JPH09211177A - 混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心性能予測監視装置および予測方法 - Google Patents

混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心性能予測監視装置および予測方法

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JPH09211177A
JPH09211177A JP8021356A JP2135696A JPH09211177A JP H09211177 A JPH09211177 A JP H09211177A JP 8021356 A JP8021356 A JP 8021356A JP 2135696 A JP2135696 A JP 2135696A JP H09211177 A JPH09211177 A JP H09211177A
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reactor
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Takehiko Kokubu
毅彦 國分
Toshihiko Mogi
俊彦 茂木
Masaru Sasagawa
勝 笹川
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉運用計画における炉心性能予測計算に
おいて、MOX燃料の特性を反映したモデルのにより、
MOX燃料を装荷した原子炉の出力分布と炉心寿命を、
精度よくかつ簡便に計算し予測する。 【解決手段】 原子炉の現状データを測定するための原
子炉状態量入力装置3と、現状の炉心性能を監視するた
めの現状炉心状態計算装置4と、原子炉の炉心性能を予
測しかつ監視するための炉心現状予測装置5と、予測計
算に必要なデータを運転員により入力するための運転員
要求入力装置7と、炉心性能の予測計算結果を表示する
予測結果表示装置8とを設け、MOX燃料を実際に原子
炉に装荷するまでの期間中に蓄積されたAm−241量
までも考慮するため、高精度な予測が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウラン燃料にプルト
ニウム燃料を混合させた混合酸化物燃料(以下、MOX
燃料という。)を装荷する原子炉における炉心出力分布
を予測する方法および予測監視装置に係り、特に、炉心
データを取り込みオンラインで炉心出力分布と炉心寿命
を高精度で且つ簡便に計算するのに好適な原子炉炉心性
能予測方法および予測監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所を安全かつ経済的に運転す
るには、原子炉の炉心状態や炉心に装荷される燃料の状
態を正確に把握していなければならない。この場合の主
な情報源は、原子炉運転計画における燃料運用計画,炉
心運用計画に基づく燃料特性情報である。燃料運用計画
では、現状の炉心における炉心運転実績を基に次サイク
ルの炉心運転計画を立案し、ここで計画された燃料取替
体数,燃料の核分裂物質量を設定し、次サイクルに装荷
される燃料を手配し準備する。この燃料の手配は、約1
年以上前から準備が必要である。
【0003】従来の原子炉発電所では、ウラン燃料を装
荷して運転するが、運転中にPu-241が崩壊して中性
子吸収物質であるAm-241が生成されるため、Am-
241の生成量を計算して求め、原子炉運転を行うよう
にしている(例えば、特開平7―72282号公報)。
ウラン燃料のみを装荷する原子炉では、最初の状態では
Am―241が存在しないため、原子炉運転中に生成さ
れたAm―241の量のみ計算できれば、精度良く炉心
性能を求めることが可能である。しかし、ウラン燃料に
プルトニウムを混合したMOX燃料の場合、燃料の最初
の状態でAm―241が含まれるため、この従来技術を
適用しても、正確な炉心性能を求めことできない。
【0004】MOX燃料の場合、主要燃料核種の1つで
あるPu−241が崩壊し約14年後にはAm−241
に壊変し、燃料反応度を低下させる等の影響を及ぼす
が、燃料製造時のPu−241の同位体組成割合のバラ
ンスによっても影響し、Pu−241の割合が大きい場
