JPH09279270A - 耐摩耗性、耐熱性および耐食性を備えた軽量なAl基複合部材 - Google Patents

耐摩耗性、耐熱性および耐食性を備えた軽量なAl基複合部材

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JPH09279270A
JPH09279270A JP8088235A JP8823596A JPH09279270A JP H09279270 A JPH09279270 A JP H09279270A JP 8088235 A JP8088235 A JP 8088235A JP 8823596 A JP8823596 A JP 8823596A JP H09279270 A JPH09279270 A JP H09279270A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストの上昇を抑制され、且つ耐摩耗
性、耐熱性および耐食性を備えた軽量な複合ブレーキデ
ィスクを提供する。 【解決手段】 複合ブレーキディスク1は、その全体
を、多孔質アルミナプレフォーム51 とその多孔質アル
ミナプレフォーム51 に含浸されたAl系マトリックス
6とからなる複合部より構成される。多孔質アルミナプ
レフォーム51 の原料粉末としては、平均粒径d1 が2
0μm≦d1 ≦200μmで、安価なか焼アルミナ粉末
7と平均粒径d2 が0.5μm≦d2 ≦10μmの粉砕
アルミナ粉末8との混合粉末が用いられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性、耐熱性お
よび耐食性を備えた軽量なAl基複合部材、特に、部材
の少なくとも一部を複合部より構成されたAl基複合部
材に関する。
【0002】この種部材には、例えば、自動車部品にお
いて、全体を複合部より構成された複合ブレーキディス
ク、シリンダボア回りを複合部より構成された複合シリ
ンダブロック等が含まれる。
【0003】
【従来の技術】例えば、自動車用ブレーキディスクに
は、摩擦係数が安定していること、耐摩耗性、高熱伝導
性および耐熱性を有すること等が要求される。この場
合、前記耐熱性には高温強度、耐熱変形性等が含まれ
る。
【0004】この要求特性を満たすべく、従来のブレー
キディスクはその全体を鋳鉄より構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳鉄は
比重が高く、したがって、従来の鋳鉄製ブレーキディス
クは現在の車両軽量化の要請にそぐわず、また錆易く耐
食性が低い、という問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複合部におけ
る強化材として多孔質アルミナプレフォームを用い、ま
たマトリックスをAl系マトリックスとすることによ
り、軽量化および耐食性の向上を達成されると共にその
多孔質アルミナプレフォームを用いたことによる生産コ
ストの上昇を抑制され、しかもその他の特性が鋳鉄製部
材と同等若しくはそれ以上であるAl基複合部材を提供
することを目的とする。
【0007】前記目的を達成するため本発明によれば、
部材の少なくとも一部を、多孔質アルミナプレフォーム
とその多孔質アルミナプレフォームに含浸されたAl系
マトリックスとからなる複合部より構成され、前記多孔
質アルミナプレフォームの原料粉末として、平均粒径d
1 が20μm≦d1 ≦200μmのか焼アルミナ粉末と
平均粒径d2 が0.5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アル
ミナ粉末との混合粉末が用いられているAl基複合部材
が提供される。
【0008】前記か焼アルミナ粉末は、バイヤー法の水
酸化アルミニウムから得られ、且つ粉砕処理を施されて
いないものであって、10μm以下のアルミナ単結晶の
凝集体である。
【0009】したがって、か焼アルミナ粉末は、それを
粉砕して得られる粉砕アルミナ粉末に比べて安価である
といった利点を有するが、その平均粒径d1 が20μm
≦d 1 ≦200μmと大きいことからか焼アルミナ粉末
を単独で用いた場合には、複合部における多孔質アルミ
ナプレフォームの体積分率Vfは低くなる。例えば、平
均粒径d1 がd1 =20μmのか焼アルミナ粉末を用い
た場合、多孔質アルミナプレフォームの体積分率Vfは
Vf≒32%であり、平均粒径d1 がd1 =200μm
のか焼アルミナ粉末を用いた場合、多孔質アルミナプレ
