JPH09252527A - 超電導装置 - Google Patents

超電導装置

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JPH09252527A
JPH09252527A JP8057965A JP5796596A JPH09252527A JP H09252527 A JPH09252527 A JP H09252527A JP 8057965 A JP8057965 A JP 8057965A JP 5796596 A JP5796596 A JP 5796596A JP H09252527 A JPH09252527 A JP H09252527A
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Chikushi Hara
築志 原
Takeshi Okuma
武 大熊
Masahiko Nakade
雅彦 中出
Takashi Yazawa
孝 矢澤
Tsutomu Kurusu
努 来栖
Shiyunji Nomura
俊自 野村
和行 ▲鶴▼永
Kazuyuki Tsurunaga
Jun Matsuzaki
順 松崎
Kenji Tazaki
賢司 田崎
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電材製の容器内に無誘導巻接続された複数層
構成の超電導コイルを収容してなる超電導装置におい
て、定常時に容器の壁に生じる渦電流損失を効果的に減
少させる構成を提供する。 【解決手段】導電材製の容器31内に無誘導巻接続され
た複数層構成の超電導コイル32を収容してなる超電導
装置において、超電導コイル32を囲むように容器内に
配置された良導電材製の電磁シールド体43と、超電導
コイル32の内側に配置されて超電導コイル32の各層
で発生する交番磁場のバランスをとる導電材製のバラン
ス調整体44とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導装置に係
り、特に低温冷媒液を収容する導電材製の容器内に無誘
導巻構成の超電導コイルを収容してなる超電導装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、超電導線は、その線材固
有の臨界電流値を越える電流が流れようとすると、ほと
んど瞬時に常電導状態に転移(クエンチ)する。このよ
うに常電導状態に転移すると、今までの抵抗零の状態か
ら高抵抗状態へと切換わる。
【0003】このような超電導線特有の現象に着目し、
最近では電力系統で用いられる超電導限流器の開発が盛
んに行われている。超電導限流器には、無誘導巻構成の
超電導コイルを限流素子として直接使用する抵抗動作型
と、無誘導巻構成の超電導コイルをトリガコイルとして
用い、このトリガコイルと並列に設けられたリアクトル
等の限流素子に転流させて限流する転流動作型とがあ
る。いずれのタイプにおいても、定常状態においては電
力系統の電流を無誘導巻構成の超電導コイルに直接流す
方式が採用される。
【0004】無誘導巻構成の超電導コイルとしては、た
とえば2個のコイルを互いに発生磁場を打消すように直
列に接続した直列構成のものと、互いに発生磁場を打消
すように並列に接続した並列構成のものとがあるが、超
電導線に流す電流の密度を下げる意味から専ら並列構成
のものが用いられる。
【0005】図12には電力系統で用いられる抵抗動作
型の超電導限流器の代表的な例が示されている。なお、
実際に電力系統で用いられる場合には三相構成となる
が、この図では単相構成で示してある。
【0006】この超電導限流器の主要部は、断熱容器1
と、この断熱容器1内に収容された無誘導巻構成の超電
導コイル2と、この超電導コイル2と一緒に断熱容器1
内に収容されて超電導コイル2を浸漬冷却する液体ヘリ
ウムで代表される極低温冷媒液3と、この極低温冷媒液
3の蒸発ガスを再凝縮する極低温冷凍機4と、超電導コ
イル2の両端を電力系統に接続するための2本の電流リ
ード5とで構成されている。
【0007】断熱容器1は、超電導コイル2と極低温冷
媒液3とを収容する内槽11と、この内槽11を取囲む
ように配置された外槽12と、この外槽12と内槽11
との間に形成された真空断熱層13とで構成されてい
る。内槽11は、超電導コイル2がクエンチして限流動
作が行われたときのジュール熱で極低温冷媒液3が蒸発
して起こる内圧上昇に十分耐え得るように、通常、ステ
ンレス鋼で形成されている。
【0008】なお、図12に示す例では真空断熱層13
に熱シールド板14が配置してあり、この熱シールド板
14は極低温冷凍機4のたとえば中間冷却ステージ(5
0K程度)に熱的に接続されている。
【0009】超電導コイル2は、たとえば図13に示す
ように、巻枠15,16に臨界温度がたとえば10数
K、臨界電流値が電力系統の定格電流波高値のたとえば
2倍程度の超電導線17を互いに逆向きに巻回してなる
第1層コイル18と第2層コイル19とを直線状の中心
軸を共有するように同心円状に配置し、これら第1層コ
イル18と第2層コイル19とを超電導線20と真空導
入端子21,22とを使って並列に接続して無誘導化し
たものとなっている。
【0010】2本の電流リード5は、図12の例ではそ
れぞれ酸化物超電導リード23と銅リード24とを直列
に接続した構成となっている。そして、酸化物超電導リ
ード23と銅リード24との接続部分がそれぞれ補助冷
凍機25の50K程度の冷却ステージ26に電気絶縁状
態で、かつ熱的に接続されている。また、各銅リード2
