JPH09235602A - 高炉出銑方法 - Google Patents
高炉出銑方法Info
- Publication number
- JPH09235602A JPH09235602A JP4300596A JP4300596A JPH09235602A JP H09235602 A JPH09235602 A JP H09235602A JP 4300596 A JP4300596 A JP 4300596A JP 4300596 A JP4300596 A JP 4300596A JP H09235602 A JPH09235602 A JP H09235602A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tapping
- refractory
- molten iron
- hole
- blast furnace
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Blast Furnaces (AREA)
- Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高炉の出銑口に装着されたスリーブ耐火物を
通し出銑する方法であって、出銑滓速度の制御により、
溶銑滓による出銑口の損耗や拡大が少なく、長時間の出
銑が可能であって、出銑回数を減少させる。 【解決手段】 高炉の出銑口内に、その軸線に沿って溶
銑滓が流れる内孔２を有するスリーブ耐火物１を装着
し、スリーブ耐火物１の内孔２に向けて設けられたガス
噴射孔または内孔を形成する多孔質耐火物からなる内筒
を通り、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量を不活性ガス
を噴射て、内孔２内を流れる溶銑滓に気泡流を形成せし
め、出銑時間を最適範囲に制御する。
通し出銑する方法であって、出銑滓速度の制御により、
溶銑滓による出銑口の損耗や拡大が少なく、長時間の出
銑が可能であって、出銑回数を減少させる。 【解決手段】 高炉の出銑口内に、その軸線に沿って溶
銑滓が流れる内孔２を有するスリーブ耐火物１を装着
し、スリーブ耐火物１の内孔２に向けて設けられたガス
噴射孔または内孔を形成する多孔質耐火物からなる内筒
を通り、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量を不活性ガス
を噴射て、内孔２内を流れる溶銑滓に気泡流を形成せし
め、出銑時間を最適範囲に制御する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉の出銑口内
に装着されたスリーブ耐火物を通して出銑を行い、出銑
時間を最適範囲に制御する、高炉の出銑方法に関するも
のである。
に装着されたスリーブ耐火物を通して出銑を行い、出銑
時間を最適範囲に制御する、高炉の出銑方法に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】高炉の出銑口は、珪酸塩材および／また
は高アルミナ材にSiC 材およびSi3N4材が配合された、
マッド材と称されている練土状不定形耐火物を、閉塞機
（マッドガン）を使用して充填することにより閉塞され
ている。そして、出銑時においては、開口機により、出
銑口を閉塞しているマッド材中に金棒を打ち込み、これ
に穿孔することによって開口している。
は高アルミナ材にSiC 材およびSi3N4材が配合された、
マッド材と称されている練土状不定形耐火物を、閉塞機
（マッドガン）を使用して充填することにより閉塞され
ている。そして、出銑時においては、開口機により、出
銑口を閉塞しているマッド材中に金棒を打ち込み、これ
に穿孔することによって開口している。
【０００３】近年、高炉操業は、羽口から、熱風と共に
重油、ピッチ、微粉炭等の燃料を炉内に吹込むことによ
って行われている。従って、出銑量が増加し、出銑時間
が短くなり、出銑のための出銑口開閉作業が頻繁になっ
て、高熱下での作業の度合いが高まってきた。また、従
来のマッド材では、出銑時における溶銑滓による浸食お
