JPH09241179A - ビフィドバクテリウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質およびその精製法 - Google Patents

ビフィドバクテリウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質およびその精製法

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JPH09241179A
JPH09241179A JP4520096A JP4520096A JPH09241179A JP H09241179 A JPH09241179 A JP H09241179A JP 4520096 A JP4520096 A JP 4520096A JP 4520096 A JP4520096 A JP 4520096A JP H09241179 A JPH09241179 A JP H09241179A
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Akira Hosono
朗 細野
Yasuto Tashiro
靖人 田代
Masao Hirayama
匡男 平山
Akio Ametani
章夫 飴谷
Shiyuuichi Uenokawa
修一 上野川
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビフィドバクテリウム属菌より水溶性多糖成
分を精製し、その免疫賦活活性および構造的な特徴を明
らかにして、産業上より使いやすく、適応性のある水溶
性免疫賦活物質を得ることを課題とする。 【解決手段】 ビフィドバクテリウム属菌体を破砕し、
水溶性画分を分画し,陰イオン交換クロマトグラフィー
およびゲルろ過クロマトグラフィーを含むクロマト装置
にてを精製して得られる、その構成成分が Galf1-、-4G
alp1-、-6Galf1-、および -4, 6Glcp1-(式中 Galf、Ga
lp、Glcpはそれぞれガラクトフラノース、ガラクトピラ
ノース、およびグルコピラノースを示す)である構成糖
を含む水溶性免疫賦活物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫賦活物質に関
し、ビフィドバクテリウム属菌培養菌体の水溶性画分よ
り精製された多糖成分、およびその精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビフィドバクテリウム(Bifidobacteriu
m)属菌体はヒトや動物に存在する腸内細菌の一種であ
り、病原性を示さないことに加え、種々の有用な生理学
的効果が報告されている。なかでも、母乳栄養時の新生
児の腸内細菌叢はビフィドバクテリウム属菌の占める割
合が圧倒的に高く、人工栄養児に比べて母乳栄養児の感
染防御や消化吸収効果の優位性において、本菌が重要な
役割を果たしていることが知られている [光岡編,ビフ
ィズス菌の研究,pp.192 (1994),(財)日本ビフィズス
菌センター]。 すなわち、従来、ビフィドバクテリウ
ム属菌体のあるものには、免疫応答を増強する生体防御
機能を賦活化する効果や抗腫瘍効果があることが知ら
れ、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)お
よびビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(B. a
dolescentis)にマイトージェン活性があること[特開平
5-252900;特開平 6-56678]、ビフィドバクテリウム・
ブレーベ(B. breve)に小腸パイエル板細胞の IgA 抗
体産生を増強させる活性があること[特公平 7-10614
2]、さらにビフィドバクテリウム・インファンティス
B. infantis)の細胞壁多糖には抗腫瘍活性があるこ
と[Sekine et al.,Cancer Res.,45,1300(1985)]などが
報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの活性物質の構
成成分に関する報告は菌体細胞壁成分に関するものに限
られており、しかも水溶性物質の構成成分に関する構造
的な特徴は明らかにされていないというのが現状であっ
た。
【0004】そこで、本発明では、ビフィドバクテリウ
ム属菌より水溶性多糖成分を精製し、その水溶性物質の
もつ免疫賦活活性および構造的な特徴を明らかにして、
産業上より使いやすく、適応性の広いビフィドバクテリ
ウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質を得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、ビフィドバクテ
リウム属菌の超音波破砕物がマウスの脾臓リンパ球を増
殖させる活性をもつことを確認し、それら菌体由来の水
溶性画分中の多糖を含む免疫賦活物質を精製する技術を
確立し、その構成多糖の構造的特徴を明らかにするに至
