JPH09211422A - 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置 - Google Patents

表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置

Info

Publication number
JPH09211422A
JPH09211422A JP1433796A JP1433796A JPH09211422A JP H09211422 A JPH09211422 A JP H09211422A JP 1433796 A JP1433796 A JP 1433796A JP 1433796 A JP1433796 A JP 1433796A JP H09211422 A JPH09211422 A JP H09211422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
display device
saturation
upper limit
limit saturation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1433796A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsunenori Yamamoto
恒典 山本
Hideo Sato
秀夫 佐藤
Tetsuya Nagata
徹也 永田
Makoto Tsumura
津村  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1433796A priority Critical patent/JPH09211422A/ja
Publication of JPH09211422A publication Critical patent/JPH09211422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力−表示出力特性にヒステリシス特性を持
つ表示装置において発生する残像を低減する。 【解決手段】 各画素を交流信号により駆動するもので
あり、その入力電圧信号として、目的表示出力に対応す
る信号電圧122に、一定時間(=クリア時間110)
だけ上限飽和に対応する電圧121を重畳して液晶13
1に印加する。液晶131の光学的出力強度(輝度)1
02は、上限飽和に対応する電圧121をクリア時間1
10だけ印加する間に、上限飽和状態115に変化す
る。そして、液晶131の光学的出力強度(輝度)10
2は、この後に目的表示に対応する電圧122が液晶1
31に印加されることにより、目的とする出力強度値1
16となる。 【効果】 入力−出力特性のヒステリシスを起因とする
残像を低減して表示を行うことができ、その際、発生す
る画質の低下、画面のちらつきを低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置の駆動方
法及び液晶表示装置に係り、特に、電気的入力信号−光
学的出力強度の特性にヒステリシスが存在する表示装置
の駆動方法及びその駆動方法を使用する表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ等のCRTによる表示装置
の他に、薄型、小型軽量、低消費電力等の特長を持つ新
方式の表示装置が開発されている。これらの例として、
例えば、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネッセン
ス)を使用する表示装置等が挙げられる。この種の表示
装置は、全て、電気的な入力信号を光学的な出力に変換
して画像表示を行うものである。そして、この種の表示
装置は、電気的入力強度と光学的出力強度とが線形でな
いのが一般的である。
【0003】すなわち、前述したような表示装置は、入
力信号強度がある程度より小さくなると、光学出力が低
下しにくくなり、飽和を生じて出力下限値に漸近し、ま
た、入力信号がある程度より大きくなると、光学出力強
度が飽和し、出力上限値に漸近するという特性を有す
る。このため、このような表示装置は、通常、前述した
飽和に近い部分の入力−出力特性を持つ領域を使用せ
ず、入力−出力特性の線形に近い部分を用いて入力信号
を光学出力強度に変換して表示を行うように使用されて
いる。そして、前述した新方式の表示装置の中には電気
的入力信号−光学的出力強度の特性にヒステリシス特性
を有するものがある。このヒステリシスは、電気的入力
信号強度の上昇時と下降時とにおいて、光学的出力強度
が異なるという現象である。
【0004】図2は入力信号強度−出力強度特性のヒス
テリシスを説明する図である。図2に示すように、入力
信号強度−出力強度特性にヒステリシス特性を持つ表示
