JPH09217071A - 軽油添加剤及び軽油組成物 - Google Patents
軽油添加剤及び軽油組成物Info
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- JPH09217071A JPH09217071A JP4834896A JP4834896A JPH09217071A JP H09217071 A JPH09217071 A JP H09217071A JP 4834896 A JP4834896 A JP 4834896A JP 4834896 A JP4834896 A JP 4834896A JP H09217071 A JPH09217071 A JP H09217071A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】分子内に炭素数10〜22の炭化水素基、
少なくとも3個のヒドロキシル基、特に同一窒素原子に
対してβ−位の炭素原子上に位置する3個のヒドロキシ
ル基およびアミノ基を含む化合物を含有することを特徴
とする軽油添加剤並びにかかる軽油添加剤を含む軽油組
成物。 【効果】本発明の軽油組成物を用いることにより、硫黄
含量が0.2%以下の燃料ポンプ摩耗が起こりやすい軽
油を用いた場合の燃料ポンプ摩耗の低減、及びディーゼ
ルエンジンの噴射ノズルの清浄を行うことができる。本
発明の効果は、従来技術になかった低硫黄軽油使用時の
燃料噴射ポンプの摩耗防止、及びディーゼルエンジンの
使用に伴い燃料噴射ノズルの汚れの清浄の機能を同時に
満足させることである。
少なくとも3個のヒドロキシル基、特に同一窒素原子に
対してβ−位の炭素原子上に位置する3個のヒドロキシ
ル基およびアミノ基を含む化合物を含有することを特徴
とする軽油添加剤並びにかかる軽油添加剤を含む軽油組
成物。 【効果】本発明の軽油組成物を用いることにより、硫黄
含量が0.2%以下の燃料ポンプ摩耗が起こりやすい軽
油を用いた場合の燃料ポンプ摩耗の低減、及びディーゼ
ルエンジンの噴射ノズルの清浄を行うことができる。本
発明の効果は、従来技術になかった低硫黄軽油使用時の
燃料噴射ポンプの摩耗防止、及びディーゼルエンジンの
使用に伴い燃料噴射ノズルの汚れの清浄の機能を同時に
満足させることである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低硫黄分軽油を用
いた系での金属接触面における摩耗の低減及び燃料噴射
ノズルの清浄に効果のある軽油添加剤及び軽油組成物に
関する。
いた系での金属接触面における摩耗の低減及び燃料噴射
ノズルの清浄に効果のある軽油添加剤及び軽油組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼル車からの排出ガス中の
窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(Sox)及び粒子
状物質の環境への影響が問題になっている。具体的に
は、エンジン用燃料である軽油中の硫黄分が燃えること
で発生する酸性物質による金属の腐食摩耗及び酸性雨な
どが問題視されている。今日まで排ガス中の窒素酸化物
や硫黄酸化物に関する規制はあったが、新たに微粒子状
物質の規制が追加された。この粒子状物質の規制への対
策として、第一に排ガス中の硫黄酸化物を低減するこ
と、すなわち軽油中の段階的削減案が提案されている。
さらに、米国における「米国大気浄化法(Clean air Ac
t )」の改正(1990年)に伴い、軽油に対して品質
基準として硫黄分を0.05重量%以下にする改正が行われ
た。かかる状況から、日本の軽油の品質についても硫黄
分をまず0.2重量%以下にし、さらに今世紀中に硫黄
分を0.05重量%以下に制限するという段階的対策が
とられる予定である。実際欧米などでは硫黄分の少ない
軽油が市販されつつある。しかし、軽油中の硫黄分を低
減すると、SAE PAPER 942016に見られるような潤滑性不
足による燃料噴射ポンプの焼き付き発生という新たな問
題が生じた。スウエーデン国では、環境対応燃料での低
硫黄、低芳香族含有軽油で潤滑性不足による数千台のト
ラブル発生が見られた。現在、日本においては、低硫黄
ディーゼル軽油があまり普及していないが、近い将来、
低硫黄ディーゼル軽油が使用されると、燃料ポンプの焼
き付き発生もしくは金属接触面における摩耗の問題が生
じると予想される。
窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(Sox)及び粒子
状物質の環境への影響が問題になっている。具体的に
は、エンジン用燃料である軽油中の硫黄分が燃えること
で発生する酸性物質による金属の腐食摩耗及び酸性雨な
どが問題視されている。今日まで排ガス中の窒素酸化物
や硫黄酸化物に関する規制はあったが、新たに微粒子状
物質の規制が追加された。この粒子状物質の規制への対
策として、第一に排ガス中の硫黄酸化物を低減するこ
と、すなわち軽油中の段階的削減案が提案されている。
さらに、米国における「米国大気浄化法(Clean air Ac
t )」の改正(1990年)に伴い、軽油に対して品質
基準として硫黄分を0.05重量%以下にする改正が行われ
た。かかる状況から、日本の軽油の品質についても硫黄
分をまず0.2重量%以下にし、さらに今世紀中に硫黄
分を0.05重量%以下に制限するという段階的対策が
とられる予定である。実際欧米などでは硫黄分の少ない
軽油が市販されつつある。しかし、軽油中の硫黄分を低
減すると、SAE PAPER 942016に見られるような潤滑性不
足による燃料噴射ポンプの焼き付き発生という新たな問
題が生じた。スウエーデン国では、環境対応燃料での低
硫黄、低芳香族含有軽油で潤滑性不足による数千台のト
ラブル発生が見られた。現在、日本においては、低硫黄
ディーゼル軽油があまり普及していないが、近い将来、
低硫黄ディーゼル軽油が使用されると、燃料ポンプの焼
き付き発生もしくは金属接触面における摩耗の問題が生
じると予想される。
【0003】またディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル
の汚れ、主にコーキングは性能に重大な悪影響を及ぼ
す。コーキングが生成すると、排ガス中の黒煙、あるい
は燃料中の硫黄から由来する硫酸塩、燃料及び潤滑油の
部分燃焼によって生成する炭化水素成分(これらの総称
はパティキュレート呼ばれている。)が増加する。この
ような問題を解決するため、ディーゼルエンジンの燃料
噴射ノズルの清浄効果を有する添加剤として、特公平3
−49317号公報にアルキルアミンのオキシアルキレ
ン化合物が提案されている。しかし、噴射ノズルの清浄
作用は充分とは言えない。
の汚れ、主にコーキングは性能に重大な悪影響を及ぼ
す。コーキングが生成すると、排ガス中の黒煙、あるい
は燃料中の硫黄から由来する硫酸塩、燃料及び潤滑油の
部分燃焼によって生成する炭化水素成分(これらの総称
はパティキュレート呼ばれている。)が増加する。この
ような問題を解決するため、ディーゼルエンジンの燃料
噴射ノズルの清浄効果を有する添加剤として、特公平3
−49317号公報にアルキルアミンのオキシアルキレ
ン化合物が提案されている。しかし、噴射ノズルの清浄
作用は充分とは言えない。
【0004】摩耗低減に関する先行技術として、WO9
41760で炭素数2〜50のカルボン酸とアルコール
のエステルが低硫黄分ディーゼル軽油用の摩耗低減剤と
して開示されているが、耐摩耗性能が充分とは言えな
い。燃料添加剤としては、蟻酸のシクロペンチルエステ
ル、トリエタノールアミンのオレイン酸縮合物及びスピ
ンドル油からなる組成物が排ガス改善目的でジーゼル燃
料用添加剤として開示されている(特開昭50−161
504)。しかし、低硫黄軽油での摩耗に関する言及は
全くされておらず、使用対象とされた軽油中の硫黄分が
多いため、硫黄分低減に起因する摩耗の防止に対する対
策の必要性は特に考慮されていないものと考えられる。
さらに、特開昭55−082191、特開昭55−00
780、WO9307238では、エマルション燃料用
乳化剤としてアルカノールアミドが開示され、US42
04481ではアルコール用燃料の摩耗防止剤としてジ
エタノールアミンのオレイン酸アミドの利用が開示され
ている。しかし低硫黄軽油における使用に関して言及さ
れていない。
41760で炭素数2〜50のカルボン酸とアルコール
のエステルが低硫黄分ディーゼル軽油用の摩耗低減剤と
して開示されているが、耐摩耗性能が充分とは言えな
い。燃料添加剤としては、蟻酸のシクロペンチルエステ
ル、トリエタノールアミンのオレイン酸縮合物及びスピ
ンドル油からなる組成物が排ガス改善目的でジーゼル燃
料用添加剤として開示されている(特開昭50−161
504)。しかし、低硫黄軽油での摩耗に関する言及は
全くされておらず、使用対象とされた軽油中の硫黄分が
多いため、硫黄分低減に起因する摩耗の防止に対する対