フォームの体積分率VfはVf≒25%となる。
【0010】Al基複合部材の一例である複合ブレーキ
ディスク、例えば、全体を複合部より構成され、且つ多
孔質アルミナプレフォームが均質である複合ブレーキデ
ィスクにおいては、その複合ディスク部の摺動特性等を
考慮すると、多孔質アルミナプレフォームには約60%
の体積分率Vfを持つことが要求される。
【0011】そこで、か焼アルミナ粉末に、平均粒径d
2 が0.5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末を
併用するもので、これにより、多孔質アルミナプレフォ
ームにおいて、か焼アルミナ粉末の粒子相互間の空隙を
粉砕アルミナ粉末の粒子により埋めて、その多孔質アル
ミナプレフォームの体積分率Vfを高めることが可能と
なる。
【0012】この場合、混合粉末において、安価なか焼
アルミナ粉末の配合量を50重量%以上に高めることが
できるので、多孔質アルミナプレフォームを用いたこと
によるAl基複合部材の生産コストの上昇を抑制するこ
とが可能である。
【0013】またAl基複合部材は、鋳鉄製部材および
一部を鋳鉄より構成されたAl系部材に比べて軽量であ
ると共に鋳鉄製部材およびAl系部材の鋳鉄製構成部よ
りも優れた耐摩耗性、耐食性、熱伝導性および摩擦係数
の安定性を有する。その上、耐熱性および機械加工性に
ついては、Al基複合部材は鋳鉄製部材および鋳鉄製構
成部と同等である。
【0014】ただし、か焼アルミナ粉末および粉砕アル
ミナ粉末の平均粒径d1 ,d2 がそれぞれ前記範囲を逸
脱すると、多孔質アルミナプレフォームの体積分率Vf
の調整が困難となる。
【0015】また前記目的を達成するため本発明によれ
ば、部材の少なくとも一部を、多孔質アルミナプレフォ
ームとその多孔質アルミナプレフォームに含浸されたA
l系マトリックスとからなる複合部より構成され、前記
複合部はその一部に摺動領域を有し、前記多孔質アルミ
ナプレフォームは前記摺動領域を強化するための第1強
化部と、その第1強化部と一体の第2強化部とを備え、
前記第1強化部の原料粉末として、平均粒径d1 が20
μm≦d1 ≦200μmのか焼アルミナ粉末と平均粒径
2 が0.5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末
との混合粉末が用いられ、前記第2強化部の原料粉末と
して、平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦200μmのか
焼アルミナ粉末が用いられているAl基複合部材が提供
される。
【0016】前記摺動領域を強化する第1強化部におい
ては両粉末が併用されているので、その第1強化部の体
積分率Vfを高めて、摺動領域に耐摩耗性および摩擦係
数の安定性を具備させることができる。
【0017】また多孔質アルミナプレフォームの主体を
なす第2強化部には安価なか焼アルミナ粉末のみが用い
られているので、前記の場合よりも多孔質アルミナプレ
フォームの生産コストを低減することが可能である。
【0018】さらにAl基複合部材は前記同様に軽量で
あり、その上優れた耐食性および熱伝導性を有する。
【0019】第2強化部の体積分率Vfは第1強化部の
それに比べて低くなるが、Al系マトリックスとの複合
化により十分な強度が得られるので、実用上何等支障は
ない。
【0020】なお、か焼アルミナ粉末および粉砕アルミ
ナ粉末の平均粒径d1 ,d2 の限定理由は前記と同じで
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕図1,2は、全体を複合部より構成された
Al基複合部材としての自動車用複合ブレーキディスク
1の一例を示す。その複合ブレーキディスク1は、端板
2を備えた円筒部3およびその円筒部3の開口外周縁に
連設されたフランジ状ディスク部4を有する多孔質アル
ミナプレフォーム51 と、その多孔質アルミナプレフォ
ーム51 に含浸されたAl系マトリックス6とより構成
される。
【0022】複合ブレーキディスク1において、その複
合端板1aはそれに形成された複数のボルト挿通孔1b
およびボルト・ナットを介してホイールリムに取付けら
れ、また複合ディスク部1cは一対の摩擦パット間に配
設される。
【0023】多孔質アルミナプレフォーム51 の原料粉
末としては、平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦200μ