装置は、入力信号強度が上昇していく場合の入力−出力
特性202と、入力信号強度が下降していく場合の入力
−出力特性201とが相違し、また、入力信号強度の小
さい部分と大きい部分で、下限飽和と上限飽和とが生じ
る。
【0005】このため、このような特性を持つ表示装置
は、白表示部分と黒表示部分とが同時に存在する画面
(白地に黒で文字を書いた場合等)の後に、全面を中間
調表示とすると、前の画面で白かった場所がやや明る
く、黒かった場所がやや暗く表示されてしまい、前の状
態が薄く残っているように見えてしまう残像現象を生じ
させる。
【0006】前述したように、入力信号強度−出力強度
特性にヒステリシス特性を持つ表示装置は、表示画面を
変化させたとき前画面が残る残像現象が発生してしまう
という問題点を有している。
【0007】このような入力信号強度−出力強度特性に
ヒステリシスを持つ表示装置の例として、ポリマー分散
型液晶を用いた液晶表示装置が知られている。また、こ
の液晶表示装置の残像を低減するための駆動方法に関す
る従来技術として、例えば、特開平5−40252号公
報等に記載された技術が知られている。この従来技術
は、残像の発生しやすい中間調表示を、2つの強度の異
なる入力信号を交互に入力することにより行うというも
のである。この駆動方法は、強度の異なる2つの入力信
号を交互に入力することにより、出力強度を2値の間で
変化させて、入力強度上昇時と入力強度低下時との差を
減らすことにより残像現象の発生を低減することができ
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
技術による駆動方法は、中間調表示を2つの強度の異な
る入力信号で表現するために、その2つの異なる状態間
を移動するために必要な時間(この時間を緩和時間とい
う)、それら2つの強度の異なる入力信号を入力してい
る時間を長くしなければならない。そうでない場合、光
学的出力強度が、入力信号の変化についてこられないた
め、2つの入力信号の平均値に対応する出力値に漸近
し、時間変化しなくなり、残像の低減効果が生じないこ
とになる。
【0009】図3は2つの異なる強度の入力信号により
残像低減する駆動方法による入力信号強度−出力強度特
性を説明する図である。以下、図3を参照して、中間調
表示を2つの強度の異なる入力信号で表現する場合の、
緩和時間と信号入力時間の大小が異なったときの表示出
力の時間変化を説明する。
【0010】図3(a)に示すように、緩和時間が信号
入力時間より大きい場合、2つの異なる強度の入力信号
を交互に入力することにより、出力強度が上下に変化し
ながら、ヒステリシスによる影響のない安定値に漸近し
ていく。しかし、図3(b)に示すように、信号入力時
間が緩和時間より短い場合、出力強度は、入力信号強度
の実効値で定まる一定値となり、残像を低減することは
できない。
【0011】ここで、当然のことではあるが、1画面の
画像を構成する信号を入力するための時間は、一画面を
表示している時間より長くすることができない。例え
ば、テレビ放送は、1秒間に60画面の表示を行ってい
るので、1画面を表示している時間は約16.7msと
なり、信号入力時間はこれより短くなくてはならない。
【0012】そして、前述した駆動方法により残像を低
減するためには、さらに、信号入力時間より緩和時間が
短くなくてはならない。しかし、一般に、1画面の表示
時間は固定されている(テレビ放送の場合、上記のよう
に16.7ms、パソコン等の画面表示ではそれ以下)
ために、緩和時間に応じて1画面の表示時間を設定する
ことはできない。このため、入力−出力特性にヒステリ
シスがある表示装置において、ヒステリシスが発生する
出力領域の緩和時間が一画面表示時間より長いと、前述
した駆動方法では残像をなくすことはできなくなってし
まう。
【0013】実際に、ポリマー分散型液晶を用いた液晶
表示装置に前述した従来技術による駆動方法を適用した
場合、出力強度が中間調の2つの値の間を移動するため
に必要な緩和時間が、白表示あるいは黒表示をするため
に必要な緩和時間の数倍程度になり、1画面の表示時間
以上になる場合もあり、残像を低減することができない
という問題点を生じてしまう。
【0014】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、入力−表示出力特性にヒステリシス特性を
持つ表示装置の駆動方法において、中間調表示時に発生
する残像を低減するための駆動方法及びその駆動方法を
使用した液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、電気的信号入力−光学的表示出力特性にヒステリシ
スを持つ表示装置の駆動方法において、表示出力の上限
飽和または下限飽和に対応するいずれか一方の信号を印
加した後に、目的の表示に対応する信号を印加すること