合にはAm−241の蓄積割合も大きく、燃料反応度に
大きな影響を及ぼす。一方、炉心運用計画では、一般に
燃焼度依存の燃料集合体平均核定数をベ−スとして、そ
れにキセノン,ドップラ等の補正を行った核定数を用い
炉心計算を行っている。Am−241の効果は、炉心特
性において炉心出力分布への影響を及ぼす。この様にP
u−241の崩壊によって生成されるAm−241の炉
心出力分布,燃料反応度におよぼす効果が大きいことか
ら、炉心運転期間における蓄積割合を正確に把握すると
共に、燃料手配時の期間において蓄積された量も正確に
把握する必要がある。
【0005】Am蓄積効果は、動燃技報 資料NO.7
8−1(1991.6)に公開されている。これによれ
ば、原子炉の運転計画を立案するためのオフライン計算
コードである炉心管理コードにAm蓄積効果の評価方法
が取り入れられており、炉心寿命の精度評価に効果的で
あることが判っている。しかし、従来のオンラインの炉
心性能計算では、この効果の補正は反映しておらず、一
般的な核定数を用いて炉心性能予測計算を行っている。
このため、実機測定データに基づき定期的に計算される
炉心性能予測計算では、現状のデータを取り込んだ時点
の炉心出力分布,燃焼度分布特性は精度よい結果が得ら
れるが、それ以外の炉心出力分布,燃焼度分布特性は、
実測値に比べ誤差のある分布となり、誤差分のマージン
を見積もった設計としている。従って、炉心寿命予測,
燃焼度変化に伴う出力分布予測においてより高い精度の
炉心特性を得るには、原子炉サイトにおいて炉心性能予
測監視装置にAm蓄積効果の評価方法を取り込む必要が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】実際の原子力発電所の
運転時の炉心出力分布特性は、炉心内に装荷された中性
子検出器により測定された測定信号及びその他の原子炉
の状態量をオンラインで取り込み、これら測定データを
出力分布に変換して監視する事が可能である。しかし、
特に校正用の中性子検出器は常時走査されている訳では
なく、定期的な運用時あるいは出力変動運転時や炉心特
性測定試験運転時等の特別な運用時に走査されるため、
測定間の炉心出力分布特性は、前回測定値のデータを用
いた予測計算により求めている。
【0007】一方、原子炉運用計画における炉心性能予
測計算では、炉心・燃料の高性能化に伴い、近年一層の
高精度化,高速化が求められている一方、MOX燃料の
原子炉への装荷需要の増加に伴い、従来のウラン燃料を
装荷した炉心性能予測計算手法に対し、MOX燃料の物
理的特性を反映した予測手法を開発し、予測精度向上を
計ることが必要となってきている。
【0008】本発明の目的は、MOX燃料を装荷する原
子力発電所において、中性子検出器指示値や制御棒位
置,熱出力計算用データ(再循環流量,温度,給水流量
等)などの実機の現状データに基づいた炉心出力分布,
燃焼度分布等を高精度に評価することができる炉心性能
予測方法および予測監視装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、炉心流量,
炉心圧力,炉心温度,制御棒位置等の炉心現状デ−タを
測定する炉心現状デ−タ測定器および炉心中性子束検出
器の各測定値を取込み保管管理する原子炉状態量入力手
段と、各測定値を基に予め内蔵された物理モデルを解く
のに必要とされる過去の運転履歴に基づき燃料の特性を
算出する現状炉心性能監視手段と、ウラン燃料にプルト
ニウム燃料を混合した混合酸化物燃料(以下、MOX燃
料という。)中のAm蓄積量を予測する手段と、前記物
理モデルのパラメ−タ値の一つである各種断面積及び燃
料燃焼度を補正して新たな核定数を作成する手段と、前
記現状炉心性能監視手段で求めた燃料の状態量として補
正後の核定数を代入し新たな燃料の特性を予測する手段
と、炉心出力分布の予測計算及び炉心寿命予測計算を行
う炉心性能予測監視手段とを設けることで、達成され
る。
【0010】この予測監視装置は、Amの蓄積効果に関
し、外部に貯蔵しておいたMOX燃料を新燃料として原
子炉に装荷するに際し、Amの蓄積効果を考慮した炉心
出力分布の予測計算及び炉心寿命予測計算する。
【0011】MOX燃料を使用する原子炉では、MOX
燃料を実際に装荷するまでの貯蔵期間中もAm-241
が蓄積されるため、この蓄積量までも考慮しないと、正
