JPH09216095A - 溶接スラグ自動除去装置 - Google Patents

溶接スラグ自動除去装置

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JPH09216095A
JPH09216095A JP4562196A JP4562196A JPH09216095A JP H09216095 A JPH09216095 A JP H09216095A JP 4562196 A JP4562196 A JP 4562196A JP 4562196 A JP4562196 A JP 4562196A JP H09216095 A JPH09216095 A JP H09216095A
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JP
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welding slag
welding
chisel
bead
slag removing
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JP4562196A
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Inventor
Hirotake Sano
博丈 佐野
Yuji Suzuki
雄二 鈴木
Kazuo Nagatomo
和男 長友
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Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接の各パス終了後においてビード表面に固
着している溶接スラグを、溶接の進行に同期して自動除
去する。 【解決手段】 エア駆動によるタガネを用いた溶接スラ
グ除去装置において、溶接走行台車と溶接スラグ除去走
行台車とを同期状態で走行させる連結ア−ムを取り付
け、前記溶接スラグ除去走行台車に溶接スラグ除去機本
体とビ−ド表面倣い用変位検出器とをタガネ位置調整装
置を介して設置し、前記表面倣い用検出器でビ−ド表面
の凹凸または高さ状態を検出し、該検出信号にもとづい
て前記タガネ位置調整装置のストロ−ク調整を行いなが
ら溶接スラグ除去に適した位置に前記溶接スラグ除去機
本体のタガネを保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接の各パス終了
後においてビード表面に固着している溶接スラグを自動
除去する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶接後の溶接スラグ除去作業において、
現状では主に作業者の手作業であり、半自動タイプのエ
ア駆動によるタガネを用いて作業を行う。しかしながら
このような方法は作業者にエア駆動によるタガネの振動
が手に伝わったり、溶接スラグが飛散するなど安全衛生
上良くない。さらに、溶接長が長い場合や溶接姿勢が立
向、横向等の場合には作業者への負担は増大する一方で
ある。
【0003】そこで、このような問題を解決するため溶
接スラグを自動的に除去する試みがなされている。例え
ば、特開昭56−30093号はエア駆動によるタガネ
を搭載した装置を固定し、溶接用ワークを回転させ溶接
スラグを除去する方法、また、実公平7−13915号
は丸材周継手の自動溶接スラグ除去装置に関するもの
で、溶接を行う回転テーブルを動かし、溶接スラグを除
去する装置が提案されている。
【0004】しかし、上記例によるとビード表面高さに
応じてタガネの位置を調整する機構がない。例えば横向
溶接の溶接ビードの凹凸部の変位は大きい場合で5mm
程度あるが、これに対して細いロッドを束ねた形態の針
状タガネが適正に作動できる範囲は±1mmと非常に狭
い。そのため、針状タガネ先端部の一部が凹部の溶接ス
ラグ除去を適切に行っている場合、凸部に当たる針状タ
