JPH09239372A - 水体の連続処理方法および装置 - Google Patents

水体の連続処理方法および装置

Info

Publication number
JPH09239372A
JPH09239372A JP9164096A JP9164096A JPH09239372A JP H09239372 A JPH09239372 A JP H09239372A JP 9164096 A JP9164096 A JP 9164096A JP 9164096 A JP9164096 A JP 9164096A JP H09239372 A JPH09239372 A JP H09239372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
impurities
process tank
tank
water body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9164096A
Other languages
English (en)
Inventor
Meisei Ri
明星 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP9164096A priority Critical patent/JPH09239372A/ja
Publication of JPH09239372A publication Critical patent/JPH09239372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水体を連続的に処理するための方法、装置お
よびシステムを提供する。 【解決手段】 工程用タンク1の頂部と底部には、水出
口13と水入口12が配置され、その内部空間には実質
的に閉じたS字形の一方流路を上向きに形成する3個ま
たはそれ以上の導電性板4を有し、導電性板が1.59
μΩcm〜1300μΩcmの範囲の抵抗率を有する導
電性材料から作製され、導電性板の少なくとも2個はそ
れぞれ正の電源と負の電源に接続してアノード2および
カソード3として働き、被処理水を該水入口からタンク
に導入し、S字形の一方流路を通して上方に流れ、水出
口を介してタンクから排出し、流路中の水体の流れ中
に、カソードとアノードに電圧をかけて0.5mV/c
m〜1000V/cmの範囲の強度を有する電界を発生
させ、水体中の不純物を分極し、凝固させ、凝固不純物
を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水系流体[略称して水
体(water body)という」を連続的に処理す
る方法および装置に関し、そして詳しくは電界の分極を
利用して水体中の不純物が水体から容易に分離できるよ
うに該不純物を凝固させて、該水体を連続的に処理する
方法、装置およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在下水または産業廃水を処理するのに
一般的に用いられる方法には、(1)物理的方法;
(2)化学的方法;(3)生物的方法:および(4)電
気化学的方法等が含まれる。これらの方法の中で電気化
学的方法(電解法)が、その低空間占有率、良好な経済
性ならびに悪臭および第二次汚染のないことのために、
当業者によって大いに開発されてきた。この分野に関す
る特許には、台湾国特許出願79100054号、およ
び米国特許3926754、4036726、および4
123339号、および欧州特許0295696号が含
まれる。該従来技術は下水または廃水の性質を変化させ
る電解操作中に、閉じた電解タンク中に生起する化学反
応を利用するものである。次いで該電解タンクからの連
続的な出流を処理して、該水中の不純物を除去して流出
する水を大幅に浄化するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気化学的工程を実施
する場合、二個の電極間にそして該電解液中に下記の6
種類の基本的機能が同時に生起する。 (1)酸化:該液中の不純物を酸化するためにアノード
に電子が提供される; (2)還元:該液中の不純物を還元するためにカソード
によって電子が提供される; (3)電気泳動:正電荷を有するイオンがアノードから
カソードに移動し、また負電荷を有するイオンがカソー
ドからアノードに移動する; (4)電気腐蝕:アノードが卑(cheap)金属製で
ある場合、二つの電極間に適当な電圧を付与して該液に
適当な導電性を与えることによって、該アノードは酸化
性のイオン化を受ける; (5)電解:図1に例示するように負電荷を有するイオ
ンがアノード近辺に集まりそして正電荷を有するイオン
がカソード近辺に集まるように適当な電圧を付与する場
合、二つの電極間に形成される電界の適用に相応して不
純物および水の分子が分極される。
【0004】従来技術は、上記の6種の機能の中で前の
5種を一般的に利用して廃水を電気化学的に処理するも
のであり、そして一つの特定の機能に集中するが、しか
し最も能率的な成果および最も有利な効果をもたらすよ
うに他の機能を利用しない。例えば従来の電解コロイド
浮遊−除去法は、鉄およびアルミニウムからなる材料を
犠牲(sacrificial)アノードとして使用す
る。アノードから放出された金属イオンは、水体中のミ
クロゲルと凝固して高分子量のコロイドを形成し、カソ
ードから放出された水素のバブルと結合して気液相の複
合物を形成し、そして次に該複合物は浮遊されそして除
去される。この方法はサスペンジョン状の固体およびミ
クロ粒子を除去する作用をするが、しかし依然として下
記のような種々の欠点が存在する。
【0005】(1)大きな電力消費および長い処理時間 リーによるProc.17th Conf.on Wa
stewater Treatment Techno
logy 647〜660頁の研究報告に、豚の飼育か
ら放出された下水を電解凝固法にて処理する場合、満足
な水質を得る電解時間は約30分間でありそしてその連
続処理のエネルギー消費は18kwh/kg−CODに
達する、と記述されている。またヤンによって、電解コ
ロイド浮遊/除去タンク中にて連続的に酸性脂肪廃水を
処理する場合、そのエネルギー消費は1.17kwh/
kg−CODである、と報告されている。 (2)該装置の複雑な構造および不便な維持操作性 電解工程中に発生する電極板の腐蝕のために、カソード
およびアノードを頻繁に交換する必要がある。その上に
電極板は差込み式にそして反復して配置されそして各電
極板は電源に連結されており、そのため電極板の交換が
不便である。更に汚染物がカソード極に付着するので、
