JPH09189127A - 積層シート製のコンクリート打設用型枠 - Google Patents

積層シート製のコンクリート打設用型枠

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JPH09189127A
JPH09189127A JP416096A JP416096A JPH09189127A JP H09189127 A JPH09189127 A JP H09189127A JP 416096 A JP416096 A JP 416096A JP 416096 A JP416096 A JP 416096A JP H09189127 A JPH09189127 A JP H09189127A
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sheet
laminated
thermoplastic resin
concrete
thickness
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JP416096A
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Kensuke Oono
賢祐 大野
Takao Kimura
隆夫 木村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物性面で優れ、軽量で取り扱いが容易で、取
り扱う際に受傷し難く、表面へのコンクリートの付着も
なく、裁断・鋸引き・釘打ち等の作業性に優れ、耐腐食
性にも優れ、長期繰返し打設にも耐え得て、製造も容易
で、安価なコンクリート打設用型枠を提供すること。 【解決手段】 樹脂製発泡シートの表面に、繊維強化樹
脂製膨脹シートが積層され、さらにその外側の少なくと
も片面に樹脂製表皮シートが積層されてなる積層シート
製コンクリート打設用型枠において、樹脂製発泡シート
の発泡倍率を10〜60倍、樹脂製発泡シートの厚さを
製品全体の厚さの20〜80%、繊維強化樹脂製膨脹シ
ートの膨脹倍率を1〜2.5倍の範囲とし、かつ、製品
の曲げ弾性率を2.5GPa以上である積層シート製コ
ンクリート打設用型枠。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層シート製のコンク
リート打設用型枠に関する。さらに詳しくは、住宅・ビ
ル等の建築において、コンクリート打設の際使用される
積層シート製のコンクリート打設用型枠に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅・ビル等の建築する際に、コ
ンクリート打設の目的で使用される型枠の大部分は、輸
入南洋木材を加工した厚さ12mm程度の合板である。し
かしこれら木製の型枠は、(a) 主として水分による劣化
・腐食が早い、(b) 取扱いにより受傷しやすい、(c) コ
ンクリートが付着しやすい、等の欠点があり、繰り返し
打設耐用回数は高々5回程度にすぎない。このため、経
済的な問題もあって、物性に優れ、コンクリートが付着
し難く、腐食し難く耐久性に優れ、繰返し打設に耐え得
る型枠の開発が望まれている。
【0003】上記の問題を解決するため、最近、金属製
の型枠や、熱可塑性樹脂を射出成形法、圧縮成形法、押
出成形法等によって製造された型枠が開発・提案されて
いる。これらの型枠は、上記問題の一部は解消される
が、いずれもすべての問題を解決するには至っていな
い。また、上記の問題のすべてを解決するものとして、
例えば、樹脂製型枠を金属製の枠で補強するなど、異な
る素材同士を組合せた型枠が開発・提案されているが、
(d) 重量が増して取り扱い難い、(e) 高価である、など
依然として問題が残っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
コンクリート打設用型枠に存在する上記の諸問題を一挙
に解決したコンクリート型枠を提供すべく、種々検討を
行った結果、熱可塑性樹脂製発泡シートを芯材とし、そ
