JPH09234320A - 排ガスの処理方法及びその装置 - Google Patents

排ガスの処理方法及びその装置

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JPH09234320A
JPH09234320A JP8071365A JP7136596A JPH09234320A JP H09234320 A JPH09234320 A JP H09234320A JP 8071365 A JP8071365 A JP 8071365A JP 7136596 A JP7136596 A JP 7136596A JP H09234320 A JPH09234320 A JP H09234320A
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exhaust gas
liquid
downward
treatment liquid
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JP8071365A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hoshiya
康夫 星屋
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BIO GIKEN KOGYO KK
Original Assignee
BIO GIKEN KOGYO KK
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)
  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、固体、液体、気体のいずれの有害
物質の除去効率が高く、経済的で、しかもメンテナンス
フリー化を図れる排ガスの処理方法及びその装置を提供
することを目的とする。 【構成】 本発明は、排ガスが下から上に向かって流さ
れる処理室の下方で有害物処理機能を有する処理液を上
向きに噴霧して排ガスと混合し、この混合気流を、その
上方で処理室の幅方向に適当な間隔を置いて配置された
複数の溝状の上向き邪魔板の間に形成された入口を通過
させ、この入口及びこの入口を挟む上向き邪魔板の側縁
部を、所定の間隔を置いて、上側から覆う逆溝状の下向
き邪魔板がその下縁を前記上向き邪魔板の上縁よりも低
く位置させたその間の流路を排ガスと処理液滴との混合
気流を通過させて、この処理液滴を上向き邪魔板内に貯
留させ、この上向き邪魔板内に導かれた混合気流を、こ
の上向き邪魔板内に貯留された処理液内を通して前記下
向き邪魔板の間に形成された出口より排出させることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体、液体、気体
のいずれの有害物質の除去効率が高く、経済的で、しか
もメンテナンスフリー化を図れる排ガスの処理方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばロータリキルン或いは生ゴミの処
理場などから排出される排ガスにはアンモニア、硫化水
素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、
トリメチルアミン、アセトアルデヒド、トルエンなどの
臭気を有する悪臭物質等の有害物質が含まれている。
【0003】このような有害物質を含んだ排ガスから有
害物質を除去する方法としては、例えば特開平6−23
214号公報に記載されているように、有害物質を物理
的に除去する方法(以下、物理的除去方法という。)
と、有害物質を化学的に除去する方法(以下、化学的除
去方法という。)とに大別することができる。
【0004】物理的除去方法としては、フィルタ、サイ
クロン、電気集塵機等の集塵装置を用いる方法が代表的
であるが、例えば特開平6−335610号公報に記載
されているように、水平に流される排ガスに水、油、洗
剤などの液体を排ガスの流れる方向に噴射し、この液滴
を微細な固形の有害物質に吸着させ、この液滴をバイン
ダーとして微細な固形の有害物質を凝集させ、これをフ
ィルタに通過させて有害物質を除去する方法も提案され
ている。
【0005】化学的除去方法としては、固体処理剤を用
いる方法、液体処理剤を用いる方法、気体処理剤を用い
る方法、及びこれらのうちの2つ以上の方法を併用ない
し段階的に用いる方法などがあり、更に例えばフィルタ
に固体処理剤、液体処理剤、気体処理剤を担持させて物
理的除去方法と併用する方法がある。
【0006】この化学的除去方法では、排ガスと処理剤
との接触効率を高くするために、固体処理剤を粉粒状に
形成したり、多孔質体に形成したり、液体処理剤を排ガ
ス中に噴霧したり、気体処理剤を排ガス中に放散したり
して排ガスに接触させるようにしている。又、排ガスを
所定の容器に貯留された処理液の中に導き、処理液中で
バブリングさせて排ガスを処理液と接触させる方法が知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の物理的除去方法
では、水平に流される排ガスに水、油、洗剤などの液体
を排ガスの流れる方向に噴射し、この液滴を微細な固形
の有害物質に吸着させ、この液滴をバインダーとして微
細な固形の有害物質を凝集させ、これをフィルタを通過
させて有害物質を除去するものであるが、この水、油、
洗剤などの液体にはガス質の有害成分を吸収、除去でき
る機能が殆ど無く、このガス質の有害成分はそのまま大
気中に放出されるという、重大な問題が残る。
【0008】又、この方法では、水、油、洗剤で微細な
固形の有害物質を凝集させ、これをフィルタに通過させ
て有害物質を除去するものであるから、フィルタに水、
油更に洗剤と固形の有害物質の混合物がベッタリ付着し
て短期間で目詰まりが生じる結果、メンテナンスが極め
て面倒であるという問題がある。
【0009】更に、この方法では硫化水素、メチルメル
