JPH09267281A - 多軸ロボットの倣い制御装置および倣い制御方法 - Google Patents

多軸ロボットの倣い制御装置および倣い制御方法

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Publication number
JPH09267281A
JPH09267281A JP10374496A JP10374496A JPH09267281A JP H09267281 A JPH09267281 A JP H09267281A JP 10374496 A JP10374496 A JP 10374496A JP 10374496 A JP10374496 A JP 10374496A JP H09267281 A JPH09267281 A JP H09267281A
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JP
Japan
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control
control signal
hand
axis robot
target value
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Application number
JP10374496A
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English (en)
Inventor
Kuniharu Ito
邦春 伊藤
Masanori Shiotani
政典 塩谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多軸ロボットアームの手先と倣い対象物との
間の相対的な位置や姿勢の倣い制御を高速かつ高精度に
行うことができるようにする。 【解決手段】 ロボット手先1eの移動方向前方にセン
サ手段3を取り付け、そのセンサ出力から目標値算出部
4により計算される将来目標値を利用して、第1の制御
信号生成部5においてフィードフォワード制御を行うた
めの第1の制御信号を生成するとともに、第2の制御信
号生成部7において通常のフィードバック制御を行うた
めの第2の制御信号を生成し、これらの制御信号に基づ
いてロボット手先1eの倣い制御を行うようにすること
により、倣い目標値に対する制御応答特性を格段に改善
することができるようにして、ロボットを高速に動作さ
せる際に、多軸ロボットの振動が問題となるほど大きな
フィードバックゲインを与えることなく、倣い制御の精
度を向上させることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多軸ロボットの倣い
制御装置および倣い制御方法に関し、特に、ロボット手
先に取り付けたセンサを用いて、ロボット手先と倣い対
象物との相対的な位置(距離)や姿勢を一定に制御しな
がら、指定方向にロボットアームを移動させるようにす
る制御装置およびその方法に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロボットは、製品の組立や検査な
どの様々な用途で使われている。それらのうち、多軸ロ
ボットアームの手先にセンサを取り付け、そのセンサの
出力をもとに、ロボット手先と作業対象物との相対的な
距離や姿勢が常に一定になるように制御しながら(この
ような制御を一般に倣い制御という)作業を行うことが
できるようになされたロボットがある。
【0003】この種のロボットでは、距離や姿勢の倣い
制御を行う場合、いわゆるフィードバック制御を行うの
が一般的であった。すなわち、例えば、距離の倣い制御
を行う場合、ロボット手先に取り付けられた距離センサ
によりある時点での距離(作業対象物に対する相対的な
位置)を検出し、それを同じ時点での目標値と比較して
誤差信号を得て、その誤差をなくすようにサーボ系のフ
ィードバックゲインを調整するようになされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したフィードバッ
ク制御を行う場合、ある時点でロボット手先の位置や姿
勢を検出してから、それをフィードバックして倣い制御
を行い、その制御結果が反映されるまでに時間的な遅れ
が必ず生じる。この遅れは、実際の制御結果と目標値と
の間に誤差を生じさせる要因となるものである。そし