った。すなわち、菌体は超音波破砕処理によって得られ
た水溶性画分のプロテアーゼ処理と陰イオン交換クロマ
トグラフィーによる分離、そして活性画分の限外ろ過処
理、およびゲルろ過クロマトグラフィーによって高分子
多糖画分を精製し、HPLC 法による構成糖の分析とメチ
ル化分析による糖の結合位置の解析により構造的特徴を
明らかにして、本発明を完成させたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明による、ビフィドバクテリ
ウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質の精製法は以下のよ
うに示す。本発明による免疫賦活活性の測定は、マウス
の脾臓細胞培養系に対して測定すべきサンプルを一定量
添加した際の、リンパ球幼若化試験により評価すること
ができる。 使用される菌体は、ビフィドバクテリウム
属に分類される偏性嫌気性のグラム陽性桿菌の菌株であ
ればすべて使用でき、好ましくはビフィドバクテリウム
・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・シュー
ドカテニュラータム、およびビフィドバクテリウム・カ
テニュラータムの菌体より以下の方法で処理できる。菌
体は 48 時間の嫌気培養の後、超純水によって十分に洗
浄され、得られた菌体の超音波破砕処理と超遠心分離に
より水溶性画分を分離し、水溶性画分は凍結乾燥して凍
結保存(-20℃)することができる。さらにこの水溶性
画分はプロテイナーゼ K による酵素的処理と分子量 50
kDa 以下を排除限界とする膜を用いた限外ろ過処理に
より、高分子画分と低分子画分に分離できる。
【0007】次に、高分子画分は陰イオン交換クロマト
グラフィー、好ましくは Q Sepharoseカラム(Pharmaci
a LKB, Uppsala, Sweden)を用いた陰イオン交換クロ
マトグラフィーにより分離され、溶離される各フラクシ
ョンごとに、マウス脾臓細胞のリンパ球幼若化活性をも
とに活性画分を特定できる。ここで分取される活性画分
は分子量 6 kDa 以下を排除限界とする膜を用いた限外
ろ過により脱塩され、ゲルろ過クロマトグラフィー、好
ましくは東ソーの高性能樹脂系 TSKgel PW タイプ連続
カラムを用いたゲルろ過クロマトグラフィーによって高
分子画分、すなわち水溶性免疫賦活物質を分離できる。
これらの方法により、陰イオン交換クロマトグラフィー
による分離画分よりも活性の高い、ビフィドバクテリウ
ム属菌由来の水溶性免疫賦活物質として精製できる。上
記のようにして活性物質の精製を行い、構成成分の化学
的分析および構造解析を以下の要領で行うと、ビフィド
バクテリウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質の化学構造
的特徴を明らかにすることができる。
【0008】糖含有量の測定は、フェノール・硫酸法
[M. Dubois et al.,Anal.Chem.,28,350(1956)]、タンパ
ク含量は Lowry 法 [O.H.Lowry et al.,J.Biol.Chem.,1
93,265(1951)] によってそれぞれ定量され、構成糖の定
量は HPLC 法により行うことができる。さらに、水溶性
免疫賦活物質を構成している糖の結合様式の解析は、分
析サンプルを箱守法 [S.Hakomori,J.Biochem.,55,205(1
964)]にてメチル化処理し、GC-MS 法にて部分 O-メチル
アルジトールアセテートを分析することにより行うこと
ができる。これと合わせて、水溶性高分子画分の α-お
よび β-グルコシダーゼによる酵素的処理により、α-
および β-グルコシド構造と活性との関係について明ら
かにすることができる。
【0009】
【実施例】以下、実施例をあげて具体的に且つ、詳細に
説明するが、これらは本発明を限定するものではない。 実施例 1ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス由来の水溶
性免疫賦活物質の精製(図 1)とその構造的特徴
【0010】1) ビフィドバクテリウム・アドレッセン
ティスの培養および水溶性画分の分離 ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス M101-4
B. adolescentis M101-4)((財)日本ビフィズス菌
センターより購入)を以下の配合の培地条件で 37℃、4
8 時間嫌気培養した。培地条件:1。0% ポリペプトン
(日本製薬)、3.0%パインデックス #4(松谷化学)、
4.2% ミースト P2G(アサヒビール)、0.04%MgSO4・7H2
O、0.002% FeSO4・7H2O、0.02% NaCl、0.002% MnSO4・5
H2O、0.05%L-アスコルビン酸のそれぞれの配合比で超純
水にて調製(pH 7.0)。得られた菌体は超純水にて 3
回洗浄し(6,000 x g、4℃、5 分間)、超純水にて 4 m
g/ml に懸濁し、Sonifier 200(Branson, Danbury, C
