JPH09279173A - トラクションドライブ用流体 - Google Patents
トラクションドライブ用流体Info
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- JPH09279173A JPH09279173A JP8816096A JP8816096A JPH09279173A JP H09279173 A JPH09279173 A JP H09279173A JP 8816096 A JP8816096 A JP 8816096A JP 8816096 A JP8816096 A JP 8816096A JP H09279173 A JPH09279173 A JP H09279173A
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- traction
- fluid
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- traction coefficient
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は任意なトラクション係数を有するト
ラクションドライブ用流体を提供し、トラクションドラ
イブ装置の設計の自由度を向上させることを課題とす
る。 【解決手段】 2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペ
ンタンと鉱油とを混合し、該混合比率を変えることによ
って特定のトラクション係数を得る。
ラクションドライブ用流体を提供し、トラクションドラ
イブ装置の設計の自由度を向上させることを課題とす
る。 【解決手段】 2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペ
ンタンと鉱油とを混合し、該混合比率を変えることによ
って特定のトラクション係数を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクションドラ
イブ機構に使用される動力伝達用の流体として有用なト
ラクションドライブ用流体を提供する。
イブ機構に使用される動力伝達用の流体として有用なト
ラクションドライブ用流体を提供する。
【0002】
【従来の技術】トラクションドライブ用流体はトラクシ
ョンドライブ装置、例えば自動車用無段変速機構、産業
用無段変速機、水圧機器などにより用いられる動力伝達
用の流体である。上記トラクションドライブ用流体は、
高速,高荷重下の転がり滑り接触面に介在し、動力伝達
などの作用を行うため、従来の潤滑油とは異なった性能
が要求される。すなわち、転がりすべりの高ヘルツ接触
圧の条件下でも十分な厚さの油膜を形成するとともに、
その油膜がせん断応力に対して十分な抵抗すなわち動力
伝達を示すことが必要とされる。
ョンドライブ装置、例えば自動車用無段変速機構、産業
用無段変速機、水圧機器などにより用いられる動力伝達
用の流体である。上記トラクションドライブ用流体は、
高速,高荷重下の転がり滑り接触面に介在し、動力伝達
などの作用を行うため、従来の潤滑油とは異なった性能
が要求される。すなわち、転がりすべりの高ヘルツ接触
圧の条件下でも十分な厚さの油膜を形成するとともに、
その油膜がせん断応力に対して十分な抵抗すなわち動力
伝達を示すことが必要とされる。
【0003】図1にトラクションドライブの概念図を示
す。同図中、符号11は入力側、12は出力側、13は
接触部、Fは接線力及びPは押し付け荷重を各々図示す
る。流体の動力伝達性能は一般にトラクション係数fを
もって表され、図1に示すように、接戦力Fと法線荷重
Pとの比として、下記式(1)で定義される。
す。同図中、符号11は入力側、12は出力側、13は
接触部、Fは接線力及びPは押し付け荷重を各々図示す
る。流体の動力伝達性能は一般にトラクション係数fを
もって表され、図1に示すように、接戦力Fと法線荷重
Pとの比として、下記式(1)で定義される。
【数1】 f=F/P ・・・(1)
【0004】上記式(1)から以下のことがわかる。す
なわち、法線荷重Pをある値に定めると、トラクション
係数fの高い流体ほど接線力が増大するから装置を高出
力化できる。また、接線力Fをある値に定めると、トラ
クション係数fの高い流体ほど押し付け(法線)荷重P
を下げることができるから、回転体の転がり疲れ摩擦を
少なくすることができる。ここで、それぞれ0.1のトラ
クション係数を有する流体と0.11のトラクション係数
を有する流体を使用した場合、装置の性能がいかに異な
るか計算する。
なわち、法線荷重Pをある値に定めると、トラクション
係数fの高い流体ほど接線力が増大するから装置を高出
力化できる。また、接線力Fをある値に定めると、トラ
クション係数fの高い流体ほど押し付け(法線)荷重P
を下げることができるから、回転体の転がり疲れ摩擦を
少なくすることができる。ここで、それぞれ0.1のトラ
クション係数を有する流体と0.11のトラクション係数
を有する流体を使用した場合、装置の性能がいかに異な
るか計算する。
【0005】先ず、第一にトラクション駆動の出力比
は、流体のトラクション係数に比例する。したがって、
トラクション係数が10%高い流体を使用すると、同じ
法線荷重で接線力も10%ほど駆動力を増加させること