により、また、前記表示出力の上限飽和または下限飽和
のいずれか一方に対応する信号を印加する時間を、前記
上限飽和または下限飽和のために必要な緩和時間と等し
い時間とすることにより達成される。
【0016】前記目的は、前記表示表示装置を加熱また
は冷却することにより、出力強度が上限飽和または下限
飽和に達するために必要な緩和時間を低減させるように
することにより、さらに、表示出力の上限飽和または下
限飽和に対応するいずれか一方の信号を印加した直後
に、前記上限または下限の飽和とは反対の飽和である表
示出力強度の下限飽和または上限飽和に対応する信号を
緩和時間以下の時間だけ印加することにより達成され
る。を特徴とする請求項2または3記載の表示装置の駆
動方法。
【0017】前記目的は、電気的信号入力−表示出力特
性にヒステリシスを持つ表示装置の駆動方法において、
表示出力の上限飽和入力以上の信号を印加した後に、目
的の表示に対応する信号を印加することにより達成され
る。
【0018】また、前記目的は、前記上限飽和または下
限飽和に対応するいずれか一方の信号の印加、または、
上限飽和入力以上の信号の印加を、画面書換えの整数倍
の周期で行うことにより達成される。
【0019】前記目的は、電気的信号入力−光学的表示
出力特性にヒステリシスを持ち、その中間調表示領域付
近での表示出力変化の緩和時間が1画面の表示時間より
も長い表示装置の駆動方法において、表示出力の上限飽
和または下限飽和に対応するいずれか一方の信号を、前
記上限飽和または下限飽和のために必要な緩和時間と等
しい時間だけ印加し、その後、前記上限または下限の飽
和とは反対の飽和である表示出力強度の下限飽和または
上限飽和に対応する信号を緩和時間以下の時間だけ印加
することにより達成される。
【0020】前記目的は、前述した駆動方法を使用し
て、電気的信号入力−光学的表示出力特性にヒステリシ
スを持つ液晶表示装置、電気的信号入力−光学的表示出
力特性にヒステリシスを持ち、その中間調表示領域付近
での表示出力変化の緩和時間が1画面の表示時間よりも
長い液晶表示装置の各画素を駆動することにより達成さ
れる。
【0021】本発明による駆動方法は、入力信号電圧−
表示輝度出力特性にヒステリシスを持つ液晶表示装置で
あっても、画像を表現するための各液晶画素への信号電
圧印加時に、目的表示を行う信号電圧を液晶に印加する
直前に上限飽和または下限飽和の信号電圧を印加してい
るため、このとき以前の情報を確実に消去することがで
きる。このため、この飽和信号電圧印加の直後に目的表
示信号電圧を印加したときの表示は、以前の入力信号電
圧の強度にかかわらず、常に上限飽和または下限飽和の
輝度出力値から目的表示の輝度出力値へ変化することと
なり、ヒステリシスの片側曲線のみを用いて表示をする
ことになるため、残像の発生を防止することができる。
【0022】しかし、前述した上限飽和または下限飽和
の信号電圧を印加している間、出力強度が、一旦、上限
飽和または下限飽和に対応する輝度出力値になるため、
通常の画像出力中に一瞬、白や黒の表示が表れることに
なり、画面にちらつきが生じることがある。このちらつ
きは、上限飽和または下限飽和の信号電圧を印加する時
間を短くするほど目に見えなくなる。この上限飽和また
は下限飽和の信号電圧を印加しなければならない時間の
最低値は、出力強度が上限飽和または下限飽和に変化す
るために必要な緩和時間に等しい。この理由は、残像を
低減するために、以前の入力信号強度を消去する必要が
あり、そのために、輝度出力強度を上限または下限の飽
和に一度到達させることが必要であるからである。
【0023】そこで、本発明は、この上限飽和または下
限飽和の信号電圧を印加する時間を、出力強度がそれぞ
れ上限飽和または下限飽和に変化するために必要な緩和
時間と等しく設定している。これにより、本発明は、残
像を低減し、同時に発生するちらつきを抑えることがで
きる。
【0024】また、一般に、この上限飽和または下限飽
和に変化するために必要な緩和時間は、表示装置の温度
に依存している。このことから、本発明は、緩和時間が
1画面表示時間と比較して大きい場合、さらにちらつき
を小さくしたい場合、液晶表示部分の温度を調整するこ
とにより、緩和時間を短縮して、上限飽和または下限飽
和の信号を入力する時間を短縮することができる。
【0025】また、出力強度が上限飽和または下限飽和
に変化するために必要な緩和時間は早いが、中間調領域
に変化するために必要な緩和時間が遅い表示装置の場
合、上限飽和、下限飽和の信号電圧を印加した後に目的
表示出力である中間調へ変化するのに時間がかかるため
に、ちらつきが増大する。
【0026】本発明は、これを低減するために、上限飽
和、下限飽和の信号電圧を印加した直後に、逆の飽和入
力信号電圧を緩和時間以下の時間だけ液晶に印加するよ
うにしている。本発明は、これにより、目的表示出力へ
