JPH09263774A - 廃プラスチック油化装置及び方法 - Google Patents

廃プラスチック油化装置及び方法

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JPH09263774A
JPH09263774A JP7563196A JP7563196A JPH09263774A JP H09263774 A JPH09263774 A JP H09263774A JP 7563196 A JP7563196 A JP 7563196A JP 7563196 A JP7563196 A JP 7563196A JP H09263774 A JPH09263774 A JP H09263774A
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oil
waste plastic
plasticizer
phthalic anhydride
gas
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JP7563196A
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Kazunari Harada
一成 原田
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Toshiba Corp
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸留塔と冷却器により無水フタル酸を分離、濃
縮し回収することができ、配管閉塞を防止することかで
き、従って油化装置全体の寿命を延ばすことを目的とす
る。 【解決手段】可塑剤と、ハロゲン化物と、廃プラスチッ
クとを含む原料を熱分解したあと冷却して蒸留から得た
油を得る手段と、比較的重質の油を更に冷却して可塑剤
の分解物を分離する手段を具備する廃プラスチック油化
装置及びこの装置の手順に従って油化製造プロセスを経
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチック油
化装置および油化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは石油から作られている
が、プラスチック油化は、使用目的を終了したプラスチ
ックを元の油またはそれに近い物に戻す事を目指してい
る。プラスチック油化技術は、オイルショックの時代に
プラスチックから石油を取り出し、エネルギー需要の一
部を支えることを目標に開発が盛んに行われた技術であ
る。しかし、エネルギーショックが沈静化すると同じく
してコスト的な観点から企業での事業として採算が得れ
なくなり、その研究も衰退化していった。
【0003】状況が変化してきて、環境問題の重要性が
指摘されているなか、埋立て地の敷地の確保の限界が問
題となり、使い捨てで消費していくことが正当化される
事が過去となった状況でプラスチックのリサイクルが見
直され、プラスチックの油化技術が再び脚光を浴びてい
る。
【0004】従来のプラスチック油化装置は、図1に示
すごとく廃プラスチックを適度の大きさに揃える破砕機
1と、破砕した廃プラスチックを熱分解槽に投入するた
めのエクストルーダ2と、投入された廃プラスチックを
熱分解するための熱分解炉3と熱分解したガスを液化す
るための凝縮器6、7、8と油を回収するためのタンク
9、10、11という構成であった。
【0005】現在完成している廃プラスチック油化装置
のほとんどは基本的にはポリ塩化ビニールを除くポリオ
レフィンを油化することが可能な装置であるが、一般廃
棄物中の廃プラスチック油化を目指し、PVCの分別の
必要がない油化装置を目標にすえ改良しているという現
状である。
【0006】しかし、10%程度の比較的少量のPVC
が混入した油化装置は、現状でもなんとか油化も可能で
あるが、高い割合でPVCが混合していると油化が極め
て困難になる。その理由として挙げられる項目は、油化
行程中に高濃度の塩化水素ガスの発生、残さの発生等の
問題があるが、これと同じく検討の必要な重要な項目と
してPVC中に含有している可塑剤等の添加剤の問題を
