JPH09273702A - クリーンスチーム発生器 - Google Patents

クリーンスチーム発生器

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JPH09273702A
JPH09273702A JP8029496A JP8029496A JPH09273702A JP H09273702 A JPH09273702 A JP H09273702A JP 8029496 A JP8029496 A JP 8029496A JP 8029496 A JP8029496 A JP 8029496A JP H09273702 A JPH09273702 A JP H09273702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイラーからの生蒸気に含まれる不凝縮性ガ
スを低減させ、クリーンスチームの電気伝導度を改善す
ると共に次工程での伝熱障害を抑制する。 【解決手段】 ボイラーからの生蒸気V1 を底部に貯溜
された液2中に吹き込ませて一旦凝縮させ、その凝縮さ
せた蒸気を前記液2の気液界面mで再蒸発させ、その再
蒸発させた蒸気V2 中に含まれる異物を分離除去してク
リーンスチームV 3 を生成する容器1を具備したクリー
ンスチーム発生器において、容器1の側壁内面から内側
下方へ向けて延びて液2中に入り込む逆スカート状邪魔
板12を設け、その邪魔板12と容器1の側壁との間で
気液界面mの直上に、ボイラーからの生蒸気V1 中に存
在して気液界面mで再蒸発させた蒸気V2 に含まれる不
凝縮性ガスが気液界面m上で捕集するガス溜り部13を
形成し、容器1の側壁に、ガス溜り部13と連通して気
液界面mからの余剰ドレンと共に不凝縮性ガスを排出す
るドレン排出管11を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリーンスチーム発
生器に関し、詳しくは、食品業界、空調業界などにおい
て使用され、純度の高い清浄な蒸気を供給するクリーン
スチーム発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、食品業界の中で飲料、加工食品
の製造における殺菌、蒸煮、調理工程では、アセプテッ
クシステムの蒸気殺菌、無菌化包装米飯の蒸煮、納豆の
加圧蒸し、その他、穀類や豆類の加圧蒸し調理を行なう
場合に、ボイラー蒸気を食品に直接吹き込む製法が採用
されている。ところが、ボイラーの生蒸気には、鉄分、
塩化物イオン、シリカ、ボイラー添加物に起因する異物
などが多量に含まれており、この生蒸気を食品原料に直
接吹き込むと豆などの表面がタンニン鉄の生成で黒変化
し、商品価値を消失させる等の弊害がある。また、多量
の異物混入は食品衛生上も好ましくない。
【0003】そこで、前述したボイラーの生蒸気中に含
まれる異物を効果的に除去する手段として、クリーンス
チーム発生器が使用されている。このクリーンスチーム
発生器は、ボイラーからの生蒸気をボイラー水等の液中
に吹き込ませて一旦凝縮させた後に再蒸発させ、この再
蒸発させた蒸気中に含まれる異物(飛沫同伴)をサイク
ロン等の気水分離器により効果的に分離除去し、純度の
高い清浄な蒸気であるクリーンスチームを得ようとする
ものであり、このクリーンスチームは次工程に設置され
た処理装置内に供給されて所定の加熱処理に使用され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したク
リーンスチーム発生器で得られたクリーンスチームを凝
縮させて濾紙に濾過させる試験では大幅な汚れ度の改善
が確認されているが、蒸気の純度の目安となる電気伝導
度については大幅な改善がなされていないというのが現
状であり、逆に電気伝導度は若干悪化する傾向にあっ
た。
【0005】ここで、例えば10KGまでの低圧ボイラ
ーの場合、ボイラー給水に含まれる不凝縮性ガス、特に
炭酸ガスや炭酸ガス化合物から多量の炭酸ガスが発生し
てボイラー生蒸気に含まれ、この炭酸ガスが電気伝導度
に大きく影響していることが判明している。即ち、ボイ
ラー給水中に含まれるMアルカリ成分は、熱分解して炭
酸ガスを発生させるため、炭酸ガスが多くなり不凝縮性
ガスの主体を占めることになる。尚、このボイラー給水
中のMアルカリ成分は、NaHCO3 となっていて軟化
器ではほとんど除去できない成分となっている。
【0006】一方、クリーンスチーム発生器に供給され
