JPH09218305A - 波長分波素子 - Google Patents

波長分波素子

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JPH09218305A
JPH09218305A JP8024311A JP2431196A JPH09218305A JP H09218305 A JPH09218305 A JP H09218305A JP 8024311 A JP8024311 A JP 8024311A JP 2431196 A JP2431196 A JP 2431196A JP H09218305 A JPH09218305 A JP H09218305A
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JP
Japan
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parallel
light
plane
main surface
plate
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Application number
JP8024311A
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Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で優れた分波特性が得られる波長
分波素子の提供。 【解決手段】 入力ポート10からの入射光を平行光束
とするコリメートレンズ12と、この平行光束を入射し
て多重反射させる平行平面板(プレート)14とを具
え、このプレート14の入力ポート側の第1主表面14
a上の入射領域22を除く一部領域に全反射鏡24を具
え、このプレート14の第2主表面14b上には、部分
透過鏡26を具え、部分透過鏡26を透過した平行光束
28を光楔状に放散させる位相変換器16を具え、放散
された放散光30を放散角によって決まる位置に集光す
る集光レンズ18を具え、集光される位置に、集光レン
ズ18によって集光された光を出力するための複数の出
力ポート20を具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば波長多重
光通信システムに用いて好適な波長分波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の平行平面板を用いた光学素子の一
例が、文献:「『光学の原理II』、512頁、M.ボル
ン、E.ウォルフ著、1975年、東海大学出版会刊」
に記載されている。この文献の特に512頁の図7.5
7に開示の構成は、光波長フィルタとして機能する。こ
の光波長フィルタは、透明な平行平面板を用いて多光束
等傾角干渉縞を形成することによって、大きな波長分解
能を得ることができる。そして、平行平面板に対する光
の入射角度と平行平面板の厚さとによって、取り出す波
長を選択することができる。このため、この文献に開示
の構成は、光波長フィルタとして、構成が簡単でかつ波
長分解能に優れているという特徴を持っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
文献に開示の技術においては、入射光の波長分解をする
ことはできても、波長分解された異なる波長の光を同時
に出力することはできなかった。このため、上記光フィ
ルタは、例えば波長多重光通信システムにおいて必要と
される波長分波素子として用いることはできなかった。
【0004】このため、簡単な構成で優れた波長分波特
性の得られる波長分波素子の実現が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願に係る発明の波
長分波素子によれば、入力ポートを具え、この入力ポー
トからの入射光を平行光束にするための平行化手段を具
え、このコリメータによって平行光束となった入射光を
入射して多重反射させる平行平面板を具え、平行平面板
の入力ポート側の第1主表面上の、入射光が最初に入力
される入射領域を除く一部領域に、全反射鏡あるいは部
分反射鏡を具え、平行平面板の、入力ポート側でない側
の第2主表面上に、部分透過鏡あるいは全反射鏡を具
え、部分透過鏡を透過した平行光束を光楔状に放散させ
る位相変換器を具え、この位相変換器によって放散され
た放散光を、放散角によって決まる位置に集光するため
