JPH0926098A - 液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置の運転方法並びに液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置 - Google Patents

液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置の運転方法並びに液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置

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JPH0926098A
JPH0926098A JP17721895A JP17721895A JPH0926098A JP H0926098 A JPH0926098 A JP H0926098A JP 17721895 A JP17721895 A JP 17721895A JP 17721895 A JP17721895 A JP 17721895A JP H0926098 A JPH0926098 A JP H0926098A
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gas
boil
liquefied natural
temperature
natural gas
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JP17721895A
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Kenji Nagura
見治 名倉
Yutaka Narukawa
成川  裕
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 BOG(ボイルオフガス)とともにLNG
(液化天然ガス)を処理する装置において、簡単かつ安
価な構造で、起動時での圧縮機運転温度や蓄冷容器内温
度を迅速に下げて良好な運転を確保する。 【解決手段】 LNGを蓄冷容器30を通じて送出する
一方、LNG貯槽10内のBOGをBOG圧縮機16に
より熱交換器18に圧送し、ここでLNGと熱交換させ
て冷却してから、上記LNGに混合する装置。BOGを
熱交換器18の下流側からBOG圧縮機16の上流側ま
で還流させるための還流用配管20と、温度調節計24
とを備える。温度調節計24は、BOG圧縮機16の上
流側位置等におけるBOG温度を検出し、この検出温度
が所定の目標温度に下がるまでその検出温度が高いほど
多くのBOGを還流させるように、還流用配管20の流
量調節弁22の開度を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化天然ガス(以
下、LNGと称する。)と、LNG貯槽内に発生したボ
イルオフガス(以下、BOGと称する。)とを効率良く
処理するための処理装置の運転方法、並びにその処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、LNG基地に貯蔵されたLNG
は、LNG昇圧ポンプで昇圧された後、LNG気化器で
気化され、天然ガス(以下、NGと称する。)として需
要地へ供給される。このLNG供給システムにおいて、
上記LNGの貯蔵タンク内でLNGから蒸発したメタン
ガスを主成分とするBOGについては、このBOGをそ
のまま昇圧してNGに混合することも可能であるが、こ
のBOGを先にLNGと混合して再液化してから昇圧す
れば、この昇圧に要するポンプの動力消費量を著しく削
減できる。
【0003】このようにLNGとそのBOGとを効率良
く処理するための装置として、特開平5−263997
号公報に示されるものが知られている。この装置は、L
NG消費量の多い昼間にLNGの冷熱を蓄冷容器に蓄
え、LNG消費量の少ない夜間に上記蓄冷容器に蓄えら
れた冷熱を利用してBOGを液化するものであり、実際
の操作は次の通りである。
【0004】A)昼間:LNG貯槽からBOGを導出し
て圧縮機により昇圧し、熱交換器で送出LNGとの熱交
換により予備冷却した後、このBOGを液化するのに十
分な量のLNGと混合してLNG単相流を形成する。こ
の混合液体を蓄冷容器に導入し、この蓄冷容器内の蓄冷
剤を凍結させることにより、LNGの冷熱を蓄える。そ
の後、上記LNG単相流はポンプで送出圧まで昇圧し、
気化して使用に供する。
【0005】B)夜間:上記と同様に昇圧、予備冷却し
たBOGを、このBOGを液気化するのに不十分な量の
LNGと混合して気液二相流を形成する。この混合流体