の変化を速めることができ、画面のちらつきを低減する
ことができる。
【0027】また、緩和時間の調整は、温度を調整する
だけでなく、過度の入力信号電圧を印加することによっ
ても行うことができる。この場合、上限飽和に必要な入
力信号電圧強度以上の信号電圧を入力することにより、
上限飽和のために必要な緩和時間を短くすることができ
る。これにより、本発明は、この駆動方法を用いること
により、緩和時間を小さくし、1画面の表示時間内での
残像の低減を可能にし、ちらつきを更に小さくすること
ができる。
【0028】さらに、上記の駆動方法による飽和信号電
圧印加は、画面書き換え毎に行うとちらつきが大きく、
目に見えてしまうことがあり、また、上限飽和表示、下
限飽和表示を行う時間が画像表示を行っている時間と比
較して多いために画質が劣化してしまう恐れがある。本
発明は、これらのことから、上記の駆動方法を画面書き
換え毎に行わずに、画面書き換えの数回に1度行うこと
により画質の劣化、ちらつきを抑えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明による表示装置の駆
動方法及びその駆動方法を用いる液晶表示装置の実施形
態を図面により詳細に説明する。
【0030】図1は本発明の第1の実施形態による駆動
方法を説明する図であり、液晶表示装置の液晶に印加す
る入力信号電圧の波形と光学的出力強度(輝度)とを示
すと共に、1つの画素の構成とを示す図である。図1に
おいて、130は画素、131は液晶、132は画素電
極、133は対向共通電極、134はトランジスタ、1
35は信号線である。
【0031】液晶表示装置の1つの画素130は、液晶
131が画素電極132と対向共通電極133とに挾ま
れて構成されており、液晶表示装置は、このような画素
130がマトリクス状に多数配列されて構成されてい
る。各画素130を構成する液晶131は、画素電極1
32と対向共通電極133に挾まれており、これら2つ
の電極間の電位差が液晶131に印加される電圧とな
る。そして、対向共通電極の電圧123を0Vで一定と
すると、トランジスタ134を通って信号線135から
印加される入力信号の電圧101が液晶131に印加さ
れる電圧となる。
【0032】本発明の各実施形態による駆動方法は、各
画素を交流信号により駆動するものであり、図1に示す
本発明の第1の実施形態による方法は、その入力電圧信
号として、目的表示出力に対応する信号電圧122に、
一定時間(=クリア時間110)だけ上限飽和に対応す
る電圧121を重畳して液晶131に印加するようにし
たものである。
【0033】前述したような駆動を行った場合、液晶1
31の光学的出力強度(輝度)102は、上限飽和に対
応する電圧121をクリア時間110だけ印加する間
に、上限飽和状態115に変化する。そして、液晶13
1の光学的出力強度(輝度)102は、この後に目的表
示に対応する電圧122が液晶131に印加されること
により、目的とする出力強度値116となる。
【0034】この結果、図1に示す本発明の第1の駆動
方法によれば、全ての画素の出力強度(輝度)の設定を
入力電圧が低下する方向の入力−出力曲線による特性に
従って設定することができるため、同一の値を持つ信号
電圧が印加された画素間での出力強度(輝度)を等しく
することができ、残像が現われることを防止することが
できる。
【0035】この駆動方法による残像低減の効果は、中
間調への変化に必要な緩和時間に依存せず、上限飽和へ
の変化に必要な緩和時間に依存する。図1に示す本発明
の第1の実施形態は、クリア時間110を上限飽和への
変化に必要な緩和時間117より十分長くとっているた
め、クリア時間中に出力強度(輝度)102を十分上限
飽和115まで到達させることができる。
【0036】残像を低減するためには、上限飽和に到達
することが重要であるが、前述した本発明の第1の実施
形態は、必要以上の時間上限飽和出力を行って白表示を
行っていることになるため、画質の劣化及びちらつきが
発生してしまうことがあり、これを防止して、画質を向
上させ、ちらつきを低減するためにはクリア時間を最適
化する必要がある。
【0037】図4は本発明の第2の実施形態による駆動
方法を説明する図であり、前述で説明した本発明の第1
の実施形態における画質の劣化及びちらつきの発生を低
減することを可能にしたものである。この本発明の第2
の実施形態は、図1により説明した駆動方法と基本的に
同一であるが、クリア時間110を上限飽和への変化に
必要な緩和時間117と等しくしている点で、第1の実
施形態の場合と相違する。
【0038】このような本発明の第2の実施形態による
駆動方法によれば、画素130を構成する液晶131の
光学的出力強度(輝度)102をクリア時間内で飽和さ
せることができ、飽和した直後に目的表示出力に対応す
る信号電圧122が液晶131に印加されることになる