T)にて氷冷しながら超音波破砕処理を行った(15 分
間、2 回)。さらに 800 x g、4℃、5 分間の遠心分離
にて上清を集め、超遠心分離(70、000 x g、5℃、30 分
間)にて水溶性画分と非水溶性画分に分離し、それぞれ
凍結乾燥して -20℃ にて保存した。
【0011】2) ビフィドバクテリウム・アドレッセン
ティス由来水溶性免疫賦活活性物質の精製 分離された水溶性画分 300 mg は 0.05 M のリン酸緩衝
液(pH 7.5)10 ml に溶解し、6 mgのプロテイナーゼ K
(Merck, Darmstadt, Germany)を加えて37℃、14 時間
反応させ、分子量 50 kDa の膜であるセントリカット U
-50(クラボウ)を用いて限外ろ過処理を行い、リンパ
球増殖活性をもたない低分子画分は除き、活性のある水
溶性高分子画分を回収した。得られた高分子画分は Q S
epharoseイオン交換クロマトグラフィー(Pharmacia LK
B, Uppsala, Sweden)にて分画した。溶離条件は、0.05
Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.5)にて 0〜1.0 MN
aCl の直線型勾配、流速毎分 2 ml で溶出し、分画され
た各画分は UV 280 nmの吸光値を測定することによりタ
ンパクを、フェノール・硫酸法により 480 nmの吸光値
で糖をそれぞれ定量し、さらに、以下に示す方法で、免
疫賦活活性を測定し、活性画分を特定した(図 2)。
【0012】特定された活性画分は回収され、分子量 6
kDa の膜を用いた限外ろ過装置ミニモジュール NM-3
(旭化成)によって脱塩処理された。なお、このとき分
画された低分子画分にはリンパ球増殖活性は認められな
かった。さらに分画された高分子画分を東ソーの連続カ
ラム(TSKgel G6000PWXL + TSKgel G4000PWXL + TSKgel
G3000PWXL + TSKgel G2500PWXL)を用いたゲルろ過ク
ロマトグラフィーにより、活性画分の分離と分子量分布
の測定を行った。溶出条件は以下の通り。流速毎分0.8
ml にて超純水を流し、検出器には RI(示差屈折計)で
ある Waters 410 Differential Refractometer (Milli
pore, Milford, MA)を、標準物質としてプルラン(Mw:
2,460,000; 1,800,000; 380,000; 186,000; 100,000;
48,000;23,700; 12,200; 5,800; 1,810)を用いた。精
製された水溶性免疫賦活物質は、分子量 2,000,000 以
上の高分子画分として認められ、凍結乾燥して -20℃
にて凍結保存された。
【0013】3) 免疫賦活活性の測定 免疫賦活活性の測定は、マウスリンパ球の幼若化試験に
より判定した。雌性のBALB/c マウス(6〜9 週齢)より
脾臓を無菌的に摘出し、脾臓細胞を 10% ウシ胎児血清
(56℃、30 分間の非働化処理済み)含 RPMI-1640 培地
(100 U/ml ペニシリン、100 mg/ml 硫酸ストレプトマ
イシン、5 x 10-5 M 2-メルカプトエタノールを含む)
にて 5 x 106 cells/ml になるように調製し、96 ウェ
ルの平底マイクロプレート(Falcon #3075, Becton Dic
kinson Labware, Mississauga, Ontario, Canada)に 1
00 ml ずつ加えた。そこに Q Sepharose イオン交換ク
ロマトグラフィーで分画された各画分、もしくは上記の
精製過程で分離されたそれぞれの画分を 1 サンプルに
つき 3 ウェルずつ、20 ml/ウェルずつそれぞれ添加
し、各ウェルは RPMI 培地にて 200 ml/ウェルまで満た
し、37℃、5% CO2濃度の条件で 2 日間インキュベート
した。さらに、0.5 mCi/ウェルの 3H-チミジンを添加
し、37℃、5% CO2 濃度で 20 時間のインキュベーショ
ンの後、細胞を回収して細胞内に取り込まれた 3H-チミ
ジン量を液体シンチレーションカウンターで測定し、各
サンプルとも 1 分間あたりのカウント数(cpm)の平均
値として表した。
【0014】4) ビフィドバクテリウム・アドレッセン
ティス由来水溶性免疫賦活物質の構造 水溶性免疫賦活物質は、フェノール・硫酸法(標準物質
としてグルコースを使用)により全糖量を、Lowry 法
(標準物質としてウシ血清アルブミンを使用)によりタ
ンパク含量をそれぞれ定量した(表1)。また、水溶性
免疫賦活物質はあらかじめ 2%(w/v)のサンプルに対し
て 2N H2SO4 を添加して酸分解(100℃、5時間)を行っ
た後、BaCO3 で中和処理したものを以下に示す HPLC 法
によって構成糖の分析を行った。 Bio-LC Model 4500i
システム(Dionex, Sunnyvale, CA)にCarboPac-PA1 カ
ラム (250 mm x 4.0 mm i.d.) およびプレカラムとして