挙げることができる。
【0007】PVC含有混合廃プラスチック中のPVC
の混入率が増加してくるとPVC中に含有していた可塑
剤(例えばDOP)の影響が強くなってくる。可塑剤は
高温で熱分解してしまうが、PVC中に含有されている
可塑剤も油化工程中に熱分解反応をしてしまう。そし
て、無水フタル酸等の生成物が発生するが、これは融点
が高く固化しやすい性質をもっている。配管内壁に付着
して最悪の条件では配管の閉塞等を引き起こす。これは
正常な運転を困難にしてしまう問題を秘めており、廃プ
ラスチック中のPVCの混入率が増加した時に正常な油
化作業の維持を困難にしていた。
【0008】また、別の観点から見たPVC混入の廃プ
ラスチックを油化するときの問題として、PVCを昇温
していくと脱塩化水素反応に伴って油の色が黒色化しポ
リエンに変化するが、これを油化し、従来型の凝縮器で
油の液化をすると生成された油の引火点が低い、沸点の
高い成分と低い成分の分離が悪いため油の色が真っ黒く
なり油の品質が低下する、カ゛ソリンエンシ゛ンの燃料として使用
するときオクタン価が低すぎて使用できない、灯油ストーフ゛ の
燃料として使用すると軽質分が多いため引火性が高く火
炎が燃料タンク への逆火する、セタン 価が低い、油中の灰分
が多い等の多くの問題があた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の油化装置では、
無水フタル酸等の生成物が発生するが、これは融点が高
く固化しやすい性質をもっている。従って、配管内壁に
付着して最悪の条件では配管の閉塞等を引き起こす。こ
れは正常な運転を困難にしてしまう問題を秘めており、
廃プラスチック中のPVCの混入率が増加した時に正常
な油化作業の維持を困難にしていた。
【0010】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、配管内壁へ無水フタル酸等の生成物の付着を防止
し、長時間の使用に耐える廃プラスチック油化装置及び
油化方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、可塑剤と、ハロゲン化物と、廃
プラスチックとを含む原料を熱分解して油を回収する蒸
留手段を有する廃プラスチック油化装置において、熱分
解した気体或いは液体から前記可塑剤の分解物を分離す
るための冷却手段を具備する事を特徴とす廃プラスチッ
ク油化装置を提供するものである。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、前記蒸留手段は、メインタワーとストリッパーとを
具備するか、又は、複数の蒸留塔を具備する事を特徴と
す廃プラスチック油化装置を提供するものである。
【0013】また、請求項3の発明は、前記蒸留の内部
の一部又は全体にゼオライト、活性アルミナ、シリカ、
活性炭等の軽質化するための触媒を具備する事を特徴と
する廃プラスチック油化装置を提供するものである。
【0014】更に、請求項4の発明は、前記蒸留の内部
へ水素、飽和炭化水素ガス等のオレフィンを飽和化させ
る物質と、飽和化反応を促進するためのNi等の触媒を
具備する事を特徴とする廃プラスチック油化装置を定期
要するものである。
【0015】また、請求項5の発明は、可塑剤と、ハロ
ゲン化物と、廃プラスチックとを含む原料を熱分解して
第1の気体にする工程と、前記第1の気体を冷却して第
1の油にする工程と、この第1の油のうち比較的重質の
油を再加熱した後冷却して前記可塑剤の分解物を分離す
る工程とを具備する事を特徴とす廃プラスチック油化方
法を提供するものである。ここで、ハロゲン化物には、
高分子ハロゲン化物を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】可塑剤例えば塩化ビニールは添加
剤を混ぜる事によりパラエティに富む物性を示す。ポリ
塩化ビニールに用いられる可塑剤にはフタル酸系のDO
P,DBP,DHP,DIDP等があり、フタル酸系以
外に脂肪酸系、リン酸系、アジピン酸系、ポリエステル
系、エポキシ系等あるが、これらの中でポリ塩化ビニー
ルとの相溶性に優れておりポリ塩化ビニールに配合され
ている量が多いのはDOPである。これを考慮し以下の