mのか焼アルミナ粉末7と平均粒径d2 が0.5μm≦
2≦10μmの粉砕アルミナ粉末8との混合粉末が用
いられている。Al系マトリックスは、AlまたはAl
合金よりなる。
【0024】前記のように両粉末7,8を併用すると、
多孔質アルミナプレフォーム51 において、粗大なか焼
アルミナ粉末7の粒子相互間の空隙を粉砕アルミナ粉末
8の粒子により埋めて、その多孔質アルミナプレフォー
ム51 の体積分率Vfを高めることが可能となる。
【0025】この場合、混合粉末において、安価なか焼
アルミナ粉末7の配合量を50重量%以上に高めること
ができるので、多孔質アルミナプレフォーム51 を用い
たことによる複合ブレーキディスク1の生産コストの上
昇を抑制することが可能である。
【0026】また、この複合ブレーキディスク1は、鋳
鉄製ブレーキディスクに比べて格段に軽量であると共に
鋳鉄製ブレーキディスクよりも優れた耐摩耗性、耐食
性、熱伝導性および摩擦係数の安定性を有する。その
上、耐熱性および機械加工性については、複合ブレーキ
ディスク1は鋳鉄製ブレーキディスクと同等である。
【0027】複合ブレーキディスク1の製造に当って
は、多孔質アルミナプレフォーム51の成形、その多孔
質アルミナプレフォーム51 へのAl溶湯またはAl合
金溶湯の含浸および所定の機械加工、といった作業が順
次行われる。
【0028】多孔質アルミナプレフォーム51 の成形は
次のような手順で行われる。
【0029】(1) 平均粒径d1 が20μm≦d1
200μmのか焼アルミナ粉末7と平均粒径d2 が0.
5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末8とを混合
して混合粉末を調製する。
【0030】この混合粉末において、か焼アルミナ粉末
7の配合量A1 は50重量%≦A1≦80重量%に、ま
た粉砕アルミナ粉末8の配合量A2 は20重量%≦A2
≦50重量%にそれぞれ設定される。この場合、か焼ア
ルミナ粉末7の配合量A1 がA1 <50重量%では複合
ブレーキディスク1の経済性が損われ、一方、A1 >8
0重量%では、粉砕アルミナ粉末8の配合量が過少とな
るため、それら粉砕アルミナ粉末8の粒子によりか焼ア
ルミナ粉末7の粒子相互間の空隙を十分に埋めることが
できず、その結果、多孔質アルミナプレフォーム51
体積分率Vfを目標通りに高めることができなくなる。
【0031】前記混合粉末には、多孔質アルミナプレフ
ォーム51 の強度向上を狙ってバインダが混入される。
この種のバインダとしては、主として有機バインダが用
いられ、その有機バインダにはポリマーバインダ等が該
当する。
【0032】バインダの配合量Bは、混合粉末とバイン
ダとよりなる原料において、1重量%≦B≦2重量%に
設定される。この場合、バインダの配合量BがB<1重
量%では、その配合量が過少となるため多孔質アルミナ
プレフォーム51 の強度を向上させることができず、一
方、B>2重量%に設定しても、多孔質アルミナプレフ
ォーム51 の強度は殆ど変わらない。したがって、必要
以上のバインダを使用することによる多孔質アルミナプ
レフォーム51 の生産コスト増を招くだけである。
【0033】(2) 図3に示すように、圧縮成形型9
における下型10の多孔質アルミナプレフォーム成形用
キャビティ11内に原料12を投入し、次いで原料12
を100〜200℃に加熱して有機バインダを溶融し、
その後、図4に示すように上型13を下降させ、成形圧
Pを3kgf/cm2 ≦P≦10kgf/cm2 に設定して圧縮
成形を行い、これにより多孔質アルミナプレフォーム5
1 を得る。この場合、成形圧PがP<3kgf/cm2 では
十分な成形を行うことができず、一方、P>10kgf/
cm2 に設定する必要はなく、徒に加圧設備の高騰を招く
だけである。
【0034】多孔質アルミナプレフォーム51 へのAl
溶湯またはAl合金溶湯の含浸は次のような手順で行わ
れる。
【0035】図5に示すように、多孔質アルミナプレフ
ォーム51 を金型14の凹部15内に設置し、次いで多
孔質アルミナプレフォーム51 を300〜500℃(有
機バインダがセラミック化しない温度)に予熱し、その
後、多孔質アルミナプレフォーム51 を金型14と共に
窒素ガス雰囲気に保持された炉内に設置する。そして、
700〜900℃のAl溶湯またはAl合金溶湯16を
凹部15内に注入して、その溶湯16内に多孔質アルミ
ナプレフォーム51 を埋没させ、この状態を1〜60分
間保持する。この間に、Al溶湯等16が多孔質アルミ