よび損耗が大きく、出銑口の拡大のために、安定した操
業ができない状態である。例えば、現状の出銑時間は一
般に約３〜４時間であり、１日当りの出銑回数はほぼ６
回程度である。
重油、ピッチ、微粉炭等の燃料を炉内に吹込むことによ
って行われている。従って、出銑量が増加し、出銑時間
が短くなり、出銑のための出銑口開閉作業が頻繁になっ
て、高熱下での作業の度合いが高まってきた。また、従
来のマッド材では、出銑時における溶銑滓による浸食お
よび損耗が大きく、出銑口の拡大のために、安定した操
業ができない状態である。例えば、現状の出銑時間は一
般に約３〜４時間であり、１日当りの出銑回数はほぼ６
回程度である。
【０００４】出銑口の開閉は、高熱の悪環境下における
作業であるために、出銑口開閉作業の増加は、環境衛生
上および安全上問題が多い。そして、出銑口内に充填さ
れているマッド材の溶損が大きいと、出銑作業を安定し
て行うことが困難になるばかりでなく、出銑回数が増加
するために、溶銑の湯道となる主樋、スキンマー部、溶
銑樋およびスラグ樋等の使用条件が過酷になる結果、そ
の損傷が激しい。
作業であるために、出銑口開閉作業の増加は、環境衛生
上および安全上問題が多い。そして、出銑口内に充填さ
れているマッド材の溶損が大きいと、出銑作業を安定し
て行うことが困難になるばかりでなく、出銑回数が増加
するために、溶銑の湯道となる主樋、スキンマー部、溶
銑樋およびスラグ樋等の使用条件が過酷になる結果、そ
の損傷が激しい。
【０００５】そこで、珪酸塩材および／または高アルミ
ナ材を主材とし、これに炭素材、炭化珪素材および窒化
珪素材の少なくとも１つを配合した練土状不定形耐火物
からなるマッド材が使用されているが、このようなマッ
ド材では、上記問題を解決するには至っていない。
ナ材を主材とし、これに炭素材、炭化珪素材および窒化
珪素材の少なくとも１つを配合した練土状不定形耐火物
からなるマッド材が使用されているが、このようなマッ
ド材では、上記問題を解決するには至っていない。
【０００６】上述した問題を解決するために、特開平2-
205610号公報には、穿孔された出銑口に、耐火物製の円
筒即ちスリーブ耐火物を装着することによって、出銑口
を形成する方法（以下、先行技術１という）が開示され
ている。
205610号公報には、穿孔された出銑口に、耐火物製の円
筒即ちスリーブ耐火物を装着することによって、出銑口
を形成する方法（以下、先行技術１という）が開示され
ている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】先行技術１によれば、
出銑口に装着されたスリーブ耐火物によって、出銑時に
おける出銑口の損耗や拡大が減少する結果、長時間の出
銑が可能になり、出銑口の開閉回数の減少を図ることが
できる。しかしながら、先行技術１によって上述した効
果を発揮させるためには、出銑口に装着されるスリーブ
耐火物の材質が問題である。即ち、スリーブ耐火物は、
溶銑滓に対する反応性が小さく、熱間強度および粘性が
高く、高温下での耐摩耗性に優れ且つ熱応力に対する抵
抗性が高く、そして、割れにくい性質を有していること
が必要であり、先行技術１によっては、上述した要求を
満足させることができない。
出銑口に装着されたスリーブ耐火物によって、出銑時に
おける出銑口の損耗や拡大が減少する結果、長時間の出
銑が可能になり、出銑口の開閉回数の減少を図ることが
できる。しかしながら、先行技術１によって上述した効
果を発揮させるためには、出銑口に装着されるスリーブ
耐火物の材質が問題である。即ち、スリーブ耐火物は、
溶銑滓に対する反応性が小さく、熱間強度および粘性が
高く、高温下での耐摩耗性に優れ且つ熱応力に対する抵
抗性が高く、そして、割れにくい性質を有していること
が必要であり、先行技術１によっては、上述した要求を
満足させることができない。
【０００８】そこで、特開平７−３１６６１５号公報に
は、溶銑滓に対する反応性が小さく、熱間強度および粘
性が高く、高温下での耐摩耗性に優れたスリーブ耐火物
として、炭化珪素(SiC) ：50〜85 wt.% 、窒化珪素(Si3
N4) ： 5〜40 wt.% 、および、アルミナ(Al2O3) ： 5〜
