JPH09237604A - スパッタイオンポンプ - Google Patents

スパッタイオンポンプ

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JPH09237604A
JPH09237604A JP34415596A JP34415596A JPH09237604A JP H09237604 A JPH09237604 A JP H09237604A JP 34415596 A JP34415596 A JP 34415596A JP 34415596 A JP34415596 A JP 34415596A JP H09237604 A JPH09237604 A JP H09237604A
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JP
Japan
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anode
ion pump
sputter ion
length
diameter
Prior art date
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Pending
Application number
JP34415596A
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English (en)
Inventor
Kokuka Chin
沈  国華
Nozomi Takagi
望 高木
Hisahiro Terasawa
寿浩 寺澤
Takeshi Kotani
剛 小谷
Hiroyuki Kanehara
浩之 金原
Katsuji Nakajima
克次 中嶋
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二つの陰極の間にマルチセルアノードを成す
陽極を配置したスパッタイオンポンプにおいて、陽極の
長さLと直径Dとの比をある範囲に特定して排気速度を
高めること。 【解決手段】 本発明の超高真空用のスパッタイオンポ
ンプは、陽極の長さをL、陽極の直径をDとする時、 を満たすように各陰極及び陽極を構成したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超高真空用のスパッ
タイオンポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来公知のスパッタイオンポンプは図8
に示すように二枚の陰極板C、Cの間に多数の中空円筒
状体を並置して形成したいわゆるマルチセルアノードと
呼ばれる陽極Aを配置し、ペニング放電を利用して陰極
板をスパッタし、活性面を生成し、この活性面にガス分
子を吸着したり埋め込み、或るいは陽極面に捕捉するな
どしてガスを排気するように構成されている。
【0003】マルチセルアノードを構成する陽極構造と
しては図示した中空円筒状体の他に多角形中空体や図9
に示すように複数枚の板部材を上下に重ね、各板部材に
それぞれ同心状に多数の穴を設け、各板部材を同電位に
保つようにしたものなども知られている。
【0004】現在のスパッタイオンポンプは1970年代に
研究開発され完成されたもので、当時のポンプの排気領
域は10-3Pa〜10-9Pa程度であり、超高真空排気を行う場
合には、スパッタイオンポンプとロータリポンプまたは
ソープションポンプとを組み合わせて用いていた。
【0005】その後、1990年代になると、ターボ分子ポ
ンプが普及するようになり、粗引はターボ分子ポンプに
より10-5Paまで引き、その後はスパッタイオンポンプで
排気する方法が主流となってきた。そしてスパッタイオ
ンポンプとしては、限界圧を下げること、すなわち10
-10Paまで排気できること及び10-7Pa〜10-9Pa領域で排
気速度が最大となることが要求されてきた。
【0006】限界圧を下げる方法としては従来、磁場の
強さ(B)と陽極の中空円筒の径(D)との積(B)×
(D)を増大させて陰極放射電子の電離衝突頻度を高め
ることが知られている(例えば雑誌“真空”第13巻第7
号 230頁参照)。
【0007】一方、 J. Vac. Sci. Technol., Vol.11,
No.6には、スパッタイオンポンプの排気速度は陽極の
長さ(L)と陽極の中空円筒の径(D)とに比例してい
ることが示されている。限界圧を下げるため、陽極の中
空円筒の径(D)を大きくすると、限られた磁場範囲に
陽極の中空円筒の介在数が減少し、この場合もポンプの
排気速度は低下することになる。一方、磁場空間が一定
である場合、陽極の長さ(L)を大きくすることも無理
である。従来の方法では限界圧力を下げるためには排気
速度を犠牲にしなければならない。
【0008】また J. Vac. Sci. Technol., Vol.11, N
o.6に開示されている論文では排気速度は陽極の有効長
さ(l+ 0.5δ)に比例すると発表されているが、本発
明者等が行った実験によれば、上記の経験式は圧力の低
い範囲では成立してないことが判った。特に圧力が10-5
Pa以下の時では排気速度は陽極の有効長さ(l+ 0.5
