JPH09266199A - プラズマの評価方法ならびに装置 - Google Patents

プラズマの評価方法ならびに装置

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JPH09266199A
JPH09266199A JP8075857A JP7585796A JPH09266199A JP H09266199 A JPH09266199 A JP H09266199A JP 8075857 A JP8075857 A JP 8075857A JP 7585796 A JP7585796 A JP 7585796A JP H09266199 A JPH09266199 A JP H09266199A
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JP
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substrate
plasma
analysis
incident
potential
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JP8075857A
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English (en)
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Naoshi Itabashi
直志 板橋
Katanobu Yokogawa
賢悦 横川
Shinichi Taji
新一 田地
Seiji Yamamoto
清二 山本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】プラズマを用いた材料加工時において、基
板入射パラメータならびに基板上パラメータを分析する
各々の分析素子の設置と、該パラメータの分析により構
成され、該分析素子のうち、少なくとも2種類を、被加
工材料基板上あるいはこれと同様の形状を有する分析用
基板上に設置することを特徴とする。 【効果】プラズマを用いた材料加工時における被加工材
料基板設置条件と同等な条件下で、各々の基板入射パラ
メータならびに各々の基板上パラメータの分析と、これ
らのパラメータ間の相関関係の解析を、被加工材料基板
の視点に立って行うことが可能となり、材料加工に用い
るプラズマを正確に評価することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体産業におけ
る各種材料の微細加工に用いるプラズマ処理装置の評価
方法ならびに装置に関わるもので、被加工材料基板に面
する領域あるいは被加工材料基板より見込まれる領域に
おけるプラズマの特性とプラズマを用いた材料加工性能
との関係を、プラズマより基板に入射する電子、イオ
ン、中性粒子、光(基板入射パラメータ)、ならびに、
基板上の温度、電位、電流(基板上パラメータ)の分析
と、これらパラメータ間の相関関係の解析により評価す
る方法ならびに装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマを用いた材料加工におい
ては、プラズマを見込むポート(窓)に様々な分析装置
を設置し、これらを用いて分析を行うことにより、プラ
ズマの特性を評価する方法が試みられてきた。例えば、
ある一つのポートにはプラズマ中のイオンやラジカルの
密度やエネルギーの分析装置(四重極質量分析計等)
を、また別のポートには石英窓を介してプラズマ発光を
分析するための発光分光分析装置(分光器ならびに光電
子増倍管等)を設置し、これらによる分析結果と基板上
の温度や電位などの分析結果を併せてプロセス特性に突
き合わせ、プラズマ特性のプロセスに及ぼす影響の検討
を行ってきた。しかし、このような方法では、プラズマ
より基板へ入射する粒子や光を、基板上からプラズマを
見込む視点に立って分析することは不可能であった。例
えば、イオンやラジカルの分析において、材料加工室の
側面のポートに分析装置を設置しても、基板に入射する
これらの粒子の直接の情報を得ることはできない。ま
た、たとえ被加工材料基板に見たてた平板にピンホール
をあけ、この平板の背後に分析装置を設置し、ピンホー
ルに入射する粒子の分析を試みても、実際の使用条件で
は材料加工室内には処理用のガスが満たされているた
め、ピンホールに入射したこれら粒子は、検出器の検出