4の一端側は、内槽11,熱シールド板14、外槽12
を気密に、かつ電気絶縁状態に貫通して電力系統に接続
されるようになっている。
【0011】このように構成された超電導限流器では、
超電導コイル2に電力系統の電流がそのまま流れる。超
電導コイル2は無誘導巻構成であるため、インダクタン
スがほぼ零であり、また抵抗値も零であるため負荷とし
て作用することはない。
【0012】電力系統に短絡事故などが発生して第1層
コイル18および第2層コイル19を構成している超電
導線17に臨界電流値を越える電流が流れようとする
と、第1層コイル18および第2層コイル19が瞬時に
クエンチし、この結果、第1層コイル18および第2層
コイル19が高抵抗体となって系統電流が増加するのを
抑える。このとき、内槽11内に大きなジュール熱が発
生するので、極低温冷媒液3が蒸発する。この蒸発分は
極低温冷凍機4によって徐々に再凝縮される。なお、限
流された系統電流は図示しない遮断器によって遮断され
る。
【0013】ところで、上記のように構成される超電導
限流器にあって、極低温冷凍機4の容量を抑えるために
は、定常時に内槽11内に侵入する熱負荷を十分に小さ
くすることが望まれる。侵入する熱負荷としては、超電
導コイル2の交流損失や、電流リード5を介して熱伝導
で外部から侵入する熱や、内槽11の壁における渦電流
損失などがある。
【0014】これらの熱負荷のうち、内槽11の壁で生
じる渦電流損失は次のような理由で発生する。すなわ
ち、限流素子である超電導コイル2を無誘導巻構成にし
ても、通常は僅かではあるが第1層コイル18で発生し
た磁束と第2層コイル19で発生した磁束とに差が生じ
る。一方、内槽11は、前述したように限流時における
内圧上昇時の耐力確保の点から導電材であるステンレス
鋼で形成される。このため、超電導コイル2から出た磁
束がステンレス鋼で形成された内槽11の壁と磁気的に
結合するとき、この壁に上述した差の磁束によって渦電
流損失を発生させる。この渦電流損失は無視できない大
きさである。
【0015】このような渦電流損失を減少させるため
に、内槽11を大きくし、内槽11の壁と超電導コイル
2との間の距離を十分に大きくすることが考えられる
が、このような構成を採用すると、極低温冷凍機4の容
量増加を招くばかりか、全体の大型化を招くことにな
る。
【0016】そこで、図13に示すように、超電導コイ
ル2を囲むように、銅やアルミニウムなどのような良導
電材で円筒状に形成された電磁シールド体27を配置
し、この電磁シールド体27に流れる渦電流で上述した
差の磁束を打消す向きの磁束を発生させ、これによって
内槽11の壁で生じる渦電流損失を減少させることが考
えられている。
【0017】しかしながら、このような対策を講じたも
のにあっても次のような問題があった。すなわち、超電
導コイル2を構成している第1層コイル18と第2層コ
イル19とは、電磁シールド体27に対してそれぞれ独
立して磁気的結合状態にある。その結合の強さは、距離
的に近い、つまり外側に位置している第2層コイル19
の方が第1層コイル18より強い。この結合の強さは、
第2層コイル19の見かけ上のインピーダンスを下げる
ように作用する。このため、第1層コイル18の電流値
よりも第2層コイル19の電流値が大きくなり、前述し
た差の磁束をさらに増加させる。この結果、今度は電磁
シールド体27での渦電流損失が増加し、条件によって
は電磁シールド体27を設けていないときに内槽11の
壁で発生する渦電流損失よりも電磁シールド体27での
渦電流損失の方が大きくなる場合もあった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、低温冷媒
液を収容する導電材製の容器内に、各層で発生する交番
磁場を相互間で打消すように無誘導巻接続された複数層
構成の超電導コイルを収容するとともに、容器の壁に生
じる渦電流損失を減少させるために超電導コイルを囲む
ように良導電材製の電磁シールド体を配置してなる従来
の超電導装置にあっては、電磁シールド体の存在によっ
て各層間のインダクタンスバランスが崩れ、これが原因
となって渦電流損失を効果的に減少させることができな
いという問題があった。
【0019】そこで本発明は、上述した不具合を解消で
き、導電材製の容器を用いたときに問題となる容器壁で
の渦電流損失を効果的に減少させることができ、もって
冷凍機容量の低減化に寄与できる超電導装置を提供する
ことを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る超電導装置では、冷温冷媒液
を収容する導電材製の容器と、同心円状の形態をなす複
数層構造に形成され、各層で発生する交番磁場を相互間
で打消すように接続されて前記容器内に収容された無誘
導巻構成の超電導コイルと、この超電導コイルを囲むよ
うに前記容器内に配置された良導電材製の電磁シールド
体と、前記超電導コイルの内側に配置されて上記超電導
コイルの各層で発生する交番磁場のバランスをとる導電
材製のバランス調整体とを備えている。
【0021】なお、前記バランス調整体は、超電導コイ
ルにおける巻枠の一部を兼ねていてもよい。上記目的を
達成するために、請求項3の発明に係る超電導装置で
は、冷温冷媒液を収容する導電材製の容器と、同心円状
の形態をなす複数層構造に形成され、各層で発生する交
番磁場を相互間で打消すように接続されて前記容器内に
収容された無誘導巻構成の超電導コイルと、この超電導
コイルを囲み、かつ前記容器の内面に近接配置された良
導電材製の電磁シールド体とを備えている。