の集光手段を具え、集光手段によって集光された光を出
力するための複数の出力ポートを具えてなることを特徴
とする。
【0006】また、この発明の波長分波素子において、
好ましくは、位相変換器が、平行平面板に平行に設けて
あると良い。
【0007】また、この発明の波長分波素子において、
好ましくは、平行平面板の第2主表面あるいは第1主表
面上に設けられた部分透過鏡の反射率が、当該部分透過
鏡上の位置に依存する分布を有してなると良い。
【0008】また、この発明の波長分波素子において、
好ましくは、平行平面板に、当該平行平面板を透過する
光の位相を制御する位相制御手段を具えてなると良い。
【0009】また、この位相制御手段としては、平行平
面板の第1主表面あるいは第2主表面上に、液晶膜と、
当該液晶膜の部分毎に個別に電圧を印加する透明電極と
を具えてなることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の波長分波素子の実施の形態について説明する。尚、参
照する図面は、これらの発明が理解できる程度に各構成
成分の大きさ、形状および配置関係を概略的に示してあ
るに過ぎない。従って、この発明は、図示例にのみ限定
されるものではない。
【0011】(第1の実施の形態)先ず、図1を参照し
て、第1の実施の形態の波長分波素子について説明す
る。図1は、第1の実施の形態の波長分波素子の説明に
供する構成図である。第1の実施の形態の波長分波素子
は、1つの入力ポート10、平行化手段としてのコリメ
ートレンズ12、平行平面板(以下、プレートとも称す
る)14、位相変換器16、集光手段としての集光レン
ズ18、および、複数の出力ポート20を具えている。
【0012】そして、入力ポート10からの入射光は、
このコリメートレンズ12よって平行光束にとなる。ま
た、このコリメートレンズ12によって平行光束28と
なった入射光は、平行平面板(プレート)14に、プレ
ートの主平面に対して非垂直方向から入射して多重反射
する。
【0013】この平行平面板14は、互いに平行な第1
主表面14aと第2主表面14bとを具えている。そし
て、このプレート14の入力ポート10側の第1主表面
14a上の、平行光束28の入射光が最初に入力される
入射領域22を除く一部領域には、全反射鏡24が設け
られている。ここでは、全反射鏡24の反射率を100
%とする。また、平行光束28は、この第1主表面に対
して非垂直方向から入射する。また、このプレート14
の入力ポート10側でない側(即ち出力ポート20側)
の第2主表面14b上には、部分透過鏡26が設けられ
ている。ここでは、部分透過鏡26の反射率を95%以
上100%未満とする。
【0014】また、位相変換器16は、部分透過鏡26
を透過した平行光束28を光楔状に放散させるために設
けられている。ここでは、平行光束28の波面を円柱の
側面状に変換するために、凹または凸タイプのマイクロ
レンズアレイ16を用いている。
【0015】尚、出力ポート間のロスをより均等とする
ためには、位相変換器16を透過した放散光が、その放
散角度方向よらず均等なパワーとなるようにすることが
望ましい。そのためには、例えば、位相変換器として、
光の位相分布を記録したキノフォームを用いることがで
きる。このキノフォームは、出力ポートに出力ポートア
レイの全角度方向にわたって開口を設け、ここからの光
と平行平板側からの参照光とを位相変換器を設ける位置
で干渉させて形成したホログラムと等価なものを位相変
換器に形成すると良い。
【0016】そして、この位相変換器16によって放散
された放散光30は、集光レンズ18によって、放散角
によって決まる位置に集光される。集光される位置に
は、集光レンズ18によって集光された光を出力するた
めの複数の出力ポート20が設けられている。
【0017】次に、図2の(A)を参照して、平行平面
板における光の多重反射よって生じる位相差について説
明する。図2の(A)は、平行平面板の要部拡大図であ
る。尚、図2の(A)においては、説明の理解を容易に
するため平行光束を光線として表す。
【0018】先ず、空気中の光の屈折率をn1 、平行平
面板14中の光の屈折率をn2 とする。そして、厚さh
の平行平面板14の入射領域22に、第1主表面14a
の法線に対してθ1 の角度で、光が入射する場合を考え
る。この場合、平行平面板14中から、光は第2主表面
14bに法線に対し、θ2 の角度で、部分透過膜26に