を上記蓄冷容器に導入し、この蓄冷容器内に蓄えられた
冷熱を利用して上記BOGを液化し、LNG単相流とす
る。その後の操作は昼間と同様である。
【0006】この装置では、昼間、多量に使用されるL
NGの冷熱を蓄え、この冷熱を夜間でのBOGの液化に
用いるので、LNG消費量が昼夜間で変動しても安定し
てBOGを液化できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記装置では、LNG
貯槽から導出されたBOGがBOG用圧縮機によって熱
交換器及び蓄冷容器へ圧送されるが、この圧縮の際にB
OGはかなり昇温される。従って、装置起動時、すなわ
ち、圧縮機吸入温度が常温近くの高い温度にある時に
は、圧縮機吐出温度が常温をさらに上回って圧縮機の運
転許容温度近傍まで上昇してしまい、温度的に余裕のあ
る圧縮機の運転ができなくなる。また、同様の理由で蓄
冷容器内の温度も高くなり、この蓄冷容器による正常な
蓄冷ができなくなるおそれがある。
【0008】このような不都合を回避する手段として、
特開平4−12178号公報に示されるような運転制御
方法、すなわち、BOG用圧縮機として2段の圧縮機を
用いるとともに、低温側圧縮機の吐出温度を検出し、こ
の温度が高い場合には、低温側圧縮機から吐出されるB
OGの一部を専用の冷却器に流してこのBOGを冷却し
てから高温側圧縮機の吸込み側に供給する方法を適用す
ることが考えられる。
【0009】しかし、この方法では、BOG温度を下げ
るのに上記熱交換器とは別の専用の冷却器が必要にな
る。しかも、この方法を上記装置に適用した場合、冷却
器に求められる冷却温度は氷点下となるので、この冷却
器における冷媒には海水よりも凝固点の低い特殊な流体
を用いなければならない。従って、構造の複雑化及びコ
ストアップは免れ得ない。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、簡単か
つ安価な構造で、起動時の圧縮機運転温度や蓄冷容器内
温度を迅速に下げて良好な運転を確保できるLNG及び
そのBOGの処理装置の運転方法、並びに、LNG及び
そのBOGの処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、蓄冷剤を収容
した蓄冷容器と、この蓄冷容器に液化天然ガスを導入す
るための液化天然ガス用通路と、液化天然ガス貯槽内か
らボイルオフガスを導出して上記液化天然ガス用通路内
の液化天然ガスに混合するためのボイルオフガス用通路
と、このボイルオフガス用通路の途中に設けられ、導出
されたボイルオフガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機
から吐出されてボイルオフガス用通路を流れるボイルオ
フガスと上記蓄冷容器を出た液化天然ガスとの間で熱交
換を行わせる熱交換器とを備えた液化天然ガス及びその
ボイルオフガスの処理装置の起動時の運転方法であっ
て、上記ボイルオフガス用通路から蓄冷容器の下流側に
至るまでの領域における所定位置での流体の温度を検出
し、この検出温度が予め設定された目標温度に下がるま
で、その検出温度が高いほど多くの量のボイルオフガス
を上記熱交換器の下流側から上記圧縮機の上流側でかつ
上記温度の検出位置よりも上流側の位置へ還流させるも
のである(請求項1)。
【0012】具体的には、上記ボイルオフガス用通路に
おいて上記圧縮機の上流側のボイルオフガスの温度や、
上記蓄冷容器下流側の液化天然ガスの温度を検出するの
が、より好ましい(請求項2,3)。
【0013】また、上記ボイルオフガスの還流時におけ
る検出温度の時間変化を調べておき、この調べた時間変
化に基づき、次回以降の装置起動時にはその起動時点か
らの経過時間に応じて上記ボイルオフガスの還流量を調
節するようにしてもよい(請求項4)。
【0014】また本発明は、蓄冷剤を収容した蓄冷容器
と、この蓄冷容器に液化天然ガスを導入するための液化
天然ガス用通路と、液化天然ガス貯槽内からボイルオフ
ガスを導出して上記液化天然ガス用通路内の液化天然ガ
スに混合するためのボイルオフガス用通路と、このボイ
ルオフガス用通路の途中に設けられ、導出されたボイル
オフガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出され
てボイルオフガス用通路を流れるボイルオフガスと上記
蓄冷容器を出た液化天然ガスとの間で熱交換を行わせる
熱交換器とを備えた液化天然ガス及びそのボイルオフガ
スの処理装置において、ボイルオフガスを上記熱交換器
の下流側から上記圧縮機の上流側まで還流させるための
還流用通路と、この還流用通路を通じてのボイルオフガ
スの還流量を変化させる還流量可変手段と、上記ボイル