カプタン、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミ
ン、アセトアルデヒド、トルエンなどの臭気を有する悪
臭物質と反応したり、或いはこれらの悪臭物質を吸着、
除去する能力は殆ど無く、つまり水、油、洗剤などの液
体にはそのような機能が殆ど無く、この悪臭物質に対す
る対策が全くなされていないのである。
【0010】一方、従来の化学的除去方法のうち固体処
理剤を用いる方法は、処理剤の処理能力の管理が必要で
あるので、メンテナンスが面倒であるという問題があ
る。
【0011】化学的方法のうち液体処理剤や気体処理剤
を排ガス中に噴霧ないし放散する方法は、処理剤と排ガ
スとの接触時間が短く、処理剤の利用効率が悪い。又、
その結果、未反応処理剤が反応済処理剤と共に回収され
たり、排ガスと共に大気中に放散されたりするという問
題が生じる。
【0012】化学的方法のうち、排ガスを所定の容器に
貯留された処理液の中に導く方法は、固体処理剤を用い
る方法と同様に処理剤の処理能力に対する管理が必要で
あるので、メンテナンスが面倒である。
【0013】又、この方法では、排ガスを吸着させた処
理液、つまり廃液処理に大型の廃液処理装置やその付帯
設備が必要となり経済的に極めて不利であり、しかもこ
れらの廃液処理装置やその付帯設備の設置には相当の床
面積が必要となり、その設置には大きな制約を受ける。
【0014】本発明は、前記技術的課題に鑑み完成され
たものであって、固体、液体、気体のいずれの有害物質
の除去効率が高く、経済的で、しかもメンテナンスフリ
ー化を図れる排ガスの処理方法及びその装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る排ガスの処
理方法(以下、本発明方法という。)は、前記の目的を
達成するため、排ガスが下から上に向かって流される処
理室の下方で有害物処理機能を有する処理液を上向きに
噴霧して排ガスと混合し、この混合気流を、その上方で
処理室の幅方向に適当な間隔を置いて配置された複数の
溝状の上向き邪魔板の間に形成された入口を通過させ、
この入口及びこの入口を挟む上向き邪魔板の側縁部を、
所定の間隔を置いて、上側から覆う逆溝状の下向き邪魔
板がその下縁を前記上向き邪魔板の上縁よりも低く位置
させたその間の流路を排ガスと処理液滴との混合気流を
流通させて、この処理液滴を上向き邪魔板内に貯留さ
せ、この上向き邪魔板内に導かれた混合気流を、この上
向き邪魔板内に貯留された処理液と接触させて前記下向
き邪魔板の間に形成された出口より排出させることを特
徴とする。
【0016】以下、本発明方法を詳細に説明する。本発
明方法によれば、まず、排ガスが下から上に向かって流
される処理室の下方で有害物処理機能を有する処理液を
上向きに噴霧することにより、処理剤は霧化されること
により微小な液滴となり排ガスとの接触効率が高くな
る。
【0017】この微小な液滴となった処理液は、特に限
定されないが、この場合、100μm程度以下、好まし
くは50μm以下、特に好ましくは25μm以下の微細
な霧状であり、この微細な液滴は排ガスの流れと同じ方
向に噴射され、排ガスと混合され、この混合気流中にお
いて、排ガスと微細な液滴とが接触、衝突を繰り返しつ
つ共に上昇するから、両者の接触時間が長くなり、排ガ
スとの接触効率が一層高くなり、排ガス中の悪臭物質を
含む、固体、液体及び気体の有害物質と十分に接触し、
これらの有害物質を化学的に無臭・無害化する。
【0018】又、処理液を混合することにより、排ガス
中の粉塵や液滴が集合して処理室内で排ガス流から分離
され易くなる上、気体の有害物質も処理液と化学的に吸
着される。そして、混合気流中の固体や液体の有害物質
の一部分はこの段階で集合し、落下し、混合気流から分
離される。
【0019】更に、本発明方法においては、処理室の幅
方向に適当な間隔を置いて配置された複数の溝状の上向
き邪魔板の間に形成された入口を通過させることによ
り、排ガスの流路断面積を狭めて排ガスとこれの中に噴
霧された処理液滴との接触効率が高められる。
【0020】この入口を通過した処理液滴を含んだ排ガ
ス、つまり混合気流は、この入口及びこの入口の両側の
上向き邪魔板の側縁部を、所定の間隔を置いて上側から
覆う、逆溝状の下向き邪魔板をその両側下縁が前記上向
き邪魔板の上縁よりも低く位置させたその間の流路を通
過されるのであり、つまり、逆溝状の下向き邪魔板に排
ガスと処理液滴との混合気流を当てて前記上向き邪魔板
内に導かれることにより、混合気流の流れが逆V字形な
いし逆U字形に方向転換する。
【0021】この混合気流の方向転換に伴って固体及び
液体の有害物質並びに処理液滴が慣性により気流から分
離し、下向き邪魔板の下面に付着する。そして、この下
向き邪魔板に付着した有害物質を含有する処理液の一部
は、下向き邪魔板に案内されて、上向き邪魔板内に導か
れる。
【0022】上向き邪魔板内に導かれた気体、固体及び
液体の有害物質を含む処理液は上向き邪魔板内に一部沈
降、貯留する。そして、上向き邪魔板内に導かれた気
体、固体及び液体の有害物質はそれまでの処理液との接
触によりほぼ完全に無害化されているが、上向き邪魔板
内の処理液の液面に沿って流れる間に処理液と接触し、
更に、上向き邪魔板の側縁から外側に徐々にオーバーフ
ローすることにより、下方から噴霧される処理液滴と再
接触するので、完全に無害化される。
【0023】又、上向き邪魔板によって、混合気流の方
向転換に伴って気体の有害物質が未反応の処理液滴と接
触し、無害化され、更に上向き邪魔板に貯留された処理
液と接触することにより確実に無害化される。
【0024】加えて、この気流の方向転換に伴って混合
気流から分離せずに排ガス中に残留、浮遊する微小な固
体又は液体更に気体の有害物質は、上向き邪魔板に貯留
された処理液の表面に接触することにより更に無害化さ
れると共に、その液面に捕捉されて排ガスの流れから分
離される。
【0025】このようにして固体及び液体の有害物質を
除去された混合気流中には気体の有害物質が残されてい
