JPH09194586A - 高純度ポリグリセリン脂肪酸エステル - Google Patents

高純度ポリグリセリン脂肪酸エステル

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JPH09194586A
JPH09194586A JP8010831A JP1083196A JPH09194586A JP H09194586 A JPH09194586 A JP H09194586A JP 8010831 A JP8010831 A JP 8010831A JP 1083196 A JP1083196 A JP 1083196A JP H09194586 A JPH09194586 A JP H09194586A
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fatty acid
acid ester
polyglycerin
ppm
proton
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JP8010831A
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Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留オキシラン酸素の少ない高純度ポリグリ
セリン脂肪酸エステルを提供する。 【解決手段】 プロトンNMRにより、オキシラン基由
来のメチレンプロトンに帰属される2.7ppmから2.8ppm間
のケミカルシフトのピーク面積値がポリグリセリンのメ
チレンプロトンおよびメチンプロトンに帰属される3.4p
pmから4.4ppm間のケミカルシフトのピーク面積値の0.01
%以下であるポリグリセリン脂肪酸エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度ポリグリセ
リン脂肪酸エステルに関する。本発明の高純度ポリグリ
セリン脂肪酸エステルは、食品分野、化粧品分野、医薬
分野などにおける乳化剤、基剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリグリセリン脂肪酸エステル類は食品
添加物として認可された界面活性剤であり、近年、その
使用量も徐々に増加している。このポリグリセリン脂肪
酸エステル類は、主として、ポリグリセリン類と脂肪酸
類または脂肪酸エステル類とを反応させることによって
得られる。ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、親水基
として機能するポリグリセリンの重合度、および疎水基
として機能する脂肪酸類の鎖長を種々選択することによ
り、広い範囲のHLB値のエステル類が得られるという
特徴がある。このエステル類はまた酸性領域で高い安定
性を示すことから、特に食品分野において、乳化剤、分
散剤、粘度調整剤などとして広く用いられている。
【0003】従来、このポリグリセリン脂肪酸エステル
の製造方法としては、(1)ポリグリセリンと脂肪酸類と
のエステル化反応{JAOCS(Journal of American
OilChemists′ Society)第58巻、第 878頁(1981年)、
特開平6−41007号公報などを参照}、(2)ポリグ
リセリンと脂肪酸エステル類とのエステル交換反応、
(3)ポリグリセリンと油脂類とのエステル交換反応、(4)
グリシドールと脂肪酸モノグリセライド類との付加重合
反応{USP4,515,775を参照}、(5) グリシ
ドールと脂肪酸類との付加重合反応(特開昭51−65
705号公報参 照)、などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリグリセリン脂肪酸
エステル類を、上記(1)〜(3)の方法によって製造する場
合には、製品中に未反応のポリグリセリンが残存する。
ポリグリセリン脂肪酸エステル類とポリグリセリンと
は、ともに沸点が極めて高く、経費のかかる分子蒸留法
によらなければ効率よく分別することができないため、
通常のポリグリセリン脂肪酸エステル類は、未反応のポ
リグリセリンを含有したままの商品形態で市販されてい
る。未反応のポリグリセリンは、それ自体は乳化機能を
持たないため、これらを多量に含む製品は、表面張力の
低下、分散力の低下、気泡力の低下、乳化安定性の低下
などが顕著になる。
【0005】なお、一般的には上記(1)〜(3)の方法によ
って製造する場合の出発原料であるポリグリセリンはグ
リセリンの加熱脱水によるポリエーテル化縮合反応によ
って得られるものであり、その製造条件が高温下で行わ
れるため、環状エーテル化合物等の副反応物が生成され
ることが知られている。
【0006】また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類
を、上記(4)〜(5)の方法で製造すると、製品に未反応の
ポリグリセリンが混入することは避けられるが、未反応
のグリシドールが混入するという問題がある。未反応の
グリシドールは、未反応のポリグリセリンと同様、それ
自体は乳化機能を持たないため、これらを多量に含む製
品は、表面張力の低下、分散力の低下、気泡力の低下、
乳化安定性の低下などが顕著になる。ポリグリセリン脂
肪酸エステル類から未反応のグリシドールを除去するに
