JPH09224507A - 養液栽培システムにおける余剰養液排出装置 - Google Patents

養液栽培システムにおける余剰養液排出装置

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JPH09224507A
JPH09224507A JP8037916A JP3791696A JPH09224507A JP H09224507 A JPH09224507 A JP H09224507A JP 8037916 A JP8037916 A JP 8037916A JP 3791696 A JP3791696 A JP 3791696A JP H09224507 A JPH09224507 A JP H09224507A
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nutrient solution
liquid
pipe
excess
tray
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Masaru Suematsu
優 末松
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Taiyo Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化を最小限度に抑えつつ、かつ、
可動部分の移動距離を極力短くして応答性に優れた養液
栽培システムにおける余剰養液排出装置を提供すること
を解決すべき課題とする。 【解決手段】 人工培地(2)が敷設されたトレイ
(3)に供給される養液(W)を排出するようにした余
剰養液排出装置(20)であって、前記トレイに形成さ
れた養液溜まりに連通させられた導液管(21)と、こ
の導液管の途中に設けられ、前記余剰養液が一時貯留さ
れる計量筒(22)と、この計量筒に併設され、この計
量筒を前記養液溜まりと排液路(23)とへ交互に連通
させる流路切り換え手段(24)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物を人工培地で
栽培する養液栽培システムに適用されて、前記人工培地
に供給される余剰の養液を排出する余剰養液排出装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロックウール製のマットのような
人工培地に野菜等の植物を植え込むとともに、前記人工
培地に肥料を水で希釈した養液を供給し、この養液を前
記人工培地の毛細管作用によって前記植物の根に移動さ
せて吸収させることにより、この植物を育成するように
した養液栽培システムが知られている。
【0003】この養液栽培システムでは、余剰の養液
は、前記人工培地が設置されたトレイに形成されている
養液溜まりに貯留されて、順次前記人工培地の毛細管作
用によって吸い上げられて、植物へ供給されるようにな
っている。
【0004】そして、前記養液の供給は、予め設定され
た時間毎に、あるいは、前記養液溜まり内の養液の液位
が規定値以下になった時点で開始され、また、養液の供
給側において供給量を計測して、その供給量が所定量に
達した時点で、あるいは、前記養液溜まりの液位を計測
して、その液位が規定値に達した時点で養液の供給が停
止されるようになっている。
【0005】ところで、このような養液栽培システムに
おいては、植物の育成過程で、植物の根に老廃物や残存
随伴イオンが付着し前記養液の吸収が悪くなること等の
理由から、通常の、植物に吸収される量以上の養液を前
記人工培地に供給して、その余剰分の養液によって前述
した老廃物や残存随伴イオン等を洗い流すことが試みら
れている。
【0006】一方、このように余剰の養液を供給する場
合、植物における蒸散量が、その成育状況や温度条件、
あるいは、日照条件等によって変化することから、一定
量づつ供給される養液に対する蒸散量(植物による吸収
量)の割合が変化し、これに伴って、前述した洗浄に用
いられる養液量も変化してしまい、洗浄作用が不十分に
なってしまうことが想定される。
【0007】このような不具合を解消するためには、養
液の供給の度に、最大蒸散量を加味した過剰の養液を供
給する必要があるが、単位時間当たりの養液供給量を一
定とした場合、その供給時間の長期化を招き、また、状
況によっては養液を無駄に供給してしまい、生産コスト
の高騰の原因となる。
【0008】そこで、本願出願人は、特開平1ー191
623号公報に示されるように、前述した不具合への対
処策を提案した。
【0009】この技術は、前記トレイの養液溜まりに定
量ポンプを併設しておき、この定量ポンプによって前記
トレイに供給される養液中から一定量の養液を排出する
ことにより、また、その作動回数を制御することによ
り、排出する余剰養液量を調整して、洗浄に供される養
液量を必要かつ最小限度の量に制御するようにしたもの
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
先の提案に係る技術においても、なお、つぎのような改
善すべき問題点が残されている。
【0011】すなわち、前記技術においては、定量ポン
プを用いて余剰養液を排出することにより、洗浄用の余
剰養液量を制御するようにしているが、前記定量ポンプ
における排出量は、その内部に装着されているプランジ
ャのストロークによって決定されるため、プランジャを
作動させるためにエアーシリンダ等のアクチュエータを
用いた場合、このアクチュエータに、前記プランジャの
ストロークと同等以上の作動距離を与えなければなら
ず、装置の大型化を招きやすい。
【0012】また、定量ポンプの内部に作動流体を導い
て、前記プランジャを直接作動させるようにすることも
