JPH0919132A - 推進磁界発生装置及びエネルギー変換装置 - Google Patents

推進磁界発生装置及びエネルギー変換装置

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JPH0919132A
JPH0919132A JP7182195A JP18219595A JPH0919132A JP H0919132 A JPH0919132 A JP H0919132A JP 7182195 A JP7182195 A JP 7182195A JP 18219595 A JP18219595 A JP 18219595A JP H0919132 A JPH0919132 A JP H0919132A
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magnetic
magnetic field
permanent magnet
pole
propulsion
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JP7182195A
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Masahiro Mori
正弘 森
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ZENSHIN DENRYOKU ENG KK
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ZENSHIN DENRYOKU ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久磁石を利用した効率のよい推進磁界発生
装置及びエネルギー変換装置を提供すること。 【構成】 推進磁界を所定の作用空間(11A)に発生
させるため、推進磁界の所要の発生パターンに応じて間
隔をあけて配設された複数の永久磁石部材(21〜2
6)のそれぞれに対応して磁力線制御器(31〜36)
を設け、これらの磁力線制御器によって永久磁石部材か
ら作用空間に与えられるそれぞれの磁力線の数を位相を
ずらせて変化させて推進磁界を発生させる。また、この
ようにして発生させた推進磁界の作用空間内に回転部材
(12)を回転自在に設け、回転子に回転トルクを発生
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石を利用して各
種の推進磁界を発生させるための推進磁界発生装置及び
この推進磁界発生装置を用いて磁界エネルギーを運動エ
ネルギーに変換するためのエネルギー変換装置、特に回
転モータ、リニアモータ等として使用するのに好適なエ
ネルギー変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の交流の同期モータ或いは
誘導モータ等にあっては、固定子の磁極に設けられた励
磁巻線に所要の位相差をもって交流電圧を印加すること
により励磁電流を流して回転磁界を発生させ、これに同
期させて回転子を回転させている。また、リニアモータ
も同様に、直線状に配設された多数の励磁巻線に所定の
位置差をもって交流電圧を印加することにより励磁電流
を流し、これにより直進磁界を形成して磁性可動体に推
進力を付与している。
【0003】このように、従来の回転モータ、リニアモ
ータ等に用いられている回転磁界或いは直進磁界を発生
させるための推進磁界発生装置は、複数の励磁コイルに
位相をずらせて励磁電流を供給することによって所要の
方向に向かう推進磁界を発生する構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上述の如
く構成される従来の推進磁界発生装置を用いた回転モー
タ等のエネルギー変換位置にあっては以下の如き問題点
を有している。
【0005】第1に、回転モータの場合その回転速度は
交流電源の周波数に依存するため、巻線型誘導モータな
どの一部のモータを除き回転速度を任意の値に設定する
のが難しく、インバータを用いて回転速度を制御するの
