JPH09184011A - 部分強化鋼板の製造方法 - Google Patents

部分強化鋼板の製造方法

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JPH09184011A
JPH09184011A JP7342904A JP34290495A JPH09184011A JP H09184011 A JPH09184011 A JP H09184011A JP 7342904 A JP7342904 A JP 7342904A JP 34290495 A JP34290495 A JP 34290495A JP H09184011 A JPH09184011 A JP H09184011A
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steel sheet
welding
strengthening treatment
welding method
strengthening
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JP7342904A
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Inventor
Takeshi Yamamoto
剛 山本
Kiyoyuki Fukui
清之 福井
Masato Uchihara
正人 内原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

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  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】部分強化鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】熱延終了後の鋼板の任意部位を、電気抵抗
発熱溶接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および電子ビ
ーム溶接法のうちのいずれかの溶接法を用いて再溶融凝
固させ、しかる後に酸洗、冷延および焼鈍、さらには表
面処理を順次施す。 【効果】外観性能と耐食性に優れた部分強化鋼板が得ら
れる。この結果、最終製品の成形前または成形後に部分
強化処理を施す必要がないので、最終成形製品のコスト
低減が図れる。また、寸法精度の良好な最終成形製品が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分強化鋼板、よ
り詳細には薄鋼板を成形して得られ、部分的に高強度で
あることが必要な自動車ボディーなどの製品素材として
用いて好適な部分強化鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に対する衝突安全性、軽量化の要
求から、パネルやフレームなどの部品においては、板厚
や強度の異なる冷延鋼板素材をレーザ溶接により接合し
た複合素材の適用が実用化されている。この複合素材の
製造方法は、テーラードブランク法と呼ばれ、強度や剛
性の必要な部位のみに高張力鋼や厚肉材を配し、それ以
外の部位を価格の安い低強度の軟鋼や薄肉材とすること
により、高強度かつ軽量化を図り得るとともに経済性を
も向上させることができる(例えば Applicationof Las
er-Beam-Welded Sheet Metal,SAE Technical Paper Se
ries,890853,1989参照)。
【0003】また、上記の複合素材とは異なり、軟質低
強度な単一素材からなるプレス成形品の必要部位にレー
ザ焼入を施して部分的に高強度化す方法(例えば特開昭
61−99629号公報、特開平4−72010号公
報)およびプレス成形前ブランクの使用時に裏面となる
側の必要部位にレーザを照射する急速再溶融−急速再凝
固処理を施して結晶粒の微細化を図って部分的に高強度
化する方法(特開平1−259118号公報)がある。
【0004】さらに、プレス成形前は軟質で加工性に優
れるが、プレス成形後または成形前にレーザ焼入れを施
した場合に強度が大幅に向上する鋼板も提案されている
(特開平6−73438号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの従来の技
術も、次に述べる欠点を有している。
【0006】プレス成形後あるいは成形前に施したレ
ーザ溶接または照射溶融部に形成されるビードの凹凸の
ために外観性能が悪く、外装品には使用し難いこと。
レーザ溶接部またはレーザ照射焼入れ強化部には溶接時
の熱によって酸化膜が生成形成しており、これが後工程
の化成処理と電着塗装により施す塗膜の密着不良を招く
ために該部の耐食性が劣ること。
【0007】また、本願発明者らの知る限り、プレス成
形用ブランクを採取する前に部分的に強化処理を施した