は、分子蒸留法により蒸留する必要がある。この蒸留法
は不経済であり、工業的に実施するには好ましくない。
【0007】かかる状況にあって、界面活性剤、食品分
野の乳化安定剤に応用した場合、表面張力の向上、分散
力の向上、気泡力の向上、乳化安定性の向上などが期待
され、未反応ポリグリセリン、未反応グリシドールなど
を含まないか、含んでいてもその含有量が極めて少ない
高純度ポリグリセリン脂肪酸エステル類が求められてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に存在する問題を解決するものであって、未反応ポリグ
リセリン、未反応グリシドールなどを含まないか、含ん
でいてもその含有量が極めて少ない、即ち、プロトンN
MRにより、オキシラン基由来のメチレンプロトンに帰
属される2.7ppmから2.8ppm間のケミカルシフトのピーク
面積値がポリグリセリンのメチレンプロトンおよびメチ
ンプロトンに帰属される3.4ppmから4.4ppm間のケミカル
シフトのピーク面積値の0.01%以下である高純度ポリグ
リセリン脂肪酸エステル類を提供するものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、上記(1)〜(5)
のいずれかの方法によってポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを得る第1工程、この第1工程で得られた生成物に水
を添加し、加熱した後脱水する第2工程よりなる製造方
法によってオキシラン酸素濃度の検出が少ない高純度ポ
リグリセリン脂肪酸エステルが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明でオキシラン酸素濃度数値に相対的
に対応するケミカルシフトのピーク面積値を規定するプ
ロトンNMRは基本的には、以下の条件で行なうものとす
る。
【0012】すなわち、溶媒として重クロルメタンを使
用して非検体の濃度を約5%に調整し、測定温度約40℃
で、日本電子製プロトンNMR装置、JOEL270Mzまたはそれ
に相当する機器を使用して測定する。測定は温度を40℃
プラスマイナス0.5℃の範囲内にコントロ−ルしながら
行なうことが望ましい。
【0013】本発明の高純度ポリグリセリン脂肪酸エス
テルを製造するには、まず、第1工程で、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル粗液を得る。
【0014】ここでは特に脂肪酸とグリシドールとを付
加重合反応させてポリグリセリン脂肪酸エステル粗液を
得る方法について説明するが、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを得る方法について限定するものでなく、製造方
法としては上記(1)〜(5)のいずれの方法によっても良
く、生成する化合物の構造を規定するのみである。
【0015】ここで使用される原料の脂肪酸としては、
炭素数7〜22の脂肪酸類が用いられる。脂肪酸は、飽
和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖脂肪酸で
も側鎖をもつ脂肪酸でもよく、さらに炭素鎖がヒドロキ
シル基で置換された置換脂肪酸であってもよい。これら
脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、2
−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソト
リデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレ
イン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、ベヘン酸、エルカ酸、リシノール酸、
ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらは、
各単独で使用できるほか、2種以上を任意に混合して使
用してもよい。
【0016】グリシドールと脂肪酸とを付加重合反応さ
せる際の脂肪酸に対するグリシドールのモル比は、1〜
100、好ましくは、1〜50、さらに好ましくは、1〜10
の範囲で選ぶのがよい。
【0017】上記脂肪酸とグリシドールとの付加重合反
応は、リン酸系酸性触媒の存在下、要すれば溶媒を存在
させて、遂行するのが好ましい。ここで使用されるリン
酸系酸性触媒としては、リン酸類またはリン酸のエステ
ル類である。具体的には、リン酸、無水リン酸、ポリリ
ン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン
酸、四リン酸などのリン酸類、メチルアシッドホスフェ
ート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシ
ッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェートなど酸性リン酸エ
ステル類などが挙げられる。なお、酸性リン酸エステル
類は、モノエステル体、ジエステル体およびこれらの混
合物のいずれであってもよい。上に挙げた触媒の中で
は、リン酸、酸性リン酸エステル類が特に好ましい。
【0018】上記触媒は、単独でも2種以上を混合して
使用してもよい。触媒の使用量は、脂肪酸に対して0.