付着した汚染物をスクレープ処理するスクレーパーが必
要である。該スクレーバーの設置は、電解タンクの構造
を一そう複雑にし、そして電極板の交換を一そう困難に
する。
【0006】本発明は該従来技術の欠点を解決するため
に開発されたものである。該分極機能、すなわち上記の
第6の機能を利用して、不純物の分子が非常に短時間に
凝固して水の浄化目的が達成されることを見出した。該
従来技術に存在する長い時間の浪費、大きなエネルギー
消費および不便な維持操作の欠点を、本発明は解消する
ものである。
【0007】本発明の目的は、電界およびエネルギー交
換機能に相応する分極機能を利用して不純物を容易に除
去するように凝固および浮遊させる、水体の連続的処理
方法を提供することである。本発明の他の目的は、水体
の連続的処理用装置を提供することであり、該装置の構
造は従来技術のものと比較して簡単化されそして該装置
の消費性成分は容易に交換される。本発明の更に別の目
的は、高能率、電力の経済性および容易な維持操作性に
て水体を連続的に処理するシステムを提供することであ
る。本発明の上記および他の目的は、下記の詳しい記述
および特許請求の範囲から一そう明らかに理解される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は廃水の電気化学
的処理に関する広範な研究に基づくものである。数個の
導電性板がカソードとアノードとの間に配置されそして
該電極および導電性板が上向きの閉じたS字形の一方向
の流路を形成するように配置される場合、該カソードお
よびアノードに適当な電圧を適用して充分な強度の電界
を二つの該電極間に発生させると、水中の不純物が凝固
して非常に短時間例えば1分間にてクラスター(群集)
を形成することが予想外にも見出された。非常に短い時
間に迅速に凝固するこの現象は、従来の電解凝固の原理
では説明不可能である。
【0009】本発明者は該現象について反復して実験を
行いそして分析した。該現象が生起する可能性ある理由
は下記のように推論される。
【0010】該カソードおよびアノードに適当な電圧が
付与されて充分な強度の電界が該電極間に発生すると、
図1に示すように液中の不純物および水の分子が電界下
に分極される。すなわちアノードに近い端部が負の電荷
を帯び、またカソードに近い他の端部が正の電荷を帯び
る。
【0011】該分極機能によって液の分子および水中の
固体のミクロなバブル等の不純物は、分極されて交互に
正および負の電荷を帯びた粒子となる。更に互いに反発
する電荷を帯びるかまたは電荷を有しない粒子はすべ
て、互いに引合う電荷を帯びた粒子となり、そしてこれ
によって凝固現象が生起する。
【0012】アノードとカソードとの間に配置された導
電性板は不純物粒子の凝固を促進するが、その機構につ
いては現在不明である。該導電性板自体上の微細な電界
の発生によって増大されたエネルギーの移行に、該機構
が関連するものと推論される。該不純物が両極の電荷を
帯びるように誘導されて相互の引合う効果および他の凝
固効果を達成した後に、分散性の小さい不純物を互いに
衝突させて小さい群集よりも一そう容易に水体から分離
できる大きな群集を形成する他の効果が必要とされる。
不純物間の衝突は下記のようにして達成できる。 (1)微細な撹拌 機械的撹拌によって不純物は水体中にて互いに衝突し得
る。処理タンク中の導電性板はS字形流路をなすように
配置でき、そのために電界下に水体は逆流して機械的撹
拌の効果を達成する。 (2)微細な乱動 不純物の寸法は分子またはイオン状ほどに非常に小さい
こともある。機械的撹拌は不純物を微細に移行させ得る
だけであり、そして小さい不純物間の距離は不変に存続
する。すなわち該不純物は、互いに衝突して群集に結合
しないであろう。この問題を克服するために本発明で
は、不純物に電荷を帯びさせそして次に一方向の電荷流
を形成するように該電荷を加速させて、該流れ方向に垂
直な磁界を更に発生させる。分離した不純物はそれぞれ
その周囲に独立した磁界を形成するので、これらの磁界
間の相互作用によって不純物は該磁界の方向にそって僅
かに横に移行され、そしてこの小さい横の移行が移行後
に大きな横方向の移行となるであろう。異なる不純物は
異なる電荷を帯びており、そのためその周囲と異なる強
度の磁界を形成する。従ってまた、不純物の横の移行は
異なるので、不純物間の衝突は可能である。不純物の横
方向の移行状態は図2に例示されている。水体がS字状
流路中にて移動を続ける場合、不純物は加速されて自然
的な移行を行う。
【0013】上記の思考に基づいて、水体を連続的に処
理する方法が本発明において開示される。本発明の方法
は実質的に閉じた工程用タンクを使用する工程を含むも
のであり、その頂部および底部に水の出口および水の入
口がそれぞれ配置されており、そしてその内部空間には
タンクの底部に実質的に平行関係にありそして工程用タ
ンク中に実質的に閉じたS字形の一方向の流路を上向き
に形成する互いに実質的に平行関係にある3個以上の導
電性板が配置されている。ここに該導電性板は1.59
〜1300μΩcmの範囲の抵抗を有する導電性材料製
であり、そして該導電性板の少なくとも2個はアノード
およびカソードとして作用するように正および負の電源
にそれぞれ電気的に連結されている。ここに処理される
水体は水の入口から工程用タンク中に導入され、該S字
形の一方向の流路を通って上方向に流される。そして次
に水の出口を通って工程用タンクから排出される。ここ
に該カソードおよびアノードに電圧が適用されて該流路
中に水体が流れる間、0.5mV/cm〜1000V/
cmの範囲の強度を有する電界を生起させ、これによっ
て該水体中の不純物を分極および凝固させて凝固不純物
を除去する。
【0014】本発明による処理に適当な水体はすべての
種類の産業廃水および汚染水体であり得る。例えば、家
畜寝わらの廃水、川の下水、染色廃水、電気メッキ廃
水、パルプ製造廃水、石油化学廃水、自動車処理廃水、
発酵廃水、アイスクリーム工業廃水、レストランの廃
水、病院廃水、試験所廃水および生活廃水等であり得
る。
【0015】本発明は、特定のpH値、導電性、温度、
不純物の種類および濃度を有する水体の処理法に限定さ
れない。処理される水体は、酸性、中性または塩基性で
あり得る;すなわち0〜14内の範囲のpH値を有する
すべての水体が本発明によって処理し得る。0.98μ
s/cm〜254ms/cmの範囲の導電性(超純水〜
飽和塩化ナトリウム水の濃度の導電性に相当)を有する
水体が、本発明による処理に適当である。不純物の濃度
に関して、該濃度が0〜10ppmの範囲の場合は該
不純物は直接処理できる。該濃度が10ppmより高