ガネは振動できなくなり、適切な溶接スラグ除去が行え
ない。逆に、針状タガネ先端部の一部が凸部の溶接スラ
グ除去を適切に行っている場合、凹部に針状タガネの先
端が届かず、適切な溶接スラグ除去が行えないといった
問題点がある。
【0005】また、タガネの溶接スラグ除去力可変機構
が無いため、多層盛り溶接の場合、初・中間層と最終層
とでは同一の力で溶接スラグ除去を行うことになる。特
に狭開先の場合、最終層の溶接スラグ除去力に比べ開先
内の溶接スラグ除去力は強い力が必要であり、同一の力
で行うと、初・中間層で力不足による溶接スラグ除去不
足、もしくは、最終層での力過大による溶接ビード表面
傷が起こる。これらは、溶接スラグ巻き込みや溶接ビー
ド外観を損なうといった問題につながる。また、上記装
置は、溶接用ワークが回転可能でなければならない。ま
た回転テーブル上に設置してあるため、立向、横向等の
溶接姿勢には使用不可能といった不便さがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは、上記のような従来の問題点を解消して、
溶接ビードの凹凸に対して常にタガネ先端部が適切な溶
接スラグ除去を行え、初・中間層での溶接スラグ除去力
不足、最終層での溶接スラグ除去力過大を無くし、溶接
スラグ巻き込みや溶接ビード外観を損なわない良好な溶
接スラグ除去を行うことにある。また、溶接走行台車へ
の着脱を簡易化し、下向、横向、立向等の自動溶接機で
あれば、自動溶接スラグ除去が行えることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、エア駆動によるタガネを用いた溶接
スラグ除去装置において、溶接走行台車と溶接スラグ除
去走行台車とを同期状態で走行させる連結ア−ムを取り
付け、前記溶接スラグ除去走行台車に溶接スラグ除去機
本体とビ−ド表面倣い用変位検出器とをタガネ位置調整
装置を介して設置し、前記表面倣い用検出器でビ−ド表
面の凹凸または高さ状態を検出し、該検出信号にもとづ
いて前記タガネ位置調整装置のストロ−ク調整を行いな
がら溶接スラグ除去に適した位置に前記溶接スラグ除去
機本体のタガネを保持させることを特徴とする溶接スラ
グ自動除去装置である。またここにおいて、溶接スラグ
除去機本体をビード幅方向に1台または複数台備え、か
つビード幅方向に対して前記溶接スラグ除去機本体を揺
動させるタガネ揺動機を設けること、ビードの積層に応
じてタガネの溶接スラグ除去圧力および流量を切り替え
調整する溶接スラグ除去圧力設定器および溶接スラグ除
去流量設定器を備えることも特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下の図によって、例えば横向自
動溶接機の走行台車へ取り付け、溶接スラグ除去を行う
場合の本発明例を詳細に説明する。図1、図2はそれぞ
れ溶接スラグ自動除去装置の機構を示す側面図、正面
図、図3は溶接スラグ除去機の機構を示す図、図4は溶
接スラグ除去の圧力・流量制御ユニットの系統を説明す
る図である。
【0009】図3に示す溶接スラグ除去機の機構は、A
から流れてきたエアが配管7を通ってエア駆動による振
動発生機3に入り、細いロッドを束ねた形態の針状タガ
ネ4を板厚方向に振動させる。Bから流れてきたエアは
タガネ位置調整用シリンダ6に入り、振動発生機3をス
ライドさせる。溶接スラグ17(図1)の表面の自動倣
いを行うために、溶接スラグ除去機本体1のサイドにビ
−ド表面倣い用変位検出器2が設置されている。ビ−ド
表面倣い用変位検出器2は接触式で溶接スラグ17の表
面の変位を電圧信号に変換し、その信号を基にタガネ位
置調整用シリンダ6のストローク位置の変更を行い、溶
接スラグ17の表面を倣って適切に溶接スラグの除去を
行う。なお図中9は排気管である。
【0010】図1および図2に示す溶接スラグ除去装置
の機構は、鋼板15に溶接走行台車用レール19が図1
に示すマグネット20により取り付けてある。この溶接
走行台車用レール19に車輪21を噛み合わせて、取り