の両面に繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シートを積層し、
更にその外側の少なくとも1面に熱可塑性樹脂表皮シー
トを積層した積層シートが、従来の木製、金属製、樹脂
製のコンクリート型枠に代えて、使用できるとの知見を
得て本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の目的は、引っ張り・曲
げ・圧縮・衝撃など物性面で優れ、軽量で取り扱いが容
易で、取り扱う際に受傷し難く、表面へのコンクリート
の付着もなく、裁断・鋸引き・釘打ち等の作業性に優
れ、耐腐食性にも優れ、長期の繰り返し打設にも耐え得
て、製造も容易で、安価なコンクリート打設用型枠を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、上記目的を達
成するために、本発明では、熱可塑性樹脂製発泡シート
の両面に、繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シートが積層さ
れ、更にその外側の少なくとも片面に熱可塑性樹脂製表
皮シートが積層されてなる積層シート製のコンクリート
打設用型枠において、前記熱可塑性樹脂製発泡シートの
発泡倍率が10〜60倍、厚さが積層シート製のコンク
リート打設用型枠全体の厚さの20〜80%であり、前
記繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シートの膨脹倍率が1〜
2.5倍であり、かつ、積層シート製のコンクリート打
設用型枠の曲げ弾性率が2.5GPa以上であることを
特徴とする、積層シート製のコンクリート打設用型枠を
提供する。
【0007】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型枠
(以下、積層シート製型枠または製品ともいう)におけ
る熱可塑性樹脂製発泡シート(以下、発泡シートともい
う)は、積層シート製型枠の芯材として、製品を軽量化
する役目を果たし、断面係数を大きくし、積層シート製
型枠の剛性を向上させるように機能し、それ自体安価な
素材であるので、積層シート製型枠の価格を安くするこ
とができる。 発泡シートの製造に用いられる基体の熱
可塑性樹脂は、特に制限されるものではないが、性能と
経済性のバランスから、ポリオレフィン類が好適であ
る。具体的には、ポリエチレン、エチレンを主成分とし
た共重合体、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とし
た共重合体などが挙げられる。
【0008】発泡シートの製造法は、特に制限はなく、
以下に記す(1)〜(4)の発泡シートを製造する通常の方法
のいずれかによることができる。 (1) 基体の熱可塑性樹脂に発泡剤を混合し、押出成形法
により所定の厚さの発泡シートを製造する方法。 (2) 押出成形法により厚肉の発泡シートを製造し、厚肉
の発泡シートを所定の厚さにスライスする方法。 (3) 基体の熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡ビー
ズを、型内で加熱・融着させる方法。 (4) 発泡ビーズを型内で加熱・発泡・融着させてブロッ
ク状の発泡成形品とし、所定の厚さにスライスしてシー
トとする方法。
【0009】発泡シートは、発泡倍率を10〜60倍と
する必要がある。本発明において発泡倍率とは、次式、
すなわち、{(発泡前の熱可塑性樹脂の固体の密度)/
(発泡体の密度)}、で算出される値を意味する。発泡
シートの発泡倍率が10倍未満では、積層シート製型枠
が軽量性と経済性で劣り、60倍を越えると発泡倍率が
大き過ぎて、剛性を中心とした積層シート製型枠の性能
が劣り、いずれも好ましくない。上記発泡倍率で特に好
ましいのは、15〜40倍の範囲である。
【0010】発泡シートの厚さは、基体の熱可塑性樹脂
の種類、発泡倍率などにより変るが、1.0〜16mmの
範囲で選ぶのが好ましい。発泡シートの厚さが積層シー
ト製型枠全体の厚さに占める比率は、20〜80%とす
る必要がある。この比率が20%未満では、積層シート
製型枠が軽量性と経済性で劣り、80%を越えると発泡
