JPH09179849A - 製品危険分析システムおよび製品危険分析方法 - Google Patents

製品危険分析システムおよび製品危険分析方法

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JPH09179849A
JPH09179849A JP33519795A JP33519795A JPH09179849A JP H09179849 A JPH09179849 A JP H09179849A JP 33519795 A JP33519795 A JP 33519795A JP 33519795 A JP33519795 A JP 33519795A JP H09179849 A JPH09179849 A JP H09179849A
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danger
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JP33519795A
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Eri Koshishiba
絵里 越柴
Kayo Tsunekawa
佳世 恒川
Toshiyuki Sakuma
敏行 佐久間
Naoki Go
直樹 郷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製品の有する危険性を検出、分析し、危険度評
価を客観的、体系的、定量的に行う。 【解決手段】入力された製品市場情報から、キーワード
を抽出し、該キーワードに関連付けられた危険情報を、
製品市場情報データベースから読み出す。また、危険事
例データの選択と、危険分析評価項目の選択を受け付
け、該選択された危険情報データから、該選択された危
険分析評価項目の値をもとに、危険性の判定基準を算出
し、処理対象の危険情報に関する危険分析評価項目の値
の入力を受け付け、その値を用いて該処理対象の危険情
報の危険度を算出し、算出した判定基準と上記算出した
危険度とを比較することにより、危険の有無を判定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品の設計製造及
び販売、使用、回収、廃棄、再生までの全サイクルを対
象とした信頼性解析技術に係り、特に、顧客から収集さ
れる製品市場情報や、各種データベース情報を基に、製
品に潜む危険を予測する、製品危険分析システムと、そ
の方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製造各社は、設計(研究開
発)部門、製品検査部門、品質保証部門等が中心となっ
て、製品安全委員会の設置、規則マニュアル作り、セミ
ナの開催等の製品安全対策を講じることで、消費者に安
全な製品を提供する努力がなされている。また、各設計
担当者が、その経験と知識を頼りに開発する製品に関す
る情報の重要性を判断して、過去の事例データベース
(以下DBと略す)や部品情報DB等から必要な情報を
参照・抽出し、その製品の持つ危険性の分析評価をする
ことにより、安全な製品の設計に努めている。
【0003】特に、製造物責任法(以下、PL(Produc
t Liability)法と呼ぶ)の施行に伴い、製品欠陥の判
断基準に対する考え方が、生産者主体から、米国や欧州
と同様の消費者主体へ移行してきており、製造業者にと
って、製品の安全性をあらゆる角度から十分に検討する
ことが必須となっている。
【0004】民法上の不法行為責任については、製造業
者等の過失または故意を被害者が証明しなければなら
ず、この証明は非常に困難である。しかし、平成7年7
月1日に施行されたPL法の第3条によれば、生産者の
手を離れた製造物の欠陥によって被害が発生した場合、
被害者は、製造業者等の過失を証明せずとも製品そのも
のの欠陥性を明示すれば、製造物責任を問うことができ
る。これにより、被害者の立証責任の負担が大きく軽減
されたことになる。このPL法の施行に伴い、万が一、
製造物の欠陥により大規模な事故が発生した場合、製造
業者等は、過失がなくても損害を賠償しなければならな
いため、多大な経済的・事務的負担を強いられることに
なる。また、このような製造物の欠陥による事故の裁判
は、製造業者等のイメージダウンにつながり、これによ
る売り上げの減少が企業経営に対して深刻な影響を及ぼ
すことは必至である。
【0005】したがって、このPL法の施行に伴い、製
造業者等は、従来にもまして製品に係わる安全責任を厳
しく追及されることになったといえる。そこで各社とも
生産者から消費者を重視した視点への転換が求められて
きているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の各設計
担当者による危険性の分析評価では、設計担当者の能力
資質に依存される部分は大きく、DBから抽出した情報
量が増大するにつれ、各情報項目が分析評価の上でどの
程度の影響力を持つのかを客観的、体系的、定量的に行
うことは困難といえる。
【0007】そこで、本発明は、製品の有する危険性を
的確に分析でき、さらに上記危険性による災害現象に対
して、危険度評価を客観的、体系的、定量的に行うこと
で、製品に潜む見えない危険の事前排除や防止を支援す
る、製品危険分析方法と、該方法を用いた製品危険分析
システムとを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、入力された製品市場情報から、キーワ
ードを抽出し、該キーワードに関連付けられた危険情報
を、上記製品市場情報データベースから読み出すことを
特徴とする製品危険分析方法が提供される。
【0009】さらに、本発明では、危険事例データの選
択と、危険分析評価項目の選択を受け付け、該選択され
た危険情報データから、該選択された危険分析評価項目
の値をもとに、危険性の判定基準を算出し、処理対象の