策の必要性は特に考慮されていないものと考えられる。
さらに、特開昭55−082191、特開昭55−00
780、WO9307238では、エマルション燃料用
乳化剤としてアルカノールアミドが開示され、US42
04481ではアルコール用燃料の摩耗防止剤としてジ
エタノールアミンのオレイン酸アミドの利用が開示され
ている。しかし低硫黄軽油における使用に関して言及さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、低硫黄分軽油を用いた系での金属接触面における
摩耗量の低減及びディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル
の清浄効果を有する軽油添加剤、軽油組成物を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、かかる軽油添
加剤または軽油組成物を用いて金属接触面における摩耗
量を低減する方法およびディーゼルエンジンの燃料噴射
ノズルを清浄する方法を提供することにある。
的は、低硫黄分軽油を用いた系での金属接触面における
摩耗量の低減及びディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル
の清浄効果を有する軽油添加剤、軽油組成物を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、かかる軽油添
加剤または軽油組成物を用いて金属接触面における摩耗
量を低減する方法およびディーゼルエンジンの燃料噴射
ノズルを清浄する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を行った結果、硫黄が0.2
%以下の軽油に特定の化合物を軽油添加剤として配合す
ることにより、摩耗量の低減効果及び燃料噴射ノズルの
清浄効果に優れたディーゼル軽油組成物が得られること
を見出し本発明を完成するに至った。
め、本発明者らは鋭意研究を行った結果、硫黄が0.2
%以下の軽油に特定の化合物を軽油添加剤として配合す
ることにより、摩耗量の低減効果及び燃料噴射ノズルの
清浄効果に優れたディーゼル軽油組成物が得られること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(1) 分子内に
炭素数10〜22の炭化水素基、少なくとも3個のヒド
ロキシル基、およびアミノ基を含む化合物を含有するこ
とを特徴とする軽油添加剤、(2) 該化合物が、分子
内に同一窒素原子に対してβ−位の炭素原子上に位置す
るヒドロキシル基を3個有するものであることを特徴と
する前記(1)記載の軽油添加剤、(3) 該化合物
が、式(I)
炭素数10〜22の炭化水素基、少なくとも3個のヒド
ロキシル基、およびアミノ基を含む化合物を含有するこ
とを特徴とする軽油添加剤、(2) 該化合物が、分子
内に同一窒素原子に対してβ−位の炭素原子上に位置す
るヒドロキシル基を3個有するものであることを特徴と
する前記(1)記載の軽油添加剤、(3) 該化合物
が、式(I)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1 は炭素数10〜22の直鎖も
しくは分岐のアルキル基、炭素数10〜22の直鎖もし
くは分岐のアルケニル基、または炭素数10〜22のア
ラルキル基を示す。)で示されるものであることを特徴
とする前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(4)
該化合物が、式(II)
しくは分岐のアルキル基、炭素数10〜22の直鎖もし
くは分岐のアルケニル基、または炭素数10〜22のア
ラルキル基を示す。)で示されるものであることを特徴
とする前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(4)
該化合物が、式(II)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R2 は炭素数10〜22の直鎖も
しくは分岐のアルキル基、アルケニル基、またはアラル
キル基を示す。)で示されるものであることを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(5) 該
化合物が、式(III)
しくは分岐のアルキル基、アルケニル基、またはアラル
キル基を示す。)で示されるものであることを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(5) 該
化合物が、式(III)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R3 は炭素数10〜22の直鎖も
しくは分岐のアルキル基、アルケニル基、またはアラル
キル基を示す。)で示されるものであることを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(6) 前
記(1)〜(5)いずれか記載の化合物またはこれらの
混合物の含有量が、硫黄分0.2%以下の軽油100重
量部に対して0.001〜1重量部であることを特徴と
する軽油組成物、(7) 軽油中の硫黄分が0.05%
以下であることを特徴とする前記(6)記載の軽油組成
物、(8) 前記(6)又は(7)記載の軽油組成物を
用いて燃料噴射ポンプの摩耗を低減する方法、(9)
前記(6)又は(7)記載の軽油組成物を用いて燃料噴
射ノズルを清浄にする方法、に関する。
しくは分岐のアルキル基、アルケニル基、またはアラル
キル基を示す。)で示されるものであることを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の軽油添加剤、(6) 前
記(1)〜(5)いずれか記載の化合物またはこれらの
混合物の含有量が、硫黄分0.2%以下の軽油100重
量部に対して0.001〜1重量部であることを特徴と
する軽油組成物、(7) 軽油中の硫黄分が0.05%
以下であることを特徴とする前記(6)記載の軽油組成
物、(8) 前記(6)又は(7)記載の軽油組成物を
用いて燃料噴射ポンプの摩耗を低減する方法、(9)
前記(6)又は(7)記載の軽油組成物を用いて燃料噴
射ノズルを清浄にする方法、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の軽油添加剤は、分子内に炭素数10〜22の、
好ましくは10〜16の、特に好ましくは10〜12の
炭化水素基、アミノ基および少なくとも3個のヒドロキ
シル基を含む化合物であること、またはかかる化合物を
含有することを特徴とする。ここに、炭化水素基とは、
アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であっ
て、飽和もしくは不飽和のいずれでもよく、また直鎖状
もしくは分岐状のいずれでもよい。具体的には、デシル
基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、
ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、オクタデシル
基、イソオクタデシル基、オレイル基、リノール基、ド
コシル基、フェニルブチル基、フェニルオクチル基、フ
ェニルノニル基、フェニルドデシル基等が挙げられる。
ヒドロキシル基は分子内に少なくとも3個以上含まれる
必要があるが、これらの水酸基は窒素原子に対してβ−
位の炭素原子上に位置する構造を有していることが好ま
しく、従ってアミノ基の水素原子はいずれも、β−位に
水酸基を有するアルキル基、例えば−CH2 CH2 OH
基、−CH2 CH(OH)R基、−CH2 CH(OH)
−O−R基、−CH2 CH(OH)−OCOR基のよう
な基で置換されているものが好ましい。なお、分子内に
その他の水酸基が含まれていても金属接触面における摩
耗低減効果および燃料噴射ノズルの清浄効果を害さない
限り支障はない。本発明の軽油添加剤として使用しうる
化合物のうち特に好ましいものを挙げれば以下のとおり
である。
本発明の軽油添加剤は、分子内に炭素数10〜22の、
好ましくは10〜16の、特に好ましくは10〜12の
炭化水素基、アミノ基および少なくとも3個のヒドロキ
シル基を含む化合物であること、またはかかる化合物を
含有することを特徴とする。ここに、炭化水素基とは、
アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であっ
て、飽和もしくは不飽和のいずれでもよく、また直鎖状
もしくは分岐状のいずれでもよい。具体的には、デシル
基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、
ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、オクタデシル
基、イソオクタデシル基、オレイル基、リノール基、ド
