JPH09236561A - ガス漏れ探知方法及びガス漏れ探知装置 - Google Patents

ガス漏れ探知方法及びガス漏れ探知装置

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JPH09236561A
JPH09236561A JP8044334A JP4433496A JPH09236561A JP H09236561 A JPH09236561 A JP H09236561A JP 8044334 A JP8044334 A JP 8044334A JP 4433496 A JP4433496 A JP 4433496A JP H09236561 A JPH09236561 A JP H09236561A
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JP
Japan
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gas
pheromone
detection
leak
detecting
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Application number
JP8044334A
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English (en)
Inventor
Itsune Okuya
巌根 奥谷
Jun Tsubota
潤 坪田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Emergency Alarm Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、自動車で移動しながら、可燃性ガス
が漏れているガス漏れ部位を特定できるガス漏れ探知方
法をえる。 【解決手段】 探知対象のガスが流れるガス導管2内
に、フェロモンを流し、ガス漏れ部位3から漏れてく
る、フェロモン及びガスを検出して、ガス漏れの発生の
有無の確認をおこなうとともに、ガス漏れ部位の位置特
定をおこなう。この場合、フェロモンによる探知を第1
段階でおこない、引き続いて、ガス自体による探知を次
におこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可燃性ガスの漏洩
検知に関わり、例えば、広範囲に敷設されたガス導管、
ガスタンク等といった、内部に可燃性ガスが収容される
ガス収容設備に関して、ガス漏れの発生の有無、あるい
はガス漏れ部位の位置を探知するガス漏れ探知技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、可燃性ガスのガス漏れ探知は、金
属酸化物半導体からなるガス検知素子を備えた可燃性ガ
スセンサを使用しておこなっていた。この装置を使用し
てガス漏れ部位の位置を探知しようとすると、例えば、
土中に埋設されたガス導管を対象とする場合、作業者
は、ガス導管上を、ゆっくりとしたスピードで歩き(時
速2キロ程度)、所定範囲を対象としてくまなく移動
し、ガス漏れの有無の確認、安全監視、漏れ位置の特定
等を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、土中に埋設されたガス導管を対象とする場合、以下
のような問題が生じる。 1 土中において漏れたガスは、土壌中での拡散や吸着
などによって、かなり希釈される。 2 さらに、例えば、対象が都市ガスの場合は、空気中
に出ると拡散しやすくさらに、希釈される。 このような状況にも係わらず、現行の金属酸化物半導体
利用のものにあっては感度が比較的低く(メタンの検出
限界は10ppm)、測定に時間を要する。従って、多
くのセンサを用意しない限り、実質上、ポイント検知し
かできない。結果、事実上、現状では、比較的広い範囲
を、信頼性高く、比較的短時間で検知することは、不可