るボイラーの生蒸気中に多量の不凝縮性ガスが含まれて
いると、その不凝縮性ガスはそのままクリーンスチーム
と共に次工程へ供給されてしまう。このクリーンスチー
ム発生器では、ボイラーの生蒸気中のドレンミスト(湿
り度に相当する分)が除去されるためにクリーンスチー
ムはボイラーの生蒸気よりも絶対量が減少するので、ク
リーンスチームに含まれる炭酸ガス濃度が相対的に上昇
し、電気伝導度の悪化を招来している。
【0007】また、炭酸ガスを含む不凝縮性ガスがクリ
ーンスチームと共に次工程へ供給されると、次工程での
穀類の蒸煮時などにおいて伝熱効率を低下させる大きな
伝熱障害となっていることも判明している。例えば、低
圧ボイラーの生蒸気中に含まれる不凝縮性ガスが炭酸ガ
スも含めて50〜100ppm程度存在しているが、こ
のように少量の不凝縮性ガスであっても、次工程での処
理装置による加圧蒸煮時には、10〜100倍程度の不
凝縮性ガスが残留蓄積するために重大な伝熱障害となっ
ているのが現状である。このように伝熱障害が生じる
と、煮えむらや殺菌むらが発生して商品的価値が大幅に
低下するという問題が生じる。
【0008】具体的には、例えばカップ容器に充填した
固形食品の蒸煮を行なう処理装置では、昇温到達時の不
凝縮性ガスの濃度が0.4vol%程度となるが、空気
や炭酸ガスなどの気体成分は比重が蒸気よりも大きいた
めにカップ容器の底部に溜まりやすく、そのカップ容器
の底部では不凝縮性ガスの濃度が2〜3倍にもなって、
加熱伝熱を大きく遅らせている。処理装置内での不凝縮
性ガスの平均濃度が0.4vol%程度であっても、カ
ップ容器の底部では1.2vol%程度になっていると
想定されて伝熱速度が約半分程度まで低下すると推測さ
れる。
【0009】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、クリーンスチ
ーム発生器において不凝縮性ガスを低減させ、クリーン
スチームの電気伝導度を改善すると共に次工程での処理
において伝熱障害を抑制することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、蒸気発生源からの生蒸
気を底部に貯溜された液中に吹き込ませて一旦凝縮さ
せ、その凝縮させた蒸気を前記液の気液界面で再蒸発さ
せ、その再蒸発させた蒸気中に含まれる異物を分離除去
してクリーンスチームを生成する容器を具備したクリー
ンスチーム発生器において、蒸気発生源からの生蒸気中
に存在して気液界面で再蒸発させた蒸気に含まれる不凝
縮性ガスを前記気液界面上で捕集するガス溜り部を形成
し、そのガス溜り部に捕集された不凝縮性ガスを余剰ド
レンと共に排出する脱ガス機構を付設したことを特徴と
する。
【0011】具体的に、本発明における前記脱ガス機構
は、気液界面上方部位から気液界面へ向けて延びて液中
に入り込み、容器の側壁部との間で気液界面の直上に、
蒸気発生源からの生蒸気中に存在して気液界面で再蒸発
させた蒸気に含まれる不凝縮性ガスを前記気液界面上で
捕集するガス溜り部を形成する逆スカート状邪魔板と、
前記ガス溜り部と連通して気液界面からの余剰ドレンと
共にガス溜り部の不凝縮性ガスを排出するドレン排出管
とで構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るクリーンスチーム発
生器の実施形態を図1乃至図3に示して説明する。尚、
図1はクリーンスチーム発生器の全体概略構成を示す断
面図、図2は図1のI−I線に沿う断面図、図3は図1
の要部拡大断面図である。
【0013】同図に示す実施形態のクリーンスチーム発
生器は、自立式縦長円筒状からなる容器1の底部に貯溜
されたボイラー水等の液2中にボイラー(図示せず)か
らの生蒸気V1 を導入する導入管3を容器1の底部側壁
に設けられた取り入れ口4から導入し、その導入管3の
先端に取り付けられた吹き込みユニット5及び筒状邪魔
板6を容器底部の液2中に配置する。
【0014】この導入管3の先端に位置する吹き込みユ
ニット5は、多数のスリット7を有し、そのスリット7
からボイラーの生蒸気V1 を液2中に吹き込む。また、
筒状邪魔板6は、前述した吹き込みユニット5を囲繞す
るように取り付けられ、吹き込みユニット5のスリット
7から液2中に吹き込んだ生蒸気V1 について液2との
接触距離をかせぐようにしている。
【0015】尚、ボイラーからの生蒸気V1 は、その導
入管3の前段に設けられた圧力制御弁8を圧力コントロ