コシル基、フェニルブチル基、フェニルオクチル基、フ
ェニルノニル基、フェニルドデシル基等が挙げられる。
ヒドロキシル基は分子内に少なくとも3個以上含まれる
必要があるが、これらの水酸基は窒素原子に対してβ−
位の炭素原子上に位置する構造を有していることが好ま
しく、従ってアミノ基の水素原子はいずれも、β−位に
水酸基を有するアルキル基、例えば−CH2 CH2 OH
基、−CH2 CH(OH)R基、−CH2 CH(OH)
−O−R基、−CH2 CH(OH)−OCOR基のよう
な基で置換されているものが好ましい。なお、分子内に
その他の水酸基が含まれていても金属接触面における摩
耗低減効果および燃料噴射ノズルの清浄効果を害さない
限り支障はない。本発明の軽油添加剤として使用しうる
化合物のうち特に好ましいものを挙げれば以下のとおり
である。
【0015】 一般式(I)
【0016】
【化7】
【0017】で示されるアミノヒドロキシ化合物が本発
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR1 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、デシル基、ドデシル基、イソトリデシ
ル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデ
シル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、オレイ
ル基、リノール基、ドコシル基、フェニルブチル基、フ
ェニルオクチル基、フェニルノニル基、フェニルドデシ
ル基等が挙げられる。一般式(I)で示される化合物の
具体例としては、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
ヒドロキシデシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシドデシルアミン、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ヒドロキシイソトリデシルアミ
ン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシテ
トラデシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2
−ヒドロキシヘキサデシルアミン、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)−2−ヒドロキシオクタデシルアミン、ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシイソオクタ
デシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒ
ドロキシオレイルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシリノレイルアミン、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−ヒドロキシドコシルアミン、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル
ブチルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒ
ドロキシフェニルオクチルアミン、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)−2−ヒドロキシフェニルノニルアミン、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル
ドデシルアミン等が挙げられる。
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR1 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、デシル基、ドデシル基、イソトリデシ
ル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデ
シル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、オレイ
ル基、リノール基、ドコシル基、フェニルブチル基、フ
ェニルオクチル基、フェニルノニル基、フェニルドデシ
ル基等が挙げられる。一般式(I)で示される化合物の
具体例としては、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
ヒドロキシデシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシドデシルアミン、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ヒドロキシイソトリデシルアミ
ン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシテ
トラデシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2
−ヒドロキシヘキサデシルアミン、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)−2−ヒドロキシオクタデシルアミン、ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシイソオクタ
デシルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒ
ドロキシオレイルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシリノレイルアミン、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−ヒドロキシドコシルアミン、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル
ブチルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒ
ドロキシフェニルオクチルアミン、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)−2−ヒドロキシフェニルノニルアミン、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル
ドデシルアミン等が挙げられる。
【0018】 一般式(II)
【0019】
【化8】
【0020】で示されるアミノヒドロキシ化合物が本発
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR2 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、R1 の例として掲げたものが挙げられ
る。一般式(II) で示される化合物の具体例としては、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロ
キシプロピルデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルドデシルエ
ーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2
−ヒドロキシプロピルイソトリデシルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシテ
トラデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルヘキサデシルエー
テル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−
ヒドロキシプロピルイソヘキサデシルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプ
ロピルオクタデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルイソオクタ
デシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ−2−ヒドロキシプロピルオレイルエーテル、3−
ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシ
プロピルリノレイルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルドコシルエ
ーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2
−ヒドロキシプロピルフェニルブチルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプ
ロピルフェニルオクチルエーテル、3−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルフェニ
ルノニルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アミノ−2−ヒドロキシプロピルフェニルドコシルエー
テル等が挙げられる。
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR2 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、R1 の例として掲げたものが挙げられ
る。一般式(II) で示される化合物の具体例としては、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロ
キシプロピルデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルドデシルエ
ーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2
−ヒドロキシプロピルイソトリデシルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシテ
トラデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルヘキサデシルエー
テル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−
ヒドロキシプロピルイソヘキサデシルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプ
ロピルオクタデシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルイソオクタ
デシルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ−2−ヒドロキシプロピルオレイルエーテル、3−
ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシ
プロピルリノレイルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルドコシルエ
ーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2
−ヒドロキシプロピルフェニルブチルエーテル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプ
ロピルフェニルオクチルエーテル、3−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ−2−ヒドロキシプロピルフェニ
ルノニルエーテル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アミノ−2−ヒドロキシプロピルフェニルドコシルエー
テル等が挙げられる。
【0021】 一般式(III)
【0022】
【化9】
【0023】で示されるアミノヒドロキシ化合物が本発
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR3 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、R1 の例として掲げたものが挙げられ
る。一般式(III)で示される化合物の具体例としては、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプ
ロピルデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)−2−ヒドロキシプロピルドデカン酸エステル、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプ
ロピルイソトリデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルテトラデカン
酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
ヒドロキシプロピルヘキサデカン酸エステル、3−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルイ
ソヘキサデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−2−ヒドロキシプロピルオクタデカン酸エス
テル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロ
キシプロピルイソオクタデカン酸エステル、3−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルオ
レイン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−2−ヒドロキシプロピルリノール酸エステル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピル
ドコサン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシプロピルフェニルブタン酸エステ
ル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキ
シプロピルフェニルオクタン酸エステル、3−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルフェニ
ルノナン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシプロピルフェニルドデカン酸エス
テル等が挙げられる。
明の軽油添加剤として好適である。上式中のR3 は、炭
素数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアルケニル基、炭素
数10〜22の直鎖もしくは分岐のアラルキル基であ
り、具体的には、R1 の例として掲げたものが挙げられ
る。一般式(III)で示される化合物の具体例としては、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプ
ロピルデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)−2−ヒドロキシプロピルドデカン酸エステル、
3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプ
ロピルイソトリデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルテトラデカン
酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
ヒドロキシプロピルヘキサデカン酸エステル、3−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルイ
ソヘキサデカン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−2−ヒドロキシプロピルオクタデカン酸エス
テル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロ
キシプロピルイソオクタデカン酸エステル、3−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルオ
レイン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−2−ヒドロキシプロピルリノール酸エステル、3−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピル
ドコサン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシプロピルフェニルブタン酸エステ
ル、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキ
シプロピルフェニルオクタン酸エステル、3−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピルフェニ
ルノナン酸エステル、3−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ヒドロキシプロピルフェニルドデカン酸エス
テル等が挙げられる。
【0024】上記のアミノヒドロキシ化合物を軽油添加
剤として使用する場合は、単独でも混合物としても用い
ることができる。
剤として使用する場合は、単独でも混合物としても用い
ることができる。
【0025】本発明の軽油添加剤として特に好適に用い