CarboPacPA-1 ガードカラム (25 mm x 3.0 mm i.d.) を
用い、流速毎分 1 ml で25℃ の条件下で溶出し、金電
極を備えた PAD(Dionex)にて検出した。溶出バッファ
ーには、中性糖(単糖)分析用には 5 mM 酢酸ナトリウ
ム含 10 mM 水酸化ナトリウム溶液にて溶出し、また、
酸性糖分析用には、A 液として 100 mM 酢酸ナトリウム
含 200 mM 水酸化ナトリウム溶液を、B液として 1 M 酢
酸ナトリウム含200 M 水酸化ナトリウム溶液をそれぞれ
用い、15 分間で A液が 100% から0% になるような直線
型勾配で A液に B液を加えた条件により行った。標準物
質として、単糖分析系ではフコース、β-デオキシグル
コース、アラビノース、ラムノース、ガラクトース、グ
ルコース、キシロース、N-アセチルグルコサミン、N-ア
セチルガラクトサミン、マンノース、フラクトースを、
酸性糖分析系では N-アセチルノイラミン酸、N-アセチ
ルムラミン酸、ガラクチュロン酸、グルクロン酸、マン
ニュロン酸をそれぞれ用いた。その結果、ガラクトース
とグルコースを主成分とする多糖類の存在が確認された
(表 1)。
【0015】
【表1】
【0016】活性成分中の糖の結合様式は以下のように
行った。水溶性免疫賦活物質は箱守法によってメチル化
処理され、生成したメチル化糖は部分 O-メチルアルジ
トールアセテートとして GC-MS 測定を行い、糖の結合
位置の解析を行った。その結果、ビフィドバクテリウム
・アドレッセンティス菌株由来の水溶性免疫賦活物質
は、Galf1-、-4Galp1-、-6Galf1-、および -4,6Glcp1-
を構成糖に含んでいることが明らかとなった(表 2)。
【0017】
【表2】
【0018】さらに水溶性高分子画分(プロテイナーゼ
K処理後、50 kDaの膜を用いた限外ろ過処理により高分
子画分を分画したもの)1 mg を α-グルコシダーゼ(B
iozyme#AGLY3, Blaenavon, UK)および β-グルコシダ
ーゼ(Sigma #G4511, St. Louis, MO)で処理すること
にとり、活性への影響を検討したところ、α-グルコシ
ダーゼ処理(pH 6.8 のリン酸緩衝液中にて 37℃、14
時間反応)で活性にはほとんど影響は見られなかったも
のの、β-グルコシダーゼ処理(pH 5.0 の酢酸緩衝液中
にて37℃、14時間反応)により、活性が 60% 以上消失
したことから、活性に対して β-グルコシドの存在が関
与している可能性が推察され、上記の構成糖が活性物質
の有効成分であることの一つの根拠となった(図 3)。
【0019】実施例 2ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム由来
の水溶性免疫賦活物質の精製(図 1)とその構造的特徴 1) ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム
の培養および水溶性画分の分離 ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム MBL
8320(B. pseudocatenulatum MBL8320)を実施例 1-1)
の方法で培養し、水溶性画分を得た。 2) ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム
由来水溶性免疫賦活物質の精製 ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム MBL
8320 由来水溶性免疫賦活物質を実施例 1-2) の方法で
精製した(図 2)。 3) 免疫賦活活性の測定 免疫賦活活性の測定は、実施例 1-3) の方法で行った。
【0020】4) ビフィドバクテリウム・シュードカテ
ニュラータム由来水溶性免疫賦活物質の構造 ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム MBL
8320 由来水溶性免疫賦活物質の構造を実施例 1-4) の
方法で解析した結果、グルコース、ガラクトースを主成
分とする分子量 2,000,000 以上の高分子多糖を含み、
Galf1-、-4Galp1-、-6Galf1-、および -4,6Glcp1- を構
成糖に含んでいる共通性が明らかとなった(表1,2)。
また、α-グルコシダーゼおよび β-グルコシダーゼ処
理による活性への影響は、α-グルコシダーゼ処理では
ほとんど変化が見られなかったものの、β-グルコシダ
ーゼ処理によって活性が 70% 以上消失したことから、
活性に対して β-グルコシドの存在が関与している可能
性が推察され、上記の構成糖が活性物質の有効成分であ
ることの一つの根拠となった(図 3)。
【0021】実施例 3ビフィドバクテリウム・カテニュラータム由来の水溶性
免疫賦活物質の精製(図 1)とその構造的特徴 1) ビフィドバクテリウム・カテニュラータムの培養お
よび水溶性画分の分離 ビフィドバクテリウム・カテニュラータム MBL8318(B.