考えられるが、この場合においても、排出する養液の量
とほぼ同量の作動流体を必要とし、また、排出動作完了
後において前記プランジャを初期位置に戻すために設け
られるリターンスプリングも同様に長尺化する。
【0013】さらに、養液の排出量を確保しつつプラン
ジャの作動距離を小さくしようとすると、このプランジ
ャの径を大きくしなければならず、これに伴って、プラ
ンジャの質量が大きくなり、駆動力の増加を招いてしま
う。
【0014】そして、このように可動部分の移動距離が
大きくなること、あるいは、プランジャの質量が大きく
なることにより、応答性が低下してしまうといった不具
合の発生も想定される。
【0015】本発明は、前述した問題点に鑑みてなされ
たもので、装置の大型化を最小限度に抑えつつ、かつ、
可動部分の移動距離を極力短くして応答性に優れた養液
栽培システムにおける余剰養液排出装置を提供すること
を解決すべき課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の養液栽培システムにおける余剰養液排出装置は、前述
した課題を解決するために、植物が植え込まれる人工培
地が敷設されたトレイと、このトレイに植物育成用の養
液を供給する養液供給手段とを備えた養液栽培システム
に適用されて、前記トレイに供給される養液を排出する
ようにした余剰養液排出装置であって、前記トレイに形
成された養液溜まりに連通させられた導液管と、この導
液管の途中に設けられ、前記余剰養液が一時貯留される
計量筒と、この計量筒に併設され、この計量筒を前記養
液溜まりと排液路とへ交互に連通させる流路切り換え手
段を備えていることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項2に記載の養液栽培システ
ムにおける余剰養液排出装置は、請求項1における前記
流路切り換え手段が、前記養液供給手段における養液供
給圧力によって作動させられるようになされていること
を特徴としている。
【0018】また、本発明の請求項3に記載の養液栽培
システムにおける余剰養液排出装置は、請求項1または
請求項2における前記流路切り換え手段が、前記養液供
給手段による養液供給時において、前記養液溜まりと計
量筒とを連通させ、かつ、養液供給停止時において、前
記計量筒を排液路へ連通させるようになされていること
を特徴としている。
【0019】さらに、本発明の請求項4に記載の養液栽
培システムにおける余剰養液排出装置は、請求項1にお
ける前記計量筒には、その内部容積を変化させる容積調
整手段が設けられていることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
ついて図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係
わる余剰養液排出装置が適用された養液栽培システムに
ついて、図1に基づき説明する。
【0021】図1において符号1で示す養液栽培システ
ムは、ロックウール製マット等の人工培地2が敷設され
たトレイ3と、前記人工培地2に養液を供給する養液供
給手段4とを備えた概略構成となっている。
【0022】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記トレイ3は、ステンレス等の金属あるいは合成
樹脂により上部が開放された箱形に形成されて、その内
部に前記人工培地2が装着されているとともに、水平面
に対して所定角度α傾斜して設置されている。
【0023】この傾斜角度は、栽培する植物の種類や栽
培システムの種類によって任意に設定されるもので、場
合によってはα=0に設定される。
【0024】また、前記トレイ3の傾斜方向下方に位置
する縁部には、前記人工培地2から流出する養液Wを貯
留するための養液溜まりとしての樋5が設けられてお
り、この樋5内には、その内部に貯留される養液Wの液
位の下限を検出するためのレベルセンサ6が設置されて
いる。
【0025】前記養液供給手段4は、水と液肥とを所定
の割合で混合して、規定濃度の養液を生成する養液タン
ク7と、この養液タンク7に連設された養液供給管8
と、この養液供給管8の下流側の端部に取り付けられる
とともに、前記トレイ3の傾斜方向上方の縁部に配置さ
れて、このトレイ3に装着されている前記人工培地2の
上端部へ向けて養液を散布する養液散布ヘッダ9と、前
記養液供給管8の途中に設けられて、前記養液Wを圧送
する給液ポンプ10と、前記養液タンク7に給液管11
を介して連設され、前記養液タンク7へ供給される液肥
が貯留された複数の液肥タンク12と、各給液管11の
途中に設けられて、前記液肥タンク12から液肥を所定
量づつ前記養液タンク7へ供給する定量ポンプ13と、
前記養液タンク7内に設置されて、その内部の養液Wの
液位に基づいて、給水量を制御するフロート弁14と、
このフロート弁14に接続された給水管15と、この給
水管15の途中で、前記養液タンク7よりも上流側に設
置されて、この養液タンク7への給水量を検出する流量
計16とによって構成されている。
【0026】また、前記レベルセンサ6、給液ポンプ1
0、各定量ポンプ13および流量計16は、ぞれぞれコ
ントロールユニット17に接続されており、前記レベル
センサ6は、前記樋5内の養液水位が下限値に達した時
点で、前記コントロールユニット17へ給液開始信号Q
を出力し、また、前記流量計16は、前記養液タンク7
への給水量に応じた給水量信号Lを出力し、かつ、前記
コントロールユニット17においては、前記流量計16
からの給水量信号Lに応じて前記複数の定量ポンプ13
のそれぞれに駆動信号Mを出力するとともに、前記レベ
ルセンサ6からの給液開始信号Qに基づき、前記給液ポ
ンプ10へ駆動信号Nを出力するようになっている。