能である。即ち、現状では、ガス導管の至近部を探知も
しくは探知対象とすることしかできず、例えば、自動車
にガス漏れ探知装置を搭載して、走行しながら、広い区
域のガス漏れ監視をおこなったり、ガス漏れ部位の特定
を行うことはできない。さらに、可燃性ガスセンサは、
ガスに対する特異性が低く、自動車の排気ガスのような
非探知ガスにも反応をするために、誤動作が多い。ま
た、可燃性ガスは、天然にも存在しており、現行以上に
感度を上げると問題を起こす。本発明の目的は、上記の
問題を解消することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明によるガス漏れ探知方法の特徴手段は、探知対
象の可燃性ガスが内部に収容されるガス収容設備におい
て、前記ガス収容設備に発生したガス漏れ部位の位置を
探知する場合に、前記可燃性ガスが収容される前記ガス
収容設備内にフェロモンを注入し、前記ガス漏れ部位か
ら漏れてくる前記フェロモンを探知して、前記ガス漏れ
部位の位置と推定されるガス漏れ推定位置を探知する第
1工程と、前記第1工程において特定される前記ガス漏
れ推定位置において、前記可燃性ガスが存在するかどう
かを判定する第2工程とを備え、前記第2工程におい
て、前記可燃性ガスの存在が確認された場合に、前記ガ
ス漏れ推定位置を前記ガス漏れ部位の位置と判断する第
3工程を備えることにある。 〔作用・効果〕本願の手法にあっては、フェロモンと探
知対象のガスとの両方が、ガス漏れ部位の特定に利用さ
れる。そして、ガス漏れ位置の特定にあたっては、ま
ず、フェロモン側で作業が進められ(第1工程)、その
後、ガス側で確認をおこなう(第2工程)、そして、両
者が検出された位置をガス漏れ部位の位置とピンポイン
トするのである。一般にフェロモンの検出可能限界は、
可燃性ガスのそれと比べて非常に低い。従って、例え
ば、80m程度まで離れた位置からも、これを検出する
ことが可能である。一方、可燃性ガスセンサのそれは比
較的高く、せいぜい数m離れた位置からの検出が可能な
のみである。このような状況にあって、フェロモンの分
子量は可燃性ガス(例えばメタン)等に比較して大きい
ため、拡散しにくく濃度分布が形成されやすい。これに
対してガスは、拡散しやすいく濃度分布も出にくい。む
しろ、検出限界以下の非常に低い濃度で、広範に拡散し
て検出できないのが実情である。従って、本願の方法で
は、先に説明したように、先ずフェロモンを指標とし
て、遠隔位置から、その濃度勾配を参考にしながらガス
漏れ推定位置を探知する。その後、このガス漏れ推定位
置において、可燃性ガスの有無を調べる。そして、可燃
性ガスの存在が確認された段階で、この推定位置をガス
漏れ部位の存在する位置と確定する。即ち、広い範囲に
おいてガス漏れ位置を捜索する場合には、これに適した
フェロモン側で作業を進め、最終的な確認作業として可
燃性ガスの存在を確認する。ここでは、可燃性ガスの検
知が実質上ピンポイント検知であることが逆に効を奏
し、位置特定が容易且つ確実となる。従って、本方法を
採用する場合は、広い領域を対象とするガス漏れ探知
が、比較的短時間で確実に行える。例えば、埋設土壌の
状態にもよるが、ガス導管を対象とする場合、配管の条
件、埋設土壌などを考慮しても、半径50メートルまで
の範囲で、ガス漏れの有無が検知でき、また、漏れが確
認された場合にも、その方向が推側可能である。さら
に、フェロモン検知において、エレクトノアンテノグラ
ム(以下EAGと称する)の応答が迅速であることか
ら、自動車、オートバイ、自転車などに搭載して検知を
おこなうことが可能にあり、迅速な漏洩検知が可能とな
る。さらに、EAGは、非常に特異性が高いため、フェ
ロモンの検出において誤動作が非常に少なく、可燃性ガ
スの検出と併用すると、探知の確度を向上できる。
【0005】〔構成〕上記の手法を採用する場合、第1
工程に、特定探知位置周りのフェロモン濃度分布を測定
する周方向フェロモン濃度分布測定工程を備え、得られ
た特定探知位置周りの前記フェロモン濃度分布に基づい
