JPH09203327A - ガスタービン発電装置 - Google Patents

ガスタービン発電装置

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JPH09203327A
JPH09203327A JP1053696A JP1053696A JPH09203327A JP H09203327 A JPH09203327 A JP H09203327A JP 1053696 A JP1053696 A JP 1053696A JP 1053696 A JP1053696 A JP 1053696A JP H09203327 A JPH09203327 A JP H09203327A
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Moichi Uji
茂一 宇治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力とプロセス蒸気を供給すると共に、ター
ビンコンプレッサを用いずに大量の圧縮空気を製造する
ことができ、かつエネルギーロスの小さいガスタービン
発電装置を提供する。 【解決手段】 ガスタービン12の下流に設けらた排熱
ボイラ14と、排熱ボイラによる発生蒸気Sの一部をガ
スタービンの燃焼器2に導いて噴射する噴射蒸気ライン
16と、ガスタービンの圧縮機1による圧縮空気Aを抽
気する空気抽気ライン18と、噴射蒸気ラインと空気抽
気ラインで間接的に熱交換する熱交換器20とを備え
る。また、噴射蒸気量にほぼ比例する圧縮空気量を抽気
し、これにより、圧縮機1の出口圧力をサージングを引
き起こす圧力に達しないように抽気空気量を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力(又は動力)
及び水蒸気を生成するガスタービンコージェネレーショ
ンの分野において使用され、更に圧縮空気の供給を実現
するガスタービン発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二流体サイクルガスタービン(二
流体ガスタービン)の構成は、例えば図2に示すよう
に、大気中から吸入された空気Aが圧縮機1で圧縮され
て燃焼器2に流入し、この圧縮空気は燃料Fの燃焼によ
り高温の燃焼ガスとなり、タービン3に流入し、タービ
ンで仕事をした燃焼ガスEは排熱ボイラ4にて水蒸気S
を発生した後、大気中に排出される。燃焼器2には排熱
ボイラ4で発生した水蒸気Sの一部が噴射されタービン
3に流入する燃焼ガスの流量を増大させかつ燃焼ガスの
比熱を増大させてタービン3の出力を増大させる。この
タービン3の発生する仕事は圧縮機1を駆動すると同時
に発電機5を駆動し、電力を発生する。排熱ボイラの下
流にはタービン排熱により加熱される排熱ボイラ用給水
加熱器6、及び煙突7が配置される。
【0003】かかる二流体ガスタービンは、例えば本願
出願人による「LPG混合水用蒸発器を備えたガスター
ビン装置」(特開平6−207528号)、「部分再生
式二流体ガスタービン」(特開平6−248974号)
等に開示されている。なお、上述した二流体ガスタービ
ンは、例えば機械製造工場,化学製造工場等において、
工場電力と共に加熱,空調等に用いるプロセス蒸気を供
給するために用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3は、圧縮機1の特
性図であり、横軸は気体流量G,縦軸は圧力比πを示し
ている。また、図中の複数の曲線は回転数一定の場合を
示し、破線は圧縮機がサージング(surging) を起こすサ
ージ限界ラインを示している。二流体ガスタービンで
は、発電機の回転数を一定に保つ(例えば1500rp
m/50Hz)ため圧縮機1も一定回転数で運転され
る。そのため、回転数一定で蒸気噴射量を増やすと、圧
縮機出口の圧力が上昇し、図3に示すように、回転数一
定ライン上を圧力比が高まる方向に移動して出力が増大
するが、更に蒸気噴射量を増すとサージ限界ラインに達
してサージングを引き起こし、正常な運転ができなくな
る問題点があった。
【0005】また、実際の工場の稼働状態によっては、
プロセス蒸気が余る場合が多く、サージ限界ライン近く
まで蒸気を燃焼器2に噴射してタービン3の出力を増大