達する。ここで、θ1 とθ2 との間には、下記の(1)
式に示すフレネルの法則の関係が成り立っている。
【0019】 n1 sinθ1 =n2 sinθ2 ・・・(1) 先ず、平行平面板中で一回余計に反射した平行光束と、
一回余計に反射しなかった平行光束との光路差を求め
る。ここでは、図2中の部分透過膜26と平行平面板1
4との界面(第2主表面)14b上のA点に到達した平
行光束について、このA点において部分透過膜26を透
過した第1平行光束28aと、A点において反射され
て、さらに全反射鏡24と平行平面板14との界面(第
1主表面)14a上のB点において反射されて、第2表
面14b上のC点において部分透過膜26を透過した第
2平行光束28bとの光路差ΔL1 を求める。
【0020】そして、第1平行光束28aに対してC点
から降ろした垂線の足をN点とすると、この第1平行光
束28aと第2平行光束28bとの光路差ΔL1 は、下
記の(2)式で表せる。
【0021】 ΔL1 =n2 (AB+BC)−n1 AN・・・(2) ここで、AB=BC=h/cosθ2 ・・(3) また、AN=ACsinθ1 =2htanθ2 sinθ1 ・・・(4) 従って、(2)式は、下記の(5)式で表すことができ
る。
【0022】 ΔL1 =n2 (2h/cosθ2 )−n1 2htanθ2 sinθ1 =n2 (2h/cosθ2 )−n2 2htanθ2 sinθ2 =2n2 hcosθ2 ・・・(5) そして、光路差がΔL1 ときの位相差Δψ1 は、平行光
束の波数をkとすると、下記の(6)式で与えられる。
【0023】 Δψ1 =k・2n2 hcosθ2 ・・・(6) 但し、波数kは、平行光束の波長をλとすると、下記の
(7)式で与えられる。
【0024】k=2π/λ・・・(7) 次に、図2の(B)を参照して、位相変換器16を透過
して放散した放散光の放散角による光路差ΔL2 を求め
る。図2の(B)は、位相変換器付近の拡大図であり、
上述した平行平板14を透過した、第1平行光束28a
および第2平行光束28bが、位相変換器16に入射し
てそれぞれ放散される様子を示す。
【0025】尚、図2の(B)においても、光束を光線
として表す。
【0026】位相変換器16のE点およびF点にそれぞ
れ入射した第1平行光束28aおよび第2平行光束28
bは、それぞれ放散されて、第1放散光30aおよび第
2放散光30bとなる。ここでは、放散角度φの第1お
よび第2放散光の光路差ΔL2 を求める。尚、図2の
(B)においては、平行光束の進行方向に対する放散光
の進行方向の傾きを放散角各φとし、特に、第1平行光
束から第2平行光束側へ向かって屈折した場合の放散角
を正とする。
【0027】そして、光路差ΔL2 は、F点から第1放
散光に降ろした垂線の足をG点とすると、下記の(8)
式で表せる。
【0028】 ΔL2 =EG=EFsinφ・・・(8) ここで、位相変換器のEF線に対して平行光束が垂直に
入射する場合、EF=ACであるので、光路差ΔL2
は、下記の(9)式で表せる。
【0029】 ΔL2 =−2n1 htanθ2 cosθ1 sinφ・・・(9) そして、光路差がΔL2 のときの位相差Δψ2 は、下記
の(10)式で表せる。
【0030】 Δψ2 =kΔL2 =−k・2n1 htanθ2 cosθ1 sinφ・・・(1 0) 従って、平行平面板14で多重反射をしかつ位相変換器
16で放散された光の位相差Δψは下記の(11)式で
与えられる Δψ=Δψ1 +Δψ2 =k・2n2 hcosθ2 −k・2n1 htanθ2 cosθ1 sinφ =2kn2 h(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ(n1 /n2 ))・・・(11) そこで、放散角φの方向へ進行する放散光の光強度I
(φ)は、下記の(12)式で求められる。
【0031】 I(φ)=|ΣTi exp[ji{2khn2 (cosθ2 −tanθ2 co sθ1 sinφ(n1 /n2 ))}]|2 ・・・(12) 但し、jは虚数を表し、iは1以上の整数であり、平行
光束の部分透過膜で反射された回数+1を表す。また、
i は、部分透過膜26において、i回反射された平行
光束が部分透過膜26を透過する位置での当該部分透過
膜の透過率を表す。
【0032】そして、位相差Δψ=2πm(mは整数)
となるときに各放散光どうしが強め合って上記のI
(φ)が極大となる。従って、高い波長分解能を得るこ