付けレバー23により溶接スラグ除去走行台車28を取
り付ける。図2に示す連結アーム34を介して溶接走行
台車33側はマグネット35で、溶接スラグ除去走行台
車28側はフック22で双方の台車を連結し、溶接走行
台車用レール19に沿って同時に移動する。
【0011】図1に示す溶接ビード16の表面に付着し
た溶接スラグ17を除去するために、溶接スラグ除去装
置本体1の狙い位置を調整できるように図1、図2に示
す上下位置調整レバー24、板厚方向位置調整レバー2
5、揺動幅調整レバー26、角度調整レバー27を設け
ている。これらのレバーにより溶接スラグ除去機本体1
を適切な溶接スラグ除去を行う位置に合わせる。なお、
図1に示す揺動機30の機構は、揺動モータ29により
偏心軸31が回転し揺動軸32に動力を伝え、溶接スラ
グ除去機全体をビード幅方向に揺動させる。
【0012】図4に示す溶接スラグ除去の圧力・流量制
御ユニット本体56の構造は、まず、エアコンプレッサ
40から手動バルブ44を介しエアを供給する。溶接ビ
ードの初層および中間層の溶接スラグ除去制御圧力P、
溶接スラグ除去制御流量Qの調整は、圧力計45の圧力
調整つまみ45A、流量計46の流量調整つまみ46A
で調整する。溶接ビードの最終層の溶接スラグ除去制御
圧力P、溶接スラグ除去制御流量Qの調整は、圧力計5
7の調整つまみ57A、流量計58の調整つまみ58A
で調整する。
【0013】溶接ビードの初層・中間層および最終層の
溶接スラグ除去制御圧力P、溶接スラグ除去制御流量Q
の初期調整を行う時は、自動開閉弁47、50を開き、
配管を通って排気口52からエアを放出させる機構によ
り、エア駆動によるタガネを作動させずに調整が行え
る。適正な溶接スラグ除去制御圧力P、溶接スラグ除去
制御流量Qに調整したエアは自動開閉弁50を閉じ自動
開閉弁51を開くことによって、配管7を通ってAに流
れる。
【0014】一方、手動バルブ44から分岐された配管
53は圧力・流量コントローラ54に接続している。圧
力・流量コントローラ54は、針状タガネ4が溶接スラ
グ17の表面を倣って、適切に溶接スラグ除去させるた
めに設けたもので、自動開閉弁49を開くことでエアが
Bに流れる。
【0015】溶接線方向のビード高さおよび凹凸の変位
について図5および図6を用いて自動溶接スラグ除去制
御動作を説明する。図1、図2の上下方向、板厚方向、
角度調整レバー24、25、27によりエア駆動による
タガネを図5(b)の適切に溶接スラグ除去の行えるL
2 の位置に合わせる。溶接スラグ除去は、溶接走行台車
33の走行に連動させてエア駆動によるタガネを同時に
作動させる。
【0016】走行中のビード表面の凹凸や高さの変化か
ら図5(a)のように、針状タガネ4の先端と溶接スラ
グ17の表面との距離が近づきすぎるとタガネを振動さ
せるストロ−クが短くなり、スラグ除去に必要な除去力
が徐々に低下してしまう。また、図5(c)のような場
合には針状タガネ4の先端と溶接スラグ17の表面がL
3 のように離れすぎ、溶接スラグ表面に針状タガネの先
端が接触できずスラグ除去ができなくなる。適正なスラ
グ除去が行える針状タガネ4の接触距離範囲は溶接スラ
グ表面に対して約±1mmと非常に狭い。従って、ビー
ド表面の凹凸の変位に応じて針状タガネ4を適切な溶接
スラグ除去位置に保持しなければならない。
【0017】図5(a)〜(c)のような場合における
制御方法について、図6に示すブロック図を用いて説明
する。溶接スラグ除去機本体1に備えたビ−ド表面倣い
用変位検出器2のロッド部5で溶接スラグ17の表面の
接触状態(加圧状態)を検出させる。図5(a)の場合
では、ロッド部5が徐々に押し込まれ、プラス側の電圧
信号を出力する。この電圧信号が基準電圧判別器60に
転送され、あらかじめ設定しておいた上限しきい値を所
定時間超えると制御が働き、圧力・流量コントローラ5
4が作動して図3のBに流れる圧力を減圧する。これに
よりタガネ位置調整用シリンダ6のストローク動作が働
き、エア駆動による振動発生機3を板厚方向で手前に移
