JPH0919004A - 吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及び装置 - Google Patents

吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及び装置

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JPH0919004A
JPH0919004A JP16066095A JP16066095A JPH0919004A JP H0919004 A JPH0919004 A JP H0919004A JP 16066095 A JP16066095 A JP 16066095A JP 16066095 A JP16066095 A JP 16066095A JP H0919004 A JPH0919004 A JP H0919004A
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸引式磁気浮上車両における浮上開始時、あ
るいは着地時に必要な過大な瞬時電力を抑制できる浮上
・着地制御方法を提供する。 【構成】 車体1と、この車体に懸架されると共に地上
側固定レール3との間で磁気吸引力を作用する浮上用電
磁石21を有する台車の複数2,2,・・・・とを備え
た吸引式磁気浮上車両において、上記複数の台車がレー
ルからの浮上開始する動作、またはレールに着地する動
作に、時間的なずれをあたえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数台車によって支持
されている吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及
び装置に関し、詳しくは浮上開始時及び着地(浮上終
了)時に、車両を支持している複数の台車の浮上力を制
御する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気浮上式鉄道のうちで浮上力を磁気反
発力でなく吸引力で得るようにした一般に吸引式磁気浮
上式と称される鉄道では、車両を停止状態で浮上・着地
の切り換えができる特徴のあることが知られている。
【0003】すなわち、吸引式磁気浮上車両には浮上用
電磁石と推進装置(リニアモータ)とが併設されている
ため、浮上用電磁石を推進装置とは別個に独立駆動する
ことで上記した浮上・着地の切り換えができるからであ
る。
【0004】また吸引式磁気浮上車両においては、数t
にも及ぶ大重量の車両の浮上力を地上側敷設レールとの
間の磁気吸引力で確保するために、電磁石をレールに対
してできるだけ軌道方向に隙間なく多数連続して車両側
に設けることが望まれる一方で、直線軌道と曲線軌道と
が連続するレールに沿ってこれらの多数の電磁石を追随
可能とすることが同時に要求される。このため、図3で
一例的に示したように、吸引式磁気浮上車両では、車体
(車両本体)1の下部に複数の台車2,2,・・・・
(二線レール式鉄道の図3の例では片側三台で計六台)
をレール3に沿って連設し、この台車2にそれぞれ浮上
用電磁石21を組み付けると共に、各台車2が車体1を
懸架装置(図示せず),バネ装置4を介して個々独立に
支持するという特徴的構成が採用されるのが普通であ
る。
【0005】なお、上記の車両には推進装置としてリニ
アモータの一次側が設けられる他、機械式ブレーキ装置
が台車とレールの間で作用するように設けられるのが通
常であり、このうち特に機械式ブレーキ装置について
は、全ての台車に設けるのではなくて一部の台車に限定
して設けることも多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸引式磁気
浮上車両は地上側固定の敷設レールに対し浮上用電磁石
を吸引させることで車体を浮上させ、着地状態では、台
車に設けたレール係合部(以下「スキッド」と称する)
をレール上面に係合させて支持するものであるから、浮
上用電磁石とレールの空隙(上下方向の離間距離)の大
きさは浮上時よりも着地時に当然大きくなり、この着地
