JPH09264815A - 複合材料の強度測定方法及びその装置 - Google Patents

複合材料の強度測定方法及びその装置

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JPH09264815A
JPH09264815A JP8074010A JP7401096A JPH09264815A JP H09264815 A JPH09264815 A JP H09264815A JP 8074010 A JP8074010 A JP 8074010A JP 7401096 A JP7401096 A JP 7401096A JP H09264815 A JPH09264815 A JP H09264815A
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JP
Japan
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test piece
strength
composite material
fragile
matrix
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Application number
JP8074010A
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English (en)
Inventor
Makoto Katagiri
誠 片桐
Hideki Sekine
英樹 関根
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に試験片を製作せずに複合材料の強度測
定を行う。 【解決手段】 該脆弱な粒子の含有率及び粒径並びにマ
トリックスの破壊靭性値から実物の試験片と同質な仮想
試験片を発生させる試験片発生行程と:該仮想試験片に
荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数を検出す
る弾性解析行程と;該弾性解析行程で求めた全ての応力
拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係数検出行
程と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応力係数と
マトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強度を算出
する強度計算行程と;を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は複合材料、例え
ば、金属炭化物等の粒子を分散させた超硬合金やサーメ
ットなどの粒子分散複合材料、天然骨材や人工骨材を含
むコンクリートの強度を測定するための方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削工具用の材料として超硬合金やサー
メットが用いられているが、これらの材料は、金属をマ
トリックスとして金属炭化物等の粒子を混在せしめるこ
とにより、高硬度、高剛性、高靭性などの優れた機械的
特性を発揮するものである。
【0003】これらの機械的特性には、マトリックス特
性や分散粒子の特性、形状及び含有率などの構成要素が
密接に関与している。特に、超硬合金やサーメットで
は、僅かな合金炭素量の変化によって、イータ相(η−
phase)や遊離炭素相(free−C)などと呼ば
れる脆弱な反応生成粒子、所謂、脆弱相が生成するた
め、曲げ強度等の機械的特性のばらつきが発生する。合
金炭素量の変化は、材料の形状や焼結行程時の焼結炉内
雰囲気にも影響されるため、合金炭素量のばらつきを回
避するのは困難である。
【0004】そこで、このような材料の強度を測定しな
ければならない。従来、この強度の測定は、例えば、J
IS R1601に基づき、試験片を実際に製作し、該
試験片を試験機にセットして試験荷重をかけ、所謂曲げ
試験を行って実測している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の試験方法には、
次の様な問題がある。 (1)研削等の機械加工により試験片を製作しなければ
ならないので、強度の測定に多くの時間を要するばかり
でなく、強度の分布、ばらつきを調べるためには多数の
試験片が必要となり膨大な時間と労力が必要となり、極
めて非効率的である。
【0006】(2)複合材料の寸法が、JISに規定す
る試験片の寸法より小さい場合には、規格通りの試験片
を準備することができないことになるので、試験は不可
能となる。
【0007】この発明は、上記事情に鑑み、実際に試験
片を製作せずに複合材料の強度測定を行うことを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、脆弱な粒子
を含む複合材料の強度測定方法であって;該脆弱な粒子
の含有率及び粒径並びにマトリックスの破壊靭性値から
実物の試験片と同質な仮想試験片を発生させることを特
徴とする複合材料の強度測定方法、である。
【0009】この発明は、脆弱な粒子を含む複合材料の
強度測定方法であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒径
並びにマトリックスの破壊靭性値から実物の試験片と同
質な仮想試験片を発生させる試験片発生行程と:該仮想
試験片に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数
を検出する弾性解析行程と;該弾性解析行程で求めた全
ての応力拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係
数検出行程と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応
力係数とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強
度を算出する強度計算行程と;を備えていることを特徴
とする複合材料の強度測定方法、である。
【0010】この発明は、脆弱な粒子を含む複合材料の
強度測定方法であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒径
並びにマトリックスの破壊靭性値から実物の試験片と同
質な仮想試験片を発生させる試験片発生行程と:該仮想
試験片に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数
を検出する弾性解析行程と;該弾性解析行程で求めた全
ての応力拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係
数検出行程と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応