て、特定探知位置からフェロモン濃度が最大となる位置
を見込む方向を、探知方向とすることが好ましい。 〔作用・効果〕従来、可燃性ガスを探知指標ガスとし
て、ガス漏れ部位の方向を見出すことは、実際上不可能
であっが、本願の方法にあっては、フェロモンを探知指
標とするため、このが空間的な濃度分布を有して拡散す
る現象を利用して、ガス漏れ位置のある方向を見出すこ
とができる。即ち、特定探知位置の周りで、周方向に探
知方向を変更し、フェロモン濃度分布の変化状況を掴む
のである。このようにすると、特定探知位置からフェロ
モン濃度が最大となる位置を見込む方向が、ガス漏れ部
位がある方向と確定できる。たとえば、周方向移動に於
ける移動半径は3m程度が適当である。 〔構成〕さらに、上記の手法を採用する場合、第1工程
に、所定の方向に於けるフェロモン濃度の分布を測定す
る所定方向フェロモン濃度分布測定工程を備え、前記所
定方向フェロモン濃度分布測定工程において得られたフ
ェロモン濃度の分布から、前記分布に最大値が存する位
置をガス漏れ推定位置とすることが好ましい。 〔作用・効果〕この場合もまた、フェロモンにおいて、
拡散分布状態が安定していることを有効に利用するので
あるが、フェロモンにおいては、ガス漏れが発生してい
る位置の近傍が、濃度が最も高く、離間するにしたがっ
て濃度が減少するという傾向が明確である。従って、こ
の手法により先に説明したガス漏れ推定位置を、簡便に
特定できる。 〔構成〕探知対象の可燃性ガスが内部に収容されるガス
収容設備において、ガス収容設備に発生したガス漏れの
有無を確認する場合にあっては、前記可燃性ガスが収容
される前記ガス収容設備内にフェロモンを注入し、前記
ガス漏れ部位から漏れてくる前記フェロモンの存非を検
知するフェロモン探知工程と、前記可燃性ガスの存非を
検知するガス探知工程とを備え、前記両工程において、
夫々の検知対象物の存在が確認された場合に、前記可燃
性ガスが漏れていると判断するガス漏れ確認工程を備え
ることが好ましい。 〔作用・効果〕先に説明したガス漏れ部位の位置特定の
場合と同様に、フェロモンと可燃性ガスとの両者の検知
をおこなって、ガス漏れの発生の有無を確認する。この
場合は、必ずしもガス漏れの発生位置まで特定する必要
はない。しかしながら、可燃性ガスの検知は、アルコー
ル、自然界にあるガス、排気ガス等との兼ね合いで誤検
知を起こしやすく、一方、フェロモンの検知にあって
も、季節的、地域的な障害が発生することもある。従っ
て、両者の存在を確定することで、ガス漏れの発生を比
較的広範囲を対象として、容易、確実、迅速におこなう
ことができる。 〔構成〕上記の方法に使用できるガス漏れ探知装置とし
ては、これが、探知対象の可燃性ガスの存非を検出可能
なガス検出機構と、フェロモンの存非及びその濃度を検
出可能なフェロモン検出機構を備えて構成されることが
好ましい。 〔作用・効果〕即ち、両検出機構を備えることにより、
フェロモン及び可燃性ガスを択一的に、または同時的に
検出して、探知作業を進めることができる。さらに、フ
ェロモンの濃度検出ができるため、フェロモンを指標と
して、ガス漏れ部位の方向、位置特定の操作をおこなう
ことができる。 〔構成〕さらに、上記のガス漏れ探知装置において、ガ
ス検出機構が働くガス検出状態と、フェロモン検出機構
が働くフェロモン検出状態との間で、各検出機構の動作
を切り換える切り換え手段を備え、前記可燃性ガスが漏
れるガス漏れ部位の位置を探知するための手順を格納し
たガス漏れ位置探知手段が備えられ、前記手順に従っ
て、前記切り換え手段が動作する構成としておくことが
好ましい。 〔作用・効果〕本願にあっては、フェロモンでの広域探
査を先におこない、所定の絞り込みをおこない、その
後、可燃性ガスの有無で漏れ部位の位置特定をおこなう
が、このような作業手順を、予めプログラム的に確立し
ておき、この手順にしたがって作業を進めることが、容
易、且つ簡便である。さらに、フェロモンと可燃性ガス
の特性の差異に起因して、その作業手順には、本願が主
