JPH09251302A - ネットワーク資源分配方法および装置 - Google Patents

ネットワーク資源分配方法および装置

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JPH09251302A
JPH09251302A JP6140396A JP6140396A JPH09251302A JP H09251302 A JPH09251302 A JP H09251302A JP 6140396 A JP6140396 A JP 6140396A JP 6140396 A JP6140396 A JP 6140396A JP H09251302 A JPH09251302 A JP H09251302A
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JP6140396A
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English (en)
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Masaya Teraoka
岡 正 也 寺
Katsuya Mimuro
室 克 哉 三
Takeshi Terasaki
崎 健 寺
Takashi Kaku
▲昂▼ 郭
Tsuyoshi Minami
剛 志 南
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Japan Science and Technology Agency
Nomura Research Institute Ltd
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
Nomura Research Institute Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タスクの状態が変動する条件下で、新たなタ
スクの要求に対して最適なネットワーク資源を分配する
ネットワーク資源分配方法および装置を提供する。 【解決手段】 ネットワークの使用状態と、新たなタス
ク要求の発生を検知するするタスク管理手段1と、前記
新たなタスク要求の起点ノードと終点ノードとを有する
経路候補を集団サイズの数だけ生成する経路生成手段2
と、共通のノードを有する経路候補を一対ずつカップリ
ングさせ、経路候補に適応度がすでに与えられている場
合は、確率的に適応度が高い経路候補同士をカップリン
グさせ、経路の組み換えを行う経路組換手段3と、組み
換えられた新しい経路候補について、タスク管理手段1
からネットワーク使用状況を入力して各経路候補の適応
度を評価する評価選択手段4と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信ネットワークや交
通網などの複数のノードとリンクからなるネットワーク
に対して、ネットワーク上の所定のノードを起点とし、
他の所定のノードを終点として所定流量の情報や物流等
を流通させる要求のタスクが発生した場合に、当該タス
クにネットワーク資源の使用効率が最も良いルート(ネ
ットワーク資源)を割り当てるネットワーク資源分配方
法および装置に係り、特に遺伝的アルゴリズムの手法に
より、時々刻々に発生あるいは消滅するタスクに対して
一定の条件を満たすようにネットワーク資源を分配する
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に所定の交通網に、所定数の車両を
走らせ、所定の物資を所定の地点に効率よく運ぶ要求が
ある。また、通信ネットワークにおいても、所定の情報
を所定の交信先に効率よく送る要求がある。
【0003】しかし、上記いずれの場合も、その交通網
や通信ネットワークの容量、すなわち、交通網における
道路等の通行可能な量、あるいは通信ネットワークにお
ける通信回線の容量を超えない範囲で、それらの経路が
最短となるように決定をしなければならない。
【0004】これら交通網や通信ネットワークは、空間
に配置された多数の点(以下本明細書ではノードとい
う)と、これらノードを結ぶ多数のリンクとからなるネ
ットワークとしてモデル化することができる。ノードは
交通網や通信ネットワークにおける起点、終点、中継点
等に相当し、リンクは道路や通信回線に相当する。リン
クは、たとえば道路の幅のようにそれぞれ所定の流量制
限を有している。
【0005】上記例に挙げた物資を配送する問題や、情
報を送る問題は、ネットワークのリンクをオーバーフロ
