JPH09224305A - 動力出力装置およびその制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法

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JPH09224305A
JPH09224305A JP8053939A JP5393996A JPH09224305A JP H09224305 A JPH09224305 A JP H09224305A JP 8053939 A JP8053939 A JP 8053939A JP 5393996 A JP5393996 A JP 5393996A JP H09224305 A JPH09224305 A JP H09224305A
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隆地 藤
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常ドライブとオーバードライブとを切り換
える。 【解決手段】 動力出力装置20は、エンジン50とク
ラッチモータ30とアシストモータ40と制御装置80
とを備える。両モータ30,40は、制御装置80によ
り制御されることで、エンジン50の回転数が駆動軸2
2の回転数より大きい通常ドライブにより又は逆のオー
バードライブにより、エンジン50から出力される回転
数とトルクとの積で表わされるエネルギを、駆動軸22
の回転数とトルクとの積で表わされるエネルギにトルク
変換して駆動軸22に伝達する。通常ドライブとオーバ
ードライブとの切り換えは、エンジン50の負荷トルク
をなすクラッチモータ30の電磁的な結合力(トルク)
を順次増加または順次減少することにより、負荷トルク
と回転数とにより定まるエンジン50の運転ポイントを
順次変更して行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置およ
びその制御方法に関し、詳しくは原動機より得られる動
力を効率的に駆動軸に伝達し又は利用する動力出力装置
およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と電動
機のロータに結合された駆動軸とを電磁継手により電磁
的に結合して原動機の動力を駆動軸に伝達するものが提
案されている(例えば、特開昭53−133814号公
報等)。この動力出力装置では、電動機により車両の走
行を開始し、電動機の回転数が所定の回転数になった
ら、電磁継手へ励磁電流を与えて原動機をクランキング
すると共に原動機への燃料供給や火花点火を行なって原
動機を始動する。原動機が始動した後は、原動機からの
動力を電磁継手の電磁的な結合により駆動軸に伝達して
車両を走行させる。電動機は、電磁継手により駆動軸に
伝達される動力では駆動軸に必要な動力が不足する場合
に駆動され、この不足分を補う。電磁継手は、駆動軸に
動力を伝達している際、その電磁的な結合の滑りに応じ
た電力を回生する。この回生された電力は、走行の開始
の際に用いられる電力としてバッテリに蓄えられたり、
駆動軸の動力の不足分を補う電動機の動力として用いら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この動
力出力装置では、駆動軸の単位時間当たりの回転数が、
原動機の起動時には一時的に原動機の出力軸の回転数よ
り高くなるものの、定常走行時には、原動機の出力軸の
回転数より常に下回るよう動作している。従って、かか
る動力出力装置では、駆動軸を原動機の出力軸の回転数
よりも高い回転数で運転させる、いわゆるオーバードラ
イブの動作については何等考慮されていなかった。した
がって、駆動軸に所定の動力伝達しながら原動機の出力
軸の回転数が駆動軸の回転数より高い状態の通常ドライ
ブから原動機の出力軸の回転数が駆動軸の回転数より低
い状態のオーバードライブへの移行動作や、逆にオーバ
ードライブから通常ドライブへの移行動作についても何
等考慮されていなかった。
【0004】そこで、本発明は、こうした動力出力装置
において考慮されていなかった点に鑑みなされたもので
あり、原動機より得られた動力を高効率に伝達または利
用すると共に、原動機の出力軸の回転数が駆動軸の回転
数よりも高い回転数の動作と原動機の出力軸の回転数が
駆動軸の回転数よりも低い回転数の動作とをスムースに
移行させて出力可能な動力の範囲の広い装置とすること
を目的とする。なお、オーバードライブの動作の詳細に
ついては、本出願人は別途出願(特願平7−26647
5号)している。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第1の動力出力装置は、駆動軸に動力を出力する
動力出力装置であって、出力軸を有し、該出力軸を回転
させる原動機と、前記原動機を運転する原動機運転手段
と、前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、
該第1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸
に結合された第2のロータとを有し、該第1および該第
2のロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力
軸と該駆動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、
前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
する第1の電動機駆動回路と、前記駆動軸に結合される
第3のロータを有し、該駆動軸に動力を付加する第2の
電動機と、前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動
機駆動回路と、前記第1および第2の電動機駆動回路を
介して前記第1および第2の電動機を駆動制御すると共
に前記原動機運転手段を介して原動機の運転を制御し
て、前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転
状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
の伝達である第1の伝達と、前記駆動軸の回転数より小
さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機から出力
される動力の該駆動軸への伝達である第2の伝達とを切
り換える動力切換制御手段とを備えることを要旨とす
る。
【0006】この第1の動力出力装置は、原動機運転手
段が、出力軸を有しこの出力軸を回転させる原動機を運
転する。原動機の出力軸に結合された第1のロータとこ
の第1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結
合された第2のロータとを有する第1の電動機は、第1
の電動機駆動回路により第1および第2のロータ間の電
磁的な結合の程度が制御されると共に第2のロータの第
1のロータに対する相対的な回転駆動が制御されること
で、第1および第2のロータ間の電磁的な結合を介して
原動機の出力軸と駆動軸との間で動力を伝達する。駆動
軸に結合される第3のロータを有する第2の電動機は、
第2の電動機駆動回路により駆動制御されることで、駆
動軸に動力を付加する。動力切換制御手段は、第1およ
び第2の電動機駆動回路を介して第1および第2の電動
機を駆動制御すると共に原動機運転手段を介して原動機
の運転を制御して、駆動軸の回転数より大きな回転数の
第1の運転状態にある原動機から出力される動力の駆動
軸への伝達である第1の伝達と、駆動軸の回転数より小
さな回転数の第2の運転状態にある原動機から出力され
る動力の駆動軸への伝達である第2の伝達とを切り換え
る。
【0007】この第1の動力出力装置によれば、駆動軸
の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達(第1の伝達)
と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある原動機から出力される動力の駆動軸への伝達(第
2の伝達)とを切り換えることができる。この結果、出
力可能な動力の範囲を広くすることができる。
【0008】本発明の第2の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有し、
該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機を運転する
原動機運転手段と、前記原動機の出力軸に結合された第
1のロータと、該第1のロータに対して相対的に回転可
能で前記駆動軸に結合された第2のロータと、該第2の
ロータを回転可能なステータとを有し、前記第1のロー
タと第2のロータとにより該第1および第2のロータ間
の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と前記駆動
軸との間で動力の伝達を行なう第1の電動機を構成する
と共に、前記第2のロータと前記ステータとにより該第
2のロータを介して前記駆動軸に動力を付加する第2の
電動機を構成する複合電動機と、前記複合電動機におけ
る前記第1の電動機を駆動制御する第1の電動機駆動回
路と、前記複合電動機における前記第2の電動機を駆動
制御する第2の電動機駆動回路と、前記第1および第2
の電動機駆動回路を介して前記複合電動機の前記第1お
よび第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運転
手段を介して原動機の運転を制御して、前記駆動軸の回
転数より大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動
機から出力される動力の該駆動軸への伝達である第1の
伝達と、前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の
運転状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動
軸への伝達である第2の伝達とを切り換える動力切換制
御手段とを備えることを要旨とする。
【0009】この第2の動力出力装置は、原動機運転手
段が、出力軸を有しこの出力軸を回転させる原動機を運
転する。複合電動機の第1のロータと第2のロータとに
より構成される第1の電動機が、第1の電動機駆動回路
により駆動制御されることで第1および第2のロータ間
の電磁的な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間
で動力を伝達し、複合電動機の第2のロータとステータ
とにより構成される第2の電動機が、第2の電動機駆動
回路により駆動制御されることで第2のロータを介して
駆動軸に動力を付加する。動力切換制御手段は、第1お
よび第2の電動機駆動回路を介して複合電動機の第1お
よび第2の電動機を駆動制御すると共に原動機運転手段
を介して原動機の運転を制御して、駆動軸の回転数より
大きな回転数の第1の運転状態にある原動機から出力さ
れる動力の駆動軸への伝達である第1の伝達と、駆動軸
の回転数より小さな回転数の第2の運転状態にある原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達である第1の伝
達とを切り換える。
【0010】この第2の動力出力装置によれば、駆動軸
の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達(第1の伝達)
と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある原動機から出力される動力の駆動軸への伝達(第
2の伝達)とを切り換えることができる。この結果、出
力可能な動力の範囲を広くすることができる。しかも、
第1の電動機と第2の電動機とを一体に構成したので装
置全体の小型化を図ることができる。
【0011】こうした第1または第2の動力出力装置に
おいて、前記動力切換制御手段は、前記第1の電動機に
より前記原動機の出力軸から前記駆動軸へ伝達される動
力を順次変更すると共に、前記第2の電動機により前記
駆動軸へ付加される動力を順次変更し、前記原動機の運
転状態を前記第1の運転状態および前記第2の運転状態
間で順次変更する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、原動機を第1の運転状態と第2の運転状態
間でスムースに移行させることができる。
【0012】この動力等を順次変更する第1または第2
の動力出力装置において、前記動力切換手段は、前記第
1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電
磁的な結合の程度が順次変化するよう前記第1の電動機
駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御することに
より、該第1の電動機により前記原動機の出力軸から前
記駆動軸へ伝達される動力を順次変化させる伝達動力変
化手段と、該伝達される動力の順次変化に伴って、該順
次変化を打ち消す方向に前記第2の電動機により前記駆
動軸に付加される動力が順次変化するよう前記第2の電
動機駆動回路を介して該第2の電動機を駆動制御する負
荷動力変化手段と、前記伝達動力変化手段による前記伝
達される動力の順次変化に伴って、前記原動機が前記第
1の運転状態から前記第2の運転状態へ又は前記第2の
運転状態から前記第1の運転状態へ順次変化するよう前
記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制御する運
転状態変化手段とを備えるものとすることもできる。
【0013】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える伝達動力変化手段が、第
1の電動機における第1および第2のロータ間の電磁的
な結合の程度が順次変化するよう第1の電動機駆動回路
を介して第1の電動機を駆動制御することにより、第1
の電動機により原動機の出力軸から駆動軸へ伝達される
動力を順次変化させる。動力切換制御手段が備える負荷
動力変化手段は、この伝達される動力の順次変化に伴っ
て、この順次変化を打ち消す方向に第2の電動機により
駆動軸に付加される動力が順次変化するよう第2の電動
機駆動回路を介して第2の電動機を駆動制御し、動力切
換制御手段が備える運転状態変化手段は、伝達動力変化
手段による伝達される動力の順次変化に伴って、原動機
が第1の運転状態および第2の運転状態間を順次変化す
るよう原動機運転手段を介して原動機の運転を制御す
る。
【0014】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、伝達動力変化手段による第1の電動機におけ
る第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度の順
次変化に伴って、第2の電動機により駆動軸に付加され
る動力と原動機の運転状態の順次変化を行なうから、原
動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り換えを
スムースに行なうことができる。
【0015】第1または第2の動力出力装置において、
前記動力切換制御手段は、前記原動機の運転状態を決定
する要素のうち、前記第1の電動機における前記第1お
よび第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更による
該原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転数の変更
に優先して行なうことにより、前記第1の伝達と前記第
2の伝達との切り換えを行なう手段であるものとするこ
ともできる。ここで、「原動機の負荷トルクの変更を原
動機の回転数の変更に優先して行なう」には、原動機の
負荷トルクが変更されたトルクになった後に回転数を変
更する場合の他、原動機の負荷トルクが変更されたトル
クになる前に回転数の変更がなされる場合や、原動機の
負荷トルクの変更の指示に伴って回転数の変更の指示が
なされる場合等を含む(以下の動力出力装置の記述にお
いても同じ)。この態様とすれば、原動機から出力され
る動力の駆動軸への伝達の切り換えの際、原動機の負荷
トルクの変更を原動機の回転数の変更に優先して行なう
ことができる。
【0016】この原動機の負荷トルクの変更を原動機の
回転数の変更に優先して行なう第1または第2の動力出
力装置において、前記動力切換制御手段は、前記第1の
電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的
な結合の程度が、前記第1の運転状態における前記原動
機の負荷トルクに相当する第1の結合の程度から前記第
2の運転状態における前記原動機の負荷トルクに相当す
る第2の結合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前
記第1の結合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆
動回路を介して該第1の電動機を駆動制御する結合程度
変更手段と、前記結合程度変更手段により前記原動機の
負荷トルクが変更された後、該原動機の回転数が、前記
第1の運転状態の回転数から前記第2の運転状態の回転
数へ又は前記第2の運転状態の回転数から前記第1の運
転状態の回転数へ変更するよう前記原動機運転手段を介
して該原動機の運転を制御する回転数変更手段とを備え
るものとすることもできる。
【0017】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える結合程度変更手段が、第
1の電動機における第1および第2のロータ間の電磁的
な結合の程度が、第1の運転状態における原動機の負荷
トルクに相当する第1の結合の程度から第2の運転状態
における原動機の負荷トルクに相当する第2の結合の程
度へ又は第2の結合の程度から第1の結合の程度へ変更
するよう第1の電動機駆動回路を介して第1の電動機を
駆動制御する。動力切換制御手段が備える回転数変更手
段は、結合程度変更手段により原動機の負荷トルクが変
更された後、原動機の回転数が、第1の運転状態の回転
数から第2の運転状態の回転数へ又は第2の運転状態の
回転数から第1の運転状態の回転数へ変更するよう原動
機運転手段を介して原動機の運転を制御する。
【0018】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、結合程度変更手段による第1の電動機におけ
る第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変
更により原動機の負荷トルクを変更し、その後、原動機
の回転数を変更することにより、原動機から出力される
動力の駆動軸への伝達の切り換えをスムースに行なうこ
とができる。
【0019】第1または第2の動力出力装置において、
前記動力切換制御手段は、前記原動機の運転状態を決定
する要素のうち、該原動機の回転数の変更を、前記第1
の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁
的な結合の程度の変更による該原動機の負荷トルクの変
更に優先して行なうことにより、前記第1の伝達と前記
第2の伝達との切り換えを行なう手段であるものとする
こともできる。ここで、「原動機の回転数の変更を原動
機の負荷トルクの変更に優先して行なう」には、原動機
の回転数が変更された回転数になった後に負荷トルクを
変更する場合の他、原動機の回転数が変更された回転数
になる前に負荷トルクの変更がなされる場合や、原動機
の回転数の変更の指示に伴って負荷トルクの変更の指示
がなされる場合等を含む(以下の動力出力装置の記述に
おいても同じ)。この態様とすれば、原動機から出力さ
れる動力の駆動軸への伝達の切り換えの際、原動機の回
転数の変更を原動機の負荷トルクの変更に優先して行な
うことができる。
【0020】この原動機の回転数の変更を原動機の負荷
トルクの変更に優先して行なう第1または第2の動力出
力装置において、前記動力切換制御手段は、前記原動機
の回転数が、前記第1の運転状態の回転数から前記第2
の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態の回転数
から前記第1の運転状態の回転数へ変更するよう前記原
動機運転手段を介して該原動機の運転を制御する回転数
変更手段と、前記回転数変更手段による前記原動機の回
転数の変更がなされ該原動機が該変更された回転数とな
った後に、該変更された回転数を維持しながら、前記第
1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電
磁的な結合の程度が、前記第1の運転状態における前記
原動機の負荷トルクに相当する第1の結合の程度から前
記第2の運転状態における前記原動機の負荷トルクに相
当する第2の結合の程度へ又は前記第2の結合の程度か
ら前記第1の結合の程度へ変更するよう前記第1の電動
機駆動回路および前記原動機運転手段を介して前記第1
の電動機および前記原動機を駆動制御する結合程度変更
手段とを備えるものとすることもできる。
【0021】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える回転数変更手段が、原動
機の回転数が第1の運転状態の回転数から第2の運転状
態の回転数へ又は第2の運転状態の回転数から第1の運
転状態の回転数へ変更するよう原動機運転手段を介して
原動機の運転を制御する。動力切換制御手段が備える結
合程度変更手段は、回転数変更手段による原動機の回転
数の変更がなされ原動機がこの変更された回転数となっ
た後に、変更された回転数を維持しながら、第1の電動
機における第1および第2のロータ間の電磁的な結合の
程度が第1の運転状態における原動機の負荷トルクに相
当する第1の結合の程度から第2の運転状態における原
動機の負荷トルクに相当する第2の結合の程度へ又は第
2の結合の程度から第1の結合の程度へ変更するよう第
1の電動機駆動回路および原動機運転手段を介して第1
の電動機および原動機を駆動制御する。
【0022】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、回転数変更手段による原動機の回転数を変更
した後、第1の電動機における第1および第2のロータ
間の電磁的な結合の程度の変更して原動機の負荷トルク
を変更することにより、原動機から出力される動力の駆
動軸への伝達の切り換えをスムースに行なうことができ
る。
【0023】第1または第2の動力出力装置において、
前記動力切換制御手段は、前記第1の電動機における前
記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度が所
定値となるよう前記第1の電動機駆動回路を介して該第
1の電動機を駆動制御して、前記原動機の負荷トルクを
所定トルクとするトルク操作手段と、前記トルク操作手
段による前記原動機の負荷トルクの変更に際して、前記
原動機が前記第1の運転状態の回転数から前記第2の運
転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態の回転数から
前記第1の運転状態の回転数へ変更するよう前記原動機
運転手段を介して該原動機の運転を制御する回転数変更
手段と、前記回転数変更手段による前記原動機の回転数
の変更がなされ該原動機が該変更された回転数となった
後、該変更された回転数を維持しながら、前記第1の電
動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な
結合の程度が、前記第1の運転状態における前記原動機
の負荷トルクに相当する第1の結合の程度から前記第2
の運転状態における前記原動機の負荷トルクに相当する
第2の結合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前記
第1の結合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆動
回路および前記原動機運転手段を介して前記第1の電動
機および前記原動機を駆動制御する結合程度変更手段と
を備えるものとすることもできる。
【0024】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える回転数変更手段が、第1
の電動機における第1および第2のロータ間の電磁的な
結合の程度が所定値となるよう第1の電動機駆動回路を
介して第1の電動機を駆動制御して、原動機の負荷トル
クを所定トルクとする。動力切換制御手段が備える回転
数変更手段は、トルク操作手段による原動機の負荷トル
クの変更に際して、原動機が第1の運転状態の回転数か
ら第2の運転状態の回転数へ又は第2の運転状態の回転
数から第1の運転状態の回転数へ変更するよう原動機運
転手段を介して原動機の運転を制御する。動力切換制御
手段が備える結合程度変更手段は、回転数変更手段によ
る原動機の回転数の変更がなされこの原動機が変更され
た回転数となった後、変更された回転数を維持しなが
ら、第1の電動機における第1および第2のロータ間の
電磁的な結合の程度が、第1の運転状態における原動機
の負荷トルクに相当する第1の結合の程度から第2の運
転状態における原動機の負荷トルクに相当する第2の結
合の程度へ又は第2の結合の程度から第1の結合の程度
へ変更するよう第1の電動機駆動回路および原動機運転
手段を介して第1の電動機および原動機を駆動制御す
る。
【0025】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達
の切り換えを、原動機の負荷トルクを所定トルクとする
と共に原動機の回転数を変更し、その後この回転数を維
持しながら原動機の負荷トルクを変更することにより行
なうことができる。所定トルクとして原動機の回転数の
変更が容易なトルクを選択すれば、原動機の回転数を素
早く変更することができ、原動機から出力される動力の
駆動軸への伝達の切り換えをスムースに行なうことがで
きる。
【0026】こうした原動機の負荷トルクを一旦所定ト
ルクとする第1または第2の動力出力装置において、前
記トルク操作手段における前記所定トルクは、前記第1
の運転状態における前記原動機の負荷トルクおよび前記
第2の運転状態における前記原動機の負荷トルクより小
さい値であるものとすることができる。ここで、「小さ
い値」とは負荷トルクの絶対値が小さいことを意味し、
値0も含まれる。こうすれば、原動機の回転数の変更を
容易に行なうことができる。
【0027】これら第1または第2のいずれかの動力出
力装置において、前記動力切換制御手段は、前記第1の
運転状態の前記原動機から出力される動力と前記第2の
運転状態の前記原動機から出力される動力とが同一のエ
ネルギとなるよう前記第1および第2の電動機並びに前
記原動機運転制御を制御する手段であるものとすること
もできる。こうすれば、同一のエネルギとなる原動機か
ら出力される動力の駆動軸への伝達の切り換えとするこ
とができる。
【0028】こうした同一のエネルギの動力の伝達を切
り換える第1または第2の動力出力装置において、少な
くとも前記第2の電動機駆動回路を介して前記第2の電
動機から回生される電力による充電と前記第2の電動機
駆動回路を介して前記第2の電動機の駆動に要する電力
の放電とを行なう二次電池を備え、前記動力切換制御手
段は、前記第1の伝達と前記第2の伝達とを切り換える
間、前記二次電池の充放電により得られる電力を用い
て、前記第1の電動機により前記駆動軸に伝達される動
力と前記第2の電動機により該駆動軸に付加される動力
との和が保持されるよう前記第2の電動機駆動回路を介
して前記第2の電動機を駆動制御する駆動軸作用動力保
持手段を備えるものとすることもできる。
【0029】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、二次電池が、少なくとも第2の電動機駆動回路を介
して第2の電動機から回生される電力による充電と第2
の電動機駆動回路を介して第2の電動機の駆動に要する
電力の放電とを行ない、動力切換制御手段が備える駆動
軸作用動力保持手段が、第1の伝達と第2の伝達とを切
り換える間、二次電池の充放電により得られる電力を用
いて、第1の電動機により駆動軸に伝達される動力と第
2の電動機により駆動軸に付加される動力との和が保持
されるよう前記第2の電動機駆動回路を介して第2の電
動機を駆動制御する。
【0030】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達
を切り換える際でも駆動軸に作用する動力の和を一定に
保つことができる。
【0031】また、本発明の第1または第2の動力出力
装置において、前記第1の電動機駆動回路を介して前記
第1の電動機から回生される電力による充電と、前記第
2の電動機駆動回路を介して前記第2の電動機から回生
される電力による充電と、前記第1の電動機駆動回路を
介して前記第1の電動機の駆動に要する電力の放電と、
前記第2の電動機駆動回路を介して前記第2の電動機の
駆動に要する電力の放電とを行なう二次電池と、前記二
次電池の状態を検出する電池状態検出手段とを備え、前
記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の伝
達とを切り換える際、前記電池状態検出手段により検出
された状態が前記二次電池の充電を要するとして設定さ
れた状態のとき、前記第1の電動機から回生される電力
および/または前記第2の電動機から回生される電力に
よって前記二次電池が充電されるよう前記第1および第
2の電動機駆動回路を介して前記第1および第2の電動
機を駆動制御すると共に前記原動機運転手段を介して前
記原動機の運転を制御する充電切換手段と、前記電池状
態検出手段により検出された状態が前記二次電池の放電
を要するとして設定された状態のとき、前記第1の電動
機の駆動に要する電力および/または前記第2の電動機
の駆動に要する電力を前記二次電池に蓄えられた電力に
より賄うよう前記第1および第2の電動機駆動回路を介
して前記第1および第2の電動機を駆動制御すると共に
前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を制御す
る放電切換手段とを備えるものとすることもできる。
【0032】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、二次電池が、必要に応じて、第1の電動機駆動回路
を介して第1の電動機から回生される電力による充電
と、第2の電動機駆動回路を介して第2の電動機から回
生される電力による充電と、第1の電動機駆動回路を介
して第1の電動機の駆動に要する電力の放電と、第2の
電動機駆動回路を介して第2の電動機の駆動に要する電
力の放電とを行なう。動力切換制御手段が備える充電切
換手段は、第1の伝達と第2の伝達とを切り換える際、
電池状態検出手段により検出された状態が二次電池の充
電を要するとして設定された状態のとき、第1の電動機
から回生される電力および/または第2の電動機から回
生される電力によって二次電池が充電されるよう第1お
よび第2の電動機駆動回路を介して第1および第2の電
動機を駆動制御すると共に原動機運転手段を介して原動
機の運転を制御する。動力切換制御手段が備える放電切
換手段は、前記伝達の切換の際、電池状態検出手段によ
り検出された状態が二次電池の放電を要するとして設定
された状態のとき、第1の電動機の駆動に要する電力お
よび/または第2の電動機の駆動に要する電力を二次電
池に蓄えられた電力により賄うよう第1および第2の電
動機駆動回路を介して第1および第2の電動機を駆動制
御すると共に原動機運転手段を介して原動機の運転を制
御する。
【0033】この態様の第1または第2の動力出力装置
によれば、二次電池の状態に応じた充放電を伴って原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達を切り換えるこ
とができる。
【0034】こうした二次電池の状態に応じた充放電を
伴う第1または第2の動力出力装置において、前記充電
切換手段は、前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り
換える際、前記原動機の運転状態を決定する要素のう
ち、前記第1の電動機における前記第1および第2のロ
ータ間の電磁的な結合の程度の変更による前記原動機の
負荷トルクの変更を該原動機の回転数の変更に優先して
行なうトルク優先充電切換手段と、前記第2の伝達から
前記第1の伝達へ切り換える際、前記原動機の運転状態
を決定する要素のうち、前記原動機の回転数の変更を前
記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間
の電磁的な結合の程度の変更による該原動機の負荷トル
クの変更に優先して行なう回転数優先充電切換手段とを
備え、前記放電切換手段は、前記第1の伝達から前記第
2の伝達へ切り換える際、前記原動機の運転状態を決定
する要素のうち、前記原動機の回転数の変更を前記第1
の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁
的な結合の程度の変更による該原動機の負荷トルクの変
更に優先して行なう回転数優先放電切換手段と、前記第
2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前記原動
機の運転状態を決定する要素のうち、前記第1の電動機
における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合
の程度の変更による前記原動機の負荷トルクの変更を該
原動機の回転数の変更に優先して行なうトルク優先放電
切換手段とを備えるものとすることもできる。
【0035】この態様の第1または第2の動力出力装置
は、電池状態検出手段により検出された状態が二次電池
の充電を要するとして設定された状態のとき、第1の伝
達から第2の伝達へ切り換える際には、充電切換手段が
備えるトルク優先充電切換手段が、原動機の運転状態を
決定する要素のうち、第1の電動機における第1および
第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更による原動
機の負荷トルクの変更を原動機の回転数の変更に優先し
て行ない、逆に第2の伝達から第1の伝達へ切り換える
際には、充電切換手段が備える回転数優先充電切換手段
が、原動機の運転状態を決定する要素のうち、原動機の
回転数の変更を第1の電動機における第1および第2の