【0027】そして、前記樋5と前記養液タンク7との
間に、前記養液栽培システム1を構成する本実施形態に
係わる余剰養液排出装置20が設けられている。
【0028】この余剰養液排出装置20は、図1に示す
ように、前記樋5に連通状態で接続された導液管21
と、この導液管21の途中に設けられ、前記樋5に貯留
されている養液が流入させられる計量筒22と、この計
量筒22に併設され、この計量筒22を、前記養液溜ま
りとしての樋5と後述する排液路23とへ交互に連通さ
せる流路切り換え手段24とによって概略構成されてい
る。
【0029】さらに図2に基づき詳述すれば、前記計量
筒22は、本実施形態においては、円筒状に形成され
て、その軸線が水平状態となるように、かつ、前記樋5
よりも下方となるように設置されており、その軸線方向
の一端部には、上方へ突出する通気管21aが連設さ
れ、また、この通気管21aと反対側には下方へ延びる
連通管21bが連設され、この連通管21bの他端部に
前記流路切り換え手段24が接続されている。
【0030】この流路切り換え手段24は、図2に示す
ように、シリンダ状の本体25と、この本体25内を軸
線方向に2分割して圧力室25aと第1の弁室25bと
を画成するとともに、前記本体25の軸線方向に摺動自
在となされたプランジャ26と、このプランジャ26
の、前記圧力室25a側に突設させられて、前記本体2
5の内部で、前記圧力室25aの側部に第2の弁室25
cを画成する補助プランジャ27と、前記第1の弁室2
5b内に装着されて、前記プランジャ26を前記補助プ
ランジャ27とともに、前記第1の弁室25bの容積を
拡大する方向に付勢するリターンスプリング28とから
構成されている。
【0031】また、前記本体25の軸方向の一端部で、
前記第2の弁室25cが形成された側の端部には、この
第2の弁室25cと前記樋5とを接続する余剰養液導入
管21cへ連通させられた通液路29が形成され、ま
た、他端部には前記排液路23が形成されている。
【0032】そして、前記各排液路23および通液路2
9の、前記本体25の内側の端部には、それぞれ弁座2
3a・29aが形成され、また、前記プランジャ26お
よび補助プランジャ27のそれぞれの端面で、前記弁座
23a・29aへ対向させられる面には、前記プランジ
ャ26および補助プランジャ27の軸線方向への摺動動
作により、前記各弁座23a・29aへ接離させられ
て、前記各排液路23や通液路29を開閉する弁体30
・31が一体に設けられているとともに、前記排液路2
3は、図1に示すように、戻し管32を介して前記養液
タンク7へ連通させられ、また、前記通液路29は、余
剰養液導入管21cを介して、前記樋5の底部に下方へ
突出するようにして形成された液溜まり5aの底面に接
続されている。
【0033】したがって本実施形態においては、前記通
気管21a、計量筒22、連通管21b、第2の弁室2
5c、および、余剰養液導入管21cとによって前記導
液管21が形成されており、前記通気管21aの上端部
が、前記樋5の上部開口端よりも若干上方に位置するよ
うになされている。
【0034】一方、前記計量筒22と流路切り換え手段
24の第2の弁室25cとを連通する連通管21bと、
前記第1の弁室25bとの間には、両者を連通状態に保
持する排液管33が設けられており、また、前記本体2
5の側壁には、前記圧力室25aを前記養液供給管8の
前記給液ポンプ10の下流側に連通させるための導圧管
34が接続されている。
【0035】また、前記プランジャ26は、前記補助プ
ランジャ27よりも大径に形成されており、これによっ
て、前記プランジャ26の圧力室25aを画成する面
に、前記補助プランジャ27を取り巻くようにして受圧
面26aが形成されている。
【0036】ついで、このように構成された本実施形態
の作用について説明する。まず、樋5内に、図2に鎖線
で示す液位Fまで養液Wが貯留され、かつ、余剰養液導
入管21cおよび流路切り換え手段24の通液路29内
に前記養液Wが充満され、また、流路切り換え手段2
4、連通管21b、排液管33、計量筒22、および、
通気管21aの内部から養液Wが排出される状態をシス
テムの作動開始状態として以降の説明を行う。
【0037】これより、植物による養液Wの吸収・蒸散
が進行すると、前記樋5内の養液Wが漸次人工培地2の
毛細管作用によって吸い上げられて、樋5内の液位が漸
次低下し、この養液Wの液位が、図2に実線で示す液位
Gまで低下した時点で、この液位Gがレベルセンサ6に
よって検出されるとともに、このレベルセンサ6からコ
ントロールユニット17へ給液開始信号Qが出力され
る。
【0038】このように、樋5内の養液貯留量が所定量
まで減少すると、前記レベルセンサ6から出力される給
液開始信号Qに基づいて、前記コントロールユニット1
7から給液ポンプ10へ駆動信号Nが出力されて、この
給液ポンプ10が所定時間駆動され、この給液ポンプ1
0により、養液タンク7に貯留されている養液Wが、養
液供給管8および養液散布ヘッダ9を介して前記人工培
地2へ供給される。
【0039】そして、この人工培地2に供給された養液
Wは、その一部が人工培地2の毛細管作用によって植物
の根へ供給されて吸収され、残余の養液Wがトレイ3の
底面に滴下するとともに、その傾斜により下流側の樋5
へ流入させられる。
【0040】一方、前述したように、前記トレイ3への
養液Wの供給がなされると、圧送される養液Wの一部が
導圧管34によって流路切り換え手段24の圧力室25
aへ導かれ、この養液Wの圧力によってプランジャ26
がリターンスプリング28の弾発力に抗して移動させら
れることにより、図3に示すように、第2の弁室25c
の弁座29aが開放されるとともに、第1の弁室25b
の弁座23aが、前記プランジャ26に取り付けられて
いる弁体30によって閉塞される。
