JPH09274041A - 抗原抗体反応物質の測定方法および測定装置 - Google Patents
抗原抗体反応物質の測定方法および測定装置Info
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- JPH09274041A JPH09274041A JP2475397A JP2475397A JPH09274041A JP H09274041 A JPH09274041 A JP H09274041A JP 2475397 A JP2475397 A JP 2475397A JP 2475397 A JP2475397 A JP 2475397A JP H09274041 A JPH09274041 A JP H09274041A
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Abstract
原抗体反応物質の濃度を、測定すること。 【解決手段】 採取した血液を試料セルに収容し、これ
に界面活性剤を注入して撹拌し、さらに安定化剤、緩衝
液を注入して撹拌し、さらに測定すべき物質に対し抗原
抗体反応を生じさせる感作ラテックス液を注入して撹拌
し、この直後の時点の試料セル内の液体の透過光量と、
この時点から所定時間経過後の時点の透過光量とに基づ
いて2時点間の吸光度の変化分を求め、これにより上記
測定すべき物質の血中濃度を求める。
Description
蛋白(C-Reactive Protein;以下CRPと称する)、リ
ウマチ因子(RF)、抗ストレプトリジンO(ASO)
等、抗原抗体反応を生じる物質を測定する方法および測
定する装置に関する。
クス凝集免疫比濁法がある。この方法に関して特開昭5
3−62826号には一般的に抗原抗体反応(免疫反
応)が生じる物質の測定方法について開示されており、
特開昭53−86015号にはCRPの測定方法につい
て開示されており、特開昭62−218866号にはC
RPの測定に用いる試薬について開示されている。この
ラテックス凝集免疫比濁法によれば、抗原抗体反応を生
じる物質の濃度を定量的に精度良く測定することができ
る。
は、採取した血液(全血)をそのまま用いると、赤血球
やヘモグロビン等の影響を受け、正確な定量測定を行う
ことができない。このため、従来の生化学検査では上述
のように採取した血液を遠心分離して血清を取り、この
血清を用いて測定を行っていた。このため測定時間が長
くかかり、緊急の場合や遠心分離器の無い施設では測定
は困難であった。一方、採取した血液の血液成分(赤血
球数や白血球数)を調べるには、血液に抗凝固剤を添加
した血漿を用いて検査しなければならず、そのため採取
した血液を生化学検査用と血液成分検査用に分離して処
理しなければならないなど大変手間がかかっていた。
れたもので、その目的は、採取した血液を遠心分離する
ことなく、かつ血液成分検査に用いるのと同じ検体を用
いてその血液中の抗原抗体反応を生じる物質の濃度を測
定することである。
した血液中の所定の抗原または抗体の濃度を測定する抗
原抗体反応物質の測定方法において、採取した血液に界
面活性剤を注入して撹拌し、この液体に安定化剤、緩衝
液、前記所定の抗原または抗体に対する抗体または抗原
が感作されたラテックス液を注入して撹拌した後、この
液体に光を照射し、その透過光量に基づいて前記血液中
の前記所定の抗原または抗体の濃度を測定することを特
徴とする。
て、所定の抗原はC反応性蛋白であることを特徴とす
る。
の抗原または抗体の濃度を測定する抗原抗体反応物質の
測定装置において、採取した血液を収容する容器と、こ
の容器中の血液に界面活性剤、安定化剤、緩衝液、前記
所定の抗原または抗体に対する抗体または抗原が感作さ
れたラテックス液のそれぞれを注入する注入手段と、前
記容器中の液体を撹拌する撹拌手段と、前記容器中の液
体に光を照射する光照射手段と、この光照射手段による
光のうちその液体を透過した透過光量を検出する透過光
量検出手段と、この透過光量検出手段が検出した光に基
づいて前記血液中の前記所定の抗原または抗体の濃度を
求める濃度測定手段とを具備することを特徴とする。
て、所定の抗原はC反応性蛋白であることを特徴とす
る。
光光度計を示している。この装置を説明すると、光源1
の光は、分光器2で分光されこのうちヘモグロビン等に
対して吸収が極めて少ない波長の光が試料セル3に照射
されるように設定されている。試料セル3は、透明の部