ため、直ちに、目的とする画像信号強度116に液晶1
31の光学的出力強度(輝度)102を変化させること
ができる。従って、本発明の第2の実施形態によれば、
上限飽和に対応する入力電圧を液晶131に印加してい
る時間を、残像を消去できる範囲内で最も小さくするこ
とができ、これにより、画質の劣化、ちらつきの発生を
低減することができる。
【0039】しかし、前述した本発明の第2の実施形態
の場合にも、上限飽和への変化に必要な緩和時間117
が1画面を表示している時間111と比較して長い場
合、あるいは、同程度の場合、画面を構成することがで
きないことになる。また、前述した緩和時間117が1
画面の表示時間111より短い場合でも、半分以上の場
合には、目的とする表示出力に対応する入力電圧122
を液晶に印加する時間が少なくなるために、画質の劣化
が発生してしまう。これらを改善するためには緩和時間
417を小さくする必要がある。一般に、緩和時間11
7は、温度の関数になっているため、温度を調節するこ
とにより、緩和時間117を小さくすることができる。
【0040】図5は液晶の温度と緩和時間との関係を説
明する図である。図5から判るように、緩和時間は、温
度にほぼ反比例して小さくなり、図示例の場合、液晶の
温度を30℃に設定することにより、20℃の場合に比
較して、緩和時間をほぼ半分にすることができる。実際
に、温度調節機構付の液晶表示装置を製作し、表示部の
温度を50℃に設定して、図4に示す駆動方法により駆
動したところ、残像を低減することができ、画質の劣化
を低減することができた。
【0041】前述では、液晶表示装置の緩和時間に対す
る温度特性が、緩和時間が、温度にほぼ反比例して小さ
くなるとして説明したが、この温度特性が逆の場合、す
なわち、緩和時間が、温度にほぼ比例して小さくなるよ
うな場合、逆に、表示装置を冷却して緩和時間を短縮す
るようにすればよい。
【0042】前述したように温度調節機構を設けて温度
調整を行い、かつ、残像を低減させる駆動方法を用いる
場合、液晶の出力強度(輝度)が上限飽和、または、下
限飽和に変化するために必要な緩和時間を短くすること
ができる。しかし、この方法によっても、中間調表示へ
変化させるために必要な緩和時間が長い場合、クリア時
間を短くすることができ、この部分での画質の劣化を少
なくすることができるが、その直後に目的表示出力に対
応する信号電圧を液晶に印加したとき、目的出力強度で
ある中間調への変化が遅いため、この部分で画質の劣
化、ちらつきが発生してしまうことがある。
【0043】図6は本発明の第3の実施形態による駆動
方法を説明する図であり、前述で説明した本発明の第2
の実施形態と液晶の温度制御を行うこととによる駆動方
法を用いた場合の画質の劣化及びちらつきの発生を低減
することを可能にしたものである。
【0044】この本発明の第3の実施形態は、図4によ
り説明した駆動方法と基本的に同一であるが、液晶13
1に印加される入力信号電圧の波形101として、光学
的出力強度(輝度)の上限飽和に対応する信号電圧12
1を液晶131に印加した直後に、反対の飽和電圧であ
る下限飽和に対応する信号電圧123を緩和時間117
以下の時間だけ液晶131に印加するようにしたもので
ある。
【0045】本発明の第3の実施形態による前述したよ
うな駆動方法は、出力強度(輝度)を目的表示出力(輝
度)である中間調へ早く変化させることができ、これに
より、さらに、残像を低減させることができ、同時に発
生する画質の劣化、画面のちらつきを低減することがで
きる。
【0046】前述した本発明の第1〜第3の実施形態
は、クリア時間に上限飽和に対応する電圧121を重畳
して液晶131に印加するとして説明したが、本発明
は、クリア時間に上限飽和に対応する電圧ではなく、下
限飽和に対応する電圧、すなわち、0ボルトを印加する
ようにしてもよく、この場合にも、同様な効果を得るこ
とができる。
【0047】図7は本発明の第4の実施形態による駆動
方法を説明する図である。この本発明の第4の実施形態
による駆動方法は、その入力電圧信号として、目的表示
出力に対応する信号電圧122に、一定時間(=クリア
時間110)だけ上限飽和に対応する電圧121以上の
電圧124を重畳して液晶131に印加するようにした
ものである。
【0048】このような駆動方法により駆動される液晶
131の出力強度(輝度)102は、上限飽和に対応す
る電圧以上の電圧124がクリア時間110だけ印加さ
れている間に、上限飽和状態115に変化する。この場
合、上限飽和状態115に変化するために必要な緩和時
間117は、通常の上限飽和に対応する電圧121を入
力した場合と比較して短くなるため、クリア時間110
も短くすることができる。
【0049】そして、前述の本発明の第4の実施形態
は、その後に、目的表示出力に対応する電圧122を液
晶131に印加して、出力強度(輝度)を目的出力強度