ることがあるが、この気体の有害物質は上向き邪魔板に
貯留された処理液の表面に接触し、更にこの処理液中を
気泡となって、つまりバブリングしつつ通過することに
より処理液と接触して無害化される。
【0026】即ち、固体及び液体の有害物質は処理室の
下方から噴霧され、下向き邪魔板により気流が方向転換
され上向き邪魔板内に貯留された処理液の液面に接する
までの間に処理液と反応して無害化されると共に、処理
室の下方で入口に達するまでに自重分離したり、気流の
方向転換に伴って慣性分離したり、上向き邪魔板内に貯
留された処理液の液面に捕捉されたりして排ガスから分
離される。
【0027】又、気体の有害物質は処理室の下方から噴
霧された処理液滴と接したり、気流の方向転換に伴って
処理液滴と接触したり、上向き邪魔板内に貯留された処
理液と接触したり、貯留された処理液中をバブリングす
ることにより無害化される。
【0028】本発明方法においては、排ガスが出口から
放出され、処理液と接触する際に、気体の有害物質と処
理液との接触が不充分で、気体の有害物質を含む混合気
流がそのままでは出口から放出されることもあり得る。
【0029】そこで、本発明においては、排ガスと処理
液の混合気流が出口から放出される時に、上向き邪魔板
内の処理液が出口で泡立てられ、排ガスと共に処理液の
霧が出口から放出されることに着目して、上向き邪魔板
と下向き邪魔板とを交互に上下多段に設けて、混合気流
を上向き邪魔板の間の入口から下向き邪魔板によって上
向き邪魔板内の処理液内に導き、この処理液内を通って
下向き邪魔板の間の出口を通り抜けさせる手順を複数段
にわたって繰り返すことが望ましい。
【0030】本発明方法において、処理される排ガスは
特に限定されず、気体、液体、或いは固体の有害物質の
うちの少なくとも1種以上を含むものであればよい。
【0031】気体の有害物質としては、特に、例えばア
ンモニア、トリメチルアミン、硫化水素又はメチルメル
カプタンなどの悪臭物質からなる有害物質、窒素酸化
物、硫黄酸化物などの刺激臭を有する有害物質をその例
として挙げることができる。
【0032】液体の有害物質は微小な液滴ないし分子と
して排ガスに分散され、例えばアセトアルデヒド、硫化
メチル、二硫化メチル又はトルエンなどの他、有害物質
を含有する液体をその例として挙げることができる。
【0033】又、固体の有害物質としては、前記気体の
有害物質や液体の有害物質を吸着、浸潤などにより担持
した微粒子の他、重金属等の有害物質を含む微粒子など
をその例として挙げることができる。
【0034】これらの有害物質を処理する有害物処理機
能を有する処理液とは、中和、物理的吸着、酸化還元反
応、付加・縮合反応などにより有害成分を無害化する活
性物質を含有する液体のことであり、例えば消臭機能を
有する活性物質を含有する液体をその例として挙げるこ
とができる。
【0035】消臭機能を有する活性物質としては、特に
限定されないが、二次公害が発生する恐れのない植物由
来のエビエスオイル、テルペンなどの炭化水素、アルコ
ール、フェノール、フラボノイドなどの活性物質の他、
繊維分解酵素であるセルラーゼ、タンパク質分解酵素で
あるペクチナーゼ、アミノ酸分解酵素であるアミラー
ゼ、脂肪分解酵素であるリパーゼなどの酵素、これら酵
素を活性化するアビエチン酸、パントテン酸、B群ビタ
ミン、葉緑素、その他の各種ビタミンなどを用いること
が好ましく、複合臭を無臭化するために、これらの中の
複数種類のものを含有するフィトンチッドと呼ばれる樹
木から発散される揮発性物質を用いることが特に好まし
い。
【0036】このフィトンチッドは、アルカロイド、配
糖体、樹脂、有機酸、タンニン酸などの複合物質であ
り、アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタ
ン、硫化水素などの悪臭物質の臭いを消す消臭機能を有
すると共に、窒素酸化物などの空気中の有害物質を包む
作用や塩酸を分解して水素を解離させる作用がある。
【0037】このフィトンチッドを含有する処理液とし
ては、株式会社バイオ技研工業から上市されている消臭
液バイオF−119をその具体的な例として挙げること
ができる。
【0038】この処理液は、排ガスとの接触効率を高め
るために、排ガス中に噴霧される。この噴霧により形成
される処理液の液滴の粒径は、特に限定されないが、排
ガスとの接触効率を高めるために、100μm程度以
下、好ましくは50μm以下、特に好ましくは25μm
以下の微細な霧状であり、この微細な液滴は排ガスの流
れと同じ方向に噴射され、排ガスと混合される。
【0039】又、この処理液は、排ガスの流れに対して
対向する方向や排ガスの流れを横断する方向に噴霧する
ことも可能であるが、本発明においては、排ガスとの接
触時間を長くし、接触効率を一層高めるために、排ガス
の流れと同じ上向きに噴霧される。
【0040】更に、この処理液は、全ての排ガスと均等
に接触させるために、処理室内にできるだけ均等に噴霧
することが好ましい。
【0041】本発明に係る排ガス処理装置(以下、本発
明装置という。)は、前記本発明方法を実施するため
に、排ガスが下から上に向かって流される処理室と、こ
の処理室の下方で有害物処理機能を有する処理液を排ガ
スの流れる方向に噴霧する処理液噴霧手段と、この処理
液噴霧手段の上方で処理室の幅方向に適当な間隔を置い
て配置された複数の溝状の上向き邪魔板と、上向き邪魔
板の間に形成された入口及びこの入口を挟む上向き邪魔
板の側縁部を上側から覆う逆溝状の下向き邪魔板とを設
け、かつ、この下向き邪魔板の下縁を上向き邪魔板の上
縁よりも低く位置させ、下向き邪魔板の間に出口を形成
したことを特徴とする。
【0042】本発明装置によれば、排ガスが処理室を流
れる間に、処理液噴霧手段により処理室の下方で処理液
が排ガスの流れと同じ上方に向けて噴霧され、排ガスと
混合される。
【0043】この後、処理液滴を含む排ガス、つまり混
合気流がその上方で上向き邪魔板の間に形成された入口