30 wt.% を必須成分として含有し、そして、炭化珪素(S
iC) 、窒化珪素(Si3N4) およびアルミナ(Al2O3) を合計
で90wt.%以上含有する化学成分組成を有するスリーブ耐
火物（以下、先行技術２という）が開示されている。
は、溶銑滓に対する反応性が小さく、熱間強度および粘
性が高く、高温下での耐摩耗性に優れたスリーブ耐火物
として、炭化珪素(SiC) ：50〜85 wt.% 、窒化珪素(Si3
N4) ： 5〜40 wt.% 、および、アルミナ(Al2O3) ： 5〜
30 wt.% を必須成分として含有し、そして、炭化珪素(S
iC) 、窒化珪素(Si3N4) およびアルミナ(Al2O3) を合計
で90wt.%以上含有する化学成分組成を有するスリーブ耐
火物（以下、先行技術２という）が開示されている。
【０００９】しかしながら、出銑滓速度は、スリーブ耐
火物の初期内径と成行きの損耗速度とによって規定され
るので、高炉内に過剰な残銑滓を溜めないようにし、且
つ、出銑時間を延ばすためには、操業度に応じたスリー
ブ耐火物の適切な内径および損耗速度を選択しなければ
ならない。しかるに、先行技術２は、このような制御性
に欠けており、出銑時間を最適範囲に制御することがで
きなかった。
火物の初期内径と成行きの損耗速度とによって規定され
るので、高炉内に過剰な残銑滓を溜めないようにし、且
つ、出銑時間を延ばすためには、操業度に応じたスリー
ブ耐火物の適切な内径および損耗速度を選択しなければ
ならない。しかるに、先行技術２は、このような制御性
に欠けており、出銑時間を最適範囲に制御することがで
きなかった。
【００１０】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、溶銑滓による出銑口の損耗や拡大が少なく、
出銑滓速度を制御し、出銑回数を減少させ得るように、
出銑時間を最適範囲に制御することができる、高炉出銑
方法を提供することにある。
を解決し、溶銑滓による出銑口の損耗や拡大が少なく、
出銑滓速度を制御し、出銑回数を減少させ得るように、
出銑時間を最適範囲に制御することができる、高炉出銑
方法を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】この発明の方法は、高炉
出銑口内に、その軸線に沿って溶銑滓が流れる内孔を有
するスリーブ耐火物を装着し、前記スリーブ耐火物の前
記内孔に向けて設けられたガス噴射孔または前記内孔を
形成する多孔質耐火物からなる内筒を通って、０．０１
〜０．９Nm3/sec の流量の不活性ガスを噴射し、前記流
量で噴射された不活性ガスにより、前記内孔を流れる溶
銑滓に気泡流を生成せしめ、このような気泡流により出
銑時間を最適範囲に制御することに特徴を有するもので
ある。
出銑口内に、その軸線に沿って溶銑滓が流れる内孔を有
するスリーブ耐火物を装着し、前記スリーブ耐火物の前
記内孔に向けて設けられたガス噴射孔または前記内孔を
形成する多孔質耐火物からなる内筒を通って、０．０１
〜０．９Nm3/sec の流量の不活性ガスを噴射し、前記流
量で噴射された不活性ガスにより、前記内孔を流れる溶
銑滓に気泡流を生成せしめ、このような気泡流により出
銑時間を最適範囲に制御することに特徴を有するもので
ある。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１は、この発明の方法において
使用されるスリーブ耐火物の第１実施態様を示す概略垂
直断面図であり、図２は、図１のＡ−Ａ線断面図であ
る。図面において、１は、高炉出銑口内に装着して出銑
口を形成するスリーブ耐火物であり、その軸線に沿って
溶銑滓が流れる内孔２が設けられている。
使用されるスリーブ耐火物の第１実施態様を示す概略垂
直断面図であり、図２は、図１のＡ−Ａ線断面図であ
る。図面において、１は、高炉出銑口内に装着して出銑
口を形成するスリーブ耐火物であり、その軸線に沿って
溶銑滓が流れる内孔２が設けられている。
【００１３】スリーブ耐火物１は、内孔２を形成する緻
密質耐火物からなる内筒３と、内筒３の外側に、内筒３