張する、所定の順序が必要となる。従って、この装置に
あっては、切り換え手段とガス漏れ位置探知手段とを備
え、所定の手順に従って働く機構を切り換えながら、検
出対象を切り換えて、探知をおこなうことにより、簡
便、迅速に作業を進めることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本願の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1は、本願のガス漏れ探知装置1を使用
して、都市ガス導管2に発生したガス漏れ部位3を探知
している状況を示している。都市ガス導管2はガス収容
設備の1例である。ガス漏れ探知装置1は、図2に示す
ように、探知対象の可燃性ガスの存非及びその濃度を検
出可能なガス検出機構4と、フェロモンの存非及びその
濃度を検出可能なフェロモン検出機構5を備えて構成さ
れ、都市ガスの主成分をなす可燃性ガス(メタン、エタ
ン、ブタン等)と、フェロモンの検出が可能な構成とさ
れている。図1に示すように、このガス漏れ探知装置1
は、作業者が乗車する自動車6に搭載されて、この自動
車6とともに移動しながらガス漏れ部位3の探知の用に
供され、さらに、作業者が降車後、手で装置を持って作
業を進めることができるように構成されている。探知作
業にあたっては、探知対象のガス導管2内にフェロモン
が注入され、このフェロモンがガス導管2の漏れ部位3
から漏れだす。従って、このフェロモンの探知により漏
れ部位3の位置の特定を進めることができる。ここで、
ガス探知装置1の位置は、この装置1に備えられる位置
確認機構70(いわゆる汎地球測位システムをGPS)
によって、逐次モニターされ、探知装置1の所在位置
(実質上は自動車6の所在位置)と各探知位置に於ける
フェロモン濃度との関係を的確に把握しながら、作業を
進めることができる。本願の手法を採る場合は、フェロ
モン側によって、比較的広い範囲の監視地域を対象とし
てガス漏れの有無の監視を行い、ガス漏れの可能性があ
る場合は、同じくフェロモン側でガス漏れ部位の位置の
概略割り出しを行った後、可燃性ガスの存在を確認し、
確かなガス漏れの発生を確定して、作業を終える。この
目的から、ガス漏れ探知装置1は、前記ガス検出機構4
が働くガス検出状態と、前記フェロモン検出機構5が働
くフェロモン検出状態との間で、各検出機構4,5の動
作を切り換える切り換え手段8を備えている。さらに、
前記可燃性ガスが漏れるガス漏れ部位3の位置を探知す
るための一般的な手順を格納するとともに、この手順の
所定段階で、後述する探知解析手段11とともに、作業
者への指示をモニター画像表示装置12に出力するガス
漏れ位置探知手段9を備え、この手順に従って、前記切
り換え手段8が動作しながら、ガス漏れの探知が進めら
れる。
【0007】以下、先ずガス漏れ探知装置1の構成につ
いて説明する。このガス漏れ探知装置1は、先に説明し
たガス検出機構4とフェロモン検出機構5とを備えてい
る。前記ガス検出機構4は、酸化錫など金属酸化物半導
体を応用した炭化水素ガスセンサ4a、ならびに、この
センサ出力を増幅、解析する処理手段4bを備えてお
り、センサ出力を後に説明する制御回路、制御用コンピ
ュータ及びこのコンピュータに格納されたソフト等から
構成される制御手段10での処理に適切なデータに変換
できるように構成されている。前記フェロモン検出機構
5は、昆虫の触覚や反応器といったフェロモン関知機構
を応用したエレクトノアンテノグラム(EAG)による
フェロモンセンサ5a、ならびに、このセンサ出力を増
幅、解析する処理手段5bを備えて構成されている。E
AGとは、1957年にシュナイダーによって考案され
たフェロモンセンサ5aで、図2に示すようなシステム
で、昆虫の触覚50がフェロモンを検知した際に、触覚
50の神経に起こる電位の変化を増幅し、電気信号とし
て捕らえるものである。その起電力は、フェロモン濃度
に比例しているため、その起電力の違いによって、検出
部位に存在するフェロモンの濃度を把握することができ