シートの厚さ大き過ぎて、剛性を中心とした製品性能が
劣り、いずれも好ましくない。発泡シートの厚さが積層
シート製型枠全体の厚さに占める比率の特に好ましい比
率は、30〜75%である。
【0011】本発明に係る積層シート製のコンクリート
打設用型枠(積層シート製型枠)における繊維強化熱可
塑性樹脂製膨脹シート(以下、膨脹シートともいう)
は、発泡シートの両面に積層され、積層シート製型枠を
取扱う際の受傷・破損を少なくし、積層シート製型枠の
物性、特に引っ張り・曲げ・圧縮・衝撃等の外力に対す
る抵抗力、コンクリート打設の際コンクリートによって
加えられる面圧への耐抗力、桟木に釘打ちしたり、金具
で締め付けたりする際に、裁断・鋸引き等の作業性など
を向上させる。
【0012】膨脹シートは、熱可塑性樹脂に強化繊維を
配合し、ウェブ、マットまたはシートとし、これらウェ
ブ、マットまたはシートを熱可塑性樹脂の融点または軟
化点以上に加熱して熱可塑性樹脂を溶融させ、これをプ
レス機構を用いて一旦加圧し、熱可塑性樹脂が依然溶融
・軟化状態にある間に、プレス機構の型盤間隔を急激に
拡大し、強化繊維のスプリングバックを利用して所定の
厚さに膨脹させたシートを言う。
【0013】膨脹シートの製造に用いられる基体の熱可
塑性樹脂は、特に制限されるものではないが、性能と経
済性のバランスから、ポリオレフィン類が好適である。
具体的には、ポリエチレン、エチレンを主成分とした共
重合体、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とした共
重合体などが挙げられる。
【0014】膨脹シートの製造に用いられる強化繊維と
しては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維のほかに、無
機繊維、有機繊維などが用いられる。中でも、ガラス繊
維が最も一般的であるが、ガラス繊維を主成分とし、こ
れにカーボン繊維、アラミッド繊維、金属繊維、セラミ
ックス繊維などの強化繊維を併用することもできる。強
化繊維は用途に応じて、アミノシランカップリング剤、
エポキシシランカップリング剤などのカップリング剤、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン
などの集束剤などで表面処理を施したものであってもよ
い。
【0015】強化繊維は、直径が3〜50μmの範囲も
のを選ぶのがよい。繊維の直径が3μm未満であると、
素材シート(膨脹前のシート)を膨脹させるときのスプ
リングバック力が弱く、50μmより大きいと繊維強化
の効果が薄れるので、いずれも好ましくない。上記範囲
の中で特に好ましいのは、6〜20μmである。強化繊
維は、長さが3〜50mmの範囲のものを選ぶのがよい。
長さが6mmより短いと素材シートの生産性が低下し、5
0mmより大きいと素材シートを膨脹させるときのスプリ
ングバック力が弱まるので、いずれも好ましくない。中
でも特に好ましい長さは、6〜25mmである。
【0016】強化繊維の含有量は、10〜70重量%の
範囲ものを選ぶのがよい。強化繊維の含有量が10重量
%未満では、積層シート製型枠を繊維によって強化する
という機能が発揮されず、裁断・鋸引き・釘打ちなどの
作業の際に破損する原因ともなり、70重量%を越える
と樹脂が十分に強化繊維に含浸されず、かえって製品の
強度や剛性が低下するので、いずれも好ましくない。強
化繊維の含有量の特に好ましい範囲は、20〜50重量
%である。
【0017】膨脹シートを製造するには、まず、熱可塑
性樹脂に強化繊維を配合し、強化繊維を含有する熱可塑
性樹脂のウェブ、マットまたはシート(以下、単に強化
繊維含有シート等という)とする。強化繊維含有シート
等を製造するには、(1) 湿式分散法、(2) 乾式分散法、
(3) ラミネート法等によることができる。 (1) 湿式分散法は、熱可塑性樹脂粉粒体と一定寸法の強
化繊維とを、水中または水泡中で混合・分散させた後、
抄造によりウェブ状となし、またはこのウェブを加熱・
加圧・冷却して強化繊維含有シート等とする方法であ
る。 (2) 乾式分散法は、熱可塑性樹脂粉粒体と強化繊維を分