ナプレフォーム51 の孔部内に毛管現象により含浸され
て複合ブレーキディスク素材が得られ、その後Al溶湯
等16は凝固する。
【0036】炉内から複合ブレーキディスク素材と共に
金型14を取出して空冷し、次いで、複合ブレーキディ
スク素材を離型する。
【0037】Al合金としては、例えば、JIS AC
7A等が用いられる。
【0038】複合ブレーキディスク素材に対する機械加
工は、過剰のAl部分またはAl合金部分を除去するた
めの切削加工、ボルト挿通孔1bを形成するための孔あ
け加工等である。
【0039】以下、複合ブレーキディスク1の製造につ
いて具体的に説明する。
【0040】(1) 平均粒径d1 =55μmのか焼ア
ルミナ粉末70重量%と、平均粒径d2 =2.5μmの
粉砕アルミナ粉末30重量%とを混合して混合粉末を調
製した。次いで、混合粉末に配合量B=1.5重量%の
ポリマーバインダを混入して原料を調製した。
【0041】(2) 図3に示すように、圧縮成形型9
の下型キャビティ11内に2kgの原料12を投入し、次
いで原料12を150℃に加熱してポリマーバインダを
溶融し、その後、図4に示したように上型13を下降さ
せ、成形圧P=7kgf/cm2にて圧縮成形を行い、これ
により体積分率Vf=60%の多孔質アルミナプレフォ
ーム51 を得た。
【0042】(3) 図5に示したように、多孔質アル
ミナプレフォーム51 を金型14の凹部15内に設置
し、次いで多孔質アルミナプレフォーム51 を400℃
に予熱し、その後、多孔質アルミナプレフォーム51
金型14と共に窒素ガス雰囲気に保持された炉内に設置
した。そして、800℃のAl溶湯16を凹部15内に
注入して、そのAl溶湯16内に多孔質アルミナプレフ
ォーム51 を埋没させ、この状態を30分間保持して複
合ブレーキディスク素材を得た。
【0043】炉内から複合ブレーキディスク素材と共に
金型14を取出して空冷し、次いで複合ブレーキディス
ク素材を離型した。
【0044】(4) 複合ブレーキディスク素材に機械
加工を施して、図1,2に示した複合ブレーキディスク
1を得た。
【0045】次に、複合ブレーキディスク1および鋳鉄
製ブレーキディスク(JIS FC250)について、
それらの特性を比較したところ、次のような結果を得
た。
【0046】(1) 軽量性 複合ブレーキディスク1の比重sはs=3であり、一方
鋳鉄製ブレーキディスクの比重sはs=7であった。こ
のことから、複合ブレーキディスク1の重量は鋳鉄製ブ
レーキディスクの重量の約2分の1であることが判明し
た。
【0047】(2) 耐摩耗性および鳴き 複合ブレーキディスク1および鋳鉄製ブレーキディスク
をそれぞれ自動車のディスクブレーキ装置に組込んだ。
この場合、両摩擦パットとしては、グラファイト、アラ
ミド繊維およびフェノール樹脂よりなるものを選定し
た。
【0048】そして、走行距離50000km後におけ
る、複合ブレーキディスク1および摩擦パットの組合せ
例1ならびに鋳鉄製ブレーキディスクおよび摩擦パット
の組合せ例2について、ディスクおよびパットの摩耗量
を測定した。表1は測定結果を示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、組合せ例1にお
ける複合ブレーキディスク1および摩擦パットの各摩耗
量は、組合せ例2における鋳鉄製ブレーキディスクおよ
び摩擦パットの各摩耗量の2分の1である。したがっ
て、複合ブレーキディスク1は鋳鉄製ブレーキディスク
に比べて優れた耐摩耗性を有するだけでなく、相手部材
である摩擦パットの摩耗を抑制する、という特性を有す
ることが判明した。
【0051】また制動時における鳴きについて調べたと
ころ、その鳴きは複合ブレーキディスク1の場合、全く
気にならないレベルであったが、鋳鉄製ブレーキディス
クの場合、気になるレベルであり、したがって複合ブレ
ーキディスク1はブレーキノイズ抑制効果を有すること
が判明した。
【0052】(3) 耐食性 複合ブレーキディスク1および鋳鉄製ブレーキディスク
について、塩水噴霧試験を行った。この試験は、JIS
Z2371に則って行われ、噴霧時間は1000時間
に設定された。
【0053】前記試験後、目視検査を行ったところ、複
合ブレーキディスク1には錆が僅かに発生していたが、
鋳鉄製ブレーキディスクには赤錆が著しく発生してい
た。
【0054】また腐食減量は、複合ブレーキディスク1
の場合、1.8gであったが、鋳鉄製ブレーキディスク
の場合、21gであって、複合ブレーキディスク1の腐