させても、更に余剰蒸気が発生する場合が多い。一方、
かかる工場では、ニューマチック工具等のために大量の
圧縮空気が必要とされ、この圧縮空気を製造するために
比較的大きな電力が消費されている問題がある。
【0006】この圧縮空気用電力を低減するために、図
2に模式的に示すように、余剰蒸気でタービンコンプレ
ッサ8を駆動して圧縮空気を製造することが一部で提案
されている。製造された圧縮空気は、冷却器9aで水冷
されて空気チャンバ9bに供給され、工場用空気として
用いられる。空気チャンバには、別に電動コンプレッサ
9cが接続され、圧力低下を補うようになっている。
【0007】しかし、上述したガスタービン発電装置で
は、複雑で高価なタービンコンプレッサ8が不可欠であ
る問題点があった。また、タービンコンプレッサ8を通
過した蒸気はそのまま大気中に放出されるため、エネル
ギーロスが大きい問題点があった。
【0008】本発明は上述した問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、電
力とプロセス蒸気を供給すると共に、タービンコンプレ
ッサを用いずに大量の圧縮空気を製造することができ、
かつエネルギーロスの小さいガスタービン発電装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、空気を
圧縮する圧縮機と、燃料を燃焼させる燃焼器と、燃焼ガ
スにより駆動され前記圧縮機を駆動するタービンと、か
らなるガスタービンと、前記ガスタービンの下流に設け
られタービン排気を熱源として水を蒸発させる排熱ボイ
ラと、該排熱ボイラによる発生蒸気の一部を前記燃焼器
に導いて噴射する噴射蒸気ラインと、前記圧縮機による
圧縮空気を抽気する空気抽気ラインと、噴射蒸気ライン
と空気抽気ラインで間接的に熱交換する熱交換器と、を
備え、噴射蒸気量にほぼ比例する圧縮空気量を抽気し、
これにより、圧縮機出口圧力をサージングを引き起こす
圧力に達しないように抽気空気量を調節する、ことを特
徴とするガスタービン発電装置が提供される。
【0010】上記本発明の構成によれば、排熱ボイラに
よる発生蒸気の一部を燃焼器に導いて噴射する噴射蒸気
ラインと、圧縮機による圧縮空気を抽気する空気抽気ラ
インとを備えるので、ガスタービンによる電力供給と排
熱ボイラによるプロセス蒸気の供給を従来と同等以上に
行いながら、タービンコンプレッサを用いることなく大
量の圧縮空気を製造することができる。また、燃焼器へ
の噴射蒸気量にほぼ比例する圧縮空気量を抽気するの
で、圧縮機出口圧力をほぼ一定に保持することができ、
噴射蒸気量の増大によりタービン出力を増大させなが
ら、圧縮機のサージングを防止することができる。更
に、噴射蒸気ラインと空気抽気ラインで間接的に熱交換
する熱交換器を備え、高温の抽気空気により噴射蒸気を
加熱することができ、排熱ボイラに過熱器を設けること
なく噴射蒸気を過熱することができ、装置を小型にしか
つ全体の熱効率を高めることができる。また、プロセス
蒸気以外の余剰蒸気は全て燃焼器に噴射され、タービン
を経て排熱ボイラで低温(例えば100℃前後)まで熱
回収されるので、放出蒸気によるエネルギーロスを低減
することができる。
【0011】本発明の好ましい実施形態によれば、更
に、排熱ボイラで発生した水蒸気の残部をプロセス蒸気
として導くプロセス蒸気ラインを有し、プロセス蒸気ラ
インと噴射蒸気ラインにはプロセス圧力調節弁と噴射圧
力調節弁がそれぞれ設けられ、プロセス圧力調節弁によ
りプロセス蒸気ラインの圧力を一定に保持し、噴射圧力
調節弁により排熱ボイラの蒸気圧を一定に保持する。
【0012】この構成により、排熱ボイラの蒸気圧を一
定に保持しながら、工場で必要とするプロセス蒸気量を
一定圧力で安定供給することができる。なお、この際、
使用されるプロセス蒸気量は工場側の需要により変動す
るが、その余剰蒸気はすべて噴射圧力調節弁を介して燃
焼器に噴射されるので、無駄に放出される余剰蒸気を完
全になくすことができる。
【0013】また、前記空気抽気ラインに空気圧力調節
弁が設けられ、該空気圧力調節弁により圧縮機出口圧力
を一定に保持する、ことが好ましい。この構成により、
圧縮機出口圧力を一定に保持したままで、噴射蒸気量に
ほぼ比例する圧縮空気量を抽気することができ、これに