とができる。そして、放散角φの方向で強め合うための
波数kの条件は、下記の(13)で与えられる。
【0033】 k=mπ/{n2 h(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ(n1 /n 2 ))}・・・(13) また、上記の(13)式は、k=2π/λより、波長λ
について下記の(14)式で表すことができる。
【0034】 λ/(2n2 h)=(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ(n1 /n 2 ))/m・・・(14) そして、上記の(14)式の両辺の増分を取り、θ1
固定した場合にΔψ=2πmを満たす波長間隔をΔλ、
放散角間隔をΔφとし、cosφ〜1と近似すると、下
記の(15)式が得られる。
【0035】 Δφ=−mΔλ/(2n2 htanθ2 cosθ1 (n1 /n2 ))・・・( 15) 次に、上記の(14)式において、sinφ〜φと近似
してφ=Δφp(pは整数)を代入すると、下記の(1
6)式が得られる。
【0036】 λ/(2n2 h)=(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 Δφp(n1 /n2 ))/m・・・(16) そして、この(16)式中のΔφに上記の(15)式を
代入すると、下記の(17)式が得られる。
【0037】 λ=(2hn2 cosθ2 )/m−Δλp・・・(17) ここで、pは、互いに異なる放散角の延長にある出力ポ
ートの番号に相当する。上述の(17)式から、各出力
ポートから、放散角間隔Δφ毎に、その放散角で強め合
う波長が出力されることが分かる。従って、この発明の
波長分波素子によれば、同時に複数の波長を分波して出
力することができる。また、分波して出力される光の波
長は、平行平面板に対する入射光の入射角度θ1 (従っ
て、θ2)を変えることにより変えることができる。
【0038】(第2の実施の形態)次に、図3を参照し
て、第2の実施の形態の波長分波素子について説明す
る。図3は、第2の実施の形態の波長分波素子の説明に
供する構成図である。第2の実施の形態においては、位
相変換器が、平行平面板に平行に設けられている場合に
ついて説明する。尚、第2の実施の形態においては、第
1の実施の形態と同一の構成成分については、第1の実
施例で用いた符号と同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。
【0039】第2の実施の形態の場合は、位相変換器が
平行平面板に平行に設けられている。
【0040】次に、図4を参照して、第2の実施例にお
いて、平行平面板14で多重反射をしかつ位相変換器1
6で放散された光の位相差Δψを求める。図4は、平行
平面板14および位相変換器16付近の拡大図であり、
平行平面板14を透過した、第1平行光束28aおよび
第2平行光束28bが、平行平面板14と平行に設けら
れた位相変換器16に入射してそれぞれ放散される様子
を示す。尚、図4においては、全反射鏡24および部分
透過鏡26の図示を省略する。また、図4においても、
平行光束を光線として表す。
【0041】位相変換器に入射する段階での第1平行光
束28aと第2平行光束28bとの光路差ΔL11は、上
記の(2)式の代わりに下記の(18)式で与えられ
る。
【0042】 ΔL11=n2 (AB+BC)=2n2 h/cosθ2 ・・・(18) 従って、この段階での第1平行光束28aと第2平行光
束28bとの位相差Δψ11は、下記の(19)式で与え
られる。
【0043】 Δψ11=k・2n2 h/cosθ2 ・・・(19) そして、位相変換器16のE点およびF点にそれぞれ入
射した第1平行光束28aおよび第2平行光束28b
は、それぞれ放散されて、第1放散光30aおよび第2
放散光30bとなる。
【0044】また、位相変換器16を透過した後に生ず
る放散角φの放散光φの光路差ΔL22は、F点から第1
放散光に降ろした垂線の足をG点とすると、下記の(2
0)式で表せる。
【0045】 ΔL22=EG=EFsin(θ1 +φ)・・・(20) 位相変換器16が平行平面板14に平行な場合、EF=
ACであるので、上記の(20)式は、下記の(21)
式で表される。
【0046】 ΔL22=−2n1 htanθ2 sin(θ1 +φ)・・・(21) そして、位相変換器16を透過した後に生ずる第1およ