を通過し、下向き邪魔板に当たって、上向き邪魔板内に
案内される。これにより、排ガスの流れが逆V字形ない
し逆U字形に方向転換し、この気流の方向転換に伴って
固体及び液体の有害物質並びに処理液滴が慣性により気
流から分離し、下向き邪魔板の下面に付着し、多量の処
理液と共に排ガスの流れに助けられ、下向き邪魔板に案
内されて、上向き邪魔板内に貯留される。
【0044】上向き邪魔板内に導かれた固体の有害物質
などの固形物の大部分は上向き邪魔板内に沈降するが、
一部分は上向き邪魔板内に貯留された処理液の液面に沿
って更に上昇する。
【0045】又、上向き邪魔板内に導かれた液体の有害
物質は処理液と接触しつつ上向き邪魔板内に貯留された
処理液と共に上向き邪魔板の両側縁から上昇する。
【0046】上向き邪魔板内に導かれた排ガスは、この
上向き邪魔板内に貯留された処理液内を通ってこの処理
液と反応し、無害化されて下向き邪魔板の間に形成され
た出口より上昇する。
【0047】以下、本発明装置を詳細に説明する。前記
処理室は排ガスと処理液との混合気流が下から上に向か
って流れるように形成してあればよく、この中には処理
室の中心軸が傾斜したものと、直立するものとが含まれ
る。
【0048】又、この処理室の横断面形状は特に限定さ
れず、角形、円形、楕円形など任意の形状に形成するこ
とができる。
【0049】前記処理液噴霧手段は、処理室の下方で排
ガスに有害物処理機能を有する処理液を排ガスの流れる
方向に噴霧するように構成してあればよく、このため、
処理室の下方に配置されるノズルとこのノズルに処理液
を供給する処理液供給手段とを備える。
【0050】このノズルは噴射口が1口のものであって
もよいが、排ガスと噴霧された処理液とができるだけ均
等に接触するように、均等に分散された複数の噴射口か
ら処理液を噴霧するように構成することが好ましい。
【0051】例えば、複数本の噴射用パイプを適当な間
隔を置いて平行に配置し、各噴射用パイプにその軸方向
に適当な間隔を置いてそれぞれ処理液を上方に噴霧する
複数のノズルチップを設けて、ノズルチップ、即ち、噴
射点を処理室の横断面全体にわたって均等に分散させる
ことが好ましい。
【0052】なお、処理液の噴霧量は用いられる処理
液、排ガスの流量、成分更に成分量などに対応して経験
的に設定されるが、一般に、排ガス1m3当たり0.0
01ml〜5ml、好ましくは0.005ml〜0.5
ml、更に好ましくは0.0075ml〜0.05ml
の範囲とするのが望ましい。
【0053】本発明装置の上向き邪魔板の断面形状は上
向きの溝状であればよく、例えばV字形溝、U字形溝、
角溝、台形溝、半円形溝、半楕円溝等、任意の溝形状を
選択することができる。
【0054】処理液を噴霧する位置と、上向き邪魔板と
の上下間隔は特に限定されないが、処理液と排ガスとを
確実に接触させるために、処理液の噴霧領域が処理室の
横断面を全面的に覆う位置よりも上方に上向き邪魔板を
配置することが好ましい。従って、処理室の横断面積が
大きい場合には、処理室の高さを低くして装置の小型化
を図るために、例えば複数本の噴射用パイプを適当な間
隔を置いて平行に配置し、各噴射用パイプにその軸方向
に適当な間隔を置いて複数のノズルを設け、噴射点を処
理室の横断面全体にわたって均等に分散させることが好
ましい。
【0055】本発明において、上向き邪魔板は水平方向
に適当な間隔を置いて横に複数並べて配置されておれば
よく、例えば上向き邪魔板を縞格子状に配置したり、十
字格子状に邪魔板を配置してもよく、更に格子点ごとに
上面が開放された箱状の上向き邪魔板を配置してもよい
のである。
【0056】この上向き邪魔板の間に形成される入口の
処理室横断面積に対する比率(入口開口率)は特に限定
されず、処理液滴と排ガスとの接触効率を高めるために
はこの入口開口率を小さくすることが好ましく、一方、
排ガスと処理液の混合気流の圧力損失を小さくし、排ガ
スと処理液の混合気流を処理装置に送り出したり、排ガ
スと処理液の混合気流を処理装置から吸引したりする送
風装置の出力を小さくし、小型、かつ、安価にするため
には、この入口開口率を大きくすることが好ましい。具
体的には例えば処理室横断面積の5.0%〜25%程
度、好ましくは7.5%〜20%程度の入口開口率にす
ることが好ましい。
【0057】なお、上向き邪魔板の処理液容量は、これ
ら入口開口率、下向き邪魔板と上向き邪魔板との間隔、
上向き邪魔板の上縁と下向き邪魔板の下縁との間隔、上
向き邪魔板の側縁と下向き邪魔板の側縁との間隔、及び
後述する出口開口率を考慮すると共に、要求される処理
能力を考慮して経験的に求められる。
【0058】本発明装置に適用される下向き邪魔板は、
上向き邪魔板の間に形成された入口及びこの入口を挟む
上向き邪魔板の側縁部を上側から覆う逆溝状の下向き邪
魔板とを設け、かつ、この下向き邪魔板の下縁を上向き
邪魔板の上縁よりも低く位置されるものである。
【0059】この下向き邪魔板は、その断面形状が下向
きの溝状であればよく、例えば逆V字形溝、逆U字形
溝、逆角溝、逆台形溝、逆半円形溝、逆半楕円溝など、
任意の逆溝形状のものを選択することができる。
【0060】もちろん、上向き邪魔板の断面形状と下向
き邪魔板の逆溝形状を互いに対応させる必要はなく、例
えば上向き邪魔板の断面形状をV字溝形に形成し、下向
き邪魔板の形状を逆台形溝形に形成することができる。
【0061】又、例えば上向き邪魔板を平行に配置する
場合には、下向き邪魔板は隣接する2つの上向き邪魔板
の間の入口及びその両側の下向き邪魔板を上から覆う逆
溝形の上向き邪魔板をこれら上向き邪魔板と平行に配置
すればよく、例えば上向き邪魔板を格子溝状に形成する
場合には、その格子の目となる入口とその四方の上向き
邪魔板の溝内に周縁部が突入する下面が開放された箱形
に形成すればよい。更に、上向き邪魔板が上面が開放さ
れた箱形に形成される場合には、この上向き邪魔板の上
縁が嵌まり込む逆格子溝形に形成すればよい。
【0062】要は、下向き邪魔板の間に形成された入口
