形態の画像処理装置の構成を示す図。
【図7】第1実施形態において、視点において観察者が
視野角を有して観察する場合の輝点と視野角の関係を示
す図。
【図8】第1実施形態の第1変形例におけるカメラ配列
を説明する図。
【図9】第1実施形態の第2変形例における画像処理の
手法を説明する図。
【図10】第2実施形態の構成を示すブロック図。
【図11】第2実施形態の軌跡検出部50の構成を示す
ブロック図。
【図12】第2実施形態の軌跡データ圧縮部の構成を示
すブロック図。
【図13】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図14】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図15】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図16】第2実施形態における圧縮原理を説明する
図。
【図17】第2実施形態における伸張部の構成を説明す
る図。
【図18】第2実施形態のオンデマンド内挿表示部60
の構成を説明する図。
【図19】第2実施形態の第1変形例における圧縮原理
を説明する図。
【図20】第2実施形態の第1変形例における圧縮原理
を説明する図。
【図21】第2実施形態の第2変形例における視点の移
動に伴う輝点の移動を説明する図。
【図22】第2実施形態の第3変形例の制御手順を示す
フローチャート。
【図23】本発明の第3実施形態の画像処理をの構成を
示すブロック図。
【図24】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図25】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図26】第3実施形態における画像データの階層化原
理を説明する図。
【図27】第3実施形態の第1変形例における視点の移
動に伴う輝点の移動を説明する図。
【図28】第3実施形態の第2変形例の制御手順を示す
フローチャート。
【図29】従来のエピポーラプレーン画像を説明する
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 英太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮
    像して得た複数の多視点画像を入力する入力手段と、 被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応点を
    前記複数の多視点画像に亙って同定する同定手段と、 個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを生成する生成手段と、 生成されたパラメトリック画像データを記憶する記憶手
    段とを有する画像処理装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮
    像して得た複数の多視点画像を入力する入力手段と、 被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応点を
    前記複数の多視点画像に亙って同定する同定手段と、 個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを生成する生成手段と、 生成されたパラメトリック画像データと対応する輝点の
    画素値とを記憶する記憶する記憶手段とを有する画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮
    像して得た複数の多視点画像を入力する入力手段と、 被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応点を
    前記複数の多視点画像に亙って同定する同定手段と、 個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを生成する生成手段と、 生成されたパラメトリック画像データを解像度に応じて
    階層化する手段と、 階層化されたパラメトリック画像データを記憶する記憶
    する記憶手段とを有する画像処理装置。
  4. 【請求項4】前記パラメトリック画像データは、個々の
    輝点について同定された対応点の軌跡を近似表現する直
    線の傾き及び切片であることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記入力手段は、予め多数の方向から撮
    影された画像を格納したデータベースから前記多視点画
    像を入力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記入力手段は、1台以上のカメラから
    前記多視点画像を入力するものであることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記同定手段は、前記複数の多視点画像
    から夫々のエピポーラ・プレーン画像を抽出し、抽出し
    たエピポーラ・プレーン画像上で対応点を同定すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処
    理装置。
  8. 【請求項8】 前記同定手段は、前記多視点画像データ
    中で平面状軌跡を検出することを特徴とする請求項1乃
    至7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記生成手段は、対応点を表すパラメト
    リック画像データを量子化することを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記生成手段は、検出された傾きを量
    子化することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装
    置。
  11. 【請求項11】 前記生成手段は、同定された輝点の画
    素値を差分符号化することを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記階層化手段は、輝点について同定
    された対応点を表すパラメトリック画像データを、異な
    る解像度毎に別個に生成することを特徴とする請求項3
    に記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 さらに、各輝点についてのパラメトリ
    ック画像データ及び画素値を圧縮する圧縮手段を具備す
    ることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記圧縮手段は、各輝点についてのパ