【0041】これによって、第1の弁室25bと戻し管
32との連通が遮断されるとともに、前記樋5が、余剰
養液導入管21cおよび通液路29を介して第2の弁室
25cへ連通させられ、また、この第2の弁室25cか
ら連通管21bを経て計量筒22と通気管21aへ連通
させられ、さらに、前記排液管33を経て前記第2の弁
室25bへ連通させられる。
【0042】このような流路切り換え手段24の状態変
化により、前記樋5に貯留されている養液Wが余剰養液
導入管21cを経て流路切り換え手段24へ導かれ、こ
の流路切り換え手段24の第1の弁室25bおよび排液
管33や連通管21bを満たした後に、前記計量筒22
へ送り込まれる。
【0043】そして、前記計量筒22を満たした養液W
は、図3に示すように、さらに通気管21aへ導かれる
が、この通気管21a内の液位が、前記樋5内の養液W
の液位Hと同一高さとなった時点で、前述した養液Wの
移動が停止させられる。
【0044】また、前述したように、トレイ3への養液
Wの供給と同時に流路切り換え手段24が作動させられ
ることにより、養液Wの供給開始と同時に樋5内の養液
Wが計量筒22へ送り込まれ、これによって、前記樋5
内の養液Wの液位が、下限の液位よりもさらに下降し、
この状態で、前述した通気管21aの液位と樋5内の養
液Wの液位とがバランスすることとなる。
【0045】しかしながら、前記給液ポンプ10が予め
設定されている時間継続して駆動されることにより、こ
の駆動時間に相当する量の養液Wが前記人工培地2へ供
給されるとともに、トレイ3の底面に滴下した養液Wが
前記樋5内に順次流入して貯留され、これによって、前
記樋5内の液位および前記通気管21aの液位が、同一
高さを維持しつつ共に上昇し、所定量の養液Wが供給さ
れた時点、たとえば、前記樋5の液位が動作初期の液位
Fに一致させられる量の養液Wが供給された時点で養液
Wの供給が停止される。
【0046】そして、このように、人工培地2への養液
Wの供給が停止されると、導圧管34内の圧力低下に伴
い、流路切り換え手段24のプランジャ26がリターン
スプリング28によって第2の弁室25cへ向けて移動
させられ、これによって、第2の弁室25cの弁座29
aに、前記プランジャ26に取り付けられている弁体3
1が当接させられることにより、前記通液路29が遮断
されて、前記樋5と流路切り換え手段24との連通が遮
断されるとともに、前記樋5からの流路切り換え手段2
4および計量筒22への養液Wの流れ込みが停止され
る。
【0047】また、前述したプランジャ26の作動によ
り、このプランジャ26の他方に設けられている弁体3
0が、第1の弁室25bの弁座23aから離間させられ
て、前記第1の弁室25bが前記排液路23へ連通させ
られる。
【0048】したがって、前記第1の弁室25b、排液
管33、連通管21b、第2の弁室25c、計量筒2
2、および、通気管21aが、前記戻し管32を介して
養液タンク7へ連通させられることとなり、これらの内
部に導かれた養液Wが、前記戻し管32を経て前記養液
タンク7へ排出され、このような一連の作動によって、
流路切り換え手段24や計量筒22の容積に応じた養液
Wが、養液供給手段4によって供給される一定量の養液
Wから余剰養液として引き抜かれる。
【0049】そして、前記計量筒22や、この計量筒2
2に接続される流路切り換え手段24、および、これら
を連通する連通管21bや排液管33の容量が一定であ
ることから、前記通気管21aの内径を可能な限り小さ
くすることにより、この通気管21a内の液位変動によ
る余剰養液の排出量の変動が抑制され、これによって、
人工培地2の洗浄に用いられる養液量がほぼ一定とな
り、人工培地2に対する洗浄作用が確実に行われる。
【0050】一方、本実施形態においては、前記余剰養
液を排出するための可動部分が、流路切り換え手段24
のプランジャ26および補助プランジャ27のみであ
り、かつ、この流路切り換え手段24の容積が養液Wの
流れを阻害しない程度の容積で済むことから、前記各プ
ランジャ26・27の質量が小さく抑えられ、さらに、
これらの各プランジャ26・27の作動距離が、各弁座
23a・29aを開閉するだけの距離で済むことから、
余剰養液排出装置20の全体としての形状がコンパクト
になり、また、可動部分の質量や作動距離が小さく抑え
られることにより、高い応答性が得られる。
【0051】また、養液Wの供給が停止された時点で、
前記計量筒22内に取り込まれた余剰養液Wが養液タン
ク7へ排出されることから、余剰養液Wの排出が速やか
に行われて、この余剰養液Wが余剰養液排出装置20内
に滞留するようなことはなく、これによって、取り込ま
れた養液Wの変質が抑制されるとともに、この余剰養液
Wの洗浄作用によって除去された老廃物等が沈殿して固
着するといった不具合の発生が抑制される。
【0052】そして、前述した人工培地2への養液Wの
供給に伴い、前記養液タンク7内の養液Wの液位が低下
すると、この液位の低下がフロート弁14によって検出
されるとともに、その液位の低下に応じてフロート弁1
4が作動させられることにより、前記養液タンク7内に
給水管15から水が供給されて、この養液タンク7内の
液位が所定の液位まで回復される。
【0053】そして、このフロート弁14による給水量
が、給水管15に設けられている流量計16によって検
出されるとともに、その給水量信号Lがコントロールユ
ニット17へ出力され、この給水量信号Lに基づいて、
各液肥タンク12に設けられている定量ポンプ13へ駆
動信号Mが出力されて、これらの各定量ポンプ13が作
動させられることにより、各液肥タンク12に貯留され
ている液肥が、前記給水量に応じて前記養液タンク7へ
供給され、この養液タンク7内の養液Wが所定の濃度に