ーさせることなく、情報や物資の流れの要求(これをタ
スクという)に対し、もっとも効率が良いルートとなる
ようにネットワーク資源(ノードとリンク)を分配する
最適化問題に相当するのである。
【0006】従来、このようなネットワーク資源の分配
に対しては、ダイクストラ法という方法によって解決を
図っていた。このダイクストラ法は、本来、ネットワー
ク上の2点間の最短距離を求める方法で、リンク容量や
複数のタスクの存在は考慮されていない。そこでこのよ
うな問題に対し、一定のタスク順序のもとにダイクスト
ラ法を順次適用していく方法が提案されている。
【0007】この方法は、ネットワークの規模や負荷
(タスクの数など)が大きくなると、タスクの優先順位
の組合せが膨大になり、かつ、各ルートの決定方法が逐
次的であるため、計算を効率よく行って最適解を得るこ
とが困難であるという欠点があった。
【0008】これに対し、本願の出願人は、先に遺伝的
アルゴリズムの手法により、多数のタスクの要求に対
し、大規模なネットワーク資源を短時間のうちに分配
し、かつ、全体としてネットワーク資源の利用効率が極
めて高い最適解を得られるネットワーク資源分配方法を
提案した(特願平6−54041号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ネ
ットワーク資源分配方法は、一定のタスクに対して一定
のネットワーク資源を効率よく分配する方法としては優
れた効果を発揮するものの、現実のネットワーク資源の
分配問題に見られるように、一定のネットワーク資源に
対してタスクの要求が常に変動する場合については未解
決であった。
【0010】すなわち、現実のネットワーク資源分配問
題は、たとえば電話線の回線網において、通話の終了と
新たな通話の要求は同時多発的に発生しており、この変
動するタスクの状態で、新たな通話に対して最も効率良
いルートを割り当てなければならない。本願出願人が先
に提案した方法ではこの問題を解決することができなか
った。
【0011】また、従来のダイクストラ法によれば、各
ノードから次に進む方向を選定するので、その時点では
最も効率よい方向を選択しても、最終的に非効率的なル
ートとなったり、リンクの容量を超える結果になること
があった。また、試行錯誤的に通信経路を探索すること
になるので、計算量が膨大になることがあった。
【0012】そこで、本願発明が解決しようとする課題
は、一定のネットワーク資源に対して全体のタスクの状
態が変動する条件下で、新たなタスクの要求に対して一
定の条件を満たすようにネットワーク資源を分配するネ
ットワーク資源分配方法および装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1によるネットワーク資源分配方法は、
ネットワークを複数のノードと、これらのノードを結ぶ
それぞれ一定容量を有するリンクとによってモデル化
し、前記ネットワークの使用状況を所定の時間間隔ごと
に監視して、新たなタスク要求が発生した場合に、その
タスク要求の起点ノードと終点ノードとを有する経路候
補を集団サイズの数だけ生成し、前記経路候補のうち、
共通のノードを有するものを一対ずつカップリングさ
せ、経路候補に適応度がすでに与えられている場合は、
確率的に適応度が高い経路候補同士をカップリングさ
せ、経路候補の経路の一部を組み換えて新しい経路候補
の集団を生成する工程と、前記経路の組み換えによって
生成された新しい経路候補について、最新のネットワー
ク使用状況を入力して各経路候補の適応度を評価する工
程と、を所定回繰り返し、一定の条件を満たす経路候補
があった場合にその経路候補の経路を前記要求のあった
タスクに割り当て、一定の条件を満たす経路候補がない
場合に再度タスク要求の起点ノードと終点ノードとを有
する経路候補の集団を生成し、前記経路候補の組み換え
と評価と最適経路の割り当てとを行うことを特徴とする
ものである。
【0014】本願請求項2によるネットワーク資源分配
方法は、上記請求項1の方法において、前記経路候補の
カップリングは、所定数の適応度が高い経路候補につい
ては無条件に適応度の高い経路候補同士をカップリング
させ、残る経路候補については、適応度の高さに応じて
与えられた確率によって選択的にカップリングさせるこ
とを特徴とするものである。
【0015】本願請求項3によるネットワーク資源分配
方法は、上記請求項1または2の方法において、前記経