が一般的である。しかし、インバータは高調波を発生す
るので近傍の他の機器に障害を与えるという問題を生じ
る。リニアモータの場合も同様である。
【0006】第2に、従来装置においては運動エネルギ
ーとしての回転力又は直進力を生み出すためにフレミン
グ左手の法則を利用しており、電流がその作用のために
必要とされるので、所望のトルクに見合った電源容量が
必要となり効率の改善が難しいことである。
【0007】本発明の目的は、永久磁石を利用すること
により従来技術における上述の問題を解決することがで
き、効率を著しく改善することができる推進磁界発生装
置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、永久磁石からの磁力
線を電磁石を用いてスイッチングすることにより永久磁
石の有するエネルギーを間歇的に取り出して回転磁界又
は直進磁界等の推進磁界を作り、これにより磁性可動部
材或いはその他の適宜の構成の可動体を運動させるよう
にした、変換効率のよいエネルギー変換装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の特徴は、推進磁界を所定の作用空間に発生さ
せるための推進磁界発生装置において、推進磁界の所要
の発生パターンに応じて間隔をあけて配設された複数の
永久磁石部材と、永久磁石部材のそれぞれに対応して設
けられた複数の磁力線制御器とを備え、これらの磁力線
制御器によって前記永久磁石部材から前記作用空間に与
えられるそれぞれの磁力線の数を位相をずらせて変化さ
せるようにした点にある。
【0010】磁力線制御器として、例えば磁芯部材にコ
イル部材を設けて成る電磁石を用いることができる。こ
の場合、磁芯部材の一端を対応する永久磁石の一方の磁
極端に密着又は近接して配置し、コイル部材に供給する
電流を制御することにより永久磁石の一方の磁極端から
所要の作用空間に与えられる磁力線の数を変化させるこ
とが可能となる。
【0011】永久磁石部材から前記作用空間に与えられ
るそれぞれの磁力線の数を位相をずらせて変化させるた
め、各磁力線制御器の作動を相互に関連性を持たせて制
御するための制御ユニットを用いることができる。
【0012】磁力線制御器として上述の如き電磁石を用
いる場合、各コイル部材に流す励磁電流を位相をずらせ
て周期的にオン、オフさせる励磁電流スイッチング制御
装置を制御ユニットとして使用することができる。
【0013】永久磁石部材が所定の円周上に間隔をあけ
て配置されるとこれにより回転する推進磁界、すなわち
回転磁界を形成することができ、また、永久磁石部材が
直線上に間隔をあけて配置されるとこれにより直進する
推進磁界を、すなわち直進磁界形成することができる。
【0014】本発明の他の特徴は、上述した推進磁界発
生装置により、作用空間内に回転する推進磁界を形成
し、その作用空間内に回転子を回転自在に設けることに
より、回転する推進磁界による回転トルクを前記回転子
に発生させるようにしたエネルギー変換装置を構成した
点にある。回転子として磁性体を用いることができ、こ
の場合には、回転子に回転磁界による回転トルクをより
効率よく発生させるため、磁性回転子に適宜の突極を設
けることが望ましい。回転子として、このほか、かご形
回転子を用いることもできる。
【0015】
【作用】所望の推進磁界発生パターンに応じて配設され
た複数の永久磁石部材から作用空間内に出て行く各磁力
線の数が、対応して設けられた磁力線制御器により位相
をずらせて変化せしめられ、これにより作用空間内に所
望の推進磁界が形成される。
【0016】その作用空間内に回転子を回転自在に設け
たエネルギー変換装置にあっては、作用空間内に形成さ
れる回転する推進磁界によって回転子に回転トルクが生
じる。磁力線制御器として電磁石を用いた場合、磁力線
の制御のための電気的エネルギーが回転子の回転運動エ
ネルギーに変換されるものではなく、スイッチングのゲ
ート作用に利用される。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
き詳細に説明する。
【0018】図1には本発明による推進磁界発生装置を