力係数とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強
度を算出する強度計算行程と;該強度計算行程で求めた
強度を表示器に表示せしめる表示行程と;を備えている
ことを特徴とする複合材料の強度測定方法、である。
【0011】この発明は、脆弱な粒子を含む複合材料の
強度測定装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度
並びにマトリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と
同質な仮想試験片を発生させる試験片発生装置を備えて
いることを特徴とする複合材料の強度測定装置、であ
る。
【0012】この発明は、脆弱な粒子を含む複合材料の
強度測定装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度
並びにマトリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と
同質な仮想試験片を発生させる試験片発生装置と;該仮
想試験片に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係
数を検出する弾性解析装置と;該弾性解析行程で求めた
全ての応力拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大
係数検出装置と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大
応力係数とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の
強度を算出する強度計算装置と;を備えていることを特
徴とする複合材料の強度測定装置、である。
【0013】この発明は、脆弱な粒子を含む複合材料の
強度測定装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度
並びにマトリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と
同質な仮想試験片を発生させる仮想試験片発生装置と;
該仮想試験片に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡
大係数を検出する弾性解析装置と;該弾性解析行程で求
めた全ての応力拡大係数中の最大値を検出する最大応力
拡大係数検出装置と;該最大応力拡大係数行程で求めた
最大応力係数とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験
片の強度を算出する強度計算装置と;該強度計算行程で
求めた強度を表示器に表示せしめる表示装置と;を備え
ていることを特徴とする複合材料の強度測定装置、であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、複合材料に生じた脆
弱相に関する情報、マトリックスの機械的特性に関する
情報等の複合材料の構成要素から材料強度を簡単に算出
できるのではないか、と考え研究を重ねた結果、前記構
成要素と複合材料の強度との関係を解明することができ
た。
【0015】そこで、本発明者はその解明に基づいて試
験片を実際に製作しなくても理論的に複合材料の強度を
求めることができることに気がつき、複合材料の強度測
定方法とその装置を開発するに至った。
【0016】本発明の複合材料の強度測定方法は、実際
に試験片を製作せずに、この試験片に相当する概念上の
試験片、即ち、仮想試験片をコンピュータ内に発生さ
せ、その試験片の強度を理論的に求めるものである。
【0017】複合材料の強度を測定する装置は、図1に
示す様に、入力装置1、脆弱相発生装置2、試験片発生
装置3、弾性解析装置4、最大応力拡大係数検出装置
5、強度試験装置6及び出力装置7、からなる。以下、
各装置1〜7についてそれぞれ説明する。
【0018】入力装置1はマトリックスの破壊靭性値及
び複合材料、例えば、超硬合金やサーメットなどの組成
又は脆弱相の含有率及び脆弱相の粒径をコンピュータC
OMに入力する装置である。これらの入力データは、実
測又は計算により求められる。なお、入力には、例え
ば、キーボードが用いられる。
【0019】脆弱相発生装置2は、複合材料の組成から
脆弱相の含有率および粒径を計算する装置である。計算
は化学量論に基づいて物質の収支から脆弱相の生成方程
式を予め導出しておき、複合材料の組成から生成する脆
弱相量を求める方法で行う。
【0020】例えば、炭化バナジウムおよび炭化クロム
を含む超硬合金では、それぞれの金属元素の炭化反応を
あわせて記述することにより、下記式1の様な物質収支
方程式が得られる。
【0021】
【数5】
【0022】式1において、Pwを含んでいる上側の式
は、過少な炭素量の状態を示し、又、Pcを含んでいる
下側の式は、過多な炭素量の状態を示す。
【0023】(B1〜B5)は、原料元素のモル比を表わ
した行列であり、B1=W、B2=Co、B3=C、B4=
V、B5=Cr、である。(C1〜C5)、及び(C1〜C
4、C6)は生成物質のモル比を表わした行列であり、C
1=WC、C2=Co、C3=VC、C4=Cr3C2、C5
=イータ相(脆弱相)、C6=遊離炭素相(脆弱相)で
ある。
【0024】PcはB2(Co)に対するB1(W)の溶
解度であり、PwはB2(Co)に対するB3(C)の溶
解度である。この溶解度Pc、Pwは次の様に定める。
即ち、系が炭素不足のときは、B1(W)が最大Pwだ
けB2(C)が最大PcだけB2(Co)に固溶できるも
のとする。
【0025】このPc、Pwは、文献値などにより与え
られているが、イータ相(η−phase)及び遊離炭
素相(free−C)の出現合金炭素量を前記式1に代
入することにより求めることもできる。
【0026】この脆弱相発生装置2は、前記式1の物質
収支方程式を解くことにより、脆弱相量(C5、C6)を
出力する。なお、この式1の代わりに、本装置2に合金
組成を入力しても脆弱相量(C5、C6)を出力すること
ができる。
【0027】また、本装置2の入力部に重量比−モル比
変換部を組み入れてもよく、この場合は直接重量比が入
力できるようにする。
【0028】脆弱相の粒径は、予め炭素量と脆弱相の粒
径分布との関係を実測しておき、その関係から脆弱相の
粒度分布を求める。
【0029】なお、脆弱相の含有率および粒度分布が予
め判っているときは、これらの値の信号を直接試験片発
生装置3に入力する構成としても良い。
【0030】試験片発生装置3は、線形合同法などによ
って発生された乱数をもとに脆弱相を含んだ試験片を発
生する装置であり、例えば、図2に示す様に、JIS
R1601に基づいた直方体の曲げ試験片10を発生さ
せる。この試験片10は前記データにより特定されたイ
メージ上の仮想試験片である。
【0031】脆弱相11は球形であるが、実測される脆
弱相の形状と近似した形状であれば回転楕円体等として