がきる。
は、流体のトラクション係数に比例する。したがって、
トラクション係数が10%高い流体を使用すると、同じ
法線荷重で接線力も10%ほど駆動力を増加させること
がきる。
【0006】第二に駆動装置の寿命の延長については、
寿命は法線荷重のほぼ3乗に反比例するので、流体のト
ラクション係数の3乗に比例する。同じ伝達トルクを保
つならば駆動装置の寿命比はトラクション係数が10%
高い流体を使用すると、1.1の3乗=1.33すなわち3
3%ほど寿命を延長することができる。
寿命は法線荷重のほぼ3乗に反比例するので、流体のト
ラクション係数の3乗に比例する。同じ伝達トルクを保
つならば駆動装置の寿命比はトラクション係数が10%
高い流体を使用すると、1.1の3乗=1.33すなわち3
3%ほど寿命を延長することができる。
【0007】第三に駆動装置の小型及び軽量化について
は、同じ寿命と出力とをもつ2つの駆動装置を考えたと
き、その大きさは流体のトラクション係数に0.45を乗
じた数に反比例する。したがって、トラクション係数が
10%高い流体を使用すると、(1/1.1)の0.45乗
=0.96すなわち4%ほど装置を小型化することができ
る。
は、同じ寿命と出力とをもつ2つの駆動装置を考えたと
き、その大きさは流体のトラクション係数に0.45を乗
じた数に反比例する。したがって、トラクション係数が
10%高い流体を使用すると、(1/1.1)の0.45乗
=0.96すなわち4%ほど装置を小型化することができ
る。
【0008】上述した理由から、少しでもトラクション
係数の高い流体が必要とされている。現在最もトラクシ
ョン係数の高い流体とされているのは、2,4−ジシクロ
ヘキシル−2−メチルペンタンであり、米国のモンサン
ト社によって開発された流体である(特開昭47−76
64号公報参照)。この流体はトラクション係数が0.1
1を有するとされている。
係数の高い流体が必要とされている。現在最もトラクシ
ョン係数の高い流体とされているのは、2,4−ジシクロ
ヘキシル−2−メチルペンタンであり、米国のモンサン
ト社によって開発された流体である(特開昭47−76
64号公報参照)。この流体はトラクション係数が0.1
1を有するとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トラクションドライブ用流体の問題として以下のような
ものがある。
トラクションドライブ用流体の問題として以下のような
ものがある。
【0010】2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペン
タンはトラクション係数が0.11と高い値を有するが、
トラクションドライブ装置の設計によっては、そのよう
な値までトラクション係数を必要としないことである。
実際のトラクションドライブ装置では、2,4−ジシクロ
ヘキシル−2−メチルペンタンではなく、トラクション
ドライブ用流体としてトラクション係数がおよそ0.05
のナフテン系鉱油が使用されている場合がある。
タンはトラクション係数が0.11と高い値を有するが、
トラクションドライブ装置の設計によっては、そのよう
な値までトラクション係数を必要としないことである。
実際のトラクションドライブ装置では、2,4−ジシクロ
ヘキシル−2−メチルペンタンではなく、トラクション
ドライブ用流体としてトラクション係数がおよそ0.05
のナフテン系鉱油が使用されている場合がある。
【0011】よって、現在のトラクションドライブ用流
体の選択肢は、トラクション係数が0.11と高い2,4−
ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンか、またはトラ
クション係数が0.05と低いナフテン系鉱油かのいずれ
かを選択するしかなかった。
体の選択肢は、トラクション係数が0.11と高い2,4−
ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンか、またはトラ
クション係数が0.05と低いナフテン系鉱油かのいずれ
かを選択するしかなかった。
【0012】本発明は、上記問題に鑑み、任意なトラク
ション係数を有するトラクションドライブ用流体を提供
し、トラクションドライブ装置の設計の自由度を向上す
るように図ることを課題とする。
ション係数を有するトラクションドライブ用流体を提供
し、トラクションドライブ装置の設計の自由度を向上す
るように図ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のトラクションドライブ用流体は、2,4−ジシクロヘ
キシル−2−メチルペンタンと鉱油とを混合し、該混合
比率を変えることによって特定のトラクション係数を得
ることを特徴とするものである。2,4−ジシクロヘキシ
ル−2−メチルペンタンと鉱油(例えばナフテン系鉱油
又はパラフィン系鉱油)の混合比率については、トラク
ション係数の必要値に応じて任意に調整することができ
る。
明のトラクションドライブ用流体は、2,4−ジシクロヘ
キシル−2−メチルペンタンと鉱油とを混合し、該混合
比率を変えることによって特定のトラクション係数を得
ることを特徴とするものである。2,4−ジシクロヘキシ
ル−2−メチルペンタンと鉱油(例えばナフテン系鉱油
又はパラフィン系鉱油)の混合比率については、トラク