素子部に到達するまでの間に処理用のガス粒子による衝
突を受け、化学状態、荷電状態、エネルギー、軌道など
が、基板に入射した時点とは大きく変化してしまい、決
してμmオーダーの溝や微小孔の刻まれた基板上で起こ
る現象を正確に把握することはできなかった。以上のよ
うに、プロセスの性能に対してプラズマが適したもので
あるか否かを評価するために、従来、被加工材料基板の
視点から諸入射パラメータを正確に測定することは不可
能であった。こうして、従来は、上に説明したような曖
昧な分析結果と、別途に基板の裏面に設けた熱電対等の
温度測定素子を用いて計測した平均的な基板温度や基板
全体の浮遊電位測定より得られた平均的な基板表面電位
等の情報を併せて評価し、これらとプロセス特性とを対
比させながら、基板上で起こっている反応を推定するこ
とにより、プロセス装置の開発やプロセス条件設計なら
びに最適化を行わなければならなかった。
【0003】現在、実際のプロセスでは、被加工材料基
板面内の加工性能の不均一性や加工形状の不良等の様々
な問題に直面している。しかし、実際のところ、それら
の原因が不明確のまま解決に至っていないものも多い。
例えば、加工性能の不均一性に対する原因としては、被
加工材料基板と反応するラジカルの種類や密度、反応を
アシストするイオンの種類や密度、イオンの入射エネル
ギーを決定する基板電位や、表面の反応性や反応生成物
の揮発に関係する温度など、諸パラメータのそれぞれの
不均一性が影響していると推測される。一方、加工形状
の不良に対する原因として、荷電粒子の入射により基板
表面に蓄積電荷の分布(電位分布)が生じ、入射する荷
電粒子の軌道やエネルギーに影響を与えているという推
測もあり得るが、化学反応など他の現象が関与している
可能性も否定できない。ところが、現状では、基板に入
射する電子、イオン、中性粒子、光(基板入射パラメー
タ)や、温度、電位、電流(基板上パラメータ)の分布
等の特性の正確な分析とこれら諸量の間の関係の正確な
評価ができないため、プラズマ特性を正確に把握するこ
とができず、明確なプロセス制御指針を得ることはでき
ていない。これらは、被加工材料基板の視点に立った上
記の諸パラメータの分析方法と相互関係の解析方法が今
まで確立されていなかったためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術に記
したプラズマ内部の特性を評価する方法では、被加工材
料基板よりプラズマを見込む視点とは異なる視点から分
析した曖昧な情報のみしか得ることができず、これらの
分析結果と被加工材料基板上の平均的な情報とを併せて
用いても、プラズマを用いた材料加工性能を正確に評価
することは不可能であった。また、上記の従来の技術に
記した様に、従来用いられてきた様々な計測装置をたと
え基板台の背後に設置してピンホールを介した分析を行
っても、決してμmオーダーの溝や微小孔の刻まれた被
加工材料基板上で起こる様々な現象を正確に把握するこ
とはできなかった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、被加工
基板設置状態と同様な状況下において、基板に入射する
電子、イオン、中性粒子、光の各々、ならびに、基板上
の温度、電位、電流の各々を正確に分析し、またこれら
の相互の関係を解析することにより、これらパラメータ
と材料加工性能の関係を正確に評価することを可能と
し、これにより材料加工に用いられるプラズマを評価す
ることを可能とするプラズマ評価方法ならびに装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、プラズマを
用いた材料加工時において、被加工材料基板に入射する
電子、イオン、中性粒子、光を分析するための各々の基
板入射パラメータ分析素子、ならびに、被加工材料基板
上の温度、電位、電流を分析するための各々の基板上パ
ラメータ分析素子を設置する設置工程ならびに手段と、
該分析素子により該パラメータの各々を分析する分析工
程ならびに手段からなり、特に、該分析素子のうち少な
くとも2種類を、該被加工材料基板上あるいはこれと同
様の形状を有する分析用基板上に設置することを特徴と
するプラズマ評価方法ならびに装置を用いることにより
解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】電子、イオン、中性粒子、光(基
板入射パラメータ)、ならびに、温度、電位、電流(基
