JPH09187470A - ヒト以外の他動物にヒトの体組織を投与する事によっ て免疫寛容を導入した人工臓器 - Google Patents
ヒト以外の他動物にヒトの体組織を投与する事によっ て免疫寛容を導入した人工臓器Info
- Publication number
- JPH09187470A JPH09187470A JP2573696A JP2573696A JPH09187470A JP H09187470 A JPH09187470 A JP H09187470A JP 2573696 A JP2573696 A JP 2573696A JP 2573696 A JP2573696 A JP 2573696A JP H09187470 A JPH09187470 A JP H09187470A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 移植受け入れ患者に対応した特異的な免疫寛
容を得た動物から臓器を摘出することにより、移植され
た臓器のリンパ球などで構成される末梢性免疫機構が、
移植された後ヒトの組織適合抗原を攻撃せず、良好な臓
器生着と機能が得ることを目的とした人工臓器である。 【構成】 ヒト以外の飼育動物3に移植患者1の体組織
2を投与する事によって、移植受け入れ患者1に対応し
た特異的な免疫寛容を成立させた人工臓器5。
容を得た動物から臓器を摘出することにより、移植され
た臓器のリンパ球などで構成される末梢性免疫機構が、
移植された後ヒトの組織適合抗原を攻撃せず、良好な臓
器生着と機能が得ることを目的とした人工臓器である。 【構成】 ヒト以外の飼育動物3に移植患者1の体組織
2を投与する事によって、移植受け入れ患者1に対応し
た特異的な免疫寛容を成立させた人工臓器5。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ヒトの代用臓器としてヒトとは
異なる動物の臓器を移植する際に、移植受け入れ患者の
組織適合抗原に対応した特異的な免疫寛容を移植臓器に
付与したものである。 【0002】従来、人工臓器としてヒトとは異なる動物
の臓器を用いることは考えられていたが、臓器移植後の
拒絶反応が克服できずに応用が不可能であった。この拒
絶反応は、ヒトの免疫機構が移植された動物の臓器を拒
絶すると考えられており、移植された臓器内のリンパ球
が拒絶反応に関与しているとは考えられていなかった。
また、これまでは臓器移植では移植を受け入れる患者に
対する免疫抑制の方法や薬剤は多く開発されたが、移植
される臓器に対する免疫抑制の方法や免疫寛容の方法な
ど臓器側の免疫機構への加工については論じられること
はなく、本発明は、移植される臓器に移植される患者に
特異的な免疫寛容を付与するものであり、過去に類例を
みないものである。 【0003】本発明は、移植された臓器のリンパ球など
で構成される免疫機構が、移植された後ヒトの組織適合
抗原を非自己として攻撃しないよう免疫寛容を付与した
人工臓器であり、人工臓器として飼育される動物に移植
受け入れ患者に対応した特異的な免疫寛容を与えること
により、移植後の拒絶反応が著しく軽減する。 【0004】免疫寛容を獲得するための技術を図面を用
いて説明すると、人工臓器として飼育される動物4の発
生過程において移植受け入れ患者1から取り出した体組
織2を抗原として投与することによって、移植受け入れ
患者1にのみ特異的な免疫寛容をその飼育動物の胎生期
4に与え、出生後飼育したのち人工臓器として利用する
ものである(図1)。 【0005】また、人工臓器として飼育される動物6の
生後30日以内の免疫機構の成熟過程において、移植受
け入れ患者1の体組織2を抗原として投与し、投与抗原
に特異的な免疫寛容を成立させ、人工臓器5として利用
することも可能である(図2)。 【0006】さらに、人工臓器として飼育される動物3
の免疫機構が確立した後では、移植受け入れ患者1の体
組織2を抗原として投与した後、その動物の飼育期間中
免疫抑制剤7の投与を行い、投与抗原2に特異的な免疫
寛容を成立させ、人工臓器5として利用する(図3)。 【0007】このように、移植受け入れ患者にのみ特異
的な免疫寛容を付与された動物から臓器を摘出すること
によって得られる人工臓器は、その臓器の末梢性免疫機
構においても免疫寛容があるため移植後の拒絶反応が軽
減し、従来の強力とされる免疫抑制剤を移植受け入れ患
者に投与する以上に良好な臓器生着と機能が得られる。
本発明は、ヒトの代用臓器としてヒトとは異なる動物の
臓器を移植し利用する際に、移植受け入れ患者の組織適
合抗原に対する免疫寛容を移植臓器に付与したものであ
る。
異なる動物の臓器を移植する際に、移植受け入れ患者の
組織適合抗原に対応した特異的な免疫寛容を移植臓器に
付与したものである。 【0002】従来、人工臓器としてヒトとは異なる動物
の臓器を用いることは考えられていたが、臓器移植後の
拒絶反応が克服できずに応用が不可能であった。この拒
絶反応は、ヒトの免疫機構が移植された動物の臓器を拒
絶すると考えられており、移植された臓器内のリンパ球
が拒絶反応に関与しているとは考えられていなかった。
また、これまでは臓器移植では移植を受け入れる患者に
対する免疫抑制の方法や薬剤は多く開発されたが、移植
される臓器に対する免疫抑制の方法や免疫寛容の方法な
ど臓器側の免疫機構への加工については論じられること
はなく、本発明は、移植される臓器に移植される患者に
特異的な免疫寛容を付与するものであり、過去に類例を
みないものである。 【0003】本発明は、移植された臓器のリンパ球など
で構成される免疫機構が、移植された後ヒトの組織適合
抗原を非自己として攻撃しないよう免疫寛容を付与した
人工臓器であり、人工臓器として飼育される動物に移植
受け入れ患者に対応した特異的な免疫寛容を与えること
により、移植後の拒絶反応が著しく軽減する。 【0004】免疫寛容を獲得するための技術を図面を用
いて説明すると、人工臓器として飼育される動物4の発
生過程において移植受け入れ患者1から取り出した体組