時磁気空隙の大きさを「gl」とすると、一般に、車両
走行時におけるバネ下部とレールの接触確率を最小に保
つために、浮上時磁気空隙を「gf」として gl≒2・gf 程度に設定されるのが通常である。
【0007】ここで、磁石の励磁電流をI,磁気空隙を
gとすると、浮上用電磁石の吸引力は(I/g)の2乗
に比例する。そして浮上開始時には空隙glが上述のよ
うに通常浮上時の空隙gfの2倍であり、車体重量等に
対応してこれを支えるべき吸引力は略同じだけ必要であ
るから励磁電流は浮上時の2倍が必要になることを意味
し、結局、浮上開始時に浮上用電磁石に供給すべき電力
は通常浮上時の4倍となることが分かる。
【0008】このことは着地時にも同様であって、衝撃
を伴うような自然落下状態でなく制御した状態で車両を
着地させる(スキッドをレールに係合させる)ために
は、着地の瞬間まで浮上時と略同じ吸引力が必要である
から、上述のように着地時の空隙が通常浮上時の2倍に
設定されていれば供給電力は通常浮上時の4倍が必要と
なる。
【0009】つまり、着地状態の車両を浮上させる際、
あるいは浮上状態の車両を着地させる際にはいずれも、
浮上用電磁石全体の励磁電流は瞬間的に通常浮上時の2
倍となり、浮上用電力装置の供給電力は通常浮上時の4
倍が必要となる。
【0010】しかし、このような極めて一時的に必要な
瞬時電力を保証するために浮上時の4倍もの電力供給が
可能な電力装置を準備することは、設備的にも無駄が多
いし、またできるだけ軽いことが望ましい浮上車両の重
量過大化を招くことにもなるため、従来その解決が課題
の一つとされていた。
【0011】本発明の目的の一つは、かかる課題を解決
して、車両浮上開始時、あるいは車両着地時の過剰な電
力集中(瞬時電力)をできるだけ少なくすることを可能
とした吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及び装
置を提供するところにある。また、この車両には通常は
機械式ブレーキ装置が設けられていて、この機械式ブレ
ーキ装置はレールを把持する形式でレールと車両の軌道
方向の位置関係を拘束してブレーキ力を生ずるものであ
るが、この拘束力は同時に上下方向についても作用す
る。したがって、このブレーキ稼動状態で吸引式磁気浮
上車両の浮上・着地の制御を行うと浮上電磁石に過電流
が流れることになって、励磁装置などに障害を招く虞れ
がある。
【0012】本発明の目的の他の一つは、かかる課題を
解決して、車両浮上開始時、あるいは車両着地時に浮上
電磁石に過電流が流れることを防止できるようにした吸
引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及び装置を提供
するところにある。
【0013】また更に、吸引式磁気浮上車両において上
述した瞬時電力の過大な消費を招かないようにした浮上
制御を、坂道軌道上で車両が着地した状態から行う場合
には、上述した浮上電磁石に過電流が流れることの防止
と、車両が坂道の下方に不用意に動くことの防止とを図
る必要がある。
【0014】本発明の別の目的は、かかる課題を解決し
て、坂道軌道上での車両浮上開始時の制御を良好に行う
ことができるようにした吸引式磁気浮上車両の浮上・着
地制御方法及び装置を提供するところにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する本
発明の吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法及び装
置の特徴は、上記特許請求の範囲の各請求項に記載した
ところにある。
【0016】本願の請求項1に記載した吸引式磁気浮上
車両の浮上・着地制御方法の特徴は、車体と、この車体
に懸架されると共に地上側固定レールとの間で磁気吸引
力を作用する浮上用電磁石を有する台車の複数とを備え
た吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方法であって、
上記複数の台車すべてあるいは一部において、レールか
らの浮上開始動作またはレールへの着地動作に、時間的
なずれをあたえるようにしたところにある。