ション係数の必要値に応じて任意に調整することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0015】2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペン
タンと鉱油(例えばナフテン系鉱油又はパラフィン系鉱
油)の混合比率と、トラクション係数との関係には加成
性が成立する。該加成性が成立するということは、下記
式(2)が成立することを意味する。
タンと鉱油(例えばナフテン系鉱油又はパラフィン系鉱
油)の混合比率と、トラクション係数との関係には加成
性が成立する。該加成性が成立するということは、下記
式(2)が成立することを意味する。
【0016】
【数2】 f=(v1f1+v2f2)/100 ・・・(2) ここで、f:混合流体のトラクション係数、 f1:100%1成分のトラクション係数、 f2:100%2成分のトラクション係数、 v1:100%1成分の混合比率vol%、 v2:100%2成分の混合比率vol%である。
【0017】混合比率とトラクション係数との間に加成
性が成立するので、トラクション係数の必要値に応じて
混合比率を設定することが可能である。例えば、トラク
ション係数の必要値が0.08である場合、50vol%
の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン(10
0%の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは
0.11)と50vol%のナフテン系鉱油(100%ナ
フテン鉱油のトラクション係数は0.05)を混合すれば
よい。これは、下記式(3)に従い、その混合流体のト
ラクション係数は0.88を示すからである。
性が成立するので、トラクション係数の必要値に応じて
混合比率を設定することが可能である。例えば、トラク
ション係数の必要値が0.08である場合、50vol%
の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン(10
0%の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは
0.11)と50vol%のナフテン系鉱油(100%ナ
フテン鉱油のトラクション係数は0.05)を混合すれば
よい。これは、下記式(3)に従い、その混合流体のト
ラクション係数は0.88を示すからである。
【0018】
【数3】 f=(v1f1+v2f2)/100 =(50×0.11+50×0.05)/100 =0.08 ・・・(3) このように、トラクション係数の必要値から上記式
(2)に基づいて混合比率を求めることができる。
(2)に基づいて混合比率を求めることができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の好適な一実施例を説明する。
【0020】〔実施例1〕 2,4−ジシクロヘキシル−
2−メチルペンタンとナフテン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、2,
4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の純
品のものを使用する。一方のナフテン系鉱油は市販の無
添加のものを使用する。このナフテン系鉱油の組成分析
結果は、アロマ分2.9mol%、ナフテン分5.5mol
%、パラフィン分41.6mol%である。次に、上記用
意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを混合し、ナフテン系鉱油の含有率
が、0,25,50,75,100vol%となる混合
流体を調整した。混合操作は十分均一に混合させるため
に、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪拌機にて十分
な攪拌をおこなった。
2−メチルペンタンとナフテン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、2,
4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の純
品のものを使用する。一方のナフテン系鉱油は市販の無
添加のものを使用する。このナフテン系鉱油の組成分析
結果は、アロマ分2.9mol%、ナフテン分5.5mol
%、パラフィン分41.6mol%である。次に、上記用
意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを混合し、ナフテン系鉱油の含有率
が、0,25,50,75,100vol%となる混合
流体を調整した。混合操作は十分均一に混合させるため
に、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪拌機にて十分
な攪拌をおこなった。
【0021】これら2,4−ジシクロヘキシル−2−メチ
ルペンタンとナフテン系鉱油との0,25,50,7
5,100vol%混合流体についてトラクション係数
を調べた。試験装置は、、二円筒型トラクションドライ
ブ試験装置であり、φ70mmの駆動,従動ローラの周
速度8.1m/sec一定で、従動ローラの周速度を変化
させ、すべり率を0〜5%まで変化させる。ローラー間