確に炉心性能の予測ができない。しかし、本発明では、
この貯蔵期間中のAm-241蓄積量までも考慮するた
め、精度の高い炉心性能の予測が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明
する。MOX燃料の物理的特性を反映し、予測精度を向
上させるには、原子炉中に装荷されたMOX燃料中のA
m蓄積量を、 (い)外部に貯蔵しておいた燃料を新燃料として装荷す
るまでのAm蓄積量 (ろ)原子炉の運転期間におけるAm蓄積量 (は)原子炉の停止期間中におけるAm蓄積量 の3つの場合に分類し、それぞれの場合に対しAm蓄積
量の予測計算を行い、得られたAm蓄積量を物理モデル
に代入し、 (い)燃料の製造・検査後炉心に装荷するまでの燃料反
応度 (ろ)原子炉運転中の運用期間における燃料反応度 (は)原子炉を再起動するまでの定検停止期間中におけ
る燃料反応度をそれぞれ計算する。
【0013】ここで、上記(い)の燃料の製造・検査後
炉心に装荷するまでの期間において、新燃料のPu−2
41はβ崩壊により自発的にAm−241に壊変する。
よって、新燃料のAm蓄積量は自発崩壊に関する一般法
則から導くことができる。新燃料におけるt時間後のP
u−241量(NP)は指数法則に従い、次の数1の式
で表される。
【0014】
【数1】
【0015】また、t時間後のAm−241の蓄積量
(NA)は次の数2の式で表される。
【0016】
【数2】
【0017】即ち、t時間後のAm−241の蓄積量N
Aは燃料検査の結果から得られる初期Pu−241量及
び経過時間から求めることができる。次に、数2により
得られたAm蓄積量に基づき従来の燃料集合体平均核定
数を補正する。核定数の補正係数は次の数3の式により
求められる。
【0018】
【数3】
【0019】燃料の製造・検査後に炉心に装荷するまで
の期間が燃料反応度に与える影響は数2に示すAm蓄積
量のみに依存することから、数2同様に指数法則に従
う。また、上記(ろ)の原子炉の運転中の運用期間にお
いて、燃料中のPu−241はβ崩壊により自発的にA
m−241に壊変すると共に、生成したAm−241は
現状考慮している他の核分裂生成物質と同様、燃焼によ
り消滅する。よって、燃料中のAm蓄積量は数2による
Am生成量及びAm燃焼量から導くことができる。
【0020】さらに、上記(は)の原子炉を再起動する
までの定検停止期間において、燃料中のPu−241は
β崩壊により自発的にAm−241に壊変することか
ら、Am蓄積量は(い)の場合と同様、自発崩壊に関す
る一般法則から導くことができる。t時間後のAm−2
41の蓄積量は指数法則に従い、数2で表される。原子
炉を再起動するまでの定検停止期間が燃料反応度に与え
る影響は数2に示すAm蓄積量のみに依存することか
ら、数2同様に指数法則に従う。
【0021】以上(い)(ろ)(は)のAm蓄積量予測
計算及び燃料反応度予測計算により得られた結果に基づ
き、炉心出力分布予測計算及び炉心寿命予測計算を行う
ことで、Am−241による反応度低下を考慮した精度
の良い炉心出力分布予測値及び炉心寿命予測値を得るこ
とが可能となる。
【0022】さらに、上記アルゴリズムに基づいたAm
蓄積効果を取り入れた炉心性能予測監視装置に、原子炉
の現状データ測定値をオンラインで取り込む機能を組み
込むことにより、予測値計算結果を短時間でディスプレ
イに表示することができ、高精度の炉心出力分布や炉心
寿命の予測が可能となる。
【0023】以下、本発明の具体的な実施形態について
図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係る炉心性能予測監視装置の処理手順を示すフローチ
ャートである。炉心出力分布及び寿命予測方法は、現状
炉心状態計算で求められた炉心の状態量、及び運転員の
要求として入力される炉心運用計画を基にMOX燃料の
予測計算に必要なデータを取り込む(ステップ1)。そ
して、上記(い)(ろ)(は)を考慮してAm−241
蓄積量を計算し(ステップ2)、得られた燃料中のAm
−241蓄積量に基づき燃料集合体平均核定数を補正し
(ステップ3)、炉心出力分布や燃焼度分布を計算する
物理モデルに補正後の核定数を入力して燃料反応度を計
算し(ステップ4)、得られた燃料反応度に基づき、3
次元核熱水力結合計算を行い、炉心出力分布予測計算と
燃焼度分布予測計算を行い(ステップ5)、炉心寿命を