危険情報に関する上記危険分析評価項目の値の入力を受
け付け、その値を用いて該処理対象の危険情報の危険度
を算出し、上記算出した判定基準と上記算出した危険度
とを比較することにより、処理対象の危険情報の示す危
険があるか否かを判定し、上記判定結果を出力すること
を特徴とする製品危険分析方法が提供される。
【0010】また、本発明では、危険情報と、該危険情
報に関連付けられた対処情報とを、あらかじめデータベ
ースに保持し、危険ありと判定された上記危険情報に関
連付けられた上記対処情報を、上記データベースから読
み出し、読み出した対処情報を出力することを特徴とす
る製品危険分析方法が提供される。
【0011】さらに、本発明では、上述の方法を用いて
製品の危険を分析するシステムが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製品危険分析システムの
第1の態様は、製品に関するキーワードおよび該キーワ
ードに関連付けられた危険情報を蓄積するための製品市
場情報データベースと、製品の市場情報の入力を受け付
け、該情報の内容から上記キーワードを抽出し、その内
容を製品市場データベースに格納する入力データ分類処
理部と、入力された製品市場情報から、キーワードを抽
出し、該キーワードに関連付けられた危険情報を、上記
製品市場情報データベースから読み出す危険診断処理部
と、読み出した危険情報を出力する手段とを備える。本
発明のシステムの処理対象は、製品の危険情報である。
従って、抽出される危険情報に遺漏があることは、極力
避けねばならない。この態様によれば、製品市場データ
ベースにあらかじめ登録された危険情報から、処理対象
の製品市場情報に関連する危険情報を漏れなく抽出する
ことができる。本態様では、製品市場情報データベース
は、入力データ分類処理部により蓄積されるが、すでに
情報の蓄積されている製品市場情報データベースを用い
るようにしてもよい。
【0013】なお、本発明の製品危険分析システムは、
製品の危険の分析・評価を行う基本データとして、製品
に対する市場情報を用いる。製品市場情報は、製品が出
荷されてから、製造元に通知された、製品に関する種々
の情報である。従って、この製品市場情報を基本データ
とすることにより、広い範囲の情報をもとに、危険性の
判断をすることができる。
【0014】上述のデータ分類処理部は、製品市場情報
の内容を分解し、5W1H(Who:誰が、What:
何を、When:いつ、Where:どこで、How:
どのようにして、Why:なぜ)に分類する、すなわ
ち、製品使用者情報、製品情報、製品設置環境、製品使
用状態情報、危険発生理由情報、製品製造日情報の少な
くともいずれかを得る手段を備えることが望ましい。
【0015】このように、製品市場情報を5W1H情報
に分類整理することは、例えば、危険診断処理にを行う
際に、木構造の知識を備える診断樹木知識ベースを用い
て危険情報の抽出を行なう場合、危険現象に対する診断
樹木知識ベースの枝分かれ分岐の選択が明確になり、診
断の最終的結論への絞り込み診断を容易にすることがで
きる。
【0016】また、製品市場情報データベースは、製品
の使用者を上記キーワードとする製品使用対象者テーブ
ルと、製品の設計情報を上記キーワードとする製品設計
情報テーブルと、製品の製造情報を上記キーワードとす
る製品製造情報テーブルと、製品の設置環境を上記キー
ワードとする製品設置環境テーブルと、製品の市場状態
を上記キーワードとする製品使用状態テーブルと、危険
の発生理由を上記キーワードとする危険理由テーブル
と、製品の製造日に係る情報を上記キーワードとする製
品製造日テーブルとのうちの少なくとも一つを備えるこ
とが望ましい。
【0017】このように、様々なテーブルを検索するよ
うにすることによって、情報量が多くなった場合でも、
情報の抜けや誤解を著しく低下させることができる。情
報の検索結果が、設計担当者の経験と知識に大きく依存
しないためである。
【0018】本発明の製品危険分析システムの第2の態
様は、危険情報と、該危険の分析評価に用いられる、一
以上の危険分析評価項目の値とを含む危険事例データを
一以上保持する危険事例データベースと、処理対象の危
険情報について、該危険情報の示す危険があるか否かを
判定する危険評価判定部と、判定の結果を出力する手段
とを備える。ここで、危険評価判定部は、危険事例デー
タの選択と、危険分析評価項目の選択を受け付け、該選
択された危険情報データから、該選択された危険分析評
価項目の値をもとに、危険性の判定基準を算出し、処理
対象の危険情報に関する上記危険分析評価項目の値の入
力を受け付け、その値を用いて該処理対象の危険情報の
危険度を算出し、算出した判定基準と算出した危険度と
を比較することにより、処理対象の危険情報の示す危険
があるか否かを判定する。
【0019】この態様によれば、危険の評価判定を行う
ことは、あらゆる角度からその危険現象を見つめること
ができるので、単一の評価尺度にとらわれなく多次元的
見地での評価を行うことになる。また、危険性が定量的
に算出されるため、危険性を具体的に認識することがで
きる。すなわち、予測した危険現象がどのくらい危険性
があるのかを数量化させることで、危険分析評価を体系
的・定量的に行うことが可能となる。これにより、合理
的で適切な危険低減策の迅速な実行を支援することがで
きる。
【0020】なお、この第2の態様が、上述の第1の態
様も備え、処理対象の危険情報として、上述の第1の態
様における危険診断処理部が読み出した危険情報を、処
理対象の危険情報として用いるようにしてもよい。
【0021】また、この第2の態様において、危険度と
して、危険情報に関する上記選択された危険分析項目の
値を加算した値を用いることができる。さらに、判定基
準は、危険のある事例の危険度の下限値、および/また
は、危険のない事例の上限値を用いることができる。こ
のような判定基準を用いる場合、危険評価判定部は、選
択された危険事例データのうち、危険のあるものの上記