オフガス用通路において上記還流用通路から還流ボイル
オフガスが導入される位置よりも下流側の位置から上記
蓄冷容器の下流側に至るまでの領域における所定位置で
の流体の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出
手段による検出温度が予め設定された目標温度に下がる
までその検出温度が高いほど多くの量のボイルオフガス
を還流させるように上記還流量可変手段を作動させる還
流調節手段とを備えたものである(請求項5)。
【0015】この装置では、上記温度検出手段による温
度検出位置を上記圧縮機の上流側の位置や上記蓄冷容器
の下流側の位置に設定するのが、より好ましい(請求項
6,7)。
【0016】また、上記ボイルオフガス用通路の終点と
ボイルオフガスの還流取り出し口との間に上記液化天然
ガス用通路からボイルオフガス用通路への液化天然ガス
の侵入を防ぐ逆流防止手段を設けることにより、後述の
ようなより優れた効果が得られる(請求項8)。
【0017】また、上記還流量調節手段を予め設定され
た時間変化パターンに基づき装置起動時点からの経過時
間に応じて作動させる第2の還流調節手段と、還流量調
節モードを上記還流調節手段により還流量の調節が行わ
れるモードと上記第2の還流調節手段により還流量の調
節が行われるモードとに切換えるモード切換手段とを備
えることにより、前記請求項4記載の方法を実施でき
る。
【0018】上記請求項1,5記載の方法及び装置によ
れば、装置起動時、すなわち、BOG用通路内のBOG
温度や蓄冷容器を流れるLNG温度が高い時には、その
温度に見合った量のBOGが上記熱交換器の下流側から
上記圧縮機の上流側であって上記温度の検出位置よりも
上流側の位置へ還流される。このように、一旦熱交換器
で冷却されたBOGが圧縮機上流側に還流されることに
より、圧縮機の運転温度が効果的に下げられる。これに
伴い、BOGの温度、さらにはこのBOGが混合される
LNGの温度も低下し、蓄冷容器下流側の温度も効果的
に下げられる。
【0019】ここで、請求項2,6記載の方法及び装置
では、温度検出位置が上記BOG用通路において上記圧
縮機の上流側の位置に設定されているので、実際の圧縮
機の運転温度が直接監視され、この圧縮機運転温度に即
した温度制御が実行される。
【0020】また、請求項3,7記載の方法及び装置で
は、温度検出位置が上記蓄冷容器下流側の位置に設定さ
れているので、実際の蓄冷容器温度が直接監視され、こ
の温度に即した温度制御が実行される。
【0021】なお、上記検出温度は必ずしも安定してい
るとは限らず、実際には短い周期で微小変動することも
予想される。この場合、検出温度に追従してBOG還流
量の調節を行うと、この還流量を頻繁に増減しなければ
ならず、安定した制御が難しくなる。しかし、請求項4
記載の方法のように、最初の装置起動時には検出温度に
応じて還流量の調節を行いながら、このときの検出温度
の時間変化を調べておき、この調べた時間変化を利用し
て、次回以降の装置始動時には起動時点からの経過時間
に応じて上記BOGの還流量を調節することにより、実
際の温度の微小変動に影響を受けない安定した温度制御
を実行できる。
【0022】より具体的に、請求項9記載の装置により
上記方法を実行するには、最初の装置起動時には還流調
節手段により検出温度に応じた還流量の調節を行わせ、
このときの検出温度の時間変化を調べておいてこの時間
変化パターンを第2の還流調節手段に入力しておき、次
の装置起動時からは、モードを切換えて、上記第2の還
流調節手段により経過時間に応じた還流量調節を行わせ
るようにすればよい。
【0023】また、請求項8記載の装置では、還流用通
路における還流量が増加されても、BOG用通路に設け
られた逆流防止手段により、LNG用通路から上記還流
用通路へのLNGの逆流が未然に防がれる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1に基
づいて説明する。
【0025】同図において、LNG貯槽10の底部にL
NG圧送用のポンプ12の吸入口が接続され、このポン
プ12の吐出口がLNG用配管13を介して蓄冷容器3
0の入口に接続されている。LNG貯槽10の頂部には
BOG用配管14の一端が接続され、他端が上記LNG
用配管13の途中に接続されており、このBOG用配管
14の途中にBOG圧縮機16及び熱交換器18が設け
られている。
【0026】上記蓄冷容器30には、n−ペンタン等の
蓄冷剤が収容されている。この蓄冷容器30の出口に
は、送出用配管19が接続されており、この送出用配管
19の途中には、ポンプ32、上記熱交換器18、及び
LNG気化器34が設けられている。上記熱交換器18