【0022】上記目的を達成するために、請求項4の発
明に係る超電導装置では、冷温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、同軸的に配置された偶数のコイルブロック
で構成されるとともに各コイルブロックが同心円状の形
態をなす偶数層構造に形成され、各コイルブロックでは
各層で発生する交番磁場を相互間で打消すように、かつ
各コイルブロック間では軸を基準にして電流の流れる方
向条件が各コイルブロックを通して全て等しい偶数の電
流通路が形成されるように隣接するブロックの各層を接
続して前記容器内に収容された無誘導巻構成の超電導コ
イルと、この超電導コイルを囲むように前記容器内に配
置された良導電材製の電磁シールド体とを備えている。
【0023】上記目的を達成するために、請求項5の発
明に係る超電導装置では、冷温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、同心円状の形態をなす4層構造に形成さ
れ、最も内側に位置している1層目と最も外側に位置し
ている4層目とに周方向に同じ向きの交番電流を流すべ
く両層を直列に接続して第1回路を構成し、2層目と3
層目とに周方向に流れる交番電流の向きを上記第1回路
とは逆向きとすべく両層を直列に接続して第2回路を構
成し、上記第1回路と第2回路とを並列に接続するとと
もに1層目と2層目との間の断面積を3層目と4層目と
の間の断面積にほぼ等しく設定して前記容器内に収容さ
れた無誘導巻構成の超電導コイルと、この超電導コイル
を囲むように前記容器内に配置された良導電材製の電磁
シールド体とを備えている。
【0024】上記目的を達成するために、請求項6の発
明に係る超電導装置では、低温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、直線状の中心軸を共有する4層構造に形成
され、最も内側に位置している1層目と最も外側に位置
している4層目とに周方向に同じ向きの交番電流を流す
べく両層を直列に接続して第1回路を構成し、2層目と
3層目とに周方向に流れる交番電流の向きを上記第1回
路とは逆向きとすべく両層を直列に接続して第2回路を
構成し、上記第1回路と第2回路とを並列に接続すると
ともに1層目と2層目については各層の軸方向中央部が
最も小径となる形状に、3層目と4層目については各層
の軸方向中央部が最も大径となる形状に形成されて前記
容器内に収容された無誘導巻構成の超電導コイルと、こ
の超電導コイルを囲むように前記容器内に配置された良
導電材製の電磁シールド体とを備えている。
【0025】上記目的を達成するために、請求項7の発
明に係る超電導装置では、低温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、円環状の巻枠の外周に互いに逆向きにトロ
イダル状に巻回された2層構造に形成され、かつ2層を
並列に接続して前記容器内に収容された無誘導巻構成の
超電導コイルと、この超電導コイルを囲むように前記容
器内に配置された良導電材製の電磁シールド体とを備え
ている。
【0026】上記目的を達成するために、請求項8の発
明に係る超電導装置では、低温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、それぞれが同心円状の形態をなす複数層構
造に形成され、各層で発生する交番磁場を相互間で打消
すように接続されて前記容器内に同軸的に収容された無
誘導巻構成の3個の超電導コイルと、これら3個の超電
導コイルを一体に囲むように前記容器内に配置された良
導電材製の電磁シールド体とを備えている。
【0027】上記目的を達成するために、請求項9の発
明に係る超電導装置では、低温冷媒液を収容する導電材
製の容器と、それぞれが同心円状の形態をなす複数層構
造に形成され、各層で発生する交番磁場を相互間で打消
すように接続されて前記容器内に各軸を平行させ、かつ
正三角形の各頂点に各軸を位置させて収容された無誘導
巻構成の3個の超電導コイルと、これら3個の超電導コ
イルを一体に囲むように前記容器内に配置された良導電
材製の電磁シールド体とを備えている。
【0028】上記構成であると、超電導コイルを構成し
ている各層に流れる電流のバランスが電磁シールド体に
よって崩されるのを防止できたり、あるいは導電材製の
容器の壁を通る磁束そのものを少なくできる。この結
果、容器内および容器の壁で生じる渦電流損失を低減す
ることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1には本発明の第1の実施形態
に係る超電導装置、ここには本発明を抵抗動作型の超電
導限流器に適用した例の要部だけが示されている。実際
に電力系統で用いられる場合には三相構成となるが、こ
の図では単相分だけを取出し、しかも断熱容器の内槽に
収容される要素だけを示している。
【0030】図中、31は断熱容器内の内槽を示してい
る。この内槽31は前述したように、限流動作が行われ
たときのジュール熱で起こる内圧上昇に十分耐え得るよ
うにステンレス鋼で形成されている。
【0031】内槽31内には限流素子を構成する無誘導
巻の超電導コイル32と、この超電導コイル32を浸漬
冷却する液体ヘリウムで代表される極低温冷媒液33と
が収容されている。
【0032】超電導コイル32は、エポキシ樹脂をマト
リックスとしたガラス繊維強化プラスチックやアルミナ
繊維,ポリエチレン繊維あるいはこれらの混合繊維で強
化されたプラスチックで内半径rと外半径Rとの比が0.