る。ガス検出機構4とフェロモン検出機構5にあって
は、それぞれの感応部である炭化水素ガスセンサ4a及
びフェロモンセンサ5aが、機構本体から延出自在に構
成されており、これらの自動車等の移動車に搭載した場
合にあっては、移動車の車体下部に外気露出状態で配設
自在に構成されている。これらの検出機構4,5からの
出力は、先に説明した制御手段10に送られる。前記制
御手段10には、先に説明した切り換え手段8、ガス漏
れ位置探知手段9の他、記憶手段71、探知解析手段1
1、位置確認手段7が格納されている。前記位置確認機
構70は、外部アンテナ7aと制御手段10内に備えら
れる位置確認手段(ソフト)7からなり、これは、外部
アンテナ7aを経由して入力されるGPS情報に基づい
てガス漏れ探知装置1の位置を確認する。さらに、先に
説明したフェロモン検出機構5からのフェロモン濃度検
出情報と前記位置確認機構70からの装置位置情報とを
関連付けて記憶する記憶手段71が備えられている。さ
らに、制御手段10には、先に説明した探知解析手段1
1が備えられており、前記手順の各段階において、前記
記憶手段71に記憶された記憶情報に基づいて、さらな
る、探知移動指令を出力できるように構成されている。
以上の構成により、前記記憶手段71に経時的に記憶さ
れる経時記憶情報から、ガス漏れの発生の有無、もしく
はガス漏れ位置と推定されるガス漏れ推定位置を求める
ことができる。制御手段10には、情報の入出力用のキ
ーボードを備えモニター画像表示装置12が備えられて
いる。以上が、本願のガス漏れ探知装置1の構成の概略
である。
【0008】以下、図3に従って、ガス導管2に於ける
ガス漏れ部位3の位置特定の作業手順について説明す
る。説明にあたって使用する図4、図5は、それぞれ、
前者が探知における装置1の移動状況を示す説明図であ
り、後者が、装置1が特定の方向に直線移動をおこなっ
た場合に、フェロモン濃度分布を示すデータである。こ
のような探知作業にあたっては、ガス導管2内にフェロ
モンがガスとともに、混在していることが前提となる。
具体的には、ガス導管2内にカイコガのフェロモンであ
るボンビコールを1ppb濃度で含む都市ガス(95%
以上がメタン)を通気する。従って、図1におけるガス
漏れ部位3からフェロモンとガスとがともに漏れてく
る。
【0009】以下、図3に示す作業手順に従って、説明
する。 a ステップ1、2(ST1、ST2) この状況にあっては、ガス漏れ探知装置1において、フ
ェロモン検出機構5を働かせて、フェロモンが検出され
るかどうかの探査をおこなう。この場合、微小漏洩の判
断は、漏洩速度が5リットル/時間を基準とする。自動
車6の走行状態に於ける検出であるため、遠隔地点での
検出であるが、上記状態で漏れが発生している場合、ガ
ス漏れ部位3より約80メートル離れた地点において、
1.0×10-7ppbのフェロモンを検出することが可
能である。従って、直径160メートル程度の探知領域
をカバーできる。フェロモンが検出されない状態にあっ
ては、探知周辺地域において、ガス漏れは発生していな
いとして装置1の移動を継続する。実際上は、作業者は
自動車6の走行を継続する。 b ステップ3、4(ST3、4) ステップ1でフェロモンの存在が確認されると、この位
置(この位置を特定探知位置Qと呼ぶ)で降車し、ガス
漏れ探知装置1を持ち、半径3メートル程度で180度
回転し(特定探知位置Q周りに周方向移動する)、周方
向フェロモン濃度分布を得る。図4に破線で移動方向を
示した。そして、フェロモン濃度の高い方向(特定探知
位置Qからフェロモン濃度が最大となる位置を見込む方
向、図上Aで示す)を漏洩のある方向(この方向を探知
方向Aと呼ぶ)と定める。この処理は、先に説明した探
知解析手段11により自動的に行われる。 c ステップ5(ST5) 前記特定された探知方向に沿って移動しながらフェロモ
ン濃度の変化を検出する。ガス漏れ部位3があると予測
されるガス導管2上のフェロモン濃度の変化を、図5に