と同心に所定間隔をあけて設けられた、同じく緻密質耐
火物からなる外筒４とからなっており、内筒３と外筒４
との間には、環状のガス通気孔５が形成されている。内
筒３と外筒４とは、所定間隔をあけて設けられた複数の
耐火物製の支持部材６によって相互に連結されており、
環状のガス通気孔５の一端側には、ガス供給管８が接続
されている。
密質耐火物からなる内筒３と、内筒３の外側に、内筒３
と同心に所定間隔をあけて設けられた、同じく緻密質耐
火物からなる外筒４とからなっており、内筒３と外筒４
との間には、環状のガス通気孔５が形成されている。内
筒３と外筒４とは、所定間隔をあけて設けられた複数の
耐火物製の支持部材６によって相互に連結されており、
環状のガス通気孔５の一端側には、ガス供給管８が接続
されている。
【００１４】内筒３には、環状のガス通気孔５から内孔
２に向けてその長さ方向および周方向に複数本のガス噴
射孔７が設けられている。ガス噴射孔７は、ガスを噴射
しないときに、その中に溶銑滓が逆流して侵入し目詰ま
りが生じないような、例えば０．３〜０．５mmの径に設
定されている。
２に向けてその長さ方向および周方向に複数本のガス噴
射孔７が設けられている。ガス噴射孔７は、ガスを噴射
しないときに、その中に溶銑滓が逆流して侵入し目詰ま
りが生じないような、例えば０．３〜０．５mmの径に設
定されている。
【００１５】ガス供給管８および環状のガス通気孔５を
通って吹き込まれた例えばN2ガスのような不活性ガス
は、複数本のガス噴射孔７から、内孔２内を流れる溶銑
滓中に細かな泡状に噴射される。その結果、内孔２内を
流れる溶銑滓の表面にガス膜が形成され、このガス膜に
よって、溶銑滓と内孔２の内面との接触が防止され、ス
リーブ耐火物１の化学的浸食及び物理的損耗が低減され
る。なお、噴射されたガスは、その一部が溶銑滓と混合
しながら内孔２の内面に沿って流れ、出銑口において放
出される。
通って吹き込まれた例えばN2ガスのような不活性ガス
は、複数本のガス噴射孔７から、内孔２内を流れる溶銑
滓中に細かな泡状に噴射される。その結果、内孔２内を
流れる溶銑滓の表面にガス膜が形成され、このガス膜に
よって、溶銑滓と内孔２の内面との接触が防止され、ス
リーブ耐火物１の化学的浸食及び物理的損耗が低減され
る。なお、噴射されたガスは、その一部が溶銑滓と混合
しながら内孔２の内面に沿って流れ、出銑口において放
出される。
【００１６】図５は、この発明の方法による高炉の出銑
状態を示す、出銑口部分の概略垂直断面図である。図５
に示すようにスリーブ耐火物１を、高炉７の開口された
出銑口８内に開口機によって装着する。このようなスリ
ーブ耐火物１により、その内孔２内を流れる溶銑滓に対
し、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量の不活性ガスを噴
射する。その結果、内孔２内を流れる溶銑滓に気泡流が
生成する。従って、溶銑滓９は、出銑口８内に装着され
たスリーブ耐火物１を通って大樋１０に排出されるため
に、溶銑滓による出銑口８の損耗拡大が少なく、長時間
の出銑が可能になる。
状態を示す、出銑口部分の概略垂直断面図である。図５
に示すようにスリーブ耐火物１を、高炉７の開口された
出銑口８内に開口機によって装着する。このようなスリ
ーブ耐火物１により、その内孔２内を流れる溶銑滓に対
し、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量の不活性ガスを噴
射する。その結果、内孔２内を流れる溶銑滓に気泡流が
生成する。従って、溶銑滓９は、出銑口８内に装着され
たスリーブ耐火物１を通って大樋１０に排出されるため
に、溶銑滓による出銑口８の損耗拡大が少なく、長時間
の出銑が可能になる。
【００１７】図３は、この発明の方法において使用され
るスリーブ耐火物の第２実施態様を示す概略垂直断面
図、図４は図３のＡ−Ａ線断面図である。図面に示すよ
うに、第２実施態様のスリーブ耐火物１は、内孔を形成
する多孔質耐火物からなる内筒１３と、内筒１３の外側
に、内筒１３と同心に所定間隔をあけて形成された、緻
密質耐火物からなる外筒１４とからなっており、多孔質