116とすることにより、全ての画素の出力強度(輝
度)の設定を入力電圧が低下する方向の入力−出力曲線
による特性に従って設定することができるため、同一の
値を持つ信号電圧が印加された画素間での出力強度(輝
度)を等しくすることができ、残像が現われることを防
止することができる。また、この駆動方法で駆動する液
晶装置の場合、クリア時間110を短くすることができ
るため、残像低減と共に発生してしまう画質の劣化、ち
らつきの発生を低減することができる。
【0050】図8は本発明の第5の実施形態による駆動
方法を説明する図であり、以下、これについて説明す
る。
【0051】前述した本発明の第1〜第4の実施形態
は、上限飽和に対応する電圧の各画素130を構成する
液晶131への印加を各画面表示毎に行っていたが、こ
のような駆動方法によると、平均的に見て上限飽和の出
力を行っている時間が長くなるため、画面全体が白っぽ
くなる等の画質の低下が発生していた。
【0052】図8に示す本発明の第5の実施形態は、上
限飽和に対応する電圧121の各画素130を構成する
液晶131への印加を、各画面表示毎に行わずに1画面
の表示時間の整数倍、すなわち、数画面表示毎に1度行
うようにしたものである。この場合、図8に示すように
画素を構成する液晶131のクリア周期117が、長く
なるが、平均的に見た上限飽和の出力時間が少なくなる
ために、画質の低下を低減することができる。
【0053】図9は前述した本発明の各実施形態による
駆動方法により駆動することができる液晶駆動装置の構
成を示すブロック図、図10は飽和信号用及び画像信号
用のライン選択回路の構成例を示す図、図11は飽和信
号供給回路及び画像信号供給回路の構成例を示す図であ
る。図9において、901は飽和信号供給回路、902
は画像信号供給回路、903は飽和信号用ライン選択回
路、904は画像信号用ライン選択回路、905は液晶
画面表示部、906はドレインライン、907はゲート
ライン、910は画像表示コントローラ910、911
は飽和信号入力コントローラである。
【0054】図9に示す液晶表示装置は、多数のドレイ
ンライン906と多数のゲートライン907との交点に
構成されるトランジスタ134を含む画素130が構成
されている液晶画面表示部905と、ドレインライン9
06に接続された飽和信号供給回路901、画像信号供
給回路902と、ゲートライン907に接続された飽和
信号用ライン選択回路903、画像信号用ライン選択回
路904と、飽和信号供給回路901及び飽和信号用ラ
イン選択回路903を制御する飽和信号入力コントロー
ラ911と、画像信号供給回路902及び画像信号用ラ
イン選択回路904を制御する画像信号コントローラ9
10とにより構成されている。
【0055】液晶画面表示部905内の各画素は、飽和
信号がライン選択回路903と飽和信号供給回路901
とにより入力された後、一定時間(飽和信号入力時間)
経過してから画像信号がライン選択回路904と画像信
号供給回路902とから入力されて駆動される。この画
素の駆動方法は、前述した本発明の各実施形態として説
明した通りである。
【0056】飽和信号用及び画像信号用のライン選択回
路903、904は、図10に示すように、シフトレジ
スタ1001とスイッチとの組み合わせにより構成する
ことができる。シフトレジスタ1001は、シフトスタ
ート信号入力1002とシフトクロック信号入力100
3とにより、ドレインライン907を順次選択し、ライ
ン選択信号1004が与えられているとき、ゲート電圧
線1005上の電圧をドレインラインに送出する。
【0057】また、飽和信号供給回路901と画像信号
供給回路902も、図10に示すようにシフトレジスタ
とスイッチとの組み合わせで構成することができるが、
飽和信号供給回路901は、図11(a)に示すよう
に、飽和信号入力スイッチ線1102により1列の全て
を同時に選択して飽和信号電圧線1101の電圧を全て
のラインに送出するように構成し、また、図11(b)
に示すように、複数の飽和信号入力スイッチ線1112
〜1114により数画素おきに選択して飽和信号電圧線
1111の電圧を全てのラインに送出するように構成し
て、画像信号の帰線期間に飽和信号を書き込むようにし
てもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明による駆動方
法によれば、入力信号電圧−出力強度(輝度)特性にヒ
ステリシスを持つような表示装置を、残像を低減するよ
うに駆動することができる。特に、本発明による駆動方
法は、ヒステリシスが発生する領域での出力強度の変化
に必要な緩和時間が長い表示装置にを駆動するために適
用した場合にも、残像を低減させることができる。
【0059】また、本発明による駆動方法によれば、ク
リア時間を緩和時間と等しくすること、緩和時間を温
度、過度の信号入力により調整すること、飽和信号印加