食減量は鋳鉄製ブレーキディスクのそれの約10分の1
であった。
【0055】これらのことから、複合ブレーキディスク
1は鋳鉄製ブレーキディスクに比べて優れた耐食性を有
することが判明した。
【0056】(4) 摩擦係数μの安定性 複合ブレーキディスク1を備えたディスクブレーキ装置
および鋳鉄製ブレーキディスクを備えたディスクブレー
キ装置をそれぞれブレーキダイナモに取付け、複合ブレ
ーキディスク1および鋳鉄製ブレーキディスクについ
て、50〜250℃の温度領域における摩擦係数μの変
化量および0.3〜1.2G(Gは動力加速度)の減速
度領域における摩擦係数μの変化量を測定した。表2は
測定結果を示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2から明らかなように、前記温度領域に
おける摩擦係数μの変化量については、複合ブレーキデ
ィスク1は鋳鉄製ブレーキディスクの約5分の1であ
り、また前記減速度領域における摩擦係数μの変化量に
ついては、複合ブレーキディスク1は鋳鉄製ブレーキデ
ィスクの約3分の1であった。
【0059】これらのことから、複合ブレーキディスク
1は温度および減速度がそれぞれ変化しても、鋳鉄製ブ
レーキディスクに比べて安定した摩擦係数μを有するこ
とが判明した。
【0060】〔実施例2〕図6は、全体を複合部より構
成されたAl基複合部材としての自動車用複合ブレーキ
ディスク1の他例を示す。その複合ブレーキディスク1
は、実施例1同様に、端板2を備えた円筒部3およびそ
の円筒部3の開口外周縁に連設されたフランジ状ディス
ク部4を有する多孔質アルミナプレフォーム52 と、そ
の多孔質アルミナプレフォーム52 に含浸されたAl系
マトリックス6とより構成される。
【0061】複合ブレーキディスク1において、その複
合端板1aはそれに形成された複数のボルト挿通孔1b
およびボルト・ナットを介してホイールリムに取付けら
れ、また複合ディスク部1cは一対の摩擦パット間に配
設される。したがって複合ディスク部1cはその一部、
図示例では両外面側にそれぞれ環状摺動領域Rを有す
る。複合ディスク部1cにおいて、両摺動領域Rを除く
環状部分aおよびその環状部分aと一体の、複合端板1
aを備えた複合円筒部1dは複合ブレーキディスク1の
本体Mを構成する。
【0062】多孔質アルミナプレフォーム52 は、両摺
動領域Rをそれぞれ強化するための一対の環状第1強化
部5aと、各第1強化部5aと一体で、且つ本体Mを強
化するための第2強化部5bとを備えている。
【0063】各環状第1強化部5aの原料粉末として
は、実施例1同様に平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦2
00μmのか焼アルミナ粉末7と平均粒径d2 が0.5
μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末8との混合粉
末が用いられ、また第2強化部5bの原料粉末として
は、平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦200μmの前記
か焼アルミナ粉末7が用いられている。Al系マトリッ
クスは、実施例1同様にAlまたはAl合金よりなる。
【0064】前記のように各環状第1強化部5aにおい
て両粉末7,8を併用すると、粗大なか焼アルミナ粉末
7の粒子相互間の空隙を粉砕アルミナ粉末8の粒子によ
り埋めて、各環状第1強化部5aの体積分率Vfを高め
ることができ、これにより各環状摺動領域Rに、実施例
1同様の摺動特性を具備させることが可能である。
【0065】多孔質アルミナプレフォーム52 の主体を
なす第2強化部5bには安価なか焼アルミナ粉末7のみ
が用いられているので、実施例1の場合よりも多孔質ア
ルミナプレフォーム52 の生産コストを低減することが
可能である。
【0066】さらに複合ブレーキディスク1は、実施例
1同様に、軽量であり、その上優れた耐食性および熱伝
導性を有する。
【0067】複合ブレーキディスク1の製造に当って
は、実施例1同様に、多孔質アルミナプレフォーム52
の成形、その多孔質アルミナプレフォーム52 へのAl
溶湯またはAl合金溶湯の含浸および所定の機械加工、
といった作業が順次行われる。
【0068】多孔質アルミナプレフォーム52 の成形は
次のような手順で行われる。
【0069】(1) 平均粒径d1 が20μm≦d1
200μmのか焼アルミナ粉末7と平均粒径d2 が0.