ーラ9で最適制御しながら導入管3に供給される。ま
た、容器1の最底部に貯溜した鉄さび等の沈降物を排出
させて定期的に掃除するための排出管10が設けられて
いる。
【0016】また、容器1の側壁部の気液界面m位置と
対応する部位に、容器底部の液増加を抑制して気液界面
mを一定に保持すると共に液2に発生する余剰の汚染物
をオーバーフローにより排出するドレン排出管11を設
ける。また、前述した気液界面mの直上から下方へ向け
て縮径しながら液2中に入り込む逆スカート状邪魔板1
2を配置する。この逆スカート状邪魔板12の上端部
は、容器1の側壁部におけるドレン排出管11の開口部
位より上方位置に接合され、縮径しながら液2中に所定
の深さまで入り込んだ下端部を筒状邪魔板6の上方に配
置する。
【0017】この逆スカート状邪魔板12と容器1の側
壁部との間で、気液界面mから再蒸発する蒸気V2 に含
まれる不凝縮性ガスをその気液界面mの直上で捕集する
ガス溜り部13が形成される。また、オーバーフローに
より余剰ドレンを排出するドレン排出管11は、逆スカ
ート状邪魔板12により形成されたガス溜り部13と連
通することになり、このドレン排出管11から前述した
余剰ドレンと共にガス溜り部13に捕集された不凝縮性
ガスを排出する。
【0018】前述した容器1の上端部には、気液界面m
から再蒸発した蒸気V2 中に含まれる異物を分離除去す
るサイクロン等の気水分離器14が取り付けられてい
る。一方、容器1の側壁部の上端に取り出し口15が設
けられ、その取り出し口15を外部配管16を介して気
水分離器14の取り入れ口17と連通させている。気水
分離器14は、容器1の軸方向に沿って下方へ延びる排
出ノズル18を有し、その下端開口部を容器底部の液2
中に配置する。また、この気水分離器14の上部には、
再蒸発した蒸気V2 中に含まれる異物が分離除去された
クリーンスチームV3 を排出する導出管19が設けられ
ている。
【0019】通常、このクリーンスチーム発生器では、
以下の要領でもってボイラーの生蒸気V1 からクリーン
スチームV3 を生成している。
【0020】まず、ボイラーからの生蒸気V1 を導入管
3から供給し、その導入管3の先端にある吹き込みユニ
ット5のスリット7から生蒸気V1 を液2中に吹き込
む。このようにして吹き込まれた生蒸気V1 は、吹き込
みユニット5の外周にある筒状邪魔板6によって規制さ
れ、その筒状邪魔板6の内外で液の対流aが生じる。
【0021】生蒸気V1 は、この液2の対流aを生じさ
せながら多数の気泡となって分散上昇する間に液2と接
することにより熱量が奪われて一旦凝縮する。この凝縮
した蒸気は、新たに吹き込まれてきた生蒸気V1 の熱量
を得て気液界面mから再蒸発する。再蒸発した蒸気V2
は、容器1の内部空間を上昇して取り出し口15から流
出する。
【0022】この取り出し口15から流出して外部配管
16を介して気水分離器14に達した蒸気V2 は、その
気水分離器14内を高速で旋回し、その旋回により生じ
る遠心力によって飛沫同伴が分離され、クリーンスチー
ムV3 となって導出管19から取り出されて次工程へ供
給される。一方、蒸気V2 から分離された飛沫同伴は、
液滴や液膜となって排出ノズル18内を流下して液2中
に戻される。
【0023】ここで、クリーンスチーム発生器に供給さ
れるボイラーからの生蒸気V1 に炭酸ガスを含む不凝縮
性ガスが含まれていた場合であっても、このクリーンス
チーム発生器により以下の要領でもって速やかに除去さ
れて次工程に設置された処理装置へ供給されることは可
及的に抑制することができる。
【0024】前述したようにボイラーからの生蒸気V1
は、導入管3の先端にある吹き込みユニット5のスリッ
ト7から液2中に吹き込まれ、その吹き込みユニット5
の外周にある筒状邪魔板6によって規制され、その筒状
邪魔板6の内外で液2の対流aが生じさせる。
【0025】この時、液2の対流aは容器1の側壁内面
付近で流速が一番遅くなっているので、前述したボイラ
ーの生蒸気V1 に含まれる炭酸ガス等の不凝縮性ガスは
ガス泡bとなって浮力による分離が容易となり、逆スカ
ート状邪魔板12によって捕集される。ガス泡bは、逆
スカート状邪魔板12と容器1の側壁部との間で液2中
を上昇し、気液界面mの直上に形成されたガス溜り部1
3に捕集される。
【0026】このようにして逆スカート状邪魔板12の
ガス溜り部13に捕集された不凝縮性ガスは、余剰ドレ