て、この誤差を少なくするためには、ロボットアームの
移動速度を遅くしなければならなかった。
【0005】一方、ロボットアームの移動速度を遅くす
ることなく倣い制御の精度を向上させるためには、サー
ボ系のフィードバックゲインを上げざるを得ないことが
一般に知られている。しかしながら、多軸ロボットのよ
うに柔軟な構造を持つ機械に対する制御ゲインを上げる
と、機械系の振動が大きくなり、倣い制御の精度に悪影
響を与えることがあるという問題があった。
【0006】ところで、最近では、上述した問題点を持
つフィードバック制御の代わりに、フィードフォワード
制御によって位置や姿勢の倣い制御を行うようになされ
た方法も提案されてきている。しかしながら、従来用い
られてきたフィードフォワード制御は、現時点における
ロボット手先の位置や姿勢を調整するための制御信号を
現時点での目標値から計算して得るようになされていた
ため、やはり時間的な遅れが生じてしまい、倣い制御の
精度を向上させる上で障害となっていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みて成され
たものであり、多軸ロボットアームの手先と倣い対象物
との間の相対的な位置や姿勢の倣い制御を高速かつ高精
度に行うことができるようにすることを目的とする。ま
た、その際、以上のことを簡単な構成で実現できるよう
にすることも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多軸ロボットの
倣い制御装置は、多軸ロボットの手先と倣い対象物との
間の相対的な位置や姿勢を一定に制御するための多軸ロ
ボットの倣い制御装置において、上記多軸ロボットの手
先の移動方向に対して一定距離を有する位置に取り付け
たセンサ手段と、上記多軸ロボットの手先より一定距離
だけ先に位置するセンサ手段によりあらかじめ得られて
いた所定ステップごとのセンサ出力をもとに、上記多軸
ロボットの手先を倣い制御する将来目標値を上記所定ス
テップごとに求める目標値算出手段と、上記目標値算出
手段により求められた所定ステップごとの将来目標値
と、上記所定ステップの第1ステップから最終ステップ
へと単調減少を実現するようなゲインとを積和演算する
ことによりフィードフォワード制御を行うようにするた
めの第1の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段
と、上記多軸ロボットの手先の実際の位置や姿勢とその
時点での現在目標値とから両者の差をなくすようにする
フィードバック制御を行うようにするための第2の制御
信号を生成する第2の制御信号生成手段と、上記第1の
制御信号生成手段により生成された第1の制御信号と上
記第2の制御信号生成手段により生成された第2の制御
信号とを加算して第3の制御信号を生成する第3の制御
信号生成手段と、上記第3の制御信号生成手段により生
成される第3の制御信号に基づいて上記多軸ロボットの
手先の倣い制御を行う制御手段とを設けたことを特徴と
する。
【0009】本発明の他の特徴とするところは、上記所
定ステップの数は、上記多軸ロボットの手先が上記一定
距離だけ移動する時間を所望の制御周期で除算した値で
あることを特徴とする。
【0010】本発明のその他の特徴とするところは、上
記第1の制御信号生成手段によって将来目標値と積和演
算されるゲインFr(i)(i=1,2,3,…,M:M は所定ステッ
プの数)は、 Fr(i)= Gain/2×(1−cos(π/M×i +π)) (Gain:第
1ステップにおける最大ゲイン) であることを特徴とする。
【0011】本発明の多軸ロボットの倣い制御方法は、
多軸ロボットの手先と倣い対象物との間の相対的な位置
や姿勢を一定に制御するための多軸ロボットの倣い制御
方法において、上記多軸ロボットの手先の移動方向に対
して一定距離を有する位置に取り付けられたセンサ手段
により得られるセンサ出力をもとに、上記多軸ロボット
の手先を倣い制御する際の将来目標値を生成し、上記将
来目標値を用いてフィードフォワード制御を行うように
するための第1の制御信号を生成し、上記多軸ロボット
の手先の実際の位置や姿勢とその時点での現在目標値と
を用いてフィードバック制御を行うようにするための第
2の制御信号を生成し、上記第1の制御信号と上記第2
の制御信号とを加算して第3の制御信号を生成し、上記
第3の制御信号に基づいて上記多軸ロボットの手先の倣