98以下に形成され、外周面に巻線用の螺旋溝と冷却用の
流路溝とを備えた巻枠34,35に臨界温度がたとえば
10数K、臨界電流値が電力系統の定格電流波高値のた
とえば2倍程度の超電導線36を互いに逆向きに巻回し
てなる第1層コイル37と第2層コイル38とを中心軸
を共有するように同心円状に配置し、これら第1層コイ
ル37と第2層コイル38とを超電導線39,接続端子
40,真空導入端子41a,41bを使って並列に接続
して無誘導化したものとなっている。
【0033】真空導入端子41a,41bは、内槽31
の底壁を液密に、かつ絶縁状態に貫通して電力系統に接
続するための図示しない2本の電流リードに接続されて
いる。電流リードの構成や冷却構成については図12に
示される従来例と同様である。
【0034】超電導コイル32の外側には、銅、アルミ
ニウム、超電導材等の良導電材で筒状に形成された電磁
シールド体43が超電導コイル32を囲むように同心円
的に配置されている。また、超電導コイル32の内側に
は、同じく銅、アルミニウム、超電導材等の良導電材で
筒状に形成されたバランス調整体44が同心円的に配置
されている。このバランス調整体44は、後述するよう
に、電磁シールド体43の存在によって第1層コイル3
7に流れる電流と第2層コイル38に流れる電流とがア
ンバランスになるのを抑制する機能を発揮する。
【0035】なお、電磁シールド体43およびバランス
調整体44は、上述した材料の線材を閉ループ構成に巻
回したものであってもよい。このような構成であると、
電磁シールド体43の存在によって第1層コイル37に
流れる電流と第2層コイル38に流れる電流とがアンバ
ランスになるのをバランス調整体43で抑制でき、電磁
シールド体43に本来の渦電流損失抑制機能を発揮させ
ることができる。
【0036】すなわち、説明を簡単化するために、今、
バランス調整体44を考慮にいれず、超電導コイル32
と、電磁シールド体43とを電気回路にモデル化して考
える。第1層コイル37に流れる電流I1 、第2層コイ
ル38に流れる電流I2 、電磁シールド体43に流れる
電流I3 は、以下の方程式の解として与えられる。
【0037】
【数1】
【0038】なお、(1) 〜(3) 式において、Vは超電導
コイル32の両端電圧、L1 は第1層コイル37の自己
インダクタンス、L2 は第2層コイル38の自己インダ
クタンス、L3 は電磁シールド体43の自己インダクタ
ンス、R3 は電磁シールド体43の抵抗、M12は第1層
コイル37と第2層コイル38との間の相互インダクタ
ンス、M13は第1層コイル37と電磁シールド体43と
の間の相互インダクタンス、M21は第2層コイル38と
第1層コイル37との間の相互インダクタンス、M23
第2層コイル38と電磁シールド体43との間の相互イ
ンダクタンス、M31は電磁シールド体43と第1層コイ
ル37との間の相互インダクタンス、M32は電磁シール
ド体43と第2層コイル38との間の相互インダクタン
スである。
【0039】第2層コイル38は、構造的に第1層コイ
ル37に比べて電磁シールド体43に近いので、電磁シ
ールド体43に対する相互誘導が大きい。すなわち、M
23が大きいので、電磁シールド体43の存在は、第2層
コイル38の誘導電圧を低下させるように作用する。こ
の結果、第2層コイル38に流れる電流I2 が第1層コ
イル37に流れる電流I1 に比べて大きくなり、第1層
コイル37で発生する磁束と第2層コイル38で発生す
る磁束との差が大きくなる。このために電磁シールド体
43での渦電流損失を増加させる。
【0040】しかし、図1に示すように、超電導コイル
32の内側にバランス調整体44を設けると、第1層コ
イル37は第2層コイル38に比べて構造的にバランス
調整体44に近い状態となる。このため、第1層コイル
37は第2層コイル38に比べてバランス調整体44に
対する相互誘導が大きい。今、第1層コイル37とバラ
ンス調整体44との間の相互インダクタンスをM14
し、バランス調整体44に流れる電流をI4 とすると、
第1層コイル37の両端電圧Vは、(1) 式に、
【0041】
【数2】 を加えた値となる。
【0042】すなわち、バランス調整体44は、第1層
コイル37の誘導電圧を低下させるように作用する。こ
の結果、第1層コイル37の電流が増加する。したがっ
て、バランス調整体44を設けることによって、電磁シ
ールド体43の存在によって起こる第2層コイル38の
電流増加分に見合う分だけ第1層コイル37の電流を増
加させることができ、第1層コイル37に流れる電流と
第2層コイル38に流れる電流とをバランスさせること
ができるので、バランスの崩れによって起こる電磁シー
ルド体43での渦電流損失の増加を抑制することができ
る。すなわち、上記構成によって電磁シールド体43で
の渦電流損失を抑制した状態で、なおかつ内槽31の壁
で生じる渦電流損失を抑制することができる。
【0043】なお、上記例においては、電磁シールド体
43を超電導コイル32の外周だけに設けているが、軸
方向両側にも設けてもよい。また、上記例のように、巻
枠34,35の内半径rと外半径Rとの比を0.98以下に
設定しておくと、限流動作後に超電導線36を再び超電
導転移させて系統電流を再通電させたときに起こり易い
クエンチの発生を防止することができる。
【0044】すなわち、電力系統に短絡事故が発生する
と、超電導コイル32がクエンチし、高抵抗化して限流
動作が行われるが、このときのジュール熱で極低温冷媒
液33である液体ヘリウムが蒸発して巻枠の周辺に高圧
ガス領域が発生する。このときの圧力は 5〜10kg/ cm2
にも達する。このため、巻枠34,35の肉厚が薄い場
合には巻枠が弾性変形する。
【0045】このような弾性変形が起こると、超電導線
36が機械的に安定した位置からずれ易く、限流動作後
に超電導線36を再び超電導転移させて系統電流を再通
電すると、電磁力で超電導線36が次の安定位置へと動
き易い。巻線が僅かでも動くと、それに伴って摩擦熱が
発生する。一般に液体ヘリウムのような極低温下では物
質の比熱が極めて小さいので、僅かな摩擦熱でも超電導