危険度の分散と、危険のないものの上記危険度の分散と
の比が最大になるように、各上記危険分析項目の値を決
定し、この決定された値を用いて、判定基準を求める。
危険のある事例の危険度の下限値は、この決定された値
を用いて求められた、危険のある危険事例データ群の危
険度の平均値として求められる。また、危険のない事例
の危険度の上限値は、この決定された値を用いて求めら
れた、危険のない危険事例データ群の危険度の平均値と
して求められる。
【0022】なお、危険評価判定部が危険度を判定する
指標として用いる危険分析評価項目としては、危険の発
生頻度や、危険の社会的影響度、危険に対する対策の難
易度、危険修復費用などを用いることができる。また、
このような指標の選択や重要性に応じて危険の評価を行
なうようにしてもよい。
【0023】上述の第2の態様においては、危険情報
と、該危険情報に関連付けられた対処情報とを保持する
危険排除データベースと、該危険排除データベースを検
索し、危険評価判定部により危険ありと判定された危険
情報に関連付けられた対処情報を読み出す危険低減策提
案部と、読み出された対処情報を出力する手段とを、さ
らに備えることが望ましい。このようにすれば、危険性
の判定結果のみならず、その危険回避・低減方法も提示
されることになり、使用者の便宜を図ることができる。
また、第1の態様と第2の態様とを組合せた上で、この
危険回避・低減方法の提示を行なう場合には、第1の態
様による危険診断処理部の抽出した多くの関連性のある
危険情報から、第2の態様によって危険性ありと判断さ
れたもののみについて、危険回避・低減方法が提示され
ることになり、不要な情報が出力されるのを防ぐことが
できる。なお、危険低減策提案部は、危険評価判定部に
おいて算出された危険度に応じた内容の危険回避・低減
策を提示するようにしてもよい。すなわち、危険排除デ
ータベースに、同じ危険情報に対する対処情報として、
危険度の範囲と対応付けられた複数の対処情報を保持す
るようにし、危険低減策提案部は、処理対象の危険情報
の危険度に応じた対処情報を該データベースから読み出
すようにしてもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。本実施例の製品危険分析システムは、入力された
情報を分類、蓄積し、該情報から、どのような危険の可
能性があるかを導き出し、その危険の低減策を提示する
ことで、製品設計時における危険の排除を支援するもの
である。本製品危険分析システムの入力情報として、本
実施例では、製品についての市場情報(該製品が生産者
元を離れて一般市場に出回った後、該製品の購入者や使
用者から得られる情報)を用いる。この製品市場情報
は、例えば、製品に添付された消費者アンケートはがき
や、企業に寄せられた消費者モニタからの電話など、郵
便、電話、情報端末を利用した回線通信等により収集さ
れる、製品に関する情報である。
【0025】本実施例の製品危険分析システムの機能構
成を図1に示す。本実施例の製品危険分析システムは、
図1に示すように、入力データ分類処理部1と、危険診
断処理部2と、危険評価判定部10と、危険低減策提案
部11と、結果表示処理部12と、入力データ分析評価
結果蓄積処理部13と、製品市場情報データベース(以
下、D/Bと略す)26と、危険事例D/B27と、危
険排除D/B28とを備える。なお、図1において、実
線の矢印は制御の流れを、点線の矢印はデータの格納ま
たは参照を、それぞれ表す。
【0026】本実施例の製品危険分析システムは、入力
された情報に対して、入力データ分類処理部1が入力デ
ータを分類し、分類結果を製品市場情報D/B26に蓄
積して、危険診断処理部2が、蓄積された情報を基に、
どのような危険の可能性があるかを推測し、該推測され
た危険の回避または低減策を危険低減策提案部11が提
示することにより、製品設計時に製品の危険を排除する
ことを支援するものである。
【0027】まず、本実施例の製品危険分析システムの
ハードウェア構成を説明する。本実施例の危険分析評価
システムは、図2に示すように、中央処理装置(CP
U)15と、主記憶装置(本実施例ではランダムアクセ
スメモリ(RAM))18と、外部記憶装置(本実施例
では固定ディスク)14と、入出力装置とを備える情報
処理装置である。また、本システムは、入出力装置およ
び外部記憶装置14と、CPU15との間の信号伝達の
ために、マルチバスおよびバス制御装置(図示せず)を
さらに備える。
【0028】中央処理装置15は、主記憶装置内に保持
されているプログラムを実行することにより、入力デー
タ分類処理部1、危険診断処理部2、危険評価判定処理
部10、危険低減策提案処理部11、結果表示処理部1
2、および、入力データ分析評価結果蓄積処理部13を
実現する。なお、本実施例では、これら各部1〜13は
CPUにより実現されるが、専用回路など、ハードウエ
ア的手段によって実現されてもよい。
【0029】固定ディスク14には、製品市場情報デー
タベース26が保持されており、RAM18には、外部
記憶装置14から読み出され、中央処理装置15によっ
て参照、更新される、データおよびプログラムが、必要
に応じて保持される。
【0030】また、本実施例のシステムは、入出力装置
として、出力装置であるプリンタ17およびディスプレ
イ19と、入力装置であるキーボード20およびマウス
16とを備える。ディスプレイ19は結果表示処理部か
ら出力される結果を表示したり、キーボード20から入
力するデータを表示する画像表示装置である。
【0031】次に、入力データ分類処理部1の分類処理
する製品市場情報について説明する。製品市場情報の内
容は、例えば「子供が自分の部屋にある1年前に購入し
たルームエアコンを使用していたところ、コンセントプ
ラグから発火した」というように、複数のキーワードを
もつ情報から成り立っている。そのため、入力データ分
類処理部1は、この製品市場情報内容を、故障現象に関
する6つのカテゴリー(5W1H情報(Who:誰が、
