JPH09196487A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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JPH09196487A
JPH09196487A JP551696A JP551696A JPH09196487A JP H09196487 A JPH09196487 A JP H09196487A JP 551696 A JP551696 A JP 551696A JP 551696 A JP551696 A JP 551696A JP H09196487 A JPH09196487 A JP H09196487A
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JP
Japan
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pipe
refrigerant
cleaning
cleaning fluid
fluid flow
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Withdrawn
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JP551696A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kasahara
伸一 笠原
Satoru Fujimoto
悟 藤本
Toshiyuki Kurihara
利行 栗原
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍機を予冷冷凍機やタンクから取外すこと
なく、簡単な作業でJ−T冷凍機の回路中の不純物を除
去可能とする。 【解決手段】 J−T冷凍機(11)の高圧配管(23)で、J
−T弁(18)の直上流側に洗浄液流通用のバイパス回路(3
0)を接続する。バイパス回路(30)の上流端に開閉弁(30
b) を設け、寒冷発生運転時には開閉弁(30b) を閉鎖す
る一方、高圧配管(23)内部の洗浄時には、開閉弁(30b)
を開放し、バイパス回路(30)から高圧配管(23)に向って
洗浄液を流すことにより、該高圧配管(23)内部を洗浄す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮されたヘリウ
ム等の冷媒ガスの断熱膨張により極低温レベルの寒冷を
発生させる極低温冷凍機に関し、特に、冷媒回路中の不
純物の除去対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば4K程度の極低温レベ
ルで作動させる低温作動機器を同温度レベルまで冷却す
るための極低温冷凍機として、例えば米国特許第422
3540号等に記載されているように予冷冷凍機とJ−
T冷凍機とを組み合わせた2元回路の冷凍機が知られて
いる。
【0003】上記予冷冷凍機はGMサイクル(ギフォー
ド・マクマホンサイクル)や改良ソルベーサイクル等の
冷凍機からなるもので、圧縮機で圧縮されたヘリウムガ
ス(冷媒ガス)を膨張機で断熱膨張させてそのガスの温
度降下によりヒートステーションに極低温レベルの寒冷
を発生させる。
【0004】一方、J−T冷凍機は、圧縮機から供給さ
れたヘリウムガスをジュール・トムソン膨張させるJ−
T弁と、圧縮機からJ−T弁に至るヘリウムガスを上記
予冷冷凍機における膨張機のヒートステーションとの間
で熱交換して予冷する予冷器と、圧縮機からJ−T弁に
至る高圧のヘリウムガス(1次側)及びJ−T弁から圧
縮機に戻る低圧ヘリウムガス(2次側)の間で互いに熱
交換させるJ−T熱交換器と呼ばれる複数段の熱交換器
とを備えており、圧縮機からのヘリウムガスを予冷器で
予冷するとともに、該予冷されたヘリウムガスをJ−T
弁でジュール・トムソン膨張させて、さらに低い4Kレ
ベルの寒冷を発生させるようになされている。
【0005】また、この種の極低温冷凍機として、極低
温レベルの液体ヘリウムを貯留したタンク内にJ−T冷
凍機の冷媒回路の一部を開放し、該タンク内で蒸発した
ヘリウムを冷媒回路に吸入することで冷却して液化し、
再びタンク内に戻すようにしたオープンタイプと呼ばれ
るものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記J−T
冷凍機の回路中のヘリウムには水分を主成分とする不純
物(その他、酸素や窒素等)が微少量含有されている
が、これら不純物は、J−T弁部分に詰るなど、冷凍機
の性能を阻害するものであるために除去する必要があ
る。
【0007】そして、この不純物の除去に関し、該不純
物が常温で気相状態のものである場合には、冷凍機を常
温まで戻した状態(ウームアップ状態)で冷媒回路を真
空引きすることにより、比較的容易に除去できる。
【0008】ところが、不純物が常温で液相状態のもの
である場合には、上記の除去作業では完全に除去するこ
とはできない。このため、回路内を洗浄液等により洗浄
する必要があるが、この際、上述したオープンタイプの
ものにあっては、タンク内のヘリウムが洗浄液によって
汚染されることを回避するために、J−T冷凍機を予冷
冷凍機やタンクから取外した後に洗浄作業を行わねばな
らず、極めて繁雑な作業が必要となっていた。
【0009】また、極低温冷凍機として、タンクを有す
ることなく、J−T冷凍機の回路が閉回路となっている
クローズドタイプと呼ばれるものもある。このタイプの
ものでは、タンク内のヘリウムが洗浄液によって汚染さ
れるといったことはない。ところが、J−T弁の下流側
(低圧側)に樹脂材料を使用している場合には、この樹
脂材料部分が洗浄液によって腐食してしまう虞れがある
ので、この場合にもJ−T冷凍機を予冷冷凍機から取外
し、更に、金属部分を樹脂材料部分から外し、この金属
部分のみを洗浄液によって洗浄するといった作業が必要
であった。
【0010】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、冷凍機を予冷冷凍機やタンクから取外
すことなく、簡単な作業でJ−T冷凍機の回路中の不純
物を除去可能とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1記載の発明は、J−T冷凍機の高圧配管に
洗浄流体を流通するための手段を設けた。具体的には、