実施例を含む説明では使用頻度が最も多いDOPを中心
に説明していく。
【0017】ポリ塩化ビニールに添加しているDOPは
油化プロセス中に無水フタル酸に分解する。無水フタル
酸の沸点は285℃で、融点は132℃であるが、これ
を通常使われている凝縮器で設定温度を285℃以下に
して分離、回収しようとしても分離能力が劣っているた
めに、設定した温度では完全に取り去る事ができない。
そのため、下段の凝縮器に取り除き切れなかった無水フ
タル酸が約132℃以下で露結し、最悪のケースでは管
の閉塞に陥ったりする。その他、途中の配管内壁やタン
ク底に凝固して貯まってしまい配管の閉塞、油回収の困
難、メンテナンスの頻発を招くこともしばしば生じ、対
策の必要があった。
【0018】この問題を解決するために、PVC混合廃
プラスチックの油化の時に生じる無水フタル酸等の可塑
剤の分解物が装置内部に蓄積して、運転に支障が生じな
いよう、分離回収できるように、蒸留塔にその仕組みを
組み込んだのが本発明である。
【0019】その手法は、ポリ塩化ビニールが混入して
いる廃プラスチックを在る適当な大きさに破砕してエク
ストルーダに投入する。エクストルーダは連続的にポリ
塩化ビニール混合廃プラスチックを熱分解槽の中へ投入
していく。熱分解槽に投入された廃プラスチックは加熱
されて、熱分解し低分子化して揮発、ガス化する。熱分
解槽で発生した低分子化されたガスを冷却しないように
保温剤で断熱効果を高めた配管を通して加熱炉で若干加
熱された後蒸留塔へそそぎ込まれる。蒸留塔で精密に沸
点分離され無水フタル酸は濃縮され、その後無水フタル
酸の凝固点が高いことを利用してプラスチックを油化し
た油と分離して回収する。凝縮器のように分離能力が劣
悪でないために、下段に無水フタル酸が析出し管閉塞の
危険に遭遇することを回避できる。
【0020】また、特に廃プラスチックの処分方法、有
効利用法として廃プラスチック油化を行うとき、油化に
より廃プラスチックはなくなり処分の目的は達成される
が、その代わりに油が生成される。廃プラスチック油化
を行った事業所等でこの油が有効に活用できる設備や能
力があったのなら生成された油は有効に活用されること
になり問題はないが、このような設備がないときには、
油という不要物が生成されることになりかねない。これ
を回避するため廃プラスチック油化装置を使用する事業
主の状況、必要に応じて、生成された油が有効に活用さ
れやすくなるように油の性状がコントロールされること
が、必要になってくる。
【0021】蒸留塔では油の沸点に応じて軽い成分は上
に重たい成分は下に分布し、沸点に応じてそれが存在す
る高さが違ってくる。例えば、重たい成分、具体的には
重油相当成分以上の重質成分はいらないとすると、重油
相当油が貯まっている高さのところへ油を熱分解させる
触媒(例えばゼオライト)を置くと、それよりも重質油
成分は熱分解して軽質化され、重質油成分の油化装置で
の生成を抑制する事ができる。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
ただし、以下に示す実施例は、本発明を具体化するため
の技術思想を説明する目的で例示したのもであり、本発
明は下記の構造に限定されるものではない。
【0023】(実施例1)本実施例で説明する装置は、
主要な装置構成を図2で示し、また全体の装置構成を図
3に示した。
【0024】先ず、図2であるが、1は精密蒸留をおこ
なうためのメインタワーでこれで熱分解したガスを沸点
別に分離する主な役割をこなす。図示していないが前段
に接続された熱分解槽で熱分解したガスは、フィード2
から精密蒸留塔であるメインタワー1に入り、重質成分
は下に降り塔底から抜き出され一部はリボイラー4で温
め直しメイタワー1のサイドからそそぎ込まれ環流さ
れ、また一部は熱交換器5ー4を通過した後に塔底残油
として取り出される。一方、軽質成分はメインタワー1
を上昇して中間の灯油、軽質軽油、重質軽油に相当する
位置に留出油抜き出し口6ー1、6ー2、6ー3から取
り出される。但し、ここから取り出される油はこのまま
では軽質分が混入しているのでストリパー7に送り軽質
分だけをカットしてメインタワー1に戻し、軽質分が除
去された残りの油は取り出すす。灯油相当油と軽質軽油