の直後に反転飽和信号を印加すること等により、残像を
低減すると同時に発生する画質の劣化、画面のちらつき
等を低減することができる。
【0060】さらに、このような本発明による駆動方法
を用いることにより、ヒステリシス特性に起因する残像
が原因で使用することが不可能であった表示装置を残像
を生じさせることなく駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による駆動方法を説明
する図である。
【図2】入力信号強度−出力強度特性のヒステリシスを
説明する図である。
【図3】2つの異なる強度の入力信号により残像低減す
る駆動方法による入力信号強度−出力強度特性を説明す
る図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による駆動方法を説明
する図である。
【図5】液晶の温度と緩和時間との関係を説明する図で
ある。
【図6】本発明の第3の実施形態による駆動方法を説明
する図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による駆動方法を説明
する図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による駆動方法を説明
する図である。
【図9】前述した本発明の各実施形態による駆動方法に
より駆動することができる液晶駆動装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】飽和信号用及び画像信号用のライン選択回路
の構成例を示す図である。
【図11】飽和信号供給回路及び画像信号供給回路の構
成例を示す図である。
【符号の説明】
130 画素 131 液晶 132 画素電極 133 対向共通電極 134 トランジスタ 901 飽和信号供給回路 902 画像信号供給回路 903 飽和信号用ライン選択回路 904 画像信号用ライン選択回路 905 液晶画面表示部 906 ドレインライン 907 ゲートライン 910 画像表示コントローラ 911 飽和信号入力コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津村 誠 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的信号入力−光学的表示出力特性に
    ヒステリシスを持つ表示装置の駆動方法において、表示
    出力の上限飽和または下限飽和に対応するいずれか一方
    の信号を印加した後に、目的の表示に対応する信号を印
    加することを特徴とする表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記表示出力の上限飽和または下限飽和
    のいずれか一方に対応する信号を印加する時間を、前記
    上限飽和または下限飽和のために必要な緩和時間と等し
    い時間としたことを特徴とする請求項1記載の表示装置
    の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記表示表示装置を加熱または冷却する
    ことにより、出力強度が上限飽和または下限飽和に達す
    るために必要な緩和時間を低減させることを特徴とする
    請求項1または2記載の表示装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 表示出力の上限飽和または下限飽和に対
    応するいずれか一方の信号を印加した直後に、前記上限
    または下限の飽和とは反対の飽和である表示出力強度の
    下限飽和または上限飽和に対応する信号を緩和時間以下
    の時間だけ印加することを特徴とする請求項2または3
    記載の表示装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 電気的信号入力−表示出力特性にヒステ
    リシスを持つ表示装置の駆動方法において、表示出力の
    上限飽和入力以上の信号を印加した後に、目的の表示に
    対応する信号を印加することを特徴とする表示装置の駆
    動方法。
  6. 【請求項6】 前記上限飽和または下限飽和に対応する
    いずれか一方の信号の印加、または、上限飽和入力以上
    の信号の印加を、画面書換えの整数倍の周期で行うこと
    を特徴とする請求項1ないし5のうち1記載の表示装置
    の駆動方法。
  7. 【請求項7】 電気的信号入力−光学的表示出力特性に
    ヒステリシスを持ち、その中間調表示領域付近での表示
    出力変化の緩和時間が1画面の表示時間よりも長い表示
    装置の駆動方法において、表示出力の上限飽和または下
    限飽和に対応するいずれか一方の信号を、前記上限飽和
