JPH09257576A - 結像型分光器 - Google Patents

結像型分光器

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JPH09257576A
JPH09257576A JP8877696A JP8877696A JPH09257576A JP H09257576 A JPH09257576 A JP H09257576A JP 8877696 A JP8877696 A JP 8877696A JP 8877696 A JP8877696 A JP 8877696A JP H09257576 A JPH09257576 A JP H09257576A
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JP
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concave mirror
image
light
optical system
slit
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JP8877696A
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English (en)
Inventor
Kanji Fujiwara
幹治 藤原
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Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非点収差がなく、縦横の像の結像位置を一致
させることのできる結像型分光器を提供すること 【構成】 水平平面内に配置された第1,第2の凹面鏡
M1,M2並びに第1の回折格子G1からなる光学系1
0は、中間スリットS5の横方向の像が出射スリットS
6で結像し、縦方向の像がそれよりも距離dだけ後側で
結像する。この光学系の入射側前段に、収差補正用光学
系11を配置する。収差補正用光学系は、垂直平面内に
配置された第3,第4の凹面鏡M3,M4を備え、入射
スリットS3の横方向の像が中間スリットS5で結像
し、縦方向の像がそれよりも距離dだけ前側の位置K2
で結像する。よって、光学系10で発生する結像位置ず
れ分を、収差補正用光学系内で逆方向に結像位置ずれを
生じさせて相殺し、全体として非点収差がなく、入射ス
リットの縦横の像が、出射スリット上で結像される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折格子を備えた
モノクロメータ,ポリクロメータ等の結像型分光器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の回折格子を含む光学系として図6
に示すようなモノクロメータがある。すなわち、光源1
から出射された光は、スリットS1′を介して第1の凹
面鏡M1′に照射され、そこにおいて反射されて平行光
束となり第1の回折格子G1′に照射される。そして、
第1の回折格子G1′にて回折された光が第2の凹面鏡
M2′にてさらに反射されてスリットS2′で結像され
るようになっている。そして、それら各光学部品は、水
平平面上に配置している。また、そのスリットS2′の
出射側の所定位置に、CCD等の検出器を配置する。
【0003】ところで、各凹面鏡M1′,M2′に入射
される光は、その光軸から所定角度θだけ傾斜させた状
態となっているため、非点収差を生じ水平(横)方向の
光の焦点距離と垂直(縦)方向の光の焦点距離がずれて
しまい、スリット位置S2′で結像されずに像がぼけて
しまう。すると、正確な測定ができなくなる。そこで、
シリンドリカルレンズを用いたり、トロイダル鏡を用い
て非点収差を補正していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光学系(光学回路)では、以下に示す種々の問
題を有していた。すなわち、まずシリンドリカルレンズ
の場合には、係るレンズという別部材の光学素子を付加
するため、そのレンズを通過する際にエネルギーロスを
生じるとともに、その通過時に色収差の影響という新た
な問題を生じる。そして、レンズを追加することにより
部点数が増加し装置の大型化並びにコスト高を招く。さ
らに、各部品間の位置調整も煩雑となる。
【0005】また、トロイダル鏡を使用したポリクロメ