5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末8とを混合
して混合粉末を調製する。この混合粉末においては、実
施例1と同様の理由で、か焼アルミナ粉末7の配合量A
1 は50重量%≦A1 ≦80重量%に、また粉砕アルミ
ナ粉末8の配合量A2 は20重量%≦A2 ≦50重量%
にそれぞれ設定される。
【0070】前記混合粉末に、多孔質アルミナプレフォ
ーム52 の強度向上を狙って実施例1同様のバインダを
混入し、これにより環状第1強化部5aを成形するため
の第1原料が調製される。バインダの配合量Bは、実施
例1同様に、第1原料において、1重量%≦B≦2重量
%に設定される。
【0071】また平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦20
0μmのか焼アルミナ粉末7に実施例1同様のバインダ
を混入し、これにより第2強化部5bを成形するための
第2原料が調製される。バインダの配合量Bは、第1原
料の場合と同じである。
【0072】(2) 図7に示すように、圧縮成形型9
の下型キャビティ11内において、ディスク部4を成形
するための環状段部17上に第1原料121 を均一厚さ
に散布し、次いで第1原料121 を100〜200℃に
加熱して有機バインダを溶融し、その後、図8に示すよ
うに上型13を下降させ、実施例1同様に、成形圧Pを
3kgf/cm2 ≦P≦10kgf/cm2 に設定して圧縮成形
を行い、これにより、一方の環状第1強化部5aを成形
する。
【0073】(3) 図9、鎖線示のように、下型キャ
ビティ11内に、一方の環状第1強化部5aを覆うよう
に第2原料122 を投入し、次いで第2原料122 を1
00〜200℃に加熱して有機バインダを溶融し、その
後、図9実線示のように上型13を下降させ、前記同様
の成形圧P、即ち、3kgf/cm2 ≦P≦10kgf/cm 2
にて圧縮成形を行い、これにより第2強化部5bを成形
する。
【0074】(4) 図10、鎖線示のように、下型キ
ャビティ11内において、第2強化部5bの環状部分a
上に第1原料121 を均一厚さに散布し、次いで第1原
料121 を100〜200℃に加熱して有機バインダを
溶融し、その後、図10、実線示のように上型13を下
降させ、前記同様の成形圧P、即ち、3kgf/cm2 ≦P
≦10kgf/cm2 にて圧縮成形を行い、これにより、他
方の環状第1強化部5aを成形して多孔質アルミナプレ
フォーム52 を得る。
【0075】多孔質アルミナプレフォーム52 へのAl
溶湯またはAl合金溶湯の含浸は、図5に示したように
実施例1と同様の方法で行われ、これによりブレーキデ
ィスク素材を得る。
【0076】炉内から複合ブレーキディスク素材と共に
金型4を取出して空冷し、次いで、複合ブレーキディス
ク素材を離型する。
【0077】Al合金としては、実施例1同様に、例え
ば、JIS AC7A等が用いられる。
【0078】複合ブレーキディスク素材に対する機械加
工は、実施例1同様に、過剰のAl部分またはAl合金
部分を除去するための切削加工、ボルト挿通孔1bを形
成するための孔あけ加工等である。
【0079】以下、複合ブレーキディスク1の製造につ
いて具体的に説明する。
【0080】(1) 前記同様に、平均粒径d1 =55
μmのか焼アルミナ粉末70重量%と、平均粒径d2
2.5μmの粉砕アルミナ粉末30重量%とを混合して
混合粉末を調製した。次いで、混合粉末に1.5重量%
のポリマーバインダを混入して、環状第1強化部5aを
成形するための第1原料を調製した。
【0081】また平均粒径d1 =55μmのか焼アルミ
ナ粉末に1.5重量%のポリマーバインダを混入して、
第2強化部5bを成形するための第2原料を調製した。
【0082】(2) 図7に示したように、圧縮成形型
9の下型キャビティ11内において、ディスク部4を成
形するための環状段部17上に0.14kgの第1原料1
1を均一厚さに散布し、次いで第1原料121 を15