路候補の適応度の評価は、 適応度関数=1/(リンクの総使用量×各リンクのオーバーフロー度の全リン クにわたる積) (1) ただし、各リンクのオーバーフロー度 =1 (オーバーフローなし) または、 リンク使用量/リンク容量 (オーバーフローあり) (2) の双方の値によって行うことを特徴とするものである。
【0016】本願請求項4によるネットワーク資源分配
装置は、複数のノードと、これらのノードを結ぶそれぞ
れ一定容量を有するリンクとによってモデル化したネッ
トワークの使用状況を、所定の時間間隔ごとに監視して
ネットワークの使用状態を把握すると共に、新たなタス
ク要求の発生を検知するタスク管理手段と、前記新たな
タスク要求が発生した場合に、そのタスク要求の起点ノ
ードと終点ノードとを有する経路候補を集団サイズの数
だけ生成する経路生成手段と、前記経路候補のうち、共
通のノードを有するものを一対ずつカップリングさせ、
経路候補に適応度がすでに与えられている場合は、確率
的に適応度が高い経路候補同士をカップリングさせ、経
路候補の経路の一部を組み換えて新しい経路候補の集団
を生成する遺伝的アルゴリズムによる経路組換手段と、
前記経路の組み換えによって生成された新しい経路候補
について、前記タスク管理手段から最新のネットワーク
使用状況の情報を入力して各経路候補の適応度を評価す
る評価選択手段と、を有していることを特徴とするもの
である。
【0017】本願請求項5によるネットワーク資源分配
装置は、上記請求項4の装置において、前記経路組換手
段は、所定数の適応度が高い経路候補については無条件
に適応度の高い経路候補同士をカップリングさせ、残る
経路候補については、適応度の高さに応じて与えられた
確率によって選択的にカップリングさせることを特徴と
するものである。
【0018】本願請求項6によるネットワーク資源分配
装置は、上記請求項4または5の装置において、前記評
価選択手段は、 適応度関数=1/(リンクの総使用量×各リンクのオーバーフロー度の全リン クにわたる積) (1) ただし、各リンクのオーバーフロー度 =1 (オーバーフローなし) または、 リンク使用量/リンク容量 (オーバーフローあり) (2) の双方の値によって各経路候補の適応度を評価すること
を特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を用いて本発明
のネットワーク資源分配方法およびその装置の一実施態
様について説明する。
【0020】最初に資源を分配しようとする対象のネッ
トワークについて説明する。通信ネットワークや交通網
等の現実のネットワークは、複数のノードと、これらの
ノードを結ぶそれぞれ異なる容量(流通可能な量)の複
数のリンクによって、モデル化することができる。図1
にそのモデル化した通信ネットワークの一例を示す。
【0021】図1は、16個の通信拠点が散在してお
り、各通信拠点は隣接する通信拠点とそれぞれ異なる容
量の通信回線によって結ばれている通信ネットワークを
モデル化したものである。
【0022】モデル化するために、上記通信ネットワー
クの通信拠点をノードA,B,…,O,Pとし、各通信
回線をリンクLA-B ,LB-C ,…,LL-P ,LO-P と
し、ノードA,B,…,O,PをリンクLA-B ,LB-C
,…,LL-P ,LO-P によって接続し、かつ、各リン
クLA-B ,LB-C ,…,LL-P ,LO-P に通信回線の容
量を与えている。図1に示したリンクLA-B ,LB-C ,
…,LL-P ,LO-P の太さは、ぞれぞれの通信回線の容
量の大小を表している。
【0023】このように通信ネットワークをモデル化す
ることにより、この通信ネットワークを利用した通信の
経路は、記号によって表すことができるようになる。
【0024】たとえば、図1に示す2つの通信拠点Aと
P間の通信ルートは、それぞれ下記のように表現するこ
とができる。
【0025】ルート1:A−B−F−J−N−O−P ルート2:A−E−I−J−K−L−P 上記方法により、図1の通信ネットワーク上の任意の通
信拠点間の通信ルートは一連の記号の羅列として表現す
ることができる。この任意の通信拠点間の1つの通信を
一タスクということとする。
【0026】通信ネットワークの最適な通信ルートを割
り当てる問題は、起点と終点のノードが与えられている
タスクに対し、現在の通信ネットワークの使用状況の下
で、かつ、リンクの容量を超えない範囲で最短の通信ル
ートを割り当てるという最適化問題に帰することができ
る。本願発明は、上記最適化問題に対し、いわゆる遺伝
的アルゴリズムの手法を適用して最適解を求めるもので
ある。
【0027】図2は、本願発明によるネットワーク資源
分配装置の構成とその処理の流れを示したブロック図で
ある。
