JPH09176248A - 低フォギング性のゴム状重合体 - Google Patents

低フォギング性のゴム状重合体

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JPH09176248A
JPH09176248A JP8337137A JP33713796A JPH09176248A JP H09176248 A JPH09176248 A JP H09176248A JP 8337137 A JP8337137 A JP 8337137A JP 33713796 A JP33713796 A JP 33713796A JP H09176248 A JPH09176248 A JP H09176248A
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rubbery polymer
acrylate
acrylonitrile
polymer
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JP8337137A
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Hung Dang Ngoc
フン・ダン・ンゴク
Mariano Salazar
マリアーノ・サラザー
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Goodyear Tire and Rubber Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の内装およびドアパネル用のスキン・
コンパウンドの製造に用いられる、熱および紫外線に対
する抵抗性が大きく、且つ低フォギング性のゴム状重合
体を提供する。 【解決手段】 ブチルアクリレート;メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、メチルアクリレートおよ
びエチルアクリレートから成る群から選ばれる少くとも
一種の構成成分;アクリロニトリル;スチレン;スルホ
ン酸塩と硫酸塩誘導体から選ばれる界面活性剤;芳香族
ホルムアルデヒド縮合生成物とポリカルボキシレート類
から選ばれる分散剤を含む系を乳化重合してシード重合
体を含むラテックスを調製し、次いでスチレン、追加の
アクリロニトリルおよび追加の橋架け剤を加えて重合し
てゴム状重合体を含むエマルションを生成させ、次いで
アミノアルコールを添加して脱臭し、このエマルション
からゴム状重合体を回収する。このゴム状重合体をポリ
塩化ビニルとブレンドして自動車用用途に有用な皮革様
組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装パネ
ル用スキンの製造において特に有用な皮革様組成物を製
造するためにPVCとブレンドできるゴム状重合体に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の計装パネルおよびドアパネル
は、普通、半硬質ウレタンフォームを支えている硬い受
け板から作られた複合材であって、その半硬質ウレタン
フォームはスキン・コンパウンドで覆われている。この
ようなスキン・コンパウンドは、普通、ポリ塩化ビニル
(PVC)とニトリルゴム(NBR)とのブレンドであ
る。このニトリルゴムは、PVC用の永久改質剤として
PVCに大きい可撓性を付与するためにそのようなブレ
ンドに含められている。
【0003】自動車工業は、最近、より空気力学的な車
体設計の方向に向いており、通常、より大きいガラス部
分を持つ設計になっている。このようなデザインの変化
は、自動車内装材の熱および紫外線劣化に対する要求を
著しく増大させた。これは、また、自動車内装パネル中
のスキンとして用いられる重合体に対する要求を著しく
増大させることとなった。
【0004】自動車内装パネル用のスキンとして用いら
れる常用のPVC/NBRブレンドの熱および紫外線劣
化特性を改善するために、熱安定剤および光安定剤を使
用することができる。しかし、このようなブレンドの劣
化特性が添加剤の添加によって改善される程度は限られ
ている。事実、このような用途で、これまで熱安定剤お
よび光安定剤の使用では実現されなかった実用性能特性
に対する要求が存在する。例えば、自動車パネルで使用
されるスキンに対しては、その車両の寿命期間中高い熱
と強い紫外線の条件下で変色とひび割れに耐えることが
強く希望されるだろう。また、自動車工業では、改善さ
れたフォギング性即ち曇り性も非常に重要である。フォ
ギングは、揮発性化合物が車両の内装パネルから蒸発し
て前面ガラス若しくは側面の窓の表面で凝縮することに
より引き起こされる。
【0005】NBR/PVCブレンドは、それを自動車
パネル用のスキン組成物として有用にする一連の物理的
性質を持っている。NBRはPVCを永続的に可撓性に
する成分として作用する。NBRは、また、収縮調節剤
およびエンボス加工助剤としても作用し、粒起面保持性
(grain retention)を向上させる。こ
のようなブレンド中のNBRは、さらに、真空成形での
ゲージ調節を助け、そして低い曇り特性を示す。NBR
はPVCとの相溶性が非常に良く、また再利用できる能
力を有する。NBRを置き換える如何なる重合体にとっ
ても、これらの基本的特性を示すことが不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、特に自動車
工業では、車両の寿命期間中高い熱と強い紫外線の条件
下で変色とひび割れに耐え、しかも改善されたフォギン
グ性を有する新しい材料の出現が強く望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、皮革様組成物
を製造するためにPVCとブレンドできるゴム状重合体
に関する。これらの組成物は、自動車の内装パネル用ス
キンの製造において特に有用である。このゴム状重合体
を利用して作られるスキン組成物は、通常のNBC/P
VCブレンドを利用して作る組成物より高い水準の熱お
よび紫外線耐久性を示す。この本発明のゴム状重合体
は、また、低フォギング特性、少ない臭気、収縮調節性
およびグレイン(粒起面)保持性を示す。それらはエン
ボス加工助剤として、また永続的可撓性改良剤としても
作用する。本発明のゴム状重合体は、それらをして建物
のガスケット用途に有用なものとする特性も有してい
る。
【0008】さらに具体的に説明すると、本発明は、
(a)ブチルアクリレート、場合によってはブチルアク
リレートと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシルア
クリレートとの混合物、(b)メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、メチルアクリレートおよびエチ
ルアクリレートより成る群から選ばれる少くとも一種の
構成成分、(c)アクリロニトリル、(d)スチレン、
(e)スルホン酸塩および硫酸塩誘導体より成る群から
選ばれる界面活性剤、(f)芳香族ホルムアルデヒド縮
合生成物およびポリカルボキシレート類より成る群から
選ばれる分散剤および(g)橋架け剤からなる繰返単位
を含んで成る、良好な耐熱性と紫外線耐久性を有する皮
革様組成物を作るためにポリ塩化ビニルとブレンドでき
るゴム状重合体を開示する。
【0009】本発明は、(1)(a)ブチルアクリレー
ト、(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートおよびエチルアクリレートより
成る群から選ばれる少くとも一種の構成成分、(c)ア
クリロニトリル、(d)橋架け剤、(e)スルホン酸塩
および硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性
剤、および(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物お
よびポリカルボキシレート類より成る群から選ばれる分
散剤を、乳化重合条件で重合してシード重合体を含むラ
テックスを調製する工程;(2)(a)スチレン、
(b)追加のアクリロニトリルおよび(c)追加の橋架
け剤を該シード重合体含有ラテックスに、ゴム状重合体
を含むエマルションを生成させる乳化重合条件下で添加
する工程;および(3)該ゴム状重合体含有エマルショ
ンから該ゴム状重合体を回収する工程を含んでなる、良
好な耐熱性と紫外線耐久性を有する皮革様組成物を作る
ためにポリ塩化ビニルとブレンドできるゴム状重合体を
製造する方法を明らかにする。
【0010】本発明は、さらに、(1)(a)ブチルア
クリレート、(b)メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、メチルアクリレートおよびエチルアクリレ
ートより成る群から選ばれる少くとも一種の構成成分、
(c)アクリロニトリル、(d)橋架け剤、(e)スル
ホン酸塩および硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界
面活性剤および(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成
物およびポリカルボキシレート類より成る群から選ばれ
る分散剤を乳化重合条件で重合してシード重合体を含む
ラテックスを調製する工程;(2)(a)スチレン、
(b)追加のアクリロニトリルおよび(c)追加の橋架
け剤をそのシード重合体含有ラテックスに、ゴム状重合
体を含むエマルションを生成させる乳化重合条件下で添
加する工程;(3)そのゴム状重合体含有エマルション
にアミノアルコールを添加する工程;および(4)その
ゴム状重合体含有エマルションからそのゴム状重合体を
回収する工程を含んでなる、良好な耐熱性と紫外線耐久
性を有する皮革様組成物を作るためにポリ塩化ビニルと
ブレンドできるゴム状重合体を製造する方法を開示する
ものである。
【0011】本発明は、また、(1)ポリ塩化ビニル、
(2)可塑剤、および(3)(a)ブチルアクリレー
ト、場合によってはブチルアクリレートと約40%以下
含まれる2‐エチルヘキシルアクリレートとの混合物、
(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
メチルアクリレートおよびエチルアクリレートより成る