を通った排ガスと処理液との混合気流が下向き邪魔板に
よって逆V字形ないし逆U字形に方向転換して上向き邪
魔板内に案内されるように構成してあればよいのであ
る。
【0063】又、上向き邪魔板と下向き邪魔板との間
隔、上向き邪魔板の側縁と下向き邪魔板の側縁との間
隔、及び下向き邪魔板の下縁と上向き邪魔板の上縁との
間隔も自由に設計することができるが、装置始動後上向
き邪魔板内の処理液が下向き邪魔板の側縁と上向き邪魔
板の側縁との間を短時間で液封するためには、この間隔
を狭くすることが好ましく、一方、排ガスと処理液の混
合気流の圧力損失を小さくし、排ガスと処理液の混合気
流を処理装置に送り出したり、排ガスと処理液の混合気
流を処理装置から吸引したりする送風装置の出力を小さ
くし、小型、かつ、安価にするためには、この間隔を大
きくすることが好ましい。具体的には、処理装置の規
模、ランニングコストのコスト計算などを考慮して設計
すればよい。
【0064】更に、下向き邪魔板の間に形成される出口
の処理室横断面積に対する比率(出口開口率)は特に限
定されず、上向き邪魔板内の処理液と排ガスとの接触効
率を高めるためにはこの出口開口率を小さくすることが
好ましく、一方、排ガスと処理液の混合気流の圧力損失
を小さくし、排ガスと処理液の混合気流を処理装置に送
り出したり、排ガスと処理液の混合気流を処理装置から
吸引したりする送風装置の出力を小さくし、小型、か
つ、安価にするためには、この出口開口率を大きくする
ことが好ましい。具体的には例えば処理室横断面積のの
5.0%〜25%程度、好ましくは7.5%〜20%程
度の出口開口率にすることが好ましい。
【0065】本発明装置においては、処理室内に上向き
邪魔板と下向き邪魔板とが交互に上下多段に配置する場
合には、下段の出口から排出される排気ガスと処理液の
混合気流をその上側の段の上向き邪魔板の間の入口から
下向き邪魔板によって上向き邪魔板内の処理液内に導
き、この上側の段の上向き邪魔板内に貯留させた処理液
内を通って、つまりバブリングさせて、この段の下向き
邪魔板の間の出口を通り抜けさせることができる結果、
最終的に処理室から排出される排ガス中の気体有害物を
確実に除去することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係る排ガスの
処理方法及びその装置を図面に基づいて具体的に説明す
れば、以下の通りである。
【0067】本発明の一実施例はクリンカーを形成する
ロータリキルンからの排ガス処理に適用されるものであ
り、この排ガス中には、微粉塵の他に例えば二硫化水
素、メルカプタン、アンモニアなどの悪臭物質が含まれ
ている。
【0068】図1に示すように、この排ガス処理装置の
処理室1はわずかに下細りの下部室2と、角筒状の中間
室3と、僅かに上細りの上部室4とからなり、この下部
室2の下端にロータリキルンの排ガス放出路5を接続
し、排気室4が大気放出路6を介して大気中に連通させ
ることにより、排ガスが処理室1を下から上に流れるよ
うにしている。
【0069】この排ガス処理装置には有害物処理機能を
有する処理液を上向きに噴霧して排ガスと混合する処理
液噴霧手段7が設けられる。この処理液噴霧手段7は、
前記中間室3の下端中央に配置され、処理液を上向きに
噴射する1口のノズル8と、処理室1外に配置され、こ
のノズル8に排ガスの流量及びこれに含まれる有害成分
量に対応して決定された所定量の処理液を供給する処理
液供給手段9とで構成されている。
【0070】この実施例では、排ガスの流量が3200
3/分あたり、処理液32ml/分を噴霧した。この
場合、この処理液は粒径が10μm以下で噴霧され、こ
れが排ガスに混合されて混合気流を形成し、微粉塵は互
いに接触、衝突して凝集し、下段の上向き邪魔板11上
に処理液と共に貯留される。
【0071】ここで使用される処理液としては、エビエ
スオイル、テルペン、セルラーゼ、ペクチナーゼ、アミ
ラーゼ、リパーゼ、アミノ酸、アビエチン酸、パントテ
ン酸、B群ビタミン、葉緑素、その他の各種ビタミンを
成分とする植物性消臭液(株式会社バイオ技研工業、商
品名:バイオF−119)を用いた。
【0072】この処理液は、外観が薄茶または薄青色を
呈し、15℃における比重は1.00035、20℃に
おける水蒸気圧70mmHg、色彩度1.15(水を1
とする)であり、不燃性を有し、3.38%の不揮発物
質を含む。又、この処理液の氷結点は−15℃であり、
遊離アルカリは含まない。
【0073】この処理液は前記ノズル8によって粒径1
0μm以下の微細な液滴となって排ガスの流れと同じ上
方に噴霧され、円錐状、或いは角錐状に広がりながら排
ガス中の固体、液体及び気体の有害物質と反応し、これ
により、有害物質の無害化が図られる。
【0074】ここで、処理液が粒径10μm以下の微細
な液滴となって噴霧されるので、処理液滴と排ガス中の
有害物質との接触効率が高くなり、又、処理液が排ガス
の流れと同じ方向に噴霧されるので、処理液滴と排ガス
中の有害物質との接触時間が長くなる結果、処理液滴と
排ガス中の有害物質との接触効率が一層高くなる。
【0075】中間室3内の中間高さ部には、フィルター
ユニット10が配置され、このフィルターユニット10
には、縞格子状に配置された多数のV字形溝状の上向き
邪魔板11とこれと平行な縞格子状に配置された逆V字
形溝状の下向き邪魔板12とが交互に上下3段に配置さ
れている。
【0076】各段の上向き邪魔板11は水平方向に適当
な間隔を置いて配置され、各上向き邪魔板11の間には
処理液滴を含んだ排ガスが通過する入口13が形成さ
れ、各段の下向き邪魔板12は、この入口13とその両
側の下向き邪魔板12の側縁部を上側から覆うように配
置される。又、各段の下向き邪魔板12は、その段の上
向き邪魔板11の上縁よりも下縁が低く位置するように
配置されている。
【0077】前記入口13の処理室横断面積に対する開
口率(入口開口率)は、処理液と排ガスとの接触効率を
高めることと、排ガスと処理液の混合気流の圧力損失を
小さくし、一方、排ガスと処理液の混合気流を処理装置