られる上記の化合物は、例えば下記の方法により製造す
ることができる。 一般式(I)、一般式(II) または一般式(III)で
示される化合物はすべて、同一の窒素原子に対してβ−
位の炭素原子上に位置する3個の水酸基を有するアミノ
ヒドロキシ化合物であって、例えば、一般式(IV) 、一
般式(V)または一般式(VI)
られる上記の化合物は、例えば下記の方法により製造す
ることができる。 一般式(I)、一般式(II) または一般式(III)で
示される化合物はすべて、同一の窒素原子に対してβ−
位の炭素原子上に位置する3個の水酸基を有するアミノ
ヒドロキシ化合物であって、例えば、一般式(IV) 、一
般式(V)または一般式(VI)
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】で示されるエポキシ化合物をジエタノール
アミンにより開環させてそれぞれ得ることができる。
アミンにより開環させてそれぞれ得ることができる。
【0030】一般式(IV) 中のR1 は、一般式(I)中
のR1 と同一の意義を表す。一般式(IV) で示される化
合物の具体例としては、R1 が直鎖のアルキル基の場合
は1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデ
カン、1,2−エポキシヘキサデカン等が挙げられ、ま
たR1 が分岐のアルキル基の場合は1,2−エポキシイ
ソデカン、1,2−エポキシイソトリデカン、1,2−
エポキシイソミリスチン等が挙げられる。R1 が直鎖の
アルケニル基の場合は1,2−エポキシ−9−オクタデ
セン、1,2−エポキシ−13−ドコセン等が、またR
1 が分岐のアルケニル基の場合は1,2−エポキシイソ
デセン、1,2−エポキシイソオクタデセン等が挙げら
れる。R1 がアラルキル基の場合は1,2−エポキシ−
フェニルオクタン、1,2−エポキシ−フェニルドデカ
ン等が挙げられる。
のR1 と同一の意義を表す。一般式(IV) で示される化
合物の具体例としては、R1 が直鎖のアルキル基の場合
は1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデ
カン、1,2−エポキシヘキサデカン等が挙げられ、ま
たR1 が分岐のアルキル基の場合は1,2−エポキシイ
ソデカン、1,2−エポキシイソトリデカン、1,2−
エポキシイソミリスチン等が挙げられる。R1 が直鎖の
アルケニル基の場合は1,2−エポキシ−9−オクタデ
セン、1,2−エポキシ−13−ドコセン等が、またR
1 が分岐のアルケニル基の場合は1,2−エポキシイソ
デセン、1,2−エポキシイソオクタデセン等が挙げら
れる。R1 がアラルキル基の場合は1,2−エポキシ−
フェニルオクタン、1,2−エポキシ−フェニルドデカ
ン等が挙げられる。
【0031】一般式(V)中のR2 は、一般式(II) 中
のR2 と同一の意義を表す。一般式(V)で示される化
合物の具体例としては、R2 が直鎖のアルキル基の場合
はデシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエ
ーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリ
シジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル等が
挙げられる。R2 が分岐のアルキル基の場合はイソデシ
ルグリシジルエーテル、イソトリデシルグリシジルエー
テル、イソミリスチルグリシジルエーテル等が挙げられ
る。R2 が直鎖のアルケニル基の場合はオレイルグリシ
ジルエーテル、ドコセニルグリシジルエーテル等が挙げ
られ、またR2 が分岐のアルケニル基の場合は1,2−
エポキシイソデセニルグリシジルエーテル、1,2−エ
ポキシドコセニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
R2 がアラルキル基の場合はフェニルブチルグリシジル
エーテル、フェニルオクチルグリシジルエーテル、フェ
ニルノニルグリシジルエーテル、フェニルドデシルグリ
シジルエーテル等が挙げられる。
のR2 と同一の意義を表す。一般式(V)で示される化
合物の具体例としては、R2 が直鎖のアルキル基の場合
はデシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエ
ーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリ
シジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル等が
挙げられる。R2 が分岐のアルキル基の場合はイソデシ
ルグリシジルエーテル、イソトリデシルグリシジルエー
テル、イソミリスチルグリシジルエーテル等が挙げられ
る。R2 が直鎖のアルケニル基の場合はオレイルグリシ
ジルエーテル、ドコセニルグリシジルエーテル等が挙げ
られ、またR2 が分岐のアルケニル基の場合は1,2−
エポキシイソデセニルグリシジルエーテル、1,2−エ
ポキシドコセニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
R2 がアラルキル基の場合はフェニルブチルグリシジル
エーテル、フェニルオクチルグリシジルエーテル、フェ
ニルノニルグリシジルエーテル、フェニルドデシルグリ
シジルエーテル等が挙げられる。
【0032】一般式(VI) 中のR3 は、一般式(III)中
のR3 と同一の意義を表す。一般式(VI)で示される化
合物の具体例としては、R3 が直鎖のアルキル基の場合
はウンデカン酸グリシジルエステル、ドデカン酸グリシ
ジルエステル(ラウリン酸グリシジルエステル)、テト
ラデカン酸グリシジルエステル(ミリスチン酸グリシジ
ルエステル)、ペンタデカン酸グリシジルエステル、ヘ
キサデカン酸グリシジルエステル(パルミチン酸グリシ
ジルエステル)等が挙げられる。R3 が分岐のアルキル
基の場合はイソデカン酸グリシジルエステル、イソトリ
デカン酸グリシジルエステル、イソミリスチン酸グリシ
ジルエステル等が挙げられる。R3 が直鎖のアルケニル
基の場合はオレイン酸グリシジルエステル、エイコ酸グ
リシジルエステル等が挙げられ、またR3 が分岐のアル
ケニル基の場合はイソデセン酸グリシジルエステル、イ
ソオクタデカン酸エステル等が挙げられる。またR3 が
アラルキル基の場合は6−フェニルブタン酸グリシジル
エステル、6−フェニルオクタン酸グリシジルエステ
ル、6−フェニルノナン酸グリシジルエステル等が挙げ
られる。
のR3 と同一の意義を表す。一般式(VI)で示される化
合物の具体例としては、R3 が直鎖のアルキル基の場合
はウンデカン酸グリシジルエステル、ドデカン酸グリシ
ジルエステル(ラウリン酸グリシジルエステル)、テト
ラデカン酸グリシジルエステル(ミリスチン酸グリシジ
ルエステル)、ペンタデカン酸グリシジルエステル、ヘ
キサデカン酸グリシジルエステル(パルミチン酸グリシ
ジルエステル)等が挙げられる。R3 が分岐のアルキル
基の場合はイソデカン酸グリシジルエステル、イソトリ
デカン酸グリシジルエステル、イソミリスチン酸グリシ
ジルエステル等が挙げられる。R3 が直鎖のアルケニル
基の場合はオレイン酸グリシジルエステル、エイコ酸グ
リシジルエステル等が挙げられ、またR3 が分岐のアル
ケニル基の場合はイソデセン酸グリシジルエステル、イ
ソオクタデカン酸エステル等が挙げられる。またR3 が
アラルキル基の場合は6−フェニルブタン酸グリシジル
エステル、6−フェニルオクタン酸グリシジルエステ
ル、6−フェニルノナン酸グリシジルエステル等が挙げ
られる。
【0033】上記のエポキシ化合物をジエタノールアミ
ンと反応させて一般式(I)、一般式(II) または一般
式(III)で示される化合物を製造するには、まず、原料
となるジエタノールアミンを80℃以下、好ましくは常
温以下の温度で撹拌し、これにエポキシ化合物を滴下す
る。この反応は特に触媒を必要としない。ここで、原料
エポキシ化合物が固体である場合は、エタノール、トル
エン、キシレン、ヘキサン等の溶媒に溶解して用いるこ
とができる。エポキシ化合物の滴下速度は特に限定され
るものではなく、温度が上記範囲となるように調整すれ
ばよい。エポキシ化合物の滴下後、3〜8時間熟成し、
その後、溶媒を用いた場合は減圧等によりこれを除去
(トッピング分離)すれば、目的のアミノヒドロキシ化
合物が得られる。
ンと反応させて一般式(I)、一般式(II) または一般
式(III)で示される化合物を製造するには、まず、原料
となるジエタノールアミンを80℃以下、好ましくは常
温以下の温度で撹拌し、これにエポキシ化合物を滴下す
る。この反応は特に触媒を必要としない。ここで、原料
エポキシ化合物が固体である場合は、エタノール、トル
エン、キシレン、ヘキサン等の溶媒に溶解して用いるこ
とができる。エポキシ化合物の滴下速度は特に限定され