い場合は、他の水資源回収工程を実施した後に本発明を
採用するのが良い。
【0016】本発明に従って水の出口および入口は、工
程用タンクの頂部および底部にそれぞれ配置される。該
工程用タンク中の導電性板は、該タンクの底部に実質的
に平行関係に、そして実質的に閉じたS字形一方向の流
路を上向きに形成するように互いに実質的に平行関係に
配置される。該S字形流路の設置によって、機械的撹拌
の目的を達成する水体の逆流が形成される。該導電性板
はタンク底部に垂直にして右方向(rightwar
d)形または波形となるように配置すべきでないことに
注意されたい。このことは、水の電解によって発生する
水素および酸素のバブルが該波形の頂部に蓄積して、該
水体の流れを妨害しやすいからである。
【0017】該導電性板の少なくも2個は、正および負
の電源にそれぞれ連結してアノードおよびカソードとし
て役立つようにする。また交互に配置された多数対のカ
ソードおよびアノードの配置を選択することもできる。
電源に連結されない導電性板の数は実際的な要求性に依
存する。各対のカソードおよびアノードの間の電源に連
結されていない導電性板の数は、同じかまたは相違して
もよい。連結されていない該導電性板の存在は、不純物
粒子の凝固を改善するためのものである。しかしこの作
用の機構は現在まで不明である。導電性板自体上の微細
な電界の生成によるエネルギー移行の改善に、該機構が
関連し得るものと推測される。
【0018】該導電性板は、電源に連結してアノードお
よびカソードの役割をするものを含めて、従来のすべて
の導電性材料にて、そして好ましくは1.59〜130
0μΩcmの範囲の抵抗値を有する導電性材料にて製造
し得る。該導電性材料の例としては、Fe、Al、A
g、Cu、Au、Zn、Cd,Pt、Sn、Cr、S
b、TiおよびMn等の金属:アズライト(ラン銅
鉱)、チャルコピライト(黄銅鉱)、ステンレス鋼、ア
ルフェロンおよびクロメル等の合金:およびグラファイ
ト等の非金属材料が含まれる。
【0019】本発明に従って、カソードおよびアノード
に電圧が適用されて該電極間に0.5mV/cm〜10
00V/cmの範囲の強度を有する電界を形成し、そし
てこれによって水体中の不純物が容易に分極され次いで
凝固する。好ましい電界の強度は0.1〜1000V/
cmの範囲である。該電界下に水の分子の電界が生起し
やすい。水の分子の電界中に発生する水素および酸素の
バブルは、不純物と結合して該不純物の浮遊を促進し、
そして更に該不純物の除去を促進する。
【0020】本発明によれば、S字形の流路を通る水体
の流速は、一般的に0.1〜3.87m/秒である。工
程用タンク中の導電性板の特定の配置による電界によっ
て分極された不純物間の衝突の機会は、本発明によって
増大される。従って該不純物は非常に短い時間にて凝固
して群集を形成する。該工程用タンク中で処理される水
体の、滞留時間は一般的に1分間未満であり、従来の電
解コロイド浮遊/除去方法における滞留時間(約30分
間)と比較してこれは非常に短い時間である。従って本
発明は少しだけ電気エネルギーを消費する。本発明の方
法にて消費される電気エネルギーは、従来の電解コロイ
ド浮遊/除去法の消費量の1%〜0.1%である。
【0021】水体が液状である限り、本発明は該水体の
温度および圧力を特定的に要求しない。
【0022】水体が該電気化学工程用タンクを通過した
直後に該水体のpH値を特定の値に調節すると、電界に
よって誘導される分極機能によって形成された凝固不純
物は、該水面に迅速に浮遊することを本発明者は見出し
た。これに反して長く放置した後に水体のpH値を調節
しても、凝固不純物の浮遊現象は生起しないであろう。
【0023】上記の現象の実際の理由は充分に解明され
ていないが、該現象はエネルギーの移行と関連し得るも
のと信じられる。換言すれば、該水体が電界を通過する
と、水体の分子は該電界のエネルギーを吸収して励起状
態となる。適当なpH値の条件下に該分子は即時にエネ
ルギーを放出して一部分の水を蒸発させ、該不純物と共
に水面に浮遊する。電界にて処理された水体を長時間放
置すると、該エネルギーは次第に熱の形で放出されるで
あろう。この時点でpH値を調節しても水分子を蒸発さ
せるエネルギーは充分になく、該不純物は浮遊せずに沈
降するであろう。
【0024】凝固不純物の浮遊によって該不純物は一そ
う容易に分離される。従って本発明の好ましい態様にお
いて、該不純物の浮遊および除去を促進するために、水
体が電気化学工程用タンクを通過した直後に該水体のp
H値を適当な値に調節する工程を本発明の方法は更に包
含する。適当なpH値は処理される水体中の不純物の種
類に主に依存する。当案者は若干の試験によって、適当
な該pH値を困難なく決定することができる。
【0025】更に必要に応じて、電気化学的に処理した
水体に凝固剤および安定剤を添加して、該不純物の凝固
を促進して一そう除去され易い大きな群集を形成し得
る。電気化学的に処理された水体中の凝固不純物は、一
般的に浮遊リムーバーによって除去される。
【0026】また本発明によって、実質的に密閉した工
程用タンクを含有する水体の連続処理用装置が提供され
る。該タンクの頂部および底部に水の出口および水の入
口がそれぞれ配置されており、該タンクの内部空間中に
3個以上の導電性板がタンク底部に実質的に平行関係に
そして該工程用タンク中に実質的に閉じたS字形の一方
向の流路を上向きに形成するように互いに実質的に平行
関係に配置されている。ここに該導電性板は、1.59
〜1300μΩcmの範囲の抵抗値を有する導電性材料
にて構成され、そして該導電性板はそれぞれ正および負
の電源に電気的に連結されており、アノードおよびカソ
ードとして役立つ。
【0027】また本発明は水体を連続的に処理するシス
テムを提供する。該システムは、次の電気化学的処理の
効果を改善するために、処理水体のpH値、導電性およ
び添加された触媒を調節する前処理用器具:該水体中の
不純物の凝固を促進しそして該水体から該不純物を容易
に分離するのに該不純物のためにエネルギーを提供す
る、該前処理用器具に連結された電気化学的器具;電気
化学的に処理された該水体のpH値を調節しそして必要
に応じて該電気化学的器具に凝固剤および安定剤を添加
する、該電気化学的器具に連結された後処理用器具;お
よび水から不純物を分離するための、該後処理用器具に
連結された浮遊リムーバー;を含む。該システムは、該
電気化学的器具が実質的に密閉された工程用タンクを含
むことを特徴とする。ここに後工程用タンクの頂部およ
び底部に水の出口および水の入口がそれぞれ配置されて
おり;そして該工程用タンクの内部空間中に3個以上の