群から選ばれる少くとも一種の構成成分、(c)アクリ
ロニトリル、(d)スチレン、(e)スルホン酸塩およ
び硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤、
(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリカ
ルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤および
(g)橋架け剤を含んで成る繰返単位からなるゴム状重
合体を含んでなる、自動車用途に有用な皮革様組成物を
開示する。
【0012】本発明は、さらに、(1)ポリ塩化ビニ
ル、(2)可塑剤、および(3)(a)ブチルアクリレ
ート、場合によってはブチルアクリレートと約40%以
下含まれる2‐エチルヘキシルアクリレートとの混合
物、(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートおよびエチルアクリレートより
成る群から選ばれる少くとも一種の構成成分、(c)ア
クリロニトリル、(d)スチレン、(e)スルホン酸塩
および硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性
剤、(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポ
リカルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤お
よび(g)橋架け剤を含んで成る繰返し単位からなるゴ
ム状重合体を含んでなる皮革様スキンで被覆されてい
る、硬い受け板で支えられている半硬質ウレタンフォー
ムを含んでなる、自動車用途用パネルを明らかにする。
【0013】発明の詳しい説明 本発明のゴム状重合体はラジカル乳化重合法を用いて合
成される。これらゴム状重合体は、(a)ブチルアクリ
レート、場合によってはブチルアクリレートと約40%
以下含まれる2‐エチルヘキシルアクリレートとの混合
物、(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートまたはエチルアクリレート、
(c)アクリロニトリル、(d)スチレン、(e)スル
ホン酸塩および硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界
面活性剤、(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物お
よびポリカルボキシレート類より成る群から選ばれる分
散剤および(g)橋架け剤から誘導される繰返単位(連
鎖結合)を含んでなる。この橋架け剤は、普通、多官能
性アクリレート、多官能性メタクリレート若しくはジビ
ニルベンゼンである。使用できる橋架け剤の若干の特定
例にエチレングリコールメタクリレート、ジビニルベン
ゼンおよび1,4‐ブタンジオールジメタクリレートが
ある。
【0014】技術的に言えば、本発明のゴム状重合体
は、(a)ブチルアクリレート、場合によってはブチル
アクリレートと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシ
ルアクリレートとの混合物、(b)メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、メチルアクリレートまたは
エチルアクリレート、(c)アクリロニトリル、(d)
スチレン、(e)スルホン酸塩および硫酸塩誘導体より
成る群から選ばれる界面活性剤、(f)芳香族ホルムア
ルデヒド縮合生成物およびポリカルボキシレート類より
成る群から選ばれる分散剤および(g)橋架け剤から誘
導される繰返単位(連鎖結合)を含んでなる。これらの
繰返単位は、それらは個々の単量体中に存在するより一
つ少ない炭素‐炭素二重結合を含んでいるという点で、
それらが由来する単量体とは異なっている。言い換える
と、炭素‐炭素二重結合は、その単量体が重合してゴム
状重合体中の繰返単位になる間に消費される。かくし
て、そのゴム状重合体が各種の単量体を含んでいると言
うのは、実際には、これら単量体に由来する繰返単位を
含んでいることを意味する。
【0015】本発明のゴム状重合体は、普通、(a)約
40重量パーセントから約80重量パーセントのブチル
アクリレート、場合によってはブチルアクリレートと約
40%以下含まれる2‐エチルヘキシルアクリレートと
の混合物、(b)約5重量パーセントから約35重量パ
ーセントのメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートまたはエチルアクリレート、
(c)約4重量パーセントから約30重量パーセントの
アクリロニトリル、(d)約3重量パーセントから約2
5重量パーセントのスチレン、(e)約0.1重量パー
セントから約6重量パーセントの、スルホン酸塩および
硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤、
(f)約0.1重量パーセントから約6重量パーセント
の、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリカル
ボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤および
(g)約0.25重量パーセントから約8重量パーセン
トの橋架け剤を含んでいる。
【0016】このようなゴム状重合体は、好ましくは、
(a)約50重量パーセントから約80重量パーセント
のブチルアクリレート、場合によってはブチルアクリレ
ートと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシルアクリ
レートとの混合物、(b)約3重量パーセントから約2
5重量パーセントの、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、メチルアクリレートおよびエチルアクリ
レートより成る群から選ばれる少なくとも一種の構成成
分、(c)約6重量パーセントから約30重量パーセン
トのアクリロニトリル、(d)約5重量パーセントから
約18重量パーセントのスチレン、(e)約0.3重量
パーセントから約5重量パーセントの、スルホン酸塩お
よび硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤、
(f)約0.3重量パーセントから約5重量パーセント
の、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリカル
ボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤および
(g)約0.5重量パーセントから約4重量パーセント
の橋架け剤を含んでいる。
【0017】本発明のゴム状重合体は、更に好ましく
は、(a)約55重量パーセントから約75重量パーセ
ントのブチルアクリレート、場合によってはブチルアク
リレートと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシルア
クリレートとの混合物、(b)約5重量パーセントから
約20重量パーセントの、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、メチルアクリレートおよびエチルア
クリレートより成る群から選ばれる少くとも一種の構成
成分、(c)約10重量パーセントから約25重量パー
セントのアクリロニトリル、(d)約8重量パーセント
から約14重量パーセントのスチレン、(e)約0.5
重量パーセントから約4重量パーセントの、スルホン酸
塩および硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性
剤、(f)約0.5重量パーセントから約4重量パーセ
ントの、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリ
カルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤およ
び(g)約1重量パーセントから約3重量パーセントの
橋架け剤から誘導される繰返単位を含んでいる。この文
節で述べられているパーセントはゴム状重合体の総重量
を基にした値である。
【0018】本発明のゴム状重合体は、ラジカル重合法
を用いることにより、水系反応混合物中で合成される。
この重合法で用いられる反応混合物は水、適切な単量
体、適したラジカル開始剤、橋架け剤、スルホン酸塩お
よび硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤、
並びに芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリカ
ルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤を含ん
でなる。この重合法で用いられる反応混合物は、普通、
その反応混合物の総量を基に約10重量パーセントから
約80重量パーセントの単量体を含んでいる。この反応
混合物は、好ましくは約20重量パーセントから約70
重量パーセントの単量体、更に好ましくは約40重量パ
ーセントから約50重量パーセントの単量体を含んでい
る。
【0019】この重合を行うに際して用いられる反応混
合物は、通常、約0.1phm(単量体100重量部当
たりの部数)から約5phmの、アルキル硫酸の金属塩
とアルキルスルホン酸の金属塩より成る群から選ばれる
少くとも一種の構成成分、および約0.1phmから約
5phmの、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物および
ポリカルボキシレート類より成る群から選ばれる少くと
も一種の分散剤を含んでいる。一般に、この反応混合物
は約0.25phmから約4.25phmのアルキルス
ルホン酸の金属塩若しくはアルキル硫酸の金属塩、およ
び約0.25phmから約4.25phmの、芳香族ホ
ルムアルデヒド縮合生成物およびポリカルボキシレート
類より成る群から選ばれる分散剤を含んでいるのが好ま
しい。通常、この反応混合物は約0.4phmから約
3.5phmのアルキルスルホン酸の金属塩若しくはア
ルキル硫酸の金属塩、および約0.4phmから約3.