線36を常電導転移させる温度まで上昇させてしまう。
このため、限流動作後の再通電が困難になる虞がある。
【0046】巻枠34,35の内半径rと外半径Rとの
比を0.98以下に設定しておくと、巻枠の周辺に上述した
レベルの高圧ガス領域が発生しても、巻枠の弾性変形を
抑制できるので、限流動作後の再通電時に起こるクエン
チ発生を抑制でき、装置としての安定性を向上させるこ
とができる。
【0047】図3にはガラス繊維強化プラスチックを素
材とし、外径250mm 、軸方向長さ400mm 、内径0 〜247m
m で、外面にそれぞれ巻線用の螺旋溝と冷却用の流路溝
を備えた11種類の巻枠に線径2.5mm の超電導線を一定
の張力でソレノイド状に巻回してなる11個の超電導コ
イルについて、液体ヘリウム中に浸漬してクエンチ電流
Iq およびクエンチ時に巻枠に生じた歪み量を測定した
結果が示されている。
【0048】この図から判るように、巻枠の内径と外径
との比に依存して歪み量が変化し、またクエンチ電流I
q も変化している。たとえば、内径と外径との比が0.99
の場合には約1800Aでクエンチしたのに対して、内径と
外径との比が 0、つまり中実の巻枠を用いた場合にはク
エンチを起こさずに2500Aまで通電することができる。
このことからも、巻枠の内径と外径との比をできるだけ
小さくすることが有効である。
【0049】なお、巻枠の機械的強度を大きくする手段
として、図2に示すように、巻枠の内側部分45を銅や
アルミニウムなどの良導電材やステンレス鋼などの金属
材で形成し、外側部分46をガラス繊維強化プラスチッ
クで形成した複合構成の巻枠47としてもよい。この場
合、金属材で形成された内側部分45を図1に示したバ
ランス調整体44に兼用させるようにしてもよい。
【0050】図4には本発明の第2の実施形態に係る超
電導装置、ここにも本発明を抵抗動作型の超電導限流器
に適用した例の要部だけが示されている。この図では図
1と同一機能部分が同一符号で示してある。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0051】この例では、バランス調整体を設ける代り
に、電磁シールド体43を超電導コイル32からでき得
る限り遠ざけ、内槽31の内面に十分に近接して配置し
ている。
【0052】このような構成であると、第1層コイル3
7および第2層コイル38と電磁シールド体43との間
の相互誘導を小さくでき、しかも両者の差を小さくでき
るので、電磁シールド体43の存在によって第1層コイ
ル37に流れる電流と第2層コイル38に流れる電流と
がアンバランスになるのを防止できる。このため、バラ
ンスの崩れによって起こる電磁シールド体43での渦電
流損失の増加を抑制することができる。
【0053】図5には超電導コイル32と電磁シールド
体43との間の距離と第1層,第2層コイル37,38
に流れる電流との関係を調べた実測例が示されている。
これは、第1層コイル37が直径220 mmで38ターン、第
2層コイル38が直径240mmで38ターンの超電導コイル
32を用い、電磁シールド体43として銅の円筒を用い
た場合の例である。
【0054】この図5から判るように、電磁シールド体
43の内径が265mm 程度では各層コイルの電流アンバラ
ンスが大きいが、内径が360mm 程度の電磁シールド体4
3を用いると、各層コイルの電流をバランスさせること
ができる。そして、内径が400mm 以上の電磁シールド体
43を用いることによって、各層コイルの電流を自己イ
ンダクタンスと相互インダクタンスとによって決まる値
に落ち着かせることができる。
【0055】なお、図4に示す例においては、電磁シー
ルド体43を超電導コイル32の外周だけに設けている
が、軸方向両側にも設けてもよい。図6には本発明の第
3の実施形態に係る超電導装置、ここにも本発明を抵抗
動作型の超電導限流器に適用した例の要部だけが示され
ている。この図では図1と同一機能部分が同一符号で示
してある。したがって、重複する部分の詳しい説明は省
略する。
【0056】この例では、直線状の軸を中心にして同心
円状に配置された第1層コイル51および第2層コイル
52からなるコイルブロック53と、同じく直線状の軸
を中心にして同心円状に配置された第1層コイル54お
よび第2層コイル55からなるコイルブロック56とを
同軸的に配置している。
【0057】ここで、コイルブロック53における第1
層コイル51とコイルブロック56における第2層コイ
ル55とは同一方向に巻線されており、コイルブロック
53における第2層コイル52とコイルブロック56に
おける第1層コイル54とは上記とは逆方向に巻線され
ている。
【0058】そして、コイルブロック53における第1
層コイル51とコイルブロック56における第2層コイ
ル55とを直列に接続して第1回路57を構成し、また
コイルブロック53における第2層コイル52とコイル
ブロック56における第1層コイル54とを直列に接続
して第2回路58を構成し、これら第1回路57と第2
回路58とを並列に接続して無誘導構成の超電導コイル
59を構成している。
【0059】この例の場合、超電導コイル59の外側
に、これと同心円的に筒状の電磁シールド体43が配置
されており、超電導コイル59の内側にはなにも配置さ
れていない。
【0060】このような構成であると、第1回路57と
第2回路58との電磁シールド体43に対する配置条件
を等しくできるので、第1回路57と第2回路58との
電磁シールド体43に対する相互誘導効果を等しくでき
る。したがって、第1回路57に流れる電流と第2回路
58に流れる電流とを等しくできるので、電磁シールド
体43で生じる渦電流損失を抑制した状態で、かつ内槽
31の壁で生じる渦電流損失を抑制することができる。
【0061】なお、図6では各コイルブロックを同心円
状の形態をなす2層構造に形成し、かつ2つのコイルブ
ロックを同軸的に配置しているが、各コイルブロックを
同心円状の形態をなす2層以上の偶数層構造に形成し、
2個以上の偶数個のコイルブロックを同軸的に配置し、