ータでは、光軸の回りの回転という光学調整作業が増
え、また、非点収差はとれるものの、光軸からはずれた
高さ方向の収差が増大するため、十分な効果が得られな
い。また係る光学素子が高価であり、装置全体のコスト
高を招くという問題も有する。
【0006】さらに、いずれの方式をとったとしても十
分な非点収差を除去できないので、通常は、各凹面鏡M
1′,M2′等の光学部品が、水平方向の焦点距離を基
準にその分解能を高めるように光学系が組まれる。する
と、たとえ点光源であっても、その光源から出射される
光は所定の幅を有し、またスリット幅も有限であるの
で、垂直平面状を進む光は焦点からずれてしまい、縦方
向での非点収差をもち、縦長に結像されてしまう。する
と、後段の検知器,ファイバー等に全光束を入射させる
ことが困難で光の利用率が低下するばかりでなく、係る
収差のために画質が著しく悪くなるため、出射された光
に所定の画像データが含まれるような場合に係る画像情
報を得ることができない。
【0007】さらに、ポリクロメータの検出器として2
次元CCD等の面検出器を使用すると、縦方向に延びた
光のすべてを受光することはできるものの、検出器面上
での像の混合(縦方向に延びた隣接する光同士が干渉を
生じる)が起こり、位置分解のよい信号を得ることが困
難となり、高感度測定ができなくなる。さらに、面受光
をすると、受光面が大きいので、宇宙線等のノイズが受
光される確率が高くなり、そうすると、光強度の弱い測
定対象の光が信号強度の強い宇宙線等のノイズにより正
確に検出することができなくなるおそれもある。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、非点収差を極力なくすことにより、水平,垂直方向
の光を共に集束させてほぼ同位置に結像させることので
き、光の有効利用並びに高精度な測定を行えるととも
に、測定対象波長・波数の変更にともない回折格子の回
転処理を容易かつ正確に行える結像型分光器を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る結像型分光器では、第1の凹面鏡
と、その第1の凹面鏡の反射光が照射される回折格子
と、その回折格子による回折光を受ける第2凹面鏡とを
備え、それら両凹面鏡と回折格子は同一平面上に配置さ
れてなる光学系の前段に、以下の条件,を備えた収
差補正用光学系を配置した。
【0010】前記両凹面鏡と回折格子が配置された前
記同一平面と異なる平面上に、少なくとも2つの凹面鏡
を適宜位置に配置する。
【0011】前記光学系で生じる縦横の結像位置ずれ
量と、収差補正用光学系で生じる縦横の結像ずれ量が逆
方向に発生し、全体として相殺されるようにする(請求
項1)。
【0012】光学系は、従来から一般に用いられる平面
配置のものである。したがって、その光学系単体で見る
と、縦横で結像位置ずれ(非点収差)が生じる。一方、
収差補正用光学系側は、の条件を具備させることによ
り、各凹面鏡の配置平面を光学系と異ならせているの
で、縦横の結像位置ずれが逆方向に発生する。さらに
の条件を具備すると、光学系で生じる位置ずれを予め収
差補正用光学系で逆方向に積極的に発生させるため、全
体としては縦横の結像位置は一致する。
【0013】なお、通常は光学系は水平配置されている
ため、収差補正用光学系は、水平と異なる平面になり、
好ましくは垂直平面に配置することである。
【0014】また、別の解決手段としては、請求項1に
記載の構造を有する第1の分光器部分(実施の形態では
第1の実施の形態に示すモノクロメータ部分に相当)
と、以下に示す要件を具備する第2の分光器部分(実施
の形態では、図5に示すモノクロメータ部分に相当)と
を、それぞれ少なくとも1つずつ用意(実施の形態で
は、第1の分光器部分を1個用い、第2の分光器部分を
2個用いている)し、それらを光学的に縦列接続した。
【0015】さらに、一方の凹面鏡の反射光が回折格子
に入射するとともに、その回折格子からの回折光が他方
の凹面鏡に入射するようにする。そして、各光学部品の
配置を、一方の凹面鏡の入射光と反射光の存在平面と前
記他方の凹面鏡の入射光と反射光の存在平面とを直交配
置し、前記一方の凹面鏡で発生する縦横の結像位置ずれ
量と、前記他方の凹面鏡で発生する縦横の結像ずれ量を
逆方向に発生させて相殺されるようにする(請求項
2)。
【0016】第1の分光器部分は、請求項1に示したよ
うに、非点収差が解消されている。また、第2の分光器
部分も、各凹面鏡で発生する縦横の結像位置ずれを逆向