0℃に加熱してポリマーバインダを溶融し、その後、図
8に示したように上型13を下降させ、成形圧P=7kg
f/cm2 にて圧縮成形を行い、これにより一方の環状第
1強化部5aを成形した。
【0083】(3) 図9、鎖線示のように、下型キャ
ビティ11内に、一方の環状第1強化部5aを覆うよう
に1.86kgの第2原料122 を投入し、次いで第2原
料122 を150℃に加熱してポリマーバインダを溶融
し、その後、図9、実線示のように上型13を下降さ
せ、成形圧P=7kgf/cm2 にて圧縮成形を行い、これ
により、第2強化部5bを成形した。
【0084】(4) 図10、鎖線示のように、下型キ
ャビティ11内において、第2強化部5bの環状部分a
上に0.14kgの第1原料121 を均一厚さに散布し、
次いで第1原料121 を150℃に加熱してポリマーバ
インダを溶融し、その後、図10、実線示のように上型
13を下降させ、成形圧P=7kgf/cm2 にて圧縮成形
を行い、これにより、他方の環状第1強化部5aを成形
して多孔質アルミナプレフォーム52 を得た。この多孔
質アルミナプレフォーム52 において、各環状第1強化
部5aの体積分率VfはVf=60%であり、また第2
強化部5bの体積分率VfはVf=30%であった。
【0085】(5) 図5に示した場合と同様に、多孔
質アルミナプレフォーム52 を金型14の凹部15内に
設置し、次いで実施例1、(3)項で述べた方法と同様
の方法で多孔質アルミナプレフォーム52 にAl溶湯1
6を含浸させて複合ブレーキディスク素材を得た。
【0086】炉内から複合ブレーキディスク素材と共に
金型14を取出して空冷し、次いで複合ブレーキディス
ク素材を離型した。
【0087】(6) 複合ブレーキディスク素材に機械
加工を施して、図6に示した複合ブレーキディスク1を
得た。
【0088】この複合ブレーキディスク1において、そ
の本体Mを強化する第2強化部5bの体積分率VfはV
f=30%であるが、Alとの複合化により十分な強度
が得られるので、実用上何等支障はない。
【0089】また複合ブレーキディスク1の比重sはs
=3であり、したがって軽量であることが判明した。
【0090】さらに複合ブレーキディスク1について、
実施例1と同様の方法で、耐摩耗性および鳴き、耐食性
ならびに摩擦係数μの安定性を調べたところ、実施例1
の複合ブレーキディスク1と同様の特性を有することが
判明した。
【0091】〔実施例3〕表3に挙げられた各種Al基
複合部材は、実施例1同様に、その全体を複合部より構
成されている。表中、d1 ,d2 は前記のように平均粒
径を、またA1 ,A2 ,Bは前記のように配合量をそれ
ぞれ意味する。
【0092】
【表3】
【0093】表3のディスクブレーキにおいて、複合キ
ャリパ、複合裏金および複合ピストンは、それらの重量
がそれぞれ鋳鉄製キャリパ、鋼板製裏金および冷間鍛造
による鋼製のピストンの重量の約2分の1であって、大
幅な軽量化を図られている。
【0094】またエンジン用複合ピストンは従来のAl
合金製ピストンよりも、優れた耐摩耗性、耐熱性(高温
強度、耐熱変形性等を含む)および剛性を有し、これに
よりエンジンの出力性能を向上させることが可能であ
る。
【0095】さらにエンジン用軸受押え(ベアリングキ
ャップ)は、その重量が鋳鉄製軸受押えのそれの約2分
の1であって、大幅な軽量化を図られている。
【0096】実施例1〜3に例示された各種Al基複合
部材は、それらの強化材が多孔質アルミナプレフォーム
であり、またAl系マトリックスがAlまたはAl合金
であるから、そのままAlの製造に用いられ、したがっ
てリサイクル性が良い、といった利点も有する。
【0097】なお、本発明には、部材の一部を複合部よ
り構成されたAl基複合部材、例えは、前記複合シリン
ダブロックの外に、スリッパ面およびその近傍を多孔質
アルミナプレフォームにより強化された複合ロッカアー
ム、部分強化複合シフトフォーク、部分強化複合ブレー
キマスタシリンダ本体等も含まれる。この場合、多孔質