【0017】上記において「時間的なずれをあたえる」
というのは、複数の台車のレールからの浮上動作開始時
あるいは複数の台車のレールへの着地動作開始時におい
て、すべての台車を同時に浮上開始させたり着地させた
りしないことを意味する。ずれ時間は、過大な瞬時電力
が時間的に重ならないようにする範囲で決められ、浮上
動作の速さなどにもよるが、一般的には0.2〜1.5
秒程度、好ましくは0.5秒程度の時間的ずれを与える
ようにすればよい。時間的なずれを与えるのは、車両に
懸架されている台車のすべてが同時でないようにする場
合、一部の台車毎のグループに分けて一つのグループ内
は同時としかつ他のグループとの間では同時でないよう
にする場合など、いずれの構成も採用できる。後者のグ
ループ化する方式によれば、例えば車両の左右・前後で
対称位置にある台車毎にグループ化することで浮上開始
時,着地時に車体が瞬間的に傾むこうとする傾向を解消
できる利点が得られる。
【0018】本発明は、並行に敷設された左右一対のレ
ールの上を跨座型の車両が走行する方式、1本あるいは
左右並行な2本のレールの下側を懸吊型の車両が走行す
る方式のいずれの吸引式磁気浮上走行車両にも適用でき
る。なお以下においては跨座型車両を代表例として説明
し、この場合に車体はバネ装置の上側に位置するものと
してバネ上部、台車をバネ装置の下側に位置するものと
してバネ下部、と称する場合がある。
【0019】上記の吸引式磁気浮上車両は、図3の例で
言えば、乗員,乗客,貨物等が乗るバネ上部としての車
体1と、浮上用電磁石21,リニアモータの一次側,機
械式ブレーキ装置22等を台車構造体に組み付けて構成
されるバネ下部としての台車2と、この台車2と車体1
とを、三次元的6度の自由度のうち軌道(x軸)方向の
移動及びx軸回りの回転を拘束するが、他の4度の自由
度(y軸,z軸方向の移動、及びy軸,z軸回りの回
転)は許容する懸架装置,スラストリンク,エアバネ4
等により連結して構成されているものを代表的なものと
して例示できる。機械式ブレーキ装置(以下単に「ブレ
ーキ装置」という)としては、限定されるものではない
が、一般的にはレールの軌道方向に連続する板部をブレ
ーキパッドで挾圧する形式の構成のものが挙げられる。
【0020】本願の請求項2の発明は、上記吸引式磁気
浮上車両が有している複数の台車の少なくともいずれか
一つが、レールとの間で機械的制動力を作用するブレー
キ装置を備えたものであり、このブレーキ装置を備えた
台車の浮上開始時には該ブレーキ装置の制動作用を解除
するように浮上制御することを特徴とする。このように
することで、機械的制動力が作用しているレールと台車
の拘束状態で浮上開始を行った場合に生じる過電流で励
磁装置などが故障するなどの虞れが軽減される。
【0021】なお、上記ブレーキ装置の制動が作用して
いるか否かは、ブレーキ操作装置の状態検知などで行う
こともできる他、ブレーキパッド等を有する作動部の動
作を、例えばトルクセンサ等の適宜の検知手段で検知す
るように設けることが、確実な制御確保のためにより好
ましい。
【0022】本願の請求項3の発明は、坂道発進時にお
ける車両の不測の移動を防止するのに有効な浮上制御方
法を特徴とするものであり、時間的にずれたうちの最後
に浮上開始させる台車を、ブレーキ装置を備えた台車と
し、かつこの浮上開始と同時に車両推進装置の推進力を
作用させるようにしたものである。このようにすること
で、先行して浮上する台車が、ブレーキ装置の制動を解
除して浮上しても、車両はレールとの関係では最後に浮
上する台車が備えているブレーキ装置で位置関係が拘束
されているため移動せず、最後に浮上する台車は、その
浮上開始時にブレーキ装置を解除して浮上するため過電
流発生がないと共に、この浮上と同時に推進装置を作動
させて推進力を発生させることで、車両の不測の移動を
防止できる。
【0023】ここで、推進装置の推進力を最後の台車の
浮上開始と「同時」に作用させるというのは、実質的に
遅れがないようにすることを意味するものであり、その
遅れの程度(例えば0.5秒程度)は車両のずり落ちに
よる弊害がない範囲で設計的に決められる。
【0024】本願の請求項4の発明は、上記吸引式磁気