導電性板が、該工程用タンク中に実質的に閉じたS字形
の一方向の流路を上向きに形成するように、該タンク底
部に実質的に平行関係にそして互いに実質的に平行関係
に配置されている。ここに該導電性板は、1.59〜1
300μΩcmの範囲の抵抗値を有する導電性材料製で
あり、そして少なくとも2個の該導電性板は正おり負の
電源にそれぞれ電気的に連結されており、アノードおよ
びカソードとして役立つ。
【0028】本発明の装置およびシステムの好ましい態
様を添付図面を参照して以下に明示する。
【0029】図3および4は本発明の装置の第一の好ま
しい態様を示す正面および側面の断面図である。該装置
は密閉したタンクである工程用タンクを含み、そして該
タンクの一端部の表面は開閉可能なタンクの扉(図1の
正面図に設置されているが図示されていない)である。
後退したスライド路10が該タンク1の両側上に設備さ
れている。また該タンクは、タンクの底部に連通してい
る水の入口に連結された加圧ポンプ11を含む。水の出
口13が該タンク1の頂部に配置され、そしてそこに流
れ調節バルブ14が設備されている。アノード板2がタ
ンク1の内側の頂部に設置されており、そして電力ケー
ブルに外部連結されている。カソード板3がタンクの内
側の底部に設置されており、そして電力ケーブルに外部
連結されている。導電性板4がアノード板2とカソード
板3との間の空間に設置されており、ここに処理された
液が通過する。図4に示すように、該導電性板は該スラ
イド路10中に該板の二側部を配置して取りつけられ
る。該導電性板4はその平面のすべてを占めることな
く、処理された液がそこを通って流れるように空地面4
1が残されている。該カソードおよびアノードに電圧を
付与して電界を発生させると、該導電性板4は電界の電
気化学的機能を向上させて、不純物粒子の凝固を促進す
る。
【0030】図5は浮遊リムーバーの断面図を示す。電
気化学的工程用タンクで処理された水体は、浮遊リムー
バーによって分離できる。
【0031】該リムーバーは上部シリンダー5を含み、
水の入口51が該シリンダー体上に配置され、そして工
程用タンクの水の出口に連結されている。オーバーフロ
ー回収器52に該上部シリンダー5の開口部53が連通
するように、オーバーフロー回収器52が該シリンダー
の上方部分上に配置されている。該オーバーフロー回収
器52はその上に排出管54を更に有する。その上にモ
ーター553にて駆動されるスクレーパー551を含む
スクレーパ器具55、および該オーバーフロー回収器5
2をカバーするカバー552が配置されている。上部シ
リンダー5の下に延長シリンダー56を連結することが
でき、そのシリンダー体は部分的に透明であり得る。基
部シリンダー57が、該シリンダー56の下に連結され
るか、または延長シリンダー56が不要の場合には上部
シリンダー5の下に直接に連結される。該基部シリンダ
ーのシリンダ−体も部分的に透明であることができる。
基部シリンダー57の排出管571もその上に流れ調節
バルブ572を有する。該上部シリンダー5、延長シリ
ンダー56および基部シリンダー57は組合わされて、
浮遊リムーバータンクを形成する。
【0032】図6は本発明の装置の第二の好ましい態様
を示す側面の断面図である。該装置は、アノード板とカ
ソード板との間に複数個の導電性板4が設置されてお
り、より良好な性能を達成することを特徴とする。該導
電性板は実質的に閉じたS字形の一方向の流路を形成す
るように、該工程用タンク中に設置される。未処理の水
体が流動性液体状を保持する条件にて、未処理水がタン
クの底部から導入され、そして実質的にS字形の一方向
流路を通って該工程用タンクの頂部から流出する。アノ
ードおよびカソードに所定の電圧を付与して、該カソー
ドとアノードとの間の空間に所定の強度を有する電界を
発生させる。該電界によって、未処理水中の不純物の分
極が生じ、不純物にエネルギーを吸収させそして該導電
性板の触媒効果を誘起させて、該不純物粒子の凝固を向
上させる。一方では未処理の水は閉じたS字形流路を通
って機械的および磁気的撹拌を受けて流れ、該不純物を
液体から分離される群集に凝固させる。
【0033】上記に開示した装置による本発明の操作工
程を以下に要約する。 1)加圧ポンプ11によって未処理の水体を工程用タン
ク1中に連続的にポンプ輸送する。工程用タンク1中の
該水体の圧力は、流れ調節バルブ14によって良好に調
節される。 2)必要に応じて、電極の極性を交互に変化させるため
に適当な回路を使用することができる。交互の極性交換
サイクルは、該回路中にタイム時計をセットして適当な
範囲内にて調節し得る。 3)電力を付与しそして該水体を処理する。該水体を能
率的に処理するのに必要な時間は、実験結果によれば非
常に短い。 4)該処理用タンクから排出された水体を浮遊リムーバ
ー中に導入する。該サスペンジョンが水から充分に分離
された際に、流れ調節バルブ572を開き、該水体を抜
きとる。該水体の排出速度は、該サスペンジョンが上部
のオーバーフロー回収器から脱水されるように調節する
必要がある。 5)オーバーフローしたサスペンジョンは、フィルター
またはマッドスピン等の器具によって更に処理できる。
【0034】従って工程用タンクの水出口に設置された
流れ調節バルブ14を用いて水の流出速度を調節し、そ
して浮遊リムーバーの水出口に設置されたバルブ572
を用いて水の流出速度を調節して、浮遊/除去速度およ
び排出速度を平衡させることによって、連続的浮遊/除
去操作の目的が達成できる。
【0035】図7は本発明のシステムの好ましい態様を
示す略図である。処理される水体71は、前処理用器具
A、電気化学的器具B、後処理用器具Cおよび浮遊リム
ーバーDを順に通過して、浄化された排出可能な水とな
る。数字73はマッドを示す。該前処理用器具Aは、導
電剤タンクA1、触媒タンクA2、酸タンクA3および
塩基タンクA4を含む。続く電気化学的処理を良好に達
成するために、該水体を適当なpH値および導電性に調
節する。該電気化学的器具Bは電気供給源Nに連結され
る。その内部構造を図6に示す。該電気化学的器具B
は、不純物粒子の粒径を大きくしそして該不純物にエネ
ルギーを供給して、水から該不純物が容易に分離される
ようにする。該後処理用器具Cは、該不純物の浮遊除去
前に水の性質を調節するための凝固剤タンクC1、安定
剤タンクC2、酸タンクC3および塩基タンクC4を含
む。該浮遊リムーバーDは、該不純物が吸収したエネル
ギーおよび必要に応じて供給される追加的なバルブを利
用して、水から不純物を容易に分離させる。
【0036】下記の例によって本発明を更に記述する。
これらの例において特に指示しない限り、導電性板米の
用語は電力源に連結されていない導電性板を意味し、そ