も良い。なお、ここでは、試験片の形状が直方体の場合
について説明するが、この形状はこれに限定されるもの
ではなく、例えば、円筒形でもよい。
【0032】試験片10の縦、横、高さの寸法をそれぞ
れL1、L2、L3とし、粒度分布関数をFとし、発生さ
せた乱数をr1〜r4(但し、0≦r1〜r4<1)とする
とき、脆弱相の位置(x、y、z)と粒径(半径)aは
下記式2の様な変換式を用いて算出し、脆弱相11を試
験片内部に分布させる。
【0033】
【数6】
【0034】更に、式2で求めた脆弱相11が試験片1
0に占める体積を累計し、脆弱相量(C5、C6)に相当
するまで繰り返すことにより、実物の試験片と同様な状
態の試験片を発生させる。
【0035】このとき、脆弱相同志の重なりを考慮し、
重なる脆弱相は試験片内に組み込まないようにするのが
望ましい。しかし、脆弱相量が約5体積%以下であれ
ば、強度の測定結果に影響を及ぼさないので、脆弱相の
重なりを考慮してもよい。なお、脆弱相量が約5体積%
を越える場合には、重なるものを排除するか、又はそれ
らをまとめて1つのものにするかして調整する。
【0036】弾性解析装置4は、試験片に荷重を負荷
し、脆弱相の破断によって発生したき裂欠陥先端の応力
拡大係数を計算する装置である。本発明において、複合
材料の破断は、試験片に荷重を負荷し荷重を増加させた
とき、このき裂欠陥を起点として破断する場合を想定す
る。
【0037】ここで、対象とする試験方法は、曲げ試験
および引張試験であるが、試験片に作用する応力状態を
考慮すれば引張強度は曲げ強度と同様に扱えるので、以
下主に曲げ試験における弾性解析装置4の説明をする。
【0038】試験片10の内部の応力分布は、負荷する
荷重が引張荷重の場合は図2(A)に示す様な三角形状
の分布となり、曲げ強度は試験片下部の引張応力の作用
する部分、とりわけ、引張応力の大きな試験片下面13
付近に支配される。
【0039】この引張応力は試験片10の高さL3の半
分、即ち、L3/2のところで0であり、試験片下面1
3付近で最大となるが、破断の起源となる脆弱相11の
大きさが、試験片の大きさに比べ十分に小さいときは、
脆弱相付近には一様な引張応力が作用しているものとし
て扱うことができる。従って、試験片の曲げ強度の測定
は試験片下面13付近の引張強度を求めることと同じに
なる。
【0040】試験片下面13付近のき裂欠陥の進展につ
いて説明する。図3は、直方体の曲げ試験片10の引張
応力が最大となる試験片下面13付近において、引張応
力によりき裂欠陥が生じたときのき裂欠陥付近の微小領
域を示したものである。
【0041】このき裂欠陥の形状は、き裂欠陥と試験片
下面13との位置によって、図3(A)に示す円形き裂
欠陥15A、図3(B)に示す半円き裂欠陥15B、図
3(C)に示す試験片のコーナ近傍の4分の1円き裂欠
陥15C、及び試験片の側面の影響を受ける位置にある
円形又は半円形のき裂欠陥15Dに分類できる。次に、
各き裂欠陥の進展の様子について説明する。
【0042】まず、円形き裂欠陥(図3A)について説
明する。図3(A)の様に試験片10の内部に円形き裂
欠陥15Aが存在する場合、図4(A)に示した様に、
試験片の下面13からき裂欠陥15Aの深さをd1、き
裂欠陥15Aの直径を2aとする。また、このき裂欠陥
15Aは側面20〜23から十分離れていて試験片10
の側面20〜23の影響は小さいものとする。
【0043】試験片10に引張応力を作用させ、この応
力を次第に増加させると円形き裂欠陥15Aは成長す
る。 (1)円形き裂欠陥15A上の下面13から最も遠い点
A、最も近い点Bにおける応力拡大係数をKIA、KIBと
し、き裂の深さdと等しい半径d1の半円状き裂Le上の
応力拡大係数をKIA'とする。ここで、き裂形状は厳密
には半円ではなく、き裂先端での応力拡大係数がKIA'
(一定)となる形状であるが、本発明では半円で近似す
る。このときにおける両き裂形状間の誤差は、有限要素
法の計算によると5%以下である。
【0044】(2)点Bでの応力拡大係数(KIB)と、
このき裂が成長して半円状き裂となったときのき裂先端
での応力拡大係数との比較により、このときのき裂成長
の安定度を評価できる。即ち、き裂の深さd1〜d3によ
って図4(A)(B)(C)の様に場合分けすることが
できる。
【0045】i)図4(A)の様に円形き裂欠陥15A
が、試験片10の下面13に極めて近い場合。即ち、
(き裂欠陥15Aの深さd1)−(き裂欠陥15Aの直径
2a)、が略々零に等しい時には、点Bにおける応力集
中は極めて大きい。そして、引張応力の増加により該点
の応力拡大係数KIBが、複合材料の破壊靭性値KICより
大きくなると、図4(A)に示す半円形状L1、L2の様
にき裂欠陥が進展する。
【0046】この時、き裂欠陥上の点Bは、き裂欠陥の
進展とともに、点B1、B2、の様に移動するが、点B
1、B2のいずれの点においても応力拡大係数KIは、図
5のき裂欠陥の深さd1に示す様に、き裂進展前の点B
の応力拡大係数KIBより小さくなる。
【0047】図5は、き裂欠陥の進展の安定性を調べる
ための図であり、図4(A)(B)(C)に示した試験
片について有限要素法解析等の弾性解析を行い、図中の
点A、B2、B、の応力拡大係数KIA、KIA'、KIBのき
裂欠陥の深さd及びき裂欠陥の半径aに対する変化の様
子を計算した結果例を示す図である。この図において、
縦軸は応力拡大係数KI(MPa・m1/2)、横軸はき裂
欠陥の深さd(μm)、d*は応力拡大係数KIA'=応力
拡大係数KIBとなるき裂欠陥の深さをそれぞれ示す。な
お、試験片10に負荷する引張応力は1GPa、脆弱相
の粒径2aは40μm、である。
【0048】更に、引張応力の増加とともに、半円状き
裂欠陥上すべてにおいて、応力拡大係数が等しくなる形
状Leになるまで応力集中を緩和させながらき裂は進展
する。この時の応力拡大係数はKIA'である。
【0049】従って、円形き裂欠陥が試験片下面13に
極めて近いときは、き裂の進展により応力集中は緩和さ
れ、き裂は半円形状L1→半円形状L2→半円形状Leと
安定的に進展することがわかる。
【0050】更に、引張応力を増加させると、半円形状
Leのいたるところの点で、き裂が進展し、その応力集
中は図5の半円形状Le→半円形状L3のパスで表わさ
れ、応力集中KIは増加の方向であることがわかる。こ
の時のき裂進展は非安定的におこり、複合材料の破断を
ひき起こす。従って、このケースにおける強度支配パラ
メータはKIA'である。
【0051】ii)図4(B)の様に円形き裂欠陥15A
が試験片下面13から次第に深くなり、その深さd2が
前記i)の深さd1より深い場合。即ち、深さd2>深さ
d1の時には、引張応力の増加に伴ってき裂が進展する
が、き裂の深さd2がある深さになると、前記i)の様
なき裂進展に伴う応力集中の緩和が起こらなくなる深さ
がある。この深さをd*と表わすこととする。
【0052】即ち、この深さd*の時、図4(B)の点
B上の応力拡大係数KIBは、き裂の進展によって半円状