材で作成されており、この試料セル3を透過した光は、
検出器4で電気信号に変換される。この検出器4の出力
はLog 変換器5に至り、ここで対数変換され、次にA/D
変換器6に至り、ここでディジタル値に変換され、表示
器7にてその値が表示される。
る物質Xの血液中濃度を測定する方法について説明す
る。
液と界面活性剤とを混合、撹拌したものを収容する。こ
の界面活性剤によって血液は溶血する。すなわちここで
赤血球の中に含まれているヘモグロビンが溶出する。
衝液を注入して撹拌する。そして検査者はブランク測定
を行う。すなわち検査者は抗原抗体反応を生じさせる前
のこの試料セル3中の液体に分光器2からの光を吸収さ
せ、表示器7の表示が所定値を示し安定しているかを確
認する。
確認すると、物質Xに対して抗原抗体反応を生じさせる
感作ラテックス液を試料セル3に注入して撹拌する。
ス(抗体あるいは抗原を結合させたラテックス)は抗原
抗体反応により凝集し、見かけ上の粒径が増大する。凝
集反応の進行に伴い、凝集塊が生長して見かけ上の粒径
が増大すれば、その透過光量が減少する。このようなラ
テックス凝集反応による粒径増大の程度は、検体中に含
まれる抗原または抗体の濃度により決まる。従って透過
光量は検体中に含まれる抗原または抗体の濃度に依存す
る(検査と技術、vol.12,no.7,1984年7 月、第583 頁右
欄最下行〜第584 頁左欄第34行参照)。
らの光を透過させ、直ちに表示器7の表示を読取り、さ
らにこの時点aから所定時間t1経過後の時点bにおい
て、表示器7の表示を読取り、それぞれの値を記録す
る。これにより各時点における透過光量Ita,Itb の対数
値LogIta,LogItb が得られる。
をItとすると、A=Log(Io/It)で表されるから、透過光量
がIta からItb に変化したときその吸光度の変化分ΔA
はΔA=Log(Ita/ Itb) =LogIta-LogItbを計算して求める
ことができる。
係を示す物質Xの検量線を参照し、求めたΔA に対応す
る濃度を求める。
りに、物質Xの濃度がそれぞれ異なり、それぞれの濃度
が既知であるn種の血清すなわちn種の標準液につい
て、上記と同様にして吸光度の変化分ΔA1, ΔA2, ΔA
3, ……, ΔAnを求め、これにより吸光度の変化分と濃
度との関係の回帰直線を作成すれば、図2のように求め
ることができる。
めたΔAから直接に検量線を参照して物質Xの濃度を求
めている。しかし、この検量線は血清の標準液に基づい
て作成されたものである。そして、全血(赤血球を含ん
でいる)中の物質Xの濃度は、血清(赤血球を含んでい
ない)中の物質Xの濃度よりも薄い。このため上記ΔA
から直接に上記の検量線を参照して物質Xの濃度を求め
るならば、実際の物質Xの濃度とは若干の誤差が生じ
る。そこで、このΔAを補正して、血清中の物質Xの濃
度に対応する値に変換し、この値を用いて上記検量線を
参照し物質Xの濃度を求める。この補正は、予め測定し
て求めたヘマトクリット値HCTを用いる次の関係式に
より行う。 (補正後のΔA)=ΔA×{100/(100−HCT)}…(1) このようにすればより正確に物質Xの濃度を求めること
ができる。
求める場合に、好適な結果が得られる、試薬、分量、光
波長を以下に記す。
品 0, 1.5, 3.5, 7.0, 14.0 mg/dl(ダイアヤトロン社
製、商品名) (2)ラテックス液、安定化剤;エルピアエースCRP
−L(キット)(ダイアヤトロン社製、商品名) ラテックス液;抗ヒトCRP感作ラテックス 安定化剤;ウシ血清アルブミン含有トリス−HClバッ
ファ (3)緩衝液;共通バッファ、0.9%NaCl含有緩衝液 (4)界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム[アニオン
性(-) 界面活性剤]
血試料の量に応じて適宜添加する。
あると、反応率が悪くなり、70以上では溶血作用が働
かなくなる。また上記使用波長は、近赤外光の約800
〜1000nmであれば好適な結果が得られる。
件の異なる場合の吸光度の時間的変化の例を示す。反応
曲線1と2は試料に血漿を用いた場合の反応である。反
応曲線3と4は試料に全血を用いた場合の反応である。
反応曲線5と6は試料に全血と界面活性剤を用いた場合
の反応である。測定はこれらの3種類の試料を用い、ま
ず第1反応として 試料+緩衝液+安定化剤 で吸光度
を測定し、吸光度が一定であることを確認した。反応曲