動させて、図5(b)のようにL2 を保つ適正スラグ除
去状態に制御する。
【0018】図5(c)は、針状タガネ4の先端10と
溶接スラグ17の表面との距離が遠くなりスラグ除去が
徐々に届かなくなる場合を示している。この時ビ−ド表
面倣い用変位検出器2のロッド部5は、徐々に延びてき
てマイナスの電圧信号を出力する。この電圧信号があら
かじめ設定しておいた下限しきい値を所定時間超えると
制御が働き、図4に示す圧力・流量コントローラ54が
作動して図3のBに流れる圧力を増圧する。これにより
タガネ位置調整用シリンダ6のストローク動作が働き、
振動発生機3を溶接スラグ17の表面に向けて押し込む
ように移動させ、図5(b)のようにL2 を保つ適正ス
ラグ除去状態に制御する。このように、走行中のビード
の凹凸や高さの変化に応じて、溶接スラグ除去機本体1
を適切な溶接スラグ除去位置に保持することができる。
【0019】ビード幅方向のビード高さおよび凹凸の変
位について ビード幅が広く1台の針状タガネ4では除去できない場
合、図7に示すように、複数台の振動発生機3をビード
幅方向に取付けるか、あるいは、図8に示すように、タ
ガネ揺動機構により振動発生機3をビード幅方向に揺動
18させる。
【0020】複数台ビード幅方向に取付ける場合 図7に示す横向きビードは特にビードの上止端部、中央
部、下止端部にかけて凹凸があり、図1、図2に示す上
下方向、前後方向、角度調整レバー24、25、27に
より1台1台の振動発生機3をスラグ除去前に適切な溶
接スラグ除去位置に設定しなければならない。また、図
5(a)、(b)、(c)に示したように走行中のビー
ド表面の凹凸や高さの変位に対しても、1台1台の振動
発生機3を適切なスラグ除去位置に調整しなければなら
ない。
【0021】このような場合に、ビ−ド表面倣い用変位
検出器2を備えた溶接スラグ除去機本体1を用いること
により、1台1台のロッド部5が針状タガネ4の先端と
溶接スラグ17の表面との距離の変化に応じて、この電
圧信号があらかじめ設定しておいた下限しきい値(上限
しきい値)を所定時間超えると制御が働き、図4に示す
圧力・流量コントローラ54の作動により、図3のBに
流れる圧力を増圧(減圧)する。これによりタガネ位置
調整用シリンダ6のストローク動作が働き、各々の振動
発生機3をスラグ除去走行中に図5(b)のL2 を保つ
適正スラグ除去状態に制御する。
【0022】タガネをビード幅方向に揺動させる場合 図8のようにビ−ド幅が広い場合、針状タガネ4を揺動
させることができる。この揺動過程で実線で示した針状
タガネ4の位置で適切に溶接スラグ除去を行い、揺動に
より破線で示した針状タガネ4Aの位置に向かって徐々
に振動発生機3を移動させた時、針状タガネの動きとし
ては、4と4Aの中間位置あたりから針状タガネ4の先
端と溶接スラグ17の表面との距離が近づき、このまま
の状態では振動ストロ−ク不足から徐々に除去力の低下
が起こる。この除去力の低下を防ぎ、揺動時どの箇所に
移動しても図5(b)のL2 状態を保てるように、ビ−
ド表面倣い用変位検出器2のロッド部5の変位検出を揺
動時にも利用し、あらかじめ設定しておいた上限、下限
しきい値を所定時間超えると針状タガネが溶接スラグ1
7の表面に対し、前後に移動して溶接スラグ表面の凹凸
に沿って倣いながらスラグの除去を行う。この制御によ
りビ−ド幅方向が広くても溶接スラグ表面全域のスラグ
除去を良好に行うことができる。
【0023】初層・中間層と最終層での溶接スラグ除去
力調整について 図9(a)、(b)、(c)はそれぞれ初層、中間層、
最終層溶接終了後を示す溶接部の断面図である。溶接ス
ラグはビードの止端部に溜まり易く、図9(a)、
(b)のそれぞれ初層、中間層における開先内の止端部
溶接スラグが原因となって、次層溶接で溶接スラグ巻き
込みや溶込み不良を生じる場合があり、溶接スラグを充
分除去する必要がある。このため、溶接スラグ除去制御
圧力Pや溶接スラグ除去制御流量Qを高く調整し溶接ス