相当油は熱交換器5−1,5−2で熱交換した後抜き出
し、さらに重質軽油相当油は可塑剤分解物が混ざってい
るので冷却器8でこれを分離し、可塑剤の分解物が除去
された油は熱交換器5ー3を通して取り出す。分離され
た可塑剤分解物は可塑剤分解物貯蔵タンク9に送る。塔
頂10から出てくるガスは凝縮させた後環流器11で一
部はメインタワーに環流し、残りは軽質ガソリン相当
油、有機ガスとして回収する。蒸留塔内部で熱が過剰に
ならないように、蒸留塔のサイドから油蒸気を一部取り
出し冷却で凝縮させた後蒸留塔のもどす様になっている
(12−1,12−2)。以上が装置主要部分の構成で
ある。
【0025】つぎに、廃プラスチック油化装置の全体構
成を図3に沿って説明する。20は廃プラスチックを細
かく刻んで練り状或いは粉状等にして熱分解槽21に投
入するためのエクストルーダである。勿論、エクストル
ーダ以外であっても図1に示した粉砕器から直接熱分解
槽21に投入しても良い。熱分解槽21は加熱炉22で
温められた熱媒体が流れている循環配管23により投入
されたプラスチックを温める事ができるようになってい
る。24は図1で示した熱分解ガスを凝縮させる蒸留装
置で熱分解槽で熱分解されたガスは蒸留塔24(図1全
体の装置構成を蒸留塔と称する)に流れ込み、ガソリン
相当、灯油相当、軽軽油相当、重質軽油油相当にそれぞ
れカット温度を140℃、220℃、270℃、330
℃に設定し分留し、無水フタル酸の沸点が285℃なの
でこれは重質軽油相当油の中に混じって出てき、また、
無水フタル酸の融点が132℃なのでこの軽油相当油を
この温度以上に保ち無水フタル酸分離用の装置である冷
却器8に送り無水フタル酸を取り除き重質軽油相当油貯
蔵用タンク27にため、無水フタル酸は無水フタル酸貯
蔵用タンク28にため、ガソリン相当油、灯油相当油、
軽質軽油相当油、残油はそれぞれ、図示しないがカソリ
ン相当油貯蔵タンク、灯油相当油貯蔵タンク25、軽質
軽油相当油貯蔵タンク26にため、残油は残油貯蔵タン
ク29に貯めた。塔頂から出てくる低分子ガスは排ガス
処理器30で処理した。熱分解槽21と蒸留塔24の間
と蒸留塔と冷却器8との間は保温材を巻いた配管31で
接続している。また、メイタワー1内には、図1にも示
したが、図6に示したような、穴の空いた円盤状の回転
部材60と同じく同心円上の細長い穴の空いた固定部材
61が重ねた構造のユニットが、複数段メイタワー1内
を仕切るように形成されている。そして、この複数の回
転部材60をつないで回転軸62で回転できるようにな
っている。
【0026】また、上述した装置の中で冷却器8の構造
の詳細を示したのが図4である。ここでは、軽油相当油
が51から冷却器8に入り管路52を経由して排出口5
3から出る様になっている。また、軽油相当油の流れと
対向する方向にループ状フィルター54が配管の中をぐ
るぐる回り循環しており、フィルター54は冷却装置5
5で冷やされた後に管路52の位置で軽油相当油がら熱
を受け取りながら循環しており、フィルター54により
冷却された重質軽油相当油からは無水フタル酸が析出し
てくる。これはフィルター54にトラップされ軽油相当
油の上流方向に移動し加熱装置56で加熱されフィルタ
ー54にトッラップされていた無水フタル酸が、溶解し
無水フタル酸貯蔵用タンク28に溜まり貯蔵される。図
示していないがループ状フィルター54を循環させるた
めの駆動用のローラーを設けることもできる。
【0027】まとめると、結果として51から入る軽油
相当油は52でフィルター54に冷却され無水フタル酸
を析出した後、油中から無水フタル酸が取り出された状
態で53から出力されることになる。
【0028】また、ここでは特に図示していないが、蒸
留塔の前段にサイクロン、電気集塵器等の微粒固形物を
除去する除去装置を具備している。以上の構成の廃プラ
スチック油化装置を使用して以下の条件で油化を行っ
た。
【0029】塔頂の温度を30℃に、またリボイラ4の
温度を350℃に設定し、メインタワー1を常圧、理論
段数15段の蒸留塔にした。更に、原料は、ポリプロピ
レンが50%、ポリ塩化ビニールが50%の割合で混合
している廃プラスチックを使用した。
【0030】油化後の結果は、油(DOP 含む)が58.