What:何を、When:いつ、Where:どこ
で、How:どのようにして、Why:なぜ))に分類
し、まとめ直す。上記例の場合、「Who:子供が」、
「What:ルームエアコンを」、「When:一年後
に」、「Where:子供部屋で」、「危険現象:使用
したところコンセントプラグから発火した」となる。こ
の6つのカテゴリーに分類した結果を格納するD/B
が、製品市場情報D/B26である。
【0032】製品市場情報データベース26は、図4に
示すように、設計情報テーブル30と、製品設置環境テ
ーブル31と、製品使用状態テーブル32と、製品取扱
対象者テーブル33と、製品危険理由テーブル34と、
製品製造日テーブル35とを備える。いずれのテーブル
も同様のデータ構造を有する。そこで、これらの各テー
ブル30〜35のうち、製品取扱対象者テーブル33を
例にとって図3に示した。製品市場情報D/B26の各
テーブル30〜35は、それぞれ、図3に示すように、
テーブルごとに定められているカテゴリーの項目を保持
するためのカテゴリー項目記憶領域21と、カテゴリー
項目ごとに、詳細内容のキーワードを保持するためのキ
ーワード記憶領域22および該キーワードに関連する危
険情報を保持するための危険情報記憶領域23とを備え
る。各テーブル30〜35のカテゴリーは、それぞれ、
設計情報(What)、設置環境(Where)、使用
状態(How)、製品の取扱対象者(Who)、危険発
生理由(Why)、製造日(When)である。
【0033】次に、危険診断処理部2が、製品市場情報
D/B26内にまとめ直された製品市場情報を読み出す
ことで、どのような危険性が存在するか推測する。な
お、危険診断処理部2は、設計情報参照部3と、製品設
置環境参照部4と、製品使用状態参照部5と、製品取扱
対象者参照部6と、製品危険理由参照部7と、製品製造
日参照部8とを備える。この危険診断処理部2の処理内
容を、図5に示す。
【0034】危険診断処理部2は、各参照部3〜8ごと
に、該参照部の割り当てられたテーブル30〜35に対
してステップ51〜53の処理を行なうことにより、処
理対象の製品市場情報に関連する、製品市場情報D/B
26に保持されたすべての危険情報を抽出する。なお、
各参照部3〜8は、製品市場情報の各カテゴリーごとに
各テーブル30〜35の危険情報記憶領域23に保持さ
れた危険情報を抽出する。
【0035】各参照部3〜8が製品市場情報D/B内の
どのテーブルを参照するのかを図4に示す。図4に示す
ように、設計情報参照部3は、設計情報テーブル30に
保持されたカテゴリーWhatの情報を参照する手段で
あり、製品設置環境参照部4は、製品設置環境テーブル
31に保持されたカテゴリーWhereの情報を参照す
る手段であり、製品使用状態参照部5は、製品使用状態
テーブル32に保持されたカテゴリーHowの情報を参
照する手段であり、製品取扱対象者参照部6は、製品取
扱対象者テーブル33に保持されたカテゴリーWhoの
情報を参照する手段であり、製品危険理由参照部7は、
製品危険理由テーブル34に保持されたカテゴリーWh
yの情報を参照する手段であり、製品製造日参照部8
は、製品製造日テーブル35に保持されたカテゴリーW
henの情報を参照する手段である。
【0036】危険情報の抽出処理についてさらに詳しく
説明する。図3に示すように、製品取扱対象者参照部6
が参照する製品取扱対象者テーブル33内には、キーワ
ード22と、そのキーワードに関連する危険性情報23
とが格納されている。例えば、上述した製品市場情報例
の場合、取扱対象者(Who)は製品の使用者であり、
それも「子供」である。そこで、製品取扱対象者参照部
6は、製品使用対象者テーブル33のカテゴリー項目記
憶領域21に「使用者」を保持する行を検出し(ステッ
プ51)、検出された行のうち、キーワード記憶領域2
2に「子供」を保持する行をすべて検出し(ステップ5
2)、このステップ52において検出された行の危険情
報記憶領域23の内容を読み出す(ステップ53)。す
ると、領域24に保持された「各機能の意味を理解して
いない。」と、領域25に保持された「興味本位で製品
に触れ、不意な動作開始の可能性有り。」が読み出され
る。
【0037】同様にして、製品設置環境参照部4は、製
品設置環境テーブル31から、製品市場情報例の設置環
境(Where)(上述の例では「子供部屋」)をキー
ワードとして、該キーワードに関連する危険情報を読み
出し、製品設計情報参照部3は、製品設計情報テーブル
30から、上記製品市場情報例の製品(what)(上
述の例では「ルームエアコン」)をキーワードとして、
該キーワードに関連する危険情報を読み出し、製品製造
日参照部8は、製品製造日テーブル35から、製品製造
日情報(When)(上述の例では「一年後」)をキー
ワードとして、該キーワードに関連する危険情報を読み
出す。
【0038】なお、上述の例では、製品市場情報に製品
使用状態(How)や危険と判断される根拠・理由(W
hy)に関する情報が明記されていない。従って、製品
使用状態参照部5および危険理由参照部7は、危険情報
の抽出はできない。なお、上記各テーブル30〜35か
ら危険情報を抽出するテーブル検索順序は、上述の順に
限られず、どのような順番で行なってもかまわない。
【0039】このようにして、製品市場情報に含まれて
いるキーワードをもとに、危険情報を抽出することで、
可能性のある危険を漏れなく抽出することができる。
【0040】なお、本実施例の危険診断処理部2は、上
述のように、各カテゴリーごとに備えられたテーブル3
0〜35を検索することにより、危険情報を抽出する
が、知識D/Bを用いて危険情報を抽出するようにして
もよい。この知識D/Bを用いて予測される危険に関す
る情報を抽出する方法を、つぎに説明する。
【0041】この場合に用いられる知識D/Bは、図6
に示すような、ある一つの事象に、一つまたは複数の事
象をリンクさせる木構造で表現される知識(一般にはF
T:Fault Treeと呼ばれる)の知識ベースでもよく、あ