図1に示すように、圧縮機と膨張手段(18)とが高圧配管
(23)及び低圧配管(24)を備えた冷媒配管(20)により冷媒
の循環が可能に接続され、圧縮機で圧縮した冷媒ガスを
高圧配管(23)より膨張手段(18)に供給して膨張させて極
低温レベルの寒冷を発生させる極低温冷凍機を前提とし
ている。そして、上記冷媒配管(20)に、高圧配管(23)中
の不純物を除去するための洗浄流体を流す洗浄手段(30)
を接続した構成としている。このような構成により、高
圧配管(23)内の洗浄時には、洗浄手段(30)を流れる洗浄
流体を高圧配管(23)に流し、これによって不純物を除去
する。このため、冷凍機を他の部材から取外すことなく
高圧配管(23)内の洗浄が行えることになる。
【0012】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の極低温冷凍機において、洗浄手段(30)を、常温側の一
端部に開閉弁(30b) を有する洗浄流体流通管(30a) の他
端を高圧配管(23)に接続して成した構成としている。こ
の構成により、高圧配管(23)内の洗浄時には、開閉弁(3
0b) を開放し、洗浄流体流通管(30a) 及び高圧配管(23)
に亘って洗浄流体を流すことで容易に不純物の除去が行
えることになる。
【0013】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の極低温冷凍機において、膨張手段(18)に、先端部が冷
媒配管(20)の内部に進退自在に挿通され、進退移動する
ことで冷媒配管(20)の通路面積を変化させる棒状の弁体
(18a) を備えさせる。また、洗浄手段(30)に、上記弁体
(18a) の外周面との間に高圧配管(23)に連通する空間を
存するように該弁体(18a) を囲繞する洗浄流体流通管(3
0a) を備えさせた構成としている。この構成により、高
圧配管(23)内の洗浄時には、弁体(18a) と洗浄流体流通
管(30a) との間の空間に洗浄流体を流すことにより高圧
配管(23)内の不純物の除去が行われる。このように、洗
浄流体流通管(30a) の内部に膨張機構としての弁体(18
a) と洗浄流体流通用の空間とを備えさせたことで装置
全体としての小型化が図れる。
【0014】請求項4記載の発明は、上記請求項2また
は3記載の極低温冷凍機において、洗浄流体流通管(30
a) の内面に、寒冷発生運転時、該洗浄流体流通管(30a)
内部での冷媒の流通に抵抗を与えて対流の発生を防止
する対流防止手段(35),(36) を設けた構成としている。
この構成により、寒冷発生運転時には洗浄流体流通管(3
0a) の両端部の温度差によって対流が生じ、これによっ
て冷媒配管(20)を流れる冷媒の熱損失が生じる虞れがあ
るが、対流防止手段(35),(36) により、洗浄流体流通管
(30a) 内部での冷媒の流通に抵抗が与えられているの
で、この熱損失を抑制することができる。
【0015】請求項5記載の発明は、上記請求項2また
は3記載の極低温冷凍機において、膨張手段(18)を、輻
射シールド(S) によって外気からシールドし、この輻射
シールド(S) と洗浄流体流通管(30a) との間に、この両
者間で熱伝導を行わせる伝熱体(37)を設けた構成として
いる。この構成により、寒冷発生運転時には、低温度に
なっている輻射シールド(S)の冷気により伝熱体(37)を
介して洗浄液流通管(30a) が冷却されることになる。こ
のため、外気の熱が洗浄液流通管(30a) を経て高圧配管
(23)に伝達されることによる熱損失が低減される。
【0016】請求項6記載の発明は、上記請求項3記載
の極低温冷凍機において、弁体(18a) を冷媒配管(20)及
び洗浄流体流通管(30a) に対して抜き取り自在とし、高
圧配管(23)の洗浄時、冷媒配管(20)及び洗浄流体流通管
(30a) から抜き取られた弁体(18a) に代えて、一端が高
圧配管(23)内に連通し且つ膨張手段(18)下流側の液冷媒
配管(25)とは遮断するように洗浄流体流通管(30a) に挿
入された洗浄管(40)を設けた構成としている。この構成
により、寒冷発生運転から高圧配管(23)の洗浄に切換え
る際には、弁体(18a) を冷媒配管(20)及び洗浄流体流通
管(30a) から抜き取り、それに代えて洗浄管(40)を洗浄
流体流通管(30a) に挿入する。これにより、洗浄管(40)
が高圧配管(23)内に連通することになり、これらに洗浄
流体を流すことで高圧配管(23)の洗浄が行える。
【0017】請求項7記載の発明は、上記請求項2また
は3記載の極低温冷凍機において、高圧配管(23)の洗浄
時、高圧配管(23)または洗浄流体流通管(30a) の冷媒を
加熱する加熱手段(42)を設けた構成としている。この構
成により、高圧配管(23)の洗浄時、加熱手段(42)により
高圧配管(23)または洗浄流体流通管(30a) の冷媒を加熱
することで、高圧配管(23)の内部で固体となっていた不
純物を迅速に気体或いは液体に戻すことができ、所謂ウ
ォームアップ時間が短縮化できる。
【0018】請求項8記載の発明は、上記請求項3記載
の極低温冷凍機において、弁体(18a) を、洗浄流体流通
管(30a) に対して進退自在に挿通し、冷媒を膨張させる
弁体(18a) の後退位置では洗浄流体流通管(30a) の内部
と高圧配管(23)の内部とを遮断し、冷媒配管(20)を閉塞
した弁体(18a) の前進位置より増締め状態では洗浄流体
流通管(30a) の内部と高圧配管(23)の内部とを連通させ
る開閉手段(46)を設けた構成としている。この構成によ
り、弁体(18a) の進退位置を変更することで、洗浄流体
流通管(30a) の内部と高圧配管(23)の内部とが遮断され
た状態と連通した状態とが切換えられることになる。こ
のため、この遮断,連通を切換えるための特別な手段を
必要としない。
【0019】請求項9記載の発明は、上記請求項1記載
の極低温冷凍機において、極低温の液冷媒を貯留するタ
ンク(T) を備えさせ、また、一端が膨張手段(18)に接続
し、他端がタンク(T) 内に開放する液冷媒供給管(25)を
備えさせる。そして、低圧配管(24)に、一端がタンク
(T) 内の上層部に開放し、他端が圧縮機に向って延びる
ガス冷媒取出し管(26)を備えさせる。そして、上記タン
ク(T) 内で蒸発したガス冷媒を、ガス冷媒取出し管(26)
より圧縮機に吸入し、該圧縮機で圧縮した後、膨張手段
(18)での膨張による温度降下により極低温に液化し、該