catenulatum MBL8318)を実施例 1-1) の方法で培養
し、水溶性画分を得た。 2) ビフィドバクテリウム・カテニュラータム由来水溶
性免疫賦活物質の精製 ビフィドバクテリウム・カテニュラータム MBL8318 由
来水溶性免疫賦活物質を実施例 1-2) の方法で精製した
(図 2)。 3) 免疫賦活活性の測定 免疫賦活活性の測定は、実施例 1-3) の方法で行った。
【0022】4) ビフィドバクテリウム・カテニュラー
タム由来水溶性免疫賦活物質の構造 ビフィドバクテリウム・カテニュラータム MBL8318 由
来水溶性免疫賦活物質の構造を実施例 1-4) の方法で解
析した結果、グルコース、ガラクトースを主成分とする
分子量 2,000,000 以上の高分子多糖を含み、 Galf1-、
-4Galp1-、-6Galf1-、および -4,6Glcp1- を構成糖に含
んでいる共通性が明らかとなった(表1、2)。また、α
-グルコシダーゼおよび β-グルコシダーゼ処理による
活性への影響は、α-グルコシダーゼ処理ではほとんど
変化が見られなかったものの、β-グルコシダーゼ処理
によって活性が 40% 以上消失したことから、活性に対
して β-グルコシドの存在が関与している可能性が推察
され、上記の構成糖が活性物質の有効成分であることの
一つの根拠となった(図 3)。
【0023】比較例 1) ビフィドバクテリウム属菌由来水溶性免疫賦活物質
は、本製法により、先願 [特開平 6-56678] のゲルろ過
クロマトグラフィーを用いない活性画分よりも活性が
1.12〜1.07 倍増加した。
【0024】
【発明の効果】本発明に従えば、ビフィドバクテリウム
属菌より菌体破砕して得られる水溶性画分をプロテイナ
ーゼ処理、陰イオン交換クロマト分離、さらに分子量 2
0 kDa以上を分画できる限外ろ過処理によって、高分子
の水溶性免疫賦活物質を精製することができる。この免
疫賦活活性物質は、 Galf1-、-4Galp1-、-6Galf1-、お
よび -4,6Glcp1- を構成糖に含むものである。この物質
はヒトの腸内に存在する有用なビフィドバクテリウム属
菌に由来するものであり、しかもこれらの菌が、一般
に、乳製品や錠菓などの食品にも応用されているもので
あるために、経口摂取しても安全性が高く、食品として
はもちろん、感染症などの予防と治療を目的とした経口
アジュバントや機能性食品として広く利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】 ビフィドバクテリウム属菌由来の水溶性免疫
賦活物質の精製法の流れ図を示す。
【図 2】 ビフィドバクテリウム属菌由来のプロテイナ
ーゼ K 処理済み高分子水溶性画分について、イオン交
換クロマトグラフィーによる分離パターンを示す。
【図 3】 ビフィドバクテリウム属菌由来のプロテイナ
ーゼ K 処理済み高分子水溶性画分について、α-、 β-
グルコシダーゼ処理によるリンパ球幼若化活性への影響
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飴谷 章夫 東京都文京区西片1丁目1番5号501 (72)発明者 上野川 修一 埼玉県春日部市増田新田400番8号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフィドバクテリウム属菌培養菌体を破
    砕して得られる水溶性画分を、クロマト分離により精製
    して得られる Galf1-、-4Galp1-、-6Galf1-、および-4,
    6Glcp1-(式中 Galf、Galp、Glcp はそれぞれガラクト
    フラノース、ガラクトピラノース、およびグルコピラノ
    ースを示す)を構成糖に含むことを特徴とするビフィド
    バクテリウム属菌由来水溶性免疫賦活物質。
  2. 【請求項2】 ビフィドバクテリウム属菌培養菌体を破
    砕し、水溶性画分を分画し、陰イオン交換クロマトグラ
    フィーおよびゲルろ過クロマトグラフィーを含むクロマ
    ト装置により精製する、比活性の高いビフィドバクテリ
    ウム属菌由来水溶性免疫賦活物質の精製法。
JP4520096A 1996-03-01 1996-03-01 ビフィドバクテリウム属菌由来の水溶性免疫賦活物質およびその精製法 Pending JPH09241179A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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