調整されるとともに、人工培地2への次回の養液供給の
ために待機させられる。
【0054】なお、前述した実施形態においては、人工
培地2への養液Wの供給量を、供給時間を設定すること
によって制御するようにしたが、これに代えて、前記樋
5内に、この樋5内の養液Wの液位の上限位置を検出す
るレベルセンサを別個に設けておき、このレベルセンサ
からの液位の上限値に関する検出信号に基づいて、前記
養液Wの供給を停止させるような構成とすることも可能
である。
【0055】また、流路切り換え手段24の作動を、前
記養液供給管8内の養液供給圧力を利用して行うように
した構成について例示したが、別途駆動機構を設けて、
養液供給手段とは独立して駆動させるようにすることも
可能である。
【0056】そして、このような構成と、前記レベルセ
ンサを用いた養液の供給停止構造とを組み合わせること
により、一度の養液供給動作に対して、前記余剰養液排
出装置20を複数回作動させて、人工培地2の洗浄に供
される養液量を増加させるようにすることも可能であ
る。
【0057】ついで、本発明の第2の実施形態につい
て、図4および図5を参照して説明する。本実施形態
は、前述した実施形態において示した計量筒22に変更
を加えたもので、その他の部分は前記実施形態と同様で
あるため、同一符号を用いて説明を簡略化する。
【0058】これらの図において符号40で示す計量筒
は、円筒状の計量筒本体41と、この計量筒本体41の
各端部を液密に閉塞する栓体42・43と、前記計量筒
本体41内に、その軸線方向に摺動自在に嵌挿され、前
記一方の栓体42との間に貯留室41aを形成する可動
隔壁44と、この可動隔壁44を摺動させる位置調整機
構45とを備えた概略構成となっている。
【0059】さらに詳述すれば、前記一方の栓体42に
は、前記計量筒本体41の内部へ連通させられた一対の
通液孔46・47が、計量筒本体41の外部へ開口する
ように形成されており、一方の通液孔46の外部側の端
部には、前記通気管21aが接続され、さらに、この通
気管21aを覆うようにして保護管48が設けられて、
また、前記他方の通液孔47に、前記連通管21bが接
続されるようになっている。
【0060】前記可動隔壁44は、円盤状に形成されて
いるとともに、その外周には、可動隔壁44の外周面と
計量筒本体41の内周面との間を液密状態に閉塞するO
リング状のシールリング49が、一対平行に装着され、
さらに、前記一方の栓体42と対向させられる面には、
この可動隔壁44が前記一方の栓体42の至近位置まで
移動させられた際に、この栓体42に接触させられて、
前記両通液孔46・47間の連通を遮断するシール材5
0が径方向に沿って装着されている。
【0061】また、前記可動隔壁44は、図示しない回
転防止機構によって、前記計量筒本体41に対して軸回
りの相対回動が拘束されるようになっている。
【0062】前記位置調整機構45は、前記計量筒本体
41と同軸上に配設されたボールネジ51と、このボー
ルネジ51に螺着されるとともに、前記可動隔壁44に
固定されたボールナット52とによって構成されてお
り、前記ボールネジ51の一端部は、前記一方の栓体4
2の中心部に装着されている軸受け53によって回転自
在に支持され、また、他端部は、前記他方の栓体43の
中心部を貫通して外部へ突出させられているとともに、
この栓体43の内側中心部に設けられている軸受け54
によって回転自在に支持され、前記ボールネジ51を回
転させて前記ボールナット52が取り付けられた可動隔
壁44を計量筒本体41の軸方向に摺動させることによ
り、前記可動隔壁44と一方の栓体42との間に形成さ
れる前記貯留室41aの容積を変化させるようになって
いる。
【0063】また、前記ボールネジ51の他端部で、前
記栓体43から外部へ突出させられた端部には、このボ
ールネジ51を回転させるための調整つまみ55が取り
付けられ、さらに、この調整つまみ55には、栓体43
の外面に沿いかつその径方向に沿って突出させられた指
針56が設けられている。
【0064】そして、前記貯留室41aの容積は、前記
可動隔壁44の、前記計量筒本体41の軸方向における
位置によって決定され、かつ、この可動隔壁44の位置
が、前記ボールネジ51の回転位置によって決定される
ことから、このボールネジ51の回転位置と前記貯留室
41aの容積とが1:1の関係にあり、この関係を利用
して、前記他方の栓体43の外面には、図5に示すよう
に、前記ボールネジ51の回転位置を示す前記指針56
に対応して、貯留室41aの容積を示す表示がなされて
いる。
【0065】このように構成された本実施形態おいて
は、調整つまみ55を回転させて可動隔壁44を移動さ
せると、この可動隔壁44と一方の栓体42との間隔が
変化して、計量筒40内の容積が調整される。
【0066】そして、図4に鎖線で示すように、前記可
動隔壁44が一方の栓体42へ最接近させられると、前
記可動隔壁44の端面に、その径方向に沿って設けられ
ているシール材50が、前記一方の栓体42へ当接させ
られることにより、前記両通液孔46・47の連通が遮
断され、これによって導液管21の一端部が閉塞された
状態となされることにより、前記流路切り換え手段24
によって前記計量筒40と樋5とが連通されても、この
計量筒40内への養液Wの流入はない。
【0067】したがって、本実施形態においては、余剰
養液を全く排出しない状態から、計量筒40の最大容量
までの幅広い範囲で、前記余剰養液の排出量の調整が行
われる。
【0068】したがって、たとえば、植物の根に付着す
る老廃物や残存随伴イオンの付着状況に応じた余剰養液
Wの排出量の調整が可能となり、人工培地2への養液W
の供給量が適量に調整されるとともに、養液供給手段4
の過度の作動が抑制されて、稼働効率が高められるとと
もに生産コストの低減が図られる。