液冷媒を液冷媒供給管(25)よりタンク(T) 内に供給する
構成としている。この構成により、タンク(T) 内で蒸発
したガス冷媒をタンクから取出して極低温に液化して再
びタンク(T) 内に供給することで例えば所定の冷却物の
冷却が行える。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)次に、本発明の第1実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、本形態に係る冷
凍機(R) は、液化した液体ヘリウムを貯留するヘリウム
タンク(T) に付設されており、予冷冷凍機(1) とJ−T
冷凍機(11)とを組み合わせた2元回路の冷凍機で構成さ
れている。
【0021】上記予冷冷凍機(1) は、G−M(ギフォー
ド・マクマホン)サイクルの冷凍機で構成されていて、
J−T冷凍機(11)におけるヘリウムガス(冷媒ガス)を
予冷するためにヘリウムガスを圧縮及び膨張させる。こ
の冷凍機(1) は図外の予冷用圧縮機と、クライオスタッ
ト(C) に取り付けられた膨張機(2) とを閉回路に接続し
てなる。上記膨張機(2) は、クライオスタット(C) の外
部に配置される密閉円筒状のケース(3) と、該ケース
(3) に連設された大小2段構造のシリンダ(4) とを有す
る。上記ケース(3) には、上記予冷用圧縮機の吐出側に
接続される高圧ガス入口(5) と、同吸込側に接続される
低圧ガス出口(6) とが開口されている。一方、シリンダ
(4) は上記クライオスタット(C) の側壁を貫通してその
内部に延びており、その大径部(4a)の先端部は所定温度
レベルに冷却保持される第1ヒートステーション(7)
に、また小径部(4b)の先端部は上記第1ヒートステーシ
ョン(7) よりも低い温度レベルに冷却保持される第2ヒ
ートステーション(8) にそれぞれ形成されている。
【0022】すなわち、ここでは図示しないが、シリン
ダ(4) 内には、上記各ヒートステーション(7),(8) に対
応する位置にそれぞれ膨張空間を区画形成するフリーの
ディスプレーサ(置換器)が往復動可能に嵌挿されてい
る。一方、上記ケース(3) 内には、回転する毎に開閉す
るロータリバルブと、該ロータリバルブを駆動するバル
ブモータとが収容されている。ロータリバルブは、上記
高圧ガス入口(5) から流入したヘリウムガスを上記シリ
ンダ(4) 内の各膨張空間に供給し、又は各膨張空間内で
膨張したヘリウムガスを低圧ガス出口(6) から排出する
ように切り換わる。そして、このロータリバルブの開閉
により高圧ヘリウムガスをシリンダ(4)内の各膨張空間
でサイモン膨張させて、その膨張に伴う温度降下により
極低温レベルの寒冷を発生させ、その寒冷を第1及び第
2ヒートステーション(7,8) にて保持する。つまり、予
冷冷凍機(1) では、圧縮機から吐出された高圧のヘリウ
ムガスを膨張機(2) に供給し、その膨張機(2) での断熱
膨張によりヒートステーション(7,8) の温度を低下させ
て、J−T冷凍機(11)における後述の予冷器(16,17) を
予冷するとともに、膨張した低圧ヘリウムガスを圧縮機
に戻して再圧縮するように構成されている。尚、上記シ
リンダ(4) の第1ヒートステーション(7) にはクライオ
スタット(C) 内に配置した略密閉円筒状の輻射シールド
(S) が伝熱可能に支持されている。
【0023】一方、上記J−T冷凍機(11)は、約4Kレ
ベルの寒冷を発生させるためにヘリウムガスを圧縮して
膨張させる冷凍機であって、ヘリウムガスを圧縮するJ
−T圧縮機(図示せず)と、その圧縮されたヘリウムガ
スをジュール・トムソン膨張させる膨張機(12)とが冷媒
配管(20)によってヘリウムの循環が可能に接続されてい
る。この膨張機(12)は、上記クライオスタット(C) 内に
位置する第1〜第3のJ−T熱交換器(13 〜15) を備え
ている。この各J−T熱交換器(13 〜15) は1次側(後
述の高圧配管(23)側)及び2次側(同低圧配管(24)側)
をそれぞれ通過するヘリウムガス間で互いに熱交換させ
るもので、第1J−T熱交換器(13)の1次側はJ−T圧
縮機の吐出側に吐出管(21)を介して接続されている。ま
た、第1及び第2のJ−T熱交換器(13,14) の各1次側
同士は上記予冷冷凍機(1) における膨張機(2) の第1ヒ
ートステーション(7) 外周に配置した第1予冷器(16)を
介して接続されている。同様に、第2及び第3J−T熱
交換器(14,15) の各1次側同士は膨張機(2) の第2ヒー
トステーション(8) 外周に配置した第2予冷器(17)を介
して接続されている。さらに、上記第3J−T熱交換器
(15)の1次側は、高圧のヘリウムガスをジュール・トム
ソン膨張させて極低温レベルの寒冷を発生させる膨張手
段としてのJ−T弁(18)に接続されている。上記J−T
弁(18)はクライオスタット(C) 外から弁体としての操作
ロッド(18a) によって開度が調整される。また、このJ
−T弁(18)とヘリウムタンク(T) とは液冷媒供給管(25)
によって連結されており、この液冷媒供給管(25)のヘリ
ウムタンク(T) 側の端部は該ヘリウムタンク(T) 内の上
層部分に開放されている。一方、第3J−T熱交換器(1
5)の2次側の上流端もヘリウムタンク(T) 内の上層部分
に開放されており、このヘリウムタンク(T) 内で蒸発し
たヘリウムガスを取出すようになっている。
【0024】つまり、J−T冷凍機(11)では、上記J−
T圧縮機の吐出側から吐出管(21)、第1〜第3J−T熱
交換器(13 〜15) の1次側、第1及び第2予冷器(16,1
7) を経てJ−T弁(18)に至るまでの流路が、圧縮機か
らJ−T弁(18)に供給される高圧ヘリウムガスを流す高
圧配管(23)とされている。一方、J−T弁(18)とヘリウ
ムタンク(T) との間が液冷媒供給管(25)とされ、更に、
ヘリウムタンク(T) から第3〜第1J−T熱交換器(15
〜13) の2次側及び吸入配管(22)を経てJ−T圧縮機の
吸込側に至るまでの流路が低圧配管(24)とされている。
また、この低圧配管(24)のうちヘリウムタンク(T) から
圧縮機の吸入配管(22)との接続部までは、ヘリウムタン
ク(T) 内で蒸発したヘリウムガスを取出すガス冷媒取出
し管(26)となっている。
【0025】即ち、このJ−T冷凍機(11)においては、
冷媒回路の一部がヘリウムタンク(T) 内に開放されてお