るいは、一般のIF〜THENルールで記述される知識
の知識ベースでもよい。ここでは、前者のFT知識ベー
スを用いる場合を説明する。
【0042】まず、上記知識ベースの構築方法について
説明しておく。一般に、知識ベースを構築するには、専
門家と称される知識所有者との口頭インタビューによ
り、知識所有者から知識を獲得する必要がある。獲得さ
れた知識に基づいて、知識ベースを構築するシステム開
発者は、知識の整理・体系化を図り、例えば、図7に示
すような知識ベース作成システム50を操作し、知識ベ
ース61を構築する。
【0043】この知識ベース作成システム50は、複数
の事象(ここで事象とは図6に示す知識のひとつひとつ
の要素を指す。各事象には詳細な知識が定義される。)
を互いに関係付けてなる階層構造を有するデータ構造の
D/Bと、該D/B内に知識の階層構造を定義するため
の階層構造定義部53と、該階層構造の各事象をブロッ
ク化・変更・追加する機能を持った知識修正部55と、
該D/B内に定義された階層構造の各事象を知識修正操
作画面に表示するための表示部57を主な構成要素とし
て構成されている。
【0044】この例では、知識ベース構築者51は、知
識表示部52に作成しようと思う知識を端末等の画面に
表示させながら、知識を作成していく。まず階層構造定
義部53において、図6に示すFT知識の構造ともいう
べき階層を設定する。次に知識内容定義部54におい
て、上記階層構造定義部53で設定した各階層内に、事
象の内容を定義していく。また、必要に応じて知識修正
部において階層構造定義部53と知識内容定義部54を
用いて作成した知識を修正させる。さらに、上記知識は
それぞれ図7に示す階層構造・知識内容定義データベー
ス59へ格納され、データ変換部60を介して知識デー
タ61となって完成する。
【0045】つぎに、上記FT知識データから危険情報
を抽出する方法の具体例を説明する。図6に示すFT知
識は、トップ事象の質問(図6では質問1)からはじま
り、各質問にその答えが複数リンクされ、各答えには一
つの質問がリンクされている。そこで、製品市場情報か
らわかる内容から、FT知識データの質問に対する回答
を選択することを繰り返すことで、FT知識データのエ
ンド事象(ここでは答4.1、4.2、5.1、5.
2、6.1、6.2)まで絞り込むことができる。例え
ば、質問1に対して答1.1を選択し、質問2に対して
答2.2を選択し、質問5に対しては答5.2を選択す
ると、FT知識データのエンド事象に位置付けられた危
険情報5.2を抽出することができる。
【0046】なお、FT知識データを用いて危険情報の
抽出を行う場合には、知識選択の履歴を把握できるため
そ、の履歴をたどることで、危険現象発生に至ってしま
うのかの発生メカニズムの究明を行うこともできるとい
う利点がある。
【0047】危険診断処理部2が生じうる危険の候補を
抽出すると、次に、危険評価判定部10が、危険診断処
理部2の抽出した危険現象に関し、処理対象の製品市場
情報に記述されている事例が危険なのか否か、危険なら
ばどの程度の危険があるのかを、危険事例D/B27に
保持された過去の危険事例を基にして、数量化して算出
する。本実施例における危険評価判定部10の危険判定
処理を、図12を用いて説明する。
【0048】まず、危険評価判定部10は、ディスプレ
イ19の表示画面に、処理対象の製品市場情報の内容
と、危険事例D/B27に保持されている事例データの
一覧表とを表示し、判定基準の作成に使用する事例デー
タの選択を、入力装置16,20を介して受け付ける
(ステップ121)。事例データが選択されると、危険
評価判定部10は、危険の判定に使用する評価項目であ
る危険評価項目の選択を入力装置16,20を介して受
け付ける(ステップ122)。
【0049】このようにして判定基準の作成に必要な入
力を受けると、危険評価判定部10は、選択された事例
データから、選択された危険評価項目の値を用いて、危
険の判定基準を計算する(ステップ123)。判定基準
が算出されると、危険評価判定部10は、処理対象の製
品市場情報についての危険評価項目の値の入力を入力装
置16,20を介して受け付け(ステップ124)、そ
の値を用いて処理対象の製品市場情報の危険性を判定す
る(ステップ125)。
【0050】つぎに、ステップ123の処理内容を、図
10を用いて説明する。ここでは、ステップ121にお
いて危険事例D/B27に登録された事例から、事例1
〜6が選択されたものとする。危険事例D/B27のデ
ータ構造を、図8に模式的に示す。危険事例D/B27
は、過去の危険事例の現象/原因と、該事例における危
険評価項目の値を保持するD/Bである。危険評価項目
は、危険性の指標である。本システムは、危険評価項目
として、図8に例示したように、発生頻度、社会的影響
度、対策難易度、修復費用等、様々な指標を用いるが、
ここでは、説明を簡明にするため、危険評価項目として
発生頻度38と対策難易度39の2つがステップ122
において選択されたものとする。
【0051】図9に示すように、項目「危険事例発生頻
度」38には、「多」40と「少」41との2つのカテ
ゴリーがあり、項目「対策難易度」39には、「難」4
2と「易」43との2つのカテゴリーがある。各カテゴ
リーには、該カテゴリーの重み付けのためのウェイト変
数があらかじめ定められている。ここでは、各カテゴリ
ーのウェイト変数を、発生頻度「多」:X1,発生頻度
「少」:X2、対策難易度「難」:Y1,対策難易度
「易」:Y2とする。
【0052】なお、ここでは評価項目を2つ用い、各評
価項目とも2つのカテゴリを備えるが、危険評価項目の
数および内容や、各危険評価項目に対するカテゴリーの
数および内容は、これらに限られず、任意に定めてよ
く、任意に定めた場合も、以下の手順と同様にして危険
性を数量化することができる。
【0053】ここで、選択された事例1〜6について説
明しておく。事例1は発生頻度が多く、対策が難しい事