浮上車両が有している複数の台車の少なくともいずれか
一つが、レールとの間で機械的制動力を作用するブレー
キ装置を備えたものである場合に、上記のブレーキ解除
後に浮上開始させることに代え、あるいはこれと併せ
て、このブレーキ装置の制動作用時には車両をレールか
ら浮上開始させる動作を禁止するように浮上制御するこ
とを特徴とする。
【0025】このようにすることで、ブレーキ装置の制
動解除前には浮上が開始されることは全くなく、制動解
除後に初めて浮上開始が可能な状態となるため、レール
と台車が拘束状態で浮上開始を行った場合に生じる過電
流で励磁装置などが故障する虞れは確実に防止できる。
【0026】本願の請求項5に記載の吸引式磁気浮上車
両の浮上・着地制御装置の発明の特徴は、車体と、この
車体に懸架されると共に地上側固定レールとの間で磁気
吸引力を作用する浮上用電磁石を有する台車の複数と、
該台車の少なくともいずれか一つに設けられてレールと
の間で機械式制動力を作用するブレーキ装置と、上記各
台車の浮上用電磁石に励磁電流を供給する電力装置と、
浮上開始及び/又は着地のための励磁電流を該電力装置
から各台車の浮上用電磁石に供給するタイミングを制御
する制御手段と、備えた吸引式磁気浮上車両において、
上記制御手段は、上記浮上開始及び/又は着地のための
励磁電流の供給タイミングが複数の台車間で時間的にず
れるように制御する構成としたところにある。
【0027】時間的なずれを与える制御は、上述したよ
うに、車両に懸架されている台車のすべてが同時でない
ようにする場合、一部の台車毎のグループに分けて一つ
のグループ内は同時としかつ他のグループとの間では同
時でないようにする場合のいずれも採用できる。
【0028】上記の制御手段は、例えば、車両の浮上開
始信号が指令された際に、複数の台車に対して浮上用電
磁石の励磁電流印加を予め定めた順序で行うシーケンサ
として構成することができる。着地開始信号が指令され
た場合も同様である。
【0029】また、ブレーキ装置の制動作用時の過電流
発生防止や坂道発進のための制御要素を加えることもで
きる。例えば以下の構成を適宜採用することができる。
【0030】(イ)各台車のブレーキ装置が作動してい
るか否かの検知器を設け、ブレーキ圧が作動しているこ
とが検知された場合は、上記シーケンサによる各浮上用
電磁石への励磁電流印加を行わないようにする禁止回路
を制御回路中に設ける。
【0031】(ロ)坂道での浮上開始の場合に、先行浮
上される台車はブレーキ装置の制動を解除して浮上を行
わせ、後から浮上する台車については、ブレーキまたは
着地スキッドを摩捺力で車両の位置固定を行なわせると
共に、先行浮上する台車の浮上完了後、ブレーキ装置が
作動している場合はそれを外して浮上開始させ、かつ浮
上後直ちにリニアモータ等の推進装置による推進力を働
かせるように制御回路を構成する。
【0032】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。
【0033】図1〜図3は本発明の浮上・着地制御装置
を適用した吸引式磁気浮上車両の構成概要一例を説明す
るものである。
【0034】これらの図において、1は車体であり、バ
ネ下部を構成する複数(図3の例では左右それぞれ三台
で計六台)の台車2により支えられている。
【0035】上記の各台車2は、図2に示すように、断
面(軌道方向に垂直な断面)C字形をなす強度構造体2
5の下腕部26に、地上側に敷設されたレール3に下方
から対向するように浮上用電磁石21が軌道方向に略隙
間なく組み付けられていると共に、強度構造体25の上
腕部27に、上記レール3の上面に係合して滑走可能と
された着地スキッド部23が設けられており、また上腕
部27の上部において該前後一対のエアバネ4、図示し
ない懸架装置、スラストリンク等を介して上記車体1に
連結されている。
【0036】更に、上記上腕部27の下面にはリニアモ
ータの一次側(図示せず)が組み付けられてレール3を
二次側としてリニアモータを構成し、また更に、図3に
示すように本例においては各台車2の軌道方向の略中央
部分に、逆U字形をなしているレール3の外側の腕部を