【0069】そして、本実施形態においては、計量筒4
0の容積に対応した表示が栓体43の表面に表記されて
いることから、この表示に調整つまみ55の指針を合わ
せるだけで、容易に余剰養液の排出量の調整が行われ
る。
【0070】さらに、本発明の第3の実施形態につい
て、図6および図7に基づき説明する。これらの図にお
いて符号60で示す本実施形態に係わる余剰養液排出装
置は、トレイ3に形成されている液溜まり5aの底部に
一端部が連通された余剰養液導入管21cと、この余剰
養液導入管21cの他端部に接続された流路切り換え手
段61と、この流路切り換え手段61に接続され、前記
余剰養液導入管21cおよび流路切り換え手段61を介
して取り込まれた余剰養液Wが貯留される計量筒62と
を備えた概略構成となっている。
【0071】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記流路切り換え手段61は、栽培システム1の養
液供給管8に導圧管34を介して接続された圧力室63
を形成する第1シリンダSと、この圧力室63に連設さ
れたピストン室64を形成する第2シリンダTとを備え
ている。
【0072】前記圧力室63には、前記導圧管34から
導入される養液の圧力によって一方向に押圧移動させら
れる第1ピストン65と、この第1ピストン65を逆方
向に押圧移動させるリターンスプリング66と、前記圧
力室63の内壁面と前記第1ピストン65の外周面との
間に介装されて、圧力室63内に導入される養液Wから
前記リターンスプリング66を隔離する長ストロークダ
イアフラム67とが装着されている。
【0073】また、前記ピストン室64には、前記第1
ピストン65に連結されて、この第1のピストン65と
一体的に摺動させられる切り換えピストン68が摺動自
在に挿入されている。
【0074】前記ピストン室64を形成する第2シリン
ダTの側壁には、前記余剰養液導入管21cが接続され
る通液路69と、前記計量筒62との連通をなす連通管
70と、この連通管70を介して第2シリンダTへ流入
する前記計量筒62内の養液を栽培システム1の養液タ
ンク7へ導くための排液路71がそれぞれ設けられてお
り、前記連通管70と前記排液路71とは、第2シリン
ダTの周方向にほぼ180度の位置に設けられている。
【0075】前記切り換えピストン68は、前記第1ピ
ストン65へ連結された側(以下、基端部と称す)と反
対側の端部(以下、先端部と称す)外周に、この切り換
えピストン68と第2シリンダTとの間を液密に保持す
るための2つのOリング72・73が、長さ方向に間隔
をおいて装着されているとともに、これらのOリング7
2・73から基端部へ向けて所定間隔をおいた位置に、
前記Oリング72・73と同様のOリング74が装着さ
れ、かつ、一対のOリング72・73の内の基端部側へ
位置させられたOリング73と前記基端部側へ離間して
設けられたOリング74との間に、前記切り換えピスト
ン68の全周に亙ってスプール75が形成されている。
【0076】そして、前記切り換えピストン68が最前
進位置(図6および図7中の左側の端部)へ移動させら
れた状態において、切り換えピストン68の先端部に装
着されている一対のOリング72・73が、図6に示す
ように、前記排液路71に対して、前記第2シリンダT
の長さ方向の両側に位置させられてこの排液路71と第
2シリンダTの内部との連通を遮断するように、両Oリ
ング72・73の位置設定がなされている。
【0077】また、前記切り換えピストン68が最前進
位置に位置させられた状態において、前記第2シリンダ
Tに接続されている前記連通管70が、前記基端部側の
Oリング73の至近位置で前記切り換えピストン68の
スプール75に連通するように、また、前記切り換えピ
ストン68の移動位置に拘わりなく、前記通液路69と
前記スプール75とが連通状態に保持されるように、前
記連通管70、通液路69、および、基端部側に離間し
て装着されているOリング74の設置位置が設定されて
いる。
【0078】さらに、前記切り換えピストン68は、最
後退位置において、その先端が前記連通管70よりも前
記第1シリンダS側へ位置させられることにより、前記
連通管70と排液路71とを前記第2シリンダTの内部
を通して連通させるようになっており、このような切り
換えピストン68の最前進位置は、図6に示すように、
前記第1ピストン65と第1シリンダSの内壁との当接
によって規制され、また、最後退位置は、図7に示すよ
うに、切り換えピストン68の基端と第2シリンダTの
内壁との当接によって規制されるようになっている。
【0079】前記計量筒62は、有底筒状の計量筒本体
76と、この計量筒本体76の開口部から挿入されて、
計量筒本体76の底部内面との間に計量室77を形成す
る摺動可能な排液量調整ピストン78と、この排液量調
整ピストン78を貫通して設けられ、前記計量室77を
外気へ連通させる極細管からなる通気管79とによって
構成されている。
【0080】そして、前記計量筒本体76は、その底部
において前記連通管70を介して前記第2シリンダTへ
連通させられており、前記排液量調整ピストン78は、
前記計量筒本体76内への挿入長さを変更することによ
り、前記計量室77の容積を調整するようになされてい
る。
【0081】また、前記計量室77は、前記トレイ3の
最下端よりも下方に位置させられているとともに、前記
通気管79の上端部は、前記トレイ3の最上端よりも高
い位置に位置させられている。
【0082】ついで、このように構成された本実施形態
に係わる余剰養液排出装置60の作用について説明す
る。
【0083】まず、トレイ3へ養液Wの供給が開始され
ると、その養液Wの一部が導圧管34を経て第1シリン
ダSの圧力室63へ導かれることにより、この圧力室6