5phmの、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物および
ポリカルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤
を含んでいるのが更に好ましい。
【0020】この合成に用いられるラジカル重合法は、
普通、この反応混合物にラジカル開始剤を含ませること
により開始される。事実上、ラジカルを発生することが
できる任意のタイプの化合物がこのラジカル開始剤とし
て使用できる。このラジカル発生剤は、通常、約0.0
1phmから約1phmの範囲の濃度で使用される。普
通用いられるラジカル開始剤に、ペルオキソ硫酸カリウ
ム、ペルオキソ硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、
過酸化水素、ジ‐t‐ブチルペルオキシド、ジクミルペ
ルオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、デカノイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、
クメンヒドロペルオキシド、p‐メンタンヒドロペルオ
キシド、t‐ブチルヒドロペルオキシド、アセチルペル
オキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、コハク酸
ペルオキシド、ジセチルペルオキシジカーボネート、t
‐ブチルペルオキシアセテート、t‐ブチルペルオキシ
マレイン酸、t‐ブチルペルオキシベンゾエート、アセ
チルシクロヘキシルスルホニルペルオキシドおよびこれ
らに類するペルオキシドのような各種過酸素化合物;2
‐t‐ブチルアゾ‐2‐シアノプロパン、ジメチルアゾ
ジイソブチレート、アゾジイソブチロニトリル、2‐t
‐ブチルアゾ‐1‐シアノシクロヘキサン、1‐t‐ア
ミルアゾ‐1‐シアノシクロヘキサンおよびこれらに類
する化合物のような各種アゾ化合物;並びに2,2‐ビ
ス‐(t‐ブチル‐ペルオキシ)ブタンおよびこれらに
類する化合物のような各種アルキルペルケタールがあ
る。水溶性の過酸素ラジカル開始剤がこのような水系重
合で特に有用である。
【0021】本発明の乳化重合は、普通、約60o
(20℃)乃至190oF(88℃)の範囲の温度で行
われる。約88℃以上の温度では、ブチルアクリレート
のようなアクリル単量体は沸騰する傾向がある。かくし
て、約88℃を超える温度にこのようなアルキルアクリ
レート単量体を加熱するためには、加圧ジャケットが必
要になるであろう。他方、約55℃以下の重合温度で
は、満足できる重合速度を確保するには、レドックス開
始剤系が必要になる。
【0022】本発明で有用なスルホン酸塩および硫酸塩
誘導体系界面活性剤は多様な購入先から商業的に入手で
きる。例えば、デュポン社(Du Pont)は、アル
カノール(AlkanolTM)という商標名でアルキル
アリールスルホン酸ソーダを販売しており、ブラウニン
グ ケミカル社(Browning Chemical
Corporation)は、ユファリール(Ufa
rylTM)Dl‐85という商標名でドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダを販売しており、リューテガーズ ネ
アーゼ ケミカル社(Ruetgers−Nease
Chemical Company)は、ナキソネート
ヒドロトロープ(NaxonateHydrotro
peTM)という商標名でクメンスルホン酸ソーダを販売
している。使用できるスルホン酸塩系界面活性剤の若干
の代表的な例としては次のようなものがある:トルエン
−キシレンスルホン酸ソーダ、トルエンスルホン酸ソー
ダ、クメンスルホン酸ソーダ、デシルジフェニルエーテ
ルスルホン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ソーダ、1
‐オクタンスルホン酸ソーダ、テトラデカンスルホン酸
ソーダ、ペンタデカンスルホン酸ソーダ、ヘプタデカン
スルホン酸ソーダおよびトルエンスルホン酸カリウム。
【0023】特に推奨されるクラスのスルホン酸塩系界
面活性剤はアルキルベンゼンスルホン酸の金属塩類であ
る。一般に、金属は、ナトリウムまたはカリウムである
が、ナトリウムの方が望ましい。アルキルベンゼンスル
ホン酸のナトリウム塩は、次の構造式:
【化1】
【0024】(式中、Rは1から約20個の炭素原子を
含むアルキル基を表す。)を有する。アルキル基は約8
から約14個の炭素原子を含んでいることが好ましい。
【0025】このスルホン酸塩界面活性剤は(モノ)ジ
アルキレートエーテルジスルホン酸塩の混合物であって
もよい。ジスルホン酸塩構造の利点は、分子当たり一つ
のイオン電荷を含む通常のアルキルスルホン酸塩系界面
活性剤の場合の代りに、二つのイオン電荷を含んでいる
ことである。本発明の実施で有用な(モノ)ジアルキレ
ートエーテルジスルホン酸塩の混合物は多様な購入先か
ら商業的に入手できる。例えば、ダウ・ケミカル社(D
ow Chemical)は、次の構造式:
【化2】
【0026】(式中、Rはアルキル基で、普通は‐C6
13、‐C1021、‐C1225または‐C613であ
る。)のアルキル化ジスルホン化ジフェニルオキシドを
ダウファックス(DowfaxTM)なる商標名で販売し
ている。モノおよびジドデシルジフェニルオキシド・ジ
スルホン酸ソーダはアメリカン・サイアナミド社(Am
erican Cyanamid)からDPOS‐45
サーファクタントとして販売されている。本発明で使用
するのに適したα‐オレフィンスルホン酸塩系界面活性
剤はウィトコ アンド ヘキスト社(Witco an
d Hoechst AG)から商業的に入手できる。
【0027】本発明の実施で有用な硫酸塩系界面活性剤
に含まれるのは、構造式:ROSO3Xのアルキル硫酸
の金属塩および構造式:RO(CH2CH2O)nSO3
(式中、Xはナトリウムまたはカリウムなどの周期率表
Ia族の金属を表す)のアルキルエーテル硫酸の金属塩
である。商業的に入手できる硫酸塩系界面活性剤の代表
的な例はラウリル硫酸ソーダ、エタノールアミン・ラウ
リル硫酸ソーダおよびトリエタノールアミン・ラウリル
硫酸ソーダである。
【0028】本発明の重合に用いられる分散剤は、普
通、芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物かまたはポリカ
ルボキシレートである。この芳香族ホルムアルデヒド縮
合生成物は、普通、芳香族化合物とホルムアルデヒドと
の反応生成物であるポリスルホン酸塩である。このよう
な芳香族ホルムアルデヒド生成物石鹸は比較的簡単な方
法で製造できる。例えば、このような方法では、200
部のナフタレンを98%硫酸と約165℃の温度で5時
間反応させる。続いて、得られた溶液を冷却し、90部
の水で稀釈する。次いで、107部の30%ホルムアル
デヒド溶液を加え、その混合物を約80℃の温度で20
時間撹拌する。この反応期間の終りに向けて、この混合
物を100℃まで徐々に加熱する。次いで、165から
180部の25%アンモニア溶液を用いて、20℃乃至
25℃で中和する。次いで、中和生成物を濾取し、そし
て必要なら真空乾燥機で乾燥する。
【0029】この合成には多くの変法が可能であり、そ
して広範囲の芳香族化合物およびそれらの誘導体がアル
デヒド、ケトン、およびアルデヒド基を含まない化合物
と反応することができる。例えば、(a)芳香族スルホ
ン酸とベンジルクロリド若しくはベンゾインの縮合によ
り製造される分散剤;(b)各種のアルキルアリールス
ルホン酸とハロゲン化アリールスルホン酸との縮合によ
り製造される分散剤;および(c)スルホン化フェノー
ル類若しくは2‐ナフトール類とホルムアルデヒドおよ
び各種窒素化合物との縮合により製造される分散剤があ
る。