    ラメトリック画像データ及び画素値に対してそれぞれ異
    なる圧縮を施すことを特徴とする請求項14に記載の画
    像処理装置。
  15. 【請求項15】 前記圧縮手段は、基準撮像面の各ラス
    タを一方の軸とし、もう一方の直交する軸を対応点の軌
    跡が形成する直線の傾きとした場合に構成される複数の
    平面の相関を用いて圧縮を施すことを特徴とする請求項
    13または14に記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 前記階層化手段は、パラメトリック画
    像データを記録する空間の解像度を多段階に順に下げて
    階層化することを特徴とする請求項3に記載の画像処理
    装置。
  17. 【請求項17】 エピポーラプレーンイメージ化された
    多視点画像から生成されたパラメトリック画像データを
    読出可能に記憶する記憶手段と、 観察者の目の位置を検出する検出手段と、 前記検出手段で検出された観察者の視点位置に基づい
    て、該位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から
    読み出したパラメトリック画像データから生成する画像
    生成手段と、 生成された画像を出力する画像出力手段を備えたことを
    特徴とする画像処理装置。
  18. 【請求項18】 エピポーラプレーンイメージ化された
    多視点画像から所定の圧縮方法により圧縮されて生成さ
    れたパラメトリック画像データを読出可能に記憶する記
    憶手段と、 観察者の目の位置を検出する検出手段と、 前記検出手段で検出された観察者の視点位置に関連する
    パラメトリック画像データを全記憶手段から読み出して
    伸張する伸張手段と、 前記検出手段で検出された観察者の視点位置を視点とす
    る再生画像を、前記記憶手段から読み出した前記パラメ
    トリック画像データから生成する画像生成手段と、 生成された再生画像を出力する画像出力手段を備えたこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  19. 【請求項19】 前記パラメトリック画像データは、前
    もって、 それぞれ異なる位置から同じ被写体を撮像して得た複数
    の多視点画像から、前記被写体のそれぞれの輝点の、前
    記複数の多視点画像に亙る軌跡を表すものとして得たパ
    ラメトリック画像データデータであることを特徴とする
    請求項17または18に記載の画像処理装置。
  20. 【請求項20】 前記検出手段はさらに観察者の視線を
    検出し、前記画像生成手段は、前記再生画像を、前記検
    出手段が検出した視点位置と視線とに基づいて、前記記
    憶手段から読み出したパラメトリック画像データから生
    成することを特徴とする請求項17乃至19のいずれか
    に記載の画像処理装置。
  21. 【請求項21】 前記画像出力手段は表示装置であるこ
    とを特徴とする請求項17乃至20のいずれかに記載の
    画像処理装置。
  22. 【請求項22】 前記画像生成手段は、パラメトリック
    画像データ中の直線状軌跡データに対応する3次元空間
    内の輝点を画像面上に投影することを特徴とする請求項
    19に記載の画像処理装置。
  23. 【請求項23】 前記画像生成手段は、パラメトリック
    画像データ中の平面状軌跡データに対応する3次元空間
    内の輝点を画像面上に投影することを特徴とする請求項
    19に記載の画像処理装置。
  24. 【請求項24】 前記画像生成手段が生成した画像のゆ
    がみを補正する歪み補正手段をさらに備えたことを特徴
    とする請求項17乃至23のいずれかに記載の画像処理
    装置。
  25. 【請求項25】 前記表示装置はステレオディスプレイ
    であることを特徴とする請求項21に記載の画像処理装
    置。
  26. 【請求項26】 前記表示装置は円弧状の表示面をもつ
    ディスプレイであることを特徴とする請求項21または
    25に記載の画像処理装置。
  27. 【請求項27】 前記画像生成手段は、検出された視線
    に基づいて処理範囲を視線方向に限定することを特徴と
    する請求項20に記載の画像処理装置。
  28. 【請求項28】 前記検出手段は、観察者の目の位置
    を、前記多視点画像の撮像方向に平行な方向で検出し、
    前記画像生成手段は、前記観察者の目の検出された方向
    の位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から読み
    出したパラメトリック画像データから生成することを特
    徴とする請求項17乃至27のいずれかに記載の画像処
    理装置。
  29. 【請求項29】 前記検出手段は、観察者の目の位置
    を、前記多視点画像の撮像方向に平行な第1の方向と、
    この第1の方向に垂直な方向であって水平面内に含まれ
    る第2の方向とで検出し、前記画像生成手段は、前記観
    察者の目の検出された前記第1の方向と第2の方向にお
    ける位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から読
    み出したパラメトリック画像データから生成することを
    特徴とする請求項17乃至28のいずれかに記載の画像
    処理装置。
  30. 【請求項30】 前記検出手段は、観察者の目の位置
    を、前記多視点画像の撮像方向に平行な第1の方向と、
    この第1の方向に垂直な方向であって水平面内に含まれ
    る第2の方向と、前記第1と第2の方向に垂直な第3の
    方向とで検出し、前記画像生成手段は、前記観察者の目
    の検出された前記第1の方向と第2の方向と第3の方向
    とにおける位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段
    から読み出したパラメトリック画像データから生成する
    ことを特徴とする請求項17乃至29のいずれかに記載
    の画像処理装置。
  31. 【請求項31】 それぞれ異なる位置から同じ被写体を
    撮像して得た複数の多視点画像を入力する入力手段と、 被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応点を