り、該タンク(T) 内で蒸発したヘリウムガスを冷媒回路
に吸い込んで膨張機(12)の第3〜第1J−T熱交換器(1
5 〜13) の各2次側を通してJ−T圧縮機に吸入圧縮す
る。また、このJ−T圧縮機により圧縮された高圧ヘリ
ウムガスを膨張機(12)に供給し、それを、膨張機(12)の
第1〜第3J−T熱交換器(13 〜15) において、圧縮機
側に戻る低温低圧のヘリウムガスと熱交換させるととも
に、第1及び第2予冷器(16,17) でそれぞれ膨張機(2)
の第1及び第2ヒートステーション(7,8) で冷却した
後、J−T弁(18)でジュール・トムソン膨張させて約4
Kの液状態のヘリウムとなし、この液体ヘリウムをヘリ
ウムタンク(T) 内に戻すように構成されている。
【0026】次に、本形態の特徴とする構成について説
明する。図1の如く、J−T冷凍機(11)には、高圧配管
(23)の内部通路を洗浄する際に洗浄液を供給するための
洗浄手段としてのバイパス回路(30)が設けられている。
このバイパス回路(30)は、一端が常温側(クライオスタ
ット(C) の外側)に位置し、他端が高圧配管(23)におけ
る第3J−T熱交換器(15)の下流側で且つJ−T弁(18)
の直上流側に接続された洗浄流体流通管としての洗浄液
流通管(30a) により成っている。そして、この洗浄液流
通管(30a) における常温側に位置する所定位置には開閉
自在な開閉弁(30b) が設けられている。つまり、この高
圧配管(23)の内部通路は、開閉弁(30b)の開放時には洗
浄液流通管(30a) を介して常温側と連通するようになっ
ている。更に、この洗浄液流通管(30a) の常温側の端部
にはポンプ等の圧送手段(31)が接続されており、この圧
送手段(31)によって洗浄液流通管(30a) を経て高圧配管
(23)に洗浄液を圧送することができるように構成されて
いる。
【0027】また、高圧配管(23)の常温側における圧縮
機の吐出管(21)の接続部分には、この部分の配管同士を
着脱自在とするコネクタ(32)が配設されている。従っ
て、このコネクタ(32)が取外された状態では、高圧配管
(23)の常温側が大気に開放されることになる。
【0028】次に、上記実施形態の作用について説明す
る。冷凍機(R) が定常運転状態になると、予冷冷凍機
(1) では、予冷用圧縮機から供給された高圧のヘリウム
ガスが膨張機(2) の各膨張空間で膨張し、このガスの膨
張に伴う温度降下によりシリンダ(4) の第1ヒートステ
ーション(7) が所定温度レベルに、また第2ヒートステ
ーション(8)が第1ヒートステーション(7) よりも低い
温度レベルにそれぞれ冷却される。上記第1ヒートステ
ーション(7) の冷却に伴い、該ヒートステーション(7)
に伝熱可能に接触している輻射シールド(S) の温度が第
1ヒートステーション(7) と同じ温度レベルまで降下
し、このことでクライオスタット(C) 内の中心部が外部
から輻射シールドされる。
【0029】一方、これと同時に、J−T冷凍機(11)で
は、タンク(T) 内で蒸発したヘリウムが、ガス冷媒取出
し管(26)により取出されて第3J−T熱交換器(15)の2
次側に吸入され、第2及び第1J−T熱交換器(14,13)
の各2次側を経由して圧縮機に吸込まれて圧縮される。
そして、この圧縮機から吐出された高圧のヘリウムガス
が第1J−T熱交換器(13)の1次側に入り、そこで圧縮
機側へ戻る2次側の低圧ヘリウムガスと熱交換されて室
温から約50Kまで冷却され、その後、上記膨張機(2)
の第1ヒートステーション(7) 外周の第1予冷器(16)に
入ってさらに冷却される。この冷却されたガスは第2J
−T熱交換器(14)の1次側に入って、同様に2次側の低
圧ヘリウムガスとの熱交換により約15Kまで冷却され
た後、膨張機(2) の第2ヒートステーション(8) 外周の
第2予冷器(17)に入ってさらに冷却される。この後、ガ
スは第3J−T熱交換器(15)の1次側に入って2次側の
低圧ヘリウムガスとの熱交換により約5Kまで冷却さ
れ、しかる後にJ−T弁(18)に至る。このJ−T弁(18)
では高圧ヘリウムガスは絞られてジュール・トムソン膨
張し、約4Kの液状態のヘリウムとなり、この液体ヘリ
ウムはヘリウムタンク(T) 内へ供給され、例えば、この
ヘリウムタンク(T) 内に配置された冷却対象物を冷却す
る。
【0030】次に、J−T冷凍機(11)の回路中の不純物
を除去する際の動作について説明する。特に、高圧配管
(23)に不純物が混入している場合には、これが回路内に
おいて特に流路が小さくなるJ−T弁(18)部分で詰って
しまい、冷媒の流通を阻害する可能性がある。このた
め、この回路中の不純物の除去は高圧配管(23)に対して
行う必要がある。
【0031】この不純物除去動作は、先ず、予冷冷凍機
(1) 及びJ−T冷凍機(11)を共に停止させ、冷凍機(R)
を常温まで戻した後(ウォームアップと呼ばれる)に行
われる。これは、冷媒配管(20)内の不純物を固体から液
体或いは気体に戻すことで除去し易くするためである。
このウォームアップの後、J−T弁(18)の操作ロッド(1
8a) を前進させて該J−T弁(18)を全閉状態にする。こ
の状態で、高圧配管(23)の常温側端部のコネクタ(32)を
取外し、高圧配管(23)を大気に開放する。
【0032】その後、洗浄液流通管(30a) の開閉弁(30
b) を開放し、圧送手段(31)により洗浄液流通管(30a)
の内部通路に向けて洗浄液を供給する。この供給された
洗浄液は、図1に破線で示す矢印のように、洗浄液流通
管(30a) から高圧配管(23)に達し、上述したようにJ−
T弁(18)が全閉状態になっていることから、高圧配管(2
3)の開放側(圧縮機の吐出側)に向って圧送される。つ
まり、上述した寒冷発生運転時のヘリウムの流通方向と
は逆方向に流れて高圧配管(23)の内部通路を洗浄する。
そして、この高圧配管(23)の開放側端に達した洗浄液は
不純物と共に回路外部に排出される。このような動作が
所定時間行われることにより、高圧配管(23)の内部通路
は、その略全域に亘って洗浄されることになる。そし
て、この洗浄動作の終了時には、圧送手段(31)により圧
縮空気等を供給し、高圧配管(23)に残留した洗浄液を排
出させた後、高圧配管(23)を吐出管(21)に接続すると共
に高圧配管(23)を真空引きして空気を排出する。これに
より、高圧配管(23)の洗浄動作が終了する。また、圧縮
空気による残留洗浄液の除去に代えてヘリウムガスの圧
送により残留洗浄液の除去を行うようにすれば上述した