ラグ除去力を強くする。しかし、図9(c)の最終層で
は止端部溶接スラグが開先外となるので、溶接スラグ除
去は初・中間層に比べ容易であるが、ビード外観にタガ
ネの打痕を残さないように溶接スラグ除去を行うことが
必要である。したがって、溶接スラグ除去制御圧力Pや
溶接スラグ除去制御流量Qを低く調整し溶接スラグ除去
力を弱くする。
【0024】図4における初層・中間層の溶接スラグ除
去制御圧力P、溶接スラグ除去制御流量Qの調整は、圧
力計45の圧力調整つまみ45A、流量計46の流量調
整つまみ46Aで調整し、溶接ビードの最終層の溶接ス
ラグ除去制御圧力P、溶接スラグ除去制御流量Qの調整
は、圧力計57の圧力調整つまみ57A、流量計58の
流量調整つまみ58Aで調整する。初層・中間層と最終
層の切り換えは自動開閉弁47、48を用いて、図には
示していないが、自動溶接機の制御盤からの指令かある
いは手動切り換えスイッチにて行う。なお、複数台の振
動発生機を用いる場合は、図4の圧力計45、57、流
量計46、58、自動開閉弁47、48を各振動発生機
台数分用意する。
【0025】また、図3に示すビ−ド表面倣い用変位検
出器2として、ポテンショメータ、レーザ変位計、電磁
変位計、超音波変位計などの距離を測定できる検出器で
あれば、原理手段は限定されない。さらに、変位検出器
の代わりに、ロードセルなど荷重検出器を用いて一定荷
重でタガネをビードに押し当てるように制御してもビー
ド表面を自動倣い制御をすることが可能である。
【0026】図4の圧力・流量コントローラ54にはエ
アを供給するためのエアコンプレッサ40の他に外部か
らエアを供給するための供給配管41が設置してある。
エアの供給はエアコンプレッサ40または供給配管41
からのどちらにも対応でき、エア供給を行う際にエアが
逆流しないように逆止弁42、43を設けている。例え
ばエアコンプレッサ40を使用している時、供給配管4
7側に流出分配しないようにしている。また、本体56
は車輪55によって移動可能となっている。
【0027】以上、図面に基づいて本発明例を詳細に説
明したが、これは代表例であって本発明を限定する性質
のものでなく、説明した技術思想内での変更の範囲は本
発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】
【実施例】横向自動溶接機により1層目(初層・中間
層)ガスシールドアーク溶接法、2層目(最終層)エレ
クトロガス溶接法で溶接した、本発明のエア駆動による
タガネを用いた溶接スラグ自動除去装置および方法によ
る実施例について説明する。
【0029】溶接に使用した試験板はレ型開先、板厚3
0mm、ギャップ8mm、長さ1500mmで、1層目
溶接電流200〜360A、溶接電圧19〜30V、2
層目溶接電流390A、溶接電圧33V、使用溶材とし
てフラックス入りワイヤを用いて溶接を行った。溶接ス
ラグ除去に使用した装置は図1ないし図4に示したもの
である。
【0030】ビ−ド表面倣い用変位検出器2は変位1m
m当たり1Vの電圧信号を出力するように設定したもの
を用いた。また、ビ−ド表面倣い用変位検出器2の代わ
りに荷重検出器も用いた。この場合は、1mm当たりの
荷重が0.1kgf程度なので、荷重0.1Kgfで1
Vの電圧信号を出力するように設定し、ビ−ド表面倣い
用変位検出器との比較が容易に行えるようにした。
【0031】溶接スラグ除去の評価は、1500mm長
さの溶接ビードにおいて96%以上除去できたものを良
好とし、95%以下のものを不良とした。なお、測定方
法は,溶接スラグ除去後のビード外観を写真撮影し、面
積比により行なった。また、最終層のビード外観評価は
1cm2 の溶接ビードにおいて0.5mm以上の深さの
ある針状タガネによる打痕が1個以下のものを良好と
し、2個以上のものを不良と評価した。
【0032】実施例1 1層目(初層・中間層)の下部の止端部の溶接スラグ除
去について、1台の溶接スラグ除去機1を用い、台車走
行時に溶接ビード凹凸に対して常に針状タガネ4の先端