予測し(ステップ6)、これらの結果をディスプレイ上
に表示する(ステップ7)。
【0024】図2は、図1に示すステップ2の詳細処理
手順であり、Am−241蓄積効果を反映して核定数を
補正する処理を行う。MOX燃料中のAm−241蓄積
量の計算をするために、まず、炉心運用計画に基づく現
状炉心におけるMOX燃料の状態量をオンラインにて取
り込む(図1のステップ1と同じ)。次に、上記(い)
のAm−241蓄積量計算オプションを選択し(ステッ
プ12)、外部に貯蔵しておいた燃料を新燃料として装
荷した場合のAm−241の蓄積量を計算する(ステッ
プ13)。次に、(ろ)のAm−241蓄積量計算オプ
ションを選択し(ステップ14)、原子炉運転期間中に
蓄積されたAm−241蓄積量を計算する(ステップ1
5)。次に、(は)のAm−241蓄積量計算オプショ
ンを選択し(ステップ16)、原子炉停止期間中のAm
−241蓄積量を計算する(ステップ17)。そして、
上記の各ステップ13,15,17で求めたAm−24
1蓄積量の総和を求め(ステップ18)、総和のAm−
241蓄積量に基づき燃料反応度を計算し(ステップ1
9)、燃料反応度と等価な燃料燃焼度による核定数補正
を行う(図1のステップ3)。
【0025】図4〜図6は、前記(い)(ろ)(は)の
各期間における燃料反応度低下の変化を示すグラフであ
る。図4のグラフは、燃料製造・検査後炉心に装荷する
までの期間における燃料反応度低下の変化を示す。従来
は、特性線Aの様に、燃料製造・検査後炉心に装荷する
までの期間におけるAm−241蓄積に伴う燃料反応度
の低下効果を考慮していない。しかし、実際には、燃料
製造・検査後炉心に装荷するまでの期間が長くなると、
特性線Bの様に、Am−241蓄積に伴う燃料反応度は
低下してしまう。
【0026】図5のグラフは、原子炉運転中における燃
料反応度低下を示す。原子炉運転中は、Pu−241の
崩壊によるAm−241生成と、Am−241の燃焼消
滅の効果がある。一般には、特性線Cの様に燃焼に伴い
燃料反応度は低下するが、Am−241の効果を考慮す
ると、実際には特性線Dの様に特性線Cよりも低下が大
きくなる。
【0027】図6のグラフは、原子炉を停止後再起動す
るまでの定検停止期間中における燃料反応度低下の変化
を示す。原子炉を停止後再起動するまでの定検停止期間
中における燃料反応度低下は、燃料製造・検査後炉心に
装荷するまでの期間における燃料反応度低下とほぼ同等
の変化を示す。図4〜図6に示すように、Am−241
蓄積による燃料反応度低下は、実際には比較的大きいこ
とがわかる。
【0028】図3は、本発明の一実施形態に係る原子炉
炉心性能予測監視装置の基本構成図である。この原子炉
炉心性能予測監視装置は、原子炉9内の数カ所に設置さ
れた中性子検出器1から測定された中性子束信号データ
やその他の原子炉の状態量測定データ2などの炉心現状
データを取り込む原子炉状態量入力装置3と、現状の炉
心性能を監視するための現状炉心状態計算装置4と、現
状炉心状態計算結果を取り込み保管する現状炉心状態計
算結果保管装置5と、原子炉の炉心性能を予測しかつ監
視するための炉心現状予測装置6と、予測計算に必要な
データを運転員により入力するための運転員要求入力装
置7と、炉心性能の予測計算結果を表示する予測結果表
示装置8から構成される。
【0029】原子炉状態量入力装置3は、原子炉9から
現状の原子炉における炉心流量,炉心圧力,炉心温度,
制御棒位置,中性子束等の炉心及び燃料の現状データ2
をサンプリングし、現状炉心状態計算装置4に入力す
る。現状炉心状態計算装置4は、過去の運転履歴及び原
子炉状態量入力装置3により得られるサンプリングデー
タに基づき、予め内蔵された物理モデルにより燃料の特
性を算出し、出力分布等の現状の炉心状態を計算し、計
算結果を炉心状態予測装置6に入力する。炉心状態予測
装置6は、現状炉心状態計算装置4で求められた燃料の
状態量と、運転員要求入力装置7より運転員により入力
される新燃料の燃料製造・検査後炉心に装荷するまでの
期間,新燃料の組成等、予測計算に必要なデータに基づ
き、ウラン燃料にプルトニウム燃料を混合させたMOX
燃料中におけるPu−241の崩壊によるAm−241
の蓄積量を予測し、前記物理モデルのパラメータ値の一
つである断面積を補正して新たな核定数を作成し、燃料
特性を算出する物理モデルに補正後の核定数を代入して