線の1、3、5がそれである。すなわちいずれの試料で
も経時とともに反応が進んでいないことを示す。次に第
2反応としてそれぞれの溶液にラテックス液を添加し、
吸光度の変化を観察し、抗原抗体反応の有無を評価し
た。反応曲線の2、4、6がそれである。反応曲線2
は、血漿を用いる従来行われていた方法による反応経過
であり、経時的に吸光度が増加していることが分かる。
反応曲線4は全血では反応が全く進んでいないことを示
す。反応曲線6は全血に界面活性剤を加えたもので、経
時的に吸光度が増加していることが分かる。そして、従
来方法による反応曲線2と本発明の方法による反応曲線
6とを比較すると、後者は前者より反応率は落ちるが、
両者は近似していることが分かる。しかし、全血中のC
RPの濃度は、血漿中のCRPよりも薄いため、別に測
定したヘマトクリット値HCTを用い、前述の(1)式
と同様の次式により補正するならば、反応曲線2の血漿
を用いたときの吸光度の変化分ΔAbs2と、反応曲線6の
全血+界面活性剤を用いたときの吸光度の変化分ΔAbs6
は、ほぼ同じ値となる。 (補正後のΔAbs6)=(全血と界面活性剤を用いたとき
のΔAbs6)×{100/(100−HCT)} ここで、ΔAbs6=300secの吸光度−0secの吸光度 であ
る。
ス液のラテックス粒子に結合させる抗原または抗体を代
えるならば、同様にして血液中のC反応性蛋白(C-Reac
tiveProtein;以下CRPと称する)、リウマチ因子
(RF)、抗ストレプトリジンO(ASO)等も測定す
ることができる。
血液中濃度を測定する装置について説明する。図4にそ
の全体構成を示す。
吸収が極めて少ない波長の光を発生し、この光は試料セ
ル12に照射されるように設定されている。試料セル1
2は、透明の部材で作成されており、この試料セル12
を透過した光は、検出器15で電気信号に変換される。
この検出器15の出力はにA/D 変換器16に至り、ここ
でディジタル値に変換され、マイクロコンピュータ17
に至るようにされている。
血液、界面活性剤をそれぞれ収容し、マイクロコンピュ
ータ17の指示があれば、その指示に応じて選択した液
体を混合槽9に注入するものである。撹拌装置10は、
マイクロコンピュータ17の指示に応じて、混合槽9に
収容されている液体を撹拌する装置である。輸液装置1
9は、マイクロコンピュータ17の指示に応じて、混合
槽9に収容されている液体を試料セル12に供給する装
置である。試薬注入器13は、試薬である、安定化剤、
緩衝液および物質Xに対して抗原抗体反応を生じさせる
感作ラテックス液をそれぞれ収容し、マイクロコンピュ
ータ17の指示があれば、その指示に応じて選択した液
体を試料セル12に注入するものである。撹拌装置14
は、マイクロコンピュータ17の指示に応じて、試料セ
ル12に収容されている液体を撹拌する装置である。プ
リンタ18は、マイクロコンピュータ17から出力され
たデータを印刷するものである。マイクロコンピュータ
17は、演算、制御を行う中央処理装置(以下CPUと
称する)、ROMおよびRAMからなる主メモリ、外部
とのデータの授受を行うためのインターフェイス、キー
ボード等の入力装置からなり、本装置の各部を制御する
と共にA/D 変換器16からのデータを処理する。CPU
の動作のフローチャートを図5に示す。
る。CPUは試料・界面活性剤注入器8に対し、血液と
界面活性剤を混合槽9に注入するように指示する(ステ
ップ100)。これにより試料・界面活性剤注入器8は
血液と界面活性剤を混合槽9に注入する。次にCPU
は、撹拌装置10に対して、撹拌を指示する(ステップ
101)。これにより撹拌装置10は混合槽9の液体を
所定時間t2撹拌する。次にCPUは、輸液装置19に対
して所定量の液体を混合槽9から試料セル12に移送す
るように指示する(ステップ102)。これにより、輸
液装置19は所定量の液体を混合槽9から試料セル12
に移送する。
定化剤と緩衝液を試料セル12に注入するように指示す
る(ステップ103)。これにより試薬注入器13は安
定化剤と緩衝液を試料セル12に注入する。次にCPU
は、撹拌装置14に対して、撹拌を指示する(ステップ
104)。これにより撹拌装置14は試料セル12の液
体を所定時間t2撹拌する。次にCPUは、光源11を発
光させ、そのときのA/D 変換器16からのデータにより
吸光度が所定値で安定しているか否かを確認し(ステッ
プ105)、所定値で安定していると判断すればステッ