散混合して混合物とし、適切な方法で連続的に回転する
ベッドの上に上記混合物を載置してマット状とし、また
はこのマットを加熱・加圧・冷却して強化繊維含有シー
ト等とする方法である。
【0018】(3) ラミネート法は、強化繊維を予めマッ
ト状に加工し、このマットの表面に熱可塑性樹脂をシー
ト状に押出し積層して、熱可塑性樹脂を強化繊維内部に
含浸させて強化繊維含有シート等とする方法である。 上記(1) 〜(3) の強化繊維含有シート等の製造法の中で
は、強化繊維のスプリングバックを起こさせ易いという
観点から、湿式分散法および乾式分散法が好適である。
また、製品の物性、物性の安定性、強化繊維を一方向へ
配向させるのが容易であるなどの観点から、湿式分散法
が特に好適である。
【0019】膨脹シートを製造するには、次に、上記
(1) 〜(3) の方法で製造した強化繊維含有シート等を膨
脹させる。強化繊維含有シート等を膨脹させるには、強
化繊維含有シート等を、熱可塑性樹脂の融点または軟化
点以上の温度に加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる。こ
の際の加熱温度は、熱可塑性樹脂の種類、強化繊維との
混合割合、強化繊維含有シート等の厚さ、などによって
選ぶことができる。これをプレス機構を用いて一旦加圧
し、熱可塑性樹脂が依然溶融・軟化状態にある間に、プ
レス機構の両型盤間隔を拡大し、強化繊維のスプリング
バックを利用して所定の厚さに膨脹させる。強化繊維含
有シート等を加圧する際の圧力は、熱可塑性樹脂の種
類、強化繊維との混合割合、強化繊含有シート等の厚さ
などによって選ぶことができる。
【0020】膨脹シートは、膨脹倍率を1〜2.5倍と
する必要がある。本発明において膨脹倍率とは、次式、
すなわち、{(膨脹前のシート等の密度)/(膨脹シー
トの密度)}で算出される値を意味する。膨脹倍率が1
未満では、積層シート製型枠が軽量性と経済性で劣ると
共に、裁断・鋸引きしたり、桟木に釘打ちしたり金具で
締め付けたりする際、作業性を損ね、破損等の原因とな
ることがある。膨脹倍率が2.5倍を越えるときは、剛
性を中心とした製品性能が劣り、コンクリート打設に耐
え得ないなどで好ましくない。上記の膨脹倍率の範囲内
で特に好ましいのは、1.05〜2倍である。膨脹シー
トの厚さは、例えば、積層シート製型枠全体の厚さが1
2mmの場合には約1mm〜4.5mmの範囲で選ぶのが好ま
しい。膨脹シートの膨脹倍率が低いときは薄肉とし、膨
脹倍率が高い場合は厚肉とするのが好ましい。
【0021】本発明に係る積層シート製のコンクリート
打設用型枠(積層シート製型枠)における熱可塑性樹脂
製表皮シート(以下、単に表皮シートという)は、膨脹
シートの外側の少なくとも片面に積層され、膨脹シート
に含まれる強化繊維の製品表面への露出を防ぎ、コンク
リートの付着を防止すると共に、熱、光、湿気、化学物
質等への耐性を発揮して製品の寿命を延長させる。積層
シート製のコンクリート打設用型枠を、片面のみがコン
クリートに接触するように使用するときは、表皮シート
を片面のみに積層し、両面がコンクリートに接触するよ
うに使用するときは、両面に積層して使用することがで
きる。
【0022】図面は、本発明に係る積層シート製型枠の
例を示し、図1は膨脹シートの片面に表皮シートを積層
した一例の断面図であり、図2は、膨脹シートの両面に
表皮シートを積層した一例の断面図である。1は発泡シ
ート(熱可塑性樹脂製発泡シート)、2は膨脹シート
(繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シート)、3は強化繊
維、4は表皮シート(熱可塑性樹脂製表皮シート)であ
る。
【0023】表皮シートの製造に用いられる基体の熱可
塑性樹脂は、特に制限されるものではないが、性能と経
済性のバランスから、ポリオレフィン類が好適である。
具体的には、ポリエチレン、エチレンを主成分とした共
重合体、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とした共