用いたエネルギー変換装置である直流式の回転モータの
一実施例が示されている。回転モータ10は適宜の非磁
性材料から成る円筒状のフレーム11を有しており、フ
レーム11の内側に回転磁界発生装置20が固定子側装
置として設けられている。フレーム11の内側空間はこ
の回転磁界発生装置20により後述の如くして作られる
回転する推進磁界(以下、単に回転磁界という)が生ぜ
しめられる作用空間11Aとなっており、作用空間11
A内には磁性材料である鉄から成る回転子12が設けら
れている。
【0019】符号13で示されるのは回転軸であり、回
転軸13はフレーム11の軸線方向両端に設けられた図
示しない一対の軸承によってフレーム11の軸線と整列
するようにして回転自在に支持されると共に、フレーム
11内でその軸方向に移動することがないように構成さ
れている。回転子12は回転軸13に公知の適宜の手段
で固着されており、回転子12と回転軸13とはフレー
ム11内で一体に回転することができる。
【0020】次に、回転磁界発生装置20の構成につい
て説明する。回転磁界発生装置20は、断面が矩形で棒
状の6個の永久磁石21〜26を備えており、これらの
永久磁石21〜26はそれぞれの軸がフレーム11の径
方向に整列するようにしてフレーム11の内周面に沿っ
て間隔をあけて図示の如く配設されている。本実施例で
は、フレーム11の内周面上の永久磁石21〜26の各
配置位置P1〜P6には、軟磁性材料であるパーマロイ
から成りフレーム11の内周面に沿って湾曲している板
状のヨーク部材41〜46がフレーム11の内側に図示
の如く埋設、固定されており、永久磁石21〜26の各
一端が対応するヨーク部材41〜46に密着するように
してフレーム11に固定されている。なお、ヨーク部材
41〜46の材料は軟磁性材料であるパーマロイに限定
されるものではなく、その他の適宜の磁性材料であって
もよいことは勿論である。
【0021】ここで、配置位置P1、P2、P3におけ
る永久磁石21、22、23の各N磁極が回転子12に
対向し、その他の配置位置P4、P5、P6における永
久磁石24、25、26の各S磁極が回転子12に対向
する構成となっている。しかし、各配置位置における永
久磁石の磁極の向きは任意であってよく、図示の実施例
の構成に限定されるものではない。なお、フレーム11
に対するヨーク部材41〜46及び永久磁石21〜26
の固定は、接着、ボルト止め、その他の公知の適宜の手
段を用いて行うことができる。
【0022】永久磁石21〜26のそれぞれから作用空
間11Aに与えられる磁力線を制御するための制御器と
して、電磁石31〜36が永久磁石21〜26にそれぞ
れ対応して設けられている。本実施例では、電磁石31
〜36は、それぞれ、パーマロイの如き軟磁性材料から
成るL字形の磁芯31A〜36Aとこれらの磁芯31A
〜36Aにそれぞれ巻回されたコイル31B〜36Bと
から成っており、磁芯31A〜36Aの各一端が対応す
る永久磁石の自由端の一側面にそれぞれ密着され、磁芯
31A〜36Aの各他端が対応するヨーク部材にそれぞ
れ密着されるようにして設けられ、結局、6つの固定子
側磁極M1〜M6がフレーム11に形成されている。
【0023】したがって、例えば固定子側磁極M1を例
にとって説明すると、永久磁石21のN磁極とS磁極と
の間にはヨーク部材41と電磁石31の磁芯31Aとか
ら成る磁路が形成されている。したがって、コイル31
Bに電流が流れていないか、又はコイル31Bに磁芯3
1Aの一端がS磁極となるように電流が流されている場
合には、永久磁石21からの磁力線の殆ど全てがヨーク
部材41と磁芯31Aとから成る上述の磁路内を通って
そのN磁極からS磁極へと戻ることとなり、永久磁石3
1からの磁力線が作用空間11Aに出て行くことがな
い。本明細書中では、この状態を磁力線オフの状態と称
する。
【0024】一方、磁芯31Aの一端がN磁極となるよ
うにコイル31Bに電流が流されると、永久磁石21か
らの磁束はヨーク部材41と磁芯31Aとから成る磁路
内を通ることができず、そのN磁極から出た磁力線は作
用空間11Aを通ってそのS磁極に戻ることとなる。本