一対のブレーキパッドで把持挾圧する油圧シリンダ方式
のブレーキ装置(詳細構造は図示せず)22が組み付け
られている。
【0037】なお、図2(a)は着地状態を示した図で
あり、着地スキッド部23がレール3の上面に係合され
ていて、レール3と浮上用電磁石21との空隙glが最
大となっている。また図2(b)は通常浮上状態を示し
た図であり、着地スキッド部23がレール3の上面から
上方に離間し、レール3と浮上用電磁石21との空隙g
fは、本例では上記最大空隙glの略1/2となった状
態を示している。
【0038】図1は、以上のような構成の吸引式磁気浮
上車両において、本発明において特徴的な浮上・着地制
御を行うための制御システムの概要を、車両の六台の台
車を平面模式図で示すと共に、各台車2の浮上用電磁石
21、ブレーキ装置22及び制御装置5の信号伝達の関
係、及び各台車2の浮上,着地を検出するセンサ(図示
せず)からのモニタ信号の伝達関係を示している。
【0039】すなわち、制御装置5は、運転者が運転操
作盤等を操作することで与えられる各種指令を操作指令
信号とし、また上記の台車2の浮上,着地を検出するセ
ンサからのモニター信号、及びその他の適宜必要なモニ
ター信号(例えばブレーキ装置が作動しているか否かの
検出信号)をモニター入力信号とするように設けられて
いる。そして、これらの操作指令信号及びモニター入力
信号により、予めプログラムされているシーケンスに従
って各台車の浮上用電磁石21、ブレーキ装置22を作
動制御する。
【0040】本例では、制御装置5は浮上制御バス51
を介して各台車の浮上用電磁石21の駆動装置(No1
〜No6)を各個独立に駆動制御できるようになってお
り、またブレーキ制御バス52を介して、各々の台車2
に設けられているブレーキ装置22(#1〜#6)を各
個独立に駆動制御できるようになっている。
【0041】以上の構成の地制御システムによって行わ
れる浮上・着地制御の具体例について以下いくつか例示
して説明する。
【0042】(1)ブレーキ非作動状態での浮上・着地
制御(図4のフロー) 浮上状態で停止した車両の全ての台車2のブレーキ装置
22を制動解除し、この状態でNo1〜No6の順序
で、各浮上用電磁石21の駆動装置による励磁を例えば
0.5秒の間隔を開けて順次に着地制御し、台車2を着
地させる。これにより各台車2は、図2(b)の状態か
ら図(a)の状態に速やかにかつ静かに着地する。
【0043】そして、各台車2の着地する瞬間の励磁電
流は、上述のように浮上状態時よりも2倍が必要とな
り、瞬時電力の消費は4倍と大きくなるが、上記の例で
はこれらはいずれも0.5秒づつずれて行われるので、
六台の台車の浮上用電磁石21の瞬時電力の消費が全体
として4倍となることはなく、せいぜい数十%程度に瞬
時電力の増大となるにとどまる。
【0044】なお、上記において全ての台車のブレーキ
装置22が制動解除状態にあることが確認されるまで
は、着地制御の開始を禁止させることもでき、これによ
りブレーキがかかった状態で無理に着地を行なった結果
生ずる過電流で励磁装置等が故障する不具合を防止する
ことができる。
【0045】反対に、着地状態の各台車2を浮上制御さ
せる場合、上記と同様にしてNo1〜No6の順序で各
浮上用電磁石21の駆動装置による励磁を例えば0.5
秒の間隔を開けて順次に浮上制御すれば、6番目の台車
が浮上開始する際に、通常浮上時に比べてせいぜい数十
%程度に瞬時電力が増大するにとどまる。
【0046】(2)坂道での浮上制御(グループ別)
(図5のフロー) 着地状態にある車両のすべての台車2のブレーキ装置2
2が制動解除された状態にあることを確認し、解除され
ていないブレーキ装置については制動を解除する。
【0047】この状態で、これらNo1,No2,No
5,No6の台車2の浮上用電磁石21を同時に励磁さ
せて台車を浮上させ、浮上完了後これらNo1,No
2,No5,No6の台車2のブレーキ装置22を作動
状態にする。
【0048】しかる後に、No3,No4の台車2のブ
レーキ装置の制動解除の確認及び必要な場合の制動解除
を行った後、同様にして浮上用電磁石21を同時に励磁
させて台車を浮上させ浮上完了とする。