素材鋼板は、現在のところ存在しない。このため、素材
鋼板からプレス成形用ブランクを採取した後、採取ブラ
ンク一枚毎にレーザ溶接やレーザ焼入れを施すことが必
要で費用が嵩み、製品コストが高いという問題もあっ
た。
【0008】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
で、その課題はブランク採取後に強化処理を施す必要が
なく、かつ外観性能と耐食性に優れた素材鋼板の供給を
可能ならしめる部分強化鋼板の製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、再溶融凝
固の強化処理を施す工程を特定することによって、強化
処理部とその近傍に酸化スケールが存在せず、かつ表面
の平滑な外観性能と耐食性に優れた素材鋼板を提供する
ことにより、その使用最終製品の成形後または成形前に
おける強化処理の省略を可能とするものである。
【0010】本発明の要旨は、次の(1)および(2)
の部分強化鋼板の製造方法にある。
【0011】(1)熱延終了後の鋼板の任意部位を、電
気抵抗発熱溶接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および
電子ビーム溶接法のうちのいずれかの溶接法を用いて再
溶融凝固させ、しかる後に酸洗、冷延および焼鈍の各処
理を順次施すことを特徴とする部分強化鋼板の製造方
法。
【0012】(2)熱延終了後の鋼板の任意部位を、電
気抵抗発熱溶接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および
電子ビーム溶接法のうちのいずれかの溶接法を用いて再
溶融凝固させ、しかる後に酸洗、冷延、焼鈍および表面
処理の各処理を順次施すことを特徴とする部分強化鋼板
の製造方法。
【0013】上記(1)および(2)の方法でいう「熱
延、酸洗、冷延、焼鈍および表面処理」とは、熱間板圧
延、酸洗、冷間板圧延、還元雰囲気での焼鈍およびスキ
ンパス圧延(表面処理調質圧延)あるいは電着塗装また
は/およびスプレー塗装などを意味する。
【0014】上記(1)および(2)の方法において、
強化処理手段にレーザ溶接法、アーク溶接法および電子
ビーム溶接法を用いた場合と、電気抵抗発熱溶接法を用
いた場合の望ましい冷間板圧延時の冷延条件は、下式
およびで定義されるuとrとの関係が、前者ではr≧
3u、後者ではr≧5uを満たすことである。
【0015】 u=〔(表側UC量+裏側UC量)〕/冷延前の板厚 ……… r=1−(冷延後の板厚/冷延前の板厚) …………………… ただし、UCはアンダーカットを意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について、添
付図面を参照して説明する。
【0017】本発明方法では、熱延後の鋼板の任意部分
に強化処理を施す。
【0018】図1は、その強化処理態様を示す模式図で
あり、熱延後、コイル状に巻取った熱延コイル1は、複
数のブライドルロール2を用いて正逆回転移送可能に支
持される。そして、左右のブライドルロール2間に張設
延在する鋼板の上方に配設した溶接機3の加工ヘッド4
を用い、その幅方向および長手方向の任意部分に強化処
理を施す。この時、強化処理を施す部分は、最終成形品
の強化必要部分に該当する部分に施すが、その大きさ
は、冷延よる変形量を考慮して決められる。もっとも、
最終成形品のプレス加工時に悪影響を及ぼす強化必要部
分に対する強化処理は省略し、この部分については最終
成形品に成形後、常法によって強化処理を施すのが好ま
しい。
【0019】本発明においては、上記の強化処理を熱延
終了後の鋼板に施す理由は以下のとおりである。
【0020】一般に、冷延での圧下率は60〜70%程
度であり、レーザ焼入れのような冷延鋼板を直接強化処
理する面積に対し、熱延鋼帯を処理対象にする場合、冷
延での圧下率を例えば70%にすると、その処理面積が
約30%で済むことになる。
【0021】この結果、熱延後の鋼板に強化処理を施す
方が強化処理工数が少なくてすみ、この少ない工数分だ
け効率的であり、最終成形製品のトータルコストの低減
が図れることになる。
【0022】また、強化処理後に酸洗、冷延、焼鈍さら
には表面処理を施す本発明方法によれば、レーザ焼入れ
法やテーラードブランク法とは異なり、溶融溶接手段に
よる強化処理時に生成形成された耐食性劣化の原因の一
つになる酸化スケールを酸洗により除去することができ
る。さらに、上記溶融溶接手段による強化処理時に生成
形成された外観性能および耐食性の劣化原因になるビー
ドの凹凸を冷延により確実になくすることができる。
【0023】この結果、凹凸のない部分強化鋼板が得ら
れるので、外観性能に優れたプレス成形品を得ることが
でき、外装品にも何ら問題なく使うことができる。ま
た、酸化スケールおよび凹凸が存在しないので、化成処
理性不良や電着塗装不良が生じることがなく、無欠陥塗