01〜10重量%の範囲で選ぶのがよい。0.01重量
%未満では、反応速度が遅すぎ、10重量%を越えると
触媒を多量使用しても効果が頭打ちになるばかりでな
く、グリシドールの付加重合体が副生して、いずれも好
ましくない。上記の触媒使用量の範囲では、0.1〜5
重量%が特に好ましい。付加重合反応は溶媒なしで遂行
できるが、溶媒を使用してもよい。使用できる溶媒とし
ては、炭素数が6〜9の芳香族炭化水素類、特にベンゼ
ン、トルエン、トリフルオルトルエンのようなハロゲン
化トルエン、炭素数が3〜9の脂肪族ケトン類、特にメ
チルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
エチルケトン、ジ−イソブチルケトンなどが挙げられ
る。この他、ジイソプロピルエーテル等のエーテルも好
適である。これら溶媒は、単独でも、2種以上を混合物
であってもよい。溶媒を使用する場合の使用量は、反応
終了後の回収操作の観点から、できるだけ少なくするの
がよく、反応原料の全体の量の2倍量までであることが
特に好ましい。
【0019】反応温度は、溶媒の有無、触媒の種類、量
などにより変るが、50〜180℃の範囲で選ぶのがよ
い。温度が50℃未満であると反応速度が遅すぎ、また
180℃を越えると生成物の着色が激しくなるばかりで
なく、グリシドールが分解して副反応を起こし好ましく
ない。上記の温度範囲では、70〜160℃が好まし
く、中でも140〜160℃が特に好ましい。
【0020】付加重合反応は、反応容器に脂肪酸、溶媒
および触媒を混合し、この混合物を反応温度まで加熱し
た後、撹拌下、グリシドールを少量ずつ添加しながら行
うのが好ましい。反応は連続的にまたは回分式に行うこ
とができる。溶媒を使用する場合であって、その沸点が
反応温度以下である場合には、加圧下に行うのが有利で
ある。付加重合反応は、窒素ガスのような不活性ガス雰
囲気下で行うのが望ましい。
【0021】上記反応により、脂肪酸にグリシドールが
付加重合して、より高重合度のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルが生成する。生成物は、モノ脂肪酸エステル体、
ジ脂肪酸エステル体、およびトリ脂肪酸エステル体が混
合したポリグリセリン脂肪酸エステルであるが、上記反
応によるとモノ脂肪酸エステル体の含有量割合の多いも
のが得られる。すなわち、本発明によって得られるポリ
グリセリン脂肪酸エステルは、カラムクロマト分析法
で、紫外線吸収検出器を用いて検出されるモノ脂肪酸エ
ステル体のピーク面積比で表した含有率が70%以上の
ものである。
【0022】本発明の高純度ポリグリセリン脂肪酸エス
テルを製造するには、第2工程で、上記(1)〜(5)のいず
れかの方法でポリグリセリン脂肪酸エステル粗液を得る
第1工程の後に、水を添加し、加熱し、脱水する方法が
望ましい。
【0023】この第2工程によって、ポリグリセリン脂
肪酸エステルに含まれる未反応グリシドール、または副
反応の生成物と予想されるオキシラン基含有化合物由来
の残存するオキシラン基濃度を低減させた高純度の目的
物を得ることができる。
【0024】第2工程において、添加する水の量は、第
1工程で得られたポリグリセリン脂肪酸エステルに対し
て0.1〜20重量%の範囲で選ぶのが好ましい。水の
量が0.1重量%未満であると、未反応グリシドールを
十分に低減することができず、20重量%を越えるとき
は、後処理操作が繁雑になり、いずれも好ましくない。
添加する水の量の特に好ましい範囲は、1〜10重量%
である。
【0025】また第2工程では、上記の第1工程で得ら
れたポリグリセリン脂肪酸エステルに水を添加した後、
加熱する。加熱することにより、未反応グリシドールを
グリセリンに変換することができる。この際の加熱温度
は、60〜200℃の範囲で選ぶのが好ましい。加熱温
度が60℃未満であると、未反応グリシドールまたは副
反応の生成物と予想されるオキシラン基含有化合物由来
の残存するオキシラン基濃度を十分に低減することがで
きず、200℃を越えると生成物のポリグリセリン脂肪
酸エステルが着色するので、いずれも好ましくない。上
記温度範囲で特に好ましくは、80〜160℃の範囲で
ある。加熱時間は、温度にもよるが、0.5〜15時
間、特に好ましくは1〜7時間の範囲である。
【0026】第2工程では、上記加熱処理操作の後、脱
水する。脱水は、蒸留、共沸蒸留、減圧蒸留などによる
ことができる。蒸留する際の加熱温度は、100〜20
0℃の範囲で選ぶのが好ましい。加熱温度が100℃未
満であると、製品のポリグリセリン脂肪酸エステルに含
まれる水を除去するのに十分でなく、200℃を越える
と生成物のポリグリセリン脂肪酸エステルが着色するの
で、いずれも好ましくない。上記温度範囲で特に好まし
いのは、110〜160℃の範囲である。脱水時間は、
温度、減圧度にもよるが、1〜10時間の範囲で選ばれ
る。中でも好ましいのは、1〜6時間の範囲である。な