きにしているので2つの凹面鏡を反射することにより、
第2の分光器部分全体では非点収差が解消される。した
がって、各分光器部分でそれぞれ非点収差が解消されて
いるので、それらを任意数縦列接続しても、得られる結
像型分光器全体でも非点収差が解消され、縦横の結像位
置が一致する。よって、入射スリットの像は、出射スリ
ット位置で縦・横方向に広がる(ぼける)ことなく結像
する。
【0017】そして、好ましくは、各分光器部分に実装
される回折格子を、同軸上に装着し、同時に回転可能と
することである(請求項3)。このようにすると、測定
対象の波数を変更するためにすべての回折格子を所定角
度回転させる処理が、その同軸を回転させるだけで行え
るので、簡単に行える。しかも、複数の回折格子を適宜
構成の動力伝達機構を用いて同期して回転させるのでは
ないので、各回折格子の回転角度を高精度に制御でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
を示しており、本例ではシングルモノクロメータに適用
した例を示している。同図に示すように、2つの凹面鏡
M1,M2及び回折格子G1からなる光学系10は従来
と同様であるが、本発明では、その前段に収差補正用光
学系11を設置している。
【0019】収差補正用光学系11は、垂直平面内に配
置された第3,第4の凹面鏡M3,M4を基本とし、そ
れら2つの凹面鏡M3,M4で反射させることにより、
縦方向の結像位置と横方向の結像位置を所定距離だけず
らすようにしている。具体的には、光源1から出射され
た光は、入射スリットS3を介して光学回路(分光器)
内の収差補正用光学系11を構成する第3の凹面鏡M3
に対し入射角がαで照射されるようにしている。そし
て、その第3の凹面鏡M3での反射光が、第4の凹面鏡
M4に入射角βで照射されるようになっている。
【0020】但し、装置内に効率よく収納するために、
第3の凹面鏡M3から第4の凹面鏡M4に至る光路上に
2つの平面鏡M5,M6を光路に対して所定角度傾斜さ
せて配置し、第3の凹面鏡M3からの反射光の光路が真
上に向くようにしている。さらに、平面鏡M6で斜め上
方に光路を変更し、上記したように第3の凹面鏡M3に
対して入射角βで照射させるようにしている。
【0021】さらに、本例では、両平面鏡M5,M6の
中間に中間スリットS4を配置し、第3の凹面鏡M3等
で反射されて広がった光束を絞りこむようにしている。
そして、この中間スリットS4の設置位置を、第3の凹
面鏡M3で反射された光の縦方向の結像位置に一致させ
ている。したがって、横方向の結像位置(K1)は、中
間スリットS4よりも上方にずれた位置となる。
【0022】さらに、第4の凹面鏡M4の反射光は、水
平平面上を進むように収差補正用光学系11の各光学部
品の配置レイアウト(設置位置及び角度・姿勢)を適宜
に設定している。そして、その第4の凹面鏡M4の反射
光の光路上に、中間スリットS5を配置している。この
中間スリットS5は、従来の装置の入射スリットに対応
するもので、光学系10の入射口となる。そして、その
中間スリットS5が、第4の凹面鏡M4の反射光の横方
向の結像位置にくるように設定する。これにより、縦方
向の結像位置K2は、図示するように中間スリットS5
の手前側の距離dだけ離れた位置になる。
【0023】光学系10は、従来のものと同様で、中間
スリットS3を介して光学系10内に侵入して来た第4
の凹面鏡M4の反射光の光路上に第1の凹面鏡M1を配
置する。この時、第1の凹面鏡M1に対する入射角がα
になるようにその角度が調整されている。そして、その
第1の凹面鏡M1での反射光が第1の回折格子G1に照
射されるようになっている。
【0024】この時、本例では第1の凹面鏡M1と第1
の回折格子G1との位置関係は、第1の凹面鏡M1への
入射光及び反射光が、共に水平平面内に位置するように
角度が調整され、さらに第1の回折格子G1における入
射光並びに回折された光も同一の水平平面内に位置する
ようにしている(同図(A)参照)。そして、中間スリ
ットS5が、第1の凹面鏡M1の横方向の焦点位置にな
るようにしている。これにより、中間スリットS5で一
旦結像(横方向)された像が、第1の凹面鏡M1で反射
されるとともに、平行光束にされて上記第1の回折格子
G1に照射される。
【0025】また、その第1の回折格子G1で反射され
た反射光の光路上に第2の凹面鏡M2を配置する。そし
て、その第2の凹面鏡M2における反射光の光路上に出
射スリットS6(マルチ検出器・CCDの受光面の中央