【0028】本願発明によるネットワーク資源分配装置
は、少なくともタスク管理手段1と、経路生成手段2
と、遺伝的アルゴリズムによる経路組換手段3と、評価
選択手段4とを有している。このネットワーク資源分配
装置による処理を、図2を用いて説明する。
【0029】本願発明のネットワーク資源分配装置のタ
スク管理手段1は、たとえば図1の通信ネットワークに
おけるタスクの発生と消滅を常時管理するように設けら
れている。
【0030】具体的には、タスク管理手段1は、十分短
い時間の間隔で通信ネットワークの使用状態をチェック
し、内蔵しているタスク管理テーブルを更新する。この
タスク管理テーブルは、交信中のタスクを特定する名称
と、その起点および終点ノードと、通信の経路と、通信
の流量等を登録している。新たに通信経路を割り当てら
れて交信状態に入ったタスクは、前記タスク管理テーブ
ルに新規に登録され、逆に、通信を終了したタスクは、
タスク管理テーブルから関連するデータを抹消される。
【0031】今、所定のタスクの要求が発生した場合、
すなわち、所定の起点ノードと終点ノード間で交信しよ
うとする要求が発生すると、新たなタスク要求として最
初にタスク管理手段1に入力される。タスク管理手段1
は、このタスク要求の起点ノードと終点ノード、通信の
流量、現在の通信ネットワークの使用状況等の情報を経
路生成手段2へ出力する(ステップS100)。
【0032】経路生成手段2は、通信経路の候補を生成
する(ステップS110)。本実施態様の通信経路候補
の生成は、確率的経路探索の手法を用いて行われる。確
率的経路探索の手法による通信経路候補の生成とは、経
路を生成する途中で、所定のノードから進むことができ
る方向が複数存在するときに、終点ノードまでの距離と
それらのリンクの空き容量とによって重み付けをして正
規化した確率を各方向に割り当て、その確率に基づいて
進む方向の選択をするものである。
【0033】ここで、終点ノードまでの距離によってリ
ンクに割り当てる確率は、終点ノードまでの距離が小さ
くなる方向に大きな値を割り当てるようにする。また、
リンクの空き容量による確率は、選択可能な各リンク容
量から、現在のリンク使用量や、すでに生成した通信経
路候補のリンク使用量等を差し引いたもののうち、残り
容量が大きい順に大きい確率を割り当てるようにする。
【0034】上記確率的経路探索の手法により、経路生
成手段2は、起点ノードから出発し、より終点ノードに
近づく方向に、かつ、現在の使用中のリンクを避けるよ
うにして通信経路候補を生成する。この通信経路候補の
生成を複数回繰り返すことにより、所定数の通信経路候
補を生成することができる(この通信経路候補の数を集
団サイズという)。
【0035】生成された通信経路候補は、前述したよう
に、一連の記号の羅列として記憶される。なお、通信経
路候補生成の過程で同一の通信経路候補を生成した場合
は、一方の通信経路候補を削除し、新たに通信経路候補
を生成する。
【0036】上記確率的経路探索の手法によれば、一般
に後述する最適な通信経路発見のための計算量を少なく
することができる。しかし、通信経路候補の生成のため
の計算量とのバランスから、上記確率的経路探索の手法
によらずに、経路候補間の競合(同一リンクを重複して
使用する等)を考慮せずに経路候補を生成することも可
能である。
【0037】経路生成手段2は、生成した通信経路候補
の母集団を経路組換手段3へ出力する。経路組換手段3
は、遺伝的アルゴリズムによって通信経路の組み換えを
行って、最初の通信経路候補と異なる多種多様な通信経
路を生成する(ステップS120)。
【0038】経路組換手段3は、一回の組み換えを行う
ごとに、組み換えた通信経路候補を評価選択手段4へ出
力し、評価選択手段4は、組み換えられた通信経路候補
の効率を評価し(ステップS130)、各通信経路候補
の評価を経路組換手段3に返す。
【0039】経路組換手段3は、評価選択手段4の評価
に基づいて効率のよい通信経路候補同士をさらに組み換
えて新しい通信経路候補を生成する(ステップS12
0)。
【0040】この通信経路候補の組み換えと評価選択の
サイクリックな繰り返しは、遺伝的アルゴリズムにおい
て「世代進化」という。「世代進化」を繰り返すことに
より、一般的には効率的な通信経路候補同士からさらに
効率的な通信経路候補が生み出され、最終的には最適な
通信経路候補を発見することができる。以下に、上記通
信経路候補の「組み換え」と「評価選択」についてさら
に詳細に説明する。
【0041】図3は通信経路候補の「組み換え」の様子
を例示したものである。図3に示す「経路候補」は、組