き裂Leに成長したときの応力拡大係数と等しくなって
いる。従って、き裂の深さd*は、円形き裂欠陥15が
瞬時に安定的に半円状き裂Leに成長できる限界値であ
る。
【0053】更に、引張応力を増加させた時は、前記
i)の半円状き裂Le→L3と同様に集中応力を増加し、
試験片10の破断に至る。この時の材料強度の支配パラ
メータはKIA'又はKIBで表わすことができる。
【0054】iii)図4(C)の様に円形き裂欠陥15
Aが試験片下面13から更に深くなり、その深さd3が
前記ii)の深さd*より深い場合。前記i)、ii)と同
様に引張応力の増加に伴って試験片10の破壊靭性値K
ICより大きくなると、き裂が進展する。この時、円形き
裂15Aとこれが進展してできる半円状き裂L3のそれ
ぞれのき裂先端での応力拡大係数KIA'、KIBとを比較
すると、KIA'>KIBであるため、き裂の進展により応
力集中は増加していることがわかる。この応力拡大係数
は図5のき裂欠陥の深さd3上の矢印A15のパスを通
る。従って、円形き裂欠陥が進展すると、き裂は非安定
的に進展し試験片10の破断に至る。即ち、このケース
における強度支配パラメータはKIBである。
【0055】以上より明らかな様に、図2で示したき裂
欠陥が破壊の起源となる場合の強度は、き裂欠陥の深さ
d≦d*のときは、応力拡大係数KIA'で決定しされ、
又、き裂欠陥の深さd=d*のときは応力拡大係数KIA'
又はKIBで決定され、更にき裂欠陥の深さd>d*のと
きは応力拡大係数KIBで決定されることになる。
【0056】次に、半円き裂欠陥(図3B)について説
明する。図3(B)に示す様に、き裂欠陥15Bが試験
片10の下面13に現れ、き裂が半円状(弧状)である
場合には、図6、図7に示す様に、き裂欠陥の深さd
4、d5の大きさにより2通りに扱うことができる。ただ
し、図6のき裂欠陥15Bの深さd4は、き裂欠陥15
Bの半径aより小さく、d4'は半円き裂の深さである。
図7のき裂欠陥15Bの深さd5はき裂欠陥15Bの半
径aより大きい。
【0057】き裂欠陥15Bは、前述の円形き裂欠陥1
5Aの進展と同様にしてき裂欠陥先端での応力拡大係数
KIが試験片の臨界応力拡大係数KICとなる形状をとり
ながら進展する。
【0058】図6、図7のいずれの場合でも応力拡大係
数KIA'≦KIAであるため、き裂欠陥は安定成長する。
従って、図3(B)で示したき裂欠陥15Bが破壊の起
源となる場合の強度は、応力拡大係数KIA'で決定でき
る。
【0059】以上のことから、き裂欠陥の位置と強度を
支配するパラメータとの関係についてまとめると、表1
の様になる。
【0060】
【表1】
【0061】尚、上記説明は脆弱相が球形で近似できる
場合について説明したが、脆弱相を回転楕円体で近似し
た場合も試験片には図3と同様の位置に楕円き裂が生じ
る。従って、図4の説明と同様の機構で、該楕円き裂が
まず円形き裂に安定的に進展するため、その後上述の円
形き裂欠陥の進展と全く同様に扱うことができる。
【0062】試験片のコーナ近傍の1/4円形き裂欠陥
15C及び試験片の側面の影響を受ける円形又は半円形
き裂欠陥15D(図3(C))について説明する。き裂
欠陥と試験片下面との位置関係は、対称性を考慮すれば
図8(A)(B)(C)、図9(A)(B)(C)に示
した様に6通りに場合分けできる。
【0063】ここで試験片下面13及び試験片側面20
〜23からのき裂欠陥の深さdy及びdxはそれぞれ次
の様に表わすことができる。dy=き裂欠陥の半径a+
試験片10の下面13からき裂欠陥の中心迄の距離yd
x=き裂欠陥の半径a+試験片10の側面22からき裂
欠陥の中心迄の距離X
【0064】試験片10の側面22の影響を考慮しなけ
ればならない条件は、試験片側面からのき裂欠陥の深さ
dxが、き裂欠陥15C、15Dの直径2aの3倍程度
以下、即ち、dx<6aの時、である。
【0065】図8においてき裂欠陥15Cが、2a<d
y、2a<dxの場合(A)、a≦dy≦2a、2a<
dxの場合(B)、dy<a、2a<dxの場合
(C)、のき裂欠陥の進展の様子は図10(A)の様に
考えた。即ち、き裂欠陥の進展は、まず試験片側面の影
響がないものとして扱い、前述のメカニズムで半円き裂
欠陥に成長し、ついで試験片側面の影響が作用し1/4
円き裂欠陥に成長するものとした。
【0066】ここで、前述の半円き裂欠陥と同様に、き
裂欠陥の形状は、厳密な1/4円ではなく、き裂欠陥先
端での応力拡大係数KIがマトリックスの臨界応力拡大
係数KICと等しくなる形状に歪んだ孤であるが、前述同
様に円弧で近似した。
【0067】この過程において、き裂欠陥の進展の安定
状態を検討し、試験片の強度を支配するパラメータを求
めた。半円き裂欠陥に非安定的にき裂欠陥が成長とする
場合、即ち、dy>d*の場合は、表1に示した1と同
様となり、強度支配パラメータはKIBとなる。
【0068】き裂欠陥が安定的に成長して半円き裂欠陥
になり、更に荷重が負荷され、き裂欠陥が成長する場合
を考えると、図11に示す様な応力拡大係数KID、KI
D'、及びKIEのき裂欠陥の深さδに対する変化から、δ
≦δ*のとき、1/4円き裂欠陥に安定成長し、δ>δ*
のとき、き裂欠陥は非安定成長する。尚、δ*は前記d*
と同様に試験片側面の影響を受ける場合のき裂進展に伴
う応力集中の緩和が起こらなくなる深さである。そのた
め、図9(A)(B)(C)の場合も含めて試験片の強
度を支配するパラメータを表2の様に求めることができ
る。
【0069】
【表2】
【0070】ここで、図9においてき裂欠陥15Dが、
(A)a≦dy≦2a、a≦dx<2aの場合、(B)
dy<a、a≦dx≦2aの場合、(C)dy<a、d
x<aの場合、にき裂欠陥が存在するとき、このき裂欠
陥は図10(B)に示す様に、KID'≦KID、KIEであ
るので、1/4円き裂欠陥に安定成長する。従って、図
9(A)(B)(C)の場合も試験片の強度はKID'で
支配される。
【0071】き裂欠陥の位置におけるき裂欠陥先端での
応力拡大係数の値は、前述の様に有限要素法解析や境界
要素法解析等の弾性解析手法によって逐次求めることが
できる。しかし、き裂位置(d、dx、dy)と応力拡
大係数(KIA、KID'、KID、KID'、KIE)との関係
(基本解)を図5や図11の様に予め求めておき、これ
らの関係から逐次応力拡大係数を算出させる構成として
もよく、この場合、本装置5内の演算が少なくできるの
で望ましい。
【0072】強度計算装置6は、最大応力拡大係数とマ
トリックスの破壊靭性値とから試験片の強度を算出する
装置である。試験方法が曲げ試験の場合は、下記式3の
演算を行うことににより曲げ強度σfdを求めることが
できる。式3において、KICMはマトリックスの破壊靭
性値、KIMは強度支配パラメータの最大値、yMは、KI
Mの得られるき裂欠陥の位置、L3は試験片の厚さ、をそ
れぞれ示す。
【0073】
【数7】
【0074】この式3について図2(A)を参照しなが
ら説明する。試験片10に荷重を加え、曲げモーメント