【0030】芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物の数種
の代表例を下記に示す:
【化3】
【0031】カルボキシレートも水溶性高分子分散剤で
ある。例えば、メタクリル酸は重合してカルボキシレー
ト系分散剤として使用できる水溶性単独重合体を作るこ
とができる。マレイン酸との共重合体であるアクリル酸
‐マレイン酸共重合体、マレイン酸‐メチルビニルエー
テル共重合体およびジイソブチレン‐マレイン酸(DI
BMA)共重合体も、本発明の実施において非常に有用
である。カルボキシレート系分散剤は多様な供給源から
商業的に入手できる。
【0032】本発明のゴム状重合体を合成するに際して
用いられるラジカル乳化重合は、普通、約10℃から約
95℃の範囲の温度で行われる。大抵の場合、用いられ
る重合温度は約20℃から約80℃の間で変えられる。
この重合は二工程バッチ法で行われる。第1工程では、
シード重合体を含むラテックスが合成される。これは、
(a)ブチルアクリレート、場合によってはブチルアク
リレートと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシルア
クリレートとの混合物、(b)メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、メチルアクリレートおよびエチ
ルアクリレートより成る群から選ばれる少くとも一種の
構成成分、(c)アクリロニトリルおよび(d)橋架け
剤を重合することにより行われる。
【0033】このシード重合体含有ラテックスは、普
通、約40から約90重量パーセントのブチルアクリレ
ート、場合によってはブチルアクリレートと約40%以
下含まれる2‐エチルヘキシルアクリレートとの混合
物、約5から約35重量パーセントのメチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート若し
くはエチルアクリレート、約2から約30重量パーセン
トのアクリロニトリルおよび約0.25から約6重量パ
ーセントの橋架け剤を含む単量体混合物の重合によって
合成される。普通、この第1工程で用いられる単量体成
分は約50重量パーセントから約85重量パーセントの
ブチルアクリレート、場合によってはブチルアクリレー
トと約40%以下含まれる2‐エチルヘキシルアクリレ
ートとの混合物、約5重量パーセントから約30重量パ
ーセントのエチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、メチルアクリレート若しくはメチルメタクリレー
ト、約4重量パーセントから約28重量パーセントのア
クリロニトリルおよび約0.5重量パーセントから約4
重量パーセントの橋架け剤を含むのが好ましい。一般
に、このシード重合体ラテックスを合成する際に用いら
れる単量体装填組成物は、約60重量パーセントから約
80重量パーセントのブチルアクリレート、場合によっ
てはブチルアクリレートと約40%以下含まれる2‐エ
チルヘキシルアクリレートとの混合物、約5重量パーセ
ントから約25重量パーセントのメチルメタクリレー
ト、エエチルメタクリレート、メチルアクリレート若し
くはエチルアクリレート、約5重量パーセントから約2
5重量パーセントのアクリロニトリルおよび約1から約
3重量パーセントの橋架け剤を含むことが更に好まし
い。
【0034】このシード重合体ラテックスが調製された
後、スチレン単量体、追加のアクリロニトリル単量体お
よび追加の橋架け剤がこのシード重合体含有ラテックス
に加えられる。一般的には、約4重量部から約30重量
部のスチレン、約1重量部から約20重量部の追加のア
クリロニトリルおよび約0.01重量部から約2重量部
の橋架け剤が加えられる。この重合の第2段階では、約
6重量部から約22重量部のスチレン、約3重量部から
約12重量部の追加のアクリロニトリルおよび約0.0
5重量部から約1重量部の橋架け剤を加えるのが好まし
い。通常、この重合の第2相を開始するためには、この
シード重合体ラテックスに約10重量部から約17重量
部のスチレン、約4重量部から約8重量部のアクリロニ
トリルおよび約0.1重量部から約0.5重量部の橋架
け剤を加えるのが更に好ましい。
【0035】非常に多様な橋架け剤が本発明の重合を行
う際に利用できる。利用できる橋架け剤の若干の代表的
な例を挙げると、二官能性アクリレート類、二官能性メ
タクリレート類、三官能性アクリレート類、三官能性メ
タクリレート類およびジビニルベンゼンがある。1,4
−ブタンジオールジメタクリレートは橋架け剤として特
に有用であることが証明されている。
【0036】殆どの場合、重合はモノマー転化率が高く
なるまで続けられる。重合が完了した後で、そのラテッ
クスを脱臭するために、普通、そのエマルションにアミ
ノアルコールを添加するのが望ましい。このアミノアル
コールは、一般に、HO‐A‐NH2 の構造式のもので
あって、式中Aは2から約20個の炭素原子を含むアル
キル基である。通常、このアミノアルコールは2から約
10個の炭素原子を含むのが好ましく、そして最も推奨
されるものは2から約5個の炭素原子を含むアミノアル
コールである。2‐アミノエタノール、および2‐ヒド
ロキシエチルアミンとしても知られているエタノールア
ミン(HO‐CH2‐CH2‐NH2)が特に推奨される
代表例である。推奨されるアミノアルコールの若干の追
加例に含まれるものは、3‐アミノプロパノール、4‐
アミノブタノール、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロ
パノール、2‐アミノ‐2‐エチル‐1,3‐プロパン
ジオール、N‐メチル‐2,2‐イミノエタノールおよ
び5‐アミノペンタノールである。
【0037】この脱臭工程は、そのアミノアルコールが
エマルション中に存在する残存n‐ブチルアクリレート
およびアクリロニトリルと反応し得る条件で行われる。
この反応は広い温度範囲で進行する。この脱臭工程は約
5℃から約95℃の範囲の任意の温度で行うことができ
る。しかし、実用上の理由で、この脱臭工程は、通常、
約20℃から約70℃の範囲の温度で行われる。この反
応はより高い温度でより速くなるから、必要な反応時間
の長さは温度が上がると共に短くなる。例えば、約20
℃の温度では、脱臭工程での滞留時間は1から3日間必
要である。他方、約65℃の温度では、普通、約2時間
の反応時間が必要なだけである。
【0038】このアミノアルコールが残存n‐ブチルア
クリレート単量体および残存アクリロニトリル単量体と
反応するのに要する時間の長さは、用いられるアミノア
ルコールの水準にも依存する。一般には、そのエマルシ
ョンの総量を基に約0.05重量パーセントから約2重
量パーセントのアミノアルコールが添加される。より普
通には、約0.1重量パーセントから約1.5重量パー
セントのアミノアルコールが添加される。標準的には、
約0.3重量パーセントから約1重量パーセントのアミ
ノアルコールを使用するのが好ましい。
【0039】二工程バッチ式重合法で作られたゴム状重
合体は、場合によって行われる脱臭工程後に、エマルシ
ヨン(ラテックス)から回収される。これは標準的な凝
固法を用いて行われる。例えば、塩類、酸若しくは両者
をラテックスにに添加して凝固させることができる。
【0040】ゴム状重合体は凝固により回収された後、
臭いをさらに減らすために洗滌することができる。これ
は、このゴム状重合体に単に水を注ぐか、若しくは噴霧
することにより行われる。ゴム状重合体は、それを水浴
に入れることによっても洗滌でき、これにより臭いがさ
らに減る。洗滌された後、このゴム状重合体は、普通、
乾燥される。
【0041】乾燥ゴム状重合体は、その利用を容易にす
るために、粉末にすると好都合なことがある。この場
合、ゴム状重合体に分離助剤(partitionin
g agent) を添加すると便利である。使用できる