して電力源に連結されている導電性板は電極板という。
【0037】本発明を、以下の実施例に基づいてさらに
説明する。これらの実施例において、特に指摘しない限
りは、導電板とは、電源に接続されていない導電板を意
味し、電源に接続された導電板は、電極板と称する。
【0038】
【実施例】実施例1 :ラテックスについての実験 (1)被験水体:純水に、天然ラテックスを1000m
g/lの濃度になるように加える。pH値を、硫酸を用
いて約2に調整する。導電率を、NaClを用いて80
0μs/cmに調整する。水体のCOD値は約1000
mg/1〜15001mg/l、鮮明度は<5cm,温
度は20〜30℃である。 (2)実験機器: 電源:電圧出力500V,電流出力30AのDC電源 反応槽:平行に間隔をあけ、地面に対して平行な2枚の
電極板と8枚の導電板を設け、それぞれは、幅3.5c
m、長さ13cm、厚み0.2cmの同寸法であり、電
極板の間隔は10.6cm、8枚の導電板は、電極板の
間に等間隔で配置されており、電極板と導電板は鉄から
作製されており、電源のアノードは上部電極板に接続
し、電源のカソードは下部電極板に接続している(また
は、電源のカソードは上部電極板に接続し、電源のアノ
ードは下部電極板に接続している)。反応槽は、水体を
上方に流してS字形の流路を形成する密閉容器に収納す
る。ポンプ及びモータ:1cc〜1000cc/min
の水体を、連続的にしかも可変的にポンピングできるも
の。 (3)実験手順:水体を、電極板と導電板との空間を通
して上方にS字形の流路状に導入する。電源を入れ、電
圧を設定して電界を調整する。装置がウオームアップ状
態であるために、最初の5分間に収集した処理水は無視
する。定常状態で得た処理水をサンプリングする。 (4)操作条件: 電界強度:3V/cm 圧力:常圧 流量:455cc/min 槽内圧:<2kg/cm 温度:25℃ (5)実験結果:水体は、濁った状態であり、そのpH
値は、約4〜5である。水体を容器に入れ、暫く放置す
ると、水体が、上下に移動することが判る。NaOH溶
液を用いて、pH値を約8.0に調整すると、水体中の
不純物は1分以内にクラスター状に凝固し、水表面に浮
き上がる。下の水は透明でしかも清澄である。COD分
析のために、清澄な水をサンプリングする。その結果、
COD値は200mg/l未満である。鮮明度分析のた
めに、清澄な水をサンプリングする。その結果、鮮明度
は30cmを超える。30分間、水体を放置した後、p
H値を約8.0に調整すると、不純物は沈降する。
【0039】実施例2 本実施例は、水処理に於ける電気強度、水体の流量、導
電率、pH値、温度と圧力、および電極と導電板の材料
との組み合わせの効果を示す。
【0040】被験水体の組成: 1.材料: (I)超純水:半導体産業で使用され、導電率が1μs
/cmの超純水 (2)電解質:99.9%NaCl (3)酸性化試薬:99.9%HSO (4)塩基性化試薬:99.9%NaOH (5)不純物A:インキ、商標: (6)不純物B:No.36クロームイエローポスター
カラー、商標:OSAMA (7)不純物C:半導体ウェファーの粉砕物で、粒度が
1μm未満のシリコン粉末 2.配合手順: (1)一定量の超純水を計量し、計量した水を、清澄な
容器に注入する。 (2)適量の不純物を計量し、これ等不純物を水に加え
る。 (3)水にHSOまたはNaOHを加えて、pH値
を調整する。 (4)水にNaClを加えて、導電率を調整する。 (5)かかる水を、No.5ろ紙を用いてろ過したとこ
ろ、ろ液の鮮明度は5cm未満である。 3.水質指標(鮮明度):水体中の不純物の量を示す指
標は、不純物濃度、懸濁固体濃度、濁度、色、COD、
BOD、鮮明度等である。比較と記載を容易にするため
に、この実験では、鮮明度を、水質の指標として採用す
る。単位は、センチメートルである。 4.被処理水試料の数値および性質:
【0041】
【表1】
【0042】実験機器: 1.基本機器: (1)電源:0〜500Vの加減電圧、最高電流出力3
0AのDC電源 (2)ポンプとモータ:1分間当たり、1cc〜100
ccの可変ポンプ量: (3)反応槽設備:電極板と導電板を平行に配し、電極
板の間に、等しい間隔にしかも地面に対して平行に導電
板を設置し、電源のアノードを上部電極板に、また電源
のカソードを下部電極板に接続し(又は、アノードを下
部電極板に、カソードを上部電極板に接続し)、槽を絶
縁密閉容器に収納し、水体を上方に流してS字形の流路
を形成するように設計。 (4)電極板と導電板の寸法:長さ13cm、幅3c
m、厚み0.2cm (5)エア・コンプレサ:110kg/cmまでの圧
力 2.反応槽のタイブ:
【0043】
【表2】 備考: (1)ラン銅鉱:95%Cu、5%Zn (2)黄銅鉱:70%Cu、30%Zn (3)ステンレス:74%Fe、18%Cr、8%Ni (4)アルフェロン:82.25%Fe、14.25%
Cr、3.5%Al (5)クロメル:50%Fe、30%Ni、20%Cr (6)Ro反応槽の流路の断面積:1.5cm (7)他の反応槽の流路の断面積:3cm
【0044】実験データと結果: 1.電界の強度についての実験:
【0045】
【表3】 備考: (1)水温:25℃ (2)水体の流量:F=4.32cm/sec (3)水圧:<2kg/cm
【0046】上記表より、0.1V/cm〜1000V
/cmの範囲の強度を有する電界での供試体の処理によ
って、満足し得る効果が達成されることが判る。
【0047】2.水体の流量についての実験:
【0048】
【表4】 備考: (1)水温:25℃ (2)電界強度:15V/cm (3)水圧:<2kg/cm
【0049】上記表より、0〜3.8m/secの範囲
の流量を有する供試体の処理によって、満足し得る効果
が達成されることが判る。
【0050】3.水体の導電率についての実験:
【0051】
【表5】 備考: (1)水温:25℃ (2)水体の流量:4.32cm/sec (3)電界強度: Run19、20、21:250V/cm Run22、23、24:15V/cm Run25、26、27:1V/cm (4)水圧:<2kg/cm
【0052】上記表より、0.98μs/cm〜254
μs/cmの範囲の導電率を有する供試体の処理によっ
て、満足し得る効果が達成されることが判る。
【0053】4.水体のpH値についての実験:
【0054】
【表6】 備考: (1)水温:25℃ (2)水体の流量:4.32cm/sec (3)電界強度:15V/cm (4)水圧:<2kg/cm
【0055】上記表より、0〜14の範囲のpH値を有
する供試体の処理によって、満足し得る効果が達成され
ることが判る。