板上パラメータ)を分析するための各々の分析素子を、
被加工材料基板上あるいはこれと同様の形状を有する分
析用基板上に搭載し、該基板をプラズマを用いた材料加
工を行うための材料加工室の内部に設置して、該分析素
子の各々に分析素子制御手段ならびに信号検出手段を接
続し、上記基板入射パラメータならびに上記基板上パラ
メータの分析と、これらの相互関係の解析を実施する。
このように、基板上に様々な分析装置を搭載することに
より、実際の被加工材料基板設置状態と同様の状況の下
で、材料加工に用いるプラズマの特性を正確に評価する
ことが可能となる。
【0008】図 1 に本発明の実施例を示す。図 1 (a)
に示すように、プラズマ特性を評価するための基板に
は、一例として、絶縁膜で覆われた基板 101 上に、イ
オン検出素子 102、光検出素子 103、温度検出素子 10
4、電位検出素子 105 を設置した基板を用いた。図に示
すように、r = 0 mm(基板の中心)の位置に上記検出素
子(102 から 105)を 1 組、r = 35 mm の位置に 1
組、r = 70 mm の位置に 1組、r = 105 mm の位置に 1
組、r = 140 mm の位置に 1 組、合計 5 組が設置され
ている。それぞれの素子には引き出し線(図中では省
略)が設けられており、結合手段として用いるコネクタ
部 106 に結線されている。イオン検出素子 102 には、
導体膜と絶縁体膜の積層構造(検出用微小孔を有する)
より成る素子を用いた。この構造により、入射イオンの
密度とエネルギーの分析が可能である。光検出素子 103
には、光応答材料(化合物半導体)上に誘電体多層膜
(波長フィルタ)を形成した素子をアレー状に複数個配
置した素子集合を用いた。一つ一つの素子は多層膜を構
成する誘電体の屈折率ならびに膜厚を少しずつ変えて設
計してあり、この構成により、分光分析が可能である。
また、この検出素子が上方のプラズマを見込む立体角を
一定とするために、多数の高アスペクトの微小孔を有す
るマスクが波長フィルターの上に設けてある。これによ
り、基板に入射する光を各々の位置において分析するこ
と(分布の評価)が可能である。温度検出素子 104 に
は、CVD 法ならびにエッチングによって形成した異種金
属接合(熱電対)を用いた。また、電位検出素子 105
には、イオン検出素子 102 と類似した導体膜と絶縁体
膜の積層構造(検出用微小孔を有する)より成る素子を
用いた。
【0009】次に、この基板を用いてプラズマの評価を
行う方法を図 1 (b) を用いて説明する。まず、基板搬
送手段 107 により、基板 108 を材料加工室 109 内に
設置した。材料加工室 109 内には、結合手段としてコ
ネクタ部 110 が設置されている。これを基板上のコネ
クタ部(図 1 (a) において説明したコネクタ部 106)
に結合させることにより、基板 108 上の各々の素子
に、分析素子制御手段 111、ならびに信号検出手段 112
を接続した。以上のように、基板 108 の設置が完了し
た後、材料加工室 109 内にプラズマ 113 を点火した。
【0010】以下、得られた結果を示す。図 2 (a) な
らびに図 2 (b) には、イオン検出素子 102(図 1)に
よって検出された入射イオンの密度ならびにエネルギー
の基板面内分布 201 ならびに 202 をそれぞれ示す。本
実施例で用いた研究用エッチング装置(材料加工装置)
ならびにプラズマ条件では、入射イオンの密度ならびに
エネルギーは、基板中央付近の方が高いことがわかっ
た。これより、ここで用いたプラズマ条件における荷電
粒子の生成効率は、基板中央付近において高く、イオン
のエネルギーを決定するプラズマポテンシャルと基板電
位の差は、同様に基板中央付近において高いことがわか
った。但し、以上の結果のみでは、プラズマポテンシャ
ルならびに基板電位の均一性について、それぞれを独立
に評価することはできない。
【0011】図 3 には、光検出素子 103(図 1)を用
いてプラズマより基板に入射する光の分光分析を行った
結果を示す。図 3 (a) は 250 nm から400 nm の光を透
過する波長フィルタ、図 3 (b) は 400 nm から550 nm
の光を透過する波長フィルタ、図 3 (c) は 550 nm か
ら700 nm の光を透過する波長フィルタ、図 3 (d) は70
0 nm から850 nm の光を透過する波長フィルタを用いた