み換え前の通信経路候補の集団であるとする。組み換え
を行うのに先立ち、確率的に効率の高い通信経路候補同
士を組み合わせる(この操作を「カップリング」とい
う)。なお、ここで、無意味な組み換えにならないよう
に、カップリングする通信経路候補は共通のノードを有
するものとする。
【0042】図3の例では、組み換え前の通信経路候補
の集団から、先に例として挙げたルート1(A−B−F
−J−N−O−P)とルート2(A−E−I−J−K−
L−P)が選択されてカップリングされたとする(ルー
ト1とルート2の通信経路候補は共通するノードJを有
している)。
【0043】このルート1とルート2の選択方法として
は、ルーレット法とエリート保存法とがある。ルーレッ
ト法は、適応度に比例した確率を各候補に割り当て、こ
れに従って候補のペアが順次生成する方法である。エリ
ート保存法は、適応度が大きい候補を無条件に次の世代
に残す方法である。
【0044】ルーレット法によれば、解の候補は適応度
の大きさに応じて確率的に選択されて次の世代へ保存さ
れる。したがって、適応度の低い候補も時折選択される
ため、集団の多様性が生じ、進化の過程で局所解に陥る
ことが避けられる。しかしその反面、適応度の高い候補
が選択されなかった場合には、最適解が落ち込んでしま
うこともある。エリート保存法は、この問題を解決する
ために適応度の高い候補を一定数だけ強制的に次の世代
に保存させる方法として提案されている。本発明はルー
レット法のみによる選択方法も採り得るが、本実施形態
は、上記ルーレット法とエリート保存法を組み合わせた
選択方法を採用している。
【0045】すなわち、適応度の高い経路候補のうち、
所定数の候補をエリート法の考え方によって無条件に選
択し、残るものについては、ルーレット法の考え方によ
って確率的に選択する。これにより、最適解への収束速
度が速くなり、かつ、進化の過程で一時的に評価が低く
なった経路候補も保留される可能性を有し、最終的に最
適解を生成することがある。
【0046】上記のごとく選択されたルート1とルート
2は、図3に示すように、ノードJにおいて互いに交叉
する。「交叉する」とは、ノードJ以下の経路を互いに
交換することである。これにより、組み換え後の新ルー
ト1は、A−B−F−J−K−L−Pとなり、同ルート
2は、A−E−I−J−N−O−Pとなる(図3参
照)。このルート1とルート2の組み換えによる経路の
変化は、図1により図形的に理解することができる。
【0047】次に、評価選択手段4における「評価選
択」について説明する。組み換えられた通信経路候補の
適応度の評価(ステップS130)は、下記の適応度関
数(式(1) )と各リンクのオーバーフロー度(式(2) )
によって行う。
【0048】 適応度関数=1/(リンクの総使用量×各リンクのオーバーフロー度の全リン クにわたる積) (1) ただし、各リンクのオーバーフロー度 =1 (オーバーフローなし) または、 リンク使用量/リンク容量 (オーバーフローあり) (2) 上記適応度関数が大きいほど、リンクの総使用量が少な
く効率がよいということになる。また、各リンクのオー
バーフロー度は、最終的な経路候補の適合条件となり、
求められた最適な経路で、オーバーフローするリンクが
存在すれば、その経路は適合性がないということにな
る。適応度の評価という場合、各リンクのオーバーフロ
ー度の評価を含めて適応度関数の与えることをいう。
【0049】評価選択手段4は、上記評価を行う際に、
タスク管理手段1に問い合わせ、最新の通信ネットワー
クの使用状態を取り入れて評価を行う。評価選択手段4
は算出した上記適応度関数等の値を、経路組換手段3に
返し、経路組換手段3はこの評価に基づいて経路候補の
カップリングを行って次の世代の経路組み換えを行う。
【0050】本実施形態のネットワーク資源分配装置お
よび方法では、予め世代数を指定しておき、この世代数
の進化を繰り返した後で、すべての経路候補の中から最
適な経路、すなわち最も適応度関数の値が大きく、か
つ、各リンクのオーバーフロー度が1の経路を最適な通
信経路として当該タスクに割り当てる(ステップS14
0)。
【0051】しかし、世代進化を行った後でもすべての
経路候補が、「各リンクのオーバーフロー度≠1」、す
なわち、いずれかのリンクの容量を超える通信流量とな
っている場合がある。これは、最初の経路候補が最終的
に条件に適合する素質を有していない場合や、通信経路
候補の最適解が誤った方向に収束した場合に生じる。こ
の場合は、ステップS110に処理を戻し、新たな通信
経路候補の母集団を生成する。これによって、新たに最