真空引き動作は不要にできる。
【0033】このように、本形態によれば、高圧配管(2
3)に洗浄液流通管(30a) を接続し、この洗浄液流通管(3
0a) から供給する洗浄液によって高圧配管(23)を洗浄す
るようにしたために、常温で液相状態である不純物の除
去を、J−T冷凍機(11)を予冷冷凍機(1) やヘリウムタ
ンク(T) から取外すことなく、且つタンク(T) 内のヘリ
ウムが洗浄液によって汚染されることなしに行うことが
できる。このため、従来の洗浄作業に比べてを極めて簡
単な作業で不純物の確実な除去を行うことができる。
【0034】また、洗浄液がJ−T弁(18)の下流側(液
冷媒供給管(25))に導入されることがないので、この液
冷媒供給管(25)が樹脂材料により構成されている場合で
あっても、この樹脂材料部分が洗浄液によって腐食して
しまう虞れはない。
【0035】(第2実施形態)次に、本発明に係る第2
実施形態について説明する。本形態は、バイパス回路(3
0)の変形例であって、その他の構成は上述した第1実施
形態と同様であるので、ここではバイパス回路(30)の構
成についてのみ説明する。
【0036】図2に示すように、本形態のバイパス回路
(30)は、J−T弁(18)の操作ロッド(18a) の外周囲を囲
繞するように洗浄液流通管(30a) が配設され、この洗浄
液流通管(30a) と操作ロッド(18a) との間に洗浄液流通
用の空間(A) が形成されている。また、このJ−T弁(1
8)における操作ロッド(18a) の先端部が挿通する部分の
流路面積は、その上流側及び下流側よりも小さく設定さ
れており、操作ロッド(18a) の前進位置でJ−T弁(18)
が全閉となった状態では、洗浄液流通管(30a)の内部通
路(A) が高圧配管(23)の内部通路にのみ連通するように
なっている。
【0037】このような構成により、高圧配管(23)の洗
浄時には、J−T弁(18)が全閉状態とされた状態で、洗
浄液流通管(30a) に洗浄液が供給される。この洗浄液
は、洗浄液流通管(30a) と操作ロッド(18a) との間の空
間(A) を流れて高圧配管(23)に達し、その後、上述した
第1実施例の場合と同様に、高圧配管(23)の内部通路を
流れて不純物を除去することになる。
【0038】このような構成によれば、J−T弁(18)の
操作ロッド(18a) と洗浄液流通管(30a) とを一体的にユ
ニット化できるので、これら部材の配設スペースの縮小
化を図ることができる。また、そればかりでなく、洗浄
液流通管(30a) からの洗浄液は高圧配管(23)の一端部か
ら導入され他端部に亘って流れることになるので、この
高圧配管(23)全体に洗浄液を流すことができ、不純物の
除去をより確実に行うことができる。
【0039】(第3実施形態)次に、本発明に係る第3
実施形態について説明する。本形態も、バイパス回路(3
0)の変形例であって、その他の構成は上述した第1実施
形態と同様であるので、ここではバイパス回路(30)の構
成についてのみ説明する。
【0040】図3(a) に示すように、パイパス回路(30)
を構成する洗浄液流通管(30a) の内壁面には、その長手
方向に亘って所定間隔を存した位置に内周側に向って延
びる板材で成る対流防止手段としての対流防止板(35,3
5, …) が設けられている。この対流防止板(35)は、例
えば、洗浄液流通管(30a) の流路面積の略半分を閉鎖す
る半円状の板材でなっている。
【0041】以下、本形態の動作について説明する。予
冷冷凍機(1) 及びJ−T冷凍機(11)の運転時には、高圧
配管(23)からJ−T弁(18)に流れるヘリウムガスの一部
が洗浄液流通管(30a) に流れ込む。この際に、洗浄液流
通管(30a) の高圧配管(23)側の接続側端は極低温になっ
ているのに対し、反対側の端部は外気温度になってい
る。このため、この温度差により洗浄液流通管(30a) 内
でヘリウムガスが対流して外気へ冷熱が排出されてしま
う熱損失が生じることになるが、上述したような対流防
止板(35,35, …) が設けられていることにより、洗浄液
流通管(30a) 内を流れるヘリウムガスに流通抵抗が与え
られて対流が抑制され、これに伴って外気への冷熱の排
出量が低減されることになる。
【0042】図3(b) は、本第3実施形態の変形例を示
している。この図のように、洗浄液流通管(30a) 内部に
部分的にヘリウムガスの流通を許容する詰め物(36)(例
えばグラスウール等)を内装させることによっても上述
と同様にヘリウムガスの対流が抑制されて外気への冷熱
の排出量が低減される。
【0043】また、本形態のような対流防止のための手
段は、上述した第2実施形態における操作ロッド(18a)
と洗浄液流通管(30a) との間の空間(A) に設けることも
可能である。
【0044】(第4実施形態)次に、本発明に係る第4
実施形態について説明する。本形態は、上述した第1実
施形態の変形例である。図4に示すように、洗浄液流通
管(30a) の外周面と輻射シールド(S) の内面との間に
は、この両者間において熱伝導を行うための伝熱体(37)
が架設されている。この伝熱体(37)は熱伝導率の高い材
料(例えば銅)でなる部材であって、洗浄液流通管(30
a) と輻射シールド(S) との間で僅かに湾曲した状態で
配設されており、各部材の熱収縮等を吸収するようにな
っている。
【0045】このような構成により、寒冷発生運転時に
低温度になっている輻射シールド(S) の冷気により伝熱
体(37)を介して洗浄液流通管(30a) が冷却されることに
なり、外気の熱が洗浄液流通管(30a) を経て高圧配管(2
3)に伝達され、冷媒配管(20)を循環しているヘリウムが
加熱されることによる熱損失が低減される。また、本形
態の構成も第2実施形態に適用することが可能である。
【0046】(第5実施形態)次に、本発明に係る第5
実施形態について説明する。本形態も、バイパス回路(3
0)の変形例であって、その他の構成は上述した第2実施
形態と同様であるので、ここではバイパス回路(30)につ
いてのみ説明する。本例における操作ロッド(18a) の外
周囲を囲繞する管体(30c) は、この操作ロッド(18a) を
保護するためのものであって、操作ロッド(18a) は、こ
の保護用管体(30c) の内部を進退自在となっている。そ
して、この保護用管体(30c) と操作ロッド(18a) との間
にはOリング(38)が介在されており、この両者間に形成