4%、低分子ガスが7.5%、HClが19.1%残さ
が15%の割合で回収された。この際、2200時間以
上の長期間使用しても無水フタル酸の堆積によるトラブ
ルが発生することなく、安定的動作し、黒色化していな
い透明で引火点が高い高品質な油を得ることができた。
【0031】各留分から出てきた油の比率は、ガソリン
相当が29%、灯油相当が23%で重油相当(蒸留残
油)が21%であり、軽油相当が27%であり、軽油相
当は冷却器8で無水フタル酸が除去され27%の内11
%分が除去され16%が軽油相当貯蔵用タンク27に貯
蔵される。
【0032】これに対して、図1で示した従来構造の装
置では、同一の材料をしよう下場合、20時間程度で無
水フタル酸の堆積が生じ、100時間目に配管の閉塞と
いう重大な問題が発生した。
【0033】以上のような改善を施し次のような効果が
あった。ポリ塩化ビニール中に含有しているDOP等の
可塑剤は油化行程で熱分解し無水フタル酸になり配管の
内壁への付着、管閉塞等の問題や、回収油中の混入等に
よる悪影響を引き起こし、ポリ塩化ビニールが混入する
廃プラスチックの油化を困難にしていたが、蒸留塔と冷
却器により無水フタル酸を分離、濃縮し回収することが
でき、配管閉塞等の問題点を解決した。また、得られる
油は、透明な引火点が低くない高品質な油を得ることが
できた。
【0034】また、蒸留塔の中に熱分解触媒を存在させ
ることで、油使用者が望む油質の生成を生産することが
でき、例えば、330℃以上の重油成分の油が欲しくな
い時は蒸留塔で沸点が330℃以上の重質油が溜まって
いる場所にゼオライトを設置して重質油を低分子化する
と沸点330℃以上の重質油は生成されなく、軽油成分
だけ生成するなどの自由なコンドロールが可能になる。
【0035】加えて、蒸留塔内へアルカン化触媒と水素
ガスや飽和有機ガスを添加してオレフィンの飽和化を行
うことで、油の経時特性が安定した、粘着性樹脂のガム
成分や重合物を生じにくい良質の油を得る事ができる。
【0036】(実施例2)廃プラスチック油化をすると
廃プラから油が生成されるが、装置の所有者によっては
重質成分は欲しくない者も当然いる。重質油成分が生成
されない油化装置及び方法の実施の例を以下に示す。
【0037】例えば沸点330℃以上の重質油成分をカ
ットしたい場合は、図5に示す通り、充填物型精密蒸留
塔(棚段式蒸留塔でも良い)のメインタワーの塔内温度
が330℃である面A−Aで示す位置より下に熱分解用
触媒101を充填物100と共に詰める。この熱分解用
触媒101を蒸留塔に詰めた以外は実施例1と同じ構成
で油化装置で油化を行う装置である。以下の実施例の説
明では、実施例1と同一の構成の詳細な説明を省略す
る。
【0038】また、一般にこの装置では、生成される油
の沸点分布に対して在る任意の沸点以上の油が必要ない
ときに、蒸留塔のその沸点温度に対応する高さ(A−
A)より低い位置に、充填物と共に例えばゼオライト等
の熱分解触媒を充填すると、選択的に重質油を熱分解す
る事ができる。ゼオライト以外の油を軽質化するための
触媒として、活性炭、活性アルミナ、シリカ等を挙げる
ことができる。これによると、軽質成分を熱分解しない
ので従来ゼオライトにより多数発生していた低分子ガス
の生成を抑制できる。結果を以下の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】ゼオライトを使用していない実施例1では
重油相当油が18.6%生成したが、ゼオライトを使用
したらこれがゼロに減少した。比較例として、蒸留塔を
使用せず、熱分解槽よりでてきた油蒸気を直接ゼオライ
トが充填されたカラムに通しその後凝縮器で各相当油に
分けた比較の実験(比較例1)では実施例2と同じ様に
重油相当油はゼロであるが、ガス成分は34%も発生し
た。重油相当油をなくし、且つ、ガス成分があまり増加
しない実施例2のメリットが良く解る。その他の効果に
ついては、実施例1と同様である。
【0041】(実施例3)図6に示す通り、充填物型精
密蒸留塔のメインタワー1の塔内の全体にアルカン化触
媒102を充填物100と共に詰めた以外は実施例1と
同じ構成の油化装置で油化を行う様にしたものである。
【0042】プラスチックを熱分解して生成した油は二
重結合を含むオレフィン系の油が主成分である。そのた
めタンク等に入れて保管すると重合反応や酸化反応が進
み、油中のガム質成分が増加してくる。この油の性質を
改質するたのメインタワー1の下部103から水素、飽