ロータ間の電磁的な結合の程度の変更による原動機の負
荷トルクの変更に優先して行なう。
【0036】また、電池状態検出手段により検出された
状態が二次電池の放電を要するとして設定された状態の
とき、第1の伝達から第2の伝達へ切り換える際には、
放電切換手段が備える回転数優先放電切換手段が、原動
機の運転状態を決定する要素のうち、原動機の回転数の
変更を第1の電動機における第1および第2のロータ間
の電磁的な結合の程度の変更による原動機の負荷トルク
の変更に優先して行ない、逆に第2の伝達から第1の伝
達へ切り換える際には、放電切換手段が備えるトルク優
先放電切換手段が、原動機の運転状態を決定する要素の
うち、第1の電動機における第1および第2のロータ間
の電磁的な結合の程度の変更による原動機の負荷トルク
の変更を原動機の回転数の変更に優先して行なう。
【0037】本発明の第3の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有し、
該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機を運転する
原動機運転手段と、前記原動機の出力軸に結合された第
1のロータと、該第1のロータに対して相対的に回転可
能で前記駆動軸に結合された第2のロータとを有し、該
第1および該第2のロータ間の電磁的な結合を介して前
記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動力を伝達する第
1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1およ
び第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共
に、該第2のロータの該第1のロータに対する相対的な
回転駆動を制御する第1の電動機駆動回路と、前記原動
機の出力軸に結合される第3のロータを有し、該原動機
の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、前記第2の
電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路と、前記第
1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1および
第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運転手段
を介して原動機の運転を制御して、前記駆動軸の回転数
より大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動機か
ら出力される動力の該駆動軸への伝達である第1の伝達
と、前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
の伝達である第2の伝達とを切り換える動力切換制御手
段とを備えることを要旨とする。
【0038】この第3の動力出力装置は、原動機運転手
段が、出力軸を有しこの出力軸を回転させる原動機を運
転する。原動機の出力軸に結合された第1のロータと第
1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
合された第2のロータとを有する第1の電動機は、第1
の電動機駆動回路により第1の電動機における第1およ
び第2のロータ間の電磁的な結合の程度が制御されると
共に第2のロータの第1のロータに対する相対的な回転
駆動が制御されることで、第1および第2のロータ間の
電磁的な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で
動力を伝達する。原動機の出力軸に結合される第3のロ
ータを有する電動機は、第2の電動機駆動回路により駆
動制御されることで、原動機の出力軸に動力を付加す
る。動力切換制御手段は、第1および第2の電動機駆動
回路を介して第1および第2の電動機を駆動制御すると
共に原動機運転手段を介して原動機の運転を制御して、
駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にあ
る原動機から出力される動力の駆動軸への伝達である第
1の伝達と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の
運転状態にある原動機から出力される動力の該駆動軸へ
の伝達である第2の伝達とを切り換える。
【0039】この第3の動力出力装置によれば、駆動軸
の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達(第1の伝達)
と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある原動機から出力される動力の駆動軸への伝達(第
2の伝達)とを切り換えることができる。この結果、出
力可能な動力の範囲を広くすることができる。
【0040】本発明の第4の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有し、
該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機を運転する
原動機運転手段と、前記原動機の出力軸に結合された第
1のロータと、該第1のロータに対して相対的に回転可
能で前記駆動軸に結合された第2のロータと、該第1の
ロータを回転可能なステータとを有し、前記第1のロー
タと第2のロータとにより該第1および第2のロータ間
の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と前記駆動
軸との間で動力の伝達を行なう第1の電動機を構成する
と共に、前記第1のロータと前記ステータとにより該第
1のロータを介して前記原動機の出力軸に動力を付加す
る第2の電動機を構成する複合電動機と、前記複合電動
機における前記第1の電動機を駆動制御する第1の電動
機駆動回路と、前記複合電動機における前記第2の電動
機を駆動制御する第2の電動機駆動回路と、前記第1お
よび第2の電動機駆動回路を介して前記複合電動機の前
記第1および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原
動機運転手段を介して原動機の運転を制御して、前記駆
動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある
前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達であ
る第1の伝達と、前記駆動軸の回転数より小さな回転数
の第2の運転状態にある前記原動機から出力される動力
の該駆動軸への伝達である第2の伝達とを切り換える動
力切換制御手段とを備えることを要旨とする。
【0041】この第4の動力出力装置は、原動機運転手
段が、出力軸を有しこの出力軸を回転させる原動機を運
転する。複合電動機の第1のロータと第2のロータとに
より構成される第1の電動機が、第1の電動機駆動回路
により駆動制御されることで第1および第2のロータ間
の電磁的な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間
で動力を伝達し、複合電動機の第1のロータとステータ
とにより構成される第2の電動機が、第2の電動機駆動
回路により駆動制御されることで第1のロータを介して
原動機の出力軸に動力を付加する。動力切換制御手段
は、第1および第2の電動機駆動回路を介して複合電動
機の第1および第2の電動機を駆動制御すると共に原動
機運転手段を介して原動機の運転を制御して、駆動軸の
回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある原動機
から出力される動力の駆動軸への伝達である第1の伝達
と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達で
ある第2の伝達とを切り換える。
【0042】この第4の動力出力装置によれば、駆動軸
の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある原動
機から出力される動力の駆動軸への伝達(第1の伝達)
と、駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある原動機から出力される動力の駆動軸への伝達(第
2の伝達)とを切り換えることができる。この結果、出
力可能な動力の範囲を広くすることができる。しかも、
第1の電動機と第2の電動機とを一体に構成したので装
置全体の小型化を図ることができる。
【0043】こうした第3または第4の動力出力装置に
おいて、前記動力切換制御手段は、前記第2の電動機に
より前記原動機の出力軸へ付加される動力を順次変更す
ると共に前記原動機を前記第1の運転状態から前記第2
の運転状態へ又は前記第2の運転状態から前記第1の運
転状態へ順次変更し、前記原動機から出力される動力が
前記第1の電動機により前記駆動軸に伝達されるよう該
第1の電動機の運転を順次変更する手段であるものとす
ることもできる。こうすれば、原動機を第1の運転状態
と第2の運転状態間でスムースに移行させることができ
る。
【0044】この動力等を順次変更する第3または第4
の動力出力装置において、前記動力切換手段は、前記第
2の電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力
が順次変化するよう前記第2の電動機駆動回路を介して
該第2の電動機を駆動制御する付加動力変化手段と、前
記負荷動力変化手段による前記原動機の出力軸へ付加さ
れる動力の順次変化に伴って、前記原動機の運転状態が
前記第1の運転状態および前記第2の運転状態間で順次
変化するよう前記原動機運転手段を介して該原動機の運
転を制御する運転状態変化手段と、前記運転状態変化手
段による前記原動機の運転状態の順次変化に伴って、該
原動機から出力される動力が前記駆動軸に伝達されるよ
う前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機
を駆動制御する伝達動力制御手段とを備えるものとする
こともできる。
【0045】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える付加動力変化手段が、第
2の電動機により原動機の出力軸に付加される動力が順
次変化するよう第2の電動機駆動回路を介してこの第2
の電動機を駆動制御する。動力切換制御手段が備える運
転状態変化手段は、負荷動力変化手段による原動機の出
力軸へ付加される動力の順次変化に伴って、原動機の運
転状態が第1の運転状態および第2の運転状態間で順次
変化するよう原動機運転手段を介してこの原動機の運転
を制御する。動力切換制御手段が備える伝達動力制御手
段は、運転状態変化手段による原動機の運転状態の順次
変化に伴って、原動機から出力される動力が駆動軸に伝
達されるよう第1の電動機駆動回路を介して第1の電動
機を駆動制御する。
【0046】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、負荷動力変化手段による原動機の出力軸へ付
加される動力の順次変化に伴って、原動機の運転状態と
第1の電動機の運転を順次変化させるから、原動機から
出力される動力の駆動軸への伝達の切り換えをスムース
に行なうことができる。
【0047】第3または第4の動力出力装置において、
前記動力切換制御手段は、前記原動機の運転状態を決定
する要素のうち、前記第2の電動機により前記原動機の
出力軸に付加される動力の変更による該原動機の負荷ト
ルクの変更を該原動機の回転数の変更に優先して行なう
ことにより、前記第1の伝達と前記第2の伝達との切り
換えを行なう手段であるものとすることもできる。こう
すれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の
切り換えの際、原動機の負荷トルクの変更を原動機の回
転数の変更に優先して行なうことができる。
【0048】こうした原動機の負荷トルクの変更を原動
機の回転数の変更に優先して行なう第3または第4の動
力出力装置において、前記動力切換制御手段は、前記第
2の電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力
が、該原動機が前記第1の運転状態となるよう設定され
る第1の動力から前記第2の運転状態となるよう設定さ
れる第2の動力へ又は前記第2の動力から前記第1の動
力へ変更するよう前記第2の電動機駆動回路を介して該
第2の電動機を駆動制御することにより前記原動機の負
荷トルクを変更する負荷トルク変更手段と、前記負荷ト
ルク変更手段により前記原動機の負荷トルクが変更され
た後、該原動機の回転数が前記第1の運転状態の回転数
から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転
状態の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更す
るよう前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制
御する回転数変更手段とを備えるものとすることもでき
る。
【0049】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える負荷トルク変更手段が、
第2の電動機により原動機の出力軸に付加される動力
が、原動機が第1の運転状態となるよう設定される第1
の動力から第2の運転状態となるよう設定される第2の
動力へ又は第2の動力から第1の動力へ変更するよう第
2の電動機駆動回路を介して第2の電動機を駆動制御す
ることにより原動機の負荷トルクを変更する。動力切換
制御手段が備える回転数変更手段は、負荷トルク変更手
段により原動機の負荷トルクが変更された後、原動機の
回転数が第1の運転状態の回転数から第2の運転状態の
回転数へ又は第2の運転状態の回転数から第1の運転状
態の回転数へ変更するよう原動機運転手段を介して原動
機の運転を制御する。
【0050】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、負荷トルク変更手段により原動機の負荷トル
クを変更し、その後、原動機の回転数を変更することに
より、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切
り換えをスムースに行なうことができる。
【0051】第3または第4の動力出力装置において、
前記動力切換制御手段は、前記原動機の運転状態を決定
する要素のうち、該原動機の回転数の変更を前記第2の
電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力の変
更による該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう
ことにより、前記第1の伝達と前記第2の伝達との切り
換えを行なう手段であるものとすることもできる。こう
すれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の
切り換えの際、原動機の回転数の変更を原動機の負荷ト
ルクの変更に優先して行なうことができる。
【0052】こうした原動機の回転数の変更を原動機の
負荷トルクの変更に優先して行なう第3または第4の動
力出力装置において、前記動力切換制御手段は、前記原
動機の回転数が前記第1の運転状態の回転数から前記第
2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態の回転
数から前記第1の運転状態の回転数へ変更するよう前記
原動機運転手段を介して該原動機の運転を制御する回転
数変更手段と、前記回転数変更手段による前記原動機の
回転数の変更がなされ該原動機が該変更された回転数と
なった後、該変更された回転数を維持しながら、前記第
2の電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力
が、該原動機が前記第1の運転状態となるよう設定され
る第1の動力から前記第2の運転状態となるよう設定さ
れる第2の動力へ又は前記第2の動力から前記第1の動
力へ変更するよう前記第2の電動機駆動回路および前記
原動機運転手段を介して前記第2の電動機および前記原
動機を駆動制御することにより該原動機の負荷トルクを
変更する負荷トルク変更手段とを備えるものとすること
もできる。
【0053】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備える回転数変更手段が、原動
機の回転数が第1の運転状態の回転数から第2の運転状
態の回転数へ又は第2の運転状態の回転数から第1の運
転状態の回転数へ変更するよう原動機運転手段を介して
原動機の運転を制御する。動力切換制御手段が備える負
荷トルク変更手段は、回転数変更手段による原動機の回
転数の変更がなされこの原動機が変更された回転数とな
った後、変更された回転数を維持しながら、第2の電動
機により原動機の出力軸に付加される動力が、原動機が
第1の運転状態となるよう設定される第1の動力から第
2の運転状態となるよう設定される第2の動力へ又は第
2の動力から第1の動力へ変更するよう第2の電動機駆
動回路および原動機運転手段を介して第2の電動機およ
び原動機を駆動制御することにより原動機の負荷トルク
を変更する。
【0054】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、回転数変更手段により原動機の回転数を変更
し、その後、原動機の負荷トルクを変更することによ
り、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えをスムースに行なうことができる。
【0055】また、第3または第4の動力出力装置にお
いて、前記動力切換制御手段は、前記第2の電動機によ
り前記原動機の出力軸に付加される動力を所定値となる
よう前記第2の電動機駆動回路を介して該第2の電動機
を駆動制御して、前記原動機の負荷トルクを所定トルク
とするトルク操作手段と、前記トルク操作手段による前
記原動機の負荷トルクの変更に際して、前記原動機が前
記第1の運転状態の回転数から前記第2の運転状態の回
転数へ又は前記第2の運転状態の回転数から前記第1の
運転状態の回転数へ変更するよう前記原動機運転手段を
介して該原動機の運転を制御する回転数変更手段と、前
記回転数変更手段による前記原動機の回転数の変更がな
され該原動機が該変更された回転数となった後、該変更
された回転数を維持しながら、前記第2の電動機により
前記原動機の出力軸に付加される動力が、前記第1の伝
達の際に前記第2の電動機に設定される第1の動力から
前記第2の伝達の際に前記第2の電動機に設定される第
2の動力へ又は前記第2の動力から前記第1の動力へ変
更するよう前記第2の電動機駆動回路および前記原動機
運転手段を介して前記第2の電動機および前記原動機を
駆動制御する動力変更手段とを備えるものとすることも
できる。
【0056】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、動力切換制御手段が備えるトルク操作手段が、第2
の電動機により原動機の出力軸に付加される動力を所定
値となるよう第2の電動機駆動回路を介して第2の電動
機を駆動制御して、原動機の負荷トルクを所定トルクと
する。動力切換制御手段が備える回転数変更手段は、ト
ルク操作手段による原動機の負荷トルクの変更に際し
て、原動機が第1の運転状態の回転数から第2の運転状
態の回転数へ又は第2の運転状態の回転数から第1の運
転状態の回転数へ変更するよう原動機運転手段を介して
原動機の運転を制御する。動力切換制御手段が備える動
力変更手段は、回転数変更手段による原動機の回転数の
変更がなされ原動機がこの変更された回転数となった
後、変更された回転数を維持しながら、第2の電動機に
より原動機の出力軸に付加される動力が、第1の伝達の
際に第2の電動機に設定される第1の動力から第2の伝
達の際に第2の電動機に設定される第2の動力へ又は第
2の動力から第1の動力へ変更するよう第2の電動機駆
動回路および原動機運転手段を介して第2の電動機およ
び原動機を駆動制御する。
【0057】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達
の切り換えを、原動機の負荷トルクを所定トルクとする
と共に原動機の回転数を変更し、その後この回転数を維
持しながら原動機の負荷トルクを変更することによって
行なうことができる。所定トルクとして原動機の回転数
の変更が容易なトルクを選択すれば、原動機の回転数を
素早く変更することができ、原動機から出力される動力
の駆動軸への伝達の切り換えをスムースに行なうことが
できる。
【0058】こうした原動機の負荷トルクを一旦所定ト
ルクとする第3または第4の動力出力装置において、前
記トルク操作手段における前記所定トルクは、前記第1
の運転状態における前記原動機の負荷トルクおよび前記
第2の運転状態における前記原動機の負荷トルクより小
さい値であるものとすることもできる。ここで、「小さ
い値」とは負荷トルクの絶対値が小さいことを意味し、
値0も含まれる。こうすれば、原動機の回転数の変更を
容易に行なうことができる。
【0059】これら第3または第4のいずれかの動力出
力装置において、前記動力切換制御手段は、前記第1の
運転状態の前記原動機から出力される動力と前記第2の
運転状態の前記原動機から出力される動力とが同一のエ
ネルギとなるよう前記第1および第2の電動機並びに前
記原動機運転制御を制御する手段であるものとすること
もできる。こうすれば、同一のエネルギとなる原動機か
ら出力される動力の駆動軸への伝達の切り換えとするこ
とができる。
【0060】こうした同一のエネルギの動力の伝達を切
り換える第3または第4の動力出力装置において、少な
くとも前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電
動機から回生される電力による充電と前記第1の電動機
駆動回路を介して前記第1の電動機の駆動に要する電力
の放電とを行なう二次電池を備え、前記動力切換制御手
段は、前記第1の伝達と前記第2の伝達とを切り換える
間、前記二次電池の充放電により得られる電力を用い
て、前記第1の電動機により前記駆動軸に伝達される動
力が保持されるよう前記第1の電動機駆動回路を介して
該第1の電動機を駆動制御する伝達動力保持手段を備え
るものとすることもできる。
【0061】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、二次電池が、少なくとも第1の電動機駆動回路を介
して第1の電動機から回生される電力による充電と第1
の電動機駆動回路を介して第1の電動機の駆動に要する
電力の放電とを行ない、動力切換制御手段が備える伝達
動力保持手段が、第1の伝達と第2の伝達とを切り換え
る間、二次電池の充放電により得られる電力を用いて、
第1の電動機により駆動軸に伝達される動力が保持され
るよう第1の電動機駆動回路を介して第1の電動機を駆
動制御する。
【0062】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達
を切り換える際でも駆動軸に作用する動力を一定に保つ
ことができる。
【0063】また、本発明の第3または第4の動力出力
装置において、前記第1の電動機駆動回路を介して前記
第1の電動機から回生される電力による充電と、前記第
2の電動機駆動回路を介して前記第2の電動機から回生
される電力による充電と、前記第1の電動機駆動回路を
介して前記第1の電動機の駆動に要する電力の放電と、
前記第2の電動機駆動回路を介して前記第2の電動機の
駆動に要する電力の放電とを行なう二次電池と、前記二
次電池の状態を検出する電池状態検出手段とを備え、前
記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の伝
達とを切り換える際、前記電池状態検出手段により検出
された状態が前記二次電池の充電を要するとして設定さ
れた状態のとき、前記第1の電動機から回生される電力
および/または前記第2の電動機から回生される電力に
よって前記二次電池が充電されるよう前記第1および第
2の電動機駆動回路を介して前記第1および第2の電動
機を駆動制御すると共に前記原動機運転手段を介して前
記原動機の運転を制御する充電切換手段と、前記電池状
態検出手段により検出された状態が前記二次電池の放電
を要するとして設定された状態のとき、前記第1の電動
機の駆動に要する電力および/または前記第2の電動機
の駆動に要する電力を前記二次電池に蓄えられた電力に
より賄うよう前記第1および第2の電動機駆動回路を介
して前記第1および第2の電動機を駆動制御すると共に
前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を制御す
る放電切換手段とを備えるものとすることもできる。
【0064】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、二次電池が、必要に応じて、第1の電動機駆動回路
を介して第1の電動機から回生される電力による充電
と、第2の電動機駆動回路を介して第2の電動機から回
生される電力による充電と、第1の電動機駆動回路を介
して第1の電動機の駆動に要する電力の放電と、第2の
電動機駆動回路を介して第2の電動機の駆動に要する電
力の放電とを行なう。動力切換制御手段が備える充電切
換手段は、第1の伝達と第2の伝達とを切り換える際、
電池状態検出手段により検出された状態が二次電池の充
電を要するとして設定された状態のとき、第1の電動機
から回生される電力および/または第2の電動機から回
生される電力によって二次電池が充電されるよう第1お
よび第2の電動機駆動回路を介して第1および第2の電
動機を駆動制御すると共に原動機運転手段を介して原動
機の運転を制御する。動力切換制御手段が備える放電切
換手段は、第1の伝達と第2の伝達とを切り換える際、
電池状態検出手段により検出された状態が二次電池の放
電を要するとして設定された状態のとき、第1の電動機
の駆動に要する電力および/または第2の電動機の駆動
に要する電力を二次電池に蓄えられた電力により賄うよ
う第1および第2の電動機駆動回路を介して第1および
第2の電動機を駆動制御すると共に原動機運転手段を介
して原動機の運転を制御する。
【0065】この態様の第3または第4の動力出力装置
によれば、二次電池の状態に応じた充放電を伴う切り換
えを行なうことができる。
【0066】こうした二次電池の状態に応じた充放電を
伴う第3または第4の動力出力装置において、前記充電
切換手段は、前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り
換える際、前記原動機の運転状態を決定する要素のう
ち、前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加
される動力の変更による該原動機の負荷トルクの変更を
該原動機の回転数の変更に優先して行なうトルク優先充
電切換手段と、前記第2の伝達から前記第1の伝達へ切
り換える際、前記原動機の運転状態を決定する要素のう
ち、前記原動機の回転数の変更を前記第2の電動機によ
り前記原動機の出力軸に付加される動力の変更による該
原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう回転数優先
充電切換手段とを備え、前記放電切換手段は、前記第1
の伝達から前記第2の伝達へ切り換える際、前記原動機
の運転状態を決定する要素のうち、前記原動機の回転数
の変更を前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に
付加される動力の変更による該原動機の負荷トルクの変
更に優先して行なう回転数優先放電切換手段と、前記第
2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前記原動
機の運転状態を決定する要素のうち、前記第2の電動機
により前記原動機の出力軸に付加される動力の変更によ
る該原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転数の変
更に優先して行なうトルク優先放電切換手段とを備える
ものとすることもできる。
【0067】この態様の第3または第4の動力出力装置
は、電池状態検出手段により検出された状態が二次電池
の充電を要するとして設定された状態のとき、第1の伝
達から第2の伝達へ切り換える際には、充電切換手段が
備えるトルク優先充電切換手段が、原動機の運転状態を
決定する要素のうち、第2の電動機により原動機の出力
軸に付加される動力の変更による原動機の負荷トルクの
変更を原動機の回転数の変更に優先して行ない、逆に第
2の伝達から第1の伝達へ切り換える際には、充電切換
手段が備える回転数優先充電切換手段が、原動機の運転
状態を決定する要素のうち、原動機の回転数の変更を第
2の電動機により原動機の出力軸に付加される動力の変
更による原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう。
【0068】電池状態検出手段により検出された状態が
二次電池の放電を要するとして設定された状態のとき、
第1の伝達から第2の伝達へ切り換える際には、放電切
換手段が備える回転数優先放電切換手段が、原動機の運
転状態を決定する要素のうち、原動機の回転数の変更を
第2の電動機により原動機の出力軸に付加される動力の
変更による原動機の負荷トルクの変更に優先して行な
い、逆に第2の伝達から第1の伝達へ切り換える際に
は、放電切換手段が備えるトルク優先放電切換手段が、
原動機の運転状態を決定する要素のうち、第2の電動機
により原動機の出力軸に付加される動力の変更による原
動機の負荷トルクの変更を原動機の回転数の変更に優先
して行なう。
【0069】本発明の第1の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該
駆動軸に動力を付加する第2の電動機と、前記第2の電
動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路とを備える動
力出力装置の制御方法であって、前記駆動軸の回転数よ
り大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動機から
出力される動力の該駆動軸への伝達と前記駆動軸の回転
数より小さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機
から出力される動力の該駆動軸への伝達との切り換え
を、前記第1の電動機における前記第1および第2のロ
ータ間の電磁的な結合の程度が順次変化するよう前記第
1の電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御
することにより該第1の電動機により前記原動機の出力
軸から前記駆動軸へ伝達される動力を順次変化させると
共に、該伝達される動力の順次変化を打ち消す方向に前
記第2の電動機により前記駆動軸に付加される動力が順
次変化するよう前記第2の電動機駆動回路を介して該第
2の電動機を駆動制御し、前記原動機が前記第1の運転
状態と前記第2の運転状態との間で順次変化するよう前
記原動機運転手段を介して該原動機を制御することによ
り行なうことを要旨とする。
【0070】この第1の動力出力装置の制御方法によれ
ば、第1の電動機における第1および第2のロータ間の
電磁的な結合の程度の順次変化に伴って、第2の電動機
により駆動軸に付加される動力と原動機の運転状態の順
次変化を行なうから、原動機から出力される動力の駆動
軸への伝達の切り換えをスムースに行なうことができ
る。
【0071】本発明の第2の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該
駆動軸に動力を付加する第2の電動機と、前記第2の電
動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路とを備える動
力出力装置の制御方法であって、前記駆動軸の回転数よ
り大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動機から
出力される動力の該駆動軸への伝達と前記駆動軸の回転
数より小さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機
から出力される動力の該駆動軸への伝達との切り換え
を、前記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記
第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の
電磁的な結合の程度の変更による該原動機の負荷トルク
の変更を該原動機の回転数の変更に優先して行なうよう
前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1
および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運
転手段を介して前記原動機の運転を制御することを要旨
とする。
【0072】この第2の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の負荷トルクの変更を原動機の回転数の
変更に優先して行なうことにより、よりスムースに行な
うことができる。
【0073】本発明の第3の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該
駆動軸に動力を付加する第2の電動機と、前記第2の電
動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路とを備える動
力出力装置の制御方法であって、前記駆動軸の回転数よ
り大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動機から
出力される動力の該駆動軸への伝達と前記駆動軸の回転
数より小さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機
から出力される動力の該駆動軸への伝達との切り換え
を、前記原動機の運転状態を決定する要素のうち、該原
動機の回転数の変更を前記第1の電動機における前記第
1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更に
よる該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なうよう