【0056】5.水体の温度についての実験:
【0057】
【表7】 備考: (1)水体の流量:F=4.32cm/sec (2)電界強度:E=15V/cm (3)水圧:<2kg/cm
【0058】上記表より、0℃〜100℃の範囲の温度
を有する供試体の処理によって、満足し得る効果が達成
されることが判る。即ち、水体は、それが水相である限
り、首尾よく処理することができる。
【0059】6.水体の圧力についての実験:
【0060】
【表8】 備考: (1)水温:25℃ (2)電界強度:E=15V/cm (3)水体の流量: Run46、47、48:6cm/sec Run49〜54:0cm/sec
【0061】通常の水圧下のRun1〜45と上記表よ
り、通常値〜50kg/cmの範囲の圧力を有する供
試体の処理によって、満足し得る効果が達成されること
が判る。即ち、水体は、それが水相である限り、首尾よ
く処理することができる。
【0062】7.電極板と導電板を形成する材料の抵抗
率についての実験: A.金属元素:
【0063】
【表9】 備考: (1)水体の流量:F=4.32cm/sec (2)電界強度:E=15V/cm (3)水圧:<2kg/cm (4)水温:25℃ (5)Runステップ:A
【0064】上記表より、1.59μΩ・cm〜185
μΩ・cmの範囲の抵抗率を有する材料から作製された
電極板および導電板を採用することによって、満足し得
る効果が達成されることが判る。
【0065】B.合金:
【0066】
【表10】 備考: (1)水体の流量:F=4.32cm/sec (2)電界強度:E=15V/cm (3)水圧:<2kg/cm (4)水温:25℃ (5)Runステップ:A
【0067】上記表より、電極板および導電板が、2種
またはそれ以上の種類の金属から成る合金から作製され
る場合、水体に関する処理効果も満足し得るものである
ことが判る。
【0068】C.非金属元素:
【0069】
【表11】 備考: (1)水体の流量:F=4.32cm/sec (2)電界強度:E=15V/cm (3)水圧:<2kg/cm (4)水温:25℃ (5)Runステップ:A
【0070】上記表より、電極板および導電板が、非金
属元素から作製される場合、水体に関する処理効果が、
非常に優れていることが判る。特筆すべきは、抵抗率が
1300μΩ・cmであっても、優れた処理効果が達成
されることである。
【0071】D.混合材料:
【0072】
【表12】 備考: (1)水体の流量:F=4.32cm/sec (2)電界強度:E=15V/cm (3)水圧:<2kg/cm (4)水温:25℃ (5)Runステップ:A
【0073】上記表より、電極板および導電板が、2種
またはそれ以上の種類の金属から成る混合材料から作製
される場合、水体に関する処理効果も満足し得るもので
あることが判る。
【0074】8.多重電極板および多重導電板について
の実験:発明者等は、択一的に正電荷と負電荷を運ぶ複
数の電極板を備えた反応槽を設置し、水処理に関する多
重電極板および多重導電板の効果を研究するために、電
極板の間に種々の導電板を挿入する。実験結果を、以下
に示す。
【0075】
【表13】 備考: (1)水圧:F<2kg/cm (2)水温:25℃ (3)水体の流量:F=4.32cm/sec
【0076】上記表より、種々の水体を処理した時、2
枚またはそれ以上を並列に配置した電極板を用い、2個
の電極の間に0〜数枚の導電板を装備することによっ
て、電界強度の適当な制御下、満足し得る効果が達成さ
れることが判る。
【0077】実施例3 本実施例は、染色廃水(A)、(B)とパルプ(C)、
(D)に関する処理を示す。処理条件と処理前後の水体
の性質を、表14に示す。
【0078】
【表14】 備考: (1)水体の処理時間:1分 (2)処理圧:200cmHO (3)電極:ステンレス#304 (4)導電板の面積:120in
【0079】実施例4 本実施例は、本発明方法が、電気を節約することができ
ることを示す。
【0080】本発明に適用される電気エネルギーの操作
は、以下のものを含む: (1)水体をポンピングするためのポンプを加圧するた
めの電力の供給 (2)不純物の分極を誘導するための電極のためのバイ
アスの供給
【0081】不純物の分極の誘導に必要な電気エネルギ
ーのために、廃水処理の際、相当量のエネルギーを節約
することができる。表15は、キッチン廃水を処理する
ために、国立Jiao−Tong大学内の食堂に設置さ
れた組み込み装置のエネルギー消費の状態を示す。
【0082】
【表15】 備考: 操作条件は、次の通りである。 電圧:170V 電界強度:8.5V/cm 電極材料:白金で覆われたチタン板 導電板の枚数:30 流路:18m 導電板の材料:鉄 未処理の水の鮮明度:<6cm(例E〜H) 処理した水の鮮明度:>30cm(例E〜H)
【0083】上記表は、廃水1トンを処理するために消
費される電気エネルギーが、0.15度よりも小さいこ
と示しており、このことは、如何なる従来法よりも経済
的であることを示している。
【0084】実施例5 本実施例は、Jin−Lun Automobile
Industry Co., Ltd.で使用されてい
る本発明装置の操作結果を示す。
【0085】Jin−Lun Automobile
Industry Co.,Ltd.は、機械製品加工
工場である。工場内で発生した廃水は、ヂーゼルオイ
ル、ドレッシングオイル、錆止め油、鉄イオンやキッチ
ン廃水を含む混合廃水である。未処理水および本発明に
よって処理された水の性質を、表16に示す(処理時
間:1分)。
【0086】
【表16】 備考: 1.操作条件は、次の通りである。 電圧:170V 電界強度:8.5V/cm 電極材料:白金で覆われたチタン板 導電板の枚数:30 流路:18m 処理能力:2m/hr 2.サンプリング並びに検査組織は、中華民国の環境保
護庁に承認された検査会社であり、会社名と承認数は、
次の通りである。
【0087】表16のデータから、本発明の装置は、短
時間に、廃水の不純物除去率を99%以上にすることが
判る。さらに、COD値が80,000以上にも達し、
懸濁固体含有量が、30,000にも達する水体を、直
接処理することができる。これらの結果は、従来法では
得ることができない。
【0088】長期に亘る検査の後、この会社における廃
水処理のための平均電気消費量は、0.12kwh/t
on−廃水である。比エネルギー消費量(Es)は、下
記の方程式に従って、計算することができる。 Es=入力電気エネルギー/COD除去量=(0.2k
wh/ton)/((85300−29.7)mg/
l)=(0.2kwh×10−3L)/(85270.