を作用させると、試験片内部に図2(A)の矢印A10
の大きさの応力が発生するが、ここでは、き裂欠陥15
近傍には一様な引張応力が作用するものとする。
【0075】この引張応力はき裂欠陥15の位置座標
(X、Y、Z)即ち、試験片10の下面13からき裂欠
陥迄の距離yMによって大きさが変わる。表1、表2に示
した強度支配パラメータの物理的意味は、非安定破壊を
起こす形状まで成長したき裂欠陥近傍に単位引張応力が
作用したときのき裂欠陥先端の応力拡大係数であるの
で、図2(A)の関係を考慮すると、前記式3の式を導
出できる。
【0076】なお、試験方法が引張試験の場合は、演算
式に下記式4を用いることにより試験片の引張強度σf
tを求めることができる。引張試験片の内部に発生する
引っ張り応力は一様に分布しているので、前記式3の導
出方法と同様にして導き出すことができる。
【0077】
【数8】
【0078】出力装置7は、試験片の強度等の値をCR
Tディスプレーなどの表示器に表示する。
【0079】
【実施例1】この発明の第1実施例を図12により説明
する。中央処理装置CPUと記憶部Mと入出力部IOと
からなるコンピュータCOMを用いて複合材料の強度測
定装置50を作製した。
【0080】予め、コンピュータCOMの記憶部Mに、
式1の物質収支式M1、式2の変換式を含む試験片作成
プログラムM2、弾性解析などを行うための有限要素法
プログラムM3、弾性解析結果から最大応力拡大係数を
算出する最大応力拡大係数算出プログラムM4、を記憶
させておく。記憶部の容量が小さいときには、ハードデ
ィスク装置などの外部記憶装置にこれらの関係式をあら
かじめ記憶させ、順次記憶部に記憶させ、材料強度を測
定する構成とすることもできる。
【0081】超硬合金(WC−Co)の強度の測定手順
は、燃焼法などにより測定された合金炭素量CTと文献
値などを参照してマトリックスの破壊靭性値Kをキーボ
ードにより入出力部IOから入力し、中央処理装置CP
Uで物質収支式M1を用いて脆弱相量を算出する。
【0082】この脆弱相量の算出に基づいて試験片作成
プログラムM2によりコンピュータ内に仮想試験片が作
成され、これを有限要素法プログラムM3と最大応力拡
大係数算出プログラムM4とにより、強度支配パラメー
タの最大値KIMを算出する。
【0083】更に、式3の材料強度計算式M5とマトリ
ックスの破壊靭性値KICMを用いて強度を算出させ、C
RTディスプレなどの表示器7にその値を表示させる。
【0084】
【実施例2】この発明の第2実施例を図13により説明
する。この実施例と第1実施例との相違点は、有限要素
法プログラムM3を省略し、最大応力拡大係数算出プロ
グラムM4に、あらかじめ有限要素法などによって求め
た応力拡大係数値(基本解)M6を与え、これらの基本
解から補間法等によって応力拡大係数を求めることであ
る。
【0085】この実施例では、第1実施例に比べ強度試
験装置50内での計算回数を大幅に減じることができる
ので、強度をより短時間で求めることができるととも
に、記憶容量は第1実施例に比べ比較的小規模であって
も足りる。
【0086】
【実施例3】この発明の第3実施例を説明する。コバル
ト粉末を8重量パーセント(wt%)、炭化バナジウム
を0.4wt%、炭化クロム0.5wt%、残部を粒度
0.6μmの炭化タングステンとを配合した粉末を図示
しない湿式ボールミルにより粉砕混合の後、噴霧乾燥、
プレス成形を経て1400〜1500℃で真空焼結を行
い、超硬合金を得た。
【0087】合金炭素量CTは、原料にタングステン粉
末あるいは炭素粉末を加え適宜調整した。
【0088】マトリックスの機械的特性である破壊靭性
値KICをあらかじめ測定したところ、12.0MPa・
1/2を得た。これらのデータを図12の強度試験装置
と図13のそれとに入力しそれぞれの強度を求めた。
【0089】図12に示す強度測定装置50では、入出
力部IOを介して合金炭素量CTとマトリックスの破壊
靭性値KICMを入力すると、記憶部MのデータM1〜M5
に基づき仮想試験片の構成、強度の算出の一連の演算を
コンピュータCOMが行い、その強度を表示器7に表示
する。
【0090】次に、図13に示す強度測定装置50で
は、入力部IOを介して合金炭素量とマトリックスの破
壊靭性値を入力すると記憶部MのデータM1〜M2、M4
〜M6に基づき仮想試験片の構成、強度の算出の一連の
演算をコンピュータCOMが行い、強度を表示器7に表
示する。
【0091】図13の装置は特に最大応力拡大係数の算
出において、演算回数を大幅に減じることができるの
で、図12に比べ迅速に強度の値を表示することができ
る。
【0092】
【実施例4】この発明の第4実施例を各行程に分けて説
明する。 入力行程:超硬合金の合金組成はWC−8wt%Co−
0.5wt%VC−0.5wt%Cr3C2であり、合金炭
素量CTは6.11wt%、C/carbide、マトリックス
の破壊靭性値は、12MPa・m1/2、である。ここ
で、C/carbideは全炭素量を炭化物質量あたりに換算
した値であり、実測により求められる。
【0093】脆弱相発生行程:式1の物質収支式から脆
弱相量1.6vol%(η−phase)を算出すると共
に、脆弱相の平均粒径(直径)12μmを算出する。
【0094】試験片発生行程:試験片として図14に示
す様なJIS R1601に基づく寸法、即ち縦L1、
横L2、厚さL3が4×40×3(mm)を想定し、この試
験片のうち曲げ試験時に引張応力の作用する部分60の
みを考慮した。この鎖線で囲まれている部分60の寸法
t60、L1、L62は、1.5×4×10(mm)である。式
2の変換式を用いて、脆弱相の位置(X、Y、Z)と粒
径(半径)aを求め脆弱相を試験片内部に分布させる。
この時求められた脆弱相数は約530,000個であっ
た。なお、粒度分布関数Fは粒径0から平均粒径の2倍
までの三角形分布とした。
【0095】弾性解析行程:すべてのき裂欠陥につい
て、表1、表2に基づいて強度支配パラメータ、即ち、
非安定破壊を起こす臨界の応力拡大係数、例えば、KI
A、KIA'、KIB、KID、KID'、KIEを算出する。
【0096】この算出方法として、強度測定装置50が
図12の場合には、都度有限要素法が用いられ、又、図
13の場合には、図5のき裂欠陥の深さd−応力拡大係
数KI関係図、図11のき裂欠陥深さδ−応力拡大係数
KI関係図が用いられる。
【0097】最大応力拡大係数検出行程:すべてのき裂
欠陥における強度支配パラメータから最大応力拡大係数
KIMを算出する。この値KIMは、例えば、強度測定装置
が図12の場合にはKIM=0.279×10-2であり、
又、図13の場合にはKIM=0.280×10-2であ
る。
【0098】強度計算行程:試験片の強度は、式3の式
に最大応力拡大係数KIM とマトリックスの破壊靭性値
KICM、試験片の厚さL3、最大応力拡大係数KIMの得ら
れるき裂欠陥の位置yMとを代入することにより得られ
る。なお、ここではL3=1.5×10-3、yM=4.0×