耐火物からなる内筒１３と緻密質耐火物からなる外筒１
４との間には、環状のガス通気孔１５が形成されてい
る。
るスリーブ耐火物の第２実施態様を示す概略垂直断面
図、図４は図３のＡ−Ａ線断面図である。図面に示すよ
うに、第２実施態様のスリーブ耐火物１は、内孔を形成
する多孔質耐火物からなる内筒１３と、内筒１３の外側
に、内筒１３と同心に所定間隔をあけて形成された、緻
密質耐火物からなる外筒１４とからなっており、多孔質
耐火物からなる内筒１３と緻密質耐火物からなる外筒１
４との間には、環状のガス通気孔１５が形成されてい
る。
【００１８】内筒１３と外筒１４とは、所定間隔をあけ
て設けられた複数個の耐火物製の支持部材１６によって
相互に連結されており、環状のガス通気孔１５の一端側
にはガス供給管１７が接続されている。
て設けられた複数個の耐火物製の支持部材１６によって
相互に連結されており、環状のガス通気孔１５の一端側
にはガス供給管１７が接続されている。
【００１９】ガス供給管１７および環状のガス通気孔１
５を通って吹き込まれた不活性ガスは、多孔質耐火物か
らなる内筒１３を通って、内孔２内を流れる溶銑滓中に
細かな泡状になって噴射される。その結果、内孔２内を
流れる溶銑滓の表面にガス膜が形成され、このガス膜に
よって、溶銑滓と内孔２の内面との接触が防止されるこ
とは、前述したと同じである。
５を通って吹き込まれた不活性ガスは、多孔質耐火物か
らなる内筒１３を通って、内孔２内を流れる溶銑滓中に
細かな泡状になって噴射される。その結果、内孔２内を
流れる溶銑滓の表面にガス膜が形成され、このガス膜に
よって、溶銑滓と内孔２の内面との接触が防止されるこ
とは、前述したと同じである。
【００２０】本発明の方法において、上述した構造のス
リーブ耐火物１により、その内孔２内を流れる溶銑滓に
噴射する不活性ガスの流量は、０．０１〜０．９Nm3/se
c の範囲内に限定すべきである。
リーブ耐火物１により、その内孔２内を流れる溶銑滓に
噴射する不活性ガスの流量は、０．０１〜０．９Nm3/se
c の範囲内に限定すべきである。
【００２１】このような流量で噴射された不活性ガス
は、内孔２内を流れる溶銑滓中に細かな泡状に噴出して
気泡流となり、内孔２の内面にガス膜を形成して、溶銑
滓が接触することを防止する。その結果、スリーブ耐火
物１の化学的侵食および物理的損耗が軽減される。更
に、上記流量の不活性ガスを噴射することにより、ボイ
ド率が増加し、スリーブの見掛け断面積を縮小したと同
様の効果が生じ、出銑滓速度を低下させることができ
る。
は、内孔２内を流れる溶銑滓中に細かな泡状に噴出して
気泡流となり、内孔２の内面にガス膜を形成して、溶銑
滓が接触することを防止する。その結果、スリーブ耐火
物１の化学的侵食および物理的損耗が軽減される。更
に、上記流量の不活性ガスを噴射することにより、ボイ
ド率が増加し、スリーブの見掛け断面積を縮小したと同
様の効果が生じ、出銑滓速度を低下させることができ
る。
【００２２】図６は、スリーブ耐火物１内における気液
２相流の流動状態を示す図であって、出銑量８６００Ｔ
／日の高炉（スラグ比３００Kg/T) の出銑口内に本発明
によるスリーブ耐火物１を装着し、その内孔２内を流れ
る溶銑滓に０．０１〜１Nm3/sec の流量の不活性ガスを
噴射したときの溶銑滓の流動状態が示されている。
２相流の流動状態を示す図であって、出銑量８６００Ｔ
／日の高炉（スラグ比３００Kg/T) の出銑口内に本発明
によるスリーブ耐火物１を装着し、その内孔２内を流れ
る溶銑滓に０．０１〜１Nm3/sec の流量の不活性ガスを
噴射したときの溶銑滓の流動状態が示されている。
【００２３】装着したスリーブ耐火物の内径は、出銑初
期においては０．０６mmであり、出銑末期においては拡
大して０．１０mmであって、図中のａは出銑初期の内径
が０．０６mmのときの流動状態を示し、ｂは出銑末期の
内径が０．１０mmのときの流動状態を示している。
期においては０．０６mmであり、出銑末期においては拡
大して０．１０mmであって、図中のａは出銑初期の内径
が０．０６mmのときの流動状態を示し、ｂは出銑末期の