重合体などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、2種類以上
の混合物であってもよく、変性したものであってもよ
い。また、これら樹脂に添加剤、充填材、または耐衝撃
改良材等を混合したものであってもよい。表皮シート製
造時に、離型剤やスリップ剤を配合すると、これらが表
皮シートの表面にブリードして、コンクリートとの剥離
性を向上させ、積層シート製型枠への付着を効果的に防
止することができる。
【0024】表皮シートの厚さは、0.05mm〜1mmの
範囲で選ぶのが好ましい。厚さが0.05mm未満では、
膨脹シートに含まれる強化繊維の表面への露出を完全に
防げない不安があり、1mmを超えると積層シート製型枠
の剛性を低下させるので、いずれも好ましくない。
【0025】以下、本発明に係る積層シート製のコンク
リート打設用型枠(積層シート製型枠)を製造する方法
を説明する。 1.発泡シートと膨脹シートの積層体の製造 本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型枠を
製造するには、まず、芯材としての発泡シートの両面に
強化繊維含有シート等を積層した積層体を製造する。発
泡シート表面への強化繊維含有シートの積層は、一工程
で両面への積層を行ってもよく、片面づつ二工程に分け
て製造してもよい。
【0026】積層体の製造方法としては、次の(1) 〜
(4) の方法が挙げられる。発泡シートの厚さ、発泡倍率
および膨脹シートの厚さ、膨脹倍率などが請求項1で規
定する要件を満たせば、いずれの方法によって製造して
もよい。 (1) 所定の厚さの発泡シートと、強化繊維含有シート等
とを重ね合わせ、適切な加熱装置によって、まず、強化
繊維含有シート等を構成する熱可塑性樹脂の融点または
軟化点以上となり、芯材の発泡シート表面のみが溶融ま
たは軟化状態となるように予熱し、これをプレス機構を
用いて厚さ方向に加圧して、強化繊維含有シートに含ま
れる樹脂と強化繊維とをよくなじませ、次いで、強化繊
維含有シート等に含まれる樹脂が溶融・軟化状態にある
間に、プレス機構の型盤間隔を拡大し、強化繊維のスプ
リングバック力を利用して強化繊維含有シート等を膨脹
させ、冷却して積層体とする方法。
【0027】(2) 発泡シートと強化繊維含有シート等と
を別個に予熱し、発泡シートは表面のみが溶融・軟化す
る温度に、強化繊維含有シート等はこれを構成する熱可
塑性樹脂の融点または軟化点以上の温度に、それぞれ加
熱して両者を重ね合わせ、上述の加圧・型盤間隔を拡大
して膨脹させ、このあと冷却して積層体とする方法。 (3) 発泡シートと強化繊維含有シート等とを別個に予熱
して、発泡シートおよび強化繊維含有シート等の表面の
みが溶融・軟化状態となるようにし、これを重ね合わ
せ、加圧・冷却を行って積層体とする方法。 (4) 発泡シートと強化繊維含有シート等とを、接着剤を
介して接着する方法。
【0028】2.表皮シートの積層 本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型枠を
製造するには、次に、上記1.に記載の方法で得られた
積層体の少なくとも片面に、表皮シートを積層する。表
皮シートを積層するには、次の(5) 〜(7) の方法が挙げ
られ、膨脹シートに含まれる強化繊維の露出が防ぐこと
ができるものであれば、、いずれの方法によってもよ
い。 (5) 表皮シートを予め加熱して軟化させて、または接着
剤を介して、強化繊維含有シート等または膨脹シートの
表面に接着する方法。
【0029】(6) 上記1.(1) 〜(3) に記載した方法で
発泡シートと強化繊維含有シート等との積層体を製造す
る際、膨脹シートの外側に表皮シートを配置し、上記
1.に記載した工程で同時に積層する方法。 (7) 上記1.(1) 〜(4) に記載した方法で発泡シートと
膨脹シートとの積層体を製造した後、表皮シートを加熱
して軟化させて、または接着剤を介して、膨脹シートの
外面に積層する方法。
【0030】本発明に係る積層シート製のコンクリート
打設用型枠(積層シート製型枠)は、以上の方法で製造
することができるが、本発明の目的を効果的に達成する