素子からの検出信号の基板径方向の分布 301〜304 であ
る。得られた光の入射密度は、いずれの波長フィルター
を用いた場合においても基板中央付近において高いこと
がわかった。これは、上に述べた荷電粒子の生成効率が
基板中央付近において高かったことによく対応してい
る。ここで、さらに透過波長帯域の狭い波長フィルター
を多数種類用いて、さらに波長分解能の高い分析を行っ
たが、光の入射密度の径方向分布に波長依存性は見られ
なかった。これは、基板より見込まれるプラズマより入
射する光の密度の径方向分布は、プラズマ中の電子密度
の分布を主に反映しており、電子温度には大きな分布は
ないことを示している。
【0012】図 4 には、温度検出素子 104(図 1)に
より計測された基板温度の面内分布401 を示す。基板温
度は面内で±5 %以内でほぼ均一であった。図 2 なら
び図3 に述べたように、イオンならびに光の入射特性
は、基板中央付近において高くなる分布であった。これ
にもかかわらず基板温度の面内分布として平坦な分布が
得られたことは、基板温度の面内制御が良好に行われて
いることを示している。
【0013】図 5 には、電位検出素子 105(図 1)に
より計測された基板電位の面内分布501 を示す。基板電
位は、基板中央付近において低い値をとる分布となっ
た。図2 において説明したように、プラズマより基板に
入射するイオンのエネルギーは、プラズマ電位と基板電
位の差によって決定される。図 2 において示したイオ
ンエネルギーの面内分布のみからは、プラズマ電位の基
板径方向の分布と基板電位の面内分布を独立に見積るこ
とはできない。しかし、図 2 に示したイオンの入射エ
ネルギーの面内分布と、ここで得られた基板電位の面内
分布の両者を用いる(加算する)ことによって、プラズ
マ電位の基板径方向の分布を見積ることができる。プラ
ズマ電位の分布は、プラズマ中に探針を挿入する方法
(プローブ法)によっても見積ることは可能であるが、
プローブ法を用いる場合には分析のためのプローブがプ
ラズマに擾乱を与えてしまうことは免れ得ない。本実施
例に示した基板入射パラメータならびに基板上パラメー
タの分析においては、基板上に分析素子を設置すること
によりプラズマ内には何も挿入せずに分析を行ってい
る。このため、プラズマを乱すことなく正確な評価を行
うことが可能である。また、本実施例は、本来一つのパ
ラメータを分析しただけでは評価することのできないプ
ラズマ内の特性を、複数種類のパラメータを分析するた
めの分析素子を同一基板上に設置することにより、評価
することが可能となった一例を示すものである。ここで
は、入射イオンのエネルギーと基板電位の分析からプラ
ズマ電位を評価する場合を例にとって説明したが、基板
上の電位分析素子と電流分析素子によりプラズマ内の電
子密度や温度の分布を見積ることや、基板に入射するイ
オンならびに中性粒子の分析素子によりプラズマの被加
工材料基板に面する領域の特性と材料加工特性の関係を
評価することなど、各々のパラメータを分析するための
素子を組み合わせて用いることにより、プラズマを乱す
ことなく様々な観点からプラズマを評価することが可能
となる。
【0014】次に、上に説明したプラズマを用いてエッ
チングを試みた。その結果、基板中央付近で特にエッチ
ング速度が早く、基板面内で均一なエッチングを行うこ
とができないことがわかった。そこで、再び、図 1 に
示した基板 108 を材料加工室内に設置し、イオン、
光、温度、電位という 4 つのパラメータの内、光に着
目しながら、プラズマ分布制御パラメータ(具体的に
は、μ波 ECR エッチング装置の磁場条件)を調整し、
基板への光の入射特性の基板面内分布が平坦となるよう
に設定した。しかし、ここで、基板への光の入射特性の
面内分布を平坦な分布としても、イオンの入射特性なら
びに電位の面内分布が必ずしも平坦にはならないことが
明らかとなった。これは、本実施例で利用した研究用エ
ッチング装置では、励起電子状態の種(発光種)の径方
向の分布と荷電粒子の生成の径方向の分布が必ずしも一
致しないということを示している。イオンの密度とエネ
ルギー、光の照射密度とエネルギー(波長)、基板温
度、電位分布は、各々がエッチングに対して別々の異な
る影響を与える。また、効果の度合いもそれぞれ異な
る。このため、全ての基板入射パラメータならびに全て
の基板上パラメータを基板面内で均一にできるプラズマ
装置を実現することが理想である。そこで、この理想の