前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1
および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運
転手段を介して前記原動機の運転を制御することを要旨
とする。
【0074】この第3の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の回転数の変更を原動機の負荷トルクの
変更に優先して行なうことにより、よりスムースに行な
うことができる。
【0075】本発明の第4の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該
駆動軸に動力を付加する第2の電動機と、前記第2の電
動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路とを備える動
力出力装置の制御方法であって、前記駆動軸の回転数よ
り大きな回転数の第1の運転状態にある前記原動機から
出力される動力の該駆動軸への伝達と前記駆動軸の回転
数より小さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機
から出力される動力の該駆動軸への伝達との切り換え
を、前記第1の電動機における前記第1および第2のロ
ータ間の電磁的な結合の程度が所定値となるよう前記第
1の電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御
して前記原動機の負荷トルクを所定トルクとすると共
に、前記原動機の回転数が前記第1の運転状態の回転数
から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転
状態の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更す
るよう前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制
御し、前記原動機の回転数が前記変更された回転数とな
った後、該変更された回転数を維持しながら、前記第1
の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁
的な結合の程度が前記第1の運転状態における前記原動
機の負荷トルクに相当する第1の結合の程度から前記第
2の運転状態における前記原動機の負荷トルクに相当す
る第2の結合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前
記第1の結合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆
動回路および前記原動機運転手段を介して前記第1の電
動機および前記原動機を駆動制御することにより行なう
ことを要旨とする。
【0076】この第4の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の負荷トルクを所定トルクとすると共に
原動機の回転数を変更し、その後この回転数を維持しな
がら原動機の負荷トルクを変更することによって行なう
ことができる。所定トルクとして原動機の回転数の変更
が容易なトルクを選択すれば、原動機の回転数を素早く
変更することができ、原動機から出力される動力の駆動
軸への伝達の切り換えをよりスムースに行なうことがで
きる。
【0077】本発明の第5の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを
有し、該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機
と、前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動
回路とを備える動力出力装置の制御方法であって、前記
駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にあ
る前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達と
前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
達との切り換えを、前記第2の電動機により前記原動機
の出力軸に付加される動力が順次変化するよう前記第2
の電動機駆動回路を介して該第2の電動機を駆動制御す
ると共に、該原動機の出力軸へ付加される動力の順次変
化に伴って、該原動機が前記第1の運転状態と前記第2
の運転状態との間で順次変化するよう前記原動機運転手
段を介して該原動機の運転を制御し、前記原動機から出
力される動力が前記駆動軸に伝達されるよう前記第1の
電動機駆動回路を介して前記第1の電動機を駆動制御す
ることにより行なうことを要旨とする。
【0078】この第5の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機の出力軸へ付加される動力の順次変化に伴っ
て、原動機の運転状態と第1の電動機の運転を順次変化
させるから、原動機から出力される動力の駆動軸への伝
達の切り換えをスムースに行なうことができる。
【0079】本発明の第6の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを
有し、該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機
と、前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動
回路とを備える動力出力装置の制御方法であって、前記
駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にあ
る前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達と
前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定する要
素のうち、前記第2の電動機により前記原動機の出力軸
に付加される動力の変更に伴う該原動機の負荷トルクの
変更を該原動機の回転数の変更に優先して行なうよう前
記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1お
よび第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運転
手段を介して前記原動機の運転を制御することを要旨と
する。
【0080】この第6の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の負荷トルクの変更を原動機の回転数の
変更に優先して行なうことにより、よりスムースに行な
うことができる。
【0081】本発明の第7の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを
有し、該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機
と、前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動
回路とを備える動力出力装置の制御方法であって、前記
駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にあ
る前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達と
前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転状態
にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定する要
素のうち、前記原動機の回転数の変更を前記第2の電動
機により前記原動機の出力軸に付加される動力の変更に
伴う該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なうよう
前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1
および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運
転手段を介して前記原動機の運転を制御することを要旨
とする。
【0082】この第7の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の回転数の変更を原動機の負荷トルクの
変更に優先して行なうことにより、よりスムースに行な
うことができる。
【0083】本発明の第8の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機を運転する原動機運転手段と、前記原動機の出
力軸に結合された第1のロータと、該第1のロータに対
して相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロー
タとを有し、該第1および該第2のロータ間の電磁的な
結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
力を伝達する第1の電動機と、前記第1の電動機におけ
る前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度
を制御すると共に、該第2のロータの該第1のロータに
対する相対的な回転駆動を制御する第1の電動機駆動回
路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを
有し、該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機
と、前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動
回路とを備える動力出力装置の制御方法であって、前記
駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態にあ
る前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝達で
ある第1の伝達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数
の第2の運転状態にある前記原動機から出力される動力
の該駆動軸への伝達である第2の伝達との切り換えを、
前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
る動力を所定値となるよう前記第2の電動機駆動回路を
介して該第2の電動機を駆動制御して前記原動機の負荷
トルクを所定トルクとすると共に、前記原動機が前記第
1の運転状態の回転数から前記第2の運転状態の回転数
へ又は前記第2の運転状態の回転数から前記第1の運転
状態の回転数へ変更するよう前記原動機運転手段を介し
て該原動機の運転を制御し、前記原動機の回転数が前記
変更された回転数となった後、該変更された回転数を維
持しながら、前記第2の電動機により前記原動機の出力
軸に付加される動力が、前記第1の伝達の際に前記第2
の電動機に設定される第1の動力から前記第2の伝達の
際に前記第2の電動機に設定される第2の動力へ又は前
記第2の動力から前記第1の動力へ変更するよう前記第
2の電動機駆動回路および前記原動機運転手段を介して
前記第2の電動機および前記原動機を駆動制御すること
により行なうことを要旨とする。
【0084】この第8の動力出力装置の制御方法によれ
ば、原動機から出力される動力の駆動軸への伝達の切り
換えを、原動機の負荷トルクを所定トルクとすると共に
原動機の回転数を変更し、その後この回転数を維持しな
がら原動機の負荷トルクを変更することによって行なう
ことができる。所定トルクとして原動機の回転数の変更
が容易なトルクを選択すれば、原動機の回転数を素早く
変更することができ、原動機から出力される動力の駆動
軸への伝達の切り換えをよりスムースに行なうことがで
きる。
【0085】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を以下
の項に分けて説明する。 1.第1実施例としての動力出力装置20 (1)動力出力装置20の構成 (2)動力出力装置20の基本動作 (3)ドライブモード切換処理 (4)回転数優先切換処理 (5)トルク優先切換処理 (6)バッテリ充放電切換処理 (7)所定トルク経由切換処理 (8)変形例としての動力出力装置20A 2.第2実施例としての動力出力装置20B (1)動力出力装置20Bの構成と基本動作 (2)ドライブモード切換処理 (3)回転数優先切換処理 (4)トルク優先切換処理 (5)バッテリ充放電切換処理 (6)所定トルク経由切換処理 (7)変形例としての動力出力装置20Cおよび動力出
力装置20D 3.その他の変形例
【0086】1.第1実施例としての動力出力装置20 (1)動力出力装置20の構成。
【0087】図1は本発明の第1の実施例としての動力
出力装置20の概略構成を示す構成図、図2は図1の動
力出力装置20が構成として備えるクラッチモータ30
およびアシストモータ40の構造を示す断面図、図3は
図1の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成を
示す構成図である。説明の都合上、まず図3を用いて、
車両全体の構成から説明する。
【0088】図3に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0089】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76及び回転角度センサ78など
である。なお、EFIECU70には、この他、例えば
イグニッションキーの状態STを検出するスタータスイ
ッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,ス
イッチなどの図示は省略した。
【0090】エンジン50のクランクシャフト56に
は、後述するクラッチモータ30及びアシストモータ4
0を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22
は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動
力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪2
6,28に伝達される。このクラッチモータ30および
アシストモータ40は、制御装置80により制御されて
いる。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には
制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設け
られたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル6
4に設けられたアクセルペダルポジションセンサ65な
ども接続されている。また、制御装置80は、上述した
EFIECU70と通信により、種々の情報をやり取り
している。これらの情報のやり取りを含む制御について
は、後述する。
【0091】図1に示すように、動力出力装置20は、
大きくは、エンジン50、エンジン50のクランクシャ
フト56にアウタロータ32が機械的に結合されたクラ
ッチモータ30、このクラッチモータ30のインナロー
タ34に機械的に結合されたロータ42を有するアシス
トモータ40およびクラッチモータ30とアシストモー
タ40を駆動・制御する制御装置80から構成されてい
る。
【0092】各モータの概略構成について、図1により
説明する。クラッチモータ30は、図1に示すように、
アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、イン
ナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36
を巻回する同期電動機として構成されている。この三相
コイル36への電力は、回転トランス38を介して供給
される。インナロータ34において三相コイル36用の
スロット及びティースを形成する部分は、無方向性電磁
鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、ク
ランクシャフト56には、その回転角度θeを検出する
レゾルバ39が設けられているが、このレゾルバ39
は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度セン
サ78と兼用することも可能である。
【0093】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ42の外周
面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシ
ストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三
相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロー
タ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸
は、動力出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸2
2であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出す
るレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22
は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支
されている。
【0094】係るクラッチモータ30とアシストモータ
40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がア
シストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に
機械的に結合されている。従って、エンジン50と両モ
ータ30,40との関係を簡略に言えば、エンジン50
のクランクシャフト56の回転および軸トルクがクラッ
チモータ30のアウタロータ32およびインナロータ3
4を介して駆動軸22に伝達され、アシストモータ40
によるトルクがこれに加減算されるということになる。
【0095】アシストモータ40は、通常の永久磁石型
三相同期モータとして構成されているが、クラッチモー
タ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三
相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転す
るよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の
構成の詳細について、図2を用いて補足する。クラッチ
モータ30のアウタロータ32は、クランクシャフト5
6に嵌合されたホイール57の外周端に圧入ピン59a
およびネジ59bにより取り付けられている。ホイール
57の中心部は、軸形状に突設されており、ここにベア
リング37A,37Bを用いてインナロータ34が回転
自在に取り付けられている。また、インナロータ34に
は、駆動軸22の一端が固定されている。
【0096】アウタロータ32に永久磁石35が設けら
れていることは既に説明した。この永久磁石35は、実
施例では4個設けられており、アウタロータ32の内周
面に貼付されている。その磁化方向はクラッチモータ3
0の軸中心に向かう方向であり、一つおきに磁極の方向
は逆向きになっている。この永久磁石35と僅かなギャ
ップにより対向するインナロータ34の三相コイル36
は、インナロータ34に設けられた計24個のスロット
(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電する
と、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。
各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三
相コイル36の各々は、回転トランス38から電力の供
給を受けるよう接続されている。この回転トランス38
は、ケース45に固定された一次巻線38Aとインナロ
ータ34に結合された駆動軸22に取り付けられた二次
巻線38Bとからなり、電磁誘導により、一次巻線38
Aと二次巻線38Bとの間で、双方向に電力をやり取り
することができる。なお、三相(U,V,W相)の電流
をやり取りするために、回転トランス38には三相分の
巻線が用意されている。
【0097】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁
界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が
形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ3
2とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クラン
クシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数
(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏
差の周波数としている。この結果、両者の回転には滑り
を生じることになる。クラッチモータ30及びアシスト
モータ40の制御の詳細については、後でフローチャー
トを用いて詳しく説明する。
【0098】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動・制御する制御装置80について説明
する。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する
第1の駆動回路91、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92、両駆動回路91,92を制御する制
御CPU90、二次電池であるバッテリ94から構成さ
れている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセ
ッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プ
ログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示
せず)およびEFIECU70と通信を行なうシリアル
通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90
には、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θ
e、レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θd、ア
クセルペダルポジションセンサ65からのアクセルペダ
ルポジション(アクセルペダルの踏込量)AP、シフト
ポジションセンサ84からのシフトポジションSP、第
1の駆動回路91に設けられた2つの電流検出器95,
96からのクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動
回路に設けられた2つの電流検出器97,98からのア
シスト電流値Iua,Iva、バッテリ94の残容量を
検出する残容量検出器99からの残容量BRMなどが、入
力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器
99は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ9
4の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充
電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するも
のや、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流
を流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するもの
などが知られている。
【0099】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW
1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素
子としての6個のトランジスタTr11ないしTr16
を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の
駆動回路91内の6個のトランジスタTr1ないしTr
6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞ
れ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース側とシ
ンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点
に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の
各々が、回転トランス38を介して接続されている。電
源ラインL1,L2は、バッテリ94のプラス側とマイ
ナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU9
0により対をなすトランジスタTr1ないしTr6のオ
ン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コ
イル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な
正弦波にすると、三相コイル36により、回転磁界が形
成される。
【0100】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバ
ータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信
号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0101】(2)動力出力装置20の基本動作
【0102】以上構成を説明した動力出力装置20の動
作について説明する。動力出力装置20の動作原理、特
にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン50
がEFIECU70により運転され、エンジン50の回
転数Neが所定の回転数N1で回転しているとする。こ
のとき、制御装置80が回転トランス38を介してクラ
ッチモータ30の三相コイル36に何等電流を流してい
ないとすれば、即ち第1の駆動回路91のトランジスタ
Tr1ないしTr6が常時オフ状態であれば、三相コイ
ル36には何等の電流も流れないから、クラッチモータ
30のアウタロータ32とインナロータ34とは電磁的
に全く結合されていない状態となり、エンジン50のク
ランクシャフト56は空回りしている状態となる。この
状態では、トランジスタTr1ないしTr6がオフとな
っているから、三相コイル36からの回生も行なわれな
い。即ち、エンジン50はアイドル回転をしていること
になる。
【0103】制御装置80の制御CPU90が制御信号
SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、
エンジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆
動軸22の回転数Ndとの偏差(言い換えれば、クラッ
チモータ30におけるアウタロータ32とインナロータ
34の回転数差Nc(Ne−Nd))に応じて、クラッ
チモータ30の三相コイル36に一定の電流が流れる。
即ち、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流
が第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94
が充電される。この時、アウタロータ32とインナロー
タ34とは一定の滑りが存在する結合状態となる。即
ち、エンジン50の回転数Ne(クランクシャフト56
の回転数)よりは低い回転数Ndでインナロータ34は
回転する。この状態で、回生された電気エネルギと等し
いエネルギがアシストモータ40で消費されるように、
制御CPU90が第2の駆動回路92を制御すると、ア
シストモータ40の三相コイル44に電流が流れ、アシ
ストモータ40においてトルクが発生する。
【0104】図4に照らせば、クランクシャフト56が
回転数N1,トルクT1で運転しているときに、領域G
1のエネルギをクラッチモータ30から回生し、これを
アシストモータ40に付与することにより、駆動軸22
を回転数N2,トルクT2で回転させることができるの
である。こうして、クラッチモータ30における滑り、
即ち正の値の回転数差Ncに応じたエネルギをトルクと
して駆動軸22に付与して、トルクの変換を行なうので
ある。
【0105】次に、エンジン50が回転数Neが値N2
でトルクTeが値T2で運転されており、駆動軸22が
回転数N2より大きな回転数N1で回転している場合を
考える。この状態では、クラッチモータ30のインナロ
ータ34は、アウタロータ32に対して回転数差Nc
(Ne−Nd)の絶対値で示される回転数で駆動軸22
の回転方向の向き回転するから、クラッチモータ30
は、通常のモータとして機能し、バッテリ94からの電
力により駆動軸22に回転エネルギを与える。一方、制
御CPU90によりアシストモータ40により電力を回
生するよう第2の駆動回路92を制御すると、アシスト
モータ40のロータ42とステータ43との間の滑りに
より三相コイル44に回生電流が流れる。ここで、アシ
ストモータ40により回生される電力がクラッチモータ
30により消費されるよう制御CPU90により第1お
よび第2の駆動回路91,92を制御すれば、クラッチ
モータ30を、バッテリ94に蓄えられた電力を用いる
ことなく駆動することができる。
【0106】図4に照らせば、クランクシャフト56が
回転数N2,トルクT2で運転しているときに、領域G
2と領域G3のエネルギをアシストモータ40から回生
し、これをクラッチモータ30に付与することにより、
駆動軸22を回転数N1,トルクT1で回転させること
ができるのである。
【0107】なお、実施例の動力出力装置20では、こ
うしたトルク変換に加えて、エンジン50からの出力エ
ネルギ(トルクTeと回転数Neとの積)と、クラッチ
モータ30により回生または消費される電気エネルギ
と、アシストモータ40により消費または回生される電
気エネルギとを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ94を放電したり、不足する電
気エネルギをバッテリ94に蓄えられた電力により補っ
たりして、エンジン50からの出力エネルギをより効率
よく動力として駆動軸22に伝達する。
【0108】以下にこうしたトルク変換の基本について
図5に例示するトルク制御処理に基づき説明する。トル
ク制御処理が実行されると、制御装置80の制御CPU
90は、まず駆動軸22の回転数Ndを読み込む処理を
行なう(ステップS100)。駆動軸22の回転数は、
レゾルバ48から読み込んだ駆動軸22の回転角度θd
から求めることができる。次に、エンジン50の回転数
Neを読み込む処理を行なう(ステップS102)。エ
ンジン50の回転数Neは、レゾルバ39から読み込ん
だクランクシャフト56の回転角度θeから求めること
もできるし、ディストリビュータ60に設けられた回転
数センサ76によっても直接検出することもできる。回
転数センサ76を用いる場合には、回転数センサ76に
接続されたEFIECU70から通信により回転数Ne
の情報を受け取ることになる。そして、こうして読み込
んだ駆動軸22の回転数Ndとエンジン50の回転数N
eとから、両軸の回転数差Ncを計算(Nc=Ne−N
d)により求める(ステップS104)。
【0109】次に、アクセルペダルポジションセンサ6
5からのアクセルペダルポジションAPを読み込む(ス
テップS106)。アクセルペダル64は運転者が出力
トルクが足りないと感じたときに踏み込まれるものであ
り、従って、アクセルペダルポジションAPの値は運転
者の欲している出力トルク(すなわち、駆動軸22のト
ルク)に対応するものである。続いて、読み込まれたア
クセルペダルポジションAPに応じた出力トルク(駆動
軸22のトルク)目標値(以下、トルク指令値とも言
う)Td*を導出する処理を行なう(ステップS10
8)。すなわち、各アクセルペダルポジションAPに対
しては、それぞれ、予め出力トルク指令値Td*が設定
されており、アクセルペダルポジションAPが読み込ま
れると、そのアクセルペダルポジションAPに対応して
設定された出力トルク指令値Td*の値が導き出され
る。
【0110】次に、導き出された出力トルク指令値Td
*と読み込まれた駆動軸22の回転数Ndとから、駆動
軸22に出力すべきエネルギPdを計算(Pd=Td*
×Nd)により求める処理を行なう(ステップS11
0)。そして、この求めた出力エネルギPdに基づい
て、エンジン50の目標トルクTe*とエンジンの目標
回転数Ne*を設定する処理を行なう(ステップS11
2)。ここで、駆動軸22に出力すべきエネルギPdを
全てエンジン50によって供給するものとすると、エン
ジン50の供給するエネルギはエンジン50のトルクT
eと回転数Neとの積に等しいため、出力エネルギPd
とエンジン50の目標トルクTe*および目標回転数N
e*との関係はPd=Te*×Ne*となる。しかし、
かかる関係を満足するエンジン50の目標トルクTe
*,目標回転数Ne*の組合せは無数に存在する。そこ
で、本実施例では、エンジン50ができる限り効率の高
い状態で動作するように、エンジン50の目標トルクT
e*,目標回転数Ne*の組合せを設定するものとし
た。
【0111】次に、設定された目標トルクTe*に基づ
いて、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設定
する処理を行なう(ステップS114)。エンジン50
の回転数Neをほぼ一定となるようにするには、クラッ
チモータ30のトルクTcをエンジン50のトルクTe