部が適切な位置に制御でき、溶接スラグ除去を行えるか
確認を行った。
【0033】図1および図2に示す上下方向、板厚方
向、角度の各調整レバー24、25、27により手動で
適切な溶接スラグ除去を行える位置に調整した。この時
の適切な溶接スラグ除去を行える位置とは、タガネ4の
先端部が溶接スラグ表面に対し、丁度触れた位置から若
干押しつけた位置であり、この範囲をビード表面倣い用
変位検出器2の検出用電圧に置き換え、下限検出しきい
値を−1V、上限しきい値を1Vと設定した。また、検
出時間は1秒とし、1回の振動発生機の奥手前移動距離
を0.5mmの条件で行った。
【0034】溶接スラグ除去制御圧力Pと溶接スラグ除
去制御流量Qは圧力計45の圧力調整つまみ45Aと流
量計46の流量調整つまみ46Aを調整し、P=8kg
f/cm2 、Q=100リットル/minとした。ま
た、走行台車の速度は20cm/minとした。
【0035】その結果、上限検出しきい値1Vを超えた
検出用電圧が連続1秒検出された箇所において、振動発
生機3が0.5mm後退し、逆に下限検出しきい値−1
Vを超えた場合は0.5mm前進し、針状タガネ4の先
端部が適切な溶接スラグ除去を行える位置に制御するこ
とができた。また、初層における溶接スラグ除去および
ビ−ド外観の評価は共に良好であった。
【0036】実施例2 2層目(最終層)の溶接スラグ除去について、複数台の
振動発生機3を用い、台車走行時にビード幅方向と走行
方向の凹凸に対して、常に針状タガネ4の先端部が適切
な位置に制御でき、溶接スラグ除去を行えるか確認を行
った。
【0037】図1および図2に示す上下方向、板厚方
向、角度の各調整レバー24、25、27により手動で
適切な溶接スラグ除去を行える位置に調整した。1台1
台の振動発生機3は図3のタガネ位置調整用シリンダ6
のストロークを調整し、板厚方向にスライドし、適切な
溶接スラグ除去位置に設定した。
【0038】この例においてはビ−ド表面倣い用変位検
出器の代わりに荷重検出器を用いた。この時の適切な溶
接スラグ除去を行える荷重とは、針状タガネ4の先端部
が溶接スラグ表面に対し、丁度触れた荷重から若干押し
つけた荷重であり、この範囲を荷重検出器の検出電圧で
下限検出しきい値を−1V、上限しきい値を1Vと設定
した。また、検出時間は1秒とし、1回の振動発生機の
奥手前移動距離を0.5mmの条件で行った。溶接スラ
グ除去制御圧力Pと溶接スラグ除去制御流量Qは実施例
1と同じ条件とし、走行台車の速度は20cm/min
とした。
【0039】その結果、ビード幅全体の溶接スラグ除去
およびビード外観の評価は共に良好で、荷重検出器を用
いてもビ−ド表面倣い用変位検出器と同等なスラグ除去
を行うことができた。
【0040】実施例3 揺動機構に取り付けた溶接スラグ除去機1を用い、1層
目(初層・中間層)、2層目(最終層)の溶接スラグ除
去について連続的に行った。初層・中間層の溶接スラグ
除去制御圧力Pと溶接スラグ除去制御流量Qは図4に示
した圧力計45の圧力調整つまみ45Aと流量計46の
流量調整つまみ46Aを調整し、P=8kgf/cm
2 、Q=100リットル/minとし、最終層は圧力計
57の圧力調整つまみ57Aと流量計58の流量調整つ
まみ58AでP=5kgf/cm2、Q=60リットル
/minに調整した。また初・中間層および最終層の振
動発生機3の揺動幅はそれぞれ10mmおよび20m
m、揺動回数をそれぞれ15回/minおよび30回/
minとし、図には記載していない制御盤にてあらかじ
め設定した。また、走行台車は、溶接台車の後方に連結
した。
【0041】図1および図2に示す上下方向、板厚方
向、揺動幅、角度の各調整レバー24、25、26、2
7により手動で適切な溶接スラグ除去を行える位置に調
整した。振動発生機3の制御条件(変位検出器の上限、
下限検出しきい値と検出時間、移動距離)は実施例1と
同じ条件とし、初層、中間層、最終層の溶接と溶接スラ
グ除去を自動で行った。
【0042】溶接スラグ除去評価は各層毎に溶接と溶接