位置に相当する)を配置する。これら第1の回折格子G
1,第2の凹面鏡M2並びに出射スリットS6も、第1
の凹面鏡M1と同一の水平平面に位置しており、第2の
凹面鏡M2への入射角がβになるように各光学部品の配
置レイアウトを調整している。さらに、第2の凹面鏡M
2の反射光の横方向の結像位置に、出射スリットS6が
位置するようにしている。
【0026】係る構成にすると、この光学系10のみで
見ると、中間スリットS5の位置で横方向の像が結像し
ているので、横方向の像に着目すると、出射スリットS
6で結像する。そして、「発明が解決しようとする課
題」の欄でも記載したように、中間スリットS5の位置
に縦方向の像(縦像)が結像されているとすると、その
縦像が結像される距離は、横方向の像(横像)に比べて
所定距離だけ長くなるので、出射スリットS6の後側
(外側)に所定距離だけおいた位置に結像することな
る。そこで、出射スリットS6から係る仮想の結像位置
までの距離をdとすると、上記した収差補正用光学系1
1内での縦像の結像位置K2を、中間スリット5の手前
側の距離dになるようにしている。
【0027】つまり、本発明では、収差補正用光学系1
1では、凹面鏡を垂直平面内に配置することにより縦方
向と横方向の結像のずれの発生方向を光学系10と逆に
し、しかも、そのずれ量の絶対値を光学系10で発生す
る縦方向と横方向の結像位置のずれ量の絶対値と等しく
することにより相殺させ、入射スリットS3から入射さ
れる光を、出射スリットS6上で、縦横方向を共に結像
させるようにしている。
【0028】ところで、図1に示す収差補正用光学系1
1を等価的に置き換えると、平面鏡M5,M6は光路を
変更するだけであるので無視でき、図2に示すように記
載することができる。そして、図示するように、入射ス
リットS3(スリットS3の物点位置)から第3の凹面
鏡M3までの距離をr1とし、第3の凹面鏡M3から中
間スリットS4までの距離をr″とする。この距離r″
は、第3の凹面鏡M3からスリットS3の縦像(縦方向
の結像位置)までの距離となる。また、第3の凹面鏡M
3からスリットS3の横像(横方向の結像位置K1)ま
での距離はr1′とする。
【0029】そして、第3の凹面鏡M3による縦像(第
4の凹面鏡M4にとっては物点となる)から第4の凹面
鏡M4までの距離をr2P とし、同横像から第4の凹面
鏡M4までの距離をr2S とする。さらに、第4の凹面
鏡M4から中間スリットS5までの距離、すなわちスリ
ットS3の第4の凹面鏡M4における横像までの距離を
r2′とし、同様に第4の凹面鏡M4から、その第4の
凹面鏡M4で結像されるスリットS3の横像までの距離
をr2″とする。
【0030】一方、光学系10を等価的に置き換える
と、第1の凹面鏡M1から第2の凹面鏡M2までは第1
の回折格子G1により回折させながら向きが変えられる
ものの平行光束であるので、像の状態はそのまま保持さ
れ、図3に示すように現すことができる。ここでK3
は、第1の凹面鏡M1で結像される横方向の像点位置で
あり、またK4は同縦方向の像点位置である。
【0031】収差補正用光学系11で結像された入射ス
リットS3の縦像と横像がそれぞれ第1の凹面鏡M1に
対する物点となるので、係る横像(中間スリットS5)
から第1の凹面鏡M1までの距離をr3とし、縦像(K
2)から第1の凹面鏡M1までの距離をr3P とする。
すると、縦像(K2)と横像の位置は距離dだけはなれ
ているので、r3+d=r3P が成り立つ。
【0032】また、第1凹面鏡M1で結像される横像ま
での距離をr3′とし、縦像までの距離をr3″とす
る。そして、それら各像点位置K3,K4は、第2の凹
面鏡M2にとっては物点位置となり、各位置K3,K4
から第2の凹面鏡M2までの距離をそれぞれr4S ,r
P とする。さらに、第2の凹面鏡M2で結像される横
像及び縦像までの距離をそれぞれr4′,r4″とす
る。
【0033】さらにまた、第3,第4の凹面鏡M3,M
4の曲率半径をR1とし、第1,第2の凹面鏡M1,M
2の曲率半径をR2とする。さらに、第1の凹面鏡M1
から第2の凹面鏡M2までの光学的距離をDとする。
【0034】上記のように各距離をおくと、各凹面鏡の
物点と像点の関係式からスリットS3の横像について、
下記式が成り立つ。
【0035】
【数1】 同様に、スリットS3の縦像については、下記式が成り
立つ。
【0036】
【数2】 さらに、収差補正用光学系11で生じる縦像と横像のず
れ量dについては、下記式が成り立つ。