織2を抗原として投与することによって、移植受け入れ
患者1にのみ特異的な免疫寛容をその飼育動物の胎生期
4に与え、出生後飼育したのち人工臓器として利用する
ものである(図1)。 【0005】また、人工臓器として飼育される動物6の
生後30日以内の免疫機構の成熟過程において、移植受
け入れ患者1の体組織2を抗原として投与し、投与抗原
に特異的な免疫寛容を成立させ、人工臓器5として利用
することも可能である(図2)。 【0006】さらに、人工臓器として飼育される動物3
の免疫機構が確立した後では、移植受け入れ患者1の体
組織2を抗原として投与した後、その動物の飼育期間中
免疫抑制剤7の投与を行い、投与抗原2に特異的な免疫
寛容を成立させ、人工臓器5として利用する(図3)。 【0007】このように、移植受け入れ患者にのみ特異
的な免疫寛容を付与された動物から臓器を摘出すること
によって得られる人工臓器は、その臓器の末梢性免疫機
構においても免疫寛容があるため移植後の拒絶反応が軽
減し、従来の強力とされる免疫抑制剤を移植受け入れ患
者に投与する以上に良好な臓器生着と機能が得られる。
本発明は、ヒトの代用臓器としてヒトとは異なる動物の
臓器を移植し利用する際に、移植受け入れ患者の組織適
合抗原に対する免疫寛容を移植臓器に付与したものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト以外の妊娠中の他動物の胎児に移植患者の
体組織を投与する場合の模式図。 【図2】ヒト以外の他動物の生後30日以内の新生児に
移植患者の体組織を投与する事によって、移植受け入れ
患者に特異的な免疫寛容を成立させる場合の模式図。 【図3】 ヒト以外の人工臓器として飼育する動物に移
植受け入れ患者の抗原を投与した後免疫抑制を行い、移
植受け入れ患者に特異的な免疫寛容を成立させる場合の
模式図。 【符号の説明】 1 移植受け入れ患者 2 移植受け入れ患者から取り出した体組織 3 飼育動物 4 飼育動物(胎児) 5 人工臓器 6 飼育動物(新生児) 7 免疫抑制剤
体組織を投与する場合の模式図。 【図2】ヒト以外の他動物の生後30日以内の新生児に
移植患者の体組織を投与する事によって、移植受け入れ
患者に特異的な免疫寛容を成立させる場合の模式図。 【図3】 ヒト以外の人工臓器として飼育する動物に移
植受け入れ患者の抗原を投与した後免疫抑制を行い、移
植受け入れ患者に特異的な免疫寛容を成立させる場合の
模式図。 【符号の説明】 1 移植受け入れ患者 2 移植受け入れ患者から取り出した体組織 3 飼育動物 4 飼育動物(胎児) 5 人工臓器 6 飼育動物(新生児) 7 免疫抑制剤
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項目1】ヒト以外の妊娠中の他動物の胎児に移植
患者の体組織を投与する事によって、移植患者に特異的
な免疫寛容を成立させた人工臓器。 【請求項目2】ヒト以外の他動物の生後30日以内の新
生児に移植患者の体組織を投与する事によって、移植患
者に特異的な免疫寛容を成立させた人工臓器。 【請求項目3】ヒト以外の人工臓器として飼育する動物
に移植受け入れ患者の抗原を投与した後免疫抑制を行
い、移植患者に特異的な免疫寛容を成立させた人工臓
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2573696A JPH09187470A (ja) | 1996-01-03 | 1996-01-03 | ヒト以外の他動物にヒトの体組織を投与する事によっ て免疫寛容を導入した人工臓器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2573696A JPH09187470A (ja) | 1996-01-03 | 1996-01-03 | ヒト以外の他動物にヒトの体組織を投与する事によっ て免疫寛容を導入した人工臓器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09187470A true JPH09187470A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=12174112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2573696A Pending JPH09187470A (ja) | 1996-01-03 | 1996-01-03 | ヒト以外の他動物にヒトの体組織を投与する事によっ て免疫寛容を導入した人工臓器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09187470A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7276234B1 (en) | 1999-11-15 | 2007-10-02 | Japan Science And Technology Agency | Method of acquiring immunological tolerance |
-
1996
- 1996-01-03 JP JP2573696A patent/JPH09187470A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7276234B1 (en) | 1999-11-15 | 2007-10-02 | Japan Science And Technology Agency | Method of acquiring immunological tolerance |
US7671250B2 (en) | 1999-11-15 | 2010-03-02 | Japan Science And Technology Corporation | Method of acquiring immunological tolerance |
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