と等しくして釣り合わせるようにすれば良い。そこで、
ここではクラッチモータ30のトルク指令値Tc*をエ
ンジン50の目標トルクTe*と等しくなるように設定
する。
【0112】続いて、クラッチモータ30側で発電また
は消費される電力Pcを次式(1)により演算する処理
を行なう(ステップS116)。ここで、Ncはエンジ
ン50の出力軸であるクランクシャフト56と駆動軸2
2との回転数差であるから、Nc×Tc*は、設定され
た指令値により運転された際の図4における領域G1ま
たは領域G1と領域G3との和に相当するエネルギを求
めることに相当する。なお、Kscはクラッチモータ3
0の効率である。そして、アシストモータ40により駆
動軸22に付加されるトルク指令値Ta*を次式(2)
により演算する(ステップS118)。なお、Ksa
は、アシストモータ40の効率である。
【0113】Pc=Ksc×Nc×Tc …(1) Ta*=ksa×Pc/Nd …(2)
【0114】こうして、エンジン50の目標トルクTe
*,目標回転数Ne*,クラッチモータ30およびアシ
ストモータ40のトルク指令値Tc*,Ta*を設定し
た後に、クラッチモータ30の制御(ステップS12
0)とアシストモータ40の制御(ステップS122)
とエンジン50の制御(ステップS124)を行なう。
なお、図示の都合上、クラッチモータ30の制御とアシ
ストモータ40の制御とエンジン50の制御は別々のス
テップとして記載したが、実際には、これらの制御は総
合的に行なわれる。例えば、制御CPU90が割り込み
処理を利用して、クラッチモータ30とアシストモータ
40の制御を同時に実行すると共に、通信によりEFI
ECU70に指示を送信して、EFIECU70により
エンジン50の制御も同時に行なわせるのである。
【0115】クラッチモータ30の制御(図5のステッ
プS120)は、図6に例示するクラッチモータ制御処
理によりなされる。この処理が実行されると、制御CP
U90は、まず、駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ
48から、エンジン50のクランクシャフト56の回転
角度θeをレゾルバ39から入力する処理を行ない(ス
テップS130,S132)、両軸の相対角度θcを求
める処理を行なう(ステップS134)。即ち、θc=
θe−θdを演算するのである。
【0116】次に、電流検出器95,96により、クラ
ッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れて
いる電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステ
ップS136)。電流はU,V,Wの三相に流れている
が、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測
定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて
座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS13
8)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q
軸の電流値に変換することであり、次式(3)を演算す
ることにより行なわれる。
【0117】
【数1】
【0118】ここで座標変換を行なうのは、永久磁石型
の同期電動機においては、d軸及びq軸の電流が、トル
クを制御する上で本質的な量だからである。もとより、
三相のまま制御することも可能である。次に、2軸の電
流値に変換した後、クラッチモータ30におけるトルク
指令値Tc*から求められる各軸の電流指令値Idc
*,Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと
偏差を求め、各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める
処理を行なう(ステップS140)。即ち、まず以下の
式(4)の演算を行ない、次に次式(5)の演算を行な
うのである。
【0119】
【数2】
【0120】
【数3】
【0121】ここで、Kp1,2及びKi1,2は、各
々係数である。これらの係数は、適用するモータの特性
に適合するよう調整される。なお、電圧指令値Vdc,
Vqcは、電流指令値I*との偏差△Iに比例する部分
(上式(5)右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過去の
累積分(右辺第2項)とから求められる。その後、こう
して求めた電圧指令値をステップS138で行なった変
換の逆変換に相当する座標変換(二相−三相変換)を行
ない(ステップS142)、実際に三相コイル36に印
加する電圧Vuc,Vvc,Vwcを求める処理を行な
う。各電圧は、次式(6)により求める。
【0122】
【数4】
【0123】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間により
なされるから、式(6)によって求めた各電圧指令値と
なるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間
をPWM制御する(ステップS144)。
【0124】なお、クラッチモータ30の制御は、トル
ク指令値Tc*の符号を駆動軸22にクランクシャフト
56の回転方向に正のトルクが作用するときを正とする
と、正の値のトルク指令値Tc*が設定されても、エン
ジン50の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大
きいとき(正の値の回転数差Nc(Ne−Nd)が生じ
るとき)には、回転数差Ncに応じた回生電流を発生さ
せる回生制御がなされ、回転数Neが回転数Ndより小
さいとき(負の値の回転数差Nc(Ne−Nd)が生じ
るとき)には、クランクシャフト56に対して相対的に
回転数差Ncの絶対値で示される回転数で駆動軸22の
回転方向に回転する力行制御がなされる。クラッチモー
タ30の回生制御と力行制御は、トルク指令値Tc*が
正の値であれば、共にアウタロータ32に取り付けられ
た永久磁石35と、インナロータ34の三相コイル36
に流れる電流により生じる回転磁界とにより正の値のト
ルクが駆動軸22に作用するよう第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6を制御するものである
から、同一のスイッチング制御となる。即ち、トルク指
令値Tc*の符号が同じであれば、クラッチモータ30
の制御が回生制御であっても力行制御であっても同じス
イッチング制御となる。したがって、図6のクラッチモ
ータ制御処理で回生制御と力行制御のいずれも行なうこ
とができる。また、トルク指令値Tc*が負の値のと
き、即ち駆動軸22を制動しているときや車両を後進さ
せているときは、ステップS174の相対角度θcの変
化の方向が逆になるから、この際の制御も図6のクラッ
チモータ制御処理により行なうことができる。
【0125】次に、アシストモータ40の制御(図5の
ステップS122)について図7に例示するアシストモ
ータ制御処理に基づき説明する。アシストモータ制御処
理では、制御CPU90は、まず駆動軸22の回転角度
θdをレゾルバ48を用いて検出し(ステップS15
0)、続いてアシストモータ40の各相電流を電流検出
器97,98を用いて検出する処理(ステップS15
2)を行なう。その後、クラッチモータ30と同様の座
標変換(ステップS154)および電圧指令値Vda,
Vqaの演算を行ない(ステップS156)、更に電圧
指令値の逆座標変換(ステップS158)を行なって、
アシストモータ40の第2の駆動回路92のトランジス
タTr11ないしTr16のオンオフ制御時間を求め、
PWM制御を行なう(ステップS159)。これらの処
理は、クラッチモータ30について行なったものと全く
同一である。
【0126】ここで、アシストモータ40は、図5のス
テップS116およびS118により回転数差Ncとト
ルク指令値Tc*とを含む演算により求められるから、
駆動軸22がクランクシャフト56の回転方向に回転し
ておれば、エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回
転数Ndより大きいとき(回転数差Ncが正のとき)に
はトルク指令値Ta*に正の値が設定されて力行制御が
なされ、エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回転
数Ndより小さいとき(回転数差Ncが負のとき)には
トルク指令値Ta*に負の値が設定されて回生制御がな
される。しかし、アシストモータ40の力行制御と回生
制御は、クラッチモータ30の制御と同様に、共に図7
のアシストモータ制御処理で行なうことができる。ま
た、駆動軸22がクランクシャフト56の回転方向と逆
向きに回転しているときも同様である。なお、アシスト
モータ40のトルク指令値Ta*の符号は、駆動軸22
にクランクシャフト56の回転方向に正のトルクが作用
するときを正とした。
【0127】次に、エンジン50の制御(図5のステッ
プS124)について説明する。エンジン50は、図5
のステップS112において設定された目標トルクTe
*および目標回転数Ne*の運転ポイントで定常運転状
態となるようトルクTeおよび回転数Neが制御され
る。具体的には、制御CPU90から通信によりEFI
ECU70に指示を送信し、燃料噴射弁51からの燃料
噴射量やスロットルバルブ66の開度を増減して、エン
ジン50の出力トルクが目標トルクTe*に、回転数が
目標回転数Ne*になるように徐々に調整するのであ
る。このうちエンジン50のトルクTeは負荷トルクで
あるクラッチモータ30のトルクTcによって定まり、
クラッチモータ30のトルクTcは図5のステップS1
20のクラッチモータ30の制御によりトルク指令値T
c*(Tc*=Te*)とされるから、エンジン50の
制御では、エンジン50の回転数を目標回転数Ne*と
する制御となる。
【0128】以上の処理により、エンジン50からの出
力エネルギPdをクラッチモータ30およびアシストモ
ータ40によりトルク変換して駆動軸22に作用させる
ことができる。
【0129】(3)ドライブモード切換処理
【0130】次に、エンジン50の目標回転数Ne*が
駆動軸22の回転数Ndより大きく設定されて運転され
る通常ドライブモードと、エンジン50の目標回転数N
e*が駆動軸22の回転数Ndより小さく設定されて運
転されるオーバードライブモードとの切り換えを行なう
ドライブモード切換制御について図8に例示するドライ
ブモード切換処理ルーチンに基づき説明する。ここで、
通常ドライブモードは車両が比較的低速で走行をしてお
り加減速が頻繁に行なわれる際に選択され、オーバード
ライブモードは車両が比較的高速で安定して走行してい
る際に選択されるが、エンジン50やモータ30,40
の効率やエミッション、エンジン50が車両に及ぼす振
動等の要因により、上記以外の状態でも通常ドライブモ
ードまたはオーバードライブモードが選択される場合も
ある。本ルーチンは、こうしたドライブモードの選択が
変更されたときに、図5のトルク制御処理に代えて実行
される。
【0131】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず現在のドライブモードを入力
する処理を実行する(ステップS160)。ドライブモ
ードの入力は、RAM90aの所定アドレスに格納され
た現在のドライブモードを表わすデータを読み込むこと
により、あるいはエンジン50の回転数Neと駆動軸2
2の回転数Ndとをレゾルバ39およびレゾルバ48か
ら読み込んで回転数Neと回転数Ndとを比較して行な
う。入力したドライブモードが通常ドライブモードのと
きにはトルク増減量△Tにクラッチモータトルク増減量
△Tcを設定し(ステップS162,S164)、入力
したドライブモードがオーバードライブモードのときに
はトルク増減量△Tに負の値のクラッチモータトルク増
減量△Tcを設定する(ステップS162,S16
6)。ここで、トルク増減量△Tは、ドライブモードの
切り換え時にエンジン50のトルクTeを順次増減させ
るために設定されるものであり、その値であるクラッチ
モータトルク増減量△Tcは、負荷トルクTeを変化さ
せてもエンジン50が安定して運転される範囲内の正の
値として設定される。また、ドライブモードに基づいて
正か負の値のクラッチモータトルク増減量△Tcをトル
ク増減量△Tに設定するのは、ドライブモードによって
エンジン50の負荷トルクTeを順次増加して切り換え
るか、順次減少させて切り換えるかの相違があるからで
ある。
【0132】続いて、ドライブモード切換後のエンジン
50の運転ポイントの回転数N2およびトルクT2を、
ドライブモード切換前の出力エネルギPd(図5のステ
ップS110で演算で求めた出力エネルギPd)を用い
て図示しないマップにより設定する(ステップS16
8)。このようにドライブモード切換後のエンジン50
の回転数N2およびトルクT2をドライブモード切換前
の出力エネルギPdに基づいて設定することにより、切
り換えの前後でエンジン50から出力され駆動軸22に
伝達されるエネルギを一定するのである。なお、ドライ
ブモード切換後のエンジン50の回転数N2およびトル
クT2を設定する手法は、図5のステップS112で出
力エネルギPdでのエンジン50の目標回転数Ne*と
目標トルクTe*とを設定する際に説明したのと同様な
手法を用いる。
【0133】次に、現在設定されているクラッチモータ
30のトルク指令値Tc*にトルク増減量△Tを加えて
新たなトルク指令値Tc*として設定すると共に(ステ
ップS170)、現在設定されているアシストモータ4
0のトルク指令値Ta*にトルク増減量△Tを減じて新
たなトルク指令値Ta*として設定する(ステップS1
72)。このようにクラッチモータ30のトルク指令値
Tc*をトルク増減量△Tだけ増加すると共にアシスト
モータ40のトルク指令値Ta*をトルク増減量△Tだ
け減少するのは、クラッチモータ30およびアシストモ
ータ40を介して駆動軸22に付加するトルクを変動さ
せないためである。なお、ドライブモードの切り換えが
通常ドライブモードからオーバードライブモードへの切
り換えのときには、トルク増減量△Tは正の値だから、
クラッチモータ30のトルク指令値Tc*は増加され、
アシストモータ40のトルク指令値Ta*は減少するこ
とになり、逆にドライブモードの切り換えがオーバード
ライブモードから通常ドライブモードへの切り換えのと
きには、トルク増減量△Tは負の値だから、クラッチモ
ータ30のトルク指令値Tc*は減少され、アシストモ
ータ40のトルク指令値Ta*は増加されることにな
る。
【0134】そして、新たに設定したクラッチモータ3
0のトルク指令値Tc*で出力エネルギPdを割ってエ
ンジン50の目標回転数Ne*を設定し(ステップS1
74)、クラッチモータ30,アシストモータ40およ
びエンジン50の各制御を行なう(ステップS17
6)。ここで、ステップS176のクラッチモータ3
0,アシストモータ40およびエンジン50の各制御
は、図5のトルク制御処理におけるステップS120な
いしS124の各制御と同一であるから、各制御の詳細
な説明は省略する。
【0135】こうした制御によるエンジン50の動作に
ついて説明する。エンジン50の負荷トルクTeである
クラッチモータ30のトルクTcは、電気的な命令によ
り直ちに設定したトルク指令値Tc*に変更されるが、
エンジン50の回転数Neは、機械的な動作の結果変更
されるものであるから、クラッチモータ30のトルクT
cの変更に比して大きく遅れることになる。したがっ
て、上述の制御では、クラッチモータ30のトルクTc
がトルク指令値Tc*に変更されると同時にエンジン5
0の回転数Neが目標回転数Ne*になることはなく、
エンジン50の回転数Neはそのままに、クラッチモー
タ30のトルクTcのみが先行してトルク指令値Tc*
となる。このようにクラッチモータ30のトルクTcが
変更されると、エンジン50にとっては負荷トルクTe
が変更されたことになるから、エンジン50の回転数N
eは、負荷トルクTeの増加に対しては減少し、負荷ト
ルクTeの減少に対しては増加することになる。エンジ
ン50の目標回転数Ne*は、ステップS174で説明
したように出力エネルギPdをトルク指令値Tc*で割
って求めるから、目標回転数Ne*の増減は、トルク指
令値Tc*の増減に反比例することとなり、前述の負荷
トルクTeの変更の際の関係と同様の関係となる。した
がって、エンジン50の回転数Neは、クラッチモータ
30のトルクTcをトルク指令値Tc*に変更すること
によりほぼ目標回転数Ne*となるから、ステップS1
76におけるエンジン50の制御は、エンジン50の回
転数Neの微調整の制御となる。
【0136】こうしたクラッチモータ30,アシストモ
ータ40およびエンジン50の各制御を行なった後に、
レゾルバ39を介してエンジン50の回転数Neを読み
込み(ステップS178)、目標回転数Ne*と読み込
んだ回転数Neとの偏差が閾値Nref未満であるか否
かを判定する(ステップS180)。ここで、閾値Nr
efは、エンジン50の目標回転数Ne*と回転数Ne
との偏差の許容範囲を設定するものであり、エンジン5
0の負荷トルクTeを更にトルク増減量△Tだけ変化さ
せてもエンジン50が安定して運転される範囲内で定め
られるものである。目標回転数Ne*と回転数Neとの
偏差が閾値Nref未満でないときには、ステップS1
76のクラッチモータ30等の制御処理に戻ってステッ
プS176ないしS180を繰り返し実行し、目標回転
数Ne*と回転数Neとの偏差が閾値Nref未満であ
るときには、ステップS168で設定したドライブモー
ド切換後のエンジン50のトルクT2とトルク指令値T
c*との偏差がトルク増減量△T未満であるか否かを判
定する(ステップS182)。トルクT2とトルク指令
値Tc*との偏差がトルク増減量△T未満でないときに
は、トルク指令値Tc*をトルク増減量△Tだけ増減す
る処理であるステップS170に戻ってステップS17
0ないしS182を繰り返し実行し、トルクT2とトル
ク指令値Tc*との偏差がトルク増減量△T未満である
ときには、ドライブモードの切り換えは終了したと判断
し、本ルーチンを終了する。
【0137】以上説明したドライブモード切換処理ルー
チンを実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を図9および図10に例示する。図9は、エンジ
ン50の運転ポイントが、駆動軸22の回転数Ndより
大きい回転数N1および駆動軸22の出力トルクTdよ
り小さいトルクT1の運転ポイントP1(通常ドライブ
モード)から駆動軸22の回転数Ndより小さい回転数
N2および駆動軸22の出力トルクTdより大きいトル
クT2の運転ポイントP2(オーバードライブモード)
へ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変
化の様子を示す説明図であり、図10は、逆にエンジン
50の運転ポイントが、駆動軸22の回転数Ndより小
さい回転数N1および駆動軸22の出力トルクTdより
大きいトルクT1の運転ポイントP1(オーバードライ
ブモード)から駆動軸22の回転数Ndより大きい回転
数N2および駆動軸22の出力トルクTdより小さいト
ルクT2の運転ポイントP2(通常ライブモード)へ切
り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変化の
様子を示す説明図である。
【0138】図9に示すように、通常ドライブモードか
らオーバードライブモードへ切り換える際には、トルク
指令値Tc*はトルク増減量△Tだけ増加され(ステッ
プS170)、目標回転数Ne*はこの増加されたトル
ク指令値Tc*で出力エネルギPdを割って求められる
から(ステップS174)、切換処理開始直後には、図
9の運転ポイントP1で運転されているエンジン50
は、図示の回転数Ne1および負荷トルクTe1の運転
ポイントPm2で運転されるよう負荷トルクTe(トル
ク指令値Tc*)および目標回転数Ne*が変更され
る。前述したように、変更したトルク指令値Tc*と目
標回転数Ne*とを用いて同時にクラッチモータ30と
エンジン50とを制御してもクラッチモータ30とエン
ジン50との応答性の相違から、エンジン50の負荷ト
ルクTe(クラッチモータ30のトルクTc)が先行し
て変更され、その後エンジン50の回転数Neが目標回
転数Ne*に収束する。したがって、エンジン50の運
転ポイントは、図9に示すように、運転ポイントP1か
ら負荷トルクTeのみが変更された運転ポイントPm1
を経由して負荷トルクTeおよび回転数Neが変更され
た運転ポイントPm2となる。なお、上述の説明では、
説明の容易のためにエンジン50の運転ポイントは、そ
の負荷トルクTeのみが変更された運転ポイントPm1
を経由するものとしたが、実際は、負荷トルクTeが変
更されれば若干ではあるが回転数Neも変化するから、
経由する運転ポイントは完全に負荷トルクTeのみが変
更された運転ポイントPm1ではなく、変更された負荷
トルクTeで回転数Neが値N1より若干小さい運転ポ
イントとなる。
【0139】こうした運転ポイントの変更処理(ステッ
プS170ないしS182)を繰り返すことにより、エ
ンジン50の運転ポイントは、通常ドライブ状態の運転
ポイントP1からエンジン50の出力エネルギ同一の曲
線Pdに沿って順次変更されオーバードライブ状態の運
転ポイントP2に切り換えられるのである。
【0140】ドライブモード切換処理ルーチンによるオ
ーバードライブモードから通常ドライブモードへの切り
換えは、トルク指令値Tc*は順次トルク増減量△Tだ
け減少されるから(ステップS170)、切換処理開始
直後には、図10の運転ポイントP1で運転されている
エンジン50は、図示の回転数Ne1および負荷トルク
Te1の運転ポイントPm2で運転されるよう負荷トル
クTeおよび目標回転数Ne*が変更される。通常ドラ
イブモードからオーバードライブモードへの切り換えと
同様に、エンジン50の負荷トルクTeが先行して変更
されるから、運転ポイントP1から負荷トルクTeのみ
が変更された運転ポイントPm1を経由して負荷トルク
Teおよび回転数Neが変更された運転ポイントPm2
となり、こうした運転ポイントの変更処理(ステップS
170なしいS182)を繰り返すことにより、エンジ
ン50の運転ポイントは、オーバードライブ状態の運転
ポイントP1からエンジン50の出力エネルギ同一の曲
線Pdに沿って順次変更され通常ドライブ状態の運転ポ
イントP2に切り換えられる。
【0141】以上説明した実施例の動力出力装置20に
よれば、エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回転
数Ndより大きい運転状態にある通常ドライブモード
と、回転数Neが回転数Ndより小さい運転状態にある
オーバードライブモードとを切り換えることができる。
しかも、クラッチモータ30のトルクTcを順次変更す
ることによりエンジン50の負荷トルクTeを順次変更
して切り換えるから、エンジン50の運転状態を滑らか
に変化させながらドライブモードを切り換えることがで
きる。
【0142】また、実施例の動力出力装置20によれ
ば、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*の順次変
更に伴って、反対の符号でもってクラッチモータ30の
トルク指令値Ta*を順次変更するから、ドライブモー
ドの切り換えに際しても、クラッチモータ30およびア
シストモータ40によって駆動軸22に所望のトルクを
作用させることができる。しかも、エンジン50の負荷
トルクTeと回転数Neとを、エンジン50からの出力
エネルギが同一の曲線上で変更するから、バッテリ94
の充放電を伴うことなしに駆動軸22に所望のトルクを
作用させることができる。
【0143】実施例の動力出力装置20では、クラッチ
モータ30とエンジン50の応答性の相違により、エン
ジン50の負荷トルクTe(クラッチモータ30のトル
クTc)を先行して変更するものとしたが、図11およ
び図12に示すように、エンジン50の回転数Neを先
行して変更するようクラッチモータ30のトルクTcの
変更を遅らせるものとしてもよい。この場合、エンジン
50の回転数Neを目標回転数Ne*とするためにスロ
ットルバルブ66の開度を調節し、その後のクラッチモ
ータ30のトルクTcの変更する際にも、このトルクT
cに伴って変化する回転数Neを目標回転数Ne*とす
るためにスロットルバルブ66の開度の調節する必要が
ある。なお、図11は、エンジン50の回転数Neをク
ラッチモータ30のトルクTcの変更に先行して変更す
ることにより、通常ドライブモードからオーバードライ
ブモードへ切り換える際のエンジン50の運転ポイント
の変化の様子を示す説明図であり、図12は、逆にオー
バードライブモードから通常ライブモードへ切り換える
際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を示す説
明図である。
【0144】実施例の動力出力装置20では、エンジン
50から出力されるエネルギが等しい状態の通常ドライ
ブ状態とオーバードライブ状態との切り換えを行なうも
のとしたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状態と
オーバードライブ状態とを切り換えるものとしてもよ
い。この場合、エンジン50の回転数Neがドライブモ
ード切換後のエンジン50の回転数になるまでエンジン
50からの出力エネルギが同一の曲線に沿ってエンジン
50の運転ポイントを順次変更した後、エンジン50の
回転数Neを維持しながら負荷トルクTeをドライブモ
ード切換後の負荷トルクになるようクラッチモータ30
のトルクTcを順次変更するものや、逆にエンジン50
の負荷トルクTeがドライブモード切換後のエンジン5
0の負荷トルクになるまでエンジン50からの出力エネ
ルギが同一の曲線に沿ってエンジン50の運転ポイント
を順次変更した後、エンジン50の回転数Neをドライ
ブモード切換後の回転数になるようスロットルバルブ6
6の開度を調節するもの、あるいは、エンジン50から
出力されるエネルギがドライブモード切換後のエネルギ
となるようエンジン50の回転数Neか負荷トルクTe
の一方を変更した後に、そのエネルギの同一の曲線に沿
ってエンジン50の運転ポイントを順次変更するものと
すればよい。
【0145】また、図13の変形例のドライブモード切
換処理ルーチンに示すように、ステップS168のドラ
イブモード切換後のエンジン50の回転数N2およびト
ルクT2を設定した後に、トルク指令値Tc*の一回当
たりのトルク増減量△Tの増減に対するエンジン50の
回転数Neの増減量としての回転数増減量△Nを次式
(7)により算出する処理を行なうと共に(ステップS
169)、図5のステップS174のエンジン50の目
標回転数Ne*の設定処理に代えて、目標回転数Ne*
にこの回転数増減量△Nを加えて新たな目標回転数Ne
*を設定する処理(ステップS175)を行なうものと
してもよい。
【0146】
【数5】
【0147】ここで、式(7)では、回転数増減量△N
は、ドライブモードの切り換えの前後のエンジン50の
回転数Neの偏差を、ドライブモードの切り換えの前後
のエンジン50の負荷トルクTeの偏差をトルク増減量
△Tで除した値で除して求められるから、回転数増減量
△Nは、トルク指令値Tc*の増減量に対して比例する
ものとなり、その符号は、トルク増減量△Tと異なる符
号となる。式(7)中のT1およびN1はドライブモー
ド切換前のエンジン50の負荷トルクおよび回転数であ
る。なお、ドライブモードの切り換えの前後でエンジン
50からの出力エネルギPdの変更に伴って駆動軸22
へ作用させるトルクTdも変更されるから、アシストモ
ータ40のトルク指令値Ta*を駆動軸22へ作用させ
るトルクTdの変更に合わせるために、図8のステップ
S174に代えて次式(8)により算出する処理を行な
う(ステップS173)。ここで、式(8)中のTd1
およびTd2は、ドライブモードの切り換えの前後の駆
動軸22に出力するトルクである。
【0148】
【数6】
【0149】こうした処理の一例として、エンジン50
から出力されるエネルギが高い通常ドライブ状態から出
力されるエネルギが低いオーバードライブ状態へ切り換
える際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を図
14に示す。図示するように、エンジン50の運転ポイ
ントは、出力エネルギPd1の曲線上での通常ドライブ
モードの運転ポイントP1から、出力エネルギPd1よ
りエネルギが低い出力エネルギPd2の曲線上でのオー
バードライブモードの運転ポイントP2へ、傾きが△T
/△Nの直線Mに沿って順次変更されることになる。
【0150】実施例の動力出力装置20で図13に例示
するドライブモード切換処理ルーチンを実行すれば、異
なるエネルギを出力するエンジン50の運転ポイント間
でのドライブモードの切り換えをスムースに行なうこと
ができる。
【0151】(4)回転数優先切換処理
【0152】以上説明したドライブモード切換処理で
は、エンジン50の運転ポイントを順次変更することに
より行なったが、実施例の動力出力装置20では、図8
に例示するドライブモード切換処理ルーチンに代えて制
御装置80で図15に例示する回転数優先切換処理ルー
チンを実行することにより、ドライブモードの切り換え
をエンジン50の回転数Neの変更を負荷トルクTeの
変更に優先して行なうこともできる。以下、この回転数
優先切換処理について図15に例示する回転数優先切換
処理ルーチンに基づき説明する。
【0153】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図8のドライブモード切換
処理ルーチンのステップS160ないしS168の処理
と同一の処理(ステップS260ないしS268)を実
行する。即ち、現在のドライブモードを入力し(ステッ
プS260)、入力したドライブモードに応じてトルク
増減量△Tを設定し(ステップS262,S264,S
266)、ドライブモード切換後のエンジン50の運転
ポイントである回転数N2およびトルクT2を、ドライ
ブモード切換前の出力エネルギPdを用いて図示しない
マップにより設定するのである(ステップS268)。
【0154】次に、エンジン50の目標回転数Ne*に
ドライブモード切換後のエンジン50の回転数N2を設
定し(ステップS270)、クラッチモータ30,アシ
ストモータ40およびエンジン50の各制御を行なう
(ステップS272)。ここで、ステップS272のク
ラッチモータ30,アシストモータ40およびエンジン
50の各制御は、図5のトルク制御処理におけるステッ
プS120ないしS124の各制御と同一であるから、
各制御の詳細な説明は省略する。なお、後述するステッ
プS282や第1実施例の他のフローチャートにおける
クラッチモータ30,アシストモータ40およびエンジ
ン50の制御も同一の制御であるから、以下、これらの
制御についての詳細な説明は省略する。なお、特筆すべ
き事項がある場合は、その都度説明する。
【0155】続いて、レゾルバ39を介してエンジン5
0の回転数Neを読み込み(ステップS274)、目標
回転数Ne*と読み込んだ回転数Neとの偏差が閾値N
ref未満であるかを判定し(ステップS276)、目
標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が閾値Nref未
満になるまでステップS272ないしS276の処理を
繰り返し実行する。このステップS272ないしS27
6を繰り返し実行することによりエンジン50の回転数
Neは目標回転数Ne*として設定された値N2とな
る。
【0156】目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が
閾値Nref未満になると、クラッチモータ30のトル
ク指令値Tc*にトルク増減量△Tを加えて新たなトル
ク指令値Tc*として設定すると共に(ステップS27
8)、アシストモータ40のトルク指令値Ta*にトル
ク増減量△Tを減じて新たなトルク指令値Ta*として
設定する(ステップS280)。そして、ステップS2
72ないしS276と同様の処理であるのエンジン50
の回転数Neが目標回転数Ne*の近傍に落ちつくまで
クラッチモータ30,アシストモータ40およびエンジ
ン50の制御を繰り返す処理を行なう(ステップS28
2ないしS286)。なお、ここでのエンジン50の制
御は、クラッチモータ30のトルクTcの変更に伴って
生じるエンジン50の回転数Neの目標回転数Ne*
(値N2)からのズレをスロットルバルブ66の開度を
調節することにより打ち消すものとなる。
【0157】目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が
閾値Nref未満になると、ドライブモード切換後のエ
ンジン50のトルクT2とトルク指令値Tc*との偏差
がトルク増減量△T未満であるか否かを判定し(ステッ
プS288)、トルクT2とトルク指令値Tc*との偏
差がトルク増減量△T未満でないときには、トルク指令
値Tc*をトルク増減量△Tだけ増減する処理であるス
テップS278に戻って、ステップS278ないしS2
88の処理を繰り返し実行する。そして、トルクT2と
トルク指令値Tc*との偏差がトルク増減量△T未満に
なると、ドライブモードの切り換えは終了したと判断し
て、本ルーチンを終了する。
【0158】以上説明した回転数優先切換処理ルーチン
を実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化の様
子を図16および図17に例示する。図16は本ルーチ
ンにより通常ドライブモードからオーバードライブモー
ドへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの
変化の様子を例示する説明図であり、図17はオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【0159】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図16に示すように、ま
ず、エンジン50の負荷トルクTe(クラッチモータ3
0のトルクTc)はそのままに、エンジン50の回転数
Neが運転ポイントP1の回転数N1からドライブモー
ド切換後の運転ポイントP2の回転数N2へ変更される
(ステップS270)。この過程では、エンジン50は
図中の運転ポイントPmを目標として運転制御されるこ
とになる(ステップS272ないしS276)。エンジ