は、前記BOG用配管14を流れるBOGと送出用配管
19を流れるLNGとの間で熱交換を行わせるものであ
る。
【0027】この装置の特徴として、上記BOG用配管
14には、還流用配管20が並設されている。この還流
用配管20は、BOG用配管14の途中のBOG圧縮機
16及び熱交換器18をバイパスして熱交換器18下流
側の位置P3とBOG圧縮機16上流側の位置P0とを
直結するものである。この還流用配管20の途中には、
外部から入力される制御信号により開度が変化する流量
調節弁(還流量可変手段)22が設けられている。
【0028】上記LNG用配管14において、上記位置
P0とBOG圧縮機16との間の位置P1には、この位
置P1でのBOG温度を検出する温度調節計(還流調節
手段)24が設けられている。この温度調節計24は、
検出温度に応じた制御信号を上記流量調節弁22に入力
し、その開度を調節するものである。具体的に、この温
度調節計24は、検出温度Tが予め設定された目標温度
(この実施形態では約−100℃)Toよりも高い期間で
は、検出温度Tと目標温度Toとの偏差ΔT(=T−T
o)を演算し、この偏差ΔTが大きいほど流量調節弁2
2の開度を増大させる一方、検出温度Tが予め設定され
た目標温度まで下がった後は、流量調節弁22を全閉に
保つように、構成されている。
【0029】また、BOG用配管14において、その終
点(すなわちLNG用配管13との合流点)と上記位置
P3との間の位置には、LNG用配管13からBOG用
配管14へのLNGの逆流を阻止する逆止弁26が設け
られている。
【0030】次に、この装置の作用を説明する。
【0031】まず、昼間等、LNG需要量が多い時間帯
(第1の期間)では、LNG貯槽10内のLNGがLN
Gポンプ12により大流量でLNG配管13内に流され
る。一方、上記LNG貯槽10内でLNGから蒸発した
BOGは、LNG用配管14の途中に設けられたBOG
圧縮機16で昇圧され、熱交換器18で予備冷却された
後、蓄冷容器30の手前で上記LNGと混合される。こ
の時間帯では、LNGに比べてBOGの供給量が相対的
に少ないので、このBOGは上記LNGとの混合で完全
に液化され、混合流体は単相流となる。この混合流体
は、蓄冷容器30内に収容された蓄冷剤を冷却して凝固
させ、LNGポンプ32で高圧まで昇圧された後、上記
熱交換器18で上述のようにBOGを予備冷却し、LN
G気化器34で気化される。このようにして生成された
NGは、都市ガス燃料、火力発電所燃料等の目的で各需
要地へ供給される。
【0032】これに対し、夜間等、LNG需要量が少な
い時間帯(第2の期間)では、LNG配管13内のLN
G流量が少ないため、LNG量に対するBOG量の混合
比率が高くなる。従ってこのBOGはLNGと混合され
ても一部液化されるにとどまり、混合流体は気体と液体
からなる二相流となる。この混合流体は、前回LNGに
よる冷却で凝固している蓄冷容器30内の蓄冷剤を融解
させ、その融解潜熱及び顕熱を奪われる(すなわち冷却
される)。これによりBOG成分が液化し、上記混合流
体は単相流となる。この単相流は、前記と同様にして熱
交換器18及びLNG気化器34を通じて各需要地へ供
給される。
【0033】以上の説明は、装置の起動から十分な時間
が経過した安定状態での運転についてであるが、装置の
起動時には上記LNG貯槽10から導出されるBOG温
度が常温に近く(すなわちBOG圧縮機16の吸入側温
度が常温に近く)、BOG圧縮機16の吐出側温度は約
150℃程度まで上昇する。この状態が長く続くと、BO
G圧縮機16の運転温度が圧縮機許容温度近傍まで上昇
しているために温度的に余裕のある運転ができず、ま
た、蓄冷容器30に導入されるLNGに高温のBOGが
混合されるために、蓄冷容器30内の温度も高くなって
良好な蓄冷性能が発揮できなくなるおそれもある。
【0034】しかし、この装置では、温度調節計24に
より、上記BOG圧縮機16に吸入されるBOG温度T
が検出され、この検出温度Tが高いほど流量調節弁22
の開度が増加され、熱交換器18で冷却された比較的低
温のBOGが還流用配管20を通じてBOG圧縮機16
の上流側に再供給されるので、BOG圧縮機16の運転
温度は迅速に下げられ、起動当初から温度的に余裕をも
った圧縮機運転を実現される。これに伴って、BOG用
配管14を流れるBOGの温度、さらには、このBOG
が混合されるLNGの温度も低下するため、蓄冷容器3
0内の温度も正常な温度に保たれ、良好な蓄冷性能が確
保される。
【0035】ここで、BOG用配管14において還流取
り出し位置P3よりも下流側には逆止弁26が設けられ
ているので、流量調節弁22の開度が増加されても、L