されている空間(B) の一部が閉鎖されて冷媒配管(20)の
内部通路と大気とが連通しないようになっている。
【0047】そして、本形態の特徴としては、上記操作
ロッド(18a) に代えて保護用管体(30c) に挿通される洗
浄管としての洗浄用管体(40)が用意されている(図6参
照)。この洗浄用管体(40)は、図6に示すように、先端
面部分が閉塞されていると共に、この先端部近傍の側面
に貫通孔(40a) が形成されている。そして、操作ロッド
(18a) に代えて洗浄用管体(40)が保護用管体(30c) に挿
通された状態では、この貫通孔(40a) が高圧配管(23)の
内部に連通するようになっている。また、この状態で
は、洗浄用管体(40)の先端部分によってJ−T弁(18)が
全閉状態とされている。従って、高圧配管(23)の内部通
路の洗浄時には、操作ロッド(18a) が保護用管体(30c)
から抜き取られ、それに代えて洗浄用管体(40)が保護用
管体(30c)に挿通される。これにより、この洗浄用管体
(40)の内部通路が洗浄液流通路用空間(A) として構成さ
れる。また、この際、操作ロッド(18a) が保護用管体(3
0c)から抜き取られると、冷媒配管(20)の内部が保護用
管体(30c) を介して大気と連通することになる。つま
り、ヘリウムタンク(T) の内部空間が大気と連通するこ
とになるが、このヘリウムタンク(T) 内は、蒸発したヘ
リウムガスにより大気圧よりも高圧になってるので、大
気中の空気がヘリウムタンク(T) 内に導入されてしまう
ことはない。
【0048】このようにして洗浄用管体(40)が保護用管
体(30c) に挿通された状態で、洗浄用管体(40)の大気側
端部に接続された図示しない圧送手段により洗浄液が供
給され、これにより、洗浄用管体(40)の内部通路(A) 及
び高圧配管(23)に亘って洗浄液が流通されて該高圧配管
(23)が洗浄されることになる。
【0049】このように、本形態の構成によれば、寒冷
発生運転時と配管洗浄時とで、保護用管体(30c) に挿入
される部材を操作ロッド(18a) と洗浄用管体(40)とで使
い分けるようにしているので、洗浄動作の信頼性を高く
確保することができる。
【0050】(第6実施形態)次に、本発明に係る第6
実施形態について説明する。本形態は、上述した第5実
施例の変形例である。図7に示すように、高圧配管(23)
の下流端部分(J−T弁(18)の直上流側部分)の外面に
は加熱手段としてのヒータ(42)が取付けられている。そ
して、高圧配管(23)の洗浄動作に先立って冷凍機(R) の
ウォームアップ時には、このヒータ(42)により高圧配管
(23)を加熱し、これによって、この高圧配管(23)内部の
不純物が加熱されることになって液相または気相に迅速
に相変化させることができるようになっている。つま
り、寒冷発生運転の終了時には冷媒配管(20)の温度が極
低温になっているために不純物が高圧配管(23)の内壁面
に固体となって付着していることがあるが、これを液相
または気相に相変化させることで洗浄液による除去が容
易に行えるようにしている。これにより、ウォームアッ
プ時間の短縮化が図れ、洗浄作業全体としての作業時間
が短縮化できることになる。
【0051】また、このヒータ(42)の取付け位置は、上
述した高圧配管(23)の下流端部分に限らず、高圧配管(2
3)内部の不純物を加熱できる位置であれば如何なる位置
に設けてもよい。また、本形態の構成も第1実施形態や
第2実施形態に適用することが可能である。
【0052】(第7実施形態)次に、本発明に係る第7
実施形態について説明する。本形態も、バイパス回路(3
0)の変形例であって、その他の構成は上述した第2実施
形態と同様であるので、ここではバイパス回路(30)につ
いてのみ説明する。
【0053】図8に示すように、本形態の操作ロッド(1
8a) はその外周面の一部が洗浄液流通管(30a) に対して
螺合され、回転操作されることによって進退移動するよ
うになっている。以下、洗浄液流通管(30a) 及び操作ロ
ッド(18a) の構成について説明する。
【0054】洗浄液流通管(30a) は、J−T弁(18)に接
続する先端部分に、僅かに内周側に延びるフランジ部(4
4)が形成されている。また、このフランジ部(44)に対し
て所定間隔を存した後側位置(図8における左側位置)
には内径寸法が上記操作ロッド(18a) の外径寸法に略一
致するように小さく設定された小径部(45)が形成されて
おり、この小径部(45)の内周面には雌ねじが形成されて
いる。また、この小径部(45)には、該小径部(45)の前後
両側(図8の左右両側)の空間を連通する連通孔(45a,4
5a, …) が小径部(45)の周方向に所定間隔を存した複数
箇所に形成されている。更に、小径部(45)の前側にはリ
ング状の開閉手段としての開閉体(46)が配設されてい
る。この開閉体(46)は、上記フランジ部(44)との間に縮
装されたスプリング(47)によって小径部(45)の前面に所
定の押圧力をもって押し付けられている。このように、
開閉体(46)が小径部(45)の前面に押し付けられた状態で
は、上記各連通孔(45a,45a, …) が閉鎖され、保護用管
体(30c) の内部通路が遮断された状態となる。
【0055】一方、操作ロッド(18a) は、ロッド本体(4
8)と、該ロッド本体(48)に弾性支持されたニードル(49)
とを備えている。つまり、ロッド本体(48)の内部の前端
部分にはスプリング収容空間(48a) が形成されていると
ともに、該ロッド本体(48)の前端部には上記ニードル(4
9)を挿入するための開口(48b) が形成されている。そし
て、スプリング収容空間(48a) にはコイルスプリング(5
0)が縮装され、該コイルスプリング(50)の前端部に、開
口(48b) からスプリング収容空間(48a) に挿入されたニ
ードル(49)の基端部が連結されている。そして、ロッド
本体(48)は、その先端部から僅かに後退した位置の外周
面に、上記洗浄液流通管(30a) の雌ねじに螺合する雄ね
じが形成されている。つまり、ロッド本体(48)を回転さ
せることに伴う該ロッド本体(48)の進退移動によって、
J−T弁(18)の開度が設定されるようになっている。ま
た、ロッド本体(48)の前端部には、外周側に僅かに突出
した突起(48c) が一体形成されている。この突起(48c)
は上記開閉体(46)に対面する位置に形成されている。こ
のような構成により、図8に示すような操作ロッド(18