各コイルブロックでは各層で発生する交番磁場を相互間
で打消すように、かつ各コイルブロック間では軸を基準
にして電流の流れる方向条件が各コイルブロックを通し
て全て等しい偶数の電流通路が形成されるように隣接す
るブロックの各層を接続して無誘導巻の超電導コイルを
構成するようにしてもよい。
【0062】また、図6に示す例においては、電磁シー
ルド体43を超電導コイル39の外周だけに設けている
が、軸方向両側にも設けてもよい。図7には本発明の第
4の実施形態に係る超電導装置、ここにも本発明を抵抗
動作型の超電導限流器に適用した例の要部だけが示され
ている。この図では図1と同一機能部分が同一符号で示
してある。したがって、重複する部分の詳しい説明は省
略する。
【0063】この例では、第1層コイル〜第4層コイル
61,62,63,64を同心円状の形態に配置してい
る。ここで、第1層コイル61と第4層コイル64とは
同じ方向に巻線してあり、第2層コイル62と第3層コ
イル63とは上記とは逆方向に巻線してある。
【0064】そして、第1層コイル61と第4層コイル
64とを直列に接続して第1回路65を構成し、第2層
コイル62と第3層コイル63とを直列に接続して第2
回路66を構成し、これら第1回路65と第2回路66
とを並列に接続して無誘導構成の超電導コイル67を構
成している。
【0065】また、この例では、第1層コイル61と第
2層コイル62との間の断面積と第3層コイル63と第
4層コイル64との間の断面積を等しくしている。この
ような構成であると、第1層コイル61と第2層コイル
62との間から湧き出した磁束を図中太実線68で示す
ように第3層コイル63と第4層コイル64との間に吸
込ませることができる。したがって、内槽31の壁に到
達しようとする磁束の量そのものを大幅に少なくでき
る。このため、電磁シールド体43で生じる渦電流損失
を抑制した状態で、かつ内槽31の壁で生じる渦電流損
失を抑制することができる。
【0066】なお、図7に示す例においては、電磁シー
ルド体43を超電導コイル67の外周だけに設けている
が、軸方向両側にも設けてもよい。図8には本発明の第
5の実施形態に係る超電導装置、ここにも本発明を抵抗
動作型の超電導限流器に適用した例の要部だけが示され
ている。この図では超電導コイル70だけが示されてい
る。そして、図1と同一機能部分が同一符号で示されて
いる。
【0067】この超電導コイル70は、同心円状の形態
に配置された第1層コイル〜第4層コイル71,72,
73,74で構成されている。ここで、第1層コイル7
1と第4層コイル74とは同じ方向に巻線してあり、第
2層コイル72と第3層コイル73とは上記とは逆方向
に巻線してある。
【0068】そして、第1層コイル71と第4層コイル
74とを直列に接続して第1回路75を構成し、第2層
コイル72と第3層コイル73とを直列に接続して第2
回路76を構成し、これら第1回路75と第2回路76
とを並列に接続して無誘導構成の超電導コイル70を構
成している。
【0069】また、この例において特徴的な点は、第1
層コイル71および第2層コイル72の巻枠77,78
は、軸方向の両端部が大径で中央部が小径となる鼓状に
形成されている。また、第3層コイル73および第4層
コイル74の巻枠79,80は、軸方向の両端部が巻枠
77,78の両端部にほぼ対向するように小径で中央部
が大径となる太鼓状に形成されている。
【0070】また、この例においても、超電導コイル7
0を囲むように図示しない電磁シールド体が配置されて
いる。このような構成であると、第2回路76で発生し
た磁束は、図中太実線81で示すように、円状に近い経
路を通る。同様に、第1回路75で発生した磁束も円状
に近い経路を通る。したがって、内槽の壁に到達しよう
とする磁束の量そのものを大幅に少なくできる。このた
め、電磁シールド体で生じる渦電流損失を抑制した状態
で、かつ内槽の壁で生じる渦電流損失を抑制することが
できる。
【0071】図9(a) (b) には本発明の第6の実施形態
に係る超電導装置、ここにも本発明を抵抗動作型の超電
導限流器に適用した例の要部だけが示されている。この
図では超電導コイル90だけが示されている。そして、
図1と同一機能部分が同一符号で示されている。
【0072】超電導コイル90は、円環状の巻枠91の
外周に超電導線36を互いに逆向きにトロイダル状に巻
回した2層構造とし、内層コイル92と外層コイル93
とを並列に接続して無誘導巻にしている。
【0073】なお、この例においても、超電導コイル9
0を囲むように図示しない電磁シールド体が配置されて
いる。このような構成であると、内層コイル92および
外層コイル93で発生した磁束のほとんどを巻枠91を
中心とする環状通路に通すことができる。したがって、
内槽の壁に到達しようとする磁束の量そのものを大幅に
少なくできる。このため、電磁シールド体で生じる渦電
流損失を抑制した状態で、かつ内槽の壁で生じる渦電流
損失を抑制することができる。
【0074】図10には本発明の第7の実施形態に係る
超電導装置、ここにも本発明を抵抗動作型の超電導限流
器に適用した例の要部だけが示されている。この図には
三相系統に対応させたコイル配置が示されている。ま
た、この図では図1と同一機能部分が同一符号で示され
ている。
【0075】U相超電導コイル100、V相超電導コイ
ル101およびW相超電導コイル102は、それぞれ超
電導線36を互いに逆向きに巻回してなる第1層コイル
37と第2層コイル38とを中心軸を共有するように同
心円状に配置し、これら第1層コイル37と第2層コイ
ル38とを並列に接続して無誘導化したものとなってい
る。
【0076】この例においては、U相超電導コイル10
0、V相超電導コイル101およびW相超電導コイル1
02が直線状の中心軸上に同軸配置されている。そし
て、各超電導コイルの両端は、超電導線39,接続端子
40,真空導入端子41a,41bを使って並列に接続
して無誘導化されるとともに内槽31外に導かれてい
る。
【0077】また、この例では、同軸的配置されたU相
超電導コイル100、V相超電導コイル101およびW