示した。同図において横軸はm単位のガス漏れ部位から
の離間距離を、縦軸は、フェロモン濃度を示している。 d ステップ6、7(ST6、7) フェロモン濃度が最大となる位置を確認し(この処理
も、先に説明した探知解析手段11により自動的に行わ
れる)、必要な場合はその位置まで戻る。ここで、フェ
ロモン濃度が最高濃度を示したと判断される位置におい
ては、ガス漏れ探知装置1は警報音を発生する構成とさ
れている。さらに、作業者は、その近傍を詳細に調べ、
さらにフェロモン濃度が最大の地点Pの特定を再確認す
る。これがガス漏れ推定位置にあたる。 e ステップ8(ST8) フェロモン濃度が最高と判断された場合、もしくは、所
定の値以上存在すると判断すると、本装置1の警報灯を
点灯し、切り換え手段8が、ガス漏れ位置探知手段9の
指令により、作動する。従って、このような判断があっ
た場合は、装置1は自動的にガス検出機構4での探知状
態に切り換わる。 f ステップ9、10、11(ST9、10、11) そして、ガス検出機構4での検出によって可燃性ガス
(メタンを主成分とする)が検出された場合に、現在の
ガス漏れ探知装置1のある位置をガス漏れが発生してい
る位置と判断する。一方、ガスが検出されず、フェロモ
ンのみが検出されている場合にあっては、ガス漏れの発
生との確認はおこなわない。 g このようにして作業を終了する。
【0010】以上の説明にあたっては、ガス漏れ位置探
知手段9に関して、切り換え手段8への指令出力の場合
についてのみ、この役割を説明したが、基本的には、ガ
ス漏れ位置探知手段9が、作業手順のマクロなコントロ
ールの指定及び外部入出力のコントロールを司り、先に
説明した探知解析手段11が、記憶手段71に記憶され
た情報から、探知方向Aの特定、フェロモン濃度最大位
置Pの特定の任を担う。
【0011】〔別実施の形態例〕以下、本願の別実施の
形態について説明する。 1 上述の実施の形態においては、ガス導管3に於ける
漏れ発生部位の探知をおこなったが、本願の手法は、例
えば複数のガスタンク、このガスタンクに接続される接
続機器等を対象としても採用できる。 2 さらに、上記の例においては、周方向フェロモン濃
度分布測定工程、所定方向フェロモン濃度分布測定工程
とを、記載順に各1回備えて、探知をおこなったが、こ
の回数、順序は任意に選択できる。ここで、このような
手法が実質的に利用できるようになった理由は、フェロ
モンの分子量が比較的大きく、大気中に拡散しにくいた
めである。 3 上記の例では、カイコガのフェロモンであるボンビ
コールを採用したが、フェロモンとしては、ワモンゴキ
ブリのペリプラノン−A、ウリミバエのキュールア、ハ
スモンヨトウのリトルア、ヨトウガのZ−2−ヘキサデ
セニル酢酸、ヒメコガネのZ−5−テトラデセン酸メチ
ル、マネコガネのR,Z−5−(1−デセニル)ジヒド
ロ−2(3H)−フラノン等も利用できる。このような
フェロモンにあっては、季節的、あるいは地域的に比較
的存在確率の高いもののあり、本願のように、フェロモ
ン、ガス両方の立場から、確認をおこなって、ガス漏れ
の確認の有無、さらにガス漏れ部位の位置特定をおこな
うことが好ましい。さらに、一般に、都市ガス等を対象
とする場合は、都市ガスには付臭剤が混入されているた
め、フェロモン、可燃性ガス、付臭剤とのうちの2者以
上の存在確認をおこなって、作業を進めることが好まし
い。
【0012】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】都市ガス導管の漏れ部位の位置を探知している
状況を示す図
【図2】ガス漏れ探知装置の構成の概念図
【図3】ガス漏れ探知のフローを示す図
【図4】探知作業における移動状況を示す図
【図5】漏れ部位とフェロモン濃度の変化状況の関係を
示す図
【符号の説明】
3 ガス漏れ部位 4 ガス検出機構 5 フェロモン検出機構 8 切り換え手段 9 ガス漏れ位置探知手段 A 探知方向 Q 特定探知位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探知対象の可燃性ガスが内部に収容され
