JPH09271983A - 摺動部肉盛材料 - Google Patents

摺動部肉盛材料

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JPH09271983A
JPH09271983A JP8106696A JP8106696A JPH09271983A JP H09271983 A JPH09271983 A JP H09271983A JP 8106696 A JP8106696 A JP 8106696A JP 8106696 A JP8106696 A JP 8106696A JP H09271983 A JPH09271983 A JP H09271983A
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JP
Japan
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build
welding
metal
valve
valve seat
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JP8106696A
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English (en)
Inventor
Keiichi Yanase
啓一 柳瀬
Susumu Takeda
進 武田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬度が高く、肉盛施工性に優れ、摺動性が良
い摺動部肉盛材料を提供する。 【解決手段】 母材へ溶着して肉盛する金属材料であっ
て、コバルトとモリブデンとケイ素とクロムと炭化クロ
ムとを含むコバルト基合金で、その組成分比が、Mo;
25〜35%、Si;2〜4%、Cr;10〜20%、
CrmCn;2.5〜20%、Co;残部、をなす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁の弁座や軸受等
の摺動部において肉盛するための金属材料に係り、摺動
部肉盛材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の弁の一例として、図5にボール弁
の構造を示す。図5において、弁箱1は内部に弁箱流路
2を開閉するボール弁体3を有している。ボール弁体3
は流体が通る弁体流路4を有し、弁棒5の軸心廻りに回
動することにより、弁体流路4が弁箱流路2に対応する
位置と、壁面部3aが弁箱流路2に対向する位置とに亘
って回転する。
【0003】弁箱1とボール弁体3の間には弁座6が介
装してあり、ボール弁体3に対向する弁座6の一側面が
弁座シールをなし、弁体シールをなすボール弁体3の外
周面に弁座シールが摺接する。弁座6と弁箱1の間には
弁座加圧板7が設けてあり、弁座加圧板7は弾性により
弁座6をボール弁体3に対して密接するように付勢して
いる。
【0004】このように、ボール弁の構造においては、
弁座6がボール弁体3に当接する状態でボール弁体3が
開閉動作を行うので、ボール弁体3の開閉動作時にボー
ル弁体3と弁座6との摺接を避けることができなかっ
た。
【0005】ところで、弁座や軸受等の摺動部には金属
材料の肉盛を行って耐摩耗性や耐腐食性を確保してい
る。金属材料の肉盛によりメタルタッチの弁座シールを
形成する場合には、弁座シールの摺動摩耗や焼き付けを
防止するために、弁体の開閉動作時に弁体シールと弁座
シールとが出来るだけ接触しないで弁体が移動できる構
造が望ましいが、上述したように、弁の構造や使用条件
等から開閉動作時において弁体シールと弁座シールの接
触を回避することができない場合が多かった。
【0006】この弁座シールの肉盛に使用する金属材料
としては、一般的にステライトが用いられている。ステ
ライトには種々のものが存在するが、表1に組成の一例
を示す。
【0007】
【表1】
【0008】表1に示すように、ステライトは、Cr,
W,Feを含むCoベースの合金であり、硬さが高く、
耐摩耗性と耐食性とを有し、特に高温でも硬さの減少が
少ないという特徴がある。
【0009】Co合金の肉盛方法としては、プラズマト
ランスファードアーク法(以下PTA法と称す)があ
る。このPTA法は、プラズマアークトーチ内に肉盛用
粉末材料を導入し、移行型のプラズマアークにより母材
へ溶着するものであり、肉盛用粉末材料は不活性ガスに
より圧送している。また、一般的なプラズマ溶射法は、
非移行型アークを用いるので母材は全く溶融せず、溶射
被膜と母材は機械的に結合しているのに対し、PTA法
では、アークが母材に移行するので、溶接金属は冶金的
に溶着する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ステライトは組成分の
比率が異なるものにおいて種々の物理的特性を示すが、
硬度が高く耐摩耗性が高いステライトのほど、施工性が
悪くなり、肉盛時に欠陥が生じ易く、機械加工性が悪く
なる問題があった。また、摺動性の点からみれば、ステ
ライトは必ずしも適材ではなく、摺動によってスクラッ
チが入り易く、ひどい場合には焼き付けを起こす問題が
あった。
【0011】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、硬度が高く、肉盛施工性に優れ、摺動性が良い摺動
部肉盛材料を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の摺動部肉盛材料は、母材へ溶着して肉
盛する金属材料であって、コバルトとモリブデンとケイ
素とクロムと炭化クロムとを含むコバルト基合金で、そ
の組成分比が、Mo;25〜35%、Si;2〜4%、
Cr;10〜20%、CrmCn;2.5〜20%、C
o;残部、をなすものである。
【0013】ここで、金属材料は、移行型のプラズマア
ークにより母材へ溶着するに適した粉末状をなすもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本実施形態において、肉盛対象とな
る母材は弁の弁座や軸受等の摺動部であり、肉盛方法と