ン50が運転ポイントPmで運転されるようになると、
エンジン50の回転数Neを値N2で維持しながら、ク
ラッチモータ30のトルクTcを順次増加することによ
って、エンジン50の運転ポイントを運転ポイントPm
から運転ポイントP2に順次変更する(ステップS27
8ないしS288)。
【0160】ここで、エンジン50の運転ポイントが運
転ポイントP1から運転ポイントPmへ変更される間は
クラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40
のトルクTaは変更されず、エンジン50の運転ポイン
トが運転ポイントPmから運転ポイントP2に変更され
る間はクラッチモータ30のトルクTcの増加に応じて
アシストモータ40のトルクTaを減少させるから、ク
ラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40の
トルクTaとの和は一定に保たれる。したがって、ドラ
イブモードの切り換えの最中であるにも拘わらず、駆動
軸22へは一定のトルク(Tc+Ta)が出力されるこ
とになる。なお、ドライブモードの切り換えの最中にお
けるエンジン50から出力されるエネルギは、図16に
おけるエンジン50の運転ポイントの軌跡が駆動軸22
に出力するエネルギ(出力エネルギPd)と同一のエネ
ルギ同一の曲線Pdの内側にあることから解るように、
駆動軸22へ出力するエネルギより小さくなるから、ク
ラッチモータ30およびアシストモータ40を駆動する
のに必要なエネルギはエンジン50から出力されるエネ
ルギでは不足することとなり、バッテリ94から賄われ
ることになる。図16には、エンジン50が運転ポイン
トPmで運転されているときにバッテリ94からクラッ
チモータ30およびアシストモータ40に供給されるエ
ネルギ(電力)を領域Gbcおよび領域Gbaとして表
示した。
【0161】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図17に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の負荷トルクTe(クラッチ
モータ30のトルクTc)はそのままに、エンジン50
の回転数Neのみを運転ポイントP1の回転数N1から
ドライブモード切換後の運転ポイントP2の回転数N2
へ変更し(ステップS270ないしS276)、その
後、エンジン50の回転数Neを値N2で維持しなが
ら、クラッチモータ30のトルクTcを順次増加(負の
値のトルク増減量△Tの順次増加)することによって、
エンジン50を運転ポイントを運転ポイントP2に変更
する(ステップS278ないしS288)。この場合
も、クラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ
40のトルクTaとの和は一定に保たれるから、ドライ
ブモードの切り換えの最中であるにも拘わらず、駆動軸
22へは一定のトルク(Tc+Ta)が出力されること
になる。しかし、ドライブモードの切り換えの最中にお
けるエンジン50から出力されるエネルギは、図17に
おけるエンジン50の運転ポイントの軌跡が駆動軸22
に出力されるエネルギ(出力エネルギPd)と同一のエ
ネルギ同一の曲線Pdの外側にあることから解るよう
に、駆動軸22へ出力するエネルギより大きくなるか
ら、エンジン50からは過剰なエネルギが出力されるこ
とになり、この過剰なエネルギによりバッテリ94は充
電される。なお、図17には、エンジン50が運転ポイ
ントPmで運転されているときに、クラッチモータ30
およびアシストモータ40からバッテリ94へ供給され
るエネルギ(電力)を領域Gcbおよび領域Gabとし
て表示した。
【0162】以上説明した回転数優先切換処理を実行す
る実施例の動力出力装置20によれば、エンジン50の
回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい運転状
態にある通常ドライブモードと、回転数Neが回転数N
dより小さい運転状態にあるオーバードライブモードと
を切り換えることができる。しかも、エンジン50の回
転数Neを優先して変更した後に、変更した回転数Ne
を維持しながらエンジン50の負荷トルクTeの変更す
ることによりスムースに切り換えることができる。
【0163】また、ドライブモードの切り換えの間、ク
ラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40の
トルクTaとの和を一定に保つから、ドライブモードの
切り換えの最中でも駆動軸22へ出力するトルクを一定
に保つことができる。
【0164】実施例の動力出力装置20の制御装置80
が実行する回転数優先切換処理では、エンジン50の負
荷トルクTeの変更なしにエンジン50の回転数Neを
現在の運転ポイントP1の回転数N1からドライブモー
ド切換後の運転ポイントP2の回転数N2に変更する第
1のステップと、エンジン50の回転数Neを値N2に
維持しながら負荷トルクTeを運転ポイントP1のトル
クT1から運転ポイントP2のトルクT2へ変更する第
2のステップとに大別される2つのステップによりドラ
イブモードの切り換えを行なったが、運転ポイントP1
から運転ポイントP2に至るエネルギ同一の曲線Pd上
に1以上の中間運転ポイントを設定し、運転ポイントP
1から中間運転ポイントへ前述の2つのステップにより
変更し、更に中間運転ポイントから運転ポイントP2へ
同じく2つのステップにより変更することによりドライ
ブモードを切り換えるものとしてもよい。
【0165】この一例として、運転ポイントP1から運
転ポイントP2に至るエネルギ同一の曲線Pd上に1つ
の中間運転ポイントを設定して通常ドライブモードから
オーバードライブモードへ切り換える際のエンジン50
の運転ポイントの変化の様子を図18に、同じく1つの
中間運転ポイントを設定してオーバードライブモードか
ら通常ドライブモードへ切り換える際のエンジン50の
運転ポイントの変化の様子を図19に示す。図18およ
び図19に示すドライブモードの切り換えでは、エンジ
ン50の運転ポイントを、運転ポイントP1からエンジ
ン50の負荷トルクTeの変更なしにエンジン50の回
転数Neを変更する第1のステップにより運転ポイント
Pm1に変更した後、エンジン50の回転数Neを維持
しながら負荷トルクTeを変更する第2のステップによ
り中間運転ポイントPm2に変更し、同様に第1のステ
ップおよび第2のステップにより中間運転ポイントPm
2から運転ポイントPm3を経由して運転ポイントP2
に変更する。
【0166】このように中間運転ポイントを設定するも
のとすれば、エンジン50の運転ポイントの変更を小刻
みに行なうことができる。また、ドライブモードを切り
換える際のバッテリ94の放電電力または充電電力を調
整することができる。
【0167】なお、上述の説明では運転ポイントP1か
ら運転ポイントP2に至るエネルギ同一の曲線Pd上に
中間運転ポイントを設定するものとしたが、中間運転ポ
イントは、エネルギ同一曲線Pd上に限られるものでは
なく、如何なる運転ポイントに設定してもかまわない。
【0168】また、実施例の動力出力装置20の制御装
置80が実行する回転数優先切換処理では、エンジン5
0から出力されるエネルギが等しい状態の通常ドライブ
状態とオーバードライブ状態との切り換えを行なうもの
としたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状態とオ
ーバードライブ状態とを切り換えるものとしてもよい。
この場合、図15のステップS280で算出されるアシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*を図13のステッ
プS175で説明した上式(8)により算出するものと
すればよい。こうすれば、異なるエネルギを出力するエ
ンジン50の運転ポイント間でのドライブモードの切り
換えを、エンジン50の回転数Neの変更を負荷トルク
Teの変更に優先する処理によってスムースに行なうこ
とができる。
【0169】(5)トルク優先切換処理
【0170】実施例の動力出力装置20では、制御装置
80で図20に例示するトルク優先切換処理ルーチンを
実行することにより、ドライブモードの切り換えを、エ
ンジン50の負荷トルクTeの変更を回転数Neの変更
に優先して行なうこともできる。以下、このトルク優先
切換処理について図20に例示するトルク優先切換処理
ルーチンに基づき説明する。
【0171】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図8のドライブモード切換
処理ルーチンのステップS160ないしS168の処理
と同一の処理(ステップS360ないしS368)を実
行する。これらの処理については詳述したので、ここで
は省略する。
【0172】次に、クラッチモータ30のトルク指令値
Tc*にトルク増減量△Tを加えて新たなトルク指令値
Tc*として設定すると共に(ステップS370)、ア
シストモータ40のトルク指令値Ta*にトルク増減量
△Tを減じて新たなトルク指令値Ta*として設定して
(ステップS372)、クラッチモータ30,アシスト
モータ40およびエンジン50の制御を行なう(ステッ
プS374)。ここでは、クラッチモータ30のトルク
Tcは変更されるが、エンジン50の目標回転数Ne*
は変更されないから、エンジン50の回転数Neをその
まま維持しながらエンジン50の負荷トルクTe(クラ
ッチモータ30のトルクTc)を変更する制御となる。
前述したように、エンジン50の負荷トルクTeである
クラッチモータ30のトルクTcを変更すると、それに
伴ってエンジン50の回転数Neも変化して目標回転数
Ne*(値N1)からずれるから、エンジン50の制御
では、このトルクTcの変更に伴って生じるエンジン5
0の回転数Neの目標回転数Ne*(値N1)からのズ
レをスロットルバルブ66の開度を調節することにより
打ち消すものとなる。
【0173】続いて、エンジン50の目標回転数Ne*
と回転数Neとの偏差が閾値Nref未満となるまでク
ラッチモータ30等の制御を繰り返し実行する処理(ス
テップS374ないしS378)を行ない、目標回転数
Ne*と回転数Neとの偏差が閾値Nref未満になる
と、ドライブモード切換後のエンジン50のトルクT2
とトルク指令値Tc*との偏差がトルク増減量△T未満
であるか否かを判定し(ステップS380)、トルクT
2とトルク指令値Tc*との偏差がトルク増減量△T未
満でないときには、トルク指令値Tc*をトルク増減量
△Tだけ増減する処理であるステップS370に戻っ
て、ステップS370ないしS380の処理を繰り返し
実行する。
【0174】トルクT2とトルク指令値Tc*との偏差
がトルク増減量△T未満になると、エンジン50の目標
回転数Ne*にドライブモード切換後のエンジン50の
回転数N2を設定し(ステップS382)、クラッチモ
ータ30,アシストモータ40およびエンジン50の各
制御を行なう(ステップS284)。そして、エンジン
50の目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が閾値N
ref未満となるまでクラッチモータ30等の制御を繰
り返し実行する処理(ステップS384ないしS38
8)を行ない、目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差
が閾値Nref未満になると、ドライブモードの切り換
えは終了したと判断して、本ルーチンを終了する。
【0175】以上説明したトルク優先切換処理ルーチン
を実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化の様
子を図21および図22に例示する。図21は本ルーチ
ンにより通常ドライブモードからオーバードライブモー
ドへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの
変化の様子を例示する説明図であり、図22はオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【0176】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図21に示すように、ま
ず、エンジン50の回転数Neはそのままに、エンジン
50の負荷トルクTe(クラッチモータ30のトルクT
c)が運転ポイントP1のトルクT1からドライブモー
ド切換後の運転ポイントP2のトルクT2へ変更される
ようクラッチモータ30のトルクTcを順次変更する
(ステップS370ないしS378)。この過程では、
エンジン50は図中の運転ポイントPmを目標として運
転制御されることになる。エンジン50が運転ポイント
Pmで運転されるようになると、エンジン50の負荷ト
ルクTeを値T2で維持しながら、エンジン50の回転
数Neを運転ポイントP1の回転数N1からドライブモ
ード切換後の運転ポイントP2の回転数N2へ変更する
ことによって、エンジン50の運転ポイントを運転ポイ
ントPmから運転ポイントP2に変更する。
【0177】ここで、エンジン50の運転ポイントが運
転ポイントP1から運転ポイントPmへ変更される間は
クラッチモータ30のトルクTcの増加に応じてアシス
トモータ40のトルクTaを減少させ、エンジン50の
運転ポイントが運転ポイントPmから運転ポイントP2
に変更される間はクラッチモータ30のトルクTcとア
シストモータ40のトルクTaは変更されないから、ク
ラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40の
トルクTaとの和は一定に保たれる。したがって、ドラ
イブモードの切り換えの最中であるにも拘わらず、駆動
軸22へは一定のトルク(Tc+Ta)が出力されるこ
とになる。なお、ドライブモードの切り換えの最中にお
けるエンジン50から出力されるエネルギは、図21に
おけるエンジン50の運転ポイントの軌跡から解るよう
に、駆動軸22へ出力するエネルギ(出力エネルギP
d)より大きくなるから、エンジン50からは過剰なエ
ネルギが出力されることになり、この過剰なエネルギに
よりバッテリ94が充電される。図21には、エンジン
50が運転ポイントPmで運転されているときに、クラ
ッチモータ30およびアシストモータ40からバッテリ
94に供給されるエネルギ(電力)を領域Gcbおよび
領域Gabとして表示した。
【0178】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図22に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の回転数Neはそのままに、
エンジン50の負荷トルクTe(クラッチモータ30の
トルクTc)を運転ポイントP1のトルクT1からドラ
イブモード切換後の運転ポイントP2のトルクT2へ順
次変更し(ステップS370ないしS380)、その
後、エンジン50の負荷トルクTeを値T2で維持しな
がら、エンジン50の回転数Neを運転ポイントP1の
回転数N1から運転ポイントP2の回転数N2へ変更す
ることにより、エンジン50を運転ポイントを運転ポイ
ントP2に変更する(ステップS382ないしS38
8)。この場合も、クラッチモータ30のトルクTcと
アシストモータ40のトルクTaとの和は一定に保たれ
るから、ドライブモードの切り換えの最中であるにも拘
わらず、駆動軸22へは一定のトルク(Tc+Ta)が
出力されることになる。しかし、ドライブモードの切り
換えの最中におけるエンジン50から出力されるエネル
ギは、図22におけるエンジン50の運転ポイントの軌
跡から解るように、駆動軸22へ出力するエネルギ(出
力エネルギPd)より小さくなるから、クラッチモータ
30およびアシストモータ40を駆動するのに必要なエ
ネルギはエンジン50から出力されるエネルギでは不足
することとなり、バッテリ94から賄われることにな
る。なお、図22には、エンジン50が運転ポイントP
mで運転されているときにバッテリ94からクラッチモ
ータ30およびアシストモータ40に供給されるエネル
ギ(電力)を領域Gbcおよび領域Gbaとして表示し
た。
【0179】以上説明したトルク優先切換処理を実行す
る実施例の動力出力装置20によれば、エンジン50の
回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい運転状
態にある通常ドライブモードと、回転数Neが回転数N
dより小さい運転状態にあるオーバードライブモードと
を切り換えることができる。しかも、エンジン50の負
荷トルクTeを優先して変更した後に、変更した負荷ト
ルクTeを維持しながらエンジン50の回転数Neの変
更することによりスムースに切り換えることができる。
【0180】また、ドライブモードの切り換えの間、ク
ラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40の
トルクTaとの和を一定に保つから、ドライブモードの
切り換えの最中でも駆動軸22へ出力するトルクを一定
に保つことができる。
【0181】実施例の動力出力装置20の制御装置80
が実行するトルク優先切換処理では、エンジン50の回
転数Neの変更なしにエンジン50の負荷トルクTeを
現在の運転ポイントP1のトルクT1からドライブモー
ド切換後の運転ポイントP2のトルクT2に変更する第
1のステップと、エンジン50の負荷トルクTeを値T
2に維持しながら回転数Neを運転ポイントP1の回転
数N1から運転ポイントP2の回転数N2へ変更する第
2のステップとに大別される2つのステップによりドラ
イブモードの切り換えを行なったが、運転ポイントP1
から運転ポイントP2に至る間に1以上の中間運転ポイ
ントを設定し、運転ポイントP1から中間運転ポイント
へ前述の2つのステップにより変更し、更に中間運転ポ
イントから運転ポイントP2へ同じく2つのステップに
より変更することによりドライブモードを切り換えるも
のとしてもよい。このように中間運転ポイントを設定す
るものとすれば、エンジン50の運転ポイントの変更を
小刻みに行なうことができる。また、ドライブモードを
切り換える際のバッテリ94の放電電力または充電電力
を調整することができる。
【0182】また、実施例の動力出力装置20の制御装
置80が実行するトルク優先切換処理では、エンジン5
0から出力されるエネルギが等しい状態の通常ドライブ
状態とオーバードライブ状態との切り換えを行なうもの
としたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状態とオ
ーバードライブ状態とを切り換えるものとしてもよい。
この場合、図20のステップS372で算出されるアシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*を図13のステッ
プS175で説明した上式(8)により算出するものと
すればよい。こうすれば、異なるエネルギを出力するエ
ンジン50の運転ポイント間でのドライブモードの切り
換えを、エンジン50の負荷トルクTeの変更を回転数
Neの変更に優先する処理によってスムースに行なうこ
とができる。
【0183】(6)バッテリ充放電切換処理
【0184】実施例の動力出力装置20では、これまで
に説明した図8のドライブモード切換処理と、図15の
回転数優先切換処理と、図20のトルク優先切換処理と
を組み合わせることにより、ドライブモードの切り換え
に際してバッテリ94の充放電を自由に行なうことがで
きる。以下にバッテリ94の充放電を伴うドライブモー
ドの切換処理について図23のバッテリ充放電切換処理
ルーチンに基づき説明する。
【0185】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、現在のドライブモードを入
力する処理を実行し(ステップS400)、現在のドラ
イブモードが通常ドライブモードであればドライブモー
ド判定フラグFdrvに値0を(ステップS402,S
404)、現在のドライブモードが通常ドライブモード
でなければ、即ちオーバードライブモードであればドラ
イブモード判定フラグFdrvに値1を設定する(ステ
ップS402,S406)。そして、バッテリ94の残
容量BRMを残容量検出器99を介して読み込み(ステッ
プS408)、読み込んだバッテリ94の残容量BRMを
閾値BLおよび閾値BHと比較する(ステップS41
0)。ここで、閾値BLは、バッテリ94の充電が必要
される残容量として設定されるものであり、閾値BH
は、逆にバッテリ94の放電が必要とされる残容量とし
て設定されるものである。これら閾値BL,BHは、バ
ッテリ94の特性や動力出力装置20の動作特性等によ
って定められるものである。
【0186】バッテリ94の残容量BRMが閾値BL以上
閾値BH以下のときには、バッテリ94の充放電は不要
と判断して、バッテリ94の充放電なしにドライブモー
ドの切り換えを行なうドライブモード切換処理(図8)
を行なう(ステップS412)。
【0187】バッテリ94の残容量BRMが閾値BL未満
のときには、バッテリ94の充電が必要と判断し、ドラ
イブモード判定フラグFdrvが値0のときにはトルク
優先切換処理(図16)を(ステップS414,S41
6)、ドライブモード判定フラグFdrvが値1のとき
には回転数優先切換処理(図13)を行なう(ステップ
S414,S418)。即ち、ドライブモード判定フラ
グFdrvが値0のときには、通常ドライブモードから
オーバードライブモードへの切り換えとなるから、この
切り換えでバッテリ94を充電するトルク優先切換処理
(図21参照)を行ない、ドライブモード判定フラグF
drvが値1のときには、オーバードライブモードから
通常ドライブモードへの切り換えでバッテリ94を充電
する回転数優先切換処理(図17参照)を行なうのであ
る。
【0188】バッテリ94の残容量BRMが閾値BLより
大きいときには、バッテリ94からの放電が必要と判断
し、ドライブモード判定フラグFdrvが値0のときに
は回転数優先切換処理(図13)を(ステップS42
4,S426)、ドライブモード判定フラグFdrvが
値1のときにはトルク優先切換処理(図16)を行なう
(ステップS424,S428)。即ち、ドライブモー
ド判定フラグFdrvが値0のときには、通常ドライブ
モードからオーバードライブモードへの切り換えとなる
から、この切り換えでバッテリ94からの放電を伴う回
転数優先切換処理(図16参照)を行ない、ドライブモ
ード判定フラグFdrvが値1のときには、オーバード
ライブモードから通常ドライブモードへの切り換えでバ
ッテリ94からの放電を伴うトルク優先切換処理(図2
2参照)を行なうのである。
【0189】以上説明したバッテリ充放電切換処理を実
行する実施例の動力出力装置20によれば、バッテリ9
4の状態に応じて、充電または放電を伴って、あるいは
充放電を伴わずに、エンジン50の回転数Neが駆動軸
22の回転数Ndより大きい運転状態にある通常ドライ
ブモードと、回転数Neが回転数Ndより小さい運転状
態にあるオーバードライブモードとを切り換えることが
できる。
【0190】(7)所定トルク経由切換処理
【0191】実施例の動力出力装置20では、制御装置
80で図24に例示する所定トルク経由切換処理ルーチ
ンを実行することにより、ドライブモードの切り換え
を、エンジン50の負荷トルクTeを所定のトルクにす
ると共に回転数Neを変更し、その後、エンジン50の
負荷トルクTeを変更することによって行なうこともで
きる。以下、このエンジン50を一旦所定トルクにして
ドライブモードを切り換える処理について図24に例示
する所定トルク経由切換処理ルーチンに基づき説明す
る。
【0192】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図8のドライブモード切換
処理ルーチンのステップS160ないしS168の処理
と同一の処理(ステップS460ないしS468)を実
行する。
【0193】次に、エンジン50の目標回転数Ne*に
ドライブモード切換後のエンジン50の回転数N2を設
定すると共に(ステップS470)、アシストモータ4
0のトルク指令値Ta*を次式(9)の計算により求め
(ステップS472)、アシストモータ40のトルク指
令値Tc*に所定トルクTsetを設定する(ステップ
S474)。ここで、実施例では、所定トルクTset
は、ドライブモードの切り換えの前後の運転ポイントP
1,P2のトルクT1,T2のいずれよりも小さい零以
上の値に設定されている。また、式(9)では、クラッ
チモータ30のトルクTcを所定トルクTsetに変更
したときでも、クラッチモータ30のトルクTcとアシ
ストモータ40のトルクTaとの和がその変更の前後で
保持されるようアシストモータ40のトルク指令値Ta
*を算出している。
【0194】 Ta*←Ta*+Tc*−Tset …(9)
【0195】各指令値を設定した後は、エンジン50の
回転数Neが変更した目標回転数Ne*(値N2)に落
ちつくまでクラッチモータ30,アシストモータ40お
よびエンジン50の各制御を繰り返し実行する処理を行
なう(ステップS476ないしS480)。このように
制御することにより、エンジン50の運転ポイントは、
回転数Neが値N2で負荷トルクTeが所定トルクTs
etとなるが、前述したように、クラッチモータ30に
比してエンジン50の応答性は著しく低いから、クラッ
チモータ30のトルクTcを変更することによりエンジ
ン50の負荷トルクTeが直ちに所定トルクTsetと
なっても、エンジン50の回転数Neは直ちには値N2
にならない。実施例では、所定トルクTsetはドライ
ブモードの切り換え前後の運転ポイントP1,P2のト
ルクT1,T2のいずれよりも小さい零以上の値が設定
されているから、エンジン50の負荷トルクTeの所定
トルクTsetへの変更に伴って、エンジン50は噴き
上がろうとする。したがって、この処理におけるエンジ
ン50の制御としては、エンジン50の負荷トルクTe
が所定トルクTsetに変更されると同時に燃料カット
を行なってエンジン50の噴き上がりを抑制し、その
後、回転数Neが値N2となるよう燃料噴射量およびス
ロットルバルブ66の開度を調整するものとなる。
【0196】エンジン50の回転数Neが目標回転数N
e*(値N2)に落ちついてきて、目標回転数Ne*と
回転数Neとの偏差が閾値Nref未満になると、図1
5の回転数優先切換処理ルーチンのステップS278な
いしS288と同一の処理であるトルク変更処理、即
ち、エンジン50の回転数Neを値N2に維持しなが
ら、クラッチモータ30のトルクTcをトルク増減量△
Tずつ順次変更する処理を実行して(ステップS48
2)、本ルーチンを終了する。
【0197】以上説明した所定トルク経由切換処理ルー
チンを実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を図25および図26に例示する。図25は本ル
ーチンにより通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイン
トの変化の様子を例示する説明図であり、図26はオー
バードライブモードから通常ドライブモードへ切り換え
られる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【0198】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図25に示すように、ま
ず、エンジン50の負荷トルクTe(クラッチモータ3
0のトルクTc)が所定トルクTsetに変更されると
共に、エンジン50の回転数Neが運転ポイントP1の
回転数N1からドライブモード切換後の運転ポイントP
2の回転数N2へ変更される(ステップS470ないし
S480)。この過程では、エンジン50の負荷トルク
Teは直ちに所定トルクTsetになるがエンジン50
の回転数Neは直ちに値N2にならないから、エンジン
50の運転ポイントは、ドライブモード切換前の運転ポ
イントP1からエンジン50の負荷トルクTeのみが所
定トルクTsetに変更された運転ポイントPm1へ変
更され、その後、この運転ポイントPm1からエンジン
50の回転数Neも値N2に変更された運転ポイントP
m2へ変更されることになる。なお、前述したように、
この過程では、エンジン50は、制御開始直後には燃料
カットが行なわれ、その後、回転数Neが値N2となる
よう制御されるから、必ずしも運転ポイントPm1を経
由して運転ポイントPm2に変更されるとは限らず、図
中の破線の経路によりエンジン50の回転数Neが値N
1より大きい運転ポイントPm1’を経由して運転ポイ
ントPm2になる場合も有り得る。エンジン50が運転
ポイントPm2で運転されるようになると、エンジン5
0の回転数Neを値N2で維持しながら、クラッチモー
タ30のトルクTcを順次増加することによって、エン
ジン50の運転ポイントを運転ポイントPm2から運転
ポイントP2に順次変更する(ステップS482)。
【0199】ここで、エンジン50の運転ポイントが運
転ポイントP1から運転ポイントPm2へ変更される間
は、クラッチモータ30のトルクTcは所定トルクTs
etに、アシストモータ40のトルクTaはクラッチモ
ータ30のトルクTcの変更を吸収するように計算され
た値に保持され、エンジン50の運転ポイントが運転ポ
イントPm2から運転ポイントP2に変更される間は、
クラッチモータ30のトルクTcの増加に応じてアシス
トモータ40のトルクTaを減少させるから、クラッチ
モータ30のトルクTcとアシストモータ40のトルク
Taとの和は一定に保たれる。したがって、ドライブモ
ードの切り換えの最中であるにも拘わらず、駆動軸22
へは一定のトルク(Tc+Ta)が出力されることにな
る。ドライブモードの切り換えの最中におけるエンジン
50から出力されるエネルギは、図25におけるエンジ
ン50の運転ポイントの軌跡から解るように、駆動軸2
2に作用されるエネルギより小さくなるから、クラッチ
モータ30およびアシストモータ40を駆動するのに必
要なエネルギはエンジン50から出力されるエネルギで
は不足することとなり、バッテリ94から賄われること
になる。なお、図25には、エンジン50が運転ポイン
トPm2で運転されているときにバッテリ94からクラ
ッチモータ30およびアシストモータ40に供給される
エネルギ(電力)を領域Gbcおよび領域Gbaとして
表示した。
【0200】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図26に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の負荷トルクTe(クラッチ
モータ30のトルクTc)を所定トルクTsetに変更
すると共にエンジン50の回転数Neを運転ポイントP
1の回転数N1からドライブモード切換後の運転ポイン
トP2の回転数N2へ変更して運転ポイントP1から運
転ポイントPm1経由で運転ポイントPm2とし(ステ
ップS470ないしS480)、その後、エンジン50
の回転数Neを値N2で維持しながら、クラッチモータ
30のトルクTcを順次増加(負の値のトルク増減量△
Tの順次増加)することによって、エンジン50の運転
ポイントを運転ポイントPm2から運転ポイントP2に
順次変更する(ステップS482)。この切り換えの運
転ポイントP1から運転ポイントPm2へ至る過程で
も、通常ドライブモードからオーバードライブモードへ
の切り換え時と同様に、エンジン50は、制御開始直後
には燃料カットが行なわれ、その後、回転数Neが値N
2となるよう制御されるから、必ずしも運転ポイントP
m1を経由して運転ポイントPm2に変更されるとは限
らず、図中の破線の経路によりエンジン50の回転数N
eが値N1より大きい運転ポイントPm1’を経由して
運転ポイントPm2になる場合も有り得る。
【0201】この切り換えの最中でも、クラッチモータ
30のトルクTcとアシストモータ40のトルクTaと
の和は一定に保たれるから、駆動軸22へは一定のトル
ク(Tc+Ta)が出力されることになる。また、エン
ジン50から出力されるエネルギは、図26におけるエ
ンジン50の運転ポイントの軌跡から解るように、駆動
軸22へ出力するエネルギより小さくなるから、不足す
るエネルギはバッテリ94から賄われることになる。な
お、図26には、エンジン50が運転ポイントPm2で
運転されているときに、クラッチモータ30により回生
されるエネルギ(電力)を領域Gcbとして、クラッチ
モータ30およびバッテリ94からアシストモータ40
に供給されるエネルギ(電力)をエネルギを領域Gba
として表示した。
【0202】以上説明した所定トルク経由切換処理を実
行する実施例の動力出力装置20によれば、エンジン5
0の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい運
転状態にある通常ドライブモードと、回転数Neが回転
数Ndより小さい運転状態にあるオーバードライブモー
ドとを切り換えることができる。しかも、エンジン50
の負荷トルクTeを、一旦、両モードの負荷トルクTe
より小さい所定トルクTsetにするから、エンジン5
0の回転数Neを素早くドライブモード切換後の回転数
にすることができ、ドライブモードに切り換えをスムー
スに行なうことができる。
【0203】また、ドライブモードの切り換えの間、ク
ラッチモータ30のトルクTcとアシストモータ40の
トルクTaとの和を一定に保つから、ドライブモードの
切り換えの最中でも駆動軸22へ出力するトルクを一定
に保つことができる。
【0204】実施例の動力出力装置20が実行する所定
トルク経由切換処理では、所定トルクTsetは、ドラ
イブモードの切り換えの前後の運転ポイントP1,P2
のトルクT1,T2のいずれよりも小さい値として設定
したが、トルクT1,T2のうちのいずれか一方より大
きい値として設定してもよく、あるいはトルクT1,T
2のいずれよりも大きな値としてもかまわない。
【0205】また、実施例の動力出力装置20の制御装
置80が実行する所定トルク経由切換処理では、エンジ
ン50から出力されるエネルギが等しい状態の通常ドラ
イブ状態とオーバードライブ状態との切り換えを行なう
ものとしたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状態
とオーバードライブ状態とを切り換えるものとしてもよ
い。この場合、図24のステップS482」で流用する
図15のステップS280で算出されるアシストモータ
40のトルク指令値Ta*を図13のステップS175
で説明した上式(8)により算出するものとすればよ
い。こうすれば、異なるエネルギを出力するエンジン5
0の運転ポイント間でのドライブモードの切り換えを、
エンジン50の負荷トルクTeを一旦所定トルクTse
tとすると共に回転数Neを変更した後に負荷トルクT