ためには、製品の曲げ弾性率を2.5GPa以上とする
ことが必要である。従来、コンクリート打設用型枠とし
て使用されていた厚さが約12mmの繊維強化熱可塑性樹
脂製膨脹シートは、その曲げ弾性率が2.5GPa以上
(参考例2参照)であり、また、通常実用化されている
厚さが12mmの合板製コンクリート型枠の曲げ弾性率が
3.4GPa(参考例1参照)であることから、これら
に代えて使用するには、曲げ弾性率はが2.5GPa未
満では不十分である。製品の曲げ弾性率は、合板製コン
クリート型枠の重量が3.4GPaを越えるのが特に好
ましい。なお、本発明において曲げ弾性率とは、JIS
K7203に準拠して測定した値をいう。
【0031】本発明に係る積層シート製のコンクリート
打設用型枠(積層シート製型枠)は、通常実用化されて
いる厚さが12mmの合板製コンクリート型枠の重量が
8.8kg/m2であることから、厚さ12mmの製品の
場合、約8kg/m2以下とするのが望ましい。本発明
に係る積層シート製のコンクリート打設用型枠は、その
厚さには特に制限はないが、通常5〜20mmの範囲で選
ぶことができる。なお、使用目的により、特にコンクリ
ートによる高い面圧に耐える必要がある場合等には、本
発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型枠を、
桟木や金属製の枠で補強して用いることもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例、実験例に基づいて詳
細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。
【0033】[実施例1] 1.発泡シートの調製 ポリプロピレンの発泡ビーズを型内で加熱・発泡・融着
させ、発泡倍率30倍のブロック状の発泡成形品とし、
この発泡成形品をスライスして厚さ約11mmの発泡ポリ
プロピレンシート(以下、A1と略称する)を得た。 2.強化繊維含有シートの製造 ポリプロピレン(三菱化学社製、X1780Q、粒子径
300μmのパウダー)と、ガラスチョップドストラン
ド(日本電気硝子社製、13−IP−169G、繊維径
10μm、繊維長13mm)とを主原料として、湿式分散
法により310mm×340mm、厚さ約1.2mm、ガラス
繊維含有量45重量%、密度1.3g/cm3の強化繊維含
有シート(以下、B1と略称する)を作成した。
【0034】3.発泡シート、膨脹シート、表皮シート
を積層した積層体の製造 コンクリート剥離性改良材としてオレイン酸アミド0.
3重量%配合されたポリプロピレンを、押出し成形法に
よって製造した厚さ約0.2mmのシート(表皮シート、
以下、C1と略称する)を製造した。 上記1.に記載の方法で調製したA1の両面に、上記
2.に記載の方法で製造したB1を重ね、更にその両外
側にC1を重ね、上下熱盤の温度を180℃に保った油
圧プレスの間に挟み、まず、0.1kgf/cm2程度の
僅かな圧力を加えながら約3分間予熱の後、一旦、2k
gf/cm2の圧力を20秒間にわたって負荷し、次い
で、60℃に保った油圧プレスの型盤の間隔を製品の厚
みが12mmになるように制御しながら3分間冷却して、
厚さ約12mmの積層シートを得た。
【0035】得られた積層シートは、層間の接着は良好
で、積層シート表面へのガラス繊維の露出がなく、発泡
ポリプロピレンの発泡状態も良好であった。この積層シ
ートの重量は約3.8kg/m2であり、積層シートの
構成はC1/B1/A1/B1/C1であり、各層の厚
さはそれぞれ、約0.2/1.3/9/1.3/0.2
mmであり、B1の膨脹倍率は約1.1であった。この積
層シートの曲げ弾性率は、3.5GPaであった。ま
た、この積層シートから、150mm×100mm×50mm
の箱を作成し、箱の中にコンクリートを流し込み、コン
クリートが固化してから固化物を取り出し、箱を構成し
た積層シート表面へのコンクリートの付着の状況を目視
観察したところ、付着は全く認められなかった。
【0036】[実施例2]実施例1に記載の例におい
て、発泡ポリプロピレンシートの厚さを約4mm(以下、
A2と略称する)、強化繊維含有シートの厚さを約2.