10-5を用いた。
【0099】図12の強度測定装置で計算をすると、曲
げ強度δf=2.800×109GPa、図12の強度測
定装置で計算すると、曲げ強度δf=2.805×109
GPa、であった。
【0100】
【実施例5】この発明の第5実施例を説明する。この実
施例と第4実施例との相違点は、次の通りである。 (1)前記第4実施例の合金組成の超硬合金の合金炭素
量C/carbide(wt%)を6.00〜6.45まで調整
し、1450℃で60分真空焼結して得られた材料の脆
弱相の程度を実測し、その結果を図15の合金炭素量と
脆弱相粒子(η−phase)平均粒径との関係図、及
び図16の合金炭素量と脆弱相粒子(free−C)平
均粒径との関係図にまとめたこと。
【0101】(2)式1の物質収支式において、コバル
トCoに対するW、Cの固溶限度(mol/mol)はPw=
0.05、Pc=0.04として計算し、その結果を図1
7にまとめたこと。 (3)脆弱相発生装置2を図15、図16、図17より
構成し、合金炭素量を入力すると、図17から脆弱相量
を検出し、図15、図16から脆弱相の粒度を算出し、
脆弱相量と脆弱相の平均粒度が出力されること、であ
る。但し、この実施例において図17を用いる代わりに
式1の物質収支式を用いてもよいことは勿論である。
【0102】
【実施例6】この発明の第6実施例を説明する。この実
施例は、本発明の強度測定装置図12、図13で測定し
た結果と、従来例により本複合材料をJIS R160
1に従って実測した結果と、を表3にまとめたものであ
る。この表3から明らかな様に、本装置で測定した測定
値はJIS R1601による実測値とよく一致してい
ることがわかる。
【0103】
【表3】
【0104】この発明の第7実施例を説明する。この実
施例は複合材料としてコンクリートを用いた例である。
図18に示す様に、コンクリート70は、粗骨材71と
モルタル72とを含んでいる。このコンクリート70に
矢印70A、70B方向の引張荷重が一様にかかった場
合にき裂欠陥の発生可能な場所は、(1)粗骨材71、
(2)モルタル72、(3)粗骨材71とモルタル72
とのはく離部分73、である。
【0105】次に前記(1)〜(3)のき裂欠陥の発生
過程について検討する。 (1)粗骨材の破断は、強度の比較的小さい粗骨材や軽
量骨材を用いた場合にみられる。
【0106】(2)モルタル部の破断はあまり発生しな
い。それはモルタルの強度が骨材の強度より大きいから
である。 (3)粗骨材とモルタルとのはく離は両者の付着力が小
さいとき、特に表面がなめらかな川砂利を用いたときに
多く見られる。 従って、通常のコンクリートでは前記(1)、(3)の
みについてき裂欠陥の発生を考慮すれば足りる。
【0107】図18に示す様に、コンクリート材料内の
き裂は脆弱相の最大寸法を直径2aとする円形き裂とな
りこのコンクリート材料も脆弱相を含む超硬合金WC−
Co材料と同様に扱うことができる。但し、図18のは
く離部分73では、はく離進展初期にき裂欠陥が発生す
る可能性もあり、き裂欠陥サイズを粗骨材寸法で考える
と、過大に評価される可能性もあることに留意すべきで
ある。
【0108】普通ポルトランドセメント、天然細砂を用
い、水セメント比34%、細骨材料率35%単位水量1
67Kg/m3を配合してJIS A1132の円柱状試
験片(直径10cm、長さ20cm)を作成した。この試験
片の粗骨材として粒径5〜15mmのNLライト(商品名
秩父小野株式会社製)を用いた。該粗骨材の体積比は
41%モルタル(水、セメント、砂)は59%である。
【0109】この試験をJIS A1113に従って引
張試験を行ったところ、引張強度σt=26.3Kgf/c
m2(材令28days)を得た。
【0110】前記実験より破断面の観察結果から、破断
面上のほとんどの粗骨材が破断していることから、き裂
欠陥は図18の75に示す様に発生するものと仮定す
る。そして、前記試験片と同質の円柱状の仮想試験片を
コンピュータ内に形成する。まず、骨材分布をNLライ
トのふるい分け試験結果を示す図19、図20の実線か
ら求める。図19は粗骨材のふるい分け試験結果、図2
0は細骨材のふるい分け試験結果を示す。
【0111】なお、図19、図20において、横軸はふ
るいの呼び寸法(mm)、縦軸は骨材のふるいを通る質量
百分率(%)をそれぞれ示す。骨材体積含有率(体積
比)は前記の通り41%である。
【0112】マトリックスの破壊靭性値は、図21に示
すモルタルパネル80を形成し、日本GRC工業会「短
繊維補強セメント系材料の曲げ試験方法」に準じた方法
で予き裂試験片の曲げ試験を行い、JIS R1607
に準じた計算式により破壊靱性値を算出した。
【0113】このモルタルパネルは、図21に示す様に
横L2=275mm、縦L1=50mm、高さL3=15mm
のテストピースで、下面13の中央に幅W80=0.2m
mのき裂85が形成されている。86、87は鋼製の支
点及び載荷点で、支点86、86の間隔L80は225
mmである。このテストピース80は、水セメント比34
%(w/c)、砂の含有率40.7vol%で、単位水量3
09l/m3、単位セメント量905Kg/m3、単位砂量
408l/m3である。実測の結果、モルタルの実測値
は0.21MPa・m1/2であった。
【0114】上記データを試験片発生装置3に入力し線
形合同法等により発生させた乱数を用いて脆弱相(粗骨
材)を含んだ仮想試験片をコンピュータ内に発生させ
る。
【0115】円柱状の仮想試験片の大きさをたて縦L
1、横L2、厚さL3、粒度分布関数をF、発生させた乱
数をr1〜r4(0≦r1〜r4<1)とするとき、脆弱相
の位置(X、Y、Z)と粒径(半径)aは下記式5を用
いて算出し、脆弱相を仮想試験片内部に分布させる。
【0116】
【数9】
【0117】なお、式5はJIS A1132に規定す
る様な円柱試験片を型枠にコンクリートを流し込んで作
製する場合に適用されるもので、コアドリルで円柱試験
片を切り出す場合には下記式6が適用される。
【0118】
【数10】
【0119】更に、式5で求めた粗骨材が仮想試験片に
占める体積を累計し、粗骨材量41%に相当するまで繰
り返すことにより仮想試験片を作成させる。順次骨材を
分布させるとき、骨材の含有量が大きいので、互いの交
わりを考慮すれば、結果的に強度の測定結果の精度の向
上が期待できる。
【0120】次に順次弾性解析装置4、最大応力拡大係
数検出装置5、強度計算装置6を介して強度σft=2
5.8Kgf/cm2を算出し、その結果を出力装置に表示す
る。
【0121】以上より明らかな様に、実際に試験片を製
作して実測した場合の強度と、本発明の強度試験装置に
より仮想試験片を発生させて測定した場合の強度とは、
ほぼ等しい値となった。
【0122】本発明の複合材料の強度測定方法及びその
装置は、複合材料の強度の測定のみならず、複材材料の
配合決定に利用することもできる。例えば、所定強度の
コンクリート材料が求められている場合には、計算によ
り骨材の含有率及び粒度分布を決定し、所定強度のコン