新たな燃料の特性を予測し、炉心出力分布の予測計算及
び炉心寿命の予測計算を行い、予測計算結果を予測結果
表示装置8に出力する。
【0030】図7は、原子炉炉心性能予測監視装置の予
測結果を表示したグラフである。実線は、本実施形態の
適用による出力分布計算値を示し、破線は、従来手法の
予測計算により得られた出力分布計算値である。また、
丸印は、原子炉運転データにより得られた出力分布実測
値である。
【0031】図8は、原子炉炉心性能予測監視装置によ
り求められ表示装置8に表示した臨界固有値予測計算結
果を示す図である。実線は、本実施形態の適用による予
測計算により得られた臨界固有値計算値を示し、破線
は、従来手法の予測計算により得られた臨界固有値計算
値を示し、丸印は、原子炉運転データにより得られた臨
界固有値を示す。この図7,図8に示されるように、本
実施形態を適用することで、実測値に極めて近い計算結
果を得ることができ、精度の高い予測が可能となる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、3次元核熱水力結合計
算をワンスルー計算で求めることができ、従来の原子炉
炉心性能監視装置と比較し、高い精度の炉心特性計算を
実施することが可能となり、原子炉の運転計画における
信頼性向上を図ることができる。また、Pu−241,
Am−241割合の変化とこれに伴う炉心性能の変化を
素早く計算することができるので、炉心の現状監視ある
いは予測において即応性のある精度の高い炉心性能を評
価でき、原子炉の安全で効率の高い運転に大きく寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る原子炉炉心性能予測
監視装置の炉心状態予測装置における出力分布予測計算
及び炉心寿命予測計算の処理手順を示すフローチャート
である。
【図2】本発明の一実施形態に係る原子炉炉心性能予測
監視装置の炉心状態予測装置におけるAm−241蓄積
効果反映による核定数補正のアルゴリズムを示す図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態に係る原子炉炉心性能予測
監視装置の基本構成図である。
【図4】燃料の製造・検査後炉心に装荷するまでの期間
における反応度低下の概念図である。
【図5】原子炉運転中の運用期間における反応度低下の
概念図である。
【図6】原子炉を停止後再起動するまでの定検停止期間
中における反応度低下の概念図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る原子炉炉心性能予測
監視装置により求められた出力分布予測計算結果を示す
図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る原子炉炉心性能予測
監視装置により求められた炉心寿命予測計算結果を示す
図である。
【符号の説明】
1…中性子検出器、2…プラント現状データ、3…原子
炉状態量入力装置、4…現状炉心状態計算装置、5…現
状炉心状態計算結果保管装置、6…炉心状態予測装置、
7…運転員要求入力装置、8…予測結果表示装置、9…
原子炉。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹川 勝 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心流量,炉心圧力,炉心温度,制御棒
    位置等の炉心現状デ−タを測定する炉心現状デ−タ測定
    器および炉心中性子束検出器の各測定値を取込み保管管
    理する原子炉状態量入力手段と、各測定値を基に予め内
    蔵された物理モデルを解くのに必要とされる過去の運転
    履歴に基づき燃料の特性を算出する現状炉心性能監視手
    段と、ウラン燃料にプルトニウム燃料を混合した混合酸
    化物燃料(以下、MOX燃料という。)中のAm蓄積量
    を予測する手段と、前記物理モデルのパラメ−タ値の一
    つである各種断面積及び燃料燃焼度を補正して新たな核
    定数を作成する手段と、前記現状炉心性能監視手段で求
    めた燃料の状態量として補正後の核定数を代入し新たな
    燃料の特性を予測する手段と、炉心出力分布の予測計算
    及び炉心寿命予測計算を行う炉心性能予測監視手段とを