分散助剤の幾つかの代表的な例に、炭酸カルシウム、ポ
リ塩化ビニルエマルションおよびシリカがある。炭酸カ
ルシウムがこのような用途に使用できる非常に望ましい
分離助剤である。
【0042】本発明のゴム状重合体は皮革様組成物を作
るためにポリ塩化ビニルと混合することができる。これ
ら皮革様組成物は、自動車用に用いられるパネル用のス
キン・コンパウンドを作るのに利用する時、卓越した一
連の性質を示す。これらの皮革様組成物は、標準混合法
を用いてゴム状重合体をポリ塩化ビニル(PVC)に混
合することにより作ることができる。ゴム状重合体は、
かかる皮革様組成物を作るためにPVCに混合される
時、粉末状であることが極めて好ましい。
【0043】ポリ塩化ビニル樹脂と相溶性である広い範
囲の多様な可塑剤が使用できる。この用途に非常に適し
た可塑剤の代表例に含まれるものに次のものがある:ヒ
ドロアビエチルアルコール、アビエチン酸メチルおよび
水素化アビエチン酸のようなアビエチン酸誘導体;クミ
ルフェニルアセテートのような酢酸誘導体;ベンジルオ
クチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチル
アジペート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)アジペート、
ジイソノニルアジペート、ジイソオクチルアジペート、
ジノニルアジペート、C7-9 の直鎖アルキルアジペー
ト、ジカプリルアジペート、オクチルデシルアジペート
(n‐オクチル、n‐デシルアジペート)、直鎖アルコ
ールアジペート、ジデシルアジペート(ジイソデシルア
ジペート)、ジブトキシエチルアジペート、高分子量ア
ジペート、ポリプロピレンアジペート、変性ポリプロピ
レンアジペートのようなアジピン酸誘導体;ジシクロヘ
キシルアゼラート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)アゼラ
ート、ジ‐n‐ヘキシルアゼラート、低温可塑剤、ジイ
ソオクチルアゼラートのようなアゼライン酸誘導体;ジ
エチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリ
コールジベンゾエート、ジエチレングリコールベンゾエ
ートとジプロピレングリコールベンゾエートとのブレン
ド、プロプリエータリー ロウ ステイン(propr
ietarylow stain )、ネオペンチルグ
リコールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエー
ト、トリメチロールエタントリベンゾエート、ペンタエ
リトリトールトリベンゾエート、クミルフェニルベンゾ
エートのような安息香酸誘導体;水素化ターフェニルの
ようなポリフェニル誘導体;トリエチルシトレート、ト
リ‐n‐ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレ
ート、アセチルトリ‐n‐ブチルシトレート、アセター
ルトリブチルシトレートのようなクエン酸誘導体;ブチ
ルエポシキステアレート、エポキシ‐タイプ可塑剤、エ
ポキシ‐タイプ可塑剤タレ‐ト、アルキルエポシキステ
アレート、エポシキ化ブチルエステル、エポシキ化オク
チルタレート、エポシキ化大豆油、エポシキ化トリグリ
セリド、エポシキ化ヒマワリ油、エポシキ‐タイプ可塑
剤、エポシキ化綿実油、エポシキ化タル油酸エステル、
2‐エチルヘキシル‐エポシキタレート、オクチルエポ
シキステアレートのようなエポキシ誘導体;プロプリエ
ータリーエステルおよび混合エステルのようなプロプリ
エータリーエステル類;クミルフェニルベンジルエーテ
ルのようなエーテル誘導体;ブチルカルビトールホルマ
ールのようなホルマール誘導体;ジブチルフマレート、
ジイソオクチルフマレート、ジオクチルフマレートのよ
うなフマル酸誘導体;混合ジアルキルグルタレート類お
よびジクミルフェニルグルタレートのようなグルタル酸
誘導体;ジエチレングリコールジペラルゴネ‐ト、トリ
エチレングリコールジペラルゴネ‐ト、トリエチレング
リコール‐ジ‐(2‐エチルブチレート)、トリエチレ
ングリコール‐ジ‐カプリレート‐カプレート、トリエ
チレングリコール‐ジ(2‐エチルヘキソエート)、ト
リエチレングリコール‐ジ‐カプリレート、テトラエチ
レングリコール‐ジカプリレート、ポリエチレングリコ
ール‐ジ‐(2‐エチルヘキソエート)、ブチルフタリ
ルブチルグリコレート、植物油脂肪酸のトリグリコール
エステル、脂肪酸のトリグリコールエステルのようなグ
リコール誘導体;混合二塩基酸のような直鎖二塩基酸誘
導体;芳香族炭化水素のような石油誘導体;2,2,
4,‐トリメチル‐1、3‐ペンタンジオール‐ジイソ
ブチレートのようなイソ酪酸誘導体;ジ(2‐エチルヘ
キシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレー
ト、ジオクチルイソフタレートのようなイソフタル酸誘
導体;ブチルラウレート、1,2‐プロピレングリコー
ルモノラウレート、エチレングリコール‐モノエチルエ
ーテルラウレート、エチレングリコール‐モノブチルエ
ーテルラウレート、グリセロールモノラウレート、ポリ
エチレングリコール‐400‐ジラウレートのようなラ
ウリン酸誘導体;n‐オクチル‐n‐デシルトリメリテ
ート、トリ‐n‐オクチル‐n‐デシルトリメリテー
ト、トリイソノニルトリメリテート、トリイソオクチル
トリメリテート、トリカプリルトリメリテート、ジイソ
オクチル‐モノイソデシルトリメリテート、トリイソデ
シルトリメリテート、トリ(C7-9 アルキル)トリメリ
テート、トリ‐2‐エチルヘキシルトリメリテートのよ
うなメリット酸エステル;脂肪酸ニトリルのようなニト
リル誘導体;ブチルオレエート、1,2‐プロピレング
リコール‐モノオレエート、エチレングリコール‐モノ
ブチルエーテル‐オレエート、テトラヒドロフルフリル
オレエート、グリセリルモノオレエートのようなオレイ
ン酸誘導体;塩素化パラフィンのようなパラフィ誘導
体;ジエチレングリコールジペラルゴネ‐ト、トリエチ
レングリコールジペラルゴネ‐ト、2‐ブトキシエチル
ジペラルゴネ‐トのようなペラルゴン酸誘導体、アセチ
ル‐パラクミルフェノールのようなフェノキシ系可塑
剤;トリ‐(2‐エチルヘキシル)‐ホスフェート、ト
リブトキシエチル‐ホスフェート、トリフェニル‐ホス
フェート、クレジルジフェニル‐ホスフェート、トリク
レジル‐ホスフェート、トリ‐イソプロピルフェニル‐
ホスフェート、アルキルアリールホスフェート類、ジフ
ェニル‐キシレニル‐ホスフェート、フェニル‐イソプ
ロピルフェニル‐ホスフェートのようなリン酸誘導体;
アルキルベンゼン‐フタレート類、ジメチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ブチ
ルイソデシルフタレート、ブチルイソ‐ヘキシルフタレ
ート、ジイソノニルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジ‐(2‐エチルヘキシル)フタレート、n‐オク
チル‐n‐デシルフタレート、ヘキシルオクチルデシル
フタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレ
ート、ジウンデシルフタレート、ブチル‐エチルヘキシ
ルフタレート、ブチルベンジルフタレート、オクチルベ
ンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジフ
ェニルフタレート、アルキルアリールフタレート類およ
び2‐エチルヘキシルイソデシルフタレートのようなフ
タル酸誘導体;メチルアセチルリシノレート、n‐ブチ
ルアセチルリシノレート、グリセリルトリアセチルリシ
ノレートのようなリシノレイン酸誘導体;ジメチルセバ
ケート、ジブチルセバケートおよびジブトキシエチルセ
バケートのようなセバシン酸誘導体;グリセリル‐トリ