の最大ヘルツ圧力は、1.5GPaである。混合流体の
給油温度は40℃とする。混合比率とトラクション係数
との関係を図2に示す。同図に示すように、混合比率と
トラクション係数との間には、加成性が成立している。
したがって、トラクション係数の必要値に応じて、その
トラクション係数を示す混合流体を調整することが可能
である。
ルペンタンとナフテン系鉱油との0,25,50,7
5,100vol%混合流体についてトラクション係数
を調べた。試験装置は、、二円筒型トラクションドライ
ブ試験装置であり、φ70mmの駆動,従動ローラの周
速度8.1m/sec一定で、従動ローラの周速度を変化
させ、すべり率を0〜5%まで変化させる。ローラー間
の最大ヘルツ圧力は、1.5GPaである。混合流体の
給油温度は40℃とする。混合比率とトラクション係数
との関係を図2に示す。同図に示すように、混合比率と
トラクション係数との間には、加成性が成立している。
したがって、トラクション係数の必要値に応じて、その
トラクション係数を示す混合流体を調整することが可能
である。
【0022】〔実施例2〕 2,4−ジシクロヘキシル−
2−メチルペンタンとパラフィン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
パラフィン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、
2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の
純品のものを使用する。一方のパラフィン系鉱油は市販
の無添加のものを使用する。このパラフィン系鉱油の組
成分析結果は、アロマ分1.6mol%、ナフテン分2
8.4mol%、パラフィン分70.0mol%である。次
に、上記用意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチル
ペンタンとパラフィン系鉱油とを混合し、パラフィン系
鉱油の含有率が、0,25,50,75,100vol
%となる混合流体を調整した。混合操作は十分均一に混
合させるために、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪
拌機にて十分な攪拌を行った。
2−メチルペンタンとパラフィン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
パラフィン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、
2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の
純品のものを使用する。一方のパラフィン系鉱油は市販
の無添加のものを使用する。このパラフィン系鉱油の組
成分析結果は、アロマ分1.6mol%、ナフテン分2
8.4mol%、パラフィン分70.0mol%である。次
に、上記用意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチル
ペンタンとパラフィン系鉱油とを混合し、パラフィン系
鉱油の含有率が、0,25,50,75,100vol
%となる混合流体を調整した。混合操作は十分均一に混
合させるために、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪
拌機にて十分な攪拌を行った。
【0023】これら2,4−ジシクロヘキシル−2−メチ
ルペンタンとパラフィン系鉱油との0,25,50,7
5,100vol%混合流体についてトラクション係数
を調べた。試験装置は、、二円筒型トラクションドライ
ブ試験装置であり、φ70mmの駆動,従動ローラの周
速度8.1m/sec一定で、従動ローラの周速度を変化
させ、すべり率を0〜5%まで変化させる。ローラー間
の最大ヘルツ圧力は、1.5GPaである。混合流体の
給油温度は40℃とする。混合比率とトラクション係数
との関係を図2に示す。同図に示すように、混合比率と
トラクション係数との間には、加成性が成立している。
したがって、トラクション係数の必要値に応じて、その
トラクション係数を示す混合流体を調整することが可能
である。
ルペンタンとパラフィン系鉱油との0,25,50,7
5,100vol%混合流体についてトラクション係数
を調べた。試験装置は、、二円筒型トラクションドライ
ブ試験装置であり、φ70mmの駆動,従動ローラの周
速度8.1m/sec一定で、従動ローラの周速度を変化
させ、すべり率を0〜5%まで変化させる。ローラー間
の最大ヘルツ圧力は、1.5GPaである。混合流体の
給油温度は40℃とする。混合比率とトラクション係数
との関係を図2に示す。同図に示すように、混合比率と
トラクション係数との間には、加成性が成立している。
したがって、トラクション係数の必要値に応じて、その
トラクション係数を示す混合流体を調整することが可能
である。
【0024】
【発明の効果】以上本発明によれば、トラクションドラ
イブ装置のトラクション係数の必要値に応じて、そのト
ラクション係数を示す混合流体を調整することが可能で
ある。すなわち、本発明による、2,4−ジシクロヘキシ
ル−2−メチルペンタンとナフテン系鉱油( 又はパラフ
ィン系鉱油) の混合流体をトラクションドライブ用流体
として用いることにより、トラクション係数が2,4−ジ