状態に近付けることを目的として、ここまで用いてきた
研究用エッチング装置の改良を行った。プラズマを発生
させる材料加工室の形状の検討を重ねた結果、上記の 4
つのパラメータ(イオン、光、温度、電位)の全てに
ついて±5 %以内の均一性を得ることのできる装置形状
を開発した。また、このとき、基板に入射する電子の検
出素子、基板に入射する中性粒子の検出素子(イオン検
出素子と同様の構造に電子放出材料を用いたイオン化部
を付加したもの)、ならびに、基板に流れ込む電流の検
出素子を搭載した基板を準備して、基板面内分布を確認
したところ、入射電子、入射中性粒子ならびに基板上電
流ともに基板面内で±5 %以内の良好な均一性が得られ
ていることが確認された。この新規装置形状を有するプ
ラズマエッチング装置を用いて、再びエッチングを試み
たところ、基板面内において±5 %以内のエッチング速
度均一性を達成した。
【0015】なお、以上の実施例では、上記検出素子
(102 から 105)における全ての制御信号ならびに検出
信号を電気信号として取り扱っているが、全く同じ情報
を光信号として取り扱うことが可能であることは言うま
でもない。また、以上の実施例では、分析素子制御手段
ならびに信号検出手段はすべて材料加工室の外部に設置
し、基板上に設けられた結合手段を介して分析素子制御
ならびに信号検出を行った例を示したが、分析素子を搭
載した同じ基板上に電源素子ならびに記憶素子(制御プ
ログラムを含む)を設けることにより外部との結合手段
を介さずに分析素子制御を行うことにより全く同様の評
価が可能であることはいうまでもない。また、同じ基板
上に通信手段を搭載し、通信手段を介して分析素子を材
料加工室の外部から制御すること、通信手段を介して信
号検出結果を外部へ転送することによっても、全く同様
の評価が可能なことはいうまでもない。また、記憶素子
内に信号検出結果を一旦記録し、基板を材料加工室の外
部に取り出してから結果を読み出すことによっても、全
く同様の評価が可能なことは言うまでもない。
【0016】なお、以上の実施例では、分析素子を搭載
した分析用基板とプロセス試行のための被加工材料基板
をそれぞれ用意して、これらを基板搬送手段により入れ
替えながら評価を行う例を示したが、プロセス試行のた
めの被加工材料基板上に直接分析素子を搭載して分析を
行うことも同様に可能であることは言うまでもない。
【0017】なお、本実施例における基板では、基板に
入射する電子、イオン、中性粒子の検出素子、基板上の
電位、電流の検出素子として、導体膜と絶縁体膜を組み
合わせることにより形成した素子(中性粒子検出素子で
は電子放出材料を用いたイオン化部を含む)を、基板に
入射する光の検出素子として、光応答材料、誘電体多層
膜、微小孔を設けたマスクを組み合わせることにより形
成した素子を、また、基板上の温度の検出素子として、
異種金属材料を組み合わせることにより形成した素子を
用いたが、異なる素子部の形成方法(異なる形成プロセ
ス方法、異なる材料や、直接描画法と張り付け法の使い
分けによる異なる素子搭載方法など)や異なる検出原理
(例えば、磁場変化や固体物質の振動数変化など)を用
いた素子を搭載した基板を用いても、全く同様の効果が
得られることは言うまでもない。
【0018】なお、本実施例では、図 1 にも示したよ
うに、12 インチ(直径約 30 cm)の被加工材料基板
(ウェーハ)を処理する方法ならびに装置を例として、
本発明のプラズマ評価方法ならびに装置を用いたプロセ
ス装置の開発や改良、また、プロセス条件の制御につい
て説明したが、本発明を、これよりも寸法の小さなウェ
ーハ(例えば、4 インチ、6 インチや 8 インチ)の処
理、あるいは、これよりも寸法の大きなウェーハ(例え
ば、16 インチあるいはそれ以上)の処理においても、同
様に用いることが可能であることは言うまでもない。特
に、近年、高効率な生産を目的とした半導体処理の大面
積化が進む中、より広い面積において均一な処理性能を
得ることが技術的に増々難しくなってきている状況を考
えると、本発明は、ウェーハ直径がより大きいほど効力
を発揮するものといえる。また、直径の大きなウェーハ
になるほど、ウェーハの単価が高くなること、すなわ
ち、生産コスト面から考えても、プロセス条件決定のた
めの先行試行ウェーハ(試しにプロセスをやってみるた
めのウェーハ)の枚数を減らしていく必要があるという
観点から、あらかじめプロセスに用いるプラズマの特性
を評価し、得られた情報をプロセスにフィードバックす