スラグ除去を停止して行った結果、極めて良好であっ
た。また、最終層のビード外観についても良好であっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明のエア駆動によるタガネを用いた
溶接スラグ除去装置は、今まで手作業で行っていた作業
者の負担を大幅に軽減することができ、溶接スラグ除去
不足による溶接スラグ巻き込みや、タガネの打痕による
溶接ビード表面の傷による外観不良を防止し、良好な溶
接ビードに仕上げることができるため本発明の工業的価
値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接スラグ自動除去装置の機構を示す
側面図
【図2】本発明の溶接スラグ自動除去装置の機構を示す
正面図
【図3】本発明における溶接スラグ除去機の例を示す図
【図4】本発明における圧力・流量制御ユニットの例を
示す図
【図5】(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明にお
ける溶接スラグ除去制御動作を示す図
【図6】本発明における溶接スラグ除去制御動作を示す
ブロック図
【図7】複数台のタガネを用いた溶接スラグ除去を示す
【図8】タガネの揺動過程を示す図
【図9】(a)、(b)、(c)はそれぞれ初層・中間
層・最終層の溶接終了後を示す溶接部の断面図
【符号の説明】
1 溶接スラグ除去機本体 2 溶接ビード表面倣い用変位検出器 3 振動発生機 4 針状タガネ 5 ロッド部 6 タガネ位置調整用シリンダ 7 配管 9 排気管 15 鋼板 16 溶接ビード 17 溶接スラグ 19 溶接走行台車用レール 20 マグネット 21 車輪 22 フック 23 取付レバー 24 上下位置調整レバー 25 板厚方向位置調整レバー 26 揺動幅調整レバー 27 角度調整レバー 28 溶接スラグ除去走行台車 29 揺動モータ 30 揺動機 31 偏心軸 32 揺動軸 33 溶接走行台車 34 連結アーム 35 マグネット 40 エアコンプレッサ 41 供給配管 42、43 逆止弁 44 手動バルブ 45 圧力計 45A 調整つまみ 46 流量計 46A 調整つまみ 47、48、49、50、51 自動開閉弁 52 排気口 53 配管 54 圧力・流量コントローラ 55 車輪 56 圧力・流量制御ユニット本体 57 圧力計 57A 調整つまみ 58 流量計 58A 調整つまみ 60 基準電圧判別器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エア駆動によるタガネを用いた溶接スラ
    グ除去装置において、溶接走行台車と溶接スラグ除去走
    行台車とを同期状態で走行させる連結ア−ムを取り付
    け、前記溶接スラグ除去走行台車に溶接スラグ除去機本
    体とビ−ド表面倣い用変位検出器とをタガネ位置調整装
    置を介して設置し、前記表面倣い用検出器でビ−ド表面
    の凹凸または高さ状態を検出し、該検出信号にもとづい
    て前記タガネ位置調整装置のストロ−ク調整を行いなが
    ら溶接スラグ除去に適した位置に前記溶接スラグ除去機
    本体のタガネを保持させることを特徴とする溶接スラグ
    自動除去装置。
  2. 【請求項2】 溶接スラグ除去機本体をビード幅方向に
    1台または複数台備え、かつビード幅方向に対して前記
    溶接スラグ除去機本体を揺動させるタガネ揺動機を設け
    ることを特徴とする請求項1記載の溶接スラグ自動除去
    装置。
  3. 【請求項3】 ビードの積層に応じてタガネの溶接スラ
    グ除去圧力および流量を切り替え調整する溶接スラグ除
    去圧力設定器および溶接スラグ除去流量設定器を備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の溶接ス
    ラグ自動除去装置。
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