お、第1工程で使用した溶媒は、この脱水操作で除去す
ることができるが、脱水操作とは別の操作で除去するこ
ともできる。
【0027】以上の通り、上記(1)〜(5)のいずれかの方
法によってポリグリセリン脂肪酸エステル粗液を得る第
1工程、この第1工程で得られた生成物に水を添加し、
加熱した後脱水する第2工程により本発明のオキシラン
酸素濃度の検出が少ない高純度ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルが提供される。未反応のグリシドールまたは副反
応の生成物と予想されるオキシラン基含有化合物由来の
残存するオキシラン基濃度の量は、製品について、プロ
トンNMRにより、オキシラン基由来のメチレンプロト
ンに帰属される2.7ppmから2.8ppm間のケミカルシフトの
ピーク面積値とポリグリセリンのメチレンプロトンおよ
びメチンプロトンに帰属される3.4ppmから4.4ppm間のケ
ミカルシフトのピーク面積値を比較することによって、
確認することができる。
【0028】本発明の高純度のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル(以下、単に「高純度製品」と記載することがあ
る。)は、プロトンNMRにより、オキシラン基由来の
メチレンプロトンに帰属される2.7ppmから2.8ppm間のケ
ミカルシフトのピーク面積値がポリグリセリンのメチレ
ンプロトンおよびメチンプロトンに帰属される3.4ppmか
ら4.4ppm間のケミカルシフトのピーク面積値の0.01%以
下である高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルであり、
ポリグリセリン脂肪酸エステルが従来から使用されてい
る種々の用途に用いられ、その目的とする機能を十分に
発揮することができる。以下、これら用途を簡単に例示
する。
【0029】(1)本発明の「高純度製品」は、パン、
ケーキ、菓子類の製造時用油脂の界面活性剤として用い
られる(特開平6−53号公報、特開平6−22690
号公報、特開平6−78672号公報、特開平6−25
3718号公報、特開平6−269244号公報などを
参照)。
【0030】(2)本発明の「高純度製品」は、ココア
飲料の乳化安定剤として用いられる(特開平6−386
82号公報を参照)。
【0031】(3)本発明の「高純度製品」は、麺類品
質改良剤として用いられる(特開平6−197717号
公報、特開平6−276972号公報などを参照)。
【0032】(4)本発明の「高純度製品」は、水産ね
り製品の品質改良剤として用いられる(特開平6−22
730号公報、特開平6−90713号公報などを参
照)。 (5)腸溶性乳酸菌造粒物製造用可塑剤の代替物として
用いられる(特開平6−133735号公報を参照)。
【0033】(6)水中油型乳化油脂組成物の乳化剤と
して用いられる(特開平6−209704号公報を参
照)。
【0034】(7)香味を有する油脂またはフレーバー
成分が添加された油脂組成物の乳化剤として用いられる
(特開平6−14711号公報を参照)。
【0035】(8)サワーチーズ飲料用脂肪分散乳化促
進剤として用いられる(特開平6−113799号公報
を参照)。
【0036】(9)食品用鮮度保持剤の乳化剤として用
いられる(特開平6−153884号公報を参照)。
【0037】(10)流動性のあるでん粉食品の品質改
良用組成物の配合物として用いられる(特開平6−22
5684号公報を参照)。
【0038】(11)脂肪含有乳酸飲料用添加剤として
用いられる(特開平6−62734号公報を参照)。
【0039】(12)含水チョコレート類の乳化剤とし
て用いられる(特開平6−189682号公報を参
照)。
【0040】(13)コーヒークリーム用乳化剤として
用いられる(特開平6−90663号公報を参照)。
【0041】(14)魚肉ハム製造用水中油滴型乳化液
用乳化剤として用いられる(特開平6−113727号
公報を参照)。
【0042】《実施例》以下、本発明を実施例に基づい
て詳細に説明するが、本発明は以下の記載例に限定され
るものではない。
【0043】<第1工程>撹拌機、温度計、温度調節
器、還流冷却器、滴下シリンダー、窒素ガス導入管など
を備えた容量1リットルの4ツ口フラスコに、ラウリン
酸0.5モル(100.16g)とリン酸(純度85%
品)0.0622gを仕込み、撹拌下、内温を140℃
に加熱した。ついで、内温をこの温度に維持し撹拌しな
がら、グリシドール3.0モル(222.24g)を5
時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.067
%[なお、この数値は、Journal of American Oil Chem
ists'Society試験法Cd.9-57で規定された滴定法を使用
して測定されたものである]になるまで反応を継続し
た。
【0044】この第1工程の反応生成物の酸価は、0.