してPTA法を使用する。肉盛する金属材料は、コバル
トとモリブデンとケイ素とクロムと炭化クロムとを含む
コバルト基合金で、その組成分比が、Mo;25〜35
%、Si;2〜4%、Cr;10〜20%、CrmC
n;2.5〜20%、Co;残部、をなし、形状がPT
A法における移行型のプラズマアークで母材へ溶着する
に適した粉末状をなしている。
【0015】Co;残部 Coは、Cr,Mo等の元素を固溶化させ、組織基地を
構成する主元素であり、肉盛する金属材料の摺動性に支
配的な影響を与えるLaves相の生成を助長し、脆弱
なLaves相の性質を補う重要な元素である。
【0016】Mo;25〜35% Moは、肉盛する金属材料のLaves相を生成し、耐
摺動特性を向上させる元素であり、35%を越えて添加
しても効果は飽和し、脆弱化する。
【0017】Si;2〜4% Siは、Moと同様に肉盛する金属材料のLaves相
を生成して、その耐摺動性を向上させる元素であり、組
成分比が4%を越えて添加しても効果は飽和し、脆弱化
する。
【0018】Cr;10〜20% Crは、盛金層の耐酸化性を向上させる元素であり、組
成分比が20%を越えるとLaves相の生成を妨げる
とともに、脆弱化する。
【0019】CrmCn;2.5〜20% CrmCnは、盛金層の摺動特性を向上させるととも
に、合金溶融状態での流動性を良好にさせるもので、結
果として盛金層中のブローホール、欠陥等の発生を低減
するものであり、組成分比が20%を越えるとLave
s相の生成に支障を来す。
【0020】肉盛に際しては、上述した粉末状の金属材
料を不活性ガスによりプラズマアークトーチ内に導入
し、移行型のプラズマアークにより弁座等を形成する母
材へ溶着する。この時、アークの母材への移行により、
粉末状の金属材料は冶金的に母材へ溶着する。
【0021】図1に、本発明に係る金属材料A(粉末組
成比Mo;27.5%,Si;3%,Cr;15%,C
32 ;10%)の各温度における硬さを、種々の供
試材料とともに示す。図1において供試材料a1はステ
ライトNo. 6、供試材料a2はステライトNo. 12、供
試材料a3は13Crステンレス鋼、供試材料a4はス
テライトNo. 1、供試材料a5は18−4−1高速度鋼
である。
【0022】図2に、本発明に係る金属材料Aとステラ
イトNo. 6とを、先に図5として説明したボール弁の弁
座に肉盛した場合の比較結果を示す。試験は、窒素ガス
を20Kgf/cm2 で供給して弁に5kの差圧を作用
させる状態で、ボール弁体を開閉作動させ、規定回数毎
に弁座漏れ量を測定した。本発明の材料は傷の発生が少
なく、耐摩耗性がよいので耐久性が良い。
【0023】図1および図2から明らかなように、本発
明に係る金属材料によれば、ステライトNo. 1以上の高
硬度を確保しながらも、その施工性はステライトNo. 6
よりもよく、ステライトに比べて耐摩耗性が高く、傷や
焼付が生じ難いので、耐久性が向上した。
【0024】図3は、粉末にCrmn を含まない合金
(0%)と本発明に係る(5%、10%、20%のCr
を含有させたもの)金属材料との常温硬度の比較を示す
ものである。図3に示す各値は、常温における摺動テス
ト(RT試験)後に測定した常温硬度と、試験片の表面
を再研削し、同一試験片により500℃から800℃ま
での各温度における摺動試験を行って後に測定した常温
硬度を示すものである。図3より粉末にCrmn
2.5〜20%含有することで硬度が上昇すると共に施
工性を容易化できる。また、Crmn の含有量を調節
することによっても硬度をコントロールできる。
【0025】図4は、合金の各温度における摩擦係数を
示すものであり、粉末にCr32を含有しない場合
と、本発明の合金においてCr32 の量を5〜10%
含有させた場合の試験結果である。
【0026】図3および図4から明らかなように、Cr
32 量の増加に伴って硬度が高くなり、摩擦係数が低
下する傾向が明らかである。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、組
成分比を、Mo;25〜35%、Si;2〜4%、C
r;10〜20%、CrmCn;2.5〜20%、C
o;残部とすることにより、硬度が高く、肉盛施工性に
優れ、摺動性が良い摺動部肉盛材料を具現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属材料と他の供試材料の各温度
における硬度の比較を示す図である。
【図2】本発明に係る金属材料とステライトとの摺動テ
ストでの各作動回数における弁座漏れ量を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る金属材料の一例と粉末にCr3
2 を含まない材料の常温硬度の比較を示す図である。
【図4】本発明に係る金属材料の一例と粉末にCr3
2 を含まない材料との各温度における摩擦係数を示す図
である。
【図5】ボール弁の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱 3 弁箱流路 4 弁体流路 5 弁棒 6 弁座

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材へ溶着して肉盛する金属材料であっ
    て、コバルトとモリブデンとケイ素とクロムと炭化クロ
    ムとを含むコバルト基合金で、その組成分比が、Mo;
    25〜35%、Si;2〜4%、Cr;10〜20%、
    CrmCn;2.5〜20%、Co;残部、をなすこと
    を特徴とする摺動部肉盛材料。
  2. 【請求項2】 金属材料は、移行型のプラズマアークに
    より母材へ溶着するに適した粉末状をなすことを特徴と
    する請求項1記載の摺動部肉盛材料。
JP8106696A 1996-04-03 1996-04-03 摺動部肉盛材料 Pending JPH09271983A (ja)

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Cited By (4)

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