【0037】r2′−r2″=d …(11) r3+d=r3P …(12) 従って実際に設計する際には、上記各式にそれぞれの値
を代入し、最終的にr4″とr4′が近似的に等価にな
るように設定すると出射スリットS6上で縦像と横像が
それぞれ結象し、収差が補正されるようになる。
【0038】尚、上記した例では各光学系で入射側の凹
面鏡への入射角をαとし、出射側の凹面鏡への入射角を
βとして夫々等しくしたが、すべての角度を異ならせて
ももちろんよい。
【0039】図4は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。この形態では、3つの回折格子を備えたトリプ
ルモノクロメータに適用した例であり、上記した第1の
実施の形態に示した収差補正用光学系を備えたモノクロ
メータ部分と、図5に示すモノクロメータ部分を適宜組
み合わせたものである。まず、本実施の形態を説明する
前に、その一部を構成する図5のモノクロメータ部分の
構成を説明する。
【0040】図5に示すように、このモノクロメータ部
分も、基本的に使用する各光学部品は従来のものと同様
である。すなわち、スリットS7を介して入射された光
が、第5の凹面鏡M7に対し入射角がθで照射されるよ
うにしている。そして、その第5の凹面鏡M7での反射
光が第2の回折格子G2に照射されるようになってい
る。
【0041】この時、本例では第5の凹面鏡M7と第2
の回折格子G2との位置関係は、第5の凹面鏡M7への
入射光及び反射光が、共に水平平面内に位置するように
角度が調整され、さらに第2の回折格子G2における入
射光並びに回折された光も同一の水平平面内に位置する
ようにしている(同図(A)参照)。そして、スリット
S7は、第5の凹面鏡M7の横方向の焦点位置に配置さ
せている。これにより、スリットS7を介して第5の凹
面鏡M7に入射された光は、そこにおいて反射されると
ともに平行光束にされて上記第2の回折格子G2に照射
される。
【0042】また、その第2の回折格子G2で反射され
た反射光の光路上に第6の凹面鏡M8を配置する。そし
て、その第6の凹面鏡M8における反射光の光路上にス
リットS8を配置する。ここで本発明では、それら第6
の凹面鏡M8とスリットS8の配置レイアウトを従来の
ものと異ならせ、非点収差を補正するようにしている。
【0043】すなわち、第6の凹面鏡M8への入射光及
び反射光が、共に垂直平面内に位置するように角度が調
整している(同図(B)参照)。また、スリットS8
は、第6の凹面鏡M8の焦点位置に配置させている。な
お、この第6の凹面鏡M8における入射角及び反射角
は、共にθとしている。そして、上記したように第6の
凹面鏡M8は、スリットS7,第5の凹面鏡M7並びに
第2の回折格子G2と同一平面上に位置するため、結局
従来の光学系に比し、第6の凹面鏡M8の反射面をやや
上向きになるようにするとともに、スリットS8を上方
に位置させるようになる。
【0044】さらに、本例では、第5,第6の凹面鏡M
7,M8は同一の曲率半径Rのものを用いている。これ
により、第5の凹面鏡M7の横方向の焦点距離と第6の
凹面鏡M8の縦方向の焦点距離は同じ(fs)となり、
第5の凹面鏡M7の縦方向の焦点距離と第6の凹面鏡M
8の横方向の焦点距離は同じ(ft)となる。よって、
近似的に収差がなくなりスリットS7の縦像及び横像
は、スリット8の位置で結像する。
【0045】すなわち、スリット幅(横像)について
は、凹面鏡の曲率半径をRとし、物点(スリットS7)
から第5の凹面鏡M7までの距離をr1とし、第5の凹
面鏡M7から像点までの距離をr1′とすると、スリッ
トS7のスリット幅像の一次近似結像式は、
【0046】
【数3】 が成り立つ。
【0047】また、第6の凹面鏡M8におけるスリット
S7の横像の結像は、第5の凹面鏡M7によるスリット
幅の結像が回折格子G2上で行われるので、その回折格
子G2上で一旦結像された像が、スリットS8上でどの
様に結像されるかを考えればよい。さらに、第5の凹面
鏡M7における入射光・反射光の存在平面と第6の凹面
鏡M8における入射光・反射光の存在平面は直交してい
るため、第5の凹面鏡M7における垂直方向の光は第6
の凹面鏡M8では水平方向の光となり、また、第5の凹
面鏡M7における水平方向の光は第6の凹面鏡M8では
垂直方向の光となる。よって、スリット幅は、第6の凹
面鏡M8では、垂直方向の光となるので、物点から第6
の凹面鏡M8までの距離をr2S とし、第6の凹面鏡M