a) の後退位置では突起(48c) が小径部(45)の前面より
も後側に位置し、開閉体(46)が小径部(45)の前面に当接
して連通孔(45a) を閉塞する。一方、図9に示すような
操作ロッド(18a) の前進位置でニードル(49)の先端がJ
−T弁(18)の内壁に当接した状態から更に前進させてコ
イルスプリング(50)を押し縮めた状態ではロッド本体(4
8)の突起(48c) が開閉体(46)をスプリング(47)の付勢力
に抗して図中右側に移動させ、これにより開閉体(46)が
小径部(45)の前面から離れて連通孔(45a) を開放するよ
うになっている。
【0056】以下、本形態における高圧配管(23)の洗浄
動作について説明する。寒冷発生運転時には図8に示す
ように開閉体(46)が連通孔(45a) を閉塞し、洗浄液流通
用空間(A) と冷媒配管(20)の内部とは遮断されている。
そして、洗浄動作時には、図9に示すように、操作ロッ
ド(18a) の前進位置で、ニードル(49)の先端がJ−T弁
(18)の内壁に当接した状態から更に前進させて連通孔(4
5a) を開放させる。この状態では、J−T弁(18)はニー
ドル(49)によって閉塞されているため、洗浄液流通用空
間(A) と高圧配管(23)の内部とが連通される。この状態
で、上述した各実施形態と同様に、洗浄液流通用空間
(A) と高圧配管(23)の内部とに亘って洗浄液を流すこと
により、高圧配管(23)の内部が全体に亘って洗浄され
る。
【0057】このように、本形態によれば操作ロッド(1
8a) の進退位置によって洗浄液流通用空間(A) と高圧配
管(23)の内部との連通状態を切換えることができるの
で、特別な開閉機構を必要とすることがなく、装置全体
としての小型化を図ることができる。
【0058】尚、上述した各実施形態では、低圧配管(2
4)の一部がヘリウムタンク(T) 内に開放されたオープン
タイプの冷凍機について説明したが、冷媒配管が閉回路
で形成されたクローズドタイプに対して適用することも
可能である。また、上述した各実施形態では洗浄液流通
用空間(A) から高圧配管(23)の内部に向って洗浄液を流
すようにしたが、これとは逆に、高圧配管(23)の内部か
ら洗浄液流通用空間(A) に向って洗浄液を流すようにし
てもよい。また、洗浄用の流体としては洗浄液に限らず
洗浄ガスであってもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、冷媒配管に、高圧配管中の不純物を除去するた
めの洗浄流体を流す洗浄手段を接続し、洗浄手段を流れ
る洗浄流体を高圧配管に流して不純物を除去するように
したために、冷凍機を他の部材から取外すことなく高圧
配管内の洗浄を行うことができる。つまり、常温で液相
状態である不純物に対しても、従来の洗浄作業に比べて
を極めて簡単な作業で確実に除去することができ、洗浄
作業性を良好に得ることができる。また、洗浄流体が低
圧配管に導入されることがないので、この低圧配管が樹
脂材料により構成されている場合であっても腐食してし
まう虞れはない。更に、低圧配管が冷媒貯留タンクに接
続されている場合であっても、このタンク内に洗浄流体
が入り込むことはないので、該タンク内の冷媒が汚染さ
れることもない。
【0060】請求項2記載の発明によれば、洗浄手段
を、常温側の一端部に開閉弁を有する洗浄流体流通管の
他端を高圧配管に接続して成したために、この開閉弁の
開放により、高圧配管を容易に大気と連通させることが
でき、極めて簡単な作業で不純物の除去を行うことがで
き、洗浄作業の簡素化を図ることができる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、膨張手段を
構成する弁体の外周面との間に高圧配管に連通する空間
を存するように該弁体を囲繞する洗浄流体流通管を備え
させ、この空間を洗浄流体流通用の空間として利用した
ために、洗浄流体流通管の内部に膨張機構としての弁体
と洗浄流体流通用の空間とを備えさせることができ、こ
れによって装置全体としての小型化を図ることができ
る。
【0062】請求項4記載の発明によれば、洗浄流体流
通管の内面に、寒冷発生運転時、該洗浄流体流通管内部
での対流の発生を防止する対流防止手段を設けたため
に、この洗浄流体流通管内部での対流の発生に伴う熱損
失を抑制することができ、冷凍機の冷凍能力の向上を図
ることができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、輻射シール
ドと洗浄流体流通管との間に、この両者間で熱伝導を行
わせる伝熱体を設け、寒冷発生運転時に、低温度になっ
ている輻射シールドの冷気により伝熱体を介して洗浄液
流通管を冷却するようにしたために、外気の熱が洗浄液
流通管を経て高圧配管に伝達されることによる熱損失が
低減されることになり、これによっても冷凍機の冷凍能
力の向上を図ることができる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、高圧配管の
洗浄時、冷媒配管及び洗浄流体流通管から抜き取られた
弁体に代えて、一端が高圧配管内に連通し且つ液冷媒配
管とは遮断するするように洗浄流体流通管に挿入された
洗浄管を設け、寒冷発生運転時と配管洗浄時とで、洗浄
流体流通管に挿入される部材を使い分けるようにしたた
めに、洗浄動作の信頼性を高く確保することができる。
【0065】請求項7記載の発明によれば、高圧配管の
洗浄時、高圧配管または洗浄流体流通管の冷媒を加熱す
る加熱手段を設け、冷媒を加熱することで、高圧配管の
内部で固体となっていた不純物を迅速に気体或いは液体
に戻すことができるようにしたために、所謂ウォームア
ップ時間の短縮化を図ることができ、配管洗浄作業時間
の短縮化を図ることができる。
【0066】請求項8記載の発明によれば、弁体の進退
位置を変更することで、洗浄流体流通管の内部と高圧配
管の内部とが遮断された状態と連通した状態とを切換え
る開閉手段を設けたことにより、この遮断,連通を切換
えるための特別な手段を必要としない。つまり、弁体の
操作によって膨張手段の開度調整及び洗浄流体流通管の
内部と高圧配管の内部との連通状態の切換え操作とが行
え、操作部及び部品点数の削減を図ることができる。
【0067】請求項9記載の発明によれば、極低温の液
冷媒を貯留するタンクを備えさせ、一端が膨張手段に接
続し、他端がタンク内に開放する液冷媒供給管と、一端
がタンク内の上層部に開放し、他端が圧縮機に向って延