アルミナプレフォームへのAl系マトリックスの含浸
は、部材の鋳造工程で行われる。
【0098】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記のよ
うに構成することによって、生産コストの上昇を抑制さ
れ、且つ耐摩耗性、耐熱性および耐食性を備えた軽量な
Al基複合部材を提供することができる。
【0099】また請求項2記載の発明によれば、前記の
場合よりも生産コストを低減され、且つ前記同様の特性
を備えたAl基複合部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合ブレーキディスクの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】要部を拡大した図1の2−2線拡大断面図であ
る。
【図3】多孔質アルミナプレフォームの一例の成形法に
おいて、キャビティに原料を投入した状態を示す断面図
である。
【図4】多孔質アルミナプレフォームの一例を成形した
状態を示す断面図である。
【図5】多孔質アルミナプレフォームにAl溶湯または
Al合金溶湯を含浸させる状態を示す断面図である。
【図6】要部を拡大した複合ブレーキディスクの他例を
示す拡大断面図で、図2に対応する。
【図7】多孔質アルミナプレフォームの他例の成形法に
おいて、第1強化部の一方を成形すべく、キャビティの
一部に原料を散布した状態を示す断面図である。
【図8】第1強化部の一方を成形した状態を示す断面図
である。
【図9】第2強化部を成形した状態を示す断面図であ
る。
【図10】多孔質アルミナプレフォームの他例を成形し
た状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合ブレーキディスク(Al基複合部材) 51 ,52 多孔質アルミナプレフォーム 5a,5b 第1,第2強化部 6 Al系マトリックス 7 か焼アルミナ粉末 8 粉砕アルミナ粉末 R 摺動領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材の少なくとも一部を、多孔質アルミ
    ナプレフォーム(5 1 )とその多孔質アルミナプレフォ
    ーム(51 )に含浸されたAl系マトリックス(6)と
    からなる複合部より構成され、前記多孔質アルミナプレ
    フォーム(5 1 )の原料粉末として、平均粒径d1 が2
    0μm≦d1 ≦200μmのか焼アルミナ粉末(7)と
    平均粒径d2 が0.5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アル
    ミナ粉末(8)との混合粉末が用いられていることを特
    徴とする、耐摩耗性、耐熱性および耐食性を備えた軽量
    なAl基複合部材。
  2. 【請求項2】 部材の少なくとも一部を、多孔質アルミ
    ナプレフォーム(5 2 )とその多孔質アルミナプレフォ
    ーム(52 )に含浸されたAl系マトリックス(6)と
    からなる複合部より構成され、前記複合部はその一部に
    摺動領域(R)を有し、前記多孔質アルミナプレフォー
    ム(52 )は前記摺動領域(R)を強化するための第1
    強化部(5a)と、その第1強化部(5a)と一体の第
    2強化部(5b)とを備え、前記第1強化部(5a)の
    原料粉末として、平均粒径d1が20μm≦d1 ≦20
    0μmのか焼アルミナ粉末(7)と平均粒径d2 が0.
    5μm≦d2 ≦10μmの粉砕アルミナ粉末(8)との
    混合粉末が用いられ、前記第2強化部(5b)の原料粉
    末として、平均粒径d1 が20μm≦d1 ≦200μm
    のか焼アルミナ粉末(7)が用いられていることを特徴
    とする、耐摩耗性、耐熱性および耐食性を備えた軽量な
    Al基複合部材。
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