NG用配管14から還流用配管20へのLNGの逆流は
生じない。
【0036】なお、上記検出温度Tが十分に下がって定
常状態に移行した場合には、流量調節弁22が全閉さ
れ、従来の装置と同様の運転(BOGを還流させない運
転)が実行される。
【0037】図2は、上記装置を実際に起動させた時の
各位置における実際温度と、流量調節弁22の弁開度と
をグラフに示したものである。同図の上段に示される各
曲線は、次の値を表している。 曲線C1:BOG還流を実行した場合の温度調節計24
による検出温度T 曲線C2:BOG還流を実行した場合のBOG圧縮機1
6と熱交換器18との中間位置P2におけるBOG温度 曲線C2´:BOG還流を実行しなかった場合の上記位
置P2におけるBOG温度 曲線C3:BOG還流を実行した場合の熱交換器18下
流側の位置P3におけるBOG温度 曲線C3´:BOG還流を実行しなかった場合の上記位
置P3におけるBOG温度 この図2に示されるように、BOG還流を行った場合に
は、BOG還流を行わない場合に比べ、各位置でのBO
G温度を起動時から迅速に低下させることが可能となっ
ている。
【0038】次に、第2実施形態を図3に基づいて説明
する。前記第1実施形態では、装置起動時には毎回、検
出温度に応じた還流量の調節を行うようにしているが、
この検出温度は必ずしも安定しているとは限らず、実際
には短い周期で活発に微小変動することも予想される。
このような時に検出温度に追従した還流量の調節を行う
場合、流量調節弁22の開度を頻繁に増減しなければな
らず、安定した制御は難しくなる。一方、起動時の運転
条件を変えなければ、毎回の起動時に調節される流量調
節弁22の弁開度の時間変化パターンは巨視的にみてほ
ぼ一定であり、大差はない。
【0039】そこでこの実施形態では、1回目の起動時
のみ検出温度に応じた還流量調節を行うとともに、この
時の検出温度Tの巨視的な時間変化(図2の曲線C1)
を記憶しておき、2回目以降の起動時には、記憶した上
記時間変化を利用して、起動時点からの経過時間に応じ
た流量調節弁22の開度調節を行うようにしている。
【0040】そのための手段として、図3に示す装置に
は、タイマ(第2の還流調節手段)36及びスイッチ
(モード切換手段)38を備えている。スイッチ38
は、還流量調節モードを、温度調節計24の出力制御信
号が流量調節弁22のアクチュエータに入力される第1
のモードと、タイマ36の出力制御信号が流量調節弁2
2のアクチュエータに入力される第2のモードとに択一
的に切換えるものである。タイマ36は、1回目の起動
時における検出温度Tの巨視的な時間変化パターンを記
憶し、2回目以降の起動時には上記記憶パターンに基づ
いて起動時点からの経過時間に応じた流量調節弁22の
開度の調節を行うものである。
【0041】このような装置によれば、1回目の起動時
には、スイッチ38により還流量調節モードを第1のモ
ードに切換えて前記第1実施形態と同様に検出温度に応
じた還流量調節を行わせ、2回目以降の起動時には上記
還流量調節モードを第2のモードに切換えて経過時間に
追従した還流量調節を行わせることにより、この2回目
以降の起動時には実際の検出温度の微小変動に影響され
ない安定した温度制御を実行することができる。
【0042】なお、本発明において、BOG温度の検出
位置は、BOG用配管14において還流位置P0よりも
下流側の領域内で設定すれば、上記のような温度制御が
可能であり、例えばBOG圧縮機16と熱交換器18と
の間の位置P2や、BOG用配管14と還流用配管20
との接続点P3の温度を検出するようにしてもよい。ま
た、BOG圧縮機16を複数段にわたり直列に設置する
場合には、圧縮機同士の間に温度検出位置を設定しても
よい。ただし、上記第1実施形態のように、検出温度位
置をBOG圧縮機16のすぐ上流側の位置P1に設定す
れば、BOG圧縮機16の運転温度を直接監視でき、こ
の運転温度に即したより適正な温度制御ができる利点が
ある。また、このようなBOG温度ではなく、第3実施
形態として図4に示すように、蓄冷容器30から導出さ
れたLNGの温度を検出するようにすれば、蓄冷容器3
0内の温度を直接監視でき、これにより、蓄冷容器30
内の温度をより確実に適正な温度に保持できる利点が得
られる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、蓄冷容器をもつ
LNG及びそのBOGの処理装置における所定位置での
流体の温度を検出し、この検出温度が予め設定された目
標温度に下がるまで、その検出温度が高いほど多くの量
のBOGをBOG冷却用熱交換器の下流側からBOG用
の圧縮機の上流側であって上記温度の検出位置よりも上
流側の位置へ還流させるようにしたものであるので、専