い制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】上記のように構成した本発明によれば、多
軸ロボットの手先の移動方向前方に取り付けたセンサ手
段によりロボット手先と倣い対象物との間の相対的な位
置や姿勢が検出され、その検出結果をもとに、センサ手
段よりも移動方向後方に位置するロボット手先がそのセ
ンサ手段の位置に所定時間後に移動したときの将来目標
値があらかじめ計算されて、その将来目標値を用いてフ
ィードフォワード制御を行うための第1の制御信号が生
成される。そして、上記第1の制御信号が通常のフィー
ドバック制御を行うための第2の制御信号に付加されて
位置や姿勢の倣い制御の制御信号として使用されるよう
になるので、フィードバック制御のみを行っていた場合
や、単に現在目標値を用いてフィードフォワード制御を
行っていた場合に比べて、倣い制御に対する応答の時間
遅れの影響を格段に少なくすることが可能となり、フィ
ードバックゲインをそれほど上げなくても倣い制御の精
度を向上させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の要素的特徴を示
す機能ブロック図である。この図1に示す倣い制御装置
は、多軸ロボットアーム1(図1では4軸1a〜1dの
ロボットアームを示している)の手先1eと倣い対象物
2との間の相対的な位置(距離)や姿勢を一定に制御す
るためのものである。
【0014】図1に示すように、本実施形態では、ロボ
ット手先1eと倣い対象物2との間の位置または姿勢を
検出するためのセンサ手段3を、上記ロボット手先1e
の移動方向に対して一定距離Lを有する位置に取り付け
ている。このように構成することにより、ロボット手先
1eが移動する先の将来のデータをあらかじめ検出して
得ることができるようにしている。
【0015】ここで、上記センサ手段3は、ロボット手
先1eの倣い対象物2に対する相対的な位置や姿勢を所
定ステップごとに検出し、それを出力している。これに
より、ロボット手先1eより一定距離Lだけ移動方向前
方にあるセンサ手段3により、所定数のセンサ出力(ロ
ボット手先1eが一定の速度で移動するとした場合、ロ
ボット手先1eとセンサ手段3との間を所定ステップ数
で等分した間隔ごとのセンサ出力)があらかじめ得られ
ていることとなる。
【0016】本実施形態では、このようにしてあらかじ
め得られる所定ステップ数のセンサ出力を用いて以下の
ようにしてフィードフォワード制御を行うための第1の
制御信号を生成し、上記第1の制御信号を従来と同様の
フィードバック制御を行うための第2の制御信号に加え
たものを、多軸ロボットアーム1の倣い制御を行うため
の実際の制御信号として用いるようにしている。
【0017】すなわち、目標値算出部4は、ロボット手
先1eより一定距離Lだけ先に位置するセンサ手段3に
よりあらかじめ得られていた所定ステップごとのセンサ
出力をもとに、ロボット手先1eと倣い対象物2との間
の位置や姿勢に関する将来目標値を所定ステップごとに
求める。将来目標値の算出方法については後で詳細に説
明するが、この目標値算出部4により、ロボット手先1
eが移動する先の将来目標値が所定ステップごとに常に
得られるようになる。
【0018】第1の制御信号生成部5は、上記目標値算
出部4により求められる所定ステップごとの将来目標値
と、上記所定ステップの第1ステップ(ロボット手先1
eの現在の位置より1つ先に進んだステップ)から最終
ステップ(センサ手段3の現在の位置に対応するステッ
プ)へと単調減少を実現するようなゲイン(重み係数)
とを積和演算することにより第1の制御信号を生成す
る。
【0019】このように、本実施形態では、所定ステッ
プ数だけあらかじめ求められている複数の将来目標値の
うち、ロボット手先1eの現在位置から近い位置の将来
目標値ほど大きなゲインをかけ、ロボット手先1eの現
在位置から遠い位置の将来目標値ほど小さなゲインをか
けるようにしている。
【0020】一般に、ある時刻における目標値を算出す
る際には、その時刻から近い将来の目標値の方が遠い将
来の目標値よりも重要度が高い。したがって、本実施形
態のように、ロボット手先1eの現在位置から近い位置
の将来目標値に対してより大きい重みをかけ、遠い位置
の将来目標値に対してより小さい重みをかけて第1の制
御信号を作ることにより、倣い制御の精度をより向上さ
せることができるようにしている。
【0021】また、第2の制御信号生成部7は、ロボッ