9mm(以下、B2と略称する)、油圧プレスでの予熱時
間を約4分と変更した外は、実施例1におけると同様の
方法で、厚さ約12mmの積層シートを得た。このシート
は層間の接着は良好で、表面へのガラス繊維の露出がな
く、発泡ポリプロピレンの発泡状態も良好であった。こ
の積層シートの重量は約7.9kg/m2であり、積層
シートの構成はC1/B2/A2/B2/C1であり、
各層の厚さはそれぞれ、約0.2/4.3/3/4.3
/0.2mmであり、B2の膨脹倍率は約1.5であっ
た。この積層シートの曲げ弾性率は、3.7GPaであ
った。
【0037】[比較例1]実施例1に記載の例におい
て、発泡ポリプロピレンシートの厚さを約12mm(以
下、A3と略称する)、強化繊維含有シートの厚さを約
0.4mm(以下、B3と略称する)、油圧プレスでの予
熱時間を約1.5分と変更した外は、実施例1おけると
同様の方法で、厚さ約12mmの積層シートを得た。得ら
れた積層シートは層間の接着は良好で、表面へのガラス
繊維の露出がなく、発泡ポリプロピレンの発泡状態も良
好であった。このシートの重量は約2.0kg/m2
あり、積層シートの構成はC1/B3/A3/B3/C
1であり、各層の厚さはそれぞれ、約0.2/0.5/
10.6/0.5/0.2mmであり、B3の膨脹倍率は
約1.1であった。この積層シートの曲げ弾性率は、
1.9GPaであった。
【0038】[比較例2]実施例1に記載の例におい
て、発泡ポリプロピレンシートの厚さを約3mm(以下、
A4と略称する)、強化繊維含有シートの厚さを約3.
2mm(以下、B4と略称する)、油圧プレスでの予熱時
間を約4.5分と変更した外は、実施例1におけると同
様の方法で、厚さ約12mmの積層シートを得た。得られ
た積層シートは層間の接着は良好で、表面へのガラス繊
維の露出がなく、発泡ポリプロピレンの発泡状態も良好
であった。積層シートの構成はC1/B4/A4/B4
/C1であり、各層の厚さはそれぞれ、約0.2/4.
8/2/4.8/0.2mmであり、B4の膨脹倍率は約
1.5であった。この積層シートの重量は約8.8kg
/m2で、業界で使用されている厚さ12mmの合板製コ
ンクリート型枠の値と同一であったが、曲げ弾性率は
2.4GPaであった。
【0039】[比較例3]実施例1に記載の例におい
て、強化繊維含有シートの厚さを約1.3mm(以下、B
5と略称する)、60℃に保った油圧プレスで冷却する
際、3kgf/cm2の圧力負荷に変更した外は、実施例
1におけると同様の方法で、厚さ約12mmの積層シート
を得た。得られた積層シートは層間の接着は良好で、表
面へのガラス繊維の露出がなく、発泡ポリプロピレンの
発泡状態も良好であった。この積層シートの重量は約
4.1kg/m2であり、積層シートの構成はC1/B
5/A1/B5/C1であり、各層の厚さはそれぞれ、
約0.2/1.3/9/1.3/0.2mmであり、B5
の膨脹倍率は約1であった。この積層シートの曲げ弾性
率は、4.1GPaと良好であったが、この積層の端か
ら5mmのところに釘を打ったところ、端部にかけて亀裂
が生じ、釘打ちも困難であった。
【0040】[比較例4]実施例1に記載の例におい
て、発泡ポリプロピレンシートの厚さを約7mm(以下、
A5と略称する)、強化繊維含有シートの厚さを約1.
1mm(以下、B6と略称する)と変更した外は、実施例
1におけると同様の方法で、厚さ約12mmの積層シート
を得た。得られた積層シートは層間の接着は良好で、表
面へのガラス繊維の露出がなく、発泡ポリプロピレンの
発泡状態も良好であった。このシートの重量は約3.6
kg/m2であり、積層シートの構成はC1/B6/A
5/B6/C1であり、各層の厚さはそれぞれ、約0.