るものではなく、温度が上記範囲となるように調整すれ
ばよい。エポキシ化合物の滴下後、3〜8時間熟成し、
その後、溶媒を用いた場合は減圧等によりこれを除去
(トッピング分離)すれば、目的のアミノヒドロキシ化
合物が得られる。
【0034】本発明の軽油添加剤の添加量は、特に限定
されないが、少なくとも軽油が金属表面に接触している
間に摩耗を抑制するのに充分な量で用いられる。具体的
には、本発明に用いられる化合物換算で、軽油100重
量部に対して0.001〜0.1重量部用いるのが望ま
しい。0.001重量部未満の場合は摩耗低減硬化が劣
り、逆に0.1重量部を越える場合は摩耗低減効果は頭
打ちとなり経済的に不利である。燃料噴射ノズルの清浄
性に関しては、ノズルを新品から使用し清浄性を維持す
る目的では、本発明に用いられる化合物換算で、軽油1
00重量部に対して0.001〜0.1重量部、好まし
くは0.005〜0.05重量部用いることが効果及び
経済性の観点から好ましい。ノズルが汚れがあり、汚れ
を除去するためには、軽油100重量部に対して0.0
5〜0.1重量部用いるのが望ましい。
されないが、少なくとも軽油が金属表面に接触している
間に摩耗を抑制するのに充分な量で用いられる。具体的
には、本発明に用いられる化合物換算で、軽油100重
量部に対して0.001〜0.1重量部用いるのが望ま
しい。0.001重量部未満の場合は摩耗低減硬化が劣
り、逆に0.1重量部を越える場合は摩耗低減効果は頭
打ちとなり経済的に不利である。燃料噴射ノズルの清浄
性に関しては、ノズルを新品から使用し清浄性を維持す
る目的では、本発明に用いられる化合物換算で、軽油1
00重量部に対して0.001〜0.1重量部、好まし
くは0.005〜0.05重量部用いることが効果及び
経済性の観点から好ましい。ノズルが汚れがあり、汚れ
を除去するためには、軽油100重量部に対して0.0
5〜0.1重量部用いるのが望ましい。
【0035】本発明の対象とする軽油としては、特に硫
黄分が0.2重量%以下の低硫黄軽油が好ましく用いら
れる。本発明で用いられる低硫黄軽油としては、原油を
常圧蒸留して得られる軽油留分を水素化脱硫装置によ
り、例えば高い反応温度で水素化脱硫する、高い水
素分圧で水素化脱硫する、高活性を有する水素化脱硫
触媒を使用する、等の方法により得られるものが挙げら
れるが、JIS K 2541記載の放射線式励起法による硫黄分
測定値が0.2重量%以下であれば、脱硫の方法は特に
限定されない。
黄分が0.2重量%以下の低硫黄軽油が好ましく用いら
れる。本発明で用いられる低硫黄軽油としては、原油を
常圧蒸留して得られる軽油留分を水素化脱硫装置によ
り、例えば高い反応温度で水素化脱硫する、高い水
素分圧で水素化脱硫する、高活性を有する水素化脱硫
触媒を使用する、等の方法により得られるものが挙げら
れるが、JIS K 2541記載の放射線式励起法による硫黄分
測定値が0.2重量%以下であれば、脱硫の方法は特に
限定されない。
【0036】本発明の軽油添加剤又は軽油組成物には、
種々の追加的添加剤が使用できる。これらには、抗酸化
剤、伝導性改良剤、金属不活性化剤、氷結抑制添加剤、
セタン改良剤、燃焼改良剤(煙防止剤を含む)、界面活
性/分散添加剤、吸気系統清浄剤、腐食抑制剤、抗乳化
剤、トップシリンダー潤滑剤、染料等が含まれる。抗酸
化剤の中では、フェノール系抗酸化剤の使用が好適であ
るが、他の軽油可溶抗酸化剤も使用できる。他の適切な
種類の抗酸化剤には、アミン系抗酸化剤、並びに他の同
様な物質が含まれる。抗酸化剤の量は、好ましくは軽油
組成物1000リットル当たり約2.8〜28グラムの
範囲である。しかし、必要に応じてはこの範囲を越えて
使用することもできる。伝導性改良剤は、軽油組成物の
伝導性を適切な範囲、例えばASTEM D-2624で測定して約
50〜600ps/m の範囲に上昇させるために軽油組成物に溶
解させる添加剤であるが、添加量としては、軽油組成物
1000リットル当たり約5〜50グラムの範囲が好ましい。
種々の追加的添加剤が使用できる。これらには、抗酸化
剤、伝導性改良剤、金属不活性化剤、氷結抑制添加剤、
セタン改良剤、燃焼改良剤(煙防止剤を含む)、界面活
性/分散添加剤、吸気系統清浄剤、腐食抑制剤、抗乳化
剤、トップシリンダー潤滑剤、染料等が含まれる。抗酸
化剤の中では、フェノール系抗酸化剤の使用が好適であ
るが、他の軽油可溶抗酸化剤も使用できる。他の適切な
種類の抗酸化剤には、アミン系抗酸化剤、並びに他の同
様な物質が含まれる。抗酸化剤の量は、好ましくは軽油
組成物1000リットル当たり約2.8〜28グラムの
範囲である。しかし、必要に応じてはこの範囲を越えて
使用することもできる。伝導性改良剤は、軽油組成物の
伝導性を適切な範囲、例えばASTEM D-2624で測定して約
50〜600ps/m の範囲に上昇させるために軽油組成物に溶
解させる添加剤であるが、添加量としては、軽油組成物
1000リットル当たり約5〜50グラムの範囲が好ましい。
【0037】本発明の化合物の作用機構は、次のように
考えられる。本発明の化合物OH基の存在により、当該
化合物が金属表面に吸着し、この吸着した化合物が潤滑
膜を形成し、摩擦低減効果を示すものと考えられ、分子
中にOH基を3個以上を有することが金属吸着に効果的
であり、特にOH基が窒素原子に対してβ−位の炭素原
子上に位置する構造を有し、金属に対するキレート形成
能を有することが金属表面吸着に効果的である。さらに
この構造は、OH基と窒素原子が共同して汚れと結合し
キレート化合物を形成して汚れを可溶化し分散させるこ
とにより、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルの清浄
効果が発揮されるものと考えられる。従って、窒素原子
に対してβ−位の炭素原子上に位置する水酸基を分子内
に多数有しているアミノヒドロキシ化合物程本発明の意
図する低硫黄軽油使用中の燃料噴射ポンプの摩耗低減効
果および燃料噴射ノズルの清浄効果が期待でき、本発明
に用いられる一般式(I)〜(III)で示される化合物の
ように一分子内に同一窒素原子に対してβ−位の炭素原
子上に位置する3個の水酸基を含むものは、優れた上記
の効果を発揮するものと考えられる。
考えられる。本発明の化合物OH基の存在により、当該
化合物が金属表面に吸着し、この吸着した化合物が潤滑
膜を形成し、摩擦低減効果を示すものと考えられ、分子
中にOH基を3個以上を有することが金属吸着に効果的
であり、特にOH基が窒素原子に対してβ−位の炭素原
子上に位置する構造を有し、金属に対するキレート形成
能を有することが金属表面吸着に効果的である。さらに
この構造は、OH基と窒素原子が共同して汚れと結合し
キレート化合物を形成して汚れを可溶化し分散させるこ
とにより、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルの清浄
効果が発揮されるものと考えられる。従って、窒素原子
に対してβ−位の炭素原子上に位置する水酸基を分子内
に多数有しているアミノヒドロキシ化合物程本発明の意
図する低硫黄軽油使用中の燃料噴射ポンプの摩耗低減効
果および燃料噴射ノズルの清浄効果が期待でき、本発明
に用いられる一般式(I)〜(III)で示される化合物の
ように一分子内に同一窒素原子に対してβ−位の炭素原
子上に位置する3個の水酸基を含むものは、優れた上記
の効果を発揮するものと考えられる。
【0038】本発明の添加剤は上記のような優れたこの
ような優れた摩耗防止効果を有しているので、軽油中の
硫黄分が0.05%以下において燃料噴射ポンプでの摩
耗を著しく低減することが可能である。
ような優れた摩耗防止効果を有しているので、軽油中の
硫黄分が0.05%以下において燃料噴射ポンプでの摩
耗を著しく低減することが可能である。
【0039】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例および試験例
により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らの実施例等によりなんら限定されるものではない。
により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0040】製造例1ジエタノールアミン1モルと1,2−エポキシドデカン
1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、1,2−エポキシドデカン156g
(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間6
0℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物1を得
た。
1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、1,2−エポキシドデカン156g
(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間6
0℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物1を得
た。
【0041】
【化13】
【0042】製造例2ジエタノールアミン1モルと1,2−エポキシヘキサデ
カン1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、1,2−エポキシヘキサデカン24
0g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物2を
得た。
カン1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、1,2−エポキシヘキサデカン24
0g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物2を
得た。
【0043】
【化14】
【0044】製造例3ジエタノールアミン1モルとドデシルグリシジルエーテ
ル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ドデシルグリシジルエーテル242
g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間
60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物3を得
た。
ル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ドデシルグリシジルエーテル242
g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間
60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物3を得
た。
【0045】
【化15】
【0046】製造例4ジエタノールアミン1モルとヘキサデシルグリシジルエ
ーテル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ヘキサデシルグリシジルエーテル2
98g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1
時間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物4
を得た。
ーテル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ヘキサデシルグリシジルエーテル2
98g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1
時間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物4
を得た。
【0047】
【化16】
【0048】製造例5ジエタノールアミン1モルとラウリン酸グリシジルエス
テル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ラウリン酸グリシジルエステル25
6g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物5を
得た。
テル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、ラウリン酸グリシジルエステル25
6g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物5を
得た。
【0049】
【化17】
【0050】製造例6ジエタノールアミン1モルとオレイン酸グリシジルエス
テル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、オレイン酸グリシジルエステル33
8g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物6を
得た。
テル1モルとの反応物の製造 ジエタノールアミン105g(1.0モル)を60℃に
加熱下攪拌しつつ、オレイン酸グリシジルエステル33
8g(1.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時
間60℃で攪拌反応させ下記の式で示される化合物6を
得た。
【0051】
【化18】
【0052】比較品1 市販オレイン酸モノグリセライド(太陽化学(株)製、
サンソフトNo.8070)を用いた。 モノグリセライド含量:90%以上(カタログによる)
サンソフトNo.8070)を用いた。 モノグリセライド含量:90%以上(カタログによる)
【0053】比較品2 市販オレイン酸アミド(花王(株)製)を用いた。
【0054】実施例1〜6、比較例1〜4(摩擦低減効
果評価) 本発明に用いられる化合物1〜6を、硫黄分が0.04
重量%の低硫黄軽油100重量部に対し表1に示す添加
量で配合して本発明の軽油組成物を調製し、シリンダー
使用ボール潤滑性評価試験として知られている標準試験
を行った。この試験操作はASTM D 5001-90である。この
試験では、スカー(scar)の直径測定を行い、スカー直径
が小さい程、添加剤は摩耗抑制に関してより有効であ
る。潤滑性試験を行うに先立って1か月間、この軽油組
成物が良好な貯蔵安定性を有することを確かめるため、
周囲光条件下25℃に保存し、すべての配合物で沈殿の
発生、酸化劣化及び変色等がないことを確認した。得ら
れた結果を表1に示す。この結果は本発明の軽油組成物
の耐摩耗特性を示す。本発明の軽油組成物のスカー直径
は0.39〜0.44mmであり、優れた耐摩耗特性を示
す。比較例として、本発明品を添加しないベース低硫黄
軽油及び硫黄分が0.2重量%の現在一般的に市販され
ている軽油についても評価した。その結果、無添加の場
合のスカー直径は各々0.65mm、0.82mmであり、
比較品1及び比較品2を用いた場合のスカー直径は0.
61mm、0.72mmであった。従って、本発明品の耐摩
耗特性が極めて優れていることが判明した。
果評価) 本発明に用いられる化合物1〜6を、硫黄分が0.04
重量%の低硫黄軽油100重量部に対し表1に示す添加
量で配合して本発明の軽油組成物を調製し、シリンダー
使用ボール潤滑性評価試験として知られている標準試験
を行った。この試験操作はASTM D 5001-90である。この
試験では、スカー(scar)の直径測定を行い、スカー直径
が小さい程、添加剤は摩耗抑制に関してより有効であ
る。潤滑性試験を行うに先立って1か月間、この軽油組
成物が良好な貯蔵安定性を有することを確かめるため、
周囲光条件下25℃に保存し、すべての配合物で沈殿の
発生、酸化劣化及び変色等がないことを確認した。得ら
れた結果を表1に示す。この結果は本発明の軽油組成物
の耐摩耗特性を示す。本発明の軽油組成物のスカー直径
は0.39〜0.44mmであり、優れた耐摩耗特性を示
す。比較例として、本発明品を添加しないベース低硫黄
軽油及び硫黄分が0.2重量%の現在一般的に市販され
ている軽油についても評価した。その結果、無添加の場
合のスカー直径は各々0.65mm、0.82mmであり、
比較品1及び比較品2を用いた場合のスカー直径は0.
61mm、0.72mmであった。従って、本発明品の耐摩
耗特性が極めて優れていることが判明した。
【0055】
【表1】
【0056】実施例7〜12、比較例5〜8 本発明に用いられる化合物1〜6の耐摩耗性を調べるた
めに、ASTM D 2670-81記載のFalex 試験を行った。実施
例1〜6で用いた本発明の軽油組成物にVブロックとピ
ンを浸し、無負荷で10分間回転し、続いて100 lbで5分
間予備回転した後、150 lbで3時間運転し、運転後のV
ブロックとピンの摩耗量を調べた。結果を表2に示す。
尚、試験温度は、開始時に25℃であったが、試験中は
摩擦熱により45〜50℃に上昇した。これに対し、本
発明の軽油組成物の摩耗量は15.7mg〜23.4mgで
あり、優れた耐摩耗特性を示す。比較例として、ベース
低硫黄軽油及び硫黄分が0.2重量%の現在一般的に市
販されている軽油について同様な試験を行った。その結
果(表2)、摩耗量38.0mg、32.3mgであり、比
較品1及び比較品2を用いた場合の摩耗量は29.3m
g、35.5mgであった。従って、本発明品は極めて優
れた耐摩耗特性を示すことが明らかである。
めに、ASTM D 2670-81記載のFalex 試験を行った。実施
例1〜6で用いた本発明の軽油組成物にVブロックとピ
ンを浸し、無負荷で10分間回転し、続いて100 lbで5分
間予備回転した後、150 lbで3時間運転し、運転後のV
ブロックとピンの摩耗量を調べた。結果を表2に示す。
尚、試験温度は、開始時に25℃であったが、試験中は
摩擦熱により45〜50℃に上昇した。これに対し、本
発明の軽油組成物の摩耗量は15.7mg〜23.4mgで