ト手先1eの現時点での位置や姿勢とその時点での目標
値とに基づいて、両者の差をなくすように制御するため
の第2の制御信号を生成する。
【0022】この第2の制御信号生成部7において第2
の制御信号を生成する際に使用する目標値は、遅延部6
から得られる。すなわち、遅延部6は、目標値算出部4
により算出された将来目標値を、ロボット手先1eが一
定距離Lだけ移動する時間分だけ遅延させる。これによ
り、ロボット手先1eの現時点での位置や姿勢と比較す
るための現在目標値が得られるようになる。
【0023】一方、上記ロボット手先1eの現時点での
位置や姿勢は、制御部9が制御している多軸ロボットア
ーム1の各軸1a〜1dの角度から計算される。そのた
めに、制御部9では、多軸ロボットアーム1の各軸1a
〜1dの角度からロボット手先1eの現時点での位置や
姿勢を計算し、それを第2の制御信号生成部7にフィー
ドバックしている。
【0024】上記第1の制御信号生成部5により生成さ
れた第1の制御信号および上記第2の制御信号生成部7
により生成された第2の制御信号は、第3の制御信号生
成手段として設けられている加算部8により加算され、
第3の制御信号として制御部9に与えられる。制御部9
は、加算部8から供給される第3の制御信号に基づい
て、多軸ロボットアーム1の各軸1a〜1dの角度を制
御することによってロボット手先1eの倣い制御を行
う。
【0025】次に、図1に示した多軸ロボットの倣い制
御装置をより具体的に実施した構成例を、図2に示す。
この図2は、ロボット手先1eの位置の倣い制御を行う
ための倣い制御装置について示した図である。また、図
3は、図2中に示す種々の情報の意味を説明するための
図である。以下、図3を参照しながら図2の倣い制御装
置の構成および動作について説明する。
【0026】図2に示す多軸ロボットアーム1および倣
い対象物2は、図1に示したものと同じである。この図
2の例では、図1のセンサ手段3の一例として距離セン
サ3aを用いている。この距離センサ3aも図1の場合
と同様に、ロボット手先1eの移動方向に対して一定距
離Lを有する位置に取り付けられている。
【0027】距離センサ高さ演算器21は、多軸ロボッ
トアーム1の1つ目の軸1aを原点とした基準座標系
(図3のx0 −z0 座標系)における距離センサ3aの
高さを求めるものである。通常、多軸ロボットシステム
はx0 −z0 の基準座標系の下で構成されるので、多軸
ロボットアーム1の各軸1a〜1dの角度さえ分かれ
ば、原点O0 から見た距離センサ3aの高さを計算する
ことができる。
【0028】そこで、本実施形態では、ロボット各軸1
a〜1dのモータに取り付けられた角度検出器1A〜1
Dの出力を距離センサ高さ演算器21に入力し、その各
軸1a〜1dの角度情報に基づいて基準座標系での距離
センサ3aの高さを計算している。なお、ロボット手先
高さ演算器22も同様に、各軸1a〜1dの角度情報を
もとに、基準座標系でのロボット手先1eの高さを計算
している。
【0029】次に、第1の減算器23において、上記距
離センサ高さ演算器21により計算された基準座標系で
の距離センサ3aの高さから、図3に示すx0 −z0
標系とx−z座標系との高さの差である基準高さh0
減算されることにより、x−z座標系における距離セン
サ3aの高さhs (k) が求められる。ここで、kはある
時刻を表している。
【0030】さらに、第2の減算器24において、上記
のようにして求められたx−z座標系における距離セン
サ3aの高さhs (k) から、距離センサ3aにより検出
された倣い対象物2と距離センサ3aとの間の距離g
(k) が減算されることにより、距離センサ3aが存在し
ている位置での倣い対象物2のx−z座標系における高
さが求められる。
【0031】そして、第1の加算器25により、上記求
められた倣い対象物2の高さと、倣い制御のギャップ目
標値gr (図3において倣い対象物2から高さgr の点
線で示す位置をロボット手先1eが常に移動していくよ
うにすることを目標としている)とを加算することによ
り、x−z座標系でのロボット手先1eの将来目標値R
(k+M)を求める。
【0032】ここで、M は最大予見ステップ数を示し、
このとき求められている将来目標値R(k+M)は、図1を用
いて説明した最終ステップでの将来目標値に相当する。
なお、この段階では、第1ステップ〜第(M-1) ステップ
の各ステップでの将来目標値は、以上の手順と同様にし
て既に求められており、例えば、フィードフォワード制