    るガス収容設備において、前記ガス収容設備に発生した
    ガス漏れ部位(3)の位置を探知するガス漏れ探知方法
    であって、 前記可燃性ガスが収容される前記ガス収容設備内にフェ
    ロモンを注入し、前記ガス漏れ部位(3)から漏れてく
    る前記フェロモンを探知して、前記ガス漏れ部位(3)
    の位置と推定されるガス漏れ推定位置を探知する第1工
    程と、 前記第1工程において特定される前記ガス漏れ推定位置
    において、前記可燃性ガスが存在するかどうかを判定す
    る第2工程とを備え、 前記第2工程において、前記可燃性ガスの存在が確認さ
    れた場合に、前記ガス漏れ推定位置を前記ガス漏れ部位
    (3)の位置と判断する第3工程を備えたガス漏れ探知
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程に、特定探知位置(Q)周
    りの前記フェロモン濃度分布を測定する周方向フェロモ
    ン濃度分布測定工程を備え、 得られた前記特定探知位置(Q)周りの前記フェロモン
    濃度分布に基づいて、前記特定探知位置(Q)から前記
    フェロモン濃度が最大となる位置を見込む方向を、探知
    方向(A)とする請求項1記載のガス漏れ探知方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程に、所定の方向に於ける前
    記フェロモン濃度の分布を測定する所定方向フェロモン
    濃度分布測定工程を備え、 前記所定方向フェロモン濃度分布測定工程において得ら
    れた前記フェロモン濃度の分布から、前記分布に最大値
    が存する位置を前記ガス漏れ推定位置とする請求項1ま
    たは2記載のガス漏れ探知方法。
  4. 【請求項4】 探知対象の可燃性ガスが内部に収容され
    るガス収容設備において、前記ガス収容設備に発生した
    ガス漏れを探知するガス漏れ探知方法であって、 前記可燃性ガスが収容される前記ガス収容設備内にフェ
    ロモンを注入し、前記ガス漏れ部位から漏れてくる前記
    フェロモンの存非を検知するフェロモン探知工程と、前
    記可燃性ガスの存非を検知するガス探知工程とを備え、 前記両工程において、夫々の検知対象物の存在が確認さ
    れた場合に、前記可燃性ガスが漏れていると判断するガ
    ス漏れ確認工程を備えたガス漏れ探知方法。
  5. 【請求項5】 探知対象の可燃性ガスの存非を検出可能
    なガス検出機構(4)と、フェロモンの存非及びその濃
    度を検出可能なフェロモン検出機構(5)を備えたガス
    漏れ探知装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス検出機構(4)が働くガス検出
    状態と、前記フェロモン検出機構(5)が働くフェロモ
    ン検出状態との間で、各検出機構(4)(5)の動作を
    切り換える切り換え手段(8)を備えるとともに、 前記可燃性ガスが漏れるガス漏れ部位(3)の位置を探
    知するための手順を格納したガス漏れ位置探知手段
    (9)が備えられ、前記手順に従って、前記切り換え手
    段(8)が動作する構成の請求項5記載のガス漏れ探知
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104150124A (zh) * 2014-07-22 2014-11-19 大连理工大学 大型浮顶油罐溢油、泄漏gps实时预警系统
JP2019504993A (ja) * 2015-10-19 2019-02-21 ユニバーシティー・オブ・ノース・テキサス 排出流から脅威と源の点とを位置特定するための可搬型化学物質検出デバイスのための動的な逆気体積層モデル

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