【0049】この様にすれば、最初の着地状態からNo
1,No2,No5,No6の各台車2が浮上完了しそ
れらのブレーキ装置が再作動するまでブレーキ装置によ
る制動は全くかからないが、No3,No4の台車がレ
ール上に着地していることによる摩擦力でたとえ車両が
勾配区間にあっても、不必要な前進または後退をするこ
とがない。
【0050】(3)坂道での着地制御(グループ別)
(図6のフロー) 着地制御の場合は、例えばレールとの相対移動を検出す
る走行状態検出センサ等により車両停止が検出された場
合に、No1,No2,No5,No6の台車2の各ブ
レーキ装置22を作動させて車両の制動を確保する。
【0051】この状態で、ブレーキ装置の制動をかけて
いないNo3,No4の台車2のブレーキ装置の制動解
除の確認と必要な場合の制動解除を行った後、これらN
o3,No4の台車2の浮上用電磁石21を同時に着地
制御させて台車を着地させる。
【0052】しかる後、No1,No2,No5,No
6の台車2の各ブレーキ装置22の制動解除を行ない、
次いでこれらの台車2の浮上用電磁石21を同時に着地
制御させて台車を着地させて着地制御を完了する。
【0053】この様にすれば、坂道等の勾配区間にあっ
てNo1,No2,No5,No6の各モジュールのブ
レーキがなくなった状態でも、先に着地させたNo3,
No4の台車2の摩擦力により車両は不必要な前進、後
退をすることがない。
【0054】なお、坂道が非常に急勾配でNo3,No
4の台車2の着地摩擦力だけでは充分車両の動きを制動
出来ないような場合には、No3,No4の着地後これ
らの台車2のブレーキ装置を作動させることも勿論でき
る。
【0055】(4)坂道での浮上制御(図7のフロー) 上記(2)の制御において、No1,No2,No5,
No6の台車2の浮上用電磁石21を同時に励磁させて
台車を浮上させた後、これらのブレーキ装置22は制動
解除状態のままとする。
【0056】そして、No3,No4の台車2の浮上用
電磁石21を同時に励磁させて台車を浮上させると共
に、浮上開始と同時に、各台車2のリニアモータによる
推力を発生させ、坂道での車両のずり下がりを防止す
る。
【0057】この様にすれば、坂道であってもブレーキ
装置の作動を行うことなく、車両の浮上制御を行うこと
ができる。
【0058】なお、本発明はこれらで例示的に説明した
制御方法に限られることなく、必要なパターンのぞれぞ
れについて、浮上用電磁石の駆動制御、あるいはブレー
キ装置との作動連係などを設定することができ、特にこ
れらを予めシーケンスプログラムとして設定しておけ
ば、車両の状態を検出する適宜のセンサ等、例えば車両
速度検知器,後退検知器などを連係させて自動的に適切
な浮上・着地制御を行わせることが可能になる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、吸引式磁気浮上車両の
浮上・着地制御において以下の効果が奏される。
【0060】(イ)複数台車によって支持される吸引式
磁気浮上車両は浮上、あるいは着地を同時に行う場合に
は、最大通常浮上時の4倍の瞬時電力を必要とするが、
各台車の浮上・着地を時間的にずらせて行うことによ
り、電力集中を避けることができる。
【0061】したがって、必要な電力装置の負担が軽減
する。
【0062】(ロ)機械式ブレーキ装置を用いる場合
に、浮上開始時や着地開始時にブレーキ装置を必ず作動
解除することによって、ブレーキ作動状態での浮上・着
地により生ずる過大な励磁電流を防ぐことができ、この
過電流による励磁装置の障害を起こす虞れを避けること
ができる。
【0063】(ハ)坂道において浮上・着地の制御を行
う場合に、各台車の浮上用電磁石及びブレーキ装置を連
係させて制御することで、車両の坂道でのずり下がり
(前進または後退)を防止することができる。
【0064】(ニ)車両の状態を検出する適宜のセンサ
等を利用することで、予め設定したシーケンスプログラ
ムに従った適切な浮上・着地制御を自動化して実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の台車(台車2)をもつ吸引式磁気浮上車