例であり、事例2および事例3は発生頻度は多いが対策
は容易な事例であり、事例4および事例5は発生頻度は
少ないが対策が難しい事例であり、事例6は発生頻度が
少なく対策が容易な事例である。また、事例1,2,4
は危険のある事例であり、事例3,5,6は危険のない
事例である。
【0054】危険評価部10は、ステップ123におい
て、まず、危険の有無がなるべく明確に判別できるよう
に、各カテゴリーのウェイト変数の値を定め、その値を
用いて判定基準値を求める。
【0055】危険のある事例の危険度(各項目のウェイ
ト変数を加えたもの)の平均Hと、危険のある事例の危
険度の平均Lとのばらつきが大きいほど、危険の有無は
明確に区別されることになる。そこで、危険評価判定部
10は、まず、各事例を、危険の有無で2つのグループ
に分類し(ステップ101)、各グループにおける危険
度(各項目のウェイト変数を加えたもの)の平均値の計
算式を求める(ステップ102)。危険ありグループ
は、事例1(危険度=X1+Y1)、事例2(危険度=X
1+Y2)、事例4(危険度=X2+Y1)であり、危険な
しグループは、事例3(危険度=X1+Y2)、事例5
(危険度=X2+Y1)、事例6(危険度=X2+Y2)で
あるので、危険ありグループの平均値を求める計算式
は、 H=(2X1+X2+2Y1+Y2)/3 …(式1) となり、危険なしグループの平均値を求める計算式は、 L=(X1+2X2+Y1+2Y2)/3 …(式2) となる。
【0056】そこで、危険評価判定部10は、ばらつき
の相関比Rが最大になるように、つぎのステップ103
〜108により、各ウェイト変数のとる値を決定する。
具体的には、Rは、 であるが、ばらつきを表すのに分散を用い、(式3)
を、 R=(HとLの分散)/(全体の分散)…(式4) とし、この(式4)の値Rが最大になるように、ウェイ
ト変数X1、X2、Y1、Y2が決定される。つぎに、ステ
ップ103〜108の計算を説明する。
【0057】ステップ103において、危険評価判定部
10は、すべてのウェイト変数の平均値mを求める式を
求める。ここで用いている例では、ウェイト変数は
1、X2、Y1、Y2の4つであるから、mは、 m=(X1+X2+Y1+Y2)/2 …(式5) で求められる。
【0058】つぎに、危険評価判定部10は、HとLと
の分散SNが、 で求められることから、これに(式1)および(式2)
を代入して、HとLとの分散SNを求める式、 SN=(X1−X2+Y1−Y22/36…(式7) を導く(ステップ104)。ここで、 U=(X1−X2+Y1−Y22 …(式8) とすれば、 SN=U/36 となる。
【0059】また、また全体の分散ALは、 AL={2(X1+Y1−m)2+2(X1+Y2−m)2
(X2+Y1−m)2+(X2+Y2−m)2}/6 と表わせるので、危険評価判定部10は、この式に、
(式5)を代入して整理し、 AL=(9X1 2+9X2 2+9Y1 2+9Y2 2−6X11 −6X22+6X12+6X21−18X12 −18Y12)/36 …(式9) を導く(ステップ105)。ここで、AL=V/36と
おく。
【0060】つぎに、危険評価判定部10は、ばらつき
(分散)の相関比を上述の(式4)から求める(ステッ
プ106)。ここで用いている例では、 R=(SN/AL)=U/V となる。RはX1、X2、Y1、Y2の関数であるから、5
次元空間の中に描かれる曲面であるが、例えばX1以外
を全て定数とみなしてしまえばRはX1だけの関数とな
る。これを、偏微分するということは、2次元の平面内
での曲線の傾きを全域にわたって求めることになる。従
って、4つの偏微分した式の結果をゼロとおけば、傾き
がゼロの位置が見つかり、Rを最も大きくする値を求め
ることができる。そこで、危険評価判定部10は、この
Rを最大にする値を求めるために、RをX1、X2
1、Y2でそれぞれ偏微分する(ステップ107)。偏
微分の結果は、つぎの(数1)〜(数4)のようにな
る。
【0061】
【数1】
【0062】
【数2】
【0063】
【数3】
【0064】
【数4】
【0065】これらの偏微分の結果から、危険評価判定
部10は、X1、X2、Y1、Y2の値を求める(ステップ
108)。すなわち、上記(数1)〜(数4)より、 (X1−X2−Y1+Y2)U=0 …(式10) が導かれる。この(式10)のUに、(式8)を代入す
ると、 (X1−X2−Y1+Y2)(X1−X2+Y1−Y22=0 となり、これが成立するのは、X1−X2=Y1−Y2(但
し、X1≠X2)の場合である。そこで、危険評価判定部
10は、各ウェイト変数のとる値を、例えば、X1
1、X2=0、Y1=1、Y2=0と決める。
【0066】このようにして各ウェイト変数の値を決定
すると、つぎに、危険評価判定部10は、上述の危険あ
りのグループと、危険なしのグループとの危険度の平均
値を求める(ステップ109)。各グループの危険度の
平均値は、 H=(2X1+X2+2Y1+Y2)/3=1.33 L=(X1+2X2+Y1+2Y2)/3=0.66 となる。以上の処理により、危険度1.33点以上の場
合は危険ありグループに入る可能性が高く、0.66点
以下の場合は危険なしグループに入る可能性が高いとい
う判定基準が求められたことになる。
【0067】なお、ここで用いた例では、選択された6
つの事例が、未知数(ウェイト変数)の4つの組み合わ
せすべてを含んでいるが、例えば、異なる3つの組合せ
の事例(例えば事例1、2、4)が選択されたとして
も、これらの事例から求められたウェイト変数により、
残りの組合せの危険の有無を判断することができる。
【0068】危険度の評価を判定するのに、このように
グループの差をきわだたせて行う手法の他、各事例に実
績としての危険度を付けて、ウェイト変数の和としての
予想値との差の2乗の合計を最小にするような計算処理
(基本的には、上記計算と同じように連立偏微分式を解
くものである。)手法もあるが、詳細は省略する。
【0069】以上のステップ123の処理により、危険