御器26内の図示しないメモリに記憶されている。
【0033】フィードフォワード制御器26は、上述の
ようにして求められた第1ステップ〜第M ステップ(最
終ステップ)の複数の将来目標値と、第1ステップから
最終ステップへと単調減少を実現するようなゲインとを
積和演算することにより第1の制御信号ur(k) を生成す
る。この積和演算は、例えば、次の(式1)に従って行
う。
【0034】ur(k) =ΣFr(i)×R(k+i) (式1) (i=1,2,3,…,M) ただし、 Fr(i)= Gain/2×(1−cos(π/M×i +π)) (Gainは供給ゲインの最大値)
【0035】図4は、上記(式1)に従って積和演算を
行う際に使用するゲインFr(i)の例を示す図である。こ
の図4では、最大予見ステップ数M の値を30とし、Ga
inの値を0.01とした場合の例を示している。このよ
うに、(式1)では、単調減少を実現するゲインの例と
してコサイン関数を用いた例を示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、単調減少を実現するもので
あれば、例えば直線的に単調減少するものであってもよ
い。
【0036】上述の最大予見ステップ数M は、ロボット
手先1eが一定距離Lだけ移動するのに必要な時間を所
望の制御周期で除算した値であり、以下の(式2)に従
って決められる。 M ={(ロボット手先と距離センサとの距離)/(移動速度)}×{1/( 制御周期)} (式2)
【0037】なお、この最大予見ステップ数M は、倣い
制御の制御状況に応じて任意に変えることが可能であ
る。また、供給ゲインの最大値Gainも制御状況に応じて
任意に変えることが可能である。例えば、最大予見ステ
ップ数M は、倣い制御に対する応答が遅れているときは
多くし、応答が速すぎるときは少なくすれば良い。ま
た、供給ゲインの最大値Gainは、倣い制御に対する応答
が目標値よりも大きければ小さくし、目標値よりも小さ
ければ大きくすれば良い。
【0038】このように、本実施形態では、最大予見ス
テップ数M (将来目標値の利用数)と供給ゲインの最大
値Gainとの2つのパラメータを調整するだけで目標値応
答特性を改善することができる。しかも、これら2つの
パラメータの意味は実際の制御対象に対して理解しやす
いものであるため、制御系の調整を極めて簡単に行うこ
とができるという利点がある。
【0039】上記第1の加算器25で求められたx−z
座標系でのロボット手先1eの将来目標値R(k+M)は、遅
延器28にも与えられ、ここで Mステップ分だけ遅延を
受ける。これにより、時刻kでの現在目標値が求められ
る。一方、上記ロボット手先高さ演算器22により計算
された基準座標系でのロボット手先1eの高さは、第3
の減算器27において基準高さh0 が減算されることに
より、x−z座標系におけるロボット手先1eの時刻k
での高さh(k) が求められる。そして、このようにして
求められた時刻kでの現在目標値と実際のロボット手先
1eの高さh(k) との差が第4の減算器29により求め
られる。
【0040】フィードバック制御器30は、例えば、P
ID(Proportional Integration and Differential )
制御などのフィードバック制御を行うための第2の制御
信号を生成するためのものであり、上記第4の減算器2
9で求められた現時刻kでの現在目標値と実際のロボッ
ト手先1eの高さh(k) との差をなくすように制御する
ための第2の制御信号uc(k) を生成する。
【0041】以上のようにして生成された第1の制御信
号ur(k) と第2の制御信号uc(k) とは、第2の加算器3
1で加算されて第3の制御信号u(k) とされる。この第
3の制御信号u(k) は、第3の加算器32で基準高さh
0 のバイアス分が加算され、元の基準座標系の信号u
(k) ′に戻される。ロボット手先1eの倣い制御は、こ
のようにして求められた基準座標系での第3の制御信号
u(k) ′に従って行われる。
【0042】すなわち、各軸角度指令値演算器33は、
第3の加算器32から供給される第3の制御信号u(k)
′に基づいて、多軸ロボットアーム1の各軸1a〜1
dの角度を制御するための指令値を計算し、それを各軸
モータドライバ34に供給する。各軸モータドライバ3
4は、与えられる指令値に従って各軸1a〜1dのモー
タ(図示せず)を駆動する。
【0043】以上詳しく説明したように、本実施形態で