eの変更する処理によってスムースに行なうことができ
る。
【0206】(8)変形例としての動力出力装置20A
【0207】以上説明した実施例の動力出力装置20で
は、クラッチモータ30とアシストモータ40とをそれ
ぞれ別個に駆動軸22に取り付けたが、図27に例示す
る実施例の動力出力装置20の変形例である動力出力装
置20Aのように、クラッチモータとアシストモータと
が一体となるよう構成してもよい。この動力出力装置2
0Aの構成について以下に簡単に説明する。図示するよ
うに、この動力出力装置20Aのクラッチモータ30A
は、クランクシャフト56に結合したインナロータ34
Aと、駆動軸22に結合したアウタロータ32Aとから
構成され、インナロータ34Aには三相コイル36Aが
取り付けられており、アウタロータ32Aには永久磁石
35Aがその外周面側の磁極と内周面側の磁極とが異な
るよう嵌め込まれている。一方、アシストモータ40A
は、このクラッチモータ30Aのアウタロータ32A
と、三相コイル44が取り付けられたステータ43とか
ら構成される。すなわち、クラッチモータ30Aのアウ
タロータ32Aがアシストモータ40Aのロータを兼ね
る構成となっている。なお、クランクシャフト56に結
合したインナロータ34Aに三相コイル36Aが取り付
けられているから、クラッチモータ30Aの三相コイル
36Aに電力を供給する回転トランス38は、クランク
シャフト56に取り付けられている。
【0208】この動力出力装置20Aでは、アウタロー
タ32Aに嵌め込まれた永久磁石35Aの内周面側の磁
極に対してインナロータ34Aの三相コイル36Aに印
加する電圧を制御することにより、クラッチモータ30
とアシストモータ40とを駆動軸22に別個に取り付け
た前述の動力出力装置20のクラッチモータ30と同様
に動作する。また、アウタロータ32Aに嵌め込まれた
永久磁石35Aの外周面側の磁極に対してステータ43
の三相コイル44に印加する電圧を制御することによ
り、動力出力装置20のアシストモータ40と同様に動
作する。したがって、上述した動力出力装置20の総て
の動作、即ち図5のトルク制御処理、図8のドライブモ
ード切換処理、図15の回転数優先切換処理、図20の
トルク優先切換処理、図23のバッテリ充放電切換処
理、図24の所定トルク経由切換処理やこれらの変形例
について、この動力出力装置20Aも同様に動作する。
【0209】こうした変形例の動力出力装置20Aによ
れば、アウタロータ32Aがクラッチモータ30Aのロ
ータの一方とアシストモータ40Aのロータとを兼ねる
から、動力出力装置の小型化および軽量化を図ることが
できる。
【0210】2.第2実施例としての動力出力装置20
B (1)動力出力装置20Bの構成と基本動作
【0211】次に本発明の第2の実施例である動力出力
装置20Bについて説明する。図28は、第2実施例の
動力出力装置20Bの構成の概略を例示する構成図であ
る。図示するように、第2実施例の動力出力装置20B
は、アシストモータ40がエンジン50とクラッチモー
タ30との間のクランクシャフト56に取り付けられて
いる点を除いて第1実施例の動力出力装置20の構成と
同一の構成をしている。したがって、第2実施例の動力
出力装置20Bの構成のうち第1実施例の動力出力装置
20と同一の構成については同一の符号を付し、その説
明は省略する。なお、明示しない限り第1実施例の説明
の際に用いた符号はそのまま同じ意味で用いる。
【0212】第2実施例の動力出力装置20Bは次のよ
うに動作する。今、エンジン50が、図4のトルクと回
転数とにより現わされる出力エネルギ一定の曲線上のト
ルクTeが値T1,回転数Neが値N1の運転ポイント
で運転されており、駆動軸22の回転数Ndが値N2で
あるとする。クランクシャフト56に取り付けられたア
シストモータ40によりクランクシャフト56にトルク
Ta(Ta=T2−T1)を付加すれば、図4中領域G
2と領域G3の和で表わされるエネルギがクランクシャ
フト56に与えられて、クランクシャフト56のトルク
は値T2(T1+Ta)となる。一方、クラッチモータ
30のトルクTcを値T2として制御すれば、駆動軸2
2にこのトルクTc(T1+Ta)が伝達されると共
に、エンジン50の回転数Neと駆動軸22の回転数N
dとの回転数差Ncに基づく電力(領域G1と領域G3
との和で表わされるエネルギ)が回生される。したがっ
て、アシストモータ40のトルクTaをクラッチモータ
30により回生される電力により丁度賄えるよう設定
し、この回生電力を電源ラインL1,L2を介して第2
の駆動回路92に供給すれば、アシストモータ40は、
この回生電力により駆動する。
【0213】また、エンジン50が、図4中のトルクT
eが値T2,回転数Neが値N2の運転ポイントで運転
されており、駆動軸22の回転数Ndが値N1のときを
考える。このとき、アシストモータ40のトルクTaを
T2−T1で求められる値として制御すれば、アシスト
モータ40は回生制御され、図4中領域G2で表わされ
るエネルギ(電力)をクランクシャフト56から回生す
る。一方、クラッチモータ30は、インナロータ34が
アウタロータ32に対して回転数差Nc(N1−N2)
の回転数で駆動軸22の回転方向に相対的に回転するか
ら、通常のモータとして機能し、回転数差Ncに応じた
領域G1で表わされるエネルギを駆動軸22に回転エネ
ルギとして与える。したがって、アシストモータ40の
トルクTaを、アシストモータ40により回生される電
力でクラッチモータ30により消費される電力を丁度賄
えるよう設定すれば、クラッチモータ30は、アシスト
モータ40により回生される電力により駆動する。
【0214】したがって、第2実施例の動力出力装置2
0Bでも、第1実施例の動力出力装置20と同様に、ア
シストモータ40のトルクTaおよびクラッチモータ3
0のトルクTcを、次式(10)および式(11)が成
り立つよう制御すれば、エンジン50から出力されるエ
ネルギを自由にトルク変換して駆動軸22に付与するこ
とができる。なお、式(10)および式(11)の関係
は、クラッチモータ30およびアシストモータ40の効
率が100%のときの理想状態であるから、実際にはT
c×NdおよびTaは若干小さくなる。
【0215】Te×Ne=Tc×Nd …(10) Te+Ta=Tc=Td …(11)
【0216】以下に第2実施例の動力出力装置20Bに
おけるトルク変換の基本について図29に例示するトル
ク制御処理に基づき説明する。トルク制御処理が実行さ
れると、制御装置80の制御CPU90は、まず、駆動
軸22の回転数Ndをレゾルバ48から、エンジン50
の回転数Neをレゾルバ39から読み込むと共に(ステ
ップS500,S502)、アクセルペダルポジション
APをアクセルペダルポジションセンサ65から読み込
み(ステップS504)、読み込んだアクセルペダルポ
ジションAPに基づいて出力トルク指令値Td*を導出
する処理を行なう8ステップS506)。そして、導き
出した出力トルク指令値Td*と読み込んだ駆動軸22
の回転数Ndとから駆動軸22に出力すべきエネルギP
dを計算(Pd=Td*×Nd)により求め(ステップ
S508)、この求めた出力エネルギPdに基づいてエ
ンジン50の目標トルクTe*とエンジンの目標回転数
Ne*を設定する(ステップS510)。ここまでの処
理の詳細は、図5のトルク制御処理のステップS100
ないしS112で述べた。
【0217】次に、上式(11)の関係にアシストモー
タ40の効率Ksaを考慮して次式(12)によりアシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*を計算して設定し
(ステップS512)、設定したトルク指令値Ta*と
目標トルクTe*とを用いて上式(11)の関係を用い
てクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を計算して
設定する(ステップS514)。
【0218】 Ta*←Ksa×(Td*−Te*) …(12)
【0219】こうして、エンジン50の目標トルクTe
*,目標回転数Ne*,クラッチモータ30およびアシ
ストモータ40のトルク指令値Tc*,Ta*を設定し
た後に、クラッチモータ30の制御(ステップS51
6)とアシストモータ40の制御(ステップS518)
とエンジン50の制御(ステップS520)を行なう。
なお、これらの制御は、アシストモータ40をエンジン
50のクランクシャフト56に設置したことに伴う変更
点を除いて、第1実施例の動力出力装置20の制御装置
80での制御、即ち図5のステップS120ないしS1
24の制御と同一である。アシストモータ40をエンジ
ン50のクランクシャフト56に設置したことに伴う変
更点としては、図7のアシストモータ40の制御におい
て、ステップS150の駆動軸22の回転角度θdの入
力に代えてエンジン50のクランクシャフト56の回転
角度θeを入力する点と、エンジン50のクランクシャ
フト56は逆回転をしないからアシストモータ40も逆
回転する制御がない点である。なお、第2実施例の動力
出力装置20Bの制御装置80で実行する他のフローチ
ャートにおけるクラッチモータ30,アシストモータ4
0およびエンジン50の制御もステップS516ないし
S520における各制御と同一であるから、以下、これ
らの制御についての詳細な説明は省略する。なお、特筆
すべき事項がある場合は、その都度説明する。
【0220】以上の処理により、第2実施例の動力出力
装置20Bでも、エンジン50からの出力エネルギPd
をクラッチモータ30およびアシストモータ40により
トルク変換して駆動軸22に作用させることができる。
【0221】(2)ドライブモード切換処理
【0222】第2実施例の動力出力装置20Bでも、エ
ンジン50の目標回転数Ne*が駆動軸22の回転数N
dより大きく設定されて運転される通常ドライブモード
と、エンジン50の目標回転数Ne*が駆動軸22の回
転数Ndより小さく設定されて運転されるオーバードラ
イブモードとの切り換えを行なうドライブモード切換制
御を行なうことができる。以下に、第2実施例の動力出
力装置20Bのドライブモード切換処理について、図3
0に例示するドライブモード切換処理ルーチンに基づき
説明する。ここで、通常ドライブモードは車両が比較的
低速で走行をしており加減速が頻繁に行なわれる際に選
択され、オーバードライブモードは車両が比較的高速で
安定して走行している際に選択されるが、エンジン50
やモータ30,40の効率やエミッション、エンジン5
0が車両に及ぼす振動等の要因により、上記以外の状態
でも通常ドライブモードまたはオーバードライブモード
が選択される場合もあることは第1実施例の動力出力装
置20と同様である。本ルーチンは、こうしたドライブ
モードの選択が変更されたときに、図29のトルク制御
処理に代えて実行される。
【0223】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず図8のドライブモード切換処
理ルーチンにおけるステップS160ないしS168と
同様な処理を実行する(ステップS560ないしS56
8)。即ち、現在のドライブモードを入力し(ステップ
S560)、入力したドライブモードに応じてトルク増
減量△Tを設定し(ステップS562,S564,S5
66)、ドライブモード切換後のエンジン50の運転ポ
イントである回転数N2およびトルクT2を、ドライブ
モード切換前の出力エネルギPdを用いて図示しないマ
ップにより設定するのである(ステップS568)。
【0224】ここで、トルク増減量△Tに設定される値
としては、クラッチモータトルク増減量△Tcに代えて
アシストモータトルク増減量△Taが用いられる。これ
は、第1実施例の動力出力装置20では、エンジン50
の負荷トルクTeの変更をクラッチモータ30のトルク
Tcの変更によって行ない、トルクTcの変更に伴うク
ラッチモータ30による駆動軸22への出力トルクの変
動をアシストモータ40のトルクTaの変更により打ち
消すのに対し、第2実施例の動力出力装置20Bでは、
駆動軸22へ出力トルクTdを出力するためにはクラッ
チモータ30のトルクTcの変更は許されず、アシスト
モータ40のトルクTaを変更することによってエンジ
ン50の負荷トルクTeの変更を行なうからである。な
お、アシストモータトルク増減量△Taは、負荷トルク
Teを変化させてもエンジン50が安定して運転される
範囲内の正の値として設定される。また、ドライブモー
ドに基づいて正か負の値のアシストモータトルク増減量
△Taをトルク増減量△Tに設定するのは、ドライブモ
ードによってエンジン50の負荷トルクTeを順次増加
して切り換えるか又は順次減少させて切り換えるかの相
違があるからである。
【0225】次に、現在設定されているアシストモータ
40のトルク指令値Ta*にトルク増減量△Tを加えて
新たなトルク指令値Ta*として設定すると共に(ステ
ップS570)、エンジン50の目標回転数Ne*を次
式(13)により計算して設定する(ステップS57
2)。式(13)によりエンジン50の目標回転数Ne
*を計算するのは、上式(11)の関係から、エンジン
50の負荷トルクTeは、クラッチモータ30のトルク
Tcからアシストモータ40のトルクTaを減じて求め
られ、エンジン50の回転数Neと負荷トルクTeとの
積が出力エネルギPdとなるからである。
【0226】 Ne*←Pd/(Tc*−Ta*) …(13)
【0227】こうしてアシストモータ40のトルク指令
値Ta*とエンジン50の目標回転数Ne*とを設定す
ると、図8のドライブモード切換処理ルーチンにおける
ステップS176ないしS180の処理と同一の処理、
即ち、エンジン50の回転数Neが設定した目標回転数
Ne*に落ちつくまでクラッチモータ30,アシストモ
ータ40およびエンジン50の各制御を繰り返し行なう
処理を実行する(ステップS574ないしS578)。
【0228】ここで、これらの制御によるエンジン50
の動作について若干説明する。アシストモータ40のト
ルクTaを変更することによりエンジン50の負荷トル
クTeは直ちに変更されるが、エンジン50の回転数N
eは、機械的な動作の結果変更されるものであるから、
エンジン50の負荷トルクTeと回転数Neとは同時に
変更されず、負荷トルクTeが先行して変更され、その
後回転数Neが変更されることになる。また、エンジン
50の負荷トルクTeと回転数Neとは反比例の関係に
あり、トルク指令値Ta*の変更に伴うエンジン50の
負荷トルクTeの変更と目標回転数Ne*の変更も反比
例の関係にあるから、エンジン50の制御は、エンジン
50の回転数Neを微調整する制御となる。
【0229】エンジン50の回転数Neが目標回転数N
e*に落ちついてきて、目標回転数Ne*と回転数Ne
との偏差が閾値Nref未満になると、出力トルク指令
値Td*からトルクT2を減じ、これにトルク指令値T
a*を加えたものの大きさ(絶対値)がトルク増減量△
T未満であるか否かを判定する(ステップS182)。
そして、トルク増減量△T未満でないときには、アシス
トモータ40のトルク指令値Ta*をトルク増減量△T
だけ増減する処理であるステップS570に戻ってステ
ップS570ないしS580を繰り返し実行し、トルク
増減量△T未満のときには、ドライブモードの切り換え
は終了したと判断して、本ルーチンを終了する。
【0230】こうした第2実施例の動力出力装置20B
の制御装置80によりドライブモード切換処理ルーチン
を実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化は、
第1実施例の動力出力装置20の制御装置80により図
8のドライブモード切換処理ルーチンを実行した際のエ
ンジン50の運転ポイントの変化と同一となり、その様
子は、図9および図10に表わされるものとなる。ただ
し、エンジン50の負荷トルクTeの変化(トルク増減
量△T)は、第1実施例ではクラッチモータ30にトル
クTcの変更によって行なうが、第2実施例ではアシス
トモータ40のトルクTaの変更によって行なう点で相
違する。
【0231】以上説明した第2実施例の動力出力装置2
0Bによれば、エンジン50の回転数Neが駆動軸22
の回転数Ndより大きい運転状態にある通常ドライブモ
ードと、回転数Neが回転数Ndより小さい運転状態に
あるオーバードライブモードとを切り換えることができ
る。しかも、アシストモータ40のトルクTaを順次変
更することによりエンジン50の負荷トルクTeを順次
変更して切り換えるから、エンジン50の運転状態を滑
らかに変化させながらドライブモードを切り換えること
ができる。
【0232】また、第2実施例の動力出力装置20Bに
よれば、クラッチモータ30のトルクTcはドライブモ
ードの切り換えに拘わらず変更しないから、駆動軸22
にドライブモードの切り換えの最中でも一定のトルク
(出力トルクTd)を出力することができる。しかも、
エンジン50の負荷トルクTeと回転数Neとを、エン
ジン50から出力されるエネルギが同一の曲線上で変更
するから、バッテリ94の充放電を伴うことなしに駆動
軸22に所望のトルクを作用させることができる。
【0233】第2実施例の動力出力装置20Bでは、ア
シストモータ40とエンジン50の応答性の相違により
エンジン50の負荷トルクTe(アシストモータ40の
トルクTa)を先行して変更するものとしたが、エンジ
ン50の回転数Neを先行して変更するようアシストモ
ータ40のトルクTaの変更を遅らせるものとしてもよ
い。
【0234】また、第2実施例の動力出力装置20Bで
は、エンジン50から出力されるエネルギが等しい状態
の通常ドライブ状態とオーバードライブ状態との切り換
えを行なうものとしたが、異なるエネルギ状態の通常ド
ライブ状態とオーバードライブ状態とを切り換えるもの
としてもよい。この場合、エンジン50の回転数Neが
ドライブモード切換後のエンジン50の回転数になるま
でエンジン50からの出力エネルギが同一の曲線に沿っ
てエンジン50の運転ポイントを順次変更した後、エン
ジン50の回転数Neを維持しながら負荷トルクTeを
ドライブモード切換後の負荷トルクになるようアシスト
モータ40のトルクTaを順次変更するものや、逆にエ
ンジン50の負荷トルクTeがドライブモード切換後の
エンジン50の負荷トルクになるまでエンジン50から
の出力エネルギが同一の曲線に沿ってエンジン50の運
転ポイントを順次変更した後、エンジン50の回転数N
eをドライブモード切換後の回転数になるようスロット
ルバルブ66の開度を調節するもの、あるいは、エンジ
ン50から出力されるエネルギがドライブモード切換後
のエネルギとなるようエンジン50の回転数Neか負荷
トルクTeの一方を変更した後に、そのエネルギの同一
の曲線に沿ってエンジン50の運転ポイントを順次変更
するものとすればよい。
【0235】また、図13に例示する第1実施例のドラ
イブモード切換処理ルーチンの変形例のように、ドライ
ブモードの切り換えの前後の運転ポイントP1,P2か
ら、アシストモータ40のトルク指令値Ta*の一回当
たりのトルク増減量△Tの増減に対するエンジン50の
回転数Neの増減量を比例計算により回転数増減量△N
として定め、アシストモータ40のトルク指令値Ta*
の順次変更に伴ってエンジン50の目標回転数Ne*を
回転数増減量△Nを用いて順次増減するものとしてもよ
い。
【0236】(3)回転数優先切換処理
【0237】次に、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80により実行される回転数優先切換処理につ
いて図31に例示する回転数優先切換処理ルーチンに基
づき説明する。なお、この回転数優先切換処理ルーチン
は、図30のドライブモード切換処理ルーチンに代えて
実行されるものである。
【0238】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図30のドライブモード切
換処理ルーチンのステップS560ないしS568の処
理と同一の処理(ステップS660ないしS668)を
実行する。即ち、現在のドライブモードを入力し(ステ
ップS660)、入力したドライブモードに応じてトル
ク増減量△Tを設定し(ステップS662,S664,
S666)、ドライブモード切換後のエンジン50の運
転ポイントである回転数N2およびトルクT2を、ドラ
イブモード切換前の出力エネルギPdを用いて図示しな
いマップにより設定するのである(ステップS66
8)。
【0239】次に、エンジン50の目標回転数Ne*に
ドライブモード切換後のエンジン50の回転数N2を設
定し(ステップS670)、エンジン50の回転数Ne
が設定した目標回転数Ne*(値N2)に落ちつくまで
クラッチモータ30,アシストモータ40およびエンジ
ン50の各制御を繰り返し行なう処理を実行する(ステ
ップS672ないしS676)。
【0240】エンジン50の回転数Neが目標回転数N
e*(値N2)に落ちついてきて、目標回転数Ne*と
回転数Neとの偏差が閾値Nref未満になると、アシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*からトルク増減量
△Tを減じて新たなトルク指令値Ta*として設定し
(ステップS678)、再び、エンジン50の回転数N
eが設定した目標回転数Ne*に落ちつくまでクラッチ
モータ30,アシストモータ40およびエンジン50の
各制御を繰り返し行なう処理を実行する(ステップS6
80ないしS684)。なお、ここでのエンジン50の
制御は、アシストモータ40のトルクTaの変更に伴っ
て生じるエンジン50の回転数Neの目標回転数Ne*
(値N2)からのズレをスロットルバルブ66の開度を
調節することにより打ち消すものとなる。
【0241】目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が
閾値Nref未満になると、出力トルク指令値Td*か
らトルクT2を減じ、これにトルク指令値Ta*を加え
たものの大きさ(絶対値)がトルク増減量△T未満であ
るか否かを判定し(ステップS686)、トルク増減量
△T未満でないときには、アシストモータ40のトルク
指令値Ta*をトルク増減量△Tだけ減じる処理である
ステップS678に戻ってステップS678ないしS6
86を繰り返し実行し、トルク増減量△T未満のときに
は、ドライブモードの切り換えは終了したと判断して、
本ルーチンを終了する。
【0242】以上説明した回転数優先切換処理ルーチン
を実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化の様
子を図32および図33に例示する。図32は本ルーチ
ンにより通常ドライブモードからオーバードライブモー
ドへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの
変化の様子を例示する説明図であり、図33はオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【0243】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図32に示すように、ま
ず、クラッチモータ30のトルクTcおよびアシストモ
ータ40のトルクTaの変更なしに、即ちエンジン50
の負荷トルクTeの変更なしに、エンジン50の回転数
Neを運転ポイントP1の回転数N1からドライブモー
ド切換後の運転ポイントP2の回転数N2へ変更する
(ステップS670ないしS676)。そして、エンジ
ン50が運転ポイントPmで運転されるようになると、
エンジン50の回転数Neを値N2で維持しながら、ア
シストモータ40のトルクTaを順次減少することによ
って、エンジン50の運転ポイントを運転ポイントPm
から運転ポイントP2に順次変更する(ステップS67
8ないしS688)。
【0244】こうしたエンジン50の運転ポイントの変
更の際、クラッチモータ30のトルクTcは変更されな
いから、駆動軸22へは一定のトルク(Tc)が出力さ
れることになる。また、ドライブモードの切り換えの最
中におけるエンジン50から出力されるエネルギは、図
32におけるエンジン50の運転ポイントの軌跡が駆動
軸22に出力されるエネルギ(出力エネルギPd)と同
一のエネルギ同一の曲線Pdの内側にあることから解る
ように、駆動軸22へ出力するエネルギより小さくなる
から、クラッチモータ30およびアシストモータ40を
駆動するのに必要なエネルギはエンジン50から出力さ
れるエネルギでは不足することとなり、バッテリ94か
ら賄われることになる。図32には、エンジン50が運
転ポイントPmで運転されているときにバッテリ94か
らクラッチモータ30およびアシストモータ40に供給
されるエネルギ(電力)を領域Gbcおよび領域Gba
として表示した。
【0245】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図33に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の負荷トルクTeの変更なし
にその回転数Neを運転ポイントP1の回転数N1から
ドライブモード切換後の運転ポイントP2の回転数N2
へ変更し(ステップS670ないしS676)、その
後、エンジン50の回転数Neを値N2で維持しなが
ら、アシストモータ40のトルクTaを順次増加(負の
値のトルク増減量△Tを減少)することによって、エン
ジン50を運転ポイントを運転ポイントP2に変更する
(ステップS678ないしS688)。この場合も、ク
ラッチモータ30のトルクTcは変更されないから、駆
動軸22へは一定のトルク(Tc)が出力されることに
なる。しかし、ドライブモードの切り換えの最中におけ
るエンジン50から出力されるエネルギは、図33にお
けるエンジン50の運転ポイントの軌跡が駆動軸22に
出力されるエネルギ(出力エネルギPd)と同一のエネ
ルギ同一の曲線Pdの外側にあることから解るように、
駆動軸22へ出力するエネルギより大きくなるから、エ
ンジン50からは過剰なエネルギが出力されることにな
り、この過剰なエネルギによりバッテリ94は充電され
る。なお、図33には、エンジン50が運転ポイントP
mで運転されているときに、クラッチモータ30および
アシストモータ40からバッテリ94へ供給されるエネ
ルギ(電力)を領域Gcbおよび領域Gabとして表示
した。
【0246】以上説明した回転数優先切換処理を実行す
る第2実施例の動力出力装置20Bによれば、エンジン
50の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい
運転状態にある通常ドライブモードと、回転数Neが回
転数Ndより小さい運転状態にあるオーバードライブモ
ードとを切り換えることができる。しかも、エンジン5
0の回転数Neを優先して変更した後に、変更した回転
数Neを維持しながらエンジン50の負荷トルクTeの
変更することによりスムースに切り換えることができ
る。また、クラッチモータ30のトルクTcを変更しな
いから、ドライブモードの切り換えの最中でも、駆動軸
22へ出力するトルクを一定に保つことができる。
【0247】第2実施例の動力出力装置20Bの制御装
置80が実行する回転数優先切換処理では、エンジン5
0の負荷トルクTeの変更なしにエンジン50の回転数
Neを現在の運転ポイントP1の回転数N1からドライ
ブモード切換後の運転ポイントP2の回転数N2に変更
する第1のステップと、エンジン50の回転数Neを値
N2に維持しながら負荷トルクTeを運転ポイントP1
のトルクT1から運転ポイントP2のトルクT2へ変更
する第2のステップとに大別される2つのステップによ
りドライブモードの切り換えを行なったが、図18およ
び図19を用いて説明した第1実施例の動力出力装置2
0の制御装置80で実行する回転数優先切換処理の変形
例と同様に、運転ポイントP1から運転ポイントP2に
至る間に1以上の中間運転ポイントを設定し、運転ポイ
ントP1から中間運転ポイントへ前述の2つのステップ
により変更し、更に中間運転ポイントから運転ポイント
P2へ同じく2つのステップにより変更することにより
ドライブモードを切り換えるものとしてもよい。このよ
うに中間運転ポイントを設定するものとすれば、エンジ
ン50の運転ポイントの変更を小刻みに行なうことがで
きる。また、ドライブモードを切り換える際のバッテリ
94の放電電力または充電電力を調整することができ
る。
【0248】また、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80が実行する回転数優先切換処理では、エン
ジン50から出力されるエネルギが等しい状態の通常ド
ライブ状態とオーバードライブ状態との切り換えを行な
うものとしたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状
態とオーバードライブ状態とを切り換えるものとしても
よい。
【0249】(4)トルク優先切換処理
【0250】次に、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80により実行されるトルク優先切換処理につ
いて図34に例示するトルク優先切換処理ルーチンに基
づき説明する。
【0251】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図30のドライブモード切
換処理ルーチンのステップS560ないしS568の処
理と同一の処理(ステップS760ないしS768)を
実行する。
【0252】次に、アシストモータ40のトルク指令値
Ta*からトルク増減量△Tを減じて新たなトルク指令
値Ta*として設定し(ステップS770)、エンジン
50の回転数Neが目標回転数Ne*(値N1)に落ち
つくまでクラッチモータ30,アシストモータ40およ
びエンジン50の各制御を繰り返し行なう処理を実行す
る(ステップS772ないしS776)。ここでは、ア
シストモータ40のトルクTaは変更されるが、エンジ
ン50の目標回転数Ne*は変更されないから、エンジ
ン50の回転数Neをそのまま維持しながらエンジン5
0の負荷トルクTeを変更する制御となる。前述したよ
うに、エンジン50の負荷トルクTeを変更すると、そ
れに伴ってエンジン50の回転数Neも変化して目標回
転数Ne*(値N1)からずれるから、エンジン50の
制御では、この負荷トルクTeの変更に伴って生じるエ
ンジン50の回転数Neの目標回転数Ne*(値N1)
からのズレをスロットルバルブ66の開度を調節するこ
とにより打ち消すものとなる。
【0253】目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差が
閾値Nref未満になると、出力トルク指令値Td*か
らトルクT2を減じ、これにトルク指令値Ta*を加え
たものの大きさ(絶対値)がトルク増減量△T未満であ
るか否かを判定し(ステップS778)、トルク増減量
△T未満でないときには、アシストモータ40のトルク
指令値Ta*をトルク増減量△Tだけ減じる処理である
ステップS770に戻ってステップS770ないしS7
78を繰り返し実行する。
【0254】トルク増減量△T未満になると、エンジン
50の目標回転数Ne*にドライブモード切換後のエン
ジン50の回転数N2を設定し(ステップS780)、
再び、エンジン50の回転数Neが目標回転数Ne*
(値N2)に落ちつくまでクラッチモータ30,アシス
トモータ40およびエンジン50の各制御を繰り返し行
なう処理を実行する(ステップS782ないしS78
6)。そして、目標回転数Ne*と回転数Neとの偏差
が閾値Nref未満になると、ドライブモードの切り換
えは終了したと判断して、本ルーチンを終了する。
【0255】以上説明したトルク優先切換処理ルーチン
を実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化の様
子を図35および図36に例示する。図35は本ルーチ
ンにより通常ドライブモードからオーバードライブモー
ドへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの
変化の様子を例示する説明図であり、図36はオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【0256】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図35に示すように、ま
ず、エンジン50の回転数Neの変更なしに、エンジン
50の負荷トルクTeが運転ポイントP1のトルクT1
からドライブモード切換後の運転ポイントP2のトルク
T2へ変更されるようアシストモータ40のトルクTa
を順次変更する(ステップS770ないしS778)。
エンジン50が運転ポイントPmで運転されるようにな
ると、エンジン50の負荷トルクTeを値T2で維持し
ながら、エンジン50の回転数Neを運転ポイントP1
の回転数N1からドライブモード切換後の運転ポイント
P2の回転数N2へ変更することによって、エンジン5
0の運転ポイントを運転ポイントPmから運転ポイント
P2に変更する。
【0257】このトルク優先切換処理ルーチンにより通
常ドライブモードからオーバードライブモードへの切り
換えの際もクラッチモータ30のトルクTcは変更され
ないから、駆動軸22へは一定のトルク(Tc)が出力
されることになる。なお、ドライブモードの切り換えの
最中におけるエンジン50から出力されるエネルギは、
図35におけるエンジン50の運転ポイントの軌跡から
解るように、駆動軸22へ出力するエネルギ(出力エネ
ルギPd)より大きくなるから、エンジン50からは過
剰なエネルギが出力されることになり、この過剰なエネ
ルギによりバッテリ94が充電される。図35には、エ
ンジン50が運転ポイントPmで運転されているとき
に、クラッチモータ30およびアシストモータ40から
バッテリ94に供給されるエネルギ(電力)を領域Gc
bおよび領域Gabとして表示した。
【0258】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図36に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の回転数Neの変更なしにエ
ンジン50の負荷トルクTeを運転ポイントP1のトル
クT1からドライブモード切換後の運転ポイントP2の
トルクT2へ順次変更し(ステップS770ないしS7
78)、その後、エンジン50の負荷トルクTeを値T
2で維持しながら、エンジン50の回転数Neを運転ポ
イントP1の回転数N1から運転ポイントP2の回転数
N2へ変更することにより、エンジン50を運転ポイン
トを運転ポイントP2に変更する(ステップS780な
いしS786)。この場合も、クラッチモータ30のト
ルクTcは変更されないから、駆動軸22へは一定のト
ルク(Tc+Ta)が出力されることになる。しかし、