明細書中では、この状態を磁力線オンの状態と称する。
【0025】このように、電磁石31に流す電流を制御
することにより、永久磁石21から作用空間11A内へ
出力される磁力線の数を制御することができ、永久磁石
21から作用空間11A内に出力される磁力線を、電磁
石31によってオン、オフスイッチングすることができ
る。
【0026】以上、固定子側磁極M1の場合について説
明したが、固定子側磁極M2〜M6においても、永久磁
石22〜26からそれぞれ作用空間11Aに出力される
磁力線を対応する電磁石32〜36に流す電流を制御す
ることによって全く同様に制御することができる。
【0027】固定子側磁極M1〜M6におけるそれぞれ
の永久磁石からの磁力線の制御を所定の位相差をもって
実行することにより作用空間11A内に回転磁界を生成
すべく電磁石31〜36の各コイル31B〜36Bに流
す励磁電流のスイッチング制御を行うために、制御ユニ
ット50が設けられている。
【0028】本実施例では、制御ユニット50はアース
端子50Gと3つの出力端子50A、50B、50Cと
を有しており、これらの出力端子50A、50B、50
Cからは、相互に位相が異なる第1励磁電圧A1、第2
励磁電圧A2、第3励磁電圧A3を1組とする三相の励
磁電圧が出力される構成である。一方、回転磁界発生装
置20においては、コイル31Bとコイル34B、コイ
ル32Bとコイル35B、コイル33Bとコイル36B
がそれぞれ直列に接続されている。そして、コイル31
Bとコイル34Bとに第1励磁電圧A1が供給され、コ
イル32Bとコイル35Bとに第2励磁電圧A2が供給
され、コイル33Bとコイル36Bとに第3励磁電圧A
3が供給される構成となっている。
【0029】図2を参照すると、第1乃至第3励磁電圧
A1、A2、A3は、いずれも周期Tの繰り返しパルス
電圧であり、それぞれが1周期の1/3の期間だけ位相
をずらせていずれか1つの相に正方向の励磁電圧を供給
し、残りの2つの相には負方向の励磁電圧を供給する構
成である。
【0030】第1励磁電圧A1が時間T1〜T2の期間
コイル31B、34Bに正の極性で印加されると、電磁
石31の磁芯31Aの一端がN磁極となるように励磁さ
れこれにより対応する永久磁石21からの磁力線は殆ど
作用空間11Aに出力される。このとき、電磁石34の
磁芯34Aの一端はS磁極となるように励磁されこれに
より対応する永久磁石24からの磁力線は作用空間11
Aに出力される。すなわち、固定子側磁極M1、M4は
共に磁力線オンの状態とされる。
【0031】このとき他のコイル32B、35B、及び
33B、36Bには第2及び第3励磁電圧がそれぞれ負
の極性で印加される。これにより、磁芯32Aの一端が
S磁極となり、磁芯35Aの一端がN磁極となるよう各
電磁石32、35に励磁電流が流れる。また、磁芯33
Aの一端がS磁極となり、磁芯36Aの一端がN磁極と
なるよう各電磁石33、36に励磁電流が流れる。すな
わち、固定子側磁極M2、M3、M5、M6ではいずれ
も磁力線オフの状態とされるので、永久磁石22、2
3、25、26からの磁力線がいずれも作用空間11A
に出力されることがない。
【0032】この結果、固定子側磁極M1の永久磁石2
1のN磁極からの磁力線が、回転子12を通って固定子
側磁極M4の永久磁石24のS磁極に入るので、例えば
回転子12の突極12Aが固定子側磁極M1に吸引され
回転子12の突極12Cが固定子側磁極M4に吸引さ
れ、回転子12が図1で時計方向に回転することにな
る。図2から判るように、次のT2〜T3の期間におい
ては固定子側磁極M2とM5のみが磁力線オンの状態と
なり、突極12Aは固定子側磁極M2に吸引され、突極
12Cは固定子側磁極M5に吸引される。この結果回転
子12は更に時計方向に回転する。その次のT3〜T4
の期間においては、固定子側磁極M3とM6のみが磁力
線オンの状態となり、突極12Aは固定子側磁極M3に
吸引され、突極12Cは固定子側磁極M6に吸引され
る。
【0033】このように、固定子側磁極M1〜M6が所
定のパターンに従って磁力線オンの状態となることによ
り、作用空間11A内には回転磁界が発生し、これによ