クリート材料を形成することができる。
【0123】
【発明の効果】この発明は以上の様に構成したので、次
の様な顕著な効果を奏する。 (1)脆弱な粒子の含有率及び粒度分布並びにマトリッ
クスの破壊靭性値に基づいて仮想試験片を形成するの
で、多くの時間と労力を費やして試験片の実物を製作す
ること必要が無い。その為、従来例に比べ複合材料の強
度測定に要する時間を短縮できるとともに、その労力も
大幅に低減できる。また、JISの規定に合致するいか
なる寸法の仮想試験片も作成できるので、従来例の様に
測定不能になることは無い。
【0124】(2)仮想試験片の全てのき裂欠陥の応力
拡大係数を算出し、その応力拡大係数中の最大値を検出
し、該最大応力拡大係数とマトリックスの破壊靭性値と
から仮想試験片の強度を算出するので、実際に試験片を
製作しなくても強度を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すフローチャートであ
る。
【図2】複合材料の曲げ試験片を示す図で、(A)は正
面図、(B)は斜視図である。
【図3】脆弱相の位置を示す斜視図で、(A)は試験片
の下面より離れた位置にある円形脆弱相を示す図、
(B)は試験片の下面より露出する半円状脆弱相を示す
図、(C)は、試験片のコーナ近傍に位置する1/4円
及び半円状脆弱相を示す図、である。
【図4】円形脆弱相のき裂進展を示す図で、(A)は試
験片の下面近傍に位置する円形脆弱相のき裂進展を示す
図、(B)は(A)より脆弱相が深い位置にある場合の
円形脆弱相のき裂進展を示す図、(C)は(B)より脆
弱相が深い位置にある場合の円形脆弱相のき裂進展を示
す図、である。
【図5】き裂深さdと応力拡大係数KIとの関係図であ
る。
【図6】半円状き裂欠陥のき裂進展を示す図で、(A)
は試験片の下面に露出する半円状き裂欠陥のき裂を示す
図、(B)はそのき裂進展を示す図である。
【図7】半円状き裂欠陥のき裂進展を示す図で、(A)
は図6より深い位置にあり、かつ、その一部が試験片の
下面に露出する円状き裂欠陥のき裂を示す図、(B)は
そのき裂進展を示す図である。
【図8】コーナ近傍の円形き裂欠陥の進展を示す図であ
る。
【図9】コーナ部の1/4円き裂欠陥の進展を示す図で
ある。
【図10】コーナ近傍のき裂欠陥の進展を示す図であ
る。
【図11】脆弱相の応力拡大係数KIとき裂深さdとの
関係を示す図である。
【図12】第1実施例の複合材の強度測定装置を示す図
である。
【図13】第2実施例の複合材の強度測定装置を示す図
である。
【図14】JIS R1601に基づく試験片の斜視図
である。
【図15】脆弱相平均粒径(イータ相)と合金炭素量と
の関係図である。
【図16】脆弱相平均粒径(遊離炭素相)と合金炭素量
との関係図である。
【図17】脆弱相量の計算結果を示す図である。
【図18】第7実施例を示す要部拡大図である。
【図19】粗骨材のふるい分け試験結果を示す図であ
る。
【図20】細骨材のふるい分け試験結果を示す図であ
る。
【図21】モルタルパネルを示す図である。
【図22】JIS A1132の強度試験を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 脆弱相発生装置 3 試験片発生装置 4 弾性解析装置 5 最大応力拡大係数検出装置 6 強度計算装置 10 試験片 50 複合材料の強度測定装置

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定方
    法であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒径並びにマト
    リックスの破壊靭性値から実物の試験片と同質な仮想試
    験片を発生させることを特徴とする複合材料の強度測定
    方法。
  2. 【請求項2】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定方
    法であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒径並びにマト
    リックスの破壊靭性値から実物の試験片と同質な仮想試
    験片を発生させる試験片発生行程と:該仮想試験片に荷
    重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数を検出する
    弾性解析行程と;該弾性解析行程で求めた全ての応力拡
    大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係数検出行程
    と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応力係数とマ
    トリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強度を算出す
    る強度計算行程と;を備えていることを特徴とする複合
    材料の強度測定方法。
  3. 【請求項3】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定方
    法であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒径並びにマト
    リックスの破壊靭性値から実物の試験片と同質な仮想試
    験片を発生させる試験片発生行程と:該仮想試験片に荷
    重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数を検出する
    弾性解析行程と;該弾性解析行程で求めた全ての応力拡
    大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係数検出行程
    と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応力係数とマ
    トリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強度を算出す
    る強度計算行程と;該強度計算行程で求めた強度を表示
    器に表示せしめる表示行程と;を備えていることを特徴
    とする複合材料の強度測定方法。
  4. 【請求項4】 脆弱な粒子が、超硬合金のイータ相又は
    遊離炭素相であることを特徴とする請求項1、2、又
    は、3記載の複合材料の強度測定方法。
  5. 【請求項5】 脆弱な粒子が、コンクリートの粗骨材で
    あることを特徴とする請求項1、2、又は、3記載の複
    合材料の強度測定方法。
  6. 【請求項6】 脆弱な粒子の含有率及び粒径並びにマト
    リックスの破壊靭性値が、複合材料の実測により求めら
    れることを特徴とする請求項1、2、又は、3記載の複
    合材料の強度試験方法。
  7. 【請求項7】 脆弱な粒子の含有率が、物質の収支に基