内径が０．１０mmのときの流動状態を示している。
【００２４】図６から明らかなように、スリーブ耐火物
内を流れる溶銑滓に噴射した不活性ガスの流量を０．０
１〜０．９Nm3/sec の範囲内としたときは、スリーブ耐
火物の内径が出銑初期の０．０６mmの場合、および、出
銑末期の０．１０mmの場合の何れにおいても、内孔２内
において気泡流になっている。これに対して、不活性ガ
スの流量が１Nm3/sec の場合には、内孔２内において環
状流または噴霧流になり、溶銑滓の偏流化または脈動化
を招き、かえって、スリーブ耐火物を損傷させる問題が
生ずる。
内を流れる溶銑滓に噴射した不活性ガスの流量を０．０
１〜０．９Nm3/sec の範囲内としたときは、スリーブ耐
火物の内径が出銑初期の０．０６mmの場合、および、出
銑末期の０．１０mmの場合の何れにおいても、内孔２内
において気泡流になっている。これに対して、不活性ガ
スの流量が１Nm3/sec の場合には、内孔２内において環
状流または噴霧流になり、溶銑滓の偏流化または脈動化
を招き、かえって、スリーブ耐火物を損傷させる問題が
生ずる。
【００２５】一方、不活性ガスの流量が０．０１Nm3/se
c 未満の場合には、内孔２内へのガスの噴射が弱すぎる
ために、内孔内面に溶銑滓が接触することを防いで、ス
リーブ耐火物の化学的侵食および物理的損耗を防止する
ことができない。更に、スリーブ耐火物は、内孔を形成
する内筒に噴射孔が設けられ、または、内孔が多孔質耐
火物によって形成されているので、従来の耐火物よりも
強度が低い。従って、不活性ガスの噴射効果がない場合
には、損耗速度が急増する問題が生ずる。
c 未満の場合には、内孔２内へのガスの噴射が弱すぎる
ために、内孔内面に溶銑滓が接触することを防いで、ス
リーブ耐火物の化学的侵食および物理的損耗を防止する
ことができない。更に、スリーブ耐火物は、内孔を形成
する内筒に噴射孔が設けられ、または、内孔が多孔質耐
火物によって形成されているので、従来の耐火物よりも
強度が低い。従って、不活性ガスの噴射効果がない場合
には、損耗速度が急増する問題が生ずる。
【００２６】図７は、不活性ガスの流量と出銑時間との
関係を示すグラフである。図７から明らかなように、不
活性ガスの流量が０．０１Nm3/sec 未満の場合には、出
銑時間は６時間未満で短く出銑回数が多くなる。一方、
不活性ガスの流量が０．９Nm 3/sec を超えた場合におい
ても、出銑時間が短くなる傾向が生ずる。
関係を示すグラフである。図７から明らかなように、不
活性ガスの流量が０．０１Nm3/sec 未満の場合には、出
銑時間は６時間未満で短く出銑回数が多くなる。一方、
不活性ガスの流量が０．９Nm 3/sec を超えた場合におい
ても、出銑時間が短くなる傾向が生ずる。
【００２７】
【実施例】次に、この発明の方法を、実施例により更に
説明する。本発明方法により図１および図２に示した、
長さ５００mm、外径１２０mm、内孔径６０mmで、０．３
〜０．５mmの径のガス噴射孔が１７０本が形成されてい
る、SiC ：70wt.%、 Si3N4：20wt.%、 Al2O3：5 wt.%か
らなる材質のスリーブ耐火物１を炉容積４２８８m3の高
炉の出銑口８内に装着し、ガス供給管６およびガス通気
孔３を通り、ガス噴射孔４から、内孔２内を流れる溶銑
滓中に、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量でN2ガスを噴
射し操業したときの出銑時間を、先行技術２に示す従来
のスリーブ耐火物を使用し操業した場合および従来のマ
ッド材を充填して操業を行ったときの出銑時間と比較し
て表１に示す。
説明する。本発明方法により図１および図２に示した、
長さ５００mm、外径１２０mm、内孔径６０mmで、０．３
〜０．５mmの径のガス噴射孔が１７０本が形成されてい
る、SiC ：70wt.%、 Si3N4：20wt.%、 Al2O3：5 wt.%か
らなる材質のスリーブ耐火物１を炉容積４２８８m3の高
炉の出銑口８内に装着し、ガス供給管６およびガス通気
孔３を通り、ガス噴射孔４から、内孔２内を流れる溶銑