び第2放散光の位相差は、下記の(22)で与えられ
る。
【0047】 Δψ22=−k・2n1 htanθ2 sin(θ1 +φ)・・・(22) 従って、放散角φの場合の第1および第2放散光の位相
差Δψは下記の(23)式で与えられる。
【0048】 Δψ=Δψ11+Δψ22 =2kn2 h/cosθ2 −2kn1 htanθ2 sin(θ1 +φ) =2kn2 h/cosθ2 −2kn1 htanθ2 sinθ1 cosφ −2kn1 htanθ2 sinφcosθ1 =2kn2 h(1−sin2 θ2 cosφ) −2kn1 htanθ2 cosθ1 sinφ・・・(23) ここで、φ〜0とすると、上記の(23)は、下記の
(24)式に近似することができる。
【0049】 Δψ=2kn2 hcosθ2 −2kn1 htanθ2 cosθ1 sinφ =2kn2 h(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ( n1/n2)) ・・・(24) この(24)式は、前述の第1の実施の形態で導いた
(11)式と同一である。このため、第2の実施の形態
の場合の放散角φの方向へ進行する放散光の光強度I
(φ)も、上記の(12)式で与えられる。従って、第
2の実施の形態の場合も、実質的に、第1の実施の形態
の場合と同様に波長分波素子として機能することが分か
る。
【0050】また、第2の実施の形態では、位相変換器
を平行平面板と平行に設けてあるため、第1の実施の形
態の場合のように、位相変換器に対して平行光束を垂直
に入射させるための角度合わせが不要である。
【0051】(第3の実施の形態)次に、図5を参照し
て、第3の実施の形態の波長分波素子について説明す
る。図5は、第3の実施の形態の波長分波素子の説明に
供する図であり、平行平面板の拡大図である。第3の実
施の形態においては、平行平面板の第2主表面上に設け
られた部分透過鏡36の反射率が、当該部分透過鏡上の
位置に依存する分布を有している場合について説明す
る。
【0052】尚、図5においては、部分透過鏡36の反
射率が部分毎に異なる様子を示すため、部分透過鏡36
の部分毎に異なるハッチングを付している。
【0053】上記の(11)式または(24)式に下記
の(25)式を代入すると、(26)式で表せる。
【0054】 f(θ1 、φ)=2n2 h(cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ( n 1 /n2)) ・・・(25) I(φ)=|ΣTi exp[jikf(θ1 、φ)|2 ・・・(26) 上記の(26)式はフーリエ級数の形である。従って、
(26)式をフーリエ変換して得られる、波数kの関数
としてのI(k)は、Ti をiの適当な関数とすれば、
分波された出力光強度が所望の波長特性を有するように
最適化することができる。ここで最適化とは、例えば、
出力端子毎に、それぞれガウス分布の波長特性の光強度
が得られるようにすることを言う。
【0055】次に、平行平面板14の第2主表面14b
に設けられた部分透過鏡26の透過率について検討す
る。ここで、Ti は、プレート14に入射した平行光束
が、部分透過鏡26でiー1回反射された後、部分透過
鏡26にi回目に到達して透過した地点の透過率を表
す。また、その地点での反射率をRi と表わすと、下記
の(27)式が得られる。
【0056】 Ti =(1−Ri )ΠRT ・・・(27) 但し、(27)式中の「ΠRT 」は、T=1からT=i
−1までのRT の乗算、即ち、「×R12 …Ri-1
を表わす。
【0057】また、Ti-1 の場合は、下記の(28)式
で与えられる。
【0058】 Ti-1 =(1−Ri-1 )ΠRT ・・・(28) 但し、(28)式中の「ΠRT 」は、T=1からT=i
−2までのRT の乗算を表わす。
【0059】そして、上記の(27)式を(28)式で
除算すると、下記の(29)式が得られる。
【0060】 Ti =Ti-1 (1−Ri )Ri-1 /(1−Ri-1 )・・・(29) 上記の(29)式を変形して、下記の(30)式を得
る。
【0061】 (1−Ri )=Ti (1−Ri-1 )/(Ti-1i-1 )・・・(30) 上記の(30)式より逐次法によってRi が決定され
る。ここで、Ri-1 〜1とすると、上記の(30)式は
下記の(31)式で表わされる。
【0062】 (1−Ri )/(1−Ri-1 )=Ti /Ti-1 ・・・(31) 従って、例えば、ガウス分布状のピークを有する波長分