13[JIS 1557]であった。また、この反応生成物のプロ
トンNMRを測定した。
【0045】測定は溶媒に重クロルメタンを使用し、濃
度約5%に調整し、測定温度約40℃で日本電子製プロト
ンNMR装置、JOEL270Mzを用いて測定した。
その結果を図ー2および図ー1(図ー2の100倍の拡
大図)に示した。
【0046】これらのプロトンNMRの解析により、オ
キシラン基由来のメチレンプロトンに帰属される2.7ppm
から2.8ppm間のケミカルシフトのピーク面積値が0.5
であったのに対し、ポリグリセリンのメチレンプロトン
およびメチンプロトンに帰属される3.4ppmから4.4ppm間
のケミカルシフトのピーク面積値は962.6であり、
その比は0.551/962.6(=0.52%)と計算されるこ
とが分った。
【0047】なお、分子の数値0.551はa、b、cの3
個のプロトンのピ−ク面積1.655を3で割った数値であ
る。
【0048】<第2工程>上記第1工程終了した後、同
じフラスコに実施例1と同様に水を2重量%添加し、撹
拌下、フラスコ内温を135℃に加熱し、還流下、この
温度で2時間保持した。次いで、フラスコ内温を140
℃に昇温し、この温度に維持しつつ、フラスコ内を減圧
して減圧蒸留を行い、脱水した。減圧蒸留を4時間行っ
た際の、最終減圧度は10mmHgであった。得られた
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、オキシラン濃度が
0.0072%[なお、この数値は、Journal of Ameri
canOil Chemists' Society試験法Cd.9-57で規定された
滴定法を使用して測定されたものである]、酸価が0.
45[JIS 1557]であった。
【0049】その結果を図ー3および図ー4(図ー3の
100倍の拡大図)に示した。
【0050】これらのプロトンNMRの解析により、オ
キシラン基由来のメチレンプロトンに帰属される2.7ppm
から2.8ppm間のケミカルシフトのピーク面積値が観測さ
れず、ポリグリセリンのメチレンプロトンおよびメチン
プロトンに帰属される3.4ppmから4.4ppm間のケミカルシ
フトのピーク面積値との比は0%と計算されることが分
った。
【0051】
【発明の効果】本発明の高純度ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルにおいては、表面張力の向上、分散力の向上、気
泡力の向上、乳化安定性の向上が達成され、その産業上
の利用価値が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の100倍の拡大図である。
【図2】実施例の第1工程において得られたポリグリセ
リン脂肪酸エステルのプロトンNMRチャ−トである。
【図3】実施例の第2工程において得られたポリグリセ
リン脂肪酸エステルのプロトンNMRチャ−トである。
【図4】図3の100倍の拡大図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロトンNMRにより、オキシラン基由来
    のメチレンプロトンに帰属される2.7ppmから2.8ppm間の
    ケミカルシフトのピーク面積値がポリグリセリンのメチ
    レンプロトンおよびメチンプロトンに帰属される3.4ppm
    から4.4ppm間のケミカルシフトのピーク面積値の0.01%
    以下であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
  2. 【請求項2】グリシドールと脂肪酸類との付加重合反応
    によって得られたものである請求項1記載のポリグリセ
    リン脂肪酸エステル。
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