和有機ガスのメタン等の水素源を流し、二重結合の飽和
化を行った。図6に示す通り、メインタワー1の下部1
03からメタン(塔頂がら発生した飽和有機ガスを利用
しても良い)または、水素を流し、又蒸留塔内部に充填
剤と飽和化反応を促進するための触媒(Ni)を同時に
混ぜ入れたことを除いては実施例1と同一の条件にて油
化を行うことができる。結果は、以下の表3に示す。
【0043】
【表2】
【0044】アルカン化触媒を充填したものは油のほとんど
がパラフィン(飽和炭化水素)になり、酸化安定度は市
販のガソリンと同等の品質を確保することができた。そ
の他の効果については、実施例1と同様である。
【0045】
【発明の効果】蒸留塔と冷却器により無水フタル酸を分
離、濃縮し回収することができ、配管閉塞を防止するこ
とかでき、従って油化装置全体の寿命を延ばすことが可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の廃プラスチック油化装置を示す図。
【図2】 本発明の実施例1の主要部を示す断面図。
【図3】 本発明の実施例1の全体構成を説明する図。
【図4】 本発明の実施例1の主要部を示す断面図。
【図5】 本発明の実施例2の主要部を示す断面図。
【図6】 本発明の実施例3の主要部を示す断面図。
【図7】 本発明の実施例1の主要部を説明する図。
【符号の説明】
1 メインタワー 2 フィード 4 リボイラー 5−1,5−2,5ー3,5ー4 熱交換器 6ー1,6ー2,6ー3留 出油抜き出し口 7 ストリパー 8 冷却器 9 可塑剤分解物貯蔵タンク 10 塔頂 11 環流器 12ー1,12ー2管路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑剤と、ハロゲン化物と、廃プラスチッ
    クとを含む原料を熱分解して油を回収する蒸留手段を有
    する廃プラスチック油化装置において、熱分解した気体
    或いは液体から前記可塑剤の分解物を分離するための冷
    却手段を具備する事を特徴とする廃プラスチック油化装
    置。
  2. 【請求項2】前記蒸留手段が、メインタワーとストリッ
    パーとを具備するか又は、複数の蒸留塔を具備する事を
    特徴とす請求項1に記載の廃プラスチック油化装置。
  3. 【請求項3】前記蒸留塔の内部の一部又は、全体にゼオ
    ライト、活性アルミナ、シリカ、活性炭等の前記油を軽
    質化するための触媒を具備する事を特徴とする請求項1
    に記載の廃プラスチック油化装置。
  4. 【請求項4】前記蒸留塔の内部へ水素、飽和炭化水素ガ
    ス等のオレフィンを飽和化させる物質と、飽和化反応を
    促進するためのNi等の触媒を具備する事を特徴とする
    請求項1に記載の廃プラスチック油化装置。
  5. 【請求項5】可塑剤と、ハロゲン化物と、廃プラスチッ
    クとを含む原料を熱分解して第1の気体にする工程と、
    前記第1の気体を冷却して第1の油にする工程と、この
    第1の油を更に冷却して前記可塑剤の分解物を分離する
    工程とを具備する事を特徴とする廃プラスチック油化方
    法。
JP7563196A 1996-03-29 1996-03-29 廃プラスチック油化装置及び方法 Pending JPH09263774A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6121334A (en) * 1996-07-17 2000-09-19 Texaco Inc. Gas handling for plastics liquefaction
WO2001077256A1 (en) * 2000-03-31 2001-10-18 Gl Korea Union Co., Ltd The pyrolysis waste rycycling method and system
KR20020072889A (ko) * 2001-03-13 2002-09-19 주식회사 지엘코리아유니언 폐합성수지의 유화방법 및 유화 설비 시스템
KR100743113B1 (ko) * 2006-07-31 2007-08-02 주식회사 21세기에너지 슬러지 배출이 용이한 폐플라스틱을 이용한 재생유 가공시스템

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