δ)に比例しないことが判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように図8に示す
ような従来のスパッタイオンポンプにおいては、限界圧
を下げようとして、陽極の中空円筒の径(D)を大きく
すると、限られた磁場範囲に陽極の中空円筒の介在数が
減少し、ポンプの排気速度が低下し、一方、磁場空間が
一定である場合、陽極の長さ(L)を大きくすることも
無理であるので、限界圧力を下げるためには排気速度を
犠牲にしなければならないという問題点があった。
【0010】そこで、本発明は、従来の技術の問題点を
解決して、限界圧力を下げることができると共に高い排
気速度を得ることができるスパッタイオンポンプを提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、二つの陰極の間に配置されるマルチセ
ルアノードを成す陽極の長さLと直径Dとの比をある範
囲に特定することによって、限界圧力を下げることがで
きるようにし、かつ高い排気速度を得るようにしてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、二つの陰極の間
にマルチセルアノードを成す陽極を配置したスパッタイ
オンポンプにおいて、陽極の長さをL、陽極の直径をD
とする時、 を満たすように各陰極及び陽極が構成される。
【0013】 を満たすように陽極の直径Dを大きくし、陽極の長さL
を短くすることにより、限界圧を下げることができ、か
つ排気速度を大きくすることができるようになる。すな
わち図6及び図7に示すように、陽極の長さLは短い方
が、排気速度は大きくなることが認められる。なお、圧
力が10-5Pa以上では、陽極の長さLが短い方は、排気速
度がやや低下するが、10-5Pa以上の圧力ではスパッタイ
オンポンプは実際問題としてほとんど使用されてなく、
ターボ分子ポンプが使用されている実状からして、本発
明によるスパッタイオンポンプは圧力の低い範囲で排気
速度の大きな特性をもつことになる。
【0014】また、設けられる陽極の数Nと陰極の数n
とは、n=N+1すなわち陰極の方が一つ多くなるよう
に設定され得る。
【0015】さらに、本発明においては、設けられる陰
極のうちの任意一つの陰極は、その裏と表の両面がスパ
ッタされるように構成され得る。
【0016】陽極の長さLが短くなるので、磁場空間が
一定であるとすると、その磁場の空間に設けられる陰極
の数を増やすことができ、しかも陰極の両面がスパッタ
される場合には排気速度は倍増することになる。
【0017】また、二層またはそれ以上の構造にするこ
とにより、高価なTi材料の陰極の数は一つ減ることに
なるので、ポンプ自体の製造コストを低減できるように
なる。
【0018】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明の実施例
について説明する。
【0019】図1には本発明の概念を示すスパッタイオ
ンポンプの要部を概略的に示し、二つの陰極板1とこれ
ら陰極板1間に配置された陽極2とから成っている。陽
極2は、多数の筒状体2aを並置してマルチセルアノー
ドとして構成されている。図示したように、陽極2の長
さをLとし、陽極2の直径をDとする時、 の関係が満たされるように、二つの陰極板1及び陽極2
は相互に位置決めされかつ寸法決めされる。
【0020】陽極2を構成している多数の筒状体2aの
各々は、図2のAに示す円形筒体、B及びCに示す多角
形筒体、Dに示す縦に割れ目の入った円形筒体等として
適当に実施することができる。
【0021】代りに、陽極2は、図3に示すように、網
状体を複数枚重ねて構成することもできる。
【0022】さらに図9の従来例のように、複数個の穴
をあけた板状部材を複数枚上下に重ねて陽極を構成する
こともでき、この場合には上下の各板状部材の各対応し
た穴は同じ軸線上に位置するようにされる。
【0023】図4には、多数の筒状体2aを並置してマ
ルチセルアノードとして構成した陽極2を二層にして、
各層の上下に陰極板1を配置した二層型構造に構成した
本発明の実施例を示す。この場合には二つの陽極2間に
配置された陰極板1は動作においてはその両面がスパッ
タされることになる。またこの場合には中間の陰極板1
は両陽極2に対して共通であるので、全体として使用す
る陰極板1の数を一つ減らすことができ、しかも陰極板
自体高価な材料から成っているので、コスト低減の面で
も有利である。
【0024】図5には、図4と同様に二層型に構成した
別の実施例を示し、この場合には各陽極2は多数の穴2
bをあけた三枚の板状部材を上下に重ねて構成されてお
り、上下の各板状部材の各対応した穴は同じ軸線上に位
置するように配列されている。
【0025】このように構成した本発明のスパッタイオ
ンポンプにおいては、上記のように の関係を満たすように各陰極及び陽極を構成することに
より、陽極2の直径Dは大きくなり、陽極の長さLは短
くなるので、限界圧を下げると共に排気速度を大きくす
ることができるようになる。
【0026】一方、陽極の長さLが短くなると、磁場と
電場で拘束された電子は陽極2中だけでなく、各陰極1
と陽極2との間の隙間に広がり、そしてこれらの隙間の
電圧は陽極2より低いので、電場の拘束能力は弱く、し