シクロヘキシル−2−メチルペンタンとナフテン系鉱油
との間の値になる流体を供給することができ、これによ
り、トラクションドライブ装置の設計の自由度が増大す
る。
イブ装置のトラクション係数の必要値に応じて、そのト
ラクション係数を示す混合流体を調整することが可能で
ある。すなわち、本発明による、2,4−ジシクロヘキシ
ル−2−メチルペンタンとナフテン系鉱油( 又はパラフ
ィン系鉱油) の混合流体をトラクションドライブ用流体
として用いることにより、トラクション係数が2,4−ジ
シクロヘキシル−2−メチルペンタンとナフテン系鉱油
との間の値になる流体を供給することができ、これによ
り、トラクションドライブ装置の設計の自由度が増大す
る。
【図1】本発明のトラクションドライブの概念図であ
る。
る。
【図2】本実施例の混合比率(vol%)トラクション
係数との関係図である。
係数との関係図である。
11 入力側 12 出力側 13 接触部 F 接線力 P 押し付け荷重
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】図1にトラクションドライブの概念図を示
す。同図中、符号11は入力側、12は出力側、13は
接触部、Fは接線力及びPは押し付け荷重を各々図示す
る。流体の動力伝達性能は一般にトラクション係数fを
もって表され、図1に示すように、接線力Fと法線荷重
Pとの比として、下記式(1)で定義される。
す。同図中、符号11は入力側、12は出力側、13は
接触部、Fは接線力及びPは押し付け荷重を各々図示す
る。流体の動力伝達性能は一般にトラクション係数fを
もって表され、図1に示すように、接線力Fと法線荷重
Pとの比として、下記式(1)で定義される。
【数1】 f=F/P ・・・(1)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】上記式(1)から以下のことがわかる。す
なわち、法線荷重Pをある値に定めると、トラクション
係数fの高い流体ほど接線力が増大するから装置を高出
力化できる。また、接線力Fをある値に定めると、トラ
クション係数fの高い流体ほど押し付け(法線)荷重P
を下げることができるから、回転体の転がり疲れ寿命を
長くすることができる。ここで、それぞれ0.1のトラク
ション係数を有する流体と0.11のトラクション係数を
有する流体を使用した場合、装置の性能がいかに異なる
か計算する。
なわち、法線荷重Pをある値に定めると、トラクション
係数fの高い流体ほど接線力が増大するから装置を高出
力化できる。また、接線力Fをある値に定めると、トラ
クション係数fの高い流体ほど押し付け(法線)荷重P
を下げることができるから、回転体の転がり疲れ寿命を
長くすることができる。ここで、それぞれ0.1のトラク
ション係数を有する流体と0.11のトラクション係数を
有する流体を使用した場合、装置の性能がいかに異なる
か計算する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】混合比率とトラクション係数との間に加成
性が成立するので、トラクション係数の必要値に応じて
混合比率を設定することが可能である。例えば、トラク
ション係数の必要値が0.08である場合、50vol%
の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン(10
0%の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは
0.11)と50vol%のナフテン系鉱油(100%ナ
フテン鉱油のトラクション係数は0.05)を混合すれば
よい。これは、下記式(3)に従い、その混合流体のト
ラクション係数は0.08を示すからである。
性が成立するので、トラクション係数の必要値に応じて
混合比率を設定することが可能である。例えば、トラク
ション係数の必要値が0.08である場合、50vol%
の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン(10
0%の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは
0.11)と50vol%のナフテン系鉱油(100%ナ
フテン鉱油のトラクション係数は0.05)を混合すれば
よい。これは、下記式(3)に従い、その混合流体のト
ラクション係数は0.08を示すからである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】〔実施例1〕 2,4−ジシクロヘキシル−
2−メチルペンタンとナフテン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、2,
4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の純
品のものを使用する。一方のナフテン系鉱油は市販の無
添加のものを使用する。このナフテン系鉱油の組成分析
結果は、アロマ分2.9mol%、ナフテン分55. 5m
ol%、パラフィン分41.6mol%である。次に、上
記用意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタ
ンとナフテン系鉱油とを混合し、ナフテン系鉱油の含有
率が、0,25,50,75,100vol%となる混