用の高価な冷却器を特設することなく、既存の上記熱交
換器を利用した簡単かつ安価な構造で、起動時での上記
圧縮機の運転温度や蓄冷容器内温度を迅速に下げ、これ
により、温度的に余裕のある圧縮機の運転を可能にし、
蓄冷容器による良好な蓄冷を確保できる効果がある。
【0044】特に、請求項2,6記載のように、温度検
出位置を上記BOG用通路において上記圧縮機の上流側
の位置に設定すれば、実際の圧縮機の運転温度を直接監
視してこの圧縮機運転温度に即した温度制御ができる効
果がある。
【0045】また、請求項3,7記載のように、温度検
出位置を上記蓄冷容器下流側の位置に設定することによ
り、実際の蓄冷容器温度を直接監視してこの蓄冷容器温
度をより確実に適正な温度に保つ制御ができる効果があ
る。
【0046】さらに、請求項4,9記載の方法及び装置
では、最初の装置起動時には、上記と同様に検出温度に
基づいて還流量の調節を行いながら、このときの検出温
度の時間変化を調べておき、次回以降の装置始動時に
は、調べた上記時間変化に基づき、装置始動からの経過
時間をパラメータとして上記BOGの還流量を調節する
ことにより、実際の検出温度の微小な変動に影響を受け
ない安定した温度制御を実行できる効果がある。
【0047】また、請求項8記載の装置では、BOG用
通路に逆流防止手段を設けているので、還流用通路にお
ける還流量を増加した場合も、LNG用通路から上記還
流用通路へのLNGの逆流を未然に防止して良好な運転
を維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるLNG及びその
BOGの処理装置を示すフローシートである。
【図2】上記LNG及びそのBOGの処理装置の起動時
における各位置での温度の時間変化と流量調節弁の弁開
度の時間変化とを示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態におけるLNG及びその
BOGの処理装置を示すフローシートである。
【図4】本発明の第3実施形態におけるLNG及びその
BOGの処理装置を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 LNG貯槽 13 LNG用配管 14 BOG用配管 16 BOG圧縮機 18 熱交換器 20 還流用配管 22 流量調節弁(還流量可変手段) 24 温度調節計(還流調節手段) 26 逆止弁(逆流防止手段) 30 蓄冷容器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄冷剤を収容した蓄冷容器と、この蓄冷
    容器に液化天然ガスを導入するための液化天然ガス用通
    路と、液化天然ガス貯槽内からボイルオフガスを導出し
    て上記液化天然ガス用通路内の液化天然ガスに混合する
    ためのボイルオフガス用通路と、このボイルオフガス用
    通路の途中に設けられ、導出されたボイルオフガスを圧
    縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出されてボイルオフ
    ガス用通路を流れるボイルオフガスと上記蓄冷容器を出
    た液化天然ガスとの間で熱交換を行わせる熱交換器とを
    備えた液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置
    の起動時の運転方法であって、上記ボイルオフガス用通
    路から蓄冷容器の下流側に至るまでの領域における所定
    位置での流体の温度を検出し、この検出温度が予め設定
    された目標温度に下がるまで、その検出温度が高いほど
    多くの量のボイルオフガスを上記熱交換器の下流側から
    上記圧縮機の上流側でかつ上記温度の検出位置よりも上
    流側の位置へ還流させることを特徴とする液化天然ガス
    及びそのボイルオフガスの処理装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液化天然ガス及びそのボ
    イルオフガスの処理装置の運転方法において、上記ボイ
    ルオフガス用通路において上記圧縮機の上流側のボイル
    オフガスの温度を検出することを特徴とする液化天然ガ
    ス及びそのボイルオフガスの処理装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液化天然ガス及びそのボ
    イルオフガスの処理装置の運転方法において、上記蓄冷
    容器下流側の液化天然ガスの温度を検出することを特徴
    とする液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置