滓中に、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量でN2ガスを噴
射し操業したときの出銑時間を、先行技術２に示す従来
のスリーブ耐火物を使用し操業した場合および従来のマ
ッド材を充填して操業を行ったときの出銑時間と比較し
て表１に示す。
【００２８】
【表１】 表１から明らかなように、本発明方法により、スリーブ
耐火物を出銑口に装着し、０．０１〜０．９Nm3/sec の
流量でN2ガスを噴射し操業した場合には、従来スリーブ
耐火物を装着した場合、および、従来のマッド材を充填
した場合に比べて、出銑口の拡大が少なくなったために
長時間の出銑が可能になり、従って、出銑回数が減少し
た。
耐火物を出銑口に装着し、０．０１〜０．９Nm3/sec の
流量でN2ガスを噴射し操業した場合には、従来スリーブ
耐火物を装着した場合、および、従来のマッド材を充填
した場合に比べて、出銑口の拡大が少なくなったために
長時間の出銑が可能になり、従って、出銑回数が減少し
た。
【００２９】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の方法によ
れば、出銑滓速度の制御を行うことができ、溶銑や溶滓
による出銑口の損耗や拡大が少なくなり、長時間の出銑
が可能になって、出銑回数を減少させることができる、
工業上有用な効果がもたらされる。
れば、出銑滓速度の制御を行うことができ、溶銑や溶滓
による出銑口の損耗や拡大が少なくなり、長時間の出銑
が可能になって、出銑回数を減少させることができる、
工業上有用な効果がもたらされる。
【図１】本発明方法に使用するスリーブ耐火物の第１実
施態様を示す概略垂直断面図である。
施態様を示す概略垂直断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。
【図３】本発明方法に使用するスリーブ耐火物の第２実
施態様を示す概略垂直断面図である。
施態様を示す概略垂直断面図である。
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。
【図５】本発明方法による出銑状態を示す、出銑口部分
の概略垂直断面図である。
の概略垂直断面図である。
【図６】スリーブ耐火物内における気液２相流の流動状
態を示す図である。
態を示す図である。
【図７】不活性ガスの流量と出銑時間との関係を示す図
である。
である。
１ スリーブ耐火物 ２ 内孔 ３ 内筒 ４ 外筒 ５ ガス通気孔 ６ 支持部材 ７ ガス噴射孔 ８ ガス供給管 ９ 高炉 10 出銑口 11 溶銑滓 12 大樋 13 内筒 14 外筒 15 ガス通気孔 16 支持部材 17 ガス供給管
Claims (1)
- 【請求項１】 高炉出銑口内に、その軸線に沿って溶銑
滓が流れる内孔を有するスリーブ耐火物を装着し、前記
スリーブ耐火物の前記内孔に向けて設けられたガス噴射
孔または前記内孔を形成する多孔質耐火物からなる内筒
を通って、０．０１〜０．９Nm3/sec の流量の不活性ガ
スを噴射し、前記流量で噴射された不活性ガスにより、
前記内孔を流れる溶銑滓に気泡流を生成せしめ、このよ
うな気泡流により出銑時間を最適範囲に制御することを
特徴とする高炉出銑方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4300596A JPH09235602A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 高炉出銑方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4300596A JPH09235602A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 高炉出銑方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09235602A true JPH09235602A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12651886