は、既に公知の技術を用いて構成したフィードバック制
御系に対して、本実施形態において提案した将来目標値
を利用するフィードフォワード制御系を付加するだけで
倣い制御装置を構成している。図2から明らかなよう
に、付加するフィードフォワード制御系の構成は非常に
簡単なので、全体としての倣い制御装置の規模もそれほ
ど大きくならないようにすることができる。
【0044】また、図2のようにフィードフォワード制
御系を付加して構成した場合、制御系全体の安定性を決
定する伝達関数の分母は、フィードフォワード制御系が
ない場合と同じになるので、本実施形態において付加し
たフィードフォワード制御系によって全体の制御系の安
定性が損なわれることはない。そのため、フィードフォ
ワード制御系の調整時に安定性の確保に注意を払う必要
が全くない。しかも、本実施形態では、このような調整
を最大予見ステップ数M と供給ゲイン最大値Gainとの2
つのパラメータを調整するだけで行えるため、制御系の
調整を非常に容易に行うことができる。
【0045】さらに、ロボットを高速に動作させたとき
に問題となる振動現象については、フィードフォワード
制御系を設けたことにより目標値応答特性を改善するこ
とができるため、フィードバック制御系のゲインをそれ
ほど大きくする必要がない。そのため、多軸ロボットア
ーム1の振動が問題となるほどフィードバックゲインを
上げなくても、倣い制御の精度を向上させることができ
る。
【0046】ここで、図5に、図2のように構成した本
実施形態による倣い制御装置について数値シミュレーシ
ョンを行った結果を示す。また、図6に、フィードバッ
ク制御のみを利用した従来の倣い制御装置について数値
シミュレーションを行った結果を示す。
【0047】これら図5および図6の例は何れも、ロボ
ット手先1eについて位置の倣い制御を行う際の目標値
信号として、振幅が1[mm]で、周期が10[rad/sec] の
正弦波信号を与えたときの応答をシミュレーションした
結果を示している。なお、図5および図6において、一
点鎖線で示した信号が目標値信号であり、実線で示した
信号が倣い制御に対する応答信号である。
【0048】上述のように、本実施形態の倣い制御装置
では、将来目標値を用いたフィードフォワード制御を行
っているために、目標値信号の動きよりも応答信号の動
きの方が先行していることが図5より読み取れる。一
方、従来の倣い制御装置では、フィードバック制御のみ
を行っているため、目標値信号の動きから応答信号の動
きがかなり遅れていることが図6より読み取れる。
【0049】このため、従来例においては目標値信号と
それに対応する応答信号との差が非常に大きくなるのに
対して、本実施形態においては、目標値信号と応答信号
との差が非常に小さくなり、両者の誤差が極めて少なく
なっている。
【0050】図7は、図5に示した本実施形態による倣
い制御結果と、図6に示した従来例による倣い制御結果
との制御誤差を比較した図である。なお、図7中の一点
鎖線が本実施形態による制御誤差を示し、実線が従来例
による制御誤差を示している。この図7からも明らかな
ように、本実施形態によれば、従来例に比べて3倍以上
制御誤差を少なくすることができている。
【0051】
【発明の効果】本発明は上述したように、多軸ロボット
の手先の移動方向前方にセンサ手段を取り付けて、その
センサ出力から計算される将来目標値を利用してフィー
ドフォワード制御を行うための第1の制御信号を生成
し、上記第1の制御信号と通常のフィードバック制御を
行うための第2の制御信号とに基づいてロボット手先の
倣い制御を行うようにしたので、将来目標値を用いて生
成したフィードフォワード制御信号により倣い目標値に
対する制御応答特性を格段に改善することができ、ロボ
ットを高速に動作させる際に、多軸ロボットの振動が問
題となるほど大きなフィードバックゲインを与えること
なく、倣い制御の精度を飛躍的に向上させることができ
るようになり、位置や姿勢の倣い制御を高速かつ高精度
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要素的特徴を示す機能ブロック図であ
る。
【図2】図1に示した多軸ロボットの倣い制御装置をよ
り具体的に実施した構成例を示す図であり、位置の倣い
制御を行うための構成を示す図である。
【図3】図2中に示す種々の情報の意味を説明するため
の図である。
【図4】本実施形態による第1の制御信号を生成するた