‐アセトキシステアレート、ブチルアセトキシステアレ
ート、メチルペンタクロロステアレートおよびメトキシ
エチルアセトキシステアレートのようなステアリン酸誘
導体;スクロースベンゾエートのようなスクロース誘導
体;フェノールのアルキルスルホン酸エステル類のよう
なスルホン酸誘導体;タル油のメチルエステル、タル油
のイソオクチルのようなタル油の誘導体;およびジオク
チルテレフタレートのようなテレフタール酸誘導体。し
かし、低フォギングIPスキンを得るには、選ばれた可
塑剤は、それらの使用で曇りが生成しないことを保証す
るために、使用する前にフォギング試験にかけるのがよ
い。
【0044】このような皮革様組成物は、通常、ポリ塩
化ビニル100重量部当り約40から約160重量部の
ゴム状重合体、約10から約50部の可塑剤および約
0.1から約5重量部の分解防止剤を含んでいる。かか
る皮革様組成物は、普通、望ましくは(PVC100部
当り)約60から約120重量部のゴム状重合体、約1
5から約40部の可塑剤および約0.5から約3部の分
解防止剤を含んでいるのが好ましい。通常、この皮革様
組成物はPVC100重量部当り約70から約90重量
部のゴム状重合体、約20から約30重量部の可塑剤お
よび約1から2重量部の分解防止剤を含んでいるのが更
に好ましい。
【0045】かかる組成物は、一般に、アクリロニトリ
ル‐ブタジエン‐スチレン‐樹脂(ABS樹脂)も含ん
でいる。この皮革様組成物は、通常、PVC100重量
部当り約15から約80部のABS樹脂を含んでいる。
この皮革様組成物は、好ましくはPVC100重量部当
り約25から約55部のABS樹脂を含んでいる。一般
に、この皮革様組成物はPVC100重量部当り約30
から約40部のABS樹脂を含んでいることが更に好ま
しい。通常、望みの色を出すために、各種染料および/
または顔料もこの組成物に添加される。
【0046】本発明の皮革様組成物は広範囲の様々な用
途に有用である。例えば、これらは、自動車パネル用の
スキンを製造するに際して用いると、極めて価値がある
ことが見いだされた。かかるパネルは本発明の皮革様組
成物で被覆された半硬質ウレタンフォ‐ムを含んで成
り、通常、硬いバッキング材で支えられている。かかる
スキンは本発明の皮革様組成物をカレンダー加工し、次
いで希望の大きさと形に裁断して作られる。本発明の皮
革様組成物で作られた自動車用に用いられるかかるスキ
ンは際立った耐熱性、紫外線安定性および低いフォギン
グ特性を示す。これらは、車両の標準の寿命期間中、自
動車パネルのスキンに亀裂が入るのを防ぐのに役立ち得
る非常に望ましい特性である。
【0047】本発明のゴム状重合体は、良好な熱および
紫外線耐久性を示す組成物を製造するために、(PVC
の他に)他のハロゲン含有重合体、スチレン系重合体
[アクリロニトリル‐スチレン‐アクリル酸エステル
(ASA)重合体のようなスチレンを含む重合体]、ポ
リオレフィン類およびポリアミド類と混合することもで
きる。このような重合体組成物は、異形成形品、モール
ディング成形品、シート品、床材、壁被覆材、ホース、
ケーブルおよび履物のような、広範囲の様々の有用な物
品の製造に用いることができる。実際上いかなるタイプ
のポリアミド(ナイロン)もこのようなブレンドの調製
に用いることができる。これらナイロンは、一般に、ジ
アミンとジカルボン酸の反応で合成される。これらナイ
ロンの合成に用いられるジアミンとジカルボン酸は、一
般に、約2から12個の炭素原子を含んでいる。しか
し、かかるブレンドに使用できるナイロンは付加重合に
よっても合成できる。使用できるナイロンの代表的な例
に、ナイロン‐6,6、ナイロン‐6、ナイロン‐7、
ナイロン‐8、ナイロン‐9、ナイロン‐10、ナイロ
ン‐11、ナイロン‐12およびナイロン‐6,12が
ある。これらナイロンは、通常、約8,000から4
0,000の範囲内の数平均分子量を、そしてより一般
的には約10,000から25,000の数平均分子量
を持っている。利用できるポリオレフィンの代表的な数
例を挙げると、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびEVA
として知られているエチレン‐酢酸ビニル共重合体のよ
うな変性ポリオレフィン類がある。
【0048】
【実施例】本発明を次の実施例によって例証するが、こ
れら実施例は単に例示のためのものであって、本発明の
範囲または本発明を実施できる方法を限定するものと見
なしてはならない。特に示さない限り、部およびパーセ
ントは全て重量で与えられる。
【0049】実施例1 この実験では、本発明の方法を用いてゴム状重合体を合
成した。重合は容量100リットルの反応器中で行なわ
れた。この反応器は110rpm(毎分当りの回転数)
で作動する軸流タービン攪拌機を備えていた。
【0050】この反応器に、水74.6kg(キログラ
ム)、(C16脂肪アルコールから合成された)マレイン
酸のハーフエステル石鹸0.92kg、50%の水酸化
カリウム水溶液0.31kg、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.062kg、n‐ブチルアクリレート1
8.0kg、アクリロニトリル2.6kg、メチルアク
リレート5.1kg、1,4‐ブタンジオール・ジメタ
クリレート0.38kg、t‐ドデシルメルカプタン
0.078kgおよびペルオキソ硫酸カリウム0.05
8kgを仕込んだ。重合中、温度は約60℃に保持され
た。全固体含有量が約25%になった時点で、追加のペ
ルオキソ硫酸カリウム0.025kgを加えた。重合の
この第一段階は約2.5時間続けられた。この第一段階
の重合で、重合の第二工程で用いられるシード重合体ラ
テックスが製造された。
【0051】重合の第二工程では、シード重合体ラテッ
クスが入っている反応器中にアクリロニトリル1.47
kg、スチレン3.4kg、ジビニルベンゼン0.05
0kgおよびt‐ドデシルメルカプタン0.009kg
が加えられた。重合は、固体含有量が約30%になるま
で続けられた。得られたラテックスは白色で、pH約
6.5、ブルックフィールド粘度約6センチポイズ(C
PS)、表面張力約49ダイン/センチメートル、粒径
約80ナノメーターであった。しかし、このラテックス
は、約1480ppm(100万部当たりの部数)の濃
度の残存アクリロニトリル、約325ppmの濃度の残
存n‐ブチルアクリレートを含み、強い臭気を持ってい
た。残存単量体の水準はガスクロマトグラフィーで測定
された。
【0052】次いで、得られたラテックスを凝固させ、
乾いたゴムを回収した。この乾燥ゴムをガスクロマトグ
ラフィーで測定したところ、24ppmの残存アクリロ
ニトリルと300ppmのn‐ブチルアクリレートを含
んでいた。この乾燥ゴムは不快な臭いを有していた。
【0053】得られたゴム状重合体はフォギング特性も
試験された。用いた試験法では、100℃に保持した1
0グラムの試料からの凝縮物を、ガラス板に担持させた
冷却したアルムニウム箔の上に16時間の間捕集した。
16時間後、約4mgの凝縮物が生成したことが重量測
定法で求められた。
【0054】実施例2 この実施例では、実施例1で合成したゴム状重合体をP
VC樹脂に混合することにより皮革様組成物を製造し
た。このブレンドは、PVC樹脂100部にABS樹脂
35部、ゴム状重合体80部、可塑剤25部、分解防止
剤1.5部および赤色染料分散安定剤4.5部を混ぜる
ことによって調製された。
【0055】このコンパウンドの調製には、176℃
(349 oF)で運転されるオイル加熱型ファレル(F
arrel)の8インチ(20.3cm)プラスチック
練りロール(mil)が用いられた。全ての粉末、液体
および安定剤を、まず、ホバートミキサー(Hobar
t mixer)中で混合し、粗いドライ・ブレンドを
形成した。このドライブレンドとエラストマーを同じ練
りロールに巻き付け15分間混練し、その後ゲージ0.