適解を見つけることができるようになる。
【0052】以上の処理により、所定のタスク要求に対
して最も効率的な通信経路が発見されたときは、このタ
スクに対して通信経路を割り当て(ステップS14
0)、そのタスクの名称、通信経路、通信流量等のデー
タをタスク管理手段1に登録する。これにより、通信ネ
ットワークの一部が占有され、この情報は次のタスク要
求の通信経路選定に利用される。
【0053】本願発明によるネットワーク資源分配装置
および方法によれば、通信経路について採り得るルート
を幅広く選定できる。すなわち、従来のダイクストラ法
は、各ノードから進む方向を逐次選定し、初めのルート
の選定がその時点で最適であっても、その後のルート選
定が通信ネットワークの条件に適合しなくなることがあ
るのに対し、本願発明によるネットワーク資源分配装置
および方法は、通信経路候補を多数生成し、遺伝的アル
ゴリズムの世代進化によって最終的に最適な通信経路を
生成することができる。この方法は、試行錯誤的に最適
解を求めるものと異なり、条件に適合する通信経路候補
からさらに適合する候補を生成するので、一般的に試行
錯誤的に最適な通信経路を発見する方法(従来のダイク
ストラ法)に比して電子計算機の計算量が少なくなる。
【0054】また、タスク管理手段1を設けることによ
り、通信ネットワークの状態を常に監視し、変動するタ
スクの状態で新たなタスク要求に最適な通信経路を割り
当てることができる。
【0055】なお、上記説明は通信用ネットワークを例
に用いて説明したが、複数のノードをリンクによって接
続したネットワーク、たとえば道路網、鉄道網、電話回
線網等に一般化することができるのは説明するまでもな
い。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本願発
明のネットワーク資源分配方法および装置によれば、変
動するタスクの通信ネットワークにおいて、新たなタス
クの要求が発生したときに、現在の通信ネットワークの
使用状態の下で、最も効率よく、かつ、通信ネットワー
クのリンクの容量を超えない通信経路を該タスクに割り
当てることができる。
【0057】また、上記最適な通信経路を選定する作業
において、従来のダイクストラ法のような試行錯誤的方
法に比し、少ない電子計算機の計算量によって、最適な
ネットワーク資源の分配を行うネットワーク資源分配方
法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モデル化したネットワークの模式図。
【図2】本願発明によるネットワーク資源分配装置の構
成要素と、それらの構成要素による本願発明のネットワ
ーク資源分配方法の処理の流れを示したブロックフロー
図。
【図3】通信経路候補の組み換えの様子を示した図。
【符号の説明】
1 タスク管理手段 2 経路生成手段 3 経路組換手段 4 評価選択手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 12/24 9466−5K H04L 11/08 12/26 (72)発明者 寺 崎 健 神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134番地 株式会社野村総合研究所内 (72)発明者 郭 ▲昂▼ 神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134番地 株式会社野村総合研究所内 (72)発明者 南 剛 志 神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134番地 株式会社野村総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネットワークを複数のノードと、これらの
    ノードを結ぶそれぞれ一定容量を有するリンクとによっ
    てモデル化し、前記ネットワークの使用状況を所定の時
    間間隔ごとに監視して、新たなタスク要求が発生した場
    合に、そのタスク要求の起点ノードと終点ノードとを有
    する経路候補を集団サイズの数だけ生成し、 前記経路候補のうち、共通のノードを有するものを一対
    ずつカップリングさせ、経路候補に適応度がすでに与え
    られている場合は、確率的に適応度が高い経路候補同士
    をカップリングさせ、経路候補の経路の一部を組み換え
    て新しい経路候補の集団を生成する工程と、 前記経路の組み換えによって生成された新しい経路候補
    について、最新のネットワーク使用状況を入力して各経