あり、優れた耐摩耗特性を示す。比較例として、ベース
低硫黄軽油及び硫黄分が0.2重量%の現在一般的に市
販されている軽油について同様な試験を行った。その結
果(表2)、摩耗量38.0mg、32.3mgであり、比
較品1及び比較品2を用いた場合の摩耗量は29.3m
g、35.5mgであった。従って、本発明品は極めて優
れた耐摩耗特性を示すことが明らかである。
【0057】
【表2】
【0058】実施例13〜18、比較例9〜12 化合物1〜6の耐摩耗性をさらに確認するために、曽田
式振り子試験を行った。実施例1〜6で用いた組成物に
球とピンを浸し、振り子の減衰率から得られる摩擦係数
の測定結果を表3に示す。摩擦係数が低い程、潤滑性が
優れており、耐摩耗性が向上する。尚、試験温度は、2
5℃であった。本発明の軽油組成物の摩擦係数は0.1
99〜0.217であり、優れた潤滑性を示す。比較例
として、ベース低硫黄軽油及び硫黄分が0.2重量%の
現在一般的に市販されている軽油についても評価したと
ころ、各々の摩擦係数は0.358、0.325であっ
た。また比較品1及び比較品2を用いた場合の摩擦係数
は0.291、0.319であった。従って、本発明品
は潤滑性に優れ、耐摩耗性に優れていることが分かる。
式振り子試験を行った。実施例1〜6で用いた組成物に
球とピンを浸し、振り子の減衰率から得られる摩擦係数
の測定結果を表3に示す。摩擦係数が低い程、潤滑性が
優れており、耐摩耗性が向上する。尚、試験温度は、2
5℃であった。本発明の軽油組成物の摩擦係数は0.1
99〜0.217であり、優れた潤滑性を示す。比較例
として、ベース低硫黄軽油及び硫黄分が0.2重量%の
現在一般的に市販されている軽油についても評価したと
ころ、各々の摩擦係数は0.358、0.325であっ
た。また比較品1及び比較品2を用いた場合の摩擦係数
は0.291、0.319であった。従って、本発明品
は潤滑性に優れ、耐摩耗性に優れていることが分かる。
【0059】
【表3】
【0060】実施例19〜24、比較例13〜15(清
浄性効果評価試験) 化合物1〜6について、ディーゼルインジェクターノズ
ル部のコーキング物の清浄性能を、次の方法で評価し
た。即ち、化合物1〜6及び比較品1、比較品2を市販
軽油に0.5重量%添加した燃料油を使用して、市街地
を実車走行した。実車走行後のインジェクターノズルに
ついて、ニードルリフト量0.2mmの場合の空気流量
に対する比率を下記式で算出することにより、ノズル部
のコーキング物の清浄能力を評価した。 空気流量比=洗浄試験前又は洗浄試験後の空気流量/新
品インジェクターノズルの空気流量×100 上記の方法で試験したインジェクターノズルの清浄能力
の結果を表4に示す。尚、テスト車はトヨタカローラバ
ンを用いた。
浄性効果評価試験) 化合物1〜6について、ディーゼルインジェクターノズ
ル部のコーキング物の清浄性能を、次の方法で評価し
た。即ち、化合物1〜6及び比較品1、比較品2を市販
軽油に0.5重量%添加した燃料油を使用して、市街地
を実車走行した。実車走行後のインジェクターノズルに
ついて、ニードルリフト量0.2mmの場合の空気流量
に対する比率を下記式で算出することにより、ノズル部
のコーキング物の清浄能力を評価した。 空気流量比=洗浄試験前又は洗浄試験後の空気流量/新
品インジェクターノズルの空気流量×100 上記の方法で試験したインジェクターノズルの清浄能力
の結果を表4に示す。尚、テスト車はトヨタカローラバ
ンを用いた。
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明の軽油組成物を用いることによ
り、硫黄含量が0.2%以下の燃料ポンプ摩耗が起こり
やすい軽油を用いた場合の燃料ポンプ摩耗の低減、及び
ディーゼルエンジンの噴射ノズルの清浄を行うことがで
きる。本発明の効果は、従来技術になかった低硫黄軽油
使用時の燃料噴射ポンプの摩耗防止、及びディーゼルエ
ンジンの使用に伴い燃料噴射ノズルの汚れの清浄の機能
を同時に満足させることである。
り、硫黄含量が0.2%以下の燃料ポンプ摩耗が起こり
やすい軽油を用いた場合の燃料ポンプ摩耗の低減、及び
ディーゼルエンジンの噴射ノズルの清浄を行うことがで
きる。本発明の効果は、従来技術になかった低硫黄軽油
使用時の燃料噴射ポンプの摩耗防止、及びディーゼルエ
ンジンの使用に伴い燃料噴射ノズルの汚れの清浄の機能
を同時に満足させることである。
Claims (9)
- 【請求項1】 分子内に炭素数10〜22の炭化水素
基、少なくとも3個のヒドロキシル基、およびアミノ基
を含む化合物を含有することを特徴とする軽油添加剤。 - 【請求項2】 該化合物が、分子内に同一窒素原子に対
してβ−位の炭素原子上に位置するヒドロキシル基を3
個有するものであることを特徴とする請求項1記載の軽
油添加剤。 - 【請求項3】 該化合物が、式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数10〜22の直鎖もしくは分岐の
アルキル基、炭素数10〜22の直鎖もしくは分岐のア
ルケニル基、または炭素数10〜22のアラルキル基を
示す。)で示されるものであることを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の軽油添加剤。 - 【請求項4】 該化合物が、式(II) 【化2】 (式中、R2 は炭素数10〜22の直鎖もしくは分岐の
アルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示
す。)で示されるものであることを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の軽油添加剤。 - 【請求項5】 該化合物が、式(III) 【化3】 (式中、R3 は炭素数10〜22の直鎖もしくは分岐の
アルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示
す。)で示されるものであることを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の軽油添加剤。 - 【請求項6】 請求項1〜請求項5いずれか1項に記載
の化合物またはこれらの混合物の含有量が、硫黄分0.
2%以下の軽油100重量部に対して0.001〜1重
量部であることを特徴とする軽油組成物。 - 【請求項7】 軽油中の硫黄分が0.05%以下である
ことを特徴とする請求項6記載の軽油組成物。 - 【請求項8】 請求項6又は請求項7記載の軽油組成物
を用いて燃料噴射ポンプの摩耗を低減する方法。 - 【請求項9】 請求項6又は請求項7記載の軽油組成物
を用いて燃料噴射ノズルを清浄にする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4834896A JPH09217071A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 軽油添加剤及び軽油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4834896A JPH09217071A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 軽油添加剤及び軽油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09217071A true JPH09217071A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12800885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4834896A Pending JPH09217071A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 軽油添加剤及び軽油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09217071A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100904567B1 (ko) * | 1998-04-27 | 2009-06-25 | 텍사스 인스트루먼츠 인코포레이티드 | 코드 획득이 가속된 확산 스펙트럼 통신 |
-
1996
- 1996-02-09 JP JP4834896A patent/JPH09217071A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100904567B1 (ko) * | 1998-04-27 | 2009-06-25 | 텍사스 인스트루먼츠 인코포레이티드 | 코드 획득이 가속된 확산 스펙트럼 통신 |
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