る本発明のアイディアは、処理面積が増すほど効力を発
揮するものといえる。
【0019】以上に述べたように、本発明を用いること
により、材料加工に用いるプラズマの特性と、プロセス
性能や装置の幾何学的形状との関係等、プロセスあるい
はその装置を開発、改良、制御する上で極めて重要な知
見を明らかすることができた。このような知見は、様々
な角度からプラズマを見込んだポートに分析装置を設置
しプラズマを評価する従来の方法では、決して明らかに
することができなかったものである。こうして、本発明
の基板を用いることにより、従来、試行錯誤的に行って
いたプロセスあるいはその装置の開発、改良、制御を確
実な指針に従って成し遂げることが可能となった。
【0020】
【発明の効果】本発明により、従来困難であったプラズ
マより被加工材料基板に入射する電子、イオン、中性粒
子、光(基板入射パラメータ)、ならびに、被加工材料
基板上の温度、電位、電流(基板上パラメータ)の分析
と各々の間の相関関係の解析を、実際の被加工材料基板
設置条件と同等な条件下で行うことが可能となり、材料
加工に用いるプラズマを正確に評価することができる。
これにより、材料加工に用いられるプラズマの特性と材
料加工特性との関係を正確に評価することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における基板の構造とこれを用
いたプラズマの評価の説明図。
【図2】本発明の実施例における基板を用いて得られた
イオンの入射特性の基板面内分布。
【図3】本発明の実施例における基板を用いて得られた
光の入射特性の基板径方向分布。
【図4】本発明の実施例における基板を用いて得られた
温度の基板面内分布。
【図5】本発明の実施例における基板を用いて得られた
電位の基板面内分布。
【符号の説明】
101…基板、102…イオン検出素子、103…光検出素子、1
04…温度検出素子、105…電位検出素子、106…コネクタ
部、107…基板搬送手段、108…基板、109…材料加工
室、110…コネクタ部、111…分析素子制御手段、112…
信号検出手段、113…プラズマ、201…入射イオンの密度
の基板面内分布、202 …入射イオンのエネルギーの基板
面内分布、301…波長フィルタ(250〜400 nm の光を透
過)を用いた時に得られた入射光の基板径方向分布、30
2…波長フィルタ(400〜550 nm の光を透過)を用いた
時に得られた入射光の基板径方向分布、303…波長フィ
ルタ(550〜700 nm の光を透過)を用いた時に得られた
入射光の基板径方向分布、304…波長フィルタ(700〜85
0 nm の光を透過)を用いた時に得られた入射光の基板
径方向分布、401…基板温度の面内分布、501…基板電位
の面内分布。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/00 H05H 1/00 A (72)発明者 山本 清二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを用いた材料加工装置内に、被加
    工材料基板に入射する電子、イオン、中性粒子、光を分
    析するための各々の基板入射パラメータ分析素子、なら
    びに、被加工材料基板上の温度、電位、電流を分析する
    ための各々の基板上パラメータ分析素子を設置する設置
    工程と、該分析素子により該パラメータの各々を分析す
    る分析工程からなり、特に、該分析素子のうち少なくと
    も2種類を、該被加工材料基板上あるいはこれと同様の
    形状を有する分析用基板上に設置することを特徴とする
    プラズマ評価方法。
  2. 【請求項2】プラズマを用いた材料加工装置内に、被加
    工材料基板に入射する電子、イオン、中性粒子、光を分
    析するための各々の基板入射パラメータ分析素子、なら
    びに、被加工材料基板上の温度、電位、電流を分析する
    ための各々の基板上パラメータ分析素子を設置する手段
    と、該分析素子により該パラメータの各々を分析する分
    析手段とからなり、特に、該分析素子のうち少なくとも
    2種類を、該被加工材料基板上あるいはこれと同様の形
    状を有する分析用基板上に設置することを特徴とするプ
    ラズマ評価方法。
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