合流体を調整した。混合操作は十分均一に混合させるた
めに、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪拌機にて十
分な攪拌をおこなった。
2−メチルペンタンとナフテン系鉱油との混合流体 先ず、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンと
ナフテン系鉱油とを用意する。ここで、本発明では、2,
4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンは市販の純
品のものを使用する。一方のナフテン系鉱油は市販の無
添加のものを使用する。このナフテン系鉱油の組成分析
結果は、アロマ分2.9mol%、ナフテン分55. 5m
ol%、パラフィン分41.6mol%である。次に、上
記用意した2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタ
ンとナフテン系鉱油とを混合し、ナフテン系鉱油の含有
率が、0,25,50,75,100vol%となる混
合流体を調整した。混合操作は十分均一に混合させるた
めに、温度を50℃に高めてプロペラ型の攪拌機にて十
分な攪拌をおこなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:04
Claims (1)
- 【請求項1】 2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペ
ンタンと鉱油とを混合し、該混合比率を変えることによ
って特定のトラクション係数を得ることを特徴とするト
ラクションドライブ用流体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8816096A JPH09279173A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | トラクションドライブ用流体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8816096A JPH09279173A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | トラクションドライブ用流体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279173A true JPH09279173A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=13935181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8816096A Pending JPH09279173A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | トラクションドライブ用流体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09279173A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002348584A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 潤滑油基油組成物 |
WO2002097016A1 (fr) * | 2001-05-29 | 2002-12-05 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Preparation d'huile de base lubrifiante |
JP2005320486A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | 潤滑油組成物 |
-
1996
- 1996-04-10 JP JP8816096A patent/JPH09279173A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002348584A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 潤滑油基油組成物 |
WO2002097016A1 (fr) * | 2001-05-29 | 2002-12-05 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Preparation d'huile de base lubrifiante |
US7015178B2 (en) | 2001-05-29 | 2006-03-21 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Lube base oil composition |
JP2005320486A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | 潤滑油組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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