両における浮上・着地制御を行うために構成された本発
明の制御回路の構成概要一例を示した図。
【図2】本発明を適用する吸引式磁気浮上車両の台車
(台車2)とレールとの着地時及び浮上時それぞれの位
置関係を示した図。
【図3】本発明を適用する吸引式磁気浮上車両の台車
(台車2),車体,浮上装置,制御装置等の関係を示し
た図。
【図4】ブレーキ装置非作動状態での浮上・着地制御の
フロー図。
【図5】坂道での浮上・発進制御のフロー図。
【図6】坂道での停止・着地制御のフロー図。
【図7】坂道での浮上・発進制御のフロー図。
【符号の説明】
1・・・車体、2・・・台車、3・・・レール、4・・
・バネ、5・・・制御装置、21・・・浮上用電磁石、
22・・・ブレーキ装置、51・・・浮上制御バス、5
2・・・ブレーキ制御バス。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、この車体に懸架されると共に地
    上側固定レールとの間で磁気吸引力を作用する浮上用電
    磁石を有する台車の複数とを備えた吸引式磁気浮上車両
    の浮上・着地制御方法であって、上記複数の台車のすべ
    てあるいは一部において、レールからの浮上開始動作ま
    たはレールへの着地動作に、時間的なずれをあたえるこ
    とを特徴とする吸引式磁気浮上車両の浮上・着地制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、複数の台車の少なく
    ともいずれか一つがレールとの間で機械的制動力を作用
    する機械式ブレーキ装置を備え、この機械式ブレーキ装
    置を備えた台車の浮上開始時には該機械式ブレーキ装置
    の制動作用を解除することを特徴とする吸引式磁気浮上
    車両の浮上・着地制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、最後に浮上開始させ
    る台車は機械式ブレーキ装置を備えた台車とし、かつこ
    の浮上開始と同時に車両推進装置の推進力を作用させる
    ことを特徴とする坂道発進時における吸引式磁気浮上車
    両の浮上・着地制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、複数の台車の少なく
    ともいずれか一つがレールとの間で機械式制動力を作用
    する機械式ブレーキ装置を備え、この機械式ブレーキ装
    置の制動作用時には車両をレールから浮上開始させる動
    作を禁止することを特徴とする吸引式磁気浮上車両の浮
    上・着地制御方法。
  5. 【請求項5】 車体と、この車体に懸架されると共に地
    上側固定レールとの間で磁気吸引力を作用する浮上用電
    磁石を有する台車の複数と、該台車の少なくともいずれ
    か一つに設けられてレールとの間で機械式制動力を作用
    する機械式ブレーキ装置と、上記各台車の浮上用電磁石
    に励磁電流を供給する電力装置と、浮上開始及び/又は
    着地のための励磁電流を該電力装置から各台車の浮上用
    電磁石に供給するタイミングを制御する制御手段と、備
    えた吸引式磁気浮上車両において、 上記制御手段は、上記浮上開始及び/又は着地のための
    励磁電流の供給タイミングが複数の台車間で時間的にず
    れるように制御する構成としたことを特徴とする吸引式
    磁気浮上車両の浮上・着地制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107161034A (zh) * 2017-05-31 2017-09-15 中车株洲电力机车有限公司 一种磁悬浮列车的供电系统
CN107380008A (zh) * 2017-08-29 2017-11-24 于学禄 一种轮轨车辆的辅助支撑导向方法
CN109278567A (zh) * 2018-10-16 2019-01-29 中国人民解放军国防科技大学 永磁电磁混合型高速磁浮列车端部电磁铁的容错控制方法

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