3mg/1×10−6kg/ml)=0.023kwh
/kg−COD
【0089】本発明に係る比エネルギー消費量は、前述
のLee教授およびYan教授によって提案された連続
電解コロイド浮遊除去法のそれの1%〜0.1%であ
る。
【0090】さらに、S字形の流路には、汚染物の付着
が殆ど起こらず、長期に亘る使用後にも、電極を何等損
傷するものではない。
【0091】実施例6 2枚の電極の間に種々のバイアスをかけることによっ
て、不純物に種々の電界をかける処理結果を、表17に
示す。表17から、電界強度を0.5mV/cmまで落
とすと、COD除去率が5%未満に下がり、もはや実用
的でないことが判る。
【0092】
【表17】 備考: 1.電界強度=バイアス/電極間距離 2.電極間距離:20cm 3.導電板の枚数:30 4.流路:600cm 5.流量:10cm/min 6.pH値:7.66 7.未処理水COD:2560mg/l 8.導電率:175×10μs/cm 9.廃水源: 10.電極材料:白金で覆われたチタン板 11.導電板を形成する材料:鉄
【0093】実施例7 本実施例は、処理結果に関して、流量の効果についての
研究に焦点を当てたものである。表18から、流量が、
3.89m/secであっても、COD除去率が、3
7.69%にまでも及ぶことが判る。それ故、表4と表
5から、流量が、10cm/min〜3.89m/se
cの条件下に、満足し得る結果を得ることができるもの
と結論される。
【0094】
【表18】 備考: 1.流量=処理水の量(m)/S字形の流路の断面積 2.電極間距離:20cm 3.導電板の枚数:30 4.流路:1800cm 5.電界強度:8.5V/cm 6.pH値:6.2 7.未処理水のCOD:650mg/l 8.導電率:1935μs/cm 9.廃水源:Jiao−Tong大学内の食堂 10.電極を形成する材料:白金で覆われたチタン板 11.導電板を形成する材料:鉄
【0095】実施例8 本実施例は、大腸菌群を除去するために用いる本発明の
効果を示す。
【0096】
【表19】 備考: 操作条件は、次の通りである。 電圧:170V 電界強度:8.5V/cm 電極材料:白金で覆われたチタン板 導電板の枚数:30(材料:鉄) 流路:18m pH値:6.7 導電率:780μs/cm 処理能力:2m/hr
【0097】実施例9 本実施例は、水体におけるBODの減少に関する本発明
の効果に関する。表20を参照。
【0098】水中の脂肪、大腸菌群および他の生物体は
自身のBODを有するので、脂肪、大腸菌群および他の
生物体を除去した後、水中のBODは減少する。
【0099】
【表20】 備考: 操作条件は、次の通りである。 電圧:170V 電界強度:8.5V/cm 電極材料:白金で覆われたチタン板 導電板の枚数:30(材料:鉄) 流路:18m pH値:7.0 導電率:560μs/cm 処理能力:2m/hr
【図面の簡単な説明】
【図1】電界の分極機能を示す概略図である。
【図2】顕微鏡的乱流現象を伴う不純物の水平方向移動
を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の好ましい様態の正面の断面図で
ある。
【図4】本発明の第1の好ましい様態の側面の断面図で
ある。
【図5】フローテイングリムーバの断面図である。
【図6】本発明の第2の好ましい様態の側面の断面図で
ある。
【図7】本発明の系の好ましい様態を示す。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水体の連続処理方法であって、実質的に
    密閉した工程用タンクを使用する工程を含むものであ
    り、その頂部および底部に水の出口および水の入口がそ
    れぞれ配置されており、そしてその内部空間には該タン
    クの底部に実質的に平行関係にありそして該工程用タン
    ク中に実質的に閉じたS字形の一方向の流路を上向きに
    形成するように互いに実質的に平行関係にある3個以上
    の導電性板が配置されており、こゝに該導電性板は1.
    59μΩcmないし1300μΩcmの範囲の抵抗を有
    する導電性材料製であり、そして該導電性板の少なくと
    も2個はアノードおよびカソードとして作用するように
    正および負の電源にそれぞれ電気的に連結されており、
    こゝに処理される水体は上記の水の入口から該工程用タ
    ンク中に導入され、該S字形の一方向の流路を通って上
    方向に流れ、そして次に上記の水の出口を通って該工程
    用タンクから排出され、こゝに該カソードおよびアノー
    ドに電圧が適用されて該流路中に該水体が流れる間、
    0.5mV/cmないし1000V/cmの範囲の強度
    を有する電界を生起させ、これによって該水体中の不純
    物を分極および凝固させて該凝固不純物を除去すること
    を特徴とする、上記の水体の連続処理方法。
  2. 【請求項2】 上記の凝固不純物が浮遊リムーバーによ
    って除去される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該水体が該工程用タンクから流出した直
    後に、該凝固不純物が上方に浮遊するように該水体を調
    整する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該工程用タンク内に設置された該導電性
    板が同じ又は異なる材料から製造されている、請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 複数の対の電極板が該工程用タンク内
    に、カソードとアノードとが交互になるように配置さ
    れ、該複数対のの該電極板の間に、電源に連結されてい
    ない同じ数又は異なる数の導電性板を設けることができ
    る、請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 該S字形流路中の該水体の流速が0.1
    m/秒ないし3.89m/秒の範囲にある、請求項1な
    いし4のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 該電界の強度が0.1V/cmないし1
    000V/cmである、請求項1ないし4のいずれか1
    項記載の方法。
  8. 【請求項8】 該電極の極性が1ないし60分毎に交替
    されるので、該導電性板の二つの表面が平等に作用す
    る、請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 水体の連続処理用装置であって、実質的
    に密閉した工程用タンクを使用するものであり、その頂
    部および底部に水の出口および水の入口がそれぞれ配置
    されており、そしてその内部空間には該タンクの底部に
    実質的に平行関係にありそして該工程用タンク中に実質
    的に閉じたS字形の一方向の流路を上向きに形成するよ
    うに互いに実質的に平行関係にある3個以上の導電性板
    が配置されており、こゝに該導電性板は1.59μΩc
    mないし1300μΩcmの範囲の抵抗を有する導電性
    材料製であり、そして該導電性板の少なくとも2個はア
    ノードおよびカソードとして作用するように正および負
    の電源にそれぞれ電気的に連結されている、上記の水体
    の連続処理用装置。
  10. 【請求項10】 該工程用タンク内に設置された該導電
    性板が同じ又は異なる材料から製造されている、請求項
    9記載の装置。
  11. 【請求項11】 複数の対の電極板が該工程用タンク内
    に、カソードとアノードとが交互になるように配置さ
    れ、該複数の対の該電極板の間に、電源に連結されてい
    ない同じ数又は異なる数の導電性板を設けることができ
    る、請求項9記載の装置。
  12. 【請求項12】 該工程用タンクの両方の内部表面上に
    スライド路が設けられ、これにより該導電性板が該スラ
    イド路内にスライドして該工程用タンクに固定される、
    請求項9記載の装置。
  13. 【請求項13】 該工程用タンクの該水の入口に加圧用
    ポンプが設けられ、そして流れ制御弁が該水の出口に設
    けられている、請求項9記載の装置。
  14. 【請求項14】 次の電気化学的処理の効果を改善する
    ために、処理水体のpH値、導電性および添加された触
    媒を調節する前処理用器具;該水体中の不純物の凝固を
    促進しそして該水体から該不純物を容易に分離するのに
    該不純物のためにエネルギーを提供する、該前処理用器
    具に連結された電気化学的器具;電気化学的に処理され
    た該水体のpH値を調節しそして必要に応じて該電気化
    学的器具に凝固剤および安定剤を添加する、該電気化学
    的器具に連結された後処理用器具;水から不純物を分離
    するための、該後処理用器具に連結された浮遊リムーバ
    ー:を含む、水体の連結処理用システムにおいて:該電
    気化学的器具が実質的に密閉された工程用タンクを含
    み、 こゝに該工程用タンクの頂部および底部に水の出日およ
    び水の入口がそれぞれ配置されており、そして該工程用
    タンクの内部空間中に3個以上の導電性板が、該工程用
    タンク中に実質的に閉じたS字形の一方向の流路を上向
    きに形成するように、該タンク底部に実質的に平行関係
    にそして互いに実質的に平行関係に配置されており、こ
    ゝに該導電性板は、1.59μΩcmないし1300μ