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4300596A Pending JPH09235602A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 高炉出銑方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09235602A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020054030A (ko) * | 2000-12-27 | 2002-07-06 | 이구택 | 고로 출선구 구경 확대 방지 장치 |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP4300596A patent/JPH09235602A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020054030A (ko) * | 2000-12-27 | 2002-07-06 | 이구택 | 고로 출선구 구경 확대 방지 장치 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA2066455C (en) | Top submerged injection with a shrouded lance | |
| JP2012255645A (ja) | 容器内に固形粒子状材料を投入する装置 | |
| JPH09235602A (ja) | 高炉出銑方法 | |
| JPS61139616A (ja) | 転炉炉口付着物の除去方法 | |
| JPH09235603A (ja) | 高炉出銑口用スリーブ耐火物 | |
| US5830259A (en) | Preventing skull accumulation on a steelmaking lance | |
| US4007035A (en) | Method of using an expendable tap hole tuyere in open hearth decarburization | |
| JPS637308A (ja) | 高炉出銑口の閉塞方法 | |
| JP3706429B2 (ja) | 溶融金属内へのガスの吹き込み方法 | |
| KR100393759B1 (ko) | 출강구 덧살붙임 슬리브와 그 설치방법 | |
| JP3769060B2 (ja) | 溶融金属内へのガスの底吹き方法 | |
| JP2000212616A (ja) | 高炉出銑口用スリ―ブ状耐火物 | |
| JP2877026B2 (ja) | 精錬用底吹き羽口の保護方法 | |
| EP1414759B1 (en) | Method of preparing a fiberizable melt of a mineral material | |
| KR100377272B1 (ko) | 진공 탈가스 장치에서의 정련방법 | |
| JPH05171231A (ja) | 高炉の炉芯活性法 | |
| JP2876955B2 (ja) | ガス吹き込み羽口を有する転炉型精錬容器の補修方法 | |
| JP2001200307A (ja) | 高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置 | |
| JPH0639612B2 (ja) | 転炉炉底の羽口構造 | |
| JP3619338B2 (ja) | 溶融金属内へのガスの吹き込み方法 | |
| JP2000328114A (ja) | 高炉操業方法 | |
| JPH0598323A (ja) | 高炉の炉芯活性化法 | |
| JPH05331510A (ja) | 高炉炉芯活性法 | |
| AU6445390A (en) | Top submerged injection with a shrouded lance | |
| JPH09176706A (ja) | 高炉への微粉炭吹き込み方法 |