8から像点までの距離をr2′とすると、
【0048】
【数4】 が成り立つ。
【0049】そして、ツェルニターナ配置に対し、
【0050】
【数5】 となる。
【0051】一方、スリットS7の縦像の第5の凹面鏡
M7における結像式は、物点(スリットS7)から第5
の凹面鏡M7までの距離は上記と同様にr1で、第5の
凹面鏡M7から像点までの距離をr1″とすると、
【0052】
【数6】 が成り立つ。
【0053】また、縦像の物点から第6の凹面鏡M8ま
での距離をr2P とし、第6の凹面鏡M8から像点まで
の距離をr2″とすると、
【0054】
【数7】
【0055】
【数8】 そして、上記した式(13)と(14)を比較すると明
らかなように、r2′とr2″とが近似的に等価とな
り、スリットS8上で縦像及び横像がそれぞれ結像する
ことになり、収差が補正されることが確認できる。
【0056】そして、図4に示した第2の実施の形態で
は、図5に示したモノクロメータ部分を2段に配置し、
さらに第1の実施の形態のモノクロメータを1段設け、
トリプルモノクロメータを構成している。より具体的に
は、1本の回転軸15に対して、3つの回折格子G1,
G2,G2′を適宜の姿勢に適宜間隔で取り付ける。そ
して、入射スリットS7を介して入射される光が第5の
凹面鏡M7に照射され、その反射光が第2の回折格子G
2で反射されさらに第6の凹面鏡M8に照射されるよう
にしている。そして、この1段目のモノクロメータ部分
では、最初(回折格子の前)に水平平面内で光を反射さ
せ、回折格子で反射された光を垂直平面で反射されるよ
うしている。したがって、第6の凹面鏡M8での反射光
は、回折格子G2の上方所定位置を通過するようにな
る。
【0057】そして、その光を光路変換機構17でさら
に上方に向けて反射させるようしている。この光路変換
機構17は、少なくとも2枚の平面鏡とその中間に配置
されたスリットから構成され、第1の実施の形態におけ
る収差補正用光学系10内の第1,第2の平面鏡とその
間に配置される中間スリットをコンパクトに配置したも
のとほほ同様の構成を採ることができる。
【0058】そして、この光路変換機構17での入射光
と反射光も垂直平面内に位置するようにし、その反射光
が、2段目のモノクロメータ部分を構成する第8の凹面
鏡M8′に照射されるようになっている。さらに、その
第8の凹面鏡M8′での反射光が第3の回折格子G2′
に照射され、さらに第7の凹面鏡M7′で再度反射され
てスリットS3を介して第3の凹面鏡M3に照射される
ようにしている。
【0059】すなわち、図から明らかなように、2段目
のモノクロメータ部分では、1段目のそれとは逆に、最
初に垂直平面内で光を反射させ、第3の回折格子G2′
の後段側で水平平面内で光を反射させるようにしてい
る。このように、1段目と2段目を逆に配置することに
より、単純な光学系で、第2,第3の回折格子G2,G
2′を1本の回転軸15に取り付けることができるとと
もに、各凹面鏡を上下方向に整列配置することができる
ようになる。さらに、この2つのモノクロメータ部分全
体の縦方向と横方向のそれぞれの第1主要点と第2主要
点が一致することになるので、スリットS3の位置で
は、スリットS7の像がより高精度に収差が補正され、
縦像と横像とがほぼ一致するようになる。
【0060】そして、スリットS3の後段が、第1の実
施の形態で示したのと同様の構成を採り(同一部材に同
一符号を付し、詳細な説明を省略する)、最終的に第2
の凹面鏡M2で反射された光が、検出器18で受光され
る。
【0061】そして、スリットS3の位置では、収差が
なく、また、第1の実施の形態で詳述したように、第1
〜第4の凹面鏡を適宜位置に配置した光学系でも収差は
発生しない。よって、スリットS7の像が、広がる(ぼ
ける)ことなく縦像と横像が検出器18上で結像され
る。
【0062】したがって、ポリクロメータの検出器とし
て2次元CCD等の面検出器を使用しても、縦方向に延
びないので検出器面上での像の混合(縦方向に延びた隣
接する光同士が干渉を生じる)が起こることがなく、位
置分解のよい信号を得ることができ、高感度測定が可能
となる。また、このように縦方向の広がりがないので、
1次元配列の検出器で高精度な検出ができ、係る検出器
は、受光面が小さいので、宇宙線等のノイズが受光され
る確率が可及的に抑制される。
【0063】また、トリプルモノクロメータでは、3つ
の回折格子を同期させながら回転させる必要があり、従
来は複雑な連動機構を用いて各回折格子を所定角度回転