装皮膜を形成することができ、正面処理後の耐食性に優
れたプレス成形品を得ることができる。
【0024】以上の理由から、強化処理を熱延終了後の
鋼板に施すことにした。
【0025】次に、強化処理手段として電気抵抗発熱溶
接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および電子ビーム溶
接法のいずれかの溶接法を用いることとした理由につい
て説明する。
【0026】自動車用の鋼板は成形性が重視される。そ
のため、製鋼〜熱延の段階でCを粗大なセメンタイト
(Fe3 C)あるいは粗大なTiCとして析出させてあ
る程度固定し、冷延〜連続焼鈍の工程での固溶Cによる
成形性劣化を防止するようにして製造される。
【0027】一方、焼入れによる強化は、オーステナイ
ト中に十分なCが固溶していることが必要である。しか
し、上記のようにして製造される熱延後の鋼板に、一般
的な高周波焼入れやガスバーナ加熱焼入れのような非溶
融の焼入れ処理を施しても、温度が低いために上記の粗
大セメンタイト(Fe3 C)やTiCは分解することが
なく、鋼中の固溶C量の増加が全くないので強化されな
い。
【0028】このため、本発明では、上記の炭化物を分
解再固溶させて鋼中の固溶C量を増大させるべく、その
強化手段として材料を再溶融させるべく次の〜の各
溶接方法を採用することにした。
【0029】電気抵抗発熱溶接法;図2に示すよう
に、ディスク型の上下電極輪で熱延後の鋼板を挟み、適
当な加圧力と電圧を負荷するいわゆるシーム溶接法であ
り、この方法によれば連続的に板厚中央付近にナゲット
と呼ばれる溶融部が得られる。
【0030】この他にスポット溶接法も適用できるが、
処理速度を考えると鋼板の製造に適用するには工業的で
ないので、上記シーム溶接法が好ましい。
【0031】アーク溶接法;サブマージ溶接、イナー
トガスメタルアーク溶接(MIG)、炭酸ガスアーク溶
接およびイナートガスタングステンアーク溶接(TI
G)、さらにはプラズマアーク溶接法などが適用でき、
いずれのアーク溶接方法でも鋼板の全厚または任意厚さ
部分を再溶融させ得るだけでなく、溶接材料(ワイヤや
粉末など)としてC量の高いものを用いると、さらに鋼
中のCを高めることが可能で、より一層の強化を図るこ
とが可能である。
【0032】レーザ溶接法;レーザ溶接は高速性に優
れる。また、アーク溶接法と同様、適宜な溶接材料を用
いることで、より一層の強化を図ることも可能である。
さらに、レーザ溶接では、素材鋼板の表面に有機物(油
分など)がある場合にこれが分解して生じたCが溶接金
属中にトラップされて鋼中のCが高くなるので、上記溶
接材料を用いることなく、より一層の強化を図り得ると
いう利点もある。
【0033】電子ビーム溶接法;真空雰囲気を必要と
するのが工業的には不利であるが、図3に示すように、
集束コイルと偏向コイルを用いることで、ビームスキャ
ンが容易に行え、かつ高速処理も可能である。また、鋼
板の全厚または任意厚さ部分を再溶融させることもでき
る。
【0034】上記いずれかの方法で処理された強化処理
部は溶融状態となり、上記粗大セメンタイト(Fe
3 C)やTiCの炭化物が分解してCが均一に固溶した
状態から急速冷却され、マルテンサイト、ベイナイト、
セメンタイトおよび比較的Cを多く固溶するフェライト
を含む組織となる。また、NbCなどの炭化物も再度生
成析出するが、上記いずれの方法においても冷却速度が
大きいため非常に微細なものとなる。
【0035】次いで、上記のようにして部分的に強化処
理を施した熱延鋼板を、常法に基づいて酸洗処理した
後、冷延し、焼鈍するが、通常、冷延鋼板の焼鈍は最高
温度700〜850℃で行われるので、冷延で導入され
た加工による転位が消失し、軟化する。また、焼鈍の
際、非強化処理部では炭化物が粗大であるためにCの拡
散が抑制され、極めて軟質で成形性に優れたフェライト
組織になる。一方、強化処理部は焼鈍によりマルテンサ
イト・ベイナイトが一部分解され、また、フェライト中
の固溶Cも一部セメンタイトとして析出する。しかし、
これらの変態も現在の主流である連続焼鈍のように短時
間処理では大きく進行しないため、結果的にマルテンサ
イト・ベイナイトが残存し、かつフェライト中の固溶C
の残存により強化非処理部よりも強化される。この結
果、強度不均一ではあるが歪みのない部分強化鋼板が得
られ、従来方法によって製造された鋼板に、例えばレー
ザビームを照射して部分強化した鋼板に比べてプレス成
形に優れたものとなる。
【0036】上記の方法において、熱延後の鋼板に対す
る強化処理に上記〜の各溶接法を用いたとしても、
その凝固速度が極端に遅いと粗大な炭化物が形成されて
しまうので、入熱量を抑制し、冷却速度を40℃/秒以
上とすることが望ましい。また、処理速度の点からは溶
接速度を大きくすることが必要である。以上の観点か
ら、各溶接法の望ましい溶接条件は以下のとおりであ
る。
【0037】電気抵抗発熱溶接法では、加圧力120〜