    路候補の適応度を評価する工程と、を所定回繰り返し、 一定の条件を満たす経路候補があった場合にその経路候
    補の経路を前記要求のあったタスクに割り当て、 一定の条件を満たす経路候補がない場合に再度タスク要
    求の起点ノードと終点ノードとを有する経路候補の集団
    を生成し、前記経路候補の組み換えと評価と最適経路の
    割り当てとを行うことを特徴とするネットワーク資源分
    配方法。
  2. 【請求項2】前記経路候補のカップリングは、所定数の
    適応度が高い経路候補については無条件に適応度の高い
    経路候補同士をカップリングさせ、残る経路候補につい
    ては、適応度の高さに応じて与えられた確率によって選
    択的にカップリングさせることを特徴とする請求項1に
    記載のネットワーク資源分配方法。
  3. 【請求項3】前記経路候補の適応度の評価は、 適応度関数=1/(リンクの総使用量×各リンクのオーバーフロー度の全リン クにわたる積) (1) ただし、各リンクのオーバーフロー度 =1 (オーバーフローなし) または、 リンク使用量/リンク容量 (オーバーフローあり) (2) の双方の値によって行うことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のネットワーク資源分配方法。
  4. 【請求項4】複数のノードと、これらのノードを結ぶそ
    れぞれ一定容量を有するリンクとによってモデル化した
    ネットワークの使用状況を、所定の時間間隔ごとに監視
    してネットワークの使用状態を把握すると共に、新たな
    タスク要求の発生を検知するタスク管理手段と、前記新
    たなタスク要求が発生した場合に、そのタスク要求の起
    点ノードと終点ノードとを有する経路候補を集団サイズ
    の数だけ生成する経路生成手段と、前記経路候補のう
    ち、共通のノードを有するものを一対ずつカップリング
    させ、経路候補に適応度がすでに与えられている場合
    は、確率的に適応度が高い経路候補同士をカップリング
    させ、経路候補の経路の一部を組み換えて新しい経路候
    補の集団を生成する遺伝的アルゴリズムによる経路組換
    手段と、前記経路の組み換えによって生成された新しい
    経路候補について、前記タスク管理手段から最新のネッ
    トワーク使用状況の情報を入力して各経路候補の適応度
    を評価する評価選択手段と、を有していることを特徴と
    するネットワーク資源分配装置。
  5. 【請求項5】前記経路組換手段は、所定数の適応度が高
    い経路候補については無条件に適応度の高い経路候補同
    士をカップリングさせ、残る経路候補については、適応
    度の高さに応じて与えられた確率によって選択的にカッ
    プリングさせることを特徴とする請求項4に記載のネッ
    トワーク資源分配装置。
  6. 【請求項6】前記評価選択手段は、 適応度関数=1/(リンクの総使用量×各リンクのオーバーフロー度の全リン クにわたる積) (1) ただし、各リンクのオーバーフロー度 =1 (オーバーフローなし) または、 リンク使用量/リンク容量 (オーバーフローあり) (2) の双方の値によって各経路候補の適応度を評価すること
    を特徴とする請求項4または5に記載のネットワーク資
    源分配方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013531424A (ja) * 2010-06-01 2013-08-01 ブル・エス・アー・エス 静的な通信リンクを備えるクラスタにおける擬似動的ルーティング方法およびこの方法を実行するコンピュータプログラム
US9462621B2 (en) 2008-03-14 2016-10-04 Nec Corporation Mobile communication system and band control method for flexibly accommodating the positional bias of radio terminals
WO2023105691A1 (ja) * 2021-12-08 2023-06-15 日本電信電話株式会社 配送支援装置、配送支援方法、及び配送支援プログラム
CN116646932A (zh) * 2023-07-24 2023-08-25 山东华科信息技术有限公司 基于配电网云边端资源协同的高比例负荷接入方法及系统

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