相超電導コイル102の回りおよび軸方向端部を覆うよ
うに良導電材で形成された電磁シールド体103が配置
されている。
【0078】U相超電導コイル100、V相超電導コイ
ル101およびW相超電導コイル102に流れる電流の
位相が120 ゜ずつずれているので、この例のように各相
の超電導コイルを同軸的に配置しておくと、発生磁束を
重ね合わせキャンセルすることができる。したがって、
渦電流損失を起こす磁束の量そのものを大幅に少なくで
きる。このため、電磁シールド体103で生じる渦電流
損失を抑制した状態で、かつ内槽31の壁で生じる渦電
流損失を抑制することができる。
【0079】図11(a) 、(b) には、本発明の第8の実
施形態に係る超電導装置、ここにも本発明を抵抗動作型
の超電導限流器に適用した例の要部だけが示されてい
る。この図には三相系統に対応させたコイル配置が示さ
れている。また、この図では図1および図9と同一機能
部分が同一符号で示されている。
【0080】U相超電導コイル100、V相超電導コイ
ル101およびW相超電導コイル102は、それぞれ超
電導線36を互いに逆向きに巻回してなる第1層コイル
37と第2層コイル38とを中心軸を共有するように同
心円状に配置し、これら第1層コイル37と第2層コイ
ル38とを並列に接続して無誘導化したものとなってい
る。
【0081】この例においては、U相超電導コイル10
0、V相超電導コイル101およびW相超電導コイル1
02は、各中心軸を互いに平行させ、かつ図11(b) に
示すように各中心軸が正三角形の頂点に位置するように
配置されている。そして、各超電導コイルの両端は、超
電導線39,接続端子40,真空導入端子41a,41
bを使って並列に接続して無誘導化されるとともに内槽
31外に導かれている。
【0082】また、この例では、U相超電導コイル10
0、V相超電導コイル101およびW相超電導コイル1
02が配置されている回りおよび軸方向端部を覆うよう
に良導電材で形成された電磁シールド体104が配置さ
れている。
【0083】U相超電導コイル100、V相超電導コイ
ル101およびW相超電導コイル102に流れる電流の
位相が120 ゜ずつずれているので、この例のように各相
の超電導コイルを同一平面上に120 ゜ずつ空間位相をず
らして配置しておくと、発生磁束を重ね合わせキャンセ
ルすることができる。したがって、渦電流損失を起こす
磁束の量そのものを大幅に少なくできる。このため、電
磁シールド体104で生じる渦電流損失を抑制した状態
で、かつ内槽31の壁で生じる渦電流損失を抑制するこ
とができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低温冷媒液を収容する導電材製の容器内に、各層で発生
する交番磁場を相互間で打消すように無誘導巻接続され
た複数層構成の超電導コイルを収容するとともに、容器
の壁に生じる渦電流損失を減少させるために超電導コイ
ルを囲むように良導電材製の電磁シールド体を配置した
とき、電磁シールド体の存在によって各層間のインダク
タンスバランスが崩れ、これが原因となって渦電流損失
が増加するのを効果的に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超電導装置にお
ける要部の概略縦断面図
【図2】巻枠の一形態を示す斜視図
【図3】巻枠の肉厚とクエンチ電流との関係を実測した
結果を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る超電導装置にお
ける要部の概略縦断面図
【図5】超電導コイルと電磁シールド体との間の距離と
各層の電流との関係を実測した結果を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る超電導装置にお
ける要部の概略縦断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る超電導装置にお
ける要部の概略縦断面図
【図8】本発明の第5の実施形態に係る超電導装置にお
ける要部の概略縦断面図
【図9】(a) は本発明の第6の実施形態に係る超電導装
置における要部の概略平面図で、(b) は(a) におけるA
−A線切断矢視図
【図10】本発明の第7の実施形態に係る超電導装置に
おける要部の概略縦断面図
【図11】(a) は本発明の第7の実施形態に係る超電導
装置における要部の概略縦断面図で、(b) は(a) におけ
るB−B切断矢視図
【図12】超電導装置の応用例の1つである超電導限流
器の概略縦断面図
【図13】同超電導限流器において定常時における渦電
流損失を低減するための従来の手段を説明するための図
【符号の説明】
31…内槽 32,59,67,70,90…超電導コイル 33…極低温冷媒液 34,35,47,77,78,79,80,91…巻
枠 36…超電導線 37,51,54,61,71…第1層コイル 38,52,55,62,72…第2層コイル 39…超電導線 40…端子 41a,41b…真空導入端子 43,103…電磁シールド体 44…バランス調整体 57,65,75…第1回路 58,66,76…第2回路 100…U相超電導コイル 101…V相超電導コイル 102…W相超電導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中出 雅彦 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 矢澤 孝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 来栖 努 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 野村 俊自 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 ▲鶴▼永 和行 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 松崎 順 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 田崎 賢司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    同心円状の形態をなす複数層構造に形成され、各層で発