400kgf、溶接電流50〜200kA、溶接速度2
〜20m/分。アーク溶接法では、溶接電流120〜3
00kA、溶接速度1〜10m/分。レーザ溶接法で
は、出力2〜45kw、溶接速度3〜50m/分。電子
ビーム溶接法では、出力2〜100kw、溶接速度3〜
100m/分である。
【0038】また、強化処理手段にレーザ溶接法、アー
ク溶接法および電子ビーム溶接法を用いた場合と、電気
抵抗発熱溶接法を用いた場合の望ましい冷間板圧延時の
冷延条件は、下式およびで定義されるuとrとの関
係が、前者ではr≧3u、後者ではr≧5uを満たすこ
とである。
【0039】 u=〔(表側UC量+裏側UC量)〕/冷延前の板厚 ……… r=1−(冷延後の板厚/冷延前の板厚) …………………… ただし、UCはアンダーカットを意味する。
【0040】なお、上記において、強化処理手段にレー
ザ溶接法、アーク溶接法および電子ビーム溶接法を用い
た場合に比べて電気抵抗発熱溶接法を用いた場合の上記
rの上限を大きくできるのは、前者3つの溶接法に比べ
て電気抵抗発熱溶接法による場合のビード部の段差が小
さいためである。
【0041】
【実施例】
《その1》供試材として、質量%で、C:0.05%、
Mn:0.2%、残部Feおよび不可避不純物からなる
Alキルド鋼製で、厚さ200mm、幅800mm、長
さ7000mmのスラブを準備した。次いで、このスラ
ブを熱延して厚さ2.6mm、幅800mm、長さ約5
00mの熱延帯鋼に成形し、730℃でコイルに巻取っ
た。このコイルを、前述の図1に示すレバース式の通板
装置と溶接機とからなる強化処理装置を用い、長さ50
0mのうちの中央部分100mの長さ領域部分に強化処
理を施した。
【0042】強化処理は、図4に示すように、熱延鋼板
の幅方向の両縁から200mmの2箇所に幅50mmで
施すこととし、電子ビーム溶接法では50mm全幅を、
シーム溶接法では10mmピッチで5本(5mm/
本)、プラズマアーク溶接法では16mmピッチで3本
(10mm/本)、レーザ溶接法では5mmピッチで1
0本(5mm/本)の部分強化を、表1に示す各溶接条
件で、いずれも全肉厚にわたって施した。これらの溶接
条件は、比較例のレーザ焼入れ処理強化材およびテーラ
ードブランク材と同程度の非強化処理部に対して10%
の圧縮強度の向上が得られる条件であり、予め実験的に
探索して求めた値である。
【0043】なお、強化処理は、図1中の左方の熱延コ
イル1を所定の速度で右方に送給して一方の縁部に施
し、次いで加工ヘッド4を鋼板幅方向にシフトさせ、そ
の後に右方の熱延コイル1を左方へ逆転送給して他方の
縁部の所定位置(後述の図4参照)に強化処理を施し
た。
【0044】
【表1】
【0045】しかる後、上記強化処理を施した熱延帯鋼
を酸洗し、タンデム式冷延ミルを用いて板厚0.8mm
になるように冷延し、引き続いて連続焼鈍炉を用いて5
50℃で焼鈍し、最終的に非処理部の降伏強度が210
N/mm2 、引張強度が310N/mm2 、伸びが41
%の冷延鋼板を得た。この冷延により、強化処理部の長
さは約320mに伸びていた。
【0046】得られた冷延鋼板の強化処理部と非強化処
理部とから、一辺が300mmの正方形ブランクを採取
した。これらのブランクを図4に示す形状寸法にハット
成形し、その両フランジ面に非強化処理部から採取した
幅200mm、長さ300mmの板材Fを40mmピッ
チでスポット溶接固定したの後、白抜き矢符方向に圧縮
し、スポット溶接固定間に膨らみ変形が発生した時点の
圧縮強度を測定した。
【0047】また、比較のため、非強化処理部から採取
したブランクの長手方向中央部分50mmに特開平6−
73438号公報の8欄49行目から9欄2行目に開示
される方法に従ってレーザ照射して強化したブランク材
の上記同様のハット成形品と、非強化処理部から採取し
たブランクの幅方向中央50mm部分を切断除去し、こ
の除去部分に降伏強度280N/mm2 、引張強度41
0N/mm2 、伸び38%の高張力鋼板を挿入配置して
レーザ突き合わせ溶接したテーラードブランク材の上記
同様のハット成形品の圧縮強度も測定した。さらに、こ
れらハット成形品について、図5に示す段部の寸法△l
を測定した。これらの結果のうち、圧縮強度に付いては
表1に、寸法精度については表2にそれぞれ示した。
【0048】なお、非強化処理部からの採取ブランクの
ハット成形品の圧縮強度は300kgfであった。
【0049】
【表2】
【0050】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の方法に従って製造した部分強化鋼板を用いた成形品
の圧縮強度は327〜336kgfであり、従来方法に
よって製造した部分強化鋼板を用いた成形品の圧縮強度
330〜333kgfとほぼ同等以上の圧縮強度を有し
ていた。
【0051】また、その寸法精度については、表2に示
す結果から明らかなように、本発明の成形品では段部の
寸法精度が±0.2mm以内であるのに対し、従来の成