り回転子12に回転トルクが生じ、回転子12が所定方
向に回転することになる。
【0034】図3には、図2に示した1組の励磁電圧を
出力するための構成が具体的回路図にて示されている。
図3において、51は正電圧供給用の正電源、52は負
電圧供給の用の負電源、53〜55は切換スイッチ、5
6はパルス発生器で図4に示す周期Tでその内の1/3
だけ高レベルとなるパルスCLを出力している。このパ
ルスCLは第1スイッチ制御信号CAとして切換スイッ
チ53に供給されており、第1スイッチ制御信号CAが
高レベルとなっている場合に端子50Aが正電源51に
接続され、第1スイッチ制御信号CAが低レベルとなっ
ている場合に端子50Aが負電源52に接続される。こ
の結果、端子50Aから図2に示す第1励磁電圧A1を
供給することができる。
【0035】パルスCLは周期Tの1/3の時間だけの
遅延を与える第1遅延回路57によって図4に示される
ように遅延された第2スイッチ制御信号CBとされ、切
換スイッチ54に切換制御のための信号として与えられ
る。切換スイッチ54も切換スイッチ53と同様にし
て、第2スイッチ制御信号CBのレベルに応じて切換動
作を行ない、図2に示した第2励磁電圧A2を端子50
Bから供給することができる。
【0036】第2遅延回路58はパルスCLを周期Tの
2/3の時間だけ遅延させ、図4に示される如き第3ス
イッチ制御信号CCを出力する。切換スイッチ55はこ
の第3スイッチ制御信号CCに応答して他の切換スイッ
チと同様に作動し、図2に示した第3励磁電流A3を端
子50Cから供給することができる。以上の説明から判
るように、図3の各切換スイッチ53〜55は、図2に
示す時間T1〜T2の期間における切り換え状態を示し
ている。
【0037】ところで、各固定子側磁極M1〜M6の磁
力線のオン、オフに必要な電磁石31〜36の強さを決
める磁束数Φは、そのコイルの巻数Nとそこに流す電流
値Iの積に比例するのでΦ∝I×Nとなる。上記磁力線
のオン、オフスイッチングに必要な磁束数Φの値は所定
の一定値であるから、電磁石のコイルの巻数Nを大きく
すれば励磁のための電流値Iの値は小さくて済むことな
る。ところで、各電磁石への直流供給エネルギーは、正
電源51、負電源52の出力電圧をVとすればV×Iで
あるから、Iの値を小さくすれば直流供給エネルギーを
小さくすることができ、装置を極めて良好な効率で作動
させることができる。なお、上記実施例では、通常の電
磁石を用いた場合について説明したが、電磁石装置31
〜36として超電導磁石を用いれば、より一層効率を高
めることができる。
【0038】この回転モータ10は上述の如く、永久磁
石からの磁力線をオン、オフスイッチングすることによ
り回転磁界を生成して回転子12に回転トルクを与える
構成であるから、回転子12とを固定子側との間のギャ
ップ設計が極めて楽になる。すなわち、誘導モータは一
種のトランスであるため、そのギャップを小さくするこ
とによってモータの効率を高くすることが可能であり、
したがって、ギャップはなるべく小さくしなければなら
なかった。しかし、回転モータ10ではむしろそのギャ
ップを充分にとった設計が望まれる。その理由は、回転
モータ10にあっては、固定側磁極の各永久磁石の先端
より発生する又は先端に戻ってくる磁力線が回転子12
に入るルートが極端に横にならない方が初期吸引力が大
きく使えることになるからである。この結果、回転モー
タ10では回転子12と固定子側との間のギャップを充
分に大きく取ることができるため、温度上昇に強い(熱
膨張に強い)モータを製作することが可能となる。
【0039】なお、図1の実施例において、磁力線オン
時に電磁石の磁芯と永久磁石との間に作用する反発力に
より両者に強い離反力が働くので、図5に示されるよう
に、固定子側磁極M1の場合、永久磁石21の自由端部
21aとこれに密着する電磁石31の磁芯31Aの端部
31aとを非磁性鋼材料から成るクランプ部材60によ
ってしっかりとクランプし、両者の密着状態が確実に保
持されるようにする構成とすることが望ましい。
【0040】図6には、本発明による回転モータの他の