させるようしたが本形態では、1本の回転軸15に取り
付けているので、回転軸15を回転させるだけで3つの
回折格子を同時に所定角度ずつ回転させることができ、
連動機構も不要となる。よって、構成が簡潔になるとと
もに、高精度な制御ができる。
【0064】なお、上記した各実施の形態では、第1,
第3の凹面鏡M1,M3の入射角を共にαとし、第2,
第4の凹面鏡M2,M4の入射角を共にβとし、第5〜
第8の凹面鏡M7,M8,M7′M8′の入射角をθと
したが、実施の形態で同一入射角度にした凹面鏡の入射
角を異ならせてももちろんよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る結像型分光
器では、請求項1,請求項2のいずれの構成のもので
も、全体としては非点収差を解消でき、縦方向と横方向
の結像位置を一致させることができる。その結果、後段
の検知器,ファイバー等に全光束を入射させることがで
き、光の利用率が向上する。さらに、像がぼけないの
で、画質が高品質となり、出射された光に所定の画像デ
ータが含まれるような場合に係る画像情報を得ることが
できる。
【0066】さらに、ポリクロメータの検出器として2
次元CCD等の面検出器を使用した場合であっても、検
出器面上での像の混合が発生しないので、位置分解のよ
い信号を得ることができ、高感度測定が可能となる。ま
た、像の広がりがないので、像に応じて受光面を最小限
に設定できるため、宇宙線等のノイズが受光される確率
が可及的に抑制され、光強度の弱い測定対象の光が、光
り強度の強い宇宙線等のノイズにより消されてしまうこ
とがなく、確実に測定対象の光を検出することができ
る。
【0067】そして、請求項3のように構成すると、測
定波長・波数の変更にともない行う各回折格子の回転を
容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結像型分光器の第1の実施の形態
を示す図である。
【図2】動作原理を説明するための図である。
【図3】動作原理を説明するための図である。
【図4】本発明に係る結像型分光器の第2の実施の形態
を示す図である。
【図5】その一部の構成を示す図である。
【図6】従来のモノクロメータの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 光学系 11 収差補正用光学系 15 回転軸(同軸) G1,G2,G2′ 回折格子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の凹面鏡と、その第1の凹面鏡の反
    射光が照射される回折格子と、その回折格子による回折
    光を受ける第2凹面鏡とを備え、それら両凹面鏡と回折
    格子は同一平面上に配置されてなる光学系の前段に、以
    下の条件,を備えた収差補正用光学系を配置してな
    ることを特徴とする結像型分光器。 前記両凹面鏡と回折格子が配置された前記同一平面と
    異なる平面上に、少なくとも2つの凹面鏡を適宜位置に
    配置する。 前記光学系で生じる縦横の結像位置ずれ量と、収差補
    正用光学系で生じる縦横の結像ずれ量が逆方向に発生
    し、全体として相殺されるようにする。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の構造を有する第1の分
    光器部分と、 一方の凹面鏡の反射光が回折格子に入射するとともに、
    その回折格子からの回折光が他方の凹面鏡に入射するよ
    うにし、かつ前記一方の凹面鏡の入射光と反射光の存在
    平面と前記他方の凹面鏡の入射光と反射光の存在平面と
    を直交配置し、前記一方の凹面鏡で発生する縦横の結像
    位置ずれ量と、前記他方の凹面鏡で発生する縦横の結像
    ずれ量を逆方向に発生させて相殺されるようにした第2
    の分光器部分とを、それぞれ少なくとも1つ備え、 それら選択された各分光器部分を光学的に縦列接続した
    ことを特徴とする結像型分光器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の結像型分光器におい
    て、各分光器部分に実装される回折格子を同軸上に装着
    し、その回折格子を同時に回転可能としたことを特徴と
    する結像型分光器。
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