    生する交番磁場を相互間で打消すように接続されて前記
    容器内に収容された無誘導巻構成の超電導コイルと、こ
    の超電導コイルを囲むように前記容器内に配置された良
    導電材製の電磁シールド体と、前記超電導コイルの内側
    に配置されて上記超電導コイルの各層で発生する交番磁
    場のバランスをとる導電材製のバランス調整体とを具備
    してなることを特徴とする超電導装置。
  2. 【請求項2】前記バランス調整体は、前記超電導コイル
    における巻枠の一部を兼ねていることを特徴とする請求
    項1に記載の超電導装置。
  3. 【請求項3】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    同心円状の形態をなす複数層構造に形成され、各層で発
    生する交番磁場を相互間で打消すように接続されて前記
    容器内に収容された無誘導巻構成の超電導コイルと、こ
    の超電導コイルを囲み、かつ前記容器の内面に近接配置
    された良導電材製の電磁シールド体とを具備してなるこ
    とを特徴とする超電導装置。
  4. 【請求項4】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    同軸的に配置された偶数のコイルブロックで構成される
    とともに各コイルブロックが同心円状の形態をなす偶数
    層構造に形成され、各コイルブロックでは各層で発生す
    る交番磁場を相互間で打消すように、かつ各コイルブロ
    ック間では軸を基準にして電流の流れる方向条件が各コ
    イルブロックを通して全て等しい偶数の電流通路が形成
    されるように隣接するブロックの各層を接続して前記容
    器内に収容された無誘導巻構成の超電導コイルと、この
    超電導コイルを囲むように前記容器内に配置された良導
    電材製の電磁シールド体とを具備してなることを特徴と
    する超電導装置。
  5. 【請求項5】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    同心円状の形態をなす4層構造に形成され、最も内側に
    位置している1層目と最も外側に位置している4層目と
    に周方向に同じ向きの交番電流を流すべく両層を直列に
    接続して第1回路を構成し、2層目と3層目とに周方向
    に流れる交番電流の向きを上記第1回路とは逆向きとす
    べく両層を直列に接続して第2回路を構成し、上記第1
    回路と第2回路とを並列に接続するとともに1層目と2
    層目との間の断面積を3層目と4層目との間の断面積に
    ほぼ等しく設定して前記容器内に収容された無誘導巻構
    成の超電導コイルと、この超電導コイルを囲むように前
    記容器内に配置された良導電材製の電磁シールド体とを
    具備してなることを特徴とする超電導装置。
  6. 【請求項6】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    直線状の中心軸を共有する4層構造に形成され、最も内
    側に位置している1層目と最も外側に位置している4層
    目とに周方向に同じ向きの交番電流を流すべく両層を直
    列に接続して第1回路を構成し、2層目と3層目とに周
    方向に流れる交番電流の向きを上記第1回路とは逆向き
    とすべく両層を直列に接続して第2回路を構成し、上記
    第1回路と第2回路とを並列に接続するとともに1層目
    と2層目については各層の軸方向中央部が最も小径とな
    る形状に、3層目と4層目については各層の軸方向中央
    部が最も大径となる形状に形成されて前記容器内に収容
    された無誘導巻構成の超電導コイルと、この超電導コイ
    ルを囲むように前記容器内に配置された良導電材製の電
    磁シールド体とを具備してなることを特徴とする超電導
    装置。
  7. 【請求項7】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    円環状の巻枠の外周に互いに逆向きにトロイダル状に巻
    回された2層構造に形成され、かつ2層を並列に接続し
    て前記容器内に収容された無誘導巻構成の超電導コイル
    と、この超電導コイルを囲むように配置された良導電材
    製の電磁シールド体とを具備してなることを特徴とする
    超電導装置。
  8. 【請求項8】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    それぞれが同心円状の形態をなす複数層構造に形成さ
    れ、各層で発生する交番磁場を相互間で打消すように接
    続されて前記容器内に同軸的に収容された無誘導巻構成
    の3個の超電導コイルと、これら3個の超電導コイルを
    一体に囲むように前記容器内に配置された良導電材製の
    電磁シールド体とを具備してなることを特徴とする超電
    導装置。
  9. 【請求項9】低温冷媒液を収容する導電材製の容器と、
    それぞれが同心円状の形態をなす複数層構造に形成さ
    れ、各層で発生する交番磁場を相互間で打消すように接
    続されて前記容器内に各軸を平行させ、かつ正三角形の
    各頂点に各軸を位置させて収容された無誘導巻構成の3
    個の超電導コイルと、これら3個の超電導コイルを一体
    に囲むように前記容器内に配置された良導電材製の電磁
    シールド体とを具備してなることを特徴とする超電導装
    置。
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