    前記複数の多視点画像に亙って同定する同定手段と、 個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを生成する生成手段と、 生成されたパラメトリック画像データを記憶する記憶手
    段観察者の目の位置を検出する検出手段と、 前記検出手段で検出された観察者の視点位置に基づい
    て、該位置を視点とする再生画像を、前記記憶手段から
    読み出したパラメトリック画像データ基づいて生成する
    画像生成手段とを具備する画像処理装置。
  32. 【請求項32】 前記画像出力装置の解像度を検出する
    手段をさらに有し、 前記生成手段は、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを、異なる解像度毎に別個に
    生成し、 前記記憶手段は解像度毎に生成されたパラメトリック画
    像データを記憶する生成されたパラメトリック画像デー
    タを記憶し、 前記画像生成手段は、検出された解像度に応じて、前記
    記憶手段から読み出すパラメトリック画像データデータ
    を制御することを特徴とする請求項24に記載の画像処
    理装置。
  33. 【請求項33】 前記画像生成手段は検出された視点位
    置に基づいて、前期パラメトリック画像データに対して
    内挿処理を行うことを特徴とする請求項17乃至32の
    いずれかに記載の画像処理装置。
  34. 【請求項34】 それぞれ異なる位置から同じ被写体を
    撮像して得た複数の多視点画像を入力する入力工程と、 被写体のそれぞれの輝点について、前記輝点の対応点を
    前記複数の多視点画像に亙って同定する同定工程と、 個々の輝点毎に、輝点について同定された対応点を表す
    パラメトリック画像データを生成する生成工程と、 生成されたパラメトリック画像データを記憶する記憶工
    程と、 観察者の目の位置を検出する検出工程と、 検出された観察者の視点位置に基づいて、該位置を視点
    とする再生画像を、前記記憶手段から読み出したパラメ
    トリック画像データから生成し、その再生画像を出力す
    る出力工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
  35. 【請求項35】 前記記憶工程において、個々の輝点毎
    に、輝点について同定された対応点を表すパラメトリッ
    ク画像データと、当該輝点の画素データとを併せて記憶
    し、 前記画像生成工程において、検出された視点に対応する
    パラメトリック画像データに対して、内挿補間処理を行
    うことを特徴とすることを特徴とする請求項34に記載
    の画像処理方法。
  36. 【請求項36】 さらに、生成されたパラメトリック画
    像データを解像度に応じて階層化する階層化工程を有す
    ることを特徴とする請求項34乃至35のいずれかに記
    載の画像処理方法。
  37. 【請求項37】 前記パラメトリック画像データは、個
    々の輝点について同定された対応点の軌跡を近似表現す
    る直線の傾き及び切片であることを特徴とする請求項3
    4乃至36のいずれかに記載の画像処理方法。
  38. 【請求項38】 前記入力工程では、予め多数の方向か
    ら撮影された画像を格納したデータベースから前記多視
    点画像を入力することを特徴とする請求項34乃至37
    のいずれかに記載の画像処理方法。
  39. 【請求項39】 前記入力工程は、1台以上のカメラか
    ら前記多視点画像を入力することを特徴とする請求項3
    4乃至38のいずれかに記載の画像処理方法。
  40. 【請求項40】 前記同定工程は、前記複数の多視点画
    像から夫々のエピポーラ・プレーン画像を抽出し、抽出
    したエピポーラ・プレーン画像上で対応点を同定するこ
    とを特徴とする請求項34乃至39のいずれかに記載の
    画像処理方法。
  41. 【請求項41】 前記同定工程は、前記多視点画像デー
    タ中で平面状軌跡を検出することを特徴とする請求項3
    4乃至40のいずれかに記載の画像処理方法。
  42. 【請求項42】 前記生成工程は、対応点を表すパラメ
    トリック画像データを量子化することを特徴とする請求
    項34乃至41のいずれかに記載の画像処理方法。
  43. 【請求項43】 前記生成工程は、検出された傾きを量
    子化することを特徴とする請求項35に記載の画像処理
    方法。
  44. 【請求項44】 前記生成工程は、同定された輝点の画
    素値を差分符号化することを特徴とする請求項34乃至
    43のいずれかに記載の画像処理方法。
  45. 【請求項45】 前記階層化工程は、輝点について同定
    された対応点を表すパラメトリック画像データを、異な
    る解像度毎に別個に生成することを特徴とする請求項3
    6に記載の画像処理方法。
  46. 【請求項46】 さらに、各輝点についてのパラメトリ
    ック画像データ及び画素値を圧縮する圧縮工程を具備す
    ることを特徴とする請求項35に記載の画像処理方法。
  47. 【請求項47】 前記圧縮工程は、各輝点についてのパ
    ラメトリック画像データ及び画素値に対してそれぞれ異
    なる圧縮を施すことを特徴とする請求項46に記載の画
    像処理方法。
  48. 【請求項48】 前記圧縮工程は、基準撮像面の各ラス
    タを一方の軸とし、もう一方の直交する軸を対応点の軌
    跡が形成する直線の傾きとした場合に構成される複数の
    平面の相関を用いて圧縮を施すことを特徴とする請求項
    46または47に記載の画像処理方法。
  49. 【請求項49】 前記階層化工程は、パラメトリック画
    像データを記録する空間の解像度を多段階に順に下げて
    階層化することを特徴とする請求項36に記載の画像処
    理方法。
JP8097134A 1996-04-18 1996-04-18 画像処理装置及び画像処理方法 Withdrawn JPH09284809A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004512701A (ja) * 2000-04-19 2004-04-22 イッサム リサーチ ディベロップメント カンパニー オブ ザ ヘブリュー ユニバーシティ オブ エルサレム 立体パノラマ画像の撮像と表示を行うシステムと方法
JP2004265396A (ja) * 2003-02-13 2004-09-24 Vingo:Kk 映像生成システム及び映像生成方法

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