めに積和演算を行う際に使用する単調現象のゲインの例
を示す図である。
【図5】図2のように構成した本実施形態による倣い制
御装置について数値シミュレーションを行った結果を示
す図である。
【図6】フィードバック制御のみを利用した従来の倣い
制御装置について数値シミュレーションを行った結果を
示す図である。
【図7】図5に示した本実施形態による倣い制御結果
と、図6に示した従来例による倣い制御結果との制御誤
差を比較した図である。
【符号の説明】
1 多軸ロボットアーム 1e ロボット手先 2 倣い対象物 3 センサ手段 3a 距離センサ 4 目標値算出部 5 第1の制御信号生成部 6 遅延部 7 第2の制御信号生成部 8 加算部 9 制御部 21 距離センサ高さ演算器 22 ロボット手先高さ演算器 26 フィードフォワード制御器 30 フィードバック制御器 33 各軸角度指令値演算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多軸ロボットの手先と倣い対象物との間
    の相対的な位置や姿勢を一定に制御するための多軸ロボ
    ットの倣い制御装置において、 上記多軸ロボットの手先の移動方向に対して一定距離を
    有する位置に取り付けたセンサ手段と、 上記多軸ロボットの手先より一定距離だけ先に位置する
    センサ手段によりあらかじめ得られていた所定ステップ
    ごとのセンサ出力をもとに、上記多軸ロボットの手先を
    倣い制御する将来目標値を上記所定ステップごとに求め
    る目標値算出手段と、 上記目標値算出手段により求められた所定ステップごと
    の将来目標値と、上記所定ステップの第1ステップから
    最終ステップへと単調減少を実現するようなゲインとを
    積和演算することによりフィードフォワード制御を行う
    ようにするための第1の制御信号を生成する第1の制御
    信号生成手段と、 上記多軸ロボットの手先の実際の位置や姿勢とその時点
    での現在目標値とから両者の差をなくすようにするフィ
    ードバック制御を行うようにするための第2の制御信号
    を生成する第2の制御信号生成手段と、 上記第1の制御信号生成手段により生成された第1の制
    御信号と上記第2の制御信号生成手段により生成された
    第2の制御信号とを加算して第3の制御信号を生成する
    第3の制御信号生成手段と、 上記第3の制御信号生成手段により生成される第3の制
    御信号に基づいて上記多軸ロボットの手先の倣い制御を
    行う制御手段とを設けたことを特徴とする多軸ロボット
    の倣い制御装置。
  2. 【請求項2】 上記所定ステップの数は、上記多軸ロボ
    ットの手先が上記一定距離だけ移動する時間を所望の制
    御周期で除算した値であることを特徴とする請求項1に
    記載の多軸ロボットの倣い制御装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の制御信号生成手段によって将
    来目標値と積和演算されるゲインFr(i)(i=1,2,3,…,
    M:M は所定ステップの数)は、 Fr(i)= Gain/2×(1−cos(π/M×i +π)) (Gain:第
    1ステップにおける最大ゲイン) であることを特徴とする請求項2に記載の多軸ロボット
    の倣い制御装置。
  4. 【請求項4】 多軸ロボットの手先と倣い対象物との間
    の相対的な位置や姿勢を一定に制御するための多軸ロボ
    ットの倣い制御方法において、 上記多軸ロボットの手先の移動方向に対して一定距離を
    有する位置に取り付けられたセンサ手段により得られる
    センサ出力をもとに、上記多軸ロボットの手先を倣い制
    御する際の将来目標値を生成し、 上記将来目標値を用いてフィードフォワード制御を行う
    ようにするための第1の制御信号を生成し、 上記多軸ロボットの手先の実際の位置や姿勢とその時点
    での現在目標値とを用いてフィードバック制御を行うよ
    うにするための第2の制御信号を生成し、 上記第1の制御信号と上記第2の制御信号とを加算して
    第3の制御信号を生成し、 上記第3の制御信号に基づいて上記多軸ロボットの手先
    の倣い制御を行うようにしたことを特徴とする多軸ロボ
    ットの倣い制御方法。
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