布が必要な場合は、部分透過膜の反射率分布を、反射プ
レートの中心付近(例えば、i=1〜10ならばi=5
付近)に向ってプレート周囲からガウス分布状に反射率
が低下する分布とすれば良い。そして、各出力ポートか
らのそれぞれの出力光の光強度の波長特性をガウス分布
とすることによって、クロストークを抑制することがで
きる。
【0063】また、Ti の分布をsine関数とすれ
ば、透過波長のフラット化を図ることができる。
【0064】(第4の実施の形態)次に、図6を参照し
て、第4の実施の形態の波長分波素子について説明す
る。図6は、第4の実施の形態の波長分波素子の説明に
供する構成図であり、平行平面板拡大図である。第4の
実施の形態においては、平行平面板を透過する光の位相
を制御する位相制御手段を具えている場合について説明
する。尚、第4実施例において、平行平面板以外の構成
成分は、第1実施例のものと同一とし、その詳細な説明
を省略する。
【0065】この実施の形態では、位相制御手段とし
て、平行平面板の第1主表面14aと全反射鏡24との
間に、液晶膜40と、当該液晶膜の部分毎に個別に電圧
を印加する透明電極42とを具えている。
【0066】ここで、液晶膜40の膜厚をh0 、屈折率
をn0 とすると、液晶膜40を一往復した場合の位相差
Φは、下記の(32)式で与えられる。
【0067】Φ=kn00 ・・・(32) そして、位相膜40を設けた場合の、放散角φの方向へ
進行する放散光の光強度I(φ)は、下記の(33)式
で求められる。
【0068】 I(φ)=|ΣTi exp[ji{2khn2 (cosθ2 −tanθ2 cosθ1 sinφ(n1/n2)) +kh00}]|2 ・・・(33) そして、第1実施例において、(12)式から(17)
式を導いたのと同様にして、下記の(34)式を得る。
【0069】 λ=(2hn2 cosθ2 +2h00 )/m−Δλp・・・(34) この(34)式から、液晶膜40に電極42により電圧
を印加することによって液晶膜40の屈折率n0 を調整
できることが分かる。そして、液晶膜の屈折率を部分毎
に個別に調整して反射回数毎の位相差を個別に電気的に
制御することにより波長チューニングをすることが可能
である。
【0070】尚、平行平面板ではなく、集光系において
多重反射を行わせる波長分波素子の場合は、液晶膜を設
けると、液晶膜中の光が平行光束でなく光楔状であっ
た。このため、集光系においては、液晶膜を設けるとこ
の光楔形状および幅が変化してしまうため、液晶の屈折
率による波長特性の制御が困難であった。その結果、集
光系においては、液晶膜を設けて波長チューニングを行
うことは困難であった。この点、本発明の波長分波素子
においては、多重反射を行う平行平板中において、光が
平行光束であるため、液晶膜を利用した波長チューニン
グの実現を図ることができる。
【0071】上述した各実施の形態では、これらの発明
を特定の条件で構成した例についてのみ説明したが、こ
れらの発明は多くの変更および変形を行うことができ
る。例えば、上述した第3実施の形態では、平行平面板
の部分透過膜の透過率に分布を持たせ、一方、第4の実
施の形態では、平行平板に液晶膜を設けたが、この発明
では、例えば、図7に示すように、平行平板の部分透過
膜の透過率に分布を持たせ、かつ、液晶膜を設けて組合
せてプレートを用いることもできる。図7は、変形例の
説明に供する図である。さらに、このプレートに位相変
換器を平行に設けた場合を組合せることもできる。
【0072】また、上述した各実施の形態においては、
位相変換器と集光レンズとを個別に設けたが、この発明
では、ホログラムを用いれば、位相変換器と集光レンズ
とを一体化することもできる。
【0073】また、上述した各実施の形態では、第1主
表面上に全反射鏡を設け、第2主表面上に部分透過鏡を
設けた例について説明したが、この発明では、第2主表
面上に部分透過鏡を設け、第1主表面上に全反射鏡を設
けても良い。その場合、平行平面板に入射した平行光束
は、平行平面板の第1主表面側へ出射される。従って、
位相変換器および集光レンズおよび出力ポートも、平行
平面板の第1主表面側に設けるようにすると良い。
【0074】
【発明の効果】この発明の波長分波素子によれば、平行
平面板によって多重反射された平行光束群を、位相変換
器によってそれぞれ光楔状に放散させる。その結果、こ
の放散角度に依存して、この放散光を、波長によって異