    備えることを特徴とする混合酸化物燃料を使用する原子
    炉の炉心性能予測監視装置。
  2. 【請求項2】 原子炉の空間出力分布を解く現状炉心性
    能監視装置を動かし、原子炉に設置された中性子検出器
    位置での出力を推定し、これと中性子検出器の読みの差
    から、空間出力分布計算モデルを解くためにMOX燃料
    中のAm蓄積量を算出し、空間出力分布計算モデルのパ
    ラメ−タ値の一つである各断面積及び燃料燃焼度を補正
    して新たな核定数を作成し、前記現状炉心性能監視装置
    で求めた燃料の状態量として補正後の核定数を代入して
    新たな炉心出力分布特性を予測計算及び炉心寿命予測計
    算することを特徴とする混合酸化物燃料を使用する原子
    炉の炉心性能予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のAmの蓄積効果に関し、外部
    に貯蔵しておいたMOX燃料を新燃料として原子炉に装
    荷するに際し、Amの蓄積効果を考慮した炉心出力分布
    の予測計算及び炉心寿命予測計算することを特徴とする
    混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心性能予測監視装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3の外部に貯蔵し
    ておいたMOX燃料を新燃料として原子炉に装荷した場
    合のAmの蓄積量の予測計算に関し、燃料の製造から燃
    料検査、原子炉装荷に至るまでの期間及び燃料中のPu
    −241の濃度割合に基づいて前記新燃料のAm蓄積量
    を予測計算し、この予測計算されたAm蓄積量を炉心性
    能予測計算の物理モデルに代入して、炉心出力分布の予
    測計算及び炉心寿命予測計算することを特徴とする混合
    酸化物燃料を使用する原子炉の炉心性能予測方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、Amの蓄積効果に関
    し、原子炉の運転期間におけるAm蓄積効果を考慮した
    炉心出力分布の予測計算及び炉心寿命予測計算を行うこ
    とを特徴とする混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心
    性能予測監視装置。
  6. 【請求項6】 請求項2において、Amの蓄積効果に関
    し、原子炉の運転期間におけるAm蓄積効果を予測計算
    し、この予測計算されたAm蓄積量を炉心性能予測計算
    の物理モデルに代入して、炉心出力分布の予測計算及び
    炉心寿命予測計算を行うことを特徴とする混合酸化物燃
    料を使用する原子炉の炉心性能予測方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、Amの蓄積効果に関
    し、原子炉の停止期間におけるAm蓄積効果を考慮した
    炉心出力分布の予測計算及び炉心寿命予測計算を行うこ
    とを特徴とする混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心
    性能予測監視装置。
  8. 【請求項8】 請求項2において、Amの蓄積効果に関
    し、原子炉の停止期間における、Am蓄積効果を予測計
    算し、この予測計算されたAm蓄積量を炉心性能予測計
    算の物理モデルに代入して、炉心出力分布の予測計算及
    び炉心寿命予測計算を行うことを特徴とする混合酸化物
    燃料を使用する原子炉の炉心性能予測方法。
  9. 【請求項9】 請求項4,請求項6,請求項8のいずれ
    かにおいて、Am蓄積効果を反映した炉心出力分布特性
    の予測計算と炉心寿命の予測計算を行い、計算結果を表
    示装置に表示することを特徴とした混合酸化物燃料を使
    用する原子炉の炉心性能予測監視方法。
JP8021356A 1996-02-07 1996-02-07 混合酸化物燃料を使用する原子炉の炉心性能予測監視装置および予測方法 Pending JPH09211177A (ja)

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