実施例が示されている。図6に示される回転モータ70
では、固定軸71に回転磁界発生装置80を設けた構成
とし、固定軸71にそれと同軸となるよう回転自在に取
り付けられた磁性材料から成る筒状の可動体72に磁性
突極72A〜72Dを設けた点が特徴となっている。図
6の実施例では、8つの固定側磁極N1〜N8が固定軸
71の周方向に等間隔に設けられており、磁性突極72
A〜72Dは可動体72と一体に設けられている。
【0041】固定側磁極N1は、図7に示されるよう
に、図1に示した実施例において使用された永久磁石と
同様の角柱棒状の永久磁石81をその軸が固定軸71の
軸と直角をなすように固定軸71上に固設すると共に、
コ字状の磁芯91Aにコイル91Bが巻回されて成る電
磁石91を磁力線制御器として設けた構成となってい
る。ここで、磁芯91Aの両脚の端面91C、91Dが
それぞれ永久磁石81のN磁極部分とS磁極部分とに密
着されており、これによりヨーク部材を用いることなく
永久磁石81の一方の磁極と他方の磁極との間の磁路が
確保できる構成とされている。以上、固定側磁極N1の
構成について説明したが、他の固定側磁極N2〜N8の
構成も全く同様であるから、それらの説明は省略する。
【0042】以上の構成においても、コイル91Bに、
例えば図2に示したようないずれかの励磁電圧を印加す
ることにより同様にして永久磁石81からの磁力線のオ
ン、オフを作用空間である可動体72の内部で行なうこ
とができる。この磁力線のオン、オフを固定側磁極N1
〜N8において位相差をもって実行することにより回転
磁界を生じさせることができることは図1の実施例の場
合と同様である。図6に示す実施例の場合には、例え
ば、180°間隔の固定子側磁極を1組とし、一方の固
定子側磁極をN極として働かせ、他方の固定子側磁極を
S極として働かせるように制御を行ない、このような制
御を順次行うことで可動体72を回転させるための回転
磁界を発生させることができる。
【0043】図8には、本発明のさらに別の実施例が示
されている。この実施例は、本発明による推進磁界発生
装置を用いてかご形の誘導モータを構成した場合の一例
を示すものである。図8に示される誘導モータ100
は、回転軸13にかご形回転子101が設けられている
点を除いては基本的に図1に示した回転モータ10と同
様に構成されているので、図1の各部に対応する部分に
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】フレーム11に設けられている回転磁界発
生装置120は、その基本的構成においては図1の回転
磁界発生装置20と同一であるが、固定子側磁極M1〜
M6とかご形回転子101との内のギャップ幅をなるべ
く小さくする目的で、永久磁石21〜26の各自由端に
補助磁極片21K〜26Kをそれぞれ設けた点でのみ回
転磁界発生装置20と異なっている。
【0045】補助磁極片21K〜26Kは、それぞれ、
かご形回転子101の外周面の曲率と同一の曲率の面を
有する対向部21L〜26Lを有する突極部として形成
されており、これらの補助磁極片21K〜26Kから作
用空間11Aに対応する永久磁石からの磁力線が出力す
る構成である。
【0046】固定子側磁極M1〜M6の各電磁石31〜
36には、制御ユニット50から三相の励磁電圧、すな
わち第1励磁電圧A1、第2励磁電圧A2、第3励磁電
圧A3が図1の場合と同様にして供給されており、これ
により作用空間11A内に回転磁界が発生せしめられ
る。
【0047】誘導モータ100においては、この回転磁
界によりかご形回転子101内に誘導電流が生じ、この
誘導電流により生じた磁界と各固定子側磁極M1〜M6
による磁界との相互作用によりかご型回転子101が回
転する構成である。この回転原理自体は従来のかご形誘
導モータのそれと同様である。
【0048】しかし、図8に示す誘導モータ100にあ
っては、フレーム11に設けられた永久磁石のエネルギ
ーを利用して回転磁界発生装置120が作用空間11A
内に所要の回転磁界を発生させる構成であるから、電磁
石のコイルの巻数を多くすることにより僅かな直流電流
をコイルに流すだけで磁力線のオン、オフスイッチング