    づく脆弱相の生成方程式から計算により求められること
    を特徴とする請求項1、2、又は、3記載の複合材料の
    強度試験方法。
  8. 【請求項8】 仮想試験片が、縦L1、横L2、厚さL3
    の直方体で、脆弱相の粒 度分布関数がFであり、発生
    させた乱数がr1、r2、r3、r4である時、脆弱な粒子
    の位置(x、y、z)と半径aが下記式2により計算さ
    れ、それぞれの含有率及び粒径並びにマトリックスの破
    壊靭性値が、複合材料の実測により求められることを特
    徴とする請求項1、2、又は、3記載の複合材料の強度
    試験方法。 【数1】
  9. 【請求項9】 仮想試験片が、直径D、長さL、の円柱
    体で、脆弱相の粒度分布関数がFであり、発生させた乱
    数がr1、r2、r3、r4である時、脆弱な粒子の位置
    (x、y、z)と半径aが下記式5により計算され、そ
    れぞれの含有率及び粒径並びにマトリックスの破壊靭性
    値が、複合材料の実測により求められることを特徴とす
    る請求項1、2、又は、3記載の複合材料の強度試験方
    法。 【数2】
  10. 【請求項10】 仮想試験片に曲げ荷重をかけることを
    特徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の強度試
    験方法。
  11. 【請求項11】 仮想試験片に引張荷重をかけることを
    特徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の強度試
    験方法。
  12. 【請求項12】 仮想試験片の脆弱相が、そのき裂欠陥
    の位置により強度支配パラメータが決定されることを特
    徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の強度試験
    方法。
  13. 【請求項13】 仮想試験片の脆弱相のき裂欠陥が、円
    形、半円形、又は、1/4円形のいずれかの形状である
    ことを特徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の
    強度試験方法。
  14. 【請求項14】 強度測定行程が、最大応力拡大係数K
    IMと、マトリックスの破壊靱性値KICMと、仮想試験片
    の厚さL3と、脆弱相の該試験片の下面からの高さyMと
    の関係から下記式3により曲げ強度σfbを算出するこ
    とを特徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の強
    度試験方法。 【数3】
  15. 【請求項15】 強度測定行程が、最大応力拡大係数K
    IMと、マトリックスの破壊靱性値KICMと、仮想試験片
    の厚さL3と、脆弱相の該試験片の下面からの高さyMと
    の関係から下記式4により引張強度σftを算出するこ
    とを特徴とする請求項2、又は、3記載の複合材料の強
    度試験方法。 【数4】
  16. 【請求項16】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定
    装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度並びにマ
    トリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と同質な仮
    想試験片を発生させる試験片発生装置を備えていること
    を特徴とする複合材料の強度測定装置。
  17. 【請求項17】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定
    装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度並びにマ
    トリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と同質な仮
    想試験片を発生させる試験片発生装置と;該仮想試験片
    に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数を検出
    する弾性解析装置と;該弾性解析行程で求めた全ての応
    力拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係数検出
    装置と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応力係数
    とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強度を算
    出する強度計算装置と;を備えていることを特徴とする
    複合材料の強度測定装置。
  18. 【請求項18】 脆弱な粒子を含む複合材料の強度測定
    装置であって;該脆弱な粒子の含有率及び粒度並びにマ
    トリックスの破壊靭性値とから実物の試験片と同質な仮
    想試験片を発生させる仮想試験片発生装置と;該仮想試
    験片に荷重をかけて全ての脆弱な粒子の応力拡大係数を
    検出する弾性解析装置と;該弾性解析行程で求めた全て
    の応力拡大係数中の最大値を検出する最大応力拡大係数
    検出装置と;該最大応力拡大係数行程で求めた最大応力
    係数とマトリックスの破壊靱性値から仮想試験片の強度
    を算出する強度計算装置と;該強度計算行程で求めた強
    度を表示器に表示せしめる表示装置と;を備えているこ
    とを特徴とする複合材料の強度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008310627A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Toyota Motor Corp 構造解析装置および構造解析方法
WO2017015601A1 (en) * 2015-07-22 2017-01-26 Fluor Technologies Corporation Nondestructive determination of toughness of metal, plastic, and composite materials
WO2020090805A1 (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 昭和電工株式会社 材料探索装置、方法、およびプログラム
WO2021181865A1 (ja) 2020-03-12 2021-09-16 三菱重工業株式会社 低靱性加工物切削装置、低靱性加工物製造方法および低靱性加工物製造プログラムを格納する記録媒体

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