ンがオーバーフローするドレン排出管11からその余剰
ドレンと共に排出される。
【0027】尚、前述したように、例えば10KGまで
の低圧ボイラーの生蒸気中に含まれる不凝縮性ガスが炭
酸ガスも含めて50〜100ppm程度存在している
が、ボイラーの生蒸気中に含まれるMアルカリ成分は、
大気中の炭酸ガスを溶解させる量よりも熱分解で発生す
る炭酸ガスの方が多量であることが一般的である。この
炭酸ガスが主体を占める不凝縮性ガスの水への溶解度
は、クリーンスチーム発生器における容器底部での液温
度(140℃)の場合には、室温時(20℃)の1/2
以下に低下している。
【0028】従って、クリーンスチーム発生器に供給さ
れるボイラーの生蒸気V1 は、吹き込みユニット5で液
2との接触面を充分とれるようにすることで完全に凝縮
し、前述した炭酸ガスを含む不凝縮性ガスだけをガス泡
bとして浮力により分離させることが容易となる。
【0029】尚、不凝縮性ガスだけでなく赤錆状の浮遊
性物質や油分なども分離させることができてクリーンス
チームV3 の純度は更に向上する。また、本出願人の実
験結果に基づけば、従来装置では、電気伝導度が5〜1
2μS/cm、PHが5.0〜6.0と変動大であった
のが、本発明装置では、電気伝導度が1μS/cm、P
Hが6.6と安定したデータが得られた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、蒸気発生源からの生蒸
気中に含まれる炭酸ガスを主体とした不凝縮性ガスをガ
ス溜り部に捕集することにより、クリーンスチーム発生
器で速やかに除去することができるので、次工程へ供給
されるクリーンスチームに不凝縮性ガスが含まれる量を
可及的に減少させることができる。その結果、クリーン
スチームの電気伝導度を大幅に改善できてクリーンスチ
ームの純度を飛躍的に高めることができると共に、次工
程での処理装置における伝熱効率を向上させることがで
きて伝熱障害を未然に防止できて煮えむらや殺菌むらの
発生を抑制して商品的価値が大幅に向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリーンスチーム発生器の全体概
略構成を示す断面図
【図2】図1のI−I線に沿う断面図
【図3】図1の要部拡大断面図
【符号の説明】
1 容器 2 液 11 ドレン排出管 12 逆スカート状邪魔板 13 ガス溜り部 m 気液界面 V1 蒸気発生源からの生蒸気 V2 再蒸発させた蒸気 V3 クリーンスチーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気発生源からの生蒸気を底部に貯溜さ
    れた液中に吹き込ませて一旦凝縮させ、その凝縮させた
    蒸気を前記液の気液界面で再蒸発させ、その再蒸発させ
    た蒸気中に含まれる異物を分離除去してクリーンスチー
    ムを生成する容器を具備したクリーンスチーム発生器に
    おいて、蒸気発生源からの生蒸気中に存在して気液界面
    で再蒸発させた蒸気に含まれる不凝縮性ガスを前記気液
    界面上で捕集するガス溜り部を形成し、そのガス溜り部
    に捕集された不凝縮性ガスを余剰ドレンと共に排出する
    脱ガス機構を付設したことを特徴とするクリーンスチー
    ム発生器。
  2. 【請求項2】 前記脱ガス機構は、気液界面上方部位か
    ら気液界面へ向けて延びて液中に入り込み、容器の側壁
    部との間で気液界面の直上に、蒸気発生源からの生蒸気
    中に存在して気液界面で再蒸発させた蒸気に含まれる不
    凝縮性ガスを前記気液界面上で捕集するガス溜り部を形
    成する逆スカート状邪魔板と、前記ガス溜り部と連通し
    て気液界面からの余剰ドレンと共にガス溜り部の不凝縮
    性ガスを排出するドレン排出管とで構成したことを特徴
    とする請求項1記載のクリーンスチーム発生器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018051503A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 東洋紡株式会社 水処理装置、水処理システム及び水処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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