    の運転方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の液化天
    然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置の運転方法に
    おいて、上記ボイルオフガスの還流時における検出温度
    の時間変化を調べておき、この調べた時間変化に基づ
    き、次回以降の装置起動時にはその起動時点からの経過
    時間に応じて上記ボイルオフガスの還流量を調節するこ
    とを特徴とする液化天然ガス及びそのボイルオフガスの
    処理装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 蓄冷剤を収容した蓄冷容器と、この蓄冷
    容器に液化天然ガスを導入するための液化天然ガス用通
    路と、液化天然ガス貯槽内からボイルオフガスを導出し
    て上記液化天然ガス用通路内の液化天然ガスに混合する
    ためのボイルオフガス用通路と、このボイルオフガス用
    通路の途中に設けられ、導出されたボイルオフガスを圧
    縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出されてボイルオフ
    ガス用通路を流れるボイルオフガスと上記蓄冷容器を出
    た液化天然ガスとの間で熱交換を行わせる熱交換器とを
    備えた液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置
    において、ボイルオフガスを上記熱交換器の下流側から
    上記圧縮機の上流側まで還流させるための還流用通路
    と、この還流用通路を通じてのボイルオフガスの還流量
    を変化させる還流量可変手段と、上記ボイルオフガス用
    通路において上記還流用通路から還流ボイルオフガスが
    導入される位置よりも下流側の位置から上記蓄冷容器の
    下流側に至るまでの領域における所定位置での流体の温
    度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段による
    検出温度が予め設定された目標温度に下がるまでその検
    出温度が高いほど多くの量のボイルオフガスを還流させ
    るように上記還流量可変手段を作動させる還流調節手段
    とを備えたことを特徴とする液化天然ガス及びそのボイ
    ルオフガスの処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の液化天然ガス及びそのボ
    イルオフガスの処理装置において、上記温度検出手段に
    よる温度検出位置を上記圧縮機の上流側の位置に設定し
    たことを特徴とする液化天然ガス及びそのボイルオフガ
    スの処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の液化天然ガス及びそのボ
    イルオフガスの処理装置において、上記温度検出手段に
    よる温度検出位置を上記蓄冷容器の下流側の位置に設定
    したことを特徴とする液化天然ガス及びそのボイルオフ
    ガスの処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の液化天
    然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置において、上
    記ボイルオフガス用通路の終点とボイルオフガスの還流
    取り出し口との間に上記液化天然ガス用通路からボイル
    オフガス用通路への液化天然ガスの侵入を防ぐ逆流防止
    手段を設けたことを特徴とする液化天然ガス及びそのボ
    イルオフガスの処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載の液化天
    然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置において、上
    記還流量調節手段を予め設定された時間変化パターンに
    基づき装置起動時点からの経過時間に応じて作動させる
    第2の還流調節手段と、還流量調節モードを上記還流調
    節手段により還流量の調節が行われるモードと上記第2
    の還流調節手段により還流量の調節が行われるモードと
    に切換えるモード切換手段とを備えたことを特徴とする
    液化天然ガス及びそのボイルオフガスの処理装置。
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