性の判定基準を定めると、危険評価判定部10は、ステ
ップ124において入力された、処理対象の事例におけ
る危険評価項目の値を用いて、処理対象の事例における
危険度を求め、該危険度が、ステップ123において求
められたHよりも高い値であれば、危険ありと評価する
(ステップ125)。
【0070】このようにして危険評価判定部10が危険
度を求めると、次に、危険低減策提案部11が、危険評
価判定部10により危険性ありと予測された危険に対し
て、どうすれば危険を回避あるいは排除できるかを提案
する。
【0071】ここで用いられりる危険排除D/B28
は、回避情報テーブルを備える。この回避情報テーブル
281は、図11に示すように、危険情報のキーワード
の記憶領域61と、該キーワードに対応した危険の回避
または排除方法の記憶領域62とをあらかじめ備えるテ
ーブルである。図11に示した例では、「指の切断」と
いう危険に対して、「インターロックを強化させる」
(行63に保持されている)と、「回転部の巻き込み防
止を行うために仕切り盤を設ける」(行64に保持され
ている)とが回避/排除方法として登録されている。そ
こで、危険低減策提案部11は、危険評価判定部10に
より危険性ありと予測された危険のキーワードが「指の
切断」であれば、これらの回避/排除方法を記憶領域6
2から読み出す。
【0072】結果表示処理部12は、危険評価判定部1
0により危険性ありと予測された危険の内容と、危険低
減策提案部11が読み出した回避/排除方法とを、表示
画面に表示し、印書指示の入力があれば、該入力に応じ
て印書出力する。これにより、本システムによれば、予
測された危険と、該危険の回避/低減のための推奨情報
とが提供されるので、本システムのユーザは、製品の設
計・製造過程にこれらの情報を反映して、危険の回避や
排除を行なったり、これらの情報をもとに、製品の正し
い使用方法や注意すべきこと、事故や危険が発生した場
合の対処の仕方についての警告などを、製品自体やマニ
ュアル等に記載することができる。
【0073】最後に、入力データ分析評価結果蓄積処理
部13は、製品市場情報D/B26に保持されている処
理対象の製品市場情報に、危険診断処理部2の予測した
危険の情報を付加し、さらに、その処理対象の製品市場
情報に対応する事例情報として、危険評価判定部10に
入力された危険評価項目の値と、危険評価判定部10の
求めた危険度および危険の有無を、危険事例D/B27
に格納する。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、製品の正しい使い方や
使用条件、環境に対する配慮、また起こりうる危険性等
を危険の事故災害が発生する前に把握できるので、製品
に潜む見えない危険を事前排除することが可能となり、
早期危険ポテンシャルの摘出を図ることができるように
なる。また、生産者が本システムを使用する場合、製品
の安全レベルの向上を図るのみならず、危険の定量的評
価によって、設計品質の設定や、安全比重の度合、更に
はその製品のコスト設定等の製品設計に、製品の危険度
をフィードバックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の製品危険分析システムの機能構成図
である。
【図2】 実施例の製品危険分析システムのハードウェ
ア構成図である。
【図3】 製品市場情報D/Bを構成するテーブルの例
を示す説明図である。
【図4】 各参照部と、該部の参照するテーブルとの相
関を示す説明図である。
【図5】 危険診断部の処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】 FT知識例を示す説明図である。
【図7】 知識ベース作成システムの機能構成図であ
る。
【図8】 危険事例D/Bのデータ構造例を示す説明図
である。
【図9】 危険事例データの具体例を示す説明図であ
る。
【図10】 危険性判定基準決定処理を示すフローチャ
ートである。
【図11】 危険低減策提案D/Bを構成する回避情報
テーブルの例を示す説明図である。
【図12】 危険性判定処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…入力データ分類処理部、2…危険診断処理部、3…
設計情報参照部、4…製品設置環境参照部、5…製品使
用状態参照部、6…製品取扱対象者参照部、7…製品危
険理由参照部、8…製品製造日参照部、10…危険評価
判定部、11…危険低減策提案部、12…結果表示処理
部、13…入力データ分析評価結果蓄積処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郷 直樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品に関するキーワードおよび該キーワー
    ドに関連付けられた危険情報を蓄積するための製品市場
    情報データベースと、 製品の市場情報の入力を受け付け、該情報の内容から上
    記キーワードを抽出し、その内容を上記製品市場データ
    ベースに格納する入力データ分類処理部と、 上記入力された製品市場情報から、キーワードを抽出
    し、該キーワードに関連付けられた危険情報を、上記製
    品市場情報データベースから読み出す危険診断処理部
    と、 上記読み出した危険情報を出力する手段とを備えること
    を特徴とする製品危険分析システム。
  2. 【請求項2】危険情報と、該危険の分析評価に用いられ
    る、一以上の危険分析評価項目の値とを含む危険事例デ
    ータを一以上保持する危険事例データベースと、 処理対象の危険情報について、該危険情報の示す危険が
    あるか否かを判定する危険評価判定部と、 上記判定の結果を出力する手段とを備え、 上記危険評価判定部は、 上記危険事例データの選択と、上記危険分析評価項目の
    選択を受け付け、該選択された危険情報データから、該