を行うことができ、従来の誘導モータに比べて高効率で
運転を行うことができる。また、従来型の誘導モータに
おいては、外部電源からの供給エネルギーとして、固定
子鉄芯の励磁電流I0 と回転子トルクに伝達する磁束を
作るトルク電流I1 とが必要であったが、本発明による
場合には、励磁電流I0 を供給する必要がないので極め
て高効率の運転を期待することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、永久磁石からの磁力線
を磁力線制御器によって制御して回転磁界等の所要の推
進磁界を発生させる構成であり、永久磁石のエネルギー
を利用するので、極めて高効率の推進磁界発生装置を得
ることができる。
【0050】また、この推進磁界発生装置を利用したエ
ネルギー変換装置においては、極めて高効率で発生した
推進磁界を利用して回転子等を運動させるので、効率の
よい運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転モータの一実施例を示す構成
図。
【図2】図1に示す第1乃至第3励磁電圧の波形を示す
波形図。
【図3】図1に示す制御ユニットの詳細回路図。
【図4】図3に示した各切換制御信号の波形図。
【図5】図1に示した各固定側磁極における永久磁石と
電磁石の磁芯との結合のための具体的構成の要部を示す
平面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す構成図。
【図7】図6の実施例の要部を拡大して示す要部拡大
図。
【図8】本発明による誘導モータの実施例を示す構成
図。
【符号の説明】
10、70 回転モータ 11 フレーム 11A 作用空間 12 回転子 13 回転軸 20、80、120 回転磁界発生装置 21、22、23、24、25、26、81 永久磁石 41、42、43、44、45、46 ヨーク部材 31、32、33、34、35、36、91 電磁石 50 制御ユニット 71 回転軸 72 可動体 72 可動体 100 誘導モータ 101 かご形回転子 A1 第1励磁電圧 A2 第2励磁電圧 A3 第3励磁電圧 M1、M2、M3、M4、M5、M6 固定子側磁極 N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8 固
定側磁極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進磁界を所定の作用空間に発生させる
    ための推進磁界発生装置において、推進磁界の所要の発
    生パターンに応じて間隔をあけて配設された複数の永久
    磁石部材と、永久磁石部材のそれぞれに対応して設けら
    れた複数の磁力線制御器とを備え、これらの磁力線制御
    器によって前記永久磁石部材から前記作用空間に与えら
    れるそれぞれの磁力線の数を位相をずらせて変化させる
    ようにしたことを特徴とする推進磁界発生装置。
  2. 【請求項2】 推進磁界を所定の作用空間に発生させる
    ための推進磁界発生装置と、前記作用空間内に回転自在
    に設けられた回転部材とを備え、前記推進磁界発生装置
    によって前記作用空間内に形成された推進磁界により回
    転トルクを前記回転子に発生させるようにしたエネルギ
    ー変換装置において、前記推進磁界発生装置が、推進磁
    界の所要の発生パターンに応じて間隔をあけて配設され
    た複数の永久磁石部材と、永久磁石部材のそれぞれに対
    応して設けられた複数の磁力線制御器とを備え、これら
    の磁力線制御器によって前記永久磁石部材から前記作用
    空間に与えられるそれぞれの磁力線の数を位相をずらせ
    て変化させるようにしたことを特徴とするエネルギー変
    換装置。
JP7182195A 1995-06-27 1995-06-27 推進磁界発生装置及びエネルギー変換装置 Pending JPH0919132A (ja)

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