プ106に進む。ここで、CPUは所定値で安定してい
ないと判断すれば、ステップ111に進み、プリンタ1
8にその旨を出力し、エンドとなる。
注入器13に対し、上記ラテックス液を試料セル12に
注入するように指示する。これにより試薬注入器13は
ラテックス液を試料セル12に注入する。次にCPU
は、撹拌装置14に対して、撹拌を指示する(ステップ
107)。これにより撹拌装置14は試料セル12の液
体を所定時間t2撹拌する。
を発光させ、さらにその時点より所定時間t3後、光源1
1を発光させ、それぞれの時点のA/D 変換器16からの
データに基づいて両時点の吸光度の差すなわち吸光度の
変化分ΔA を求める(ステップ108)。
憶している物質Xの血中濃度と吸光度の変化分の対応テ
ーブルを参照して、ステップ108で求めたΔA に対応
する物質Xの血中濃度を求める(ステップ109)。
度のデータ、ステップ108で求めた吸光度の変化分Δ
A のデータをプリンタ18に出力する(ステップ11
0)。プリンタ18はこれらのデータを印刷する。
い、上記試料の代わりに物質Xの濃度が異なり各濃度が
既知である複数種の血清液それぞれについての吸光度の
変化分ΔA1, ΔA2, ΔA3…を求めるならば、これによっ
て濃度−吸光度の変化分の回帰直線が求められるので、
この直線から作成することができる。
Aを求め(ステップ108)、このΔAから直接に検量
線を参照して物質Xの濃度を求めている(ステップ10
9)が、ステップ108でΔAを求めた後、このΔA
を、前述の(1)式により補正して、この補正後のΔA
から検量線を参照して物質Xの濃度を求めるようにして
も良い。この補正に用いられるヘマトクリット値HCT
は、別の測定により求め、マイクロコンピュータ17の
主メモリに予め記憶させておくものである。このように
すればより正確に物質Xの濃度を求めることができる。
抗原抗体反応物質の濃度を測定する際、全血に直接試薬
を注入して測定することができるので、血液を遠心分離
する必要がない。このためこの種の物質の濃度を、迅速
に測定することができる。更に血液成分測定と同じ処理
をした検体を用いて測定ができるため手間がかからな
い。また本発明の方法によれば遠心分離器のない施設で
あっても測定することができる。
す図。
Claims (4)
- 【請求項1】採取した血液中の所定の抗原または抗体の
濃度を測定する抗原抗体反応物質の測定方法において、 採取した血液に界面活性剤を注入して撹拌し、この液体
に安定化剤、緩衝液、前記所定の抗原または抗体に対す
る抗体または抗原が感作されたラテックス液を注入して
撹拌した後、この液体に光を照射し、その透過光量に基
づいて前記血液中の前記所定の抗原または抗体の濃度を
測定することを特徴とする抗原抗体反応物質の測定方
法。 - 【請求項2】所定の抗原はC反応性蛋白であることを特
徴とする請求項1に記載の抗原抗体反応物質の測定方
法。 - 【請求項3】採取した血液中の所定の抗原または抗体の
濃度を測定する抗原抗体反応物質の測定装置において、 採取した血液を収容する容器と、この容器中の血液に界
面活性剤、安定化剤、緩衝液、前記所定の抗原または抗
体に対する抗体または抗原が感作されたラテックス液の
それぞれを注入する注入手段と、前記容器中の液体を撹
拌する撹拌手段と、前記容器中の液体に光を照射する光
照射手段と、この光照射手段による光のうちその液体を
透過した透過光量を検出する透過光量検出手段と、この
透過光量検出手段が検出した光に基づいて前記血液中の
前記所定の抗原または抗体の濃度を求める濃度測定手段
とを具備することを特徴とする抗原抗体反応物質の測定
装置。 - 【請求項4】所定の抗原はC反応性蛋白であることを特
徴とする請求項3に記載の抗原抗体反応物質の測定装
置。
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---|---|---|---|
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JP8-24110 | 1996-02-09 | ||
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JP3780599B2 JP3780599B2 (ja) | 2006-05-31 |
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