なる位置に集光することができる。その結果、簡単な構
造で高い分解能の波長分波素子の実現を図ることができ
る。
【0075】また、位相変換器を平行平面板に平行に設
ければ、位相変換器を設置する際の、平行光束の入射角
について角度合わせをする必要がない。
【0076】また、平行平面板の部分透過鏡の透過率に
分布を持たせれば、例えば、ガウス分布にすることによ
ってクロストークを抑制して、分波特性の向上を図るこ
とができる。
【0077】また、平行平面板に液晶膜およびこの液晶
膜の部分毎に個別に電圧を印加するための透明電極を設
ければ、液晶膜の屈折率を部分毎に個別に調整すること
によって、波長チューニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の波長分波素子の構成の説明
に供する図である。
【図2】(A)は、平行平面板の要部拡大図であり、
(B)は、位相変換器付近の拡大図である。
【図3】第2の実施の形態の波長分波素子の構成の説明
に要する図である。
【図4】第2の実施の形態の説明に供する図であり、平
行平面板および位相変換器の要部拡大図である。
【図5】第3の実施の形態の説明に供する図であり、平
行平面板の拡大図である。
【図6】第4の実施の形態の説明に供する図であり、平
行平面板の拡大図である。
【図7】変形例の説明に供する図である。
【符号の説明】
10:入力ポート 12:コリメートレンズ 14:平行平面板 14a:第1主表面 14b:第2主表面 16:位相変換器 18:集光レンズ 20:出力ポート 22:入射領域 24:全反射鏡 26、36:部分透過鏡 28:平行光束 28a:第1平行光束 28b:第2平行光束 30:放散光 30a:第1放散光 30b:第2放散光 40:液晶膜 42:透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/31 G02B 6/28 C H04B 10/02 H04B 9/00 U

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ポートを具え、 該入力ポートからの入射光を平行光束にするための平行
    化手段を具え、 該コリメータによって平行光束となった入射光を入射し
    て多重反射させる平行平面板を具え、 前記平行平面板の、前記入力ポート側の第1主表面上
    の、前記入射光が最初に入力される入射領域を除く一部
    領域に、全反射鏡あるいは部分透過鏡を具え、 前記平行平面板の、前記入力ポート側でない側の第2主
    表面上に、部分透過鏡あるは全反射鏡を具え、 前記部分透過鏡を透過した平行光束を光楔状に放散させ
    る位相変換器を具え、 該位相変換器によって放散された放散光を、放散角によ
    って決まる位置に集光するための集光手段を具え、 前記集光手段によって集光された光を出力するための複
    数の出力ポートを具えてなることを特徴とする波長分波
    素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の波長分波素子におい
    て、 前記位相変換器が、前記平行平面板に平行に設けてある
    ことを特徴とする波長分波素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の波長分波素子におい
    て、 前記平行平面板の前記第2主表面あるいは前記第1主表
    面上に設けられた前記部分透過鏡の反射率が、当該部分
    透過鏡上の位置に依存する分布を有してなることを特徴
    とする波長分波素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の波長分波素子におい
    て、 前記平行平面板に、当該平行平面板を透過する光の位相
    を制御する位相制御手段を具えてなることを特徴とする
    波長分波素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の波長分波素子におい
    て、 前記位相制御手段として、前記平行平面板の前記第1主
    表面あるいは第2主表面上に、液晶膜と、当該液晶膜の
    部分毎に個別に電圧を印加する透明電極とを具えてなる
    ことを特徴とする波長分波素子。
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