040+/−5でシート状に成形した。この混練シート
試料で試験を行った。
【0056】この調製された皮革様組成物は、自動車用
の用途に用いられるパネル用のスキン・コンパウンドの
製造で使用するのに非常に適した物理的特性持っている
ことが確められた。この皮革様組成物の引張強さ、破断
時伸び、100%モジュラスおよびショアーD硬度を表
1(実施例2)に報告する。また、その熱および紫外線
安定性を求めるために、この皮革様組成物の評価も行っ
た。光劣化試験はUVB‐313ランプを備えたQ‐U
‐V型促進耐候性試験機中で行なわれた。劣化の一サイ
クルは光照射6時間と、65℃、湿度100%での4時
間の処理から成り、連続で繰り返して、表1に示した合
計時間の間続けた。試料の大きさは1インチ(2.54
cm)×3インチ(7.62cmm)であった。
【0057】熱劣化はASTM573‐78のエヤーオ
ーブン熱劣化法により、ASTMダイCでの試験片を用
いて調べた。引張強度的性質は、劣化の前後で、ユナイ
テッドモデル(United Model)FM30‐
DM1VA引張試験機を用いて、次の条件で測定した:
クロスヘッド速度20インチ/分(50.8cm/
分)、ジョーチャック間隔2.5インチ(6.35c
m)、標線(benchmark)1インチ(2.54
cm).比較例3‐4 この実験では、比較のために、常用のスキン・コンパウ
ンドを調製した。これらの比較例では、実施例2で使用
したゴム状重合体をASA樹脂に置き換えたことを除い
て、実施例2で説明したのと同じ方法が用いられた。こ
れらのASA樹脂はアクリロニトリル、スチレンおよび
アクリレート単量体の三元共重合体であった。比較例3
では、モーベイ社(Mobay)のASA樹脂であるベ
イモード(BaymodTM)KU3‐2069Aが、比
較例4ではベイモードKU3‐2079Aが用いられ
た。
【0058】これら在来スキン・コンパウンドの物理的
性質と熱および紫外線耐久性を表1に本発明の皮革様組
成物のこれら性質と比較して示す。
【0059】比較例5 この実験では、実施例2で使用したゴム状重合体を橋架
けニトリルゴムに置き換えたことと、用いたABS樹脂
の量を60部に増やしたことを除いて、実施例2で説明
したのと同じ方法を用いて、もう一つのスキン・コンパ
ウンドが調製された。この実験で調製した在来スキン・
コンパウンドの物理的性質と熱および紫外線耐久特性を
本発明の皮革様組成物のこれら性質と比較して表1に示
す。
【0060】
【表1】
【0061】表1のデーターを吟味すると分かるよう
に、本発明のゴム状重合体を用いて作った皮革様組成物
の物理的性質は、比較例3、4および5に示した標準の
スキン・コンパウンドに非常に似ている。しかし、本発
明のゴム状重合体を用いて作ったスキン・コンパウンド
は、110℃、1992時間後の熱劣化特性が非常に向
上していた。その121℃での耐熱性は、比較例3での
熱安定性と大体同じであった。しかし、本発明のゴム状
重合体を用いて作ったスキン・コンパウンドは、比較例
4および比較例5で作ったスキン・コンパウンドに比べ
て、121℃での耐熱性が非常に向上していた。実施例
2で作った皮革様組成物は、比較例3、4および5で作
った標準のスキン・コンパウンドのいずれよりも優れて
いることが証明された。かくして、本発明のスキン・コ
ンパウンドは、ASA樹脂で作った在来のスキン・コン
パウンドより大きい紫外線耐久性を示す。
【0062】実施例6 この実験では、実施例1で用いた方法と同様の方法を用
いてゴム状重合体を合成した。この重合は容量100リ
ットルの反応器中で行なわれた。この反応器は110r
pmで作動する軸流タービン攪拌機を備えていた。この
反応器に、先ず、水70.92kg、ドデカノール・モ
ノマレエ‐ト0.87kg、50%の水酸化カリウム水
溶液0.40kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.06kg、ピロリン酸ソーダ0.06kg、トリエ
タノールアミン0.05kg、n‐ブチルアクリレート
22.13kg、アクリロニトリル2.60kg、メチ
ルメタクリレート1.30kg、1,4‐ブタンジオー
ルジメタクリレート0.65kg、t‐ドデシルメルカ
プタン0.08kgおよびペルオキソ硫酸カリウムの5
%溶液1.56kgを仕込んだ。重合中、温度は約35
℃に保持された。全固体含有量が約24パーセントにな
った時点で、追加のペルオキソ硫酸カリウムの溶液0.
52kgを加えた。重合のこの第一段階は約2.5時間
続けられた。この第一段階の重合で、重合の第二工程で
用いられるシード重合体ラテックスが製造された。
【0063】重合の第二工程では、シード重合体ラテッ
クスが入っている反応器中に、アクリロニトリル1.4
9kg、スチレン3.47kg、ジビニルベンゼン0.
050kgおよびt‐ドデシルメルカプタン9.3mg
が加えられた。次いで、重合温度を70℃まで上げ、重
合を続けた。重合が完了した後、得られたラテックスを
凝固させ、乾いたゴムを回収した。
【0064】実施例7 この実験では、ゴム状重合体を本発明の方法を用いて2
リットルのガラス製反応器中で合成した。この使用され
た方法では、まず、その反応器に水1126g、50%
の水酸化カリウム水溶液5.93g、ヘキサデシル・モ
ノマレエ‐ト14.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダの30%溶液1.0g、ピロリン酸ソーダ1.0
g、n‐ブチルアクリレート231g、アクリロニトリ
ル105g、2‐エチルヘキシルアクリレート42g、
メチルアクリレート42g、1,4‐ブタンジオール・
ジメタクリレート8.4g、t‐ドデシルメタクリレー
ト0.84g、トリエタノールアミンの5%水溶液8.