    選択された危険分析評価項目の値をもとに、危険性の判
    定基準を算出し、 処理対象の危険情報に関する上記危険分析評価項目の値
    の入力を受け付け、その値を用いて該処理対象の危険情
    報の危険度を算出し、 上記算出した判定基準と上記算出した危険度とを比較す
    ることにより、処理対象の危険情報の示す危険があるか
    否かを判定することを特徴とする製品危険分析システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項2において、 上記危険度は、 上記危険情報に関する上記選択された危険分析項目の値
    を加算した値であり、 上記判定基準は、 危険のある事例の危険度の下限、および、危険のない事
    例の上限のうちの少なくともいずれかであり、 上記危険評価判定部は、 上記選択された危険事例データのうち、危険のあるもの
    の上記危険度の分散と、危険のないものの上記危険度の
    分散との比が最大になるように、各上記危険分析項目の
    値を決定し、 上記決定された値を用いて求められた、上記危険のある
    危険事例データの危険度の平均値を、上記危険のある事
    例の危険度の下限とし、 上記決定された値を用いて求められた、上記危険のない
    危険事例データの危険度の平均値を、危険のない事例の
    危険度の上限とすることを特徴とする製品危険分析シス
    テム。
  4. 【請求項4】製品に関するキーワードおよび該キーワー
    ドに関連付けられた危険情報を蓄積するための製品市場
    情報データベースと、 危険情報と、該危険の分析評価に用いられる、一以上の
    危険分析評価項目の値とを含む危険事例データを一以上
    保持する危険事例データベースと、 製品の市場情報の入力を受け付け、該情報の内容を解析
    し、その内容を上記製品市場データベースに格納する入
    力データ分類処理部と、 上記入力された製品市場情報から、キーワードを抽出
    し、該キーワードに関連付けられた危険情報を、上記製
    品市場情報データベースから読み出す危険診断処理部
    と、 上記読み出された危険情報について、該危険情報の示す
    危険があるか否かを判定する危険評価判定部と、 上記読み出された危険情報および上記判定の結果を出力
    する手段とを備え、 上記危険評価判定部は、 上記危険事例データの選択と、上記危険分析評価項目の
    選択を受け付け、該選択された危険情報データから、該
    選択された危険分析評価項目の値をもとに、危険性の判
    定基準を算出し、 上記読み出された危険情報に関する上記危険分析評価項
    目の値の入力を受け付け、その値を用いて該読み出され
    た危険情報の危険度を算出し、 上記算出した判定基準と上記算出した危険度とを比較す
    ることにより、処理対象の危険情報の示す危険があるか
    否かを判定することを特徴とする製品危険分析システ
    ム。
  5. 【請求項5】請求項2または4において、 危険情報と、該危険情報に関連付けられた対処情報とを
    保持する危険排除データベースと、 上記危険排除データベースを検索し、上記危険評価判定
    部により、危険ありと判定された危険情報に関連付けら
    れた上記対処情報を読み出す危険低減策提案部と、 上記読み出された対処情報を出力する手段とを、さらに
    備えることを特徴とする製品危険分析システム。
  6. 【請求項6】請求項1または4において、 上記データ分類処理部は、 上記製品市場情報の内容を分解し、製品使用者情報、製
    品情報、製品設置環境、製品使用状態情報、危険発生理
    由情報、製品製造日情報の少なくともいずれかを得る手
    段を備えることを特徴とする製品危険分析システム。
  7. 【請求項7】請求項1または4において、 上記製品市場情報データベースは、 製品の使用者を上記キーワードとする製品使用対象者テ
    ーブルと、 製品の設計情報を上記キーワードとする製品設計情報テ
    ーブルと、 製品の製造情報を上記キーワードとする製品製造情報テ
    ーブルと、 製品の設置環境を上記キーワードとする製品設置環境テ
    ーブルと、 製品の市場状態を上記キーワードとする製品使用状態テ
    ーブルと、 危険の発生理由を上記キーワードとする危険理由テーブ
    ルと、 製品の製造日に係る情報を上記キーワードとする製品製
    造日テーブルとのうちの少なくとも一つを備えることを
    特徴とする製品危険分析システム。
  8. 【請求項8】入力された製品市場情報から、キーワード
    を抽出し、該キーワードに関連付けられた危険情報を、
    上記製品市場情報データベースから読み出すことを特徴
    とする製品危険分析方法。
  9. 【請求項9】危険事例データの選択と、危険分析評価項
    目の選択を受け付け、該選択された危険情報データか
    ら、該選択された危険分析評価項目の値をもとに、危険
    性の判定基準を算出し、 処理対象の危険情報に関する上記危険分析評価項目の値
    の入力を受け付け、その値を用いて該処理対象の危険情
    報の危険度を算出し、 上記算出した判定基準と上記算出した危険度とを比較す
    ることにより、処理対象の危険情報の示す危険があるか
    否かを判定し、 上記判定結果を出力することを特徴とする製品危険分析
    方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、 危険情報と、該危険情報に関連付けられた対処情報と
    を、あらかじめデータベースに保持し、 危険ありと判定された上記危険情報に関連付けられた上
    記対処情報を、上記データベースから読み出し、 上記読み出した対処情報を出力することを特徴とする製
    品危険分析方法。
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