びるガス冷媒取出し管とを備えさせたことにより、冷凍
機の構成を具体的に得ることができ、該冷凍機の実用性
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における冷凍機の冷凍回路を示す
図である。
【図2】第2実施形態におけるJ−T弁及びその周辺部
を示す断面図である。
【図3】第3実施形態における洗浄液流通管の内部を示
す断面図である。
【図4】第4実施形態における洗浄液流通管周辺部を示
す図である。
【図5】第5実施形態における操作ロッドの挿通状態を
示す図2相当図である。
【図6】第5実施形態における洗浄用管体の挿通状態を
示す図2相当図である。
【図7】第6実施形態における図2相当図である。
【図8】第7実施形態における寒冷発生運転時のJ−T
弁周辺部を示す断面図である。
【図9】第7実施形態における配管洗浄動作時のJ−T
弁周辺部を示す断面図である。
【符号の説明】
(11) J−T冷凍機 (18) J−T弁(膨張手段) (18a) 操作ロッド(弁体) (20) 冷媒配管 (23) 高圧配管 (24) 低圧配管 (25) 液冷媒供給管 (26) ガス冷媒取出し管 (30) バイパス回路(洗浄手段) (30a) 洗浄液流通管(洗浄流体流通管) (30b) 開閉弁 (35) 対流防止板(対流防止手段) (36) 詰め物(対流防止手段) (37) 伝熱体 (40) 洗浄用管体(洗浄管) (42) ヒータ(加熱手段) (T) ヘリウムタンク (S) 輻射シールド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と膨張手段(18)とが高圧配管(23)
    及び低圧配管(24)を備えた冷媒配管(20)により冷媒の循
    環が可能に接続され、圧縮機で圧縮した冷媒ガスを高圧
    配管(23)より膨張手段(18)に供給して膨張させて極低温
    レベルの寒冷を発生させる極低温冷凍機において、 上記冷媒配管(20)には、高圧配管(23)中の不純物を除去
    するための洗浄流体を流す洗浄手段(30)が接続されてい
    ることを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 洗浄手段(30)は、常温側の一端部に開閉
    弁(30b) を有する洗浄流体流通管(30a) の他端が高圧配
    管(23)に接続されて成ることを特徴とする請求項1記載
    の極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】 膨張手段(18)は、先端部が冷媒配管(20)
    の内部に進退自在に挿通され、進退移動することで冷媒
    配管(20)の通路面積を変化させる棒状の弁体(18a) を備
    えており、 洗浄手段(30)は、上記弁体(18a) の外周面との間に高圧
    配管(23)に連通する空間を存するように該弁体(18a) を
    囲繞する洗浄流体流通管(30a) を備えていることを特徴
    とする請求項1記載の極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 洗浄流体流通管(30a) の内面には、寒冷
    発生運転時、該洗浄流体流通管(30a) 内部での冷媒の流
    通に抵抗を与えて対流の発生を防止する対流防止手段(3
    5),(36) が設けられていることを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の極低温冷凍機。
  5. 【請求項5】 膨張手段(18)は、輻射シールド(S) によ
    って外気からシールドされており、この輻射シールド
    (S) と洗浄流体流通管(30a) との間には、この両者間で
    熱伝導を行わせる伝熱体(37)が設けられていることを特
    徴とする請求項2または3記載の極低温冷凍機。
  6. 【請求項6】 弁体(18a) は冷媒配管(20)及び洗浄流体
    流通管(30a) に対して抜き取り自在であって、高圧配管
    (23)の洗浄時、冷媒配管(20)及び洗浄流体流通管(30a)
    から抜き取られた弁体(18a) に代えて、一端が高圧配管
    (23)内に連通し且つ膨張手段(18)下流側の液冷媒配管(2
    5)とは遮断するように洗浄流体流通管(30a) に挿入され
    た洗浄管(40)が設けられていることを特徴とする請求項
    3記載の極低温冷凍機。
  7. 【請求項7】 高圧配管(23)の洗浄時、高圧配管(23)ま
    たは洗浄流体流通管(30a) の冷媒を加熱する加熱手段(4
    2)が設けられていることを特徴とする請求項2または3
    記載の極低温冷凍機。
  8. 【請求項8】 弁体(18a) は、洗浄流体流通管(30a) に
    対して進退自在に挿通されており、冷媒を膨張させる弁
    体(18a) の後退位置では洗浄流体流通管(30a) の内部と
    高圧配管(23)の内部とを遮断し、冷媒配管(20)を閉塞し
    た弁体(18a)の前進位置より増締め状態では洗浄流体流
    通管(30a) の内部と高圧配管(23)の内部とを連通させる
    開閉手段(46)が設けられていることを特徴とする請求項
    3記載の極低温冷凍機。
  9. 【請求項9】 極低温の液冷媒を貯留するタンク(T) を
    備え、一端が膨張手段(18)に接続し、他端がタンク(T)
    内に開放する液冷媒供給管(25)を備え、 低圧配管(24)は、一端がタンク(T) 内の上層部に開放
    し、他端が圧縮機に向って延びるガス冷媒取出し管(26)
    を備えており、 上記タンク(T) 内で蒸発したガス冷媒を、ガス冷媒取出
    し管(26)を経て圧縮機に吸入し、該圧縮機で圧縮した
    後、膨張手段(18)での膨張による温度降下により極低温
    に液化し、該液冷媒を液冷媒供給管(25)よりタンク(T)
    内に供給することを特徴とする請求項1記載の極低温冷
    凍機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170015568A (ko) * 2010-05-12 2017-02-08 브룩스 오토메이션, 인크. 극저온 냉각용 시스템 및 방법

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