2/2.8/6/2.8/0.2mmであり、B4の膨脹
倍率は約2.6であった。この積層シートの曲げ弾性率
は、1.2GPaであった。
【0041】[参考例1] (従来の合板製コンクリート型枠の物性)業界で広く使
用されている厚さ12mmの合板製コンクリート型枠は、
重量が8.8kg/m2、曲げ弾性率が3.4GPaで
あった。この合板製コンクリート型枠から150mm×1
00mm×5mmの箱を作成し、コンクリートを流し込み、
コンクリートが固まってから取りだし、合板表面へのコ
ンクリートの付着の様子を観察しようとしたが、固まっ
たコンクリートが強固に箱の内面に付着して、容易に取
り出すことができなかった。
【0042】[参考例2] (従来のコンクリート型枠用の繊維強化熱可塑性樹脂製
膨脹シートの物性)実施例1に記載の例において、強化
繊維含有シートを、湿式分散法により作成した厚さ約
4.8mm、ガラス繊維含有量45重量%、密度1.3g
/cm3 のものに代えて、強化繊維含有シートを製造し
た。この強化繊維含有シートを膨脹させて得た、厚さ約
12mmの繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シート(膨脹倍率
約2.5)を評価したところ、重量は6.1kg/
2、曲げ弾性率は2.5GPaであった。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る積層シート製のコンクリー
ト打設用型枠は、次のような特別に有利な効果を奏し、
その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型
枠は、引っ張り・曲げ・圧縮・衝撃などで優れ、現行の
合板製、金属製および樹脂製型枠に比べて物性面で遜色
なく、軽量であるので取り扱いが容易である。 2.本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型
枠は、裁断・鋸引き・釘打ち等の作業性に優れている。 3.本発明に係る積層シート製のコンクリート打設用型
枠は、取扱いの際に受傷し難く、表面へのコンクリート
の付着もなく長期の繰り返し使用に耐えるので、経済的
に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 膨脹シートの片面に表皮シートを積層したコ
ンクリート打設用型枠の断面図である。
【図2】 膨脹シートの両面に表皮シートを積層したコ
ンクリート打設用型枠の断面図である。
【符号の説明】
1:発泡シート(熱可塑性樹脂製発泡シート) 2:膨脹シート(繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シート) 3:強化繊維 4:表皮シート(熱可塑性樹脂製表皮シート)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製発泡シートの両面に、繊
    維強化熱可塑性樹脂製膨脹シートが積層され、更にその
    外側の少なくとも片面に熱可塑性樹脂製表皮シートが積
    層されてなる積層シート製のコンクリート打設用型枠に
    おいて、前記熱可塑性樹脂製発泡シートの発泡倍率が1
    0〜60倍、厚さが積層シート製のコンクリート打設用
    型枠全体の厚さの20〜80%であり、前記繊維強化熱
    可塑性樹脂膨脹シートの膨脹倍率が1〜2.5倍であ
    り、かつ、積層シート製のコンクリート打設用型枠の曲
    げ弾性率が2.5GPa以上であることを特徴とする、
    積層シート製のコンクリート打設用型枠。
  2. 【請求項2】 繊維強化熱可塑性樹脂製膨脹シートが、
    湿式分散法によって製造されたものである、請求項1記
    載の積層シート製のコンクリート打設用型枠。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂製表皮シートが、離型剤お
    よび/またはスリップ剤が配合されたものである、請求
    項1記載の積層シート製のコンクリート打設用型枠。
JP416096A 1996-01-12 1996-01-12 積層シート製のコンクリート打設用型枠 Pending JPH09189127A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999015743A1 (fr) * 1997-09-25 1999-04-01 Fujita Corporation Panneau de coffrage a beton
JP2011067957A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Mitsubishi Chemicals Corp 炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物層を表面に有する発泡体

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WO1999015743A1 (fr) * 1997-09-25 1999-04-01 Fujita Corporation Panneau de coffrage a beton
JP2011067957A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Mitsubishi Chemicals Corp 炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物層を表面に有する発泡体

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