    Ωcmの範囲の抵抗値を有する導電性材料製であり、そ
    して少なくとも2個の該導電性板は正および負の電源に
    それぞれ電気的に連結されており、アノードおよびカソ
    ードとして役立つこと、を特徴とする上記の水体の連結
    処理用システム。
JP9164096A 1996-03-08 1996-03-08 水体の連続処理方法および装置 Pending JPH09239372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9164096A JPH09239372A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 水体の連続処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9164096A JPH09239372A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 水体の連続処理方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09239372A true JPH09239372A (ja) 1997-09-16

Family

ID=14032134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9164096A Pending JPH09239372A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 水体の連続処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09239372A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119972A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Keisoku Kenkyusho:Kk 固液分離装置及びそれを用いた水中分解式有機廃棄物処理システム
JP2011230006A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Gifu Univ 液体中分散微粒子の凝集方法
JP2014079743A (ja) * 2012-09-26 2014-05-08 Shibaura Mechatronics Corp 液体処理装置及び液体処理方法
CN117446924A (zh) * 2023-12-14 2024-01-26 沧州安沃特科技有限公司 一种环保型电化学污水处理设备

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5748992A (en) * 1980-07-16 1982-03-20 Union Carbide Corp Novel phosphorus ester of cyanohydrin
JPS6274487A (ja) * 1985-09-27 1987-04-06 Showa Koki Kk 水中のケイ酸を除去する方法
JPH07155767A (ja) * 1993-12-02 1995-06-20 Akira Sugawara 電解に依る水質浄化方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5748992A (en) * 1980-07-16 1982-03-20 Union Carbide Corp Novel phosphorus ester of cyanohydrin
JPS6274487A (ja) * 1985-09-27 1987-04-06 Showa Koki Kk 水中のケイ酸を除去する方法
JPH07155767A (ja) * 1993-12-02 1995-06-20 Akira Sugawara 電解に依る水質浄化方法及び装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119972A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Keisoku Kenkyusho:Kk 固液分離装置及びそれを用いた水中分解式有機廃棄物処理システム
JP2011230006A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Gifu Univ 液体中分散微粒子の凝集方法
JP2014079743A (ja) * 2012-09-26 2014-05-08 Shibaura Mechatronics Corp 液体処理装置及び液体処理方法
CN117446924A (zh) * 2023-12-14 2024-01-26 沧州安沃特科技有限公司 一种环保型电化学污水处理设备
CN117446924B (zh) * 2023-12-14 2024-04-19 沧州安沃特科技有限公司 一种环保型电化学污水处理设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5746904A (en) Method, apparatus and system for continuously treating water body
US5558755A (en) Method for removing contaminants from an aqueous medium
Al-Shannag et al. Heavy metal ions removal from metal plating wastewater using electrocoagulation: Kinetic study and process performance
Calvo et al. An electrocoagulation unit for the purification of soluble oil wastes of high COD
Jiang et al. Laboratory study of electro-coagulation–flotation for water treatment
Xu et al. Treatment of refectory oily wastewater by electro-coagulation process
US4367132A (en) Method for removing liquid from chemically-precipitated sludge
US5928493A (en) Process and apparatus for electrocoagulative treatment of industrial waste water
US4014766A (en) Electrolytic treatment of waste water
Mahajan et al. Treatment of hospital operation theatre effluent by electrocoagulation
CN202519115U (zh) 一种纳米催化电解絮凝气浮装置
Islam et al. Excessive turbidity removal from textile effluents using electrocoagulation technique
Shin et al. Combined performance of electrocoagulation and magnetic separation processes for treatment of dye wastewater
Shin et al. Performance evaluation of electrocoagulation and electrodewatering system for reduction of water content in sewage sludge
JPH09239372A (ja) 水体の連続処理方法および装置
Ni’am et al. Combined magnetic field and electrocoagulation process for suspended solid removal from wastewater
KR100220978B1 (ko) 물을 연속적으로 처리하기 위한 방법, 장치, 및 시스템
FI95234C (fi) Menetelmä ja laite vesiliuosten tai vastaavien puhdistamiseksi
AU2020378058A1 (en) Accelerated settlement of flocs after electrocoagulation/electrochemical process using ballasted flocculation
JP2546952B2 (ja) 廃水処理装置における電極構造
JP2003094062A (ja) 廃水の処理方法及び装置
Zaharia et al. ELECTROCOAGULATION/ELECTROFLOTATION--METHODS APPLIED FOR WASTEWATER TREATMENT.
Malkin Electrolytic Effluent Treatment.
JPH10277556A (ja) 凝集処理装置
Konduru et al. Performance of electrocoagulation process using iron and aluminum electrodes with and without perforations