に送り出したり、排ガスと処理液の混合気流を処理装置
から吸引したりする送風装置の出力を小さくし、小型、
かつ、安価にすることとを調和的に実現するため、約1
3.5%に形成されている。
【0078】又、上向き邪魔板11の上縁と下向き邪魔
板12の下縁との間隔、互いに対向している上向き邪魔
板11の部分と下向き邪魔板12の部分との間隔、下向
き邪魔板12の下縁と上向き邪魔板11の上縁との間隔
は、前記入口13の開口幅と同じに構成されている。
【0079】その結果、下向き邪魔板12の下端の間に
形成される出口14の開口幅及び処理室横断面積に対す
る開口率(出口開口率)は入口開口率と同じになる。
【0080】中間室3の下部から上昇して来た処理液滴
を含む排ガス(混合気流)は、第1段目の上向き邪魔板
11の間の入口13を通って、下向き邪魔板12に当
り、この下向き邪魔板12に案内されて入口13の両側
の上向き邪魔板11の中に案内される。
【0081】つまり、下向き邪魔板12によって流れの
方向を逆V字形に方向転換し、この方向転換に伴って排
ガス中の固体及び処理液滴を含む液体が慣性で気流から
分離され、除去される。
【0082】慣性により気流から分離された処理液滴を
含む液体は下向き邪魔板12に案内されて自重で上向き
邪魔板11内に流下し、上向き邪魔板11内に貯留され
ることになる。
【0083】そして、この貯留された処理液の液面が下
向き邪魔板12の下縁よりも高くなると、排ガスと処理
液の混合気流は気泡となって、つまりバブリングしつつ
この貯留された処理液の中を通り、出口14から放出さ
れる。
【0084】この上向き邪魔板11内に貯留される処理
液の液面が上向き邪魔板11の上縁を越えると、余剰の
処理液はこの上向き邪魔板11の上縁を越えて入口13
に溢れ出し、処理室の下方に落下するが、このオーバー
フローは殆ど無く、バブリングによって貯留液の一部が
混合気流と共に上昇し、更に、上方の上向き邪魔板11
に貯留され、徐々に上方の上向き邪魔板11に貯留され
る。
【0085】ここで、処理液の噴霧量を一定に保持し、
最終出口から排出される混合気流中の処理液量と、上向
き邪魔板11に常時流れ込む処理液の量のバランスをと
ると、上向き邪魔板11内の処理液の品質は常に一定に
保たれることになる。従って、この上向き邪魔板11内
の処理液を交換するという作業が不要になり、メンテナ
ンスフリーになる。
【0086】排ガス中の固体又は液体の悪臭物質等の有
害物質うち、わずかの量は気流の方向転換によって分離
せずに、上向き邪魔板11内に貯留された処理液の液面
に到達するものがある。これらのうちの固体は処理液の
液面に捕捉され、液体は上向き邪魔板11内に貯留され
た処理液に溶解ないし混合された状態で、上向き邪魔板
11に貯留される。
【0087】排ガス中の気体有害成分は、ノズル8の位
置から入口13に達するまでに処理液滴と接触して無害
化が促進されるが、入口13を通過した後、気流が方向
転換する時に気流から分離する処理液滴と衝突すること
により更に無害化が促進される。その上、上向き邪魔板
11内に貯留された処理液内を気泡となって、つまりバ
ブリングしつつ通過することにより確実に処理液と接触
し、一層無害化が促進される。
【0088】出口14から放出される排ガスは貯留され
ている処理液の液面を泡立たせ、気泡が弾ける勢いで処
理液の液滴を弾き出したり、処理液の蒸発を助長したり
する。この第1段の出口14から排出された排ガスは第
2段の上向き邪魔板11の下面を案内にして、第2段の
上向き邪魔板11の間に形成された第2段の入口13に
向かい、第2段の入口13を通過した排ガスは第2段の
下向き邪魔板12によってV字形ないしU字形に方向転
換されて、第2段の上向き邪魔板11内に導かれる。
【0089】そして、この気流の方向転換に伴って気流
から分離された処理液滴は第2段の下向き邪魔板12の
下面に付着し、この第2段の下向き邪魔板12の下面を
案内にして第2段の上向き邪魔板11内に貯留されるこ
とになる。
【0090】この第2段の上向き邪魔板11内に貯留さ
れた処理液の液面が第2段の下向き邪魔板12の下縁よ
りも高くなると、第2段に流入した排ガスと処理液の混
合気流は、上向き邪魔板11内に案内された後、この処
理液を気泡となって、つまりバブリングしつつ通過して
一層無害化されてから第2段の出口14から排出され
る。
【0091】第1段から排出される排ガスと処理液の混
合気流と同様に、第2段から排出される排ガスにも処理
液滴が含まれ、第3段の上向き邪魔板11の下面を案内
にして、第3段の上向き邪魔板11の間に形成された第
3段の入口13に向かい、第3段の入口13を通過した
排ガスと処理液の混合気流は第3段の下向き邪魔板12
によってV字形ないしU字形に方向転換されて、第3段
の上向き邪魔板11内に導かれる。
【0092】そして、第3段の出口14から排出される
排ガスは無害・無臭化され、しかもこの混合気流には処
理液滴が含まれているが、この処理液滴は人には無害の
植物性脱臭液からなるので、そのまま大気中に放散して
も何ら問題はないのである。
【0093】なお、第1段の出口14から気体あるいは
液体有害物質が処理液滴と共に排出されることは殆どな
く、放出されたとしても、第2段の上向き邪魔板11に
貯留された処理液に達するまでに処理液滴と接触するこ
とにより、あるいは、第2段の上向き邪魔板11に貯留
された処理液と接触することにより無害化される。
【0094】第2段の出口14から気体あるいは液体有
害物質が処理液滴と共に排出されることは殆ど懸念する
必要がなく、たとえ第2段の出口14から液体有害物質
が処理液滴と共に排出されたとしても、第3段の上向き
邪魔板11に貯留された処理液に達するまでに処理液滴
と接触することにより、あるいは、第3段の上向き邪魔
板11に貯留された処理液と接触することにより完全に
無害化される。
【0095】そして、第3段の出口14から気体あるい
は液体有害物質が処理液滴と共に排出されることは全く
懸念する必要がない。