形品では±2mmとバラツキが大きい。これは、従来の
方法で製造した鋼板が強度不均一である上に歪み不均一
であるのに対し、本発明の方法で製造した鋼板は強度不
均一であるが、歪みを有しないためである。
【0052】《その2》上記同様のハット成形前の各ブ
ランクを対象に、その外観性能と塗装処理後の耐食性を
調べた。試験は、各ブランクに脱脂、化成処理(日本パ
ーカライジング(株)社製の商品名PB−L3080を
付着量3〜4g/m2 で塗布)、膜厚20μmの電着塗
装(日本ペイント(株)社製の商品名V−80)を施し
たものを用いて行い、評価は次に述べる方法によって行
った。
【0053】耐食性の評価:上記電着塗装処理後の試験
片を対象に編塩水噴霧試験(10%食塩水を100日間
連続噴霧)後に錆が目視観察されたものを不良、観察さ
れなかったものを良とした。
【0054】外観性能の評価:上記電着塗装処理後、膜
厚67μmのスプレー塗装皮膜(中塗り皮膜:日本ペイ
ント(株)社製の商品名OTO−4820グレーを32
μm、上塗り皮膜:日本ペイント(株)社製の商品名O
TO−640−3クリアーホワイトを35μm)を施し
たものを対象とし、強化処理部近傍のスプレー塗装皮膜
の表面粗さを測定して高さ20μm以上の凸部が測定さ
れたものを不良、それ以外のものを良とした。
【0055】これらの結果を、表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】表3に示すように、本発明の方法で製造し
た部分強化鋼板は、いずれの強化処理手段を用いた場合
にも、外観性能と耐食性の両方とも良好であった。これ
に対し、従来技術のものは、外観性能と耐食性の両方と
も不良であった。
【0058】
【発明の効果】本発明の方法によれば、最終の成形部品
製造工程で従来必要であったレーザ焼入れ加工処理の省
略できるのみならず、耐食性および外観性能に優れた部
分強化素材鋼板を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法における部分強化処理態様の一例を
示す模式図である。
【図2】シーム溶接法による部分強化処理態様の一例を
示す模式図である。
【図3】電子ビーム溶接法による部分強化処理態様の一
例を示す模式図である。
【図4】実施例における部分強化処理例、および最終製
品の成形例を示す図である。
【図5】ハット成形品の寸法測定位置を示す図である。
【符号の説明】
1:熱延コイル、 2:ブライドルロール、 3:溶接機、 4:溶接機の加工ヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 9/04 8509−4E B23K 9/04 A 11/06 320 11/06 320 15/00 501 15/00 501Z 26/00 310 26/00 310Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱延終了後の鋼板の任意部位を、電気抵抗
    発熱溶接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および電子ビ
    ーム溶接法のうちのいずれかの溶接法を用いて再溶融凝
    固させ、しかる後に酸洗、冷延および焼鈍の各処理を順
    次施すことを特徴とする部分強化鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】熱延終了後の鋼板の任意部位を、電気抵抗
    発熱溶接法、アーク溶接法、レーザ溶接法および電子ビ
    ーム溶接法のうちのいずれかの溶接法を用いて再溶融凝
    固させ、しかる後に酸洗、冷延、焼鈍および表面処理の
    各処理を順次施すことを特徴とする部分強化鋼板の製造
    方法。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019500216A (ja) * 2015-12-18 2019-01-10 オートテック・エンジニアリング・アグルパシオン・デ・インテレス・エコノミコAutotech Engineering A.I.E. 補強された構造部品
JP2019507013A (ja) * 2015-12-18 2019-03-14 オートテック・エンジニアリング・アグルパシオン・デ・インテレス・エコノミコAutotech Engineering A.I.E. 補強構造構成要素

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019500216A (ja) * 2015-12-18 2019-01-10 オートテック・エンジニアリング・アグルパシオン・デ・インテレス・エコノミコAutotech Engineering A.I.E. 補強された構造部品
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