ドライブモードの切り換えの最中におけるエンジン50
から出力されるエネルギは、図36におけるエンジン5
0の運転ポイントの軌跡から解るように、駆動軸22へ
出力するエネルギ(出力エネルギPd)より小さくなる
から、クラッチモータ30およびアシストモータ40を
駆動するのに必要なエネルギはエンジン50から出力さ
れるエネルギでは不足することとなり、バッテリ94か
ら賄われることになる。なお、図36には、エンジン5
0が運転ポイントPmで運転されているときにバッテリ
94からクラッチモータ30およびアシストモータ40
に供給されるエネルギ(電力)を領域Gbcおよび領域
Gbaとして表示した。
【0259】以上説明したトルク優先切換処理を実行す
る第2実施例の動力出力装置20Bによれば、エンジン
50の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい
運転状態にある通常ドライブモードと、回転数Neが回
転数Ndより小さい運転状態にあるオーバードライブモ
ードとを切り換えることができる。しかも、エンジン5
0の負荷トルクTeを優先して変更した後に、変更した
負荷トルクTeを維持しながらエンジン50の回転数N
eの変更することによりスムースに切り換えることがで
きる。また、クラッチモータ30のトルクTcを変更し
ないから、ドライブモードの切り換えの最中でも、駆動
軸22へ出力するトルクを一定に保つことができる。
【0260】第2実施例の動力出力装置20Bの制御装
置80が実行するトルク優先切換処理では、エンジン5
0の回転数Neの変更なしにエンジン50の負荷トルク
Teを現在の運転ポイントP1のトルクT1からドライ
ブモード切換後の運転ポイントP2のトルクT2に変更
する第1のステップと、エンジン50の負荷トルクTe
を値T2に維持しながら回転数Neを運転ポイントP1
の回転数N1から運転ポイントP2の回転数N2へ変更
する第2のステップとに大別される2つのステップによ
りドライブモードの切り換えを行なったが、運転ポイン
トP1から運転ポイントP2に至る間に1以上の中間運
転ポイントを設定し、運転ポイントP1から中間運転ポ
イントへ前述の2つのステップにより変更し、更に中間
運転ポイントから運転ポイントP2へ同じく2つのステ
ップにより変更することによりドライブモードを切り換
えるものとしてもよい。このように中間運転ポイントを
設定するものとすれば、エンジン50の運転ポイントの
変更を小刻みに行なうことができる。また、ドライブモ
ードを切り換える際のバッテリ94の放電電力または充
電電力を調整することができる。
【0261】また、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80が実行するトルク優先切換処理では、エン
ジン50から出力されるエネルギが等しい状態の通常ド
ライブ状態とオーバードライブ状態との切り換えを行な
うものとしたが、異なるエネルギ状態の通常ドライブ状
態とオーバードライブ状態とを切り換えるものとしても
よい。
【0262】(5)バッテリ充放電切換処理
【0263】第2実施例の動力出力装置20Bでも、こ
れまでに説明した図30のドライブモード切換処理と、
図31の回転数優先切換処理と、図34のトルク優先切
換処理とを組み合わせることにより、ドライブモードの
切り換えに際してバッテリ94の充放電を自由に行なう
ことができる。第2実施例のバッテリ94の充放電を伴
うドライブモードの切換処理は、第1実施例のバッテリ
94の充放電を伴うドライブモードの切換処理と同一で
あるから、第1実施例で用いた図23のバッテリ充放電
切換処理ルーチンをそのまま用いることができ、この処
理を行なった際の効果も、第1実施例で説明した効果と
同一のものとなる。したがって、この処理の詳細な説明
については省略する。
【0264】(6)所定トルク経由切換処理
【0265】次に、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80により実行される所定トルク経由切換処理
について図37に例示する所定トルク経由切換処理ルー
チンに基づき説明する。
【0266】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、図30のドライブモード切
換処理ルーチンのステップS560ないしS568の処
理と同一の処理(ステップS860ないしS868)を
実行する。
【0267】次に、エンジン50の目標回転数Ne*に
ドライブモード切換後のエンジン50の回転数N2を設
定すると共に(ステップS870)、出力トルク指令値
Td*から所定トルクTsetを減じたものアシストモ
ータ40のトルク指令値Ta*として設定し(ステップ
S872)、エンジン50の回転数Neが目標回転数N
e*(値N2)に落ちつくまでクラッチモータ30,ア
シストモータ40およびエンジン50の各制御を繰り返
し行なう処理を実行する(ステップS874ないしS8
78)。ここで、第2実施例でも、所定トルクTset
は、ドライブモードの切り換えの前後の運転ポイントP
1,P2のトルクT1,T2のいずれよりも小さい零以
上の値に設定されている。
【0268】このように制御することにより、エンジン
50の運転ポイントは、回転数Neが値N2で負荷トル
クTeが所定トルクTsetとなるが、前述したよう
に、アシストモータ40に比してエンジン50の応答性
は著しく低いから、アシストモータ40のトルクTaを
変更することによりエンジン50の負荷トルクTeが直
ちに所定トルクTsetとなっても、エンジン50の回
転数Neは直ちには値N2にならない。また、第1実施
例の所定トルク経由切換処理で説明したように、エンジ
ン50の負荷トルクTeの所定トルクTsetへの変更
に伴ってエンジン50は噴き上がろうとするから、この
処理におけるエンジン50の制御としては、エンジン5
0の負荷トルクTeが所定トルクTsetに変更される
と同時に燃料カットを行なってエンジン50の噴き上が
りを抑制し、その後、回転数Neが値N2となるよう燃
料噴射量およびスロットルバルブ66の開度を調整する
ものとなる。
【0269】エンジン50の回転数Neが目標回転数N
e*(値N2)に落ちついてきて、目標回転数Ne*と
回転数Neとの偏差が閾値Nref未満になると、図3
1の回転数優先切換処理ルーチンのステップS678な
いしS686と同一の処理であるトルク変更処理、即
ち、エンジン50の回転数Neを値N2に維持しなが
ら、アシストモータ40のトルクTaをトルク増減量△
Tずつ順次変更する処理を実行して(ステップS88
0)、本ルーチンを終了する。
【0270】以上説明した所定トルク経由切換処理ルー
チンを実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を図38および図39に例示する。図38は本ル
ーチンにより通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイン
トの変化の様子を例示する説明図であり、図39はオー
バードライブモードから通常ドライブモードへ切り換え
られる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【0271】通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換える際には、図38に示すように、ま
ず、エンジン50の負荷トルクTeが所定トルクTse
tに変更されると共に、エンジン50の回転数Neが運
転ポイントP1の回転数N1からドライブモード切換後
の運転ポイントP2の回転数N2へ変更される(ステッ
プS870ないしS878)。この過程では、エンジン
50の負荷トルクTeは直ちに所定トルクTsetにな
るがエンジン50の回転数Neは直ちに値N2にならな
いから、エンジン50の運転ポイントは、ドライブモー
ド切換前の運転ポイントP1からエンジン50の負荷ト
ルクTeのみが所定トルクTsetに変更された運転ポ
イントPm1へ変更され、その後、この運転ポイントP
m1からエンジン50の回転数Neも値N2に変更され
た運転ポイントPm2へ変更されることになる。なお、
前述したように、この過程では、エンジン50は、制御
開始直後には燃料カットが行なわれ、その後、回転数N
eが値N2となるよう制御されるから、必ずしも運転ポ
イントPm1を経由して運転ポイントPm2に変更され
るとは限らず、図中の破線の経路によりエンジン50の
回転数Neが値N1より大きい運転ポイントPm1’を
経由して運転ポイントPm2になる場合も有り得る。エ
ンジン50が運転ポイントPm2で運転されるようにな
ると、エンジン50の回転数Neを値N2で維持しなが
ら、アシストモータ40のトルクTaを順次減少するこ
とによって、エンジン50の運転ポイントを運転ポイン
トPm2から運転ポイントP2に順次変更する(ステッ
プS880)。
【0272】この所定トルク経由切換処理ルーチンによ
り通常ドライブモードからオーバードライブモードへの
切り換えの際もクラッチモータ30のトルクTcは変更
されないから、駆動軸22へは一定のトルク(Tc)が
出力されることになる。ドライブモードの切り換えの最
中におけるエンジン50から出力されるエネルギは、図
38におけるエンジン50の運転ポイントの軌跡から解
るように、駆動軸22に作用されるエネルギより小さく
なるから、クラッチモータ30およびアシストモータ4
0を駆動するのに必要なエネルギはエンジン50から出
力されるエネルギでは不足することとなり、バッテリ9
4から賄われることになる。なお、図38には、エンジ
ン50が運転ポイントPm2で運転されているときにバ
ッテリ94からクラッチモータ30およびアシストモー
タ40に供給されるエネルギ(電力)を領域Gbcおよ
び領域Gbaとして表示した。
【0273】オーバードライブモードから通常ドライブ
モードへ切り換える際も、図39に示すように、通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換える
際と同様に、エンジン50の負荷トルクTeを所定トル
クTsetに変更すると共にエンジン50の回転数Ne
を運転ポイントP1の回転数N1からドライブモード切
換後の運転ポイントP2の回転数N2へ変更して運転ポ
イントP1から運転ポイントPm1経由で運転ポイント
Pm2とし(ステップS870ないしS878)、その
後、エンジン50の回転数Neを値N2で維持しなが
ら、アシストモータ40のトルクTaを順次減少(負の
値のトルク増減量△Tの順次減少)することによって、
エンジン50の運転ポイントを運転ポイントPm2から
運転ポイントP2に順次変更する(ステップS88
0)。この切り換えの運転ポイントP1から運転ポイン
トPm2へ至る過程でも、通常ドライブモードからオー
バードライブモードへの切り換え時と同様に、エンジン
50は、制御開始直後には燃料カットが行なわれ、その
後、回転数Neが値N2となるよう制御されるから、必
ずしも運転ポイントPm1を経由して運転ポイントPm
2に変更されるとは限らず、図中の破線の経路によりエ
ンジン50の回転数Neが値N1より大きい運転ポイン
トPm1’を経由して運転ポイントPm2になる場合も
有り得る。
【0274】この切り換えの最中でも、クラッチモータ
30のトルクTcは変更されないから、駆動軸22へは
一定のトルク(Tc)が出力されることになる。また、
エンジン50から出力されるエネルギは、図39におけ
るエンジン50の運転ポイントの軌跡から解るように、
駆動軸22へ出力するエネルギより小さくなるから、不
足するエネルギはバッテリ94から賄われることにな
る。なお、図39には、エンジン50が運転ポイントP
m2で運転されているときに、クラッチモータ30によ
り回生されるエネルギ(電力)を領域Gcbとして、ク
ラッチモータ30およびバッテリ94からアシストモー
タ40に供給されるエネルギ(電力)を領域Gbaとし
て表示した。
【0275】以上説明した所定トルク経由切換処理を実
行する第2実施例の動力出力装置20Bによれば、エン
ジン50の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大
きい運転状態にある通常ドライブモードと、回転数Ne
が回転数Ndより小さい運転状態にあるオーバードライ
ブモードとを切り換えることができる。しかも、エンジ
ン50の負荷トルクTeを、一旦、両モードの負荷トル
クTeより小さい所定トルクTsetにするから、エン
ジン50の回転数Neを素早くドライブモード切換後の
回転数にすることができ、ドライブモードに切り換えを
スムースに行なうことができる。また、クラッチモータ
30のトルクTcを変更しないから、ドライブモードの
切り換えの最中でも、駆動軸22へ出力するトルクを一
定に保つことができる。
【0276】第2実施例の動力出力装置20Bが実行す
る所定トルク経由切換処理では、所定トルクTset
は、ドライブモードの切り換えの前後の運転ポイントP
1,P2のトルクT1,T2のいずれよりも小さい値と
して設定したが、トルクT1,T2のうちのいずれか一
方より大きい値として設定してもよく、あるいはトルク
T1,T2のいずれよりも大きな値としてもかまわな
い。
【0277】また、第2実施例の動力出力装置20Bの
制御装置80が実行する所定トルク経由切換処理では、
エンジン50から出力されるエネルギが等しい状態の通
常ドライブ状態とオーバードライブ状態との切り換えを
行なうものとしたが、異なるエネルギ状態の通常ドライ
ブ状態とオーバードライブ状態とを切り換えるものとし
てもよい。
【0278】(7)変形例としての動力出力装置20C
および動力出力装置20D
【0279】第2実施例の動力出力装置20Bでは、ア
シストモータ40がエンジン50とクラッチモータ30
との間のクランクシャフト56に取り付けられている
が、図40に例示する動力出力装置20Cのように、ア
シストモータ40とクラッチモータ30とでエンジン5
0を挟持する配置としてもよい。
【0280】また、第2実施例の動力出力装置20B
を、図41に例示する動力出力装置20Dのように、ク
ラッチモータとアシストモータとを一体となるよう構成
してもよい。動力出力装置20Dでは、図示するよう
に、クラッチモータ30Dのアウタロータ32Dがアシ
ストモータ40Dのロータを兼ねる構成となっており、
アウタロータ32Dに嵌め込まれた永久磁石35Dの内
周面側の磁極に対してインナロータ34の三相コイル3
6に印加する電圧を制御することにより、第2実施例の
動力出力装置20Bのクラッチモータ30と同様の動作
が可能となる。また、アウタロータ32Dに嵌め込まれ
た永久磁石35Dの外周面側の磁極に対してステータ4
3の三相コイル44に印加する電圧を制御することによ
り、第2実施例の動力出力装置20Bのアシストモータ
40と同様の動作が可能となる。この変形例である動力
出力装置20Dは、第2実施例の動力出力装置20Bの
総ての動作について全く同様に動作することができる。
この動力出力装置20Dによれば、第2実施例の動力出
力装置20Bが奏する効果の他に動力出力装置の小型化
および軽量化を図ることができる。
【0281】3.その他の変形例
【0282】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0283】例えば、図1に示した動力出力装置20を
4輪駆動車(4WD)に適用した場合は、図42に示す
ごとくになる。図42に示す構成では、駆動軸22に機
械的に結合していたアシストモータ40を駆動軸22よ
り分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このアシ
ストモータ40によって後輪部の駆動輪27,29を駆
動する。一方、駆動軸22の先端はギヤ23を介してデ
ィファレンシャルギヤ24に結合されており、この駆動
軸22によって前輪部の駆動輪26,28を駆動する。
このような構成の下においても、前述した第1実施例を
実現することは可能である。
【0284】ところで、上述した各実施例では、エンジ
ン50としてガソリンにより運転されるガソリンエンジ
ンを用いたが、その他に、ディーゼルエンジンや、ター
ビンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃或い
は外燃機関を用いることもできる。
【0285】また、実施例では、クラッチモータ30及
びアシストモータ40としてPM形(永久磁石形;Perm
anent Magnet type)同期電動機を用いていたが、回生
動作及び力行動作を行なわせるのであれば、その他に
も、VR形(可変リラクタンス形;Variable Reluctanc
e type)同期電動機や、バーニアモータや、直流電動機
や、誘導電動機や、超電導モータや、ステップモータな
どを用いることもできる。
【0286】さらに、実施例では、クラッチモータ30
に対する電力の伝達手段として回転トランス38を用い
たが、その他、スリップリング−ブラシ接触、スリップ
リング−水銀接触、或いは磁気エネルギの半導体カップ
リング等を用いることもできる。
【0287】あるいは、実施例では、第1および第2の
駆動回路91,92としてトランジスタインバータを用
いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモ
ードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Tran
sistor)インバータや、サイリスタインバータや、電圧
PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)イン
バータや、方形波インバータ(電圧形インバータ,電流
形インバータ)や、共振インバータなどを用いることも
できる。
【0288】また、バッテリ94としては、Pbバッテ
リ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いること
ができるが、バッテリ94に代えてキャパシタを用いる
こともできる。
【0289】以上の各実施例では、動力出力装置を車両
に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段
や、その他各種産業機械などに搭載することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての動力出力装置2
0の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1の動力出力装置20が構成として備えるク
ラッチモータ30およびアシストモータ40の構造を示
す断面図である。
【図3】図1の動力出力装置20を組み込んだ車両の概
略構成を示す構成図である。
【図4】動力出力装置20の動作原理を説明するための
グラフである。
【図5】制御装置80の制御CPU90により実行され
るトルク制御処理を例示するフローチャートである。
【図6】制御装置80により実行されるクラッチモータ
30の制御の基本的な処理を例示するフローチャートで
ある。
【図7】制御装置80により実行されるアシストモータ
40の制御の基本的な処理を例示するフローチャートで
ある。
【図8】制御装置80により実行されるドライブモード
切換処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図9】ドライブモード切換処理ルーチンにより通常ド
ライブモードからオーバードライブモードへ切り換えら
れる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例
示する説明図である。
【図10】ドライブモード切換処理ルーチンによりオー
バードライブモードから通常ドライブモードへ切り換え
られる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【図11】実施例の変形例により通常ドライブモードか
らオーバードライブモードへ切り換える際のエンジン5
0の運転ポイントの変化の様子を示す説明図である。
【図12】実施例の変形例によりオーバードライブモー
ドから通常ライブモードへ切り換える際のエンジン50
の運転ポイントの変化の様子を示す説明図である。
【図13】実施例の変形例のドライブモード切換処理ル
ーチンの一部を例示するフローチャートである。
【図14】変形例のドライブモード切換処理ルーチンを
実行した際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子
を例示する説明図である。
【図15】制御装置80により実行される回転数優先切
換処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図16】回転数優先切換処理ルーチンにより通常ドラ
イブモードからオーバードライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【図17】回転数優先切換処理ルーチンによりオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【図18】変形例の回転数優先切換処理ルーチンにより
通常ドライブモードからオーバードライブモードへ切り
換える際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【図19】変形例の回転数優先切換処理ルーチンにより
通常ドライブモードからオーバードライブモードへ切り
換える際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【図20】制御装置80により実行されるトルク優先切
換処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図21】トルク優先切換処理ルーチンにより通常ドラ
イブモードからオーバードライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【図22】トルク優先切換処理ルーチンによりオーバー
ドライブモードから通常ドライブモードへ切り換えられ
る際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を例示
する説明図である。
【図23】制御装置80により実行されるバッテリ充放
電切換処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図24】制御装置80により実行される所定トルク経
由切換処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図25】所定トルク経由切換処理ルーチンにより通常
ドライブモードからオーバードライブモードへ切り換え
られる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【図26】所定トルク経由切換処理ルーチンによりオー
バードライブモードから通常ドライブモードへ切り換え
られる際のエンジン50の運転ポイントの変化の様子を
例示する説明図である。
【図27】実施例の動力出力装置20の変形例である動
力出力装置20Aの概略構成を示す構成図である。
【図28】第2実施例の動力出力装置20Bの概略構成
を示す構成図である。
【図29】第2実施例の制御装置80により実行される
トルク制御処理を例示するフローチャートである。
【図30】第2実施例の制御装置80により実行される
ドライブモード切換処理ルーチンを例示するフローチャ
ートである。
【図31】第2実施例の制御装置80により実行される
回転数優先切換処理ルーチンを例示するフローチャート
である。
【図32】第2実施例の回転数優先切換処理ルーチンに
より通常ドライブモードからオーバードライブモードへ
切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を例示する説明図である。
【図33】第2実施例の回転数優先切換処理ルーチンに
よりオーバードライブモードから通常ドライブモードへ
切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を例示する説明図である。
【図34】第2実施例の制御装置80により実行される
トルク優先切換処理ルーチンを例示するフローチャート
である。
【図35】第2実施例のトルク優先切換処理ルーチンに
より通常ドライブモードからオーバードライブモードへ
切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を例示する説明図である。
【図36】第2実施例のトルク優先切換処理ルーチンに
よりオーバードライブモードから通常ドライブモードへ
切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの変化
の様子を例示する説明図である。
【図37】第2実施例の制御装置80により実行される
所定トルク経由切換処理ルーチンを例示するフローチャ
ートである。
【図38】第2実施例の所定トルク経由優先切換処理ル
ーチンにより通常ドライブモードからオーバードライブ
モードへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイン
トの変化の様子を例示する説明図である。
【図39】第2実施例の所定トルク経由切換処理ルーチ
ンによりオーバードライブモードから通常ドライブモー
ドへ切り換えられる際のエンジン50の運転ポイントの
変化の様子を例示する説明図である。
【図40】第2実施例の動力出力装置20Bの変形例で
ある動力出力装置20Cの構成の概略を例示する構成図
である。
【図41】第2実施例の動力出力装置20Bの変形例で
ある動力出力装置20Dの構成の概略を例示する構成図
である。
【図42】図1に示した実施例の動力出力装置20を4
輪駆動車に適用した場合の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
20…動力出力装置 20A〜20D…動力出力装置 22…駆動軸 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 30…クラッチモータ 30A,30D…クラッチモータ 32…アウタロータ 32A,32D…アウタロータ 34…インナロータ 34A,34D…インナロータ 35…永久磁石 35A,35D…永久磁石 36…三相コイル 36A…三相コイル 37A,37B…ベアリング 38…回転トランス 38A…一次巻線 38B…二次巻線 39…レゾルバ 40…アシストモータ 40A.40D…アシストモータ 42…ロータ 43…ステータ 44…三相コイル 45…ケース 46…永久磁石 48…レゾルバ 49…ベアリング 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 57…ホイール 58…イグナイタ 59a…圧入ピン 59b…ネジ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 65…アクセルペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 92…第2の駆動回路 94…バッテリ 95,96,97,98…電流検出器 99…残容量検出器 L1,L2…電源ライン Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜Tr16…トランジスタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
    合された第2のロータとを有し、該第1および該第2の
    ロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と
    該駆動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該駆動軸
    に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    と、 前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1
    および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運
    転手段を介して原動機の運転を制御して、前記駆動軸の
    回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある前記原
    動機から出力される動力の該駆動軸への伝達である第1
    の伝達と、前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2
    の運転状態にある前記原動機から出力される動力の該駆
    動軸への伝達である第2の伝達とを切り換える動力切換
    制御手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
    合された第2のロータと、該第2のロータを回転可能な
    ステータとを有し、前記第1のロータと第2のロータと
    により該第1および第2のロータ間の電磁的な結合を介
    して前記原動機の出力軸と前記駆動軸との間で動力の伝
    達を行なう第1の電動機を構成すると共に、前記第2の
    ロータと前記ステータとにより該第2のロータを介して
    前記駆動軸に動力を付加する第2の電動機を構成する複
    合電動機と、 前記複合電動機における前記第1の電動機を駆動制御す
    る第1の電動機駆動回路と、 前記複合電動機における前記第2の電動機を駆動制御す
    る第2の電動機駆動回路と、 前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記複合
    電動機の前記第1および第2の電動機を駆動制御すると
    共に前記原動機運転手段を介して原動機の運転を制御し
    て、前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達である第1の伝達と、前記駆動軸の回転数より小
    さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機から出力
    される動力の該駆動軸への伝達である第2の伝達とを切
    り換える動力切換制御手段とを備える動力出力装置。
  3. 【請求項3】 前記動力切換制御手段は、前記第1の電
    動機により前記原動機の出力軸から前記駆動軸へ伝達さ
    れる動力を順次変更すると共に、前記第2の電動機によ
    り前記駆動軸へ付加される動力を順次変更し、前記原動
    機の運転状態を前記第1の運転状態および前記第2の運
    転状態間で順次変更する手段である請求項1または2記
    載の動力出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の動力出力装置であって、 前記動力切換手段は、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度が順次変化するよう前記第1の
    電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御する
    ことにより、該第1の電動機により前記原動機の出力軸
    から前記駆動軸へ伝達される動力を順次変化させる伝達
    動力変化手段と、 該伝達される動力の順次変化に伴って、該順次変化を打
    ち消す方向に前記第2の電動機により前記駆動軸に付加
    される動力が順次変化するよう前記第2の電動機駆動回
    路を介して該第2の電動機を駆動制御する負荷動力変化
    手段と、 前記伝達動力変化手段による前記伝達される動力の順次
    変化に伴って、前記原動機が前記第1の運転状態および
    前記第2の運転状態間を順次変化するよう前記原動機運
    転手段を介して該原動機の運転を制御する運転状態変化
    手段とを備える動力出力装置。
  5. 【請求項5】 前記動力切換制御手段は、前記原動機の
    運転状態を決定する要素のうち、前記第1の電動機にお
    ける前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程
    度の変更による該原動機の負荷トルクの変更を該原動機
    の回転数の変更に優先して行なうことにより、前記第1
    の伝達と前記第2の伝達との切り換えを行なう手段であ
    る請求項1または2記載の動力出力装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の動力出力装置であって、 前記動力切換制御手段は、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度が、前記第1の運転状態におけ
    る前記原動機の負荷トルクに相当する第1の結合の程度
    から前記第2の運転状態における前記原動機の負荷トル
    クに相当する第2の結合の程度へ又は前記第2の結合の
    程度から前記第1の結合の程度へ変更するよう前記第1
    の電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御す
    る結合程度変更手段と、 前記結合程度変更手段により前記原動機の負荷トルクが
    変更された後、該原動機の回転数が、前記第1の運転状
    態の回転数から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記
    第2の運転状態の回転数から前記第1の運転状態の回転
    数へ変更するよう前記原動機運転手段を介して該原動機
    の運転を制御する回転数変更手段とを備える動力出力装
    置。
  7. 【請求項7】 前記動力切換制御手段は、前記原動機の
    運転状態を決定する要素のうち、該原動機の回転数の変
    更を、前記第1の電動機における前記第1および第2の
    ロータ間の電磁的な結合の程度の変更による該原動機の
    負荷トルクの変更に優先して行なうことにより、前記第
    1の伝達と前記第2の伝達との切り換えを行なう手段で
    ある請求項1または2記載の動力出力装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の動力出力装置であって、 前記動力切換制御手段は、 前記原動機の回転数が、前記第1の運転状態の回転数か
    ら前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状
    態の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更する