【0096】事実、二硫化水素、メルカプタン、アンモ
ニアなどの悪臭物質が50〜250ppm程度含む排ガ
スを処理した後、最終出口からの混合気流中の悪臭物質
を検出したところ、これらの悪臭物質は検出されなかっ
た。
【0097】前記の一実施例では、上向き邪魔板11及
び下向き邪魔板12が縞格子状に配置されているが、例
えば図2の斜視図に示すように、上向き邪魔板11を十
字格子状に配置し、前記下向き邪魔板12をこの格子の
目に開口された入口13と、その四方の上向き邪魔板1
1の側縁部を覆う各傘形に形成してもよい。
【0098】又、上向き邪魔板11や下向き邪魔板12
の断面形状はV字溝形あるいは逆V字溝形に限定され
ず、例えば図3の断面図に示すように半円溝形あるいは
逆半円溝形に形成したり、例えば図4の断面図に示すよ
うに、角溝形あるいは逆角溝形に形成したり、例えば図
5の断面図に示すように互いに異なる溝形状に形成して
もよい。
【0099】更に、前記の一実施例では、処理液噴霧手
段7では1口のノズル8を用いているが、例えば図6の
斜視図に示すように、互いに平行な複数本のパイプ8a
と、各ハイプ8aの軸方向に所定の間隔を置いて、全体
としてマトリックス状に配置された多数のノズルチップ
8bとからなるノズル8を用いたり、図7の斜視図に示
すように、円環状のパイプ8aと、このパイプ8aの周
方向に所定の間隔を置いて配置された多数のノズルチッ
プ8bとからなるノズル8を用いたりしてもよい。
【0100】この場合には、処理室1内に平面視におい
て、一層均等に処理液を噴霧できるので、ノズル8と第
1段の上向き邪魔板11との間隔を狭くしても十分に排
ガス全体にわたって処理液滴を均等に分散させることが
でき、装置の高さを低くして小型にすることができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法は、排
ガスが下から上に向かって流される処理室の下方で有害
物処理機能を有する処理液を上向きに噴霧して排ガスと
混合するので、処理液が微細な液滴となって排ガスに接
触すると共に、処理液滴が排ガスに乗って上昇しながら
長時間にわたって接触するので、処理液と排ガスとの接
触効率を著しく高めることができる結果、排ガス中の固
体、液体及び気体の有害物質の無害化を確実に促進す
る。
【0102】又、本発明方法は、その上方で処理室の幅
方向に適当な間隔を置いて配置された複数の溝状の上向
き邪魔板の間に形成された入口を通過させるので、微細
な処理液滴を含んだ排ガスの流路断面積が狭められ、排
ガス中の固体、液体及び気体の有害物質と処理液滴との
接触効率を高められ、その結果、排ガス中の固体、液体
及び気体の有害物質の無害化を一層高度に促進させるこ
とができる。
【0103】更に、本発明方法は、この入口及びこの入
口を挟む上向き邪魔板の側縁部を、所定の間隔を置い
て、上側から覆う逆溝状の下向き邪魔板がその下縁を前
記上向き邪魔板の上縁よりも低く位置させたその間の流
路を排ガスと処理液滴との混合気流を通過させて、この
処理液滴を上向き邪魔板内に貯留させ、この上向き邪魔
板内に導かれた混合気流を、この上向き邪魔板内に貯留
された処理液と接触させつつ通過させて前記下向き邪魔
板の間に形成された出口より排出させることにより、入
口を通過した排ガスの流れをV字形ないしU字形に反
転、衝突させ、両者を充分に接触させると共に、下向き
邪魔板に貯留された処理液内に混合気流を通過させてる
ので、有害物質の除去が一層促進され、その無害化が更
に一層確実になされるのである。
【0104】排ガスの反転に伴って下向き邪魔板の下面
に付着した処理液滴の一部が上向き邪魔板内に導かれて
この上向き邪魔板内に貯留されるが、上向き邪魔板内に
貯留される処理液の液面が上向き邪魔板の上縁を越える
と、余剰の処理液はこの上向き邪魔板の上縁を越えて入
口に溢れ出し、処理室の下方に落下する。
【0105】ここで、処理液の噴霧量を一定に保持し、
最終出口から排出される混合気流中の処理液量と、上向
き邪魔板に常時流れ込む処理液の量のバランスをとる
と、上向き邪魔板内の処理液の品質は常に一定に保たれ
ることになり、しかも処理室の下方への処理液の落下、
つまりオーバーフローは殆ど無くなる。従って、この上
向き邪魔板内の処理液を交換するという作業が不要にな
り、メンテナンスフリー化を図ることができる。
【0106】ところで、処理室内に上向き邪魔板と下向
き邪魔板とが交互に上下多段に配置される場合には、処
理室の下方への処理液の落下、つまりオーバーフローは
殆ど無く、バブリングによって貯留液の一部が混合気流
と共に上昇し、更に、上方の上向き邪魔板に貯留され、
徐々に上方の上向き邪魔板に貯留される。
【0107】ここで、処理液の噴霧量を一定に保持し、
最終出口から排出される混合気流中の処理液量と、上向
き邪魔板に常時流れ込む処理液の量のバランスをとる
と、上向き邪魔板内の処理液の品質は常に一定に保たれ
ることになる。従って、この上向き邪魔板内の処理液を
交換するという作業が不要になり、メンテナンスフリー
化を図ることができる。
【0108】加えて、本発明方法によれば、この上向き
邪魔板内に導かれた排ガスを、この上向き邪魔板内に貯
留された処理液内を通って前記下向き邪魔板の間に形成
された出口より排出させるので、排ガスが気泡となって
処理液内を通る間に効率よく排ガス中の気体有害成分と
処理液とが接触し、気体有害成分の無害化を更に一層促
進することができる。
【0109】本発明方法において、前記処理液が消臭機
能を有する活性物質を含有するものである場合には、例
えばアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化
メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアル
デヒド、トルエンなどの臭気を有する気体の有害物質を
脱臭して無害化できる。
【0110】又、本発明方法において、前記処理液が植
物性消臭剤を含有するものである場合には、排ガス中に