より、圧縮機のサージングの発生を本質的に防止するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を使用する。図1は本発明による
ガスタービン発電装置の全体構成図である。この図にお
いて、本発明によるガスタービン発電装置10は、ガス
タービン12、排熱ボイラ14、噴射蒸気ライン16、
空気抽気ライン18、及び熱交換器20からなる。
【0015】ガスタービン12は、空気Aを圧縮する圧
縮機1と、燃料Fを燃焼させる燃焼器2と、燃焼ガスに
より駆動され圧縮機1を駆動するタービン3とからな
り、タービン3の回転により、減速機11を介して発電
機5を回転駆動し、必要な電力を発電するようになって
いる。なお、発電機5の所要回転速度(例えば、150
0rpm/50Hz)とタービン3の回転速度が等しい
場合には、減速機11は不要である。
【0016】排熱ボイラ14は、ガスタービン12の下
流に設けられ、タービン排気を熱源として水Wを蒸発さ
せるようになっている。また、排熱ボイラ14の更に下
流には煙突7が設けられ、排熱ボイラ14で低温(例え
ば100℃前後)まで熱回収した排ガスを放出するよう
になっている。なお、この図では、従来の図2と相違
し、過熱器を備えていないが、本発明はこれに限定され
ず、必要に応じてこれらを設けてもよい。
【0017】噴射蒸気ライン16は、排熱ボイラ14に
よる発生蒸気の一部を燃焼器2に導いて噴射する配管ラ
インであり、この配管ラインの途中(ボイラのドラム付
近)から排熱ボイラで発生した水蒸気の残部をプロセス
蒸気として導くプロセス蒸気ライン17が設けられてい
る。更に、プロセス蒸気ライン17と噴射蒸気ライン1
6にはプロセス圧力調節弁17aと噴射圧力調節弁16
aがそれぞれ設けられている。プロセス圧力調節弁17
aは、プロセス蒸気ライン17の弁出口側圧力を検出し
てプロセス蒸気ライン17の圧力を一定に保持するよう
になっており、噴射圧力調節弁16aは、噴射蒸気ライ
ン16の弁入口側圧力を検出して排熱ボイラ14の発生
蒸気圧を一定に保持するようになっている。この構成に
より、排熱ボイラ14の発生蒸気圧を一定に保持しなが
ら、工場で必要とするプロセス蒸気量を一定圧力で安定
供給することができる。なお、この際、使用されるプロ
セス蒸気量は工場側の需要により変動するが、その余剰
蒸気はすべて噴射圧力調節弁16aを介して燃焼器に噴
射されるので、無駄に放出される余剰蒸気を完全になく
すことができる。
【0018】空気抽気ライン18は、圧縮機1による圧
縮空気を抽気する配管ラインであり、この配管ライン
に、空気圧力調節弁18aが設けられ、この空気圧力調
節弁18aにより圧縮機1の出口圧力を検出してこの圧
力を一定に保持するようになっている。この構成によ
り、圧縮機出口圧力を一定に保持したままで、噴射蒸気
量にほぼ比例する圧縮空気量を抽気することができ、こ
れにより、圧縮機1のサージングの発生を本質的に防止
することができる。
【0019】熱交換器20は、例えばシェルアンドチュ
ーブ型、プレートフィン型等の間接熱交換器であり、噴
射蒸気ライン16と空気抽気ライン18の間に設けら
れ、例えば排熱ボイラ14で発生した飽和蒸気(約20
0℃)を高温の圧縮空気(例えば約380℃)で加熱し
て過熱蒸気(約300℃)にし、同時に高温空気を約2
50℃前後まで冷却することができる。従って排熱ボイ
ラ14に過熱器を設けることなく噴射蒸気を過熱するこ
とができ、装置(排熱ボイラ14)を小型にし、かつ全
体の熱効率を高めることができる。
【0020】また、図1において、熱交換器20の下流
には、圧縮空気ヘッダ21、冷却器9a、空気チャンバ
9b、及び電動コンプレッサ9cが設けられ、圧縮空気
ヘッダ21に一旦溜められた圧縮空気は、冷却器9aで
水冷されて空気チャンバ9bに供給され、工場用圧縮空
気としてニューマチック工具等に用いられる。空気チャ
ンバ9bには、別に電動コンプレッサ9cが接続され、
圧力低下を補うようになっている。
【0021】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更で
きることは勿論であり、例えば、熱交換器の各温度レベ