3内の圧力が高められて、第1ピストン65がリターン
スプリング66の弾発力に抗して第2シリンダT側へ向
けて移動させられるとともに(この方向への移動を前進
とし、逆方向への移動を後退とする)、切り換えピスト
ン68も同様に前進させられ、前記第1ピストン65が
第1シリンダSの内壁へ当接させられることによって、
両ピストン65・68が最前進位置へ位置させられる。
【0084】この状態において、第2シリンダTに形成
されている通液路69と連通管70とが、切り換えピス
トン68に形成されているスプール75を介して連通さ
せられるとともに、排液路71が閉塞され、これによっ
て、前記トレイ3の液溜まり5a内の養液Wが、余剰養
液導入管21cを介して前記計量筒62に貯留される。
【0085】したがって、図6に矢印で示すように、前
記トレイ3内の養液Wが、余剰養液導入管21c、第2
シリンダT、および、連通管70を経て計量筒本体76
の計量室77へ導かれるが、この計量室77が前記トレ
イ3の最下端よりも下方に位置させられていることか
ら、前記計量室77が前記養液Wによって充満させられ
た後に、さらに、この養液Wが通気管79へ流入する。
【0086】そして、前記トレイ3内への養液Wの供給
が継続して行なわれている間は、前記計量室77内への
養液Wの流入も継続して行なわれ、前記通気管79内の
液位が、前記トレイ3内の液位と同一レベルを保持しつ
つ上昇し、前記トレイ3内への養液Wの供給が停止させ
られた時点で、前記計量室77内への養液Wの流入が停
止しかつ通気管79内の液位の上昇も停止する。
【0087】つぎにトレイ3への養液Wの供給が停止さ
れると、前記圧力室63内の圧力が降下することによ
り、前記第1ピストン65および切り換えピストン68
がリターンスプリング66の弾発力によって最後退位置
まで移動させられ、これによって、図7に示すように、
通液路69と連通管70との連通が遮断され、かつ、こ
の連通管70がピストン室64へ連通させられるととも
に、一対のOリング72・73によって閉塞されていた
排液路71が開放されて、この排液路71へ前記連通管
70が前記ピストン室64を介して連通させられる。
【0088】したがって、前記計量室77が、前記連通
管70、ピストン室64、排液路71、および、戻し管
32を経て養液タンク7へ連通させられ、この結果、前
記計量室77内の養液Wが余剰分として前記養液タンク
7へ排出される。
【0089】そして、この排出される養液Wの量は、連
通管70の容積、計量室77の容積、および、通気管7
9の容積の合計によって決定されるが、通気管79の液
位の変化による容積変化分が、前記養液Wの排出量の変
化として現われる。
【0090】しかしながら、前記通気管79が極細管に
よって形成されていて、養液Wの排出量全体に対する通
気管79の容積の比率が極めて小さいことから、この通
気管79に基づく排出養液量のばらつきは問題にならな
い程度に抑さえられる。
【0091】したがって、本実施形態においても、トレ
イ3への養液Wの供給の度毎に一定した余剰の養液Wが
排出され、人工培地2の洗浄作用が確実に確保される。
【0092】しかも本実施形態においては、第2シリン
ダT内に突起物がなく、養液Wの流れに際して、淀み部
がないことから、計量された余剰の養液Wの排出量が高
精度に設定される。
【0093】また、通気管79を排液量調整ピストン7
8を貫通させて設けることにより、計量筒62からの突
出部分が少なくなり、その分装置の小型化が可能とな
る。
【0094】なお、前記各実施形態において示した各構
成部材の諸形状や寸法等は一例であって、適用する養液
栽培システムの種類、あるいは、設計要求等に基づき種
々変更可能である。
【0095】たとえば、前記各実施形態においては、養
液Wの供給時に、流路切り換え手段24が作動させられ
ることにより、計量筒22・40と樋5とが連通され
て、これらの計量筒22・40内に余剰養液が取り込ま
れ、養液Wの供給停止とともに流路切り換え手段24が
停止されることにより、取り込まれた余剰養液が外部へ
排出されるような構成について示したが、これに代え
て、養液Wの供給停止時で流路切り換え手段24の作動
が停止した状態において、前記計量筒22・40と樋5
とが連通されて、前記計量筒22・40内に余剰養液が
取り込まれ、養液Wの供給開始に伴って流量調整手段2
4が作動させられる際に、前記計量筒22・40に取り
込まれた余剰養液Wが外部へ排出されるような構成とす
ることも可能である。
【0096】また、第2の実施形態においては、ボール
ネジ51およびボールナット52、あるいは、調整つま
み55等からなる位置調整機構45を設け、この位置調
整機構45によって可動隔壁44を移動させることによ
り、計量筒40内の容積調整が行われるような構成とし
た例を示したが、この位置調整機構は一例であって適宜
変更可能であり、また、前記位置調整機構45を省略し
て、前記可動隔壁44を直接移動させることにより容積
調整を行うようにすることも可能である。
【0097】このような構成とした場合には、計量筒本
体41の内周面に、容積に対応した表示を軸方向に間隔
をおいて表記しておき、この表記に、前記可動隔壁44
の特定位置を合致させることにより、設定される容積を
確認できるようにすることもできる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係わる養液栽培システムにおける余剰養液排出装置に
よれば、特に、植物が植え込まれる人工培地が敷設され
たトレイに供給される養液を排出するようにした余剰養
液排出装置であって、前記トレイに形成された養液溜ま
りに連通させられた導液管と、この導液管の途中に設け
られ、前記余剰養液が一時貯留される計量筒と、この計
量筒に併設され、この計量筒を前記養液溜まりと排液路