この植物性消臭剤が残留しても人体に悪影響を及ぼす恐
れがないので有利である。
【0111】更に、本発明方法において、前記処理液が
フィトンチッドを含有するものである場合には、人体を
害することなく、臭気を有する気体の有害物質を脱臭し
て無害化できる上、酸化窒素などの無臭の気体有害物も
除去できるので好ましい。
【0112】加えて、本発明方法において、排気ガスを
上向き邪魔板の間の入口から下向き邪魔板によって上向
き邪魔板内の処理液内に導き、この処理液内を通って下
向き邪魔板の間の出口を通り抜けさせる手順を複数段に
わたって繰り返す場合には、気体有害物を一層確実に除
去できる。
【0113】次に、本発明装置は、排ガスが下から上に
向かって流される処理室と、この処理室の下方で排ガス
流に有害物処理機能を有する処理液を排ガスの流れる方
向に噴霧する処理液噴霧手段と、この処理液噴霧手段の
上方で処理室の幅方向に適当な間隔を置いて配置された
複数の溝状の上向き邪魔板と、上向き邪魔板の間に形成
された入口及びこの入口を挟む上向き邪魔板の側縁部を
上側から覆う逆溝状の下向き邪魔板とを設け、かつ、こ
の下向き邪魔板の下縁を上向き邪魔板の上縁よりも低く
位置させ、下向き邪魔板の間に出口を形成しているの
で、前記本発明方法を実施することができ、従って、本
発明方法によって得られる効果、即ち、固体、液体及び
気体を問わず有害物質を高度に除去できる効果と、メン
テナンスフリー化を図れる効果とを得られる。
【0114】本発明装置において、処理室内に上向き邪
魔板と下向き邪魔板とが交互に上下多段に配置される場
合には、下段の下向き邪魔板の間の出口から微細な処理
液滴ないしその蒸気を含んだ排ガスをその上の段の上向
き邪魔板の間の入口に流入させ、その気流の方向を反転
させることにより処理液滴を気流から分離して、当該上
の段の下向き邪魔板で上向き邪魔板内に導いて貯留し、
この貯留された処理液に再び排ガスを通すことにより、
確実に排ガス中の気体有害成分を除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明装置に好適に用いられる上向き
邪魔板及び下向き邪魔板の斜視図である。
【図3】図3は、本発明装置に好適に用いられる上向き
邪魔板及び下向き邪魔板の断面図である。
【図4】図4は、本発明装置に好適に用いられる上向き
邪魔板及び下向き邪魔板の断面図である。
【図5】図5は、本発明装置に好適に用いられる上向き
邪魔板及び下向き邪魔板の断面図である。
【図6】図6は、本発明装置に好適に用いられる処理液
噴霧用ノズルの斜視図である。
【図7】図7は、本発明装置に好適に用いられる処理液
噴霧用ノズルの斜視図である。
【符号の説明】
1 処理室 7 処理液噴霧手段 11 上向き邪魔板 12 下向き邪魔板 13 入口 14 出口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスが下から上に向かって流される処
    理室の下方で有害物処理機能を有する処理液を上向きに
    噴霧して排ガスと混合し、この混合気流を、 その上方で処理室の幅方向に適当な間隔を置いて配置さ
    れた複数の溝状の上向き邪魔板の間に形成された入口を
    通過させ、 この入口及びこの入口を挟む上向き邪魔板の側縁部を、
    所定の間隔を置いて、上側から覆う逆溝状の下向き邪魔
    板がその下縁を前記上向き邪魔板の上縁よりも低く位置
    させたその間の流路を排ガスと処理液滴との混合気流を
    通過させて、この処理液滴を上向き邪魔板内に貯留さ
    せ、 この上向き邪魔板内に導かれた混合気流を、この上向き
    邪魔板内に貯留された処理液と接触させて前記下向き邪
    魔板の間に形成された出口より排出させることを特徴と
    する排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 処理液が消臭機能を有する活性物質を含
    有するものである請求項1に記載の排ガスの処理方法。
  3. 【請求項3】 処理液が植物性消臭剤を含有するもので
    ある請求項1又は2に記載の排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 処理液がフィトンチッドを含有するもの
    である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の排ガス
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 排気ガスを複数の上向き邪魔板の間の入
    口から下向き邪魔板によって上向き邪魔板内の処理液内
    に導き、この処理液内を通って下向き邪魔板の間の出口
    を通り抜けさせる手順を複数段にわたって繰り返す請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載の排ガスの処理方
    法。
  6. 【請求項6】 排ガスが下から上に向かって流される処
    理室と、この処理室の下方で有害物処理機能を有する処
    理液を排ガスの流れる方向に噴霧する処理液噴霧手段
    と、この処理液噴霧手段の上方で処理室の幅方向に適当
    な間隔を置いて配置された複数の溝状の上向き邪魔板
    と、上向き邪魔板の間に形成された入口及びこの入口を
    挟む上向き邪魔板の側縁部を上側から覆う逆溝状の下向
    き邪魔板とを設け、かつ、この下向き邪魔板の下縁を上
    向き邪魔板の上縁よりも低く位置させ、下向き邪魔板の
    間に出口を形成したことを特徴とする排ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 処理室内に上向き邪魔板と下向き邪魔板
    とが交互に上下多段に配置されている請求項6に記載の
    排ガス処理装置。
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