かも磁場は比較的強くしているためこれらの隙間に電子
雲が広がり、電子雲の体積が大きくなる。すなわち陽極
2の両端面から電子雲が溢れでてくる。その結果、イオ
ン化能率が向上することになる。こうして隙間に大きく
成長した電子雲によりイオン化されたガス分子は磁場の
作用により各陰極1に垂直にではなく斜めに入射し、そ
れにより陰極に対するスパッタ効率が高くなり、結果と
して排気速度が大きくなる。
【0027】図6及び図7には実験結果の一例を示し、
排気速度が陽極の長さと陽極の直径との関係によりどの
ように変化するかが示され、縦軸はL/Dの値を変化さ
せた時の排気速度SをL=Dの時の排気速度S0 で割っ
たものである。S/S0 のピークは陽極2を構成してい
る各筒体2aまたは穴の直径及び内部の圧力を適当に設
定することにより、L/D=0.015〜0.8の範囲で移動さ
せることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、二つの陰極の間にマルチセルアノードを成す陽極を
配置したスパッタイオンポンプにおいて、陽極の長さを
L、陽極の直径をDとする時、 を満たすように各陰極及び陽極を構成しているので、限
界圧を下げることができ、かつ排気速度を大きくするこ
とができるようになり、従来のものに比べて約2倍まで
高めることができるようになる。
【0029】また、二層またはそれ以上の構造にした場
合には、高価な材料から成る陰極の数を一つ減すことが
できるので、ポンプ自体の製造コストを低減できるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタイオンポンプの概念を示す
概略線図。
【図2】 A〜Dは本発明のスパッタイオンポンプに使
用され得る陽極構造の種々の例を示す概略斜視図。
【図3】 本発明のスパッタイオンポンプに使用され得
る陽極構造の別の例を示す概略斜視図。
【図4】 本発明のスパッタイオンポンプの一実施例を
示す概略線図。
【図5】 本発明のスパッタイオンポンプの別の実施例
を示す概略線図。
【図6】 本発明のスパッタイオンポンプの排気速度の
実験例を示すグラフ。
【図7】 本発明のスパッタイオンポンプの排気速度の
実験例を示すグラフ。
【図8】 従来の二極型スパッタイオンポンプの一例を
示す概略斜視図。
【図9】 従来の二極型スパッタイオンポンプにおける
別の陽極構造を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 陰極 2 陽極 2a 陽極を構成している筒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 剛 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 金原 浩之 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 中嶋 克次 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの陰極の間にマルチセルアノードを
    成す陽極を配置したスパッタイオンポンプにおいて、陽
    極の長さをL、陽極の直径をDとする時、 を満たすように各陰極及び陽極を構成したことを特徴と
    するスパッタイオンポンプ。
  2. 【請求項2】 陽極の数Nと陰極の数nとが、n=N+
    1を満たすように設定されている請求項1に記載のスパ
    ッタイオンポンプ。
  3. 【請求項3】 陰極の任意の一つの裏と表の両面がスパ
    ッタされるように構成されている請求項1に記載のスパ
    ッタイオンポンプ。
JP34415596A 1995-12-26 1996-12-24 スパッタイオンポンプ Pending JPH09237604A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34415596A JPH09237604A (ja) 1995-12-26 1996-12-24 スパッタイオンポンプ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-338966 1995-12-26
JP33896695 1995-12-26
JP34415596A JPH09237604A (ja) 1995-12-26 1996-12-24 スパッタイオンポンプ

Publications (1)

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JPH09237604A true JPH09237604A (ja) 1997-09-09

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ID=26576272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34415596A Pending JPH09237604A (ja) 1995-12-26 1996-12-24 スパッタイオンポンプ

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