とへ交互に連通させる流路切り換え手段を備えた構成と
したから、容積が一定した計量筒へ養液を取り込むこと
により、余剰養液の排出量を一定にして、人工培地の洗
浄を確実にかつ安定して行うことができる。
【0099】しかも、流路切り換え手段が、余剰養液を
計量筒へ取り込む流路と、取り込まれた余剰養液を計量
筒から排出する流路とを切り換える機能、すなわち、流
路の開閉機能に集約され、余剰養液量の設定に何等関与
しないことから、その可動部分の可動範囲が小さくて済
むとともに可動部材自体も小さくて済み、これによって
装置の小型・軽量化が可能となり、かつ、作動の応答性
を高めることができる。
【0100】本発明の請求項2に係わる養液栽培システ
ムにおける余剰養液排出装置によれば、請求項1におけ
る流路切り換え手段を、養液供給手段における養液供給
圧力によって作動させるようにしたから、養液の供給動
作に確実に同期させて余剰養液の排出操作を行わせるこ
とができ、また、専用の駆動手段を別途設ける必要がな
く、設備コストの低減を図ることができる。
【0101】また、本発明の請求項3に係わる養液栽培
システムにおける余剰養液排出装置によれば、請求項1
または請求項2における前記流路切り換え手段を、養液
供給時において養液溜まりと計量筒とを連通させ、か
つ、養液供給停止時において計量筒を排液路へ連通させ
るようにしたから、養液の供給動作が停止した時点で、
取り込んだ余剰養液を速やかに排出することができ、こ
れによって、養液が装置内に滞留することによる養液の
経時的な変質を防止することができるとともに、取り込
まれた養液Wの変質が抑制されるとともに、この余剰養
液Wの洗浄作用によって除去された老廃物等が装置内に
おいて沈殿して固着するといった不具合の発生が抑制さ
れる。
【0102】さらに、本発明の請求項4に係わる養液栽
培システムにおける余剰養液排出装置によれば、請求項
1における前記計量筒に、その内部容積を変化させる容
積調整手段を設けたから、適用する養液栽培システムの
構成上の変更や環境の変化、たとえば、栽培する植物の
種類や苗の数、あるいは、人工培地の変更、さらには、
設置された場所の気候の変化等に応じて、余剰養液の排
出量を最適値に容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態が適用された養液栽培
システム全体の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す拡大縦断面図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施形態の作動状態を示す拡大
縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す要部の縦断面図
である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す要部の側面図で
ある。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す要部の縦断面図
である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す要部の縦断面図
である。
【符号の説明】
1 養液栽培システム 2 人工培地 3 トレイ 4 養液供給手段 5 樋(養液溜まり) 5a 液溜まり 20・60 余剰養液排出装置 21 導液管 22・40・62 計量筒 23・71 排液路 24・61 流路切り換え手段 34 導圧管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物が植え込まれる人工培地が敷設され
    たトレイと、このトレイに植物育成用の養液を供給する
    養液供給手段とを備えた養液栽培システムに適用され
    て、前記トレイに供給される養液を排出するようにした
    余剰養液排出装置であって、前記トレイに形成された養
    液溜まりに連通させられた導液管と、この導液管の途中
    に設けられ、前記余剰養液が一時貯留される計量筒と、
    この計量筒に併設され、この計量筒を前記養液溜まりと
    排液路とへ交互に連通させる流路切り換え手段を備えて
    いることを特徴とする養液栽培システムにおける余剰養
    液排出装置。
  2. 【請求項2】 前記流路切り換え手段が、前記養液供給
    手段における養液供給圧力によって作動させられるよう
    になされていることを特徴とする請求項1に記載の養液
    栽培システムにおける余剰養液排出装置。
  3. 【請求項3】 前記流路切り換え手段が、前記養液供給
    手段による養液供給時において、前記養液溜まりと計量
    筒とを連通させ、かつ、養液供給停止時において、前記
    計量筒を排液路へ連通させるようになされていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の養液栽培シ
    ステムにおける余剰養液排出装置。
  4. 【請求項4】 前記計量筒には、その内部容積を変化さ
    せる容積調整手段が設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の養液栽培システムにおける余剰養液排出
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005198989A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Matsushita Electric Works Ltd 美顔器
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