ルは上述した値に限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】上述した本発明の構成によれば、排熱ボ
イラ14による発生蒸気の一部を燃焼器2に導いて噴射
する噴射蒸気ライン16と、圧縮機1による圧縮空気を
抽気する空気抽気ライン18とを備えるので、ガスター
ビン12による電力供給と排熱ボイラ14によるプロセ
ス蒸気の供給を従来と同等以上に行いながら、タービン
コンプレッサ(図2の8)を用いることなく大量の圧縮
空気を製造することができる。
【0023】また、燃焼器2への噴射蒸気量にほぼ比例
する圧縮空気量を抽気するので、圧縮機1の出口圧力を
ほぼ一定に保持することができ、噴射蒸気量の増大によ
りタービン出力を増大させながら、圧縮機1のサージン
グを防止することができる。更に、排熱ボイラに過熱器
を設けることなく噴射蒸気を過熱することができ、装置
を小型にしかつ全体の熱効率を高めることができ、かつ
放出蒸気によるエネルギーロスを低減することができ
る。
【0024】従って、本発明のガスタービン発電装置
は、電力とプロセス蒸気を供給すると共に、タービンコ
ンプレッサを用いずに大量の圧縮空気を製造することが
でき、かつエネルギーロスが小さい、等の優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービン発電装置の全体構成
図である。
【図2】従来のガスタービンの全体構成図である。
【図3】圧縮機の特性図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 燃焼器 3 タービン 4 排熱ボイラ 5 発電機 6 給水加熱器 7 煙突 8 タービンコンプレッサ 9a 冷却器 9b 空気チャンバ 9c 電動コンプレッサ 10 ガスタービン発電装置 11 減速機 12 ガスタービン 14 排熱ボイラ 16 噴射蒸気ライン 16a 噴射圧力調節弁 17 プロセス蒸気ライン 17a プロセス圧力調節弁 18 空気抽気ライン 18a 空気圧力調節弁 20 熱交換器 21 圧縮空気ヘッダ A 空気 F 燃料 S 水蒸気 E 燃焼ガス W 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02C 6/18 F02C 6/18 A 7/08 7/08 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気を圧縮する圧縮機と、燃料を燃焼さ
    せる燃焼器と、燃焼ガスにより駆動され前記圧縮機を駆
    動するタービンと、からなるガスタービンと、 前記ガスタービンの下流に設けられタービン排気を熱源
    として水を蒸発させる排熱ボイラと、該排熱ボイラによ
    る発生蒸気の一部を前記燃焼器に導いて噴射する噴射蒸
    気ラインと、前記圧縮機による圧縮空気を抽気する空気
    抽気ラインと、噴射蒸気ラインと空気抽気ラインで間接
    的に熱交換する熱交換器と、を備え、 噴射蒸気量にほぼ比例する圧縮空気量を抽気し、これに
    より、圧縮機出口圧力をサージングを引き起こす圧力に
    達しないように抽気空気量を調節する、ことを特徴とす
    るガスタービン発電装置。
  2. 【請求項2】 更に、排熱ボイラで発生した水蒸気の残
    部をプロセス蒸気として導くプロセス蒸気ラインを有
    し、プロセス蒸気ラインと噴射蒸気ラインにはプロセス
    圧力調節弁と噴射圧力調節弁がそれぞれ設けられ、プロ
    セス圧力調節弁によりプロセス蒸気ラインの圧力を一定
    に保持し、噴射圧力調節弁により排熱ボイラの蒸気圧を
    一定に保持する、ことを特徴とする請求項1に記載のガ
    スタービン発電装置。
  3. 【請求項3】 前記空気抽気ラインに空気圧力調節弁が
    設けられ、該空気圧力調節弁により圧縮機出口圧力を一
    定に保持する、ことを特徴とする請求項1に記載のガス
    タービン発電装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100530751B1 (ko) * 1997-11-27 2006-02-28 삼성테크윈 주식회사 복합 에너지 발생 장치
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