    または下限飽和のために必要な緩和時間と等しい時間だ
    け印加し、その後、前記上限または下限の飽和とは反対
    の飽和である表示出力強度の下限飽和または上限飽和に
    対応する信号を緩和時間以下の時間だけ印加することを
    特徴とする表示装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記表示表示装置を加熱または冷却する
    ことにより、出力強度が上限飽和または下限飽和に達す
    るために必要な緩和時間を低減させることを特徴とする
    請求項7記載の表示装置の駆動方法。
  9. 【請求項9】 電気的信号入力−光学的表示出力特性に
    ヒステリシスを持つ液晶表示装置において、液晶表示装
    置を構成する各画素を、請求項1ないし6のうち1記載
    の駆動方法を用いて駆動することを特徴とする液晶表示
    装置。
  10. 【請求項10】 電気的信号入力−光学的表示出力特性
    にヒステリシスを持ち、その中間調表示領域付近での表
    示出力変化の緩和時間が1画面の表示時間よりも長い液
    晶表示装置において、液晶表示装置を構成する各画素
    を、請求項7または8記載の駆動方法を用いて駆動する
    ことを特徴とする液晶表示装置。
JP1433796A 1996-01-30 1996-01-30 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置 Pending JPH09211422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1433796A JPH09211422A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1433796A JPH09211422A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09211422A true JPH09211422A (ja) 1997-08-15

Family

ID=11858260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1433796A Pending JPH09211422A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09211422A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8605024B2 (en) Liquid crystal display device
JP2001343941A (ja) 表示装置
KR20160105981A (ko) 비디오 전기 광학 디스플레이를 구동하는 방법
JP2007509376A (ja) 電気泳動ディスプレイ装置
JP4846217B2 (ja) 液晶表示装置
KR100731726B1 (ko) Ocb모드를 갖는 액정 표시 장치 및 그의 구동방법
KR100366933B1 (ko) 액정표시장치 및 그의 구동 방법
US20060007209A1 (en) Drive apparatus of liquid crystal panel and liquid crystal display apparatus
KR100832049B1 (ko) 디스플레이 유닛 및 디스플레이 유닛용 디스플레이 드라이버
TW594122B (en) Control device of a liquid crystal display device
JP2000259130A (ja) 液晶表示装置及びその駆動方法
JPH09211422A (ja) 表示装置の駆動方法及びその駆動方法を用いた液晶表示装置
KR101169050B1 (ko) 액정 표시 장치 및 그의 구동 방법
JPH06282244A (ja) 液晶表示装置
JP2006177992A (ja) 液晶表示装置の駆動方法および液晶表示装置
JP2006011311A (ja) 液晶表示装置および液晶表示装置の制御方法
CN115249467B (zh) 显示模组的驱动方法、显示模组和显示装置
JP2007233288A (ja) 液晶表示装置及び液晶表示装置の駆動方法
KR100900549B1 (ko) 액정 표시 장치 및 그 구동 방법
KR20030088647A (ko) 액정 표시 장치
KR20090067522A (ko) 액정표시장치 및 그의 구동 방법
JP3448879B2 (ja) 液晶表示装置及びその駆動方法
CN113380206A (zh) 一种显示面板的驱动方法和显示装置
KR20030004872A (ko) 액정표시패널과 그 구동방법 및 장치
JPH04151121A (ja) 液晶表示装置