    よう前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制御
    する回転数変更手段と、 前記回転数変更手段による前記原動機の回転数の変更が
    なされ該原動機が該変更された回転数となった後に、該
    変更された回転数を維持しながら、前記第1の電動機に
    おける前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の
    程度が、前記第1の運転状態における前記原動機の負荷
    トルクに相当する第1の結合の程度から前記第2の運転
    状態における前記原動機の負荷トルクに相当する第2の
    結合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前記第1の
    結合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆動回路お
    よび前記原動機運転手段を介して前記第1の電動機およ
    び前記原動機を駆動制御する結合程度変更手段とを備え
    る動力出力装置。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の動力出力装置で
    あって、 前記動力切換制御手段は、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度が所定値となるよう前記第1の
    電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御し
    て、前記原動機の負荷トルクを所定トルクとするトルク
    操作手段と、 前記トルク操作手段による前記原動機の負荷トルクの変
    更に際して、前記原動機が前記第1の運転状態の回転数
    から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転
    状態の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更す
    るよう前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制
    御する回転数変更手段と、 前記回転数変更手段による前記原動機の回転数の変更が
    なされ該原動機が該変更された回転数となった後、該変
    更された回転数を維持しながら、前記第1の電動機にお
    ける前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程
    度が、前記第1の運転状態における前記原動機の負荷ト
    ルクに相当する第1の結合の程度から前記第2の運転状
    態における前記原動機の負荷トルクに相当する第2の結
    合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前記第1の結
    合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆動回路およ
    び前記原動機運転手段を介して前記第1の電動機および
    前記原動機を駆動制御する結合程度変更手段とを備える
    動力出力装置。
  10. 【請求項10】 前記トルク操作手段における前記所定
    トルクは、前記第1の運転状態における前記原動機の負
    荷トルクおよび前記第2の運転状態における前記原動機
    の負荷トルクより小さい値である請求項9記載の動力出
    力装置。
  11. 【請求項11】 前記動力切換制御手段は、前記第1の
    運転状態の前記原動機から出力される動力と前記第2の
    運転状態の前記原動機から出力される動力とが同一のエ
    ネルギとなるよう前記第1および第2の電動機並びに前
    記原動機運転制御を制御する手段である請求項1ないし
    10いずれか記載の動力出力装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の動力出力装置であっ
    て、 少なくとも前記第2の電動機駆動回路を介して前記第2
    の電動機から回生される電力による充電と前記第2の電
    動機駆動回路を介して前記第2の電動機の駆動に要する
    電力の放電とを行なう二次電池を備え、 前記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の
    伝達とを切り換える間、前記二次電池の充放電により得
    られる電力を用いて、前記第1の電動機により前記駆動
    軸に伝達される動力と前記第2の電動機により該駆動軸
    に付加される動力との和が保持されるよう前記第2の電
    動機駆動回路を介して前記第2の電動機を駆動制御する
    駆動軸作用動力保持手段を備える動力出力装置。
  13. 【請求項13】 請求項1または2記載の動力出力装置
    であって、 前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機か
    ら回生される電力による充電と、前記第2の電動機駆動
    回路を介して前記第2の電動機から回生される電力によ
    る充電と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1
    の電動機の駆動に要する電力の放電と、前記第2の電動
    機駆動回路を介して前記第2の電動機の駆動に要する電
    力の放電とを行なう二次電池と、 前記二次電池の状態を検出する電池状態検出手段とを備
    え、 前記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の
    伝達とを切り換える際、 前記電池状態検出手段により検出された状態が前記二次
    電池の充電を要するとして設定された状態のとき、前記
    第1の電動機から回生される電力および/または前記第
    2の電動機から回生される電力によって前記二次電池が
    充電されるよう前記第1および第2の電動機駆動回路を
    介して前記第1および第2の電動機を駆動制御すると共
    に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を制御
    する充電切換手段と、 前記電池状態検出手段により検出された状態が前記二次
    電池の放電を要するとして設定された状態のとき、前記
    第1の電動機の駆動に要する電力および/または前記第
    2の電動機の駆動に要する電力を前記二次電池に蓄えら
    れた電力により賄うよう前記第1および第2の電動機駆
    動回路を介して前記第1および第2の電動機を駆動制御
    すると共に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運
    転を制御する放電切換手段とを備える動力出力装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の動力出力装置であっ
    て、 前記充電切換手段は、 前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記第1の
    電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的
    な結合の程度の変更による前記原動機の負荷トルクの変
    更を該原動機の回転数の変更に優先して行なうトルク優
    先充電切換手段と、 前記第2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記原動機
    の回転数の変更を前記第1の電動機における前記第1お
    よび第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更による
    該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう回転数優
    先充電切換手段とを備え、 前記放電切換手段は、 前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記原動機
    の回転数の変更を前記第1の電動機における前記第1お
    よび第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更による
    該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう回転数優
    先放電切換手段と、 前記第2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記第1の
    電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的
    な結合の程度の変更による前記原動機の負荷トルクの変
    更を該原動機の回転数の変更に優先して行なうトルク優
    先放電切換手段とを備える動力出力装置。
  15. 【請求項15】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置
    であって、 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
    合された第2のロータとを有し、該第1および該第2の
    ロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と
    該駆動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    と、 前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第1
    および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機運
    転手段を介して原動機の運転を制御して、前記駆動軸の
    回転数より大きな回転数の第1の運転状態にある前記原
    動機から出力される動力の該駆動軸への伝達である第1
    の伝達と、前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2
    の運転状態にある前記原動機から出力される動力の該駆
    動軸への伝達である第2の伝達とを切り換える動力切換
    制御手段とを備える動力出力装置。
  16. 【請求項16】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置
    であって、 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
    合された第2のロータと、該第1のロータを回転可能な
    ステータとを有し、前記第1のロータと第2のロータと
    により該第1および第2のロータ間の電磁的な結合を介
    して前記原動機の出力軸と前記駆動軸との間で動力の伝
    達を行なう第1の電動機を構成すると共に、前記第1の
    ロータと前記ステータとにより該第1のロータを介して
    前記原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機を構
    成する複合電動機と、 前記複合電動機における前記第1の電動機を駆動制御す
    る第1の電動機駆動回路と、 前記複合電動機における前記第2の電動機を駆動制御す
    る第2の電動機駆動回路と、 前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記複合
    電動機の前記第1および第2の電動機を駆動制御すると
    共に前記原動機運転手段を介して原動機の運転を制御し
    て、前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達である第1の伝達と、前記駆動軸の回転数より小
    さな回転数の第2の運転状態にある前記原動機から出力
    される動力の該駆動軸への伝達である第2の伝達とを切
    り換える動力切換制御手段とを備える動力出力装置。
  17. 【請求項17】 前記動力切換制御手段は、前記第2の
    電動機により前記原動機の出力軸へ付加される動力を順
    次変更すると共に前記原動機を前記第1の運転状態から
    前記第2の運転状態へ又は前記第2の運転状態から前記
    第1の運転状態へ順次変更し、前記原動機から出力され
    る動力が前記第1の電動機により前記駆動軸に伝達され
    るよう該第1の電動機の運転を順次変更する手段である
    請求項15または16記載の動力出力装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の動力出力装置であっ
    て、 前記動力切換手段は、 前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
    る動力が順次変化するよう前記第2の電動機駆動回路を
    介して該第2の電動機を駆動制御する付加動力変化手段
    と、 前記負荷動力変化手段による前記原動機の出力軸へ付加
    される動力の順次変化に伴って、前記原動機の運転状態
    が前記第1の運転状態および前記第2の運転状態間で順
    次変化するよう前記原動機運転手段を介して該原動機の
    運転を制御する運転状態変化手段と、 前記運転状態変化手段による前記原動機の運転状態の順
    次変化に伴って、該原動機から出力される動力が前記駆
    動軸に伝達されるよう前記第1の電動機駆動回路を介し
    て前記第1の電動機を駆動制御する伝達動力制御手段と
    を備える動力出力装置。
  19. 【請求項19】 前記動力切換制御手段は、前記原動機
    の運転状態を決定する要素のうち、前記第2の電動機に
    より前記原動機の出力軸に付加される動力の変更による
    該原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転数の変更
    に優先して行なうことにより、前記第1の伝達と前記第
    2の伝達との切り換えを行なう手段である請求項15ま
    たは16記載の動力出力装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の動力出力装置であっ
    て、 前記動力切換制御手段は、 前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
    る動力が、該原動機が前記第1の運転状態となるよう設
    定される第1の動力から前記第2の運転状態となるよう
    設定される第2の動力へ又は前記第2の動力から前記第
    1の動力へ変更するよう前記第2の電動機駆動回路を介
    して該第2の電動機を駆動制御することにより前記原動
    機の負荷トルクを変更する負荷トルク変更手段と、 前記負荷トルク変更手段により前記原動機の負荷トルク
    が変更された後、該原動機の回転数が前記第1の運転状
    態の回転数から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記
    第2の運転状態の回転数から前記第1の運転状態の回転
    数へ変更するよう前記原動機運転手段を介して該原動機
    の運転を制御する回転数変更手段とを備える動力出力装
    置。
  21. 【請求項21】 前記動力切換制御手段は、前記原動機
    の運転状態を決定する要素のうち、該原動機の回転数の
    変更を前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付
    加される動力の変更による該原動機の負荷トルクの変更
    に優先して行なうことにより、前記第1の伝達と前記第
    2の伝達との切り換えを行なう手段である請求項15ま
    たは16記載の動力出力装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の動力出力装置であっ
    て、 前記動力切換制御手段は、 前記原動機の回転数が前記第1の運転状態の回転数から
    前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態
    の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更するよ
    う前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制御す
    る回転数変更手段と、 前記回転数変更手段による前記原動機の回転数の変更が
    なされ該原動機が該変更された回転数となった後、該変
    更された回転数を維持しながら、前記第2の電動機によ
    り前記原動機の出力軸に付加される動力が、該原動機が
    前記第1の運転状態となるよう設定される第1の動力か
    ら前記第2の運転状態となるよう設定される第2の動力
    へ又は前記第2の動力から前記第1の動力へ変更するよ
    う前記第2の電動機駆動回路および前記原動機運転手段
    を介して前記第2の電動機および前記原動機を駆動制御
    することにより該原動機の負荷トルクを変更する負荷ト
    ルク変更手段とを備える動力出力装置。
  23. 【請求項23】 請求項15または16記載の動力出力
    装置であって、 前記動力切換制御手段は、 前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
    る動力を所定値となるよう前記第2の電動機駆動回路を
    介して該第2の電動機を駆動制御して、前記原動機の負
    荷トルクを所定トルクとするトルク操作手段と、 前記トルク操作手段による前記原動機の負荷トルクの変
    更に際して、前記原動機が前記第1の運転状態の回転数
    から前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転
    状態の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更す
    るよう前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制
    御する回転数変更手段と、 前記回転数変更手段による前記原動機の回転数の変更が
    なされ該原動機が該変更された回転数となった後、該変
    更された回転数を維持しながら、前記第2の電動機によ
    り前記原動機の出力軸に付加される動力が、前記第1の
    伝達の際に前記第2の電動機に設定される第1の動力か
    ら前記第2の伝達の際に前記第2の電動機に設定される
    第2の動力へ又は前記第2の動力から前記第1の動力へ
    変更するよう前記第2の電動機駆動回路および前記原動
    機運転手段を介して前記第2の電動機および前記原動機
    を駆動制御する動力変更手段とを備える動力出力装置。
  24. 【請求項24】 前記トルク操作手段における前記所定
    トルクは、前記第1の運転状態における前記原動機の負
    荷トルクおよび前記第2の運転状態における前記原動機
    の負荷トルクより小さい値である請求項23記載の動力
    出力装置。
  25. 【請求項25】 前記動力切換制御手段は、前記第1の
    運転状態の前記原動機から出力される動力と前記第2の
    運転状態の前記原動機から出力される動力とが同一のエ
    ネルギとなるよう前記第1および第2の電動機並びに前
    記原動機運転制御を制御する手段である請求項15ない
    し24いずれか記載の動力出力装置。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の動力出力装置であっ
    て、 少なくとも前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1
    の電動機から回生される電力による充電と前記第1の電
    動機駆動回路を介して前記第1の電動機の駆動に要する
    電力の放電とを行なう二次電池を備え、 前記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の
    伝達とを切り換える間、前記二次電池の充放電により得
    られる電力を用いて、前記第1の電動機により前記駆動
    軸に伝達される動力が保持されるよう前記第1の電動機
    駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御する伝達動
    力保持手段を備える動力出力装置。
  27. 【請求項27】 請求項15または16記載の動力出力
    装置であって、 前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機か
    ら回生される電力による充電と、前記第2の電動機駆動
    回路を介して前記第2の電動機から回生される電力によ
    る充電と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1
    の電動機の駆動に要する電力の放電と、前記第2の電動
    機駆動回路を介して前記第2の電動機の駆動に要する電
    力の放電とを行なう二次電池と、 前記二次電池の状態を検出する電池状態検出手段とを備
    え、 前記動力切換制御手段は、前記第1の伝達と前記第2の
    伝達とを切り換える際、 前記電池状態検出手段により検出された状態が前記二次
    電池の充電を要するとして設定された状態のとき、前記
    第1の電動機から回生される電力および/または前記第
    2の電動機から回生される電力によって前記二次電池が
    充電されるよう前記第1および第2の電動機駆動回路を
    介して前記第1および第2の電動機を駆動制御すると共
    に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を制御
    する充電切換手段と、 前記電池状態検出手段により検出された状態が前記二次
    電池の放電を要するとして設定された状態のとき、前記
    第1の電動機の駆動に要する電力および/または前記第
    2の電動機の駆動に要する電力を前記二次電池に蓄えら
    れた電力により賄うよう前記第1および第2の電動機駆
    動回路を介して前記第1および第2の電動機を駆動制御
    すると共に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運
    転を制御する放電切換手段とを備える動力出力装置。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の動力出力装置であっ
    て、 前記充電切換手段は、 前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記第2の
    電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力の変
    更による該原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転
    数の変更に優先して行なうトルク優先充電切換手段と、 前記第2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記原動機
    の回転数の変更を前記第2の電動機により前記原動機の
    出力軸に付加される動力の変更による該原動機の負荷ト
    ルクの変更に優先して行なう回転数優先充電切換手段と
    を備え、 前記放電切換手段は、 前記第1の伝達から前記第2の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記原動機
    の回転数の変更を前記第2の電動機により前記原動機の
    出力軸に付加される動力の変更による該原動機の負荷ト
    ルクの変更に優先して行なう回転数優先放電切換手段
    と、 前記第2の伝達から前記第1の伝達へ切り換える際、前
    記原動機の運転状態を決定する要素のうち、前記第2の
    電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力の変
    更による該原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転
    数の変更に優先して行なうトルク優先放電切換手段とを
    備える動力出力装置。
  29. 【請求項29】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該駆動軸
    に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度が順次変化するよう前記第1の
    電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御する
    ことにより該第1の電動機により前記原動機の出力軸か
    ら前記駆動軸へ伝達される動力を順次変化させると共
    に、 該伝達される動力の順次変化を打ち消す方向に前記第2
    の電動機により前記駆動軸に付加される動力が順次変化
    するよう前記第2の電動機駆動回路を介して該第2の電
    動機を駆動制御し、 前記原動機が前記第1の運転状態と前記第2の運転状態
    との間で順次変化するよう前記原動機運転手段を介して
    該原動機を制御することにより行なう動力出力装置の制
    御方法。
  30. 【請求項30】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該駆動軸
    に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定す
    る要素のうち、前記第1の電動機における前記第1およ
    び第2のロータ間の電磁的な結合の程度の変更による該
    原動機の負荷トルクの変更を該原動機の回転数の変更に
    優先して行なうよう前記第1および第2の電動機駆動回
    路を介して前記第1および第2の電動機を駆動制御する
    と共に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を
    制御する動力出力装置の制御方法。
  31. 【請求項31】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該駆動軸
    に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定す
    る要素のうち、該原動機の回転数の変更を前記第1の電
    動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な
    結合の程度の変更による該原動機の負荷トルクの変更に
    優先して行なうよう前記第1および第2の電動機駆動回
    路を介して前記第1および第2の電動機を駆動制御する
    と共に前記原動機運転手段を介して前記原動機の運転を
    制御する動力出力装置の制御方法。
  32. 【請求項32】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸に結合される第3のロータを有し、該駆動軸
    に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度が所定値となるよう前記第1の
    電動機駆動回路を介して該第1の電動機を駆動制御して
    前記原動機の負荷トルクを所定トルクとすると共に、 前記原動機の回転数が前記第1の運転状態の回転数から
    前記第2の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態
    の回転数から前記第1の運転状態の回転数へ変更するよ
    う前記原動機運転手段を介して該原動機の運転を制御
    し、 前記原動機の回転数が前記変更された回転数となった
    後、該変更された回転数を維持しながら、前記第1の電
    動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な
    結合の程度が前記第1の運転状態における前記原動機の
    負荷トルクに相当する第1の結合の程度から前記第2の
    運転状態における前記原動機の負荷トルクに相当する第
    2の結合の程度へ又は前記第2の結合の程度から前記第
    1の結合の程度へ変更するよう前記第1の電動機駆動回
    路および前記原動機運転手段を介して前記第1の電動機
    および前記原動機を駆動制御することにより行なう動力
    出力装置の制御方法。
  33. 【請求項33】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、 前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
    る動力が順次変化するよう前記第2の電動機駆動回路を
    介して該第2の電動機を駆動制御すると共に、 該原動機の出力軸へ付加される動力の順次変化に伴っ
    て、該原動機が前記第1の運転状態と前記第2の運転状
    態との間で順次変化するよう前記原動機運転手段を介し
    て該原動機の運転を制御し、 前記原動機から出力される動力が前記駆動軸に伝達され
    るよう前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電
    動機を駆動制御することにより行なう動力出力装置の制
    御方法。
  34. 【請求項34】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定す
    る要素のうち、前記第2の電動機により前記原動機の出
    力軸に付加される動力の変更に伴う該原動機の負荷トル
    クの変更を該原動機の回転数の変更に優先して行なうよ
    う前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記第
    1および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動機
    運転手段を介して前記原動機の運転を制御する動力出力
    装置の制御方法。
  35. 【請求項35】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達と前記駆動軸の回転数より小さな回転数の第2の運転
    状態にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸へ
    の伝達との切り換えを、前記原動機の運転状態を決定す
    る要素のうち、前記原動機の回転数の変更を前記第2の
    電動機により前記原動機の出力軸に付加される動力の変
    更に伴う該原動機の負荷トルクの変更に優先して行なう
    よう前記第1および第2の電動機駆動回路を介して前記
    第1および第2の電動機を駆動制御すると共に前記原動
    機運転手段を介して前記原動機の運転を制御する動力出
    力装置の制御方法。
  36. 【請求項36】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機を運転する原動機運転手段と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で駆動軸に結合さ
    れた第2のロータとを有し、該第1および該第2のロー
    タ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆
    動軸との間で動力を伝達する第1の電動機と、 前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ
    間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第2のロ
    ータの該第1のロータに対する相対的な回転駆動を制御
    する第1の電動機駆動回路と、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸に動力を付加する第2の電動機と、 前記第2の電動機を駆動制御する第2の電動機駆動回路
    とを備える動力出力装置の制御方法であって、 前記駆動軸の回転数より大きな回転数の第1の運転状態
    にある前記原動機から出力される動力の該駆動軸への伝
    達である第1の伝達と前記駆動軸の回転数より小さな回
    転数の第2の運転状態にある前記原動機から出力される
    動力の該駆動軸への伝達である第2の伝達との切り換え
    を、 前記第2の電動機により前記原動機の出力軸に付加され
    る動力を所定値となるよう前記第2の電動機駆動回路を
    介して該第2の電動機を駆動制御して前記原動機の負荷
    トルクを所定トルクとすると共に、 前記原動機が前記第1の運転状態の回転数から前記第2
    の運転状態の回転数へ又は前記第2の運転状態の回転数
    から前記第1の運転状態の回転数へ変更するよう前記原
    動機運転手段を介して該原動機の運転を制御し、 前記原動機の回転数が前記変更された回転数となった
    後、該変更された回転数を維持しながら、前記第2の電
    動機により前記原動機の出力軸に付加される動力が、前
    記第1の伝達の際に前記第2の電動機に設定される第1
    の動力から前記第2の伝達の際に前記第2の電動機に設
    定される第2の動力へ又は前記第2の動力から前記第1
    の動力へ変更するよう前記第2の電動機駆動回路および
    前記原動機運転手段を介して前記第2の電動機および前
    記原動機を駆動制御することにより行なう動力出力装置
    の制御方法。
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JP2013047546A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Nissei Corp 磁気歯車装置

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