3gおよびペルオキソ硫酸カリウムの5%水溶液24.
9gを入れた。重合の第一段階中、温度は約35℃に維
持された。固体含有量が約20%になった時点で、反応
温度を約60℃に上げ、そして追加のアクリロニトリル
24g、スチレン56g、ジビニルベンゼン0.96g
およびt‐ドデシルメルカプタン0.16gを反応器に
加えた。重合が完了した後、得られたラテックスを凝固
させ、ゴムを回収した。
【0065】実施例8 この実験では、ゴム状重合体を本発明の方法を用いて2
リットルのガラス製反応器中で合成した。この使用され
た方法では、まず、その反応器に水1126g、50%
の水酸化カリウム水溶液5.93g、ヘキサデシル・モ
ノマレエ‐ト14.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダの30%溶液1.0g、ピロリン酸ソーダ1.0
g、n‐ブチルアクリレート168g、アクリロニトリ
ル105g、2‐エチルヘキシルアクリレート105
g、メチルアクリレート42g、1,4‐ブタンジオー
ル・ジメタクリレート6.3g、t‐ドデシルメタクリ
レート0.44g、トリエタノールアミンの5%水溶液
8.3gおよびペルオキソ硫酸カリウムの5%水溶液2
4.9gを入れた。重合の第一段階中、温度は約35℃
に保持された。固体含有量が約20%になった時点で、
反応温度を約60℃に上げ、そして追加のアクリロニト
リル24g、スチレン56g、ジビニルベンゼン0.9
6gおよびt‐ドデシルメルカプタン0.16gを反応
器に加えた。重合が完了した後、得られたラテックスを
凝固させ、ゴムを回収した。
【0066】実施例9‐12 この一連の実験では、実施例1、6、7および8で合成
したゴム状重合体をPVCに混合することにより皮革様
組成物を製造した。用いられたこの方法では、ゴム状重
合体40部をPVC100部に混合した。製造されたこ
のブレンドはDOP50部とBa/Zn3部も含んでい
た。このブレンドは、混練機中でそれら成分を180℃
で6分間混合して作られ、次いでそれらを180℃で加
圧成形して試料を調製した。次いで、これらの試料はそ
の物理的性質を確めるために試験された。
【0067】これらの試料の物理的性質は表2に報告さ
れている。実施例9で造られたブレンドは実施例1のゴ
ム組成物を含んでおり、実施例10のブレンドは実施例
6のゴム組成物を含んでおり、実施例11のブレンドは
実施例7のゴム組成物を含んでおり、そして実施例12
のブレンドは実施例8のゴム組成物を含んでいた。
【0068】
【表2】
【0069】表2から分かるように、実施例1、6、7
および8で合成されたゴム状重合体の全てから、良好な
物理的性質を有する皮革様組成物を作ることができた。
事実、作られた皮革様組成物は、安全パッド(cras
h pads)のような、自動車内装パネルに用いるス
キンの製造に用いるための、卓越した性質の組み合わせ
を示した。
【0070】実施例13 この実験では、実施例1で造られたラテックスを凝固前
に脱臭させた。これは、そのラテックスに(そのラテッ
クスの総重量を基に)0.5重量パーセントのエタノー
ルアミンを室温(約22℃)で添加することにより行わ
れた。1日後に、残存アクリロニトリルの水準は148
0ppmから51ppmに、そして残存n‐ブチルアク
リレートの水準は325ppmから30ppmに低下し
た。3日後には、残存n‐ブチルアクリレートの水準は
検出できなくなった。
【0071】次いで、この脱臭したラテックスを凝固さ
せ、乾燥ゴムを回収した。この乾燥ゴム中の残存アクリ
ロニトリルおよびn‐ブチルアクリレートの水準はガス
クロマトグラフィーで検出できない程低かった。この回
収乾燥ゴムには不快な臭いが無かった。
【0072】実施例14 この実験では、マレイン酸のハーフエステル石鹸0.9
2kgを芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物石鹸0.6
12kgで置き換えたことを除いて、実施例1で説明し
た方法を繰り返した。この実験で用いられた方法は、ま
た、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの水準を0.3
kgまで増やした点でも実施例1で説明した方法と異な
る。この実験で用いられた芳香族ホルムアルデヒド縮合
生成物石鹸は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒ
ドとの縮合生成物のナトリウム塩であった。これは約1
000から5000の範囲にある分子量を有し、次の構
造式で示すことができる:
【化4】
【0073】次いで、この作られたゴム状重合体のフォ
ギング特性を試験した。用いた試験法では、100℃に
保持した10グラムの試料からの凝縮物を、ガラス板に
担持させた冷却されたアルムニウム箔の上に16時間の
間捕集した。16時間後、約0.3mgの凝縮物が生成
したことが重量測定法で測定された。かくして、この実
験で合成されたゴム状重合体のフォギング特性は、実施
例1で合成されたゴム状重合体のフォギング性(そのフ
ォギング試験で4.0mgの凝縮物が捕集された)より
遥かに良好であった。言い換えると、この実験で作られ
たゴム状重合体は、実施例1のゴム状重合体で発生した
フォグの量の10%未満のフォグを発生した。
【0074】実施例15 この実験では、マレイン酸のハーフエステル石鹸0.9
2kgをソカラン(Sokalan)ポリカルボキシレ
ート石鹸0.765kgで置き換えたことを除いて、実
施例1で説明した方法を繰り返した。この実験で用いら
れた方法は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの水準
を0.306kgまで増やした点でも実施例1で説明し
た方法と異なる。
【0075】次いで、この調製されたゴム状重合体のフ
ォギング特性を試験した。用いた試験法では、100℃
に保持した10グラムの試料からの凝縮物を、ガラス板
に担持させた冷却されたアルムニウム箔の上に16時間
の間捕集した。16時間後、約0.4mgの凝縮物が生
成したことが重量測定法で測定された。かくして、この
実験で作られたゴム状重合体のフォギング特性は、実施
例1で合成されたゴム状重合体のフォギング性より遥か
に良好であった。
【0076】比較例16 この実験では、マレイン酸のハーフエステル石鹸0.9
2kgをダウファックス(Dowfax)2A1ジドデ
シル・ジフェニルオキシド・ジスルホナート石鹸0.6
12kgで置き換えたことを除いて、実施例1で説明し
た方法を繰り返した。この調製されたゴム状重合体のフ
ォギング特性を試験した。用いた試験法では、100℃
に保持した10グラムの試料からの凝縮物を、ガラス板
に担持させた冷却されたアルムニウム箔の上に16時間
の間捕集した。16時間後、約1.2mgから2.0m
gの凝縮物が生成したことが重量測定法で測定された。
かくして、この実験で調製されたゴム状重合体のフォギ
ング特性は、実施例1で合成されたゴム状重合体のフォ
ギング性より幾分良好であるが、実施例14および15
で達成された結果よりは劣っていた。
【0077】本発明を例証する目的で特定の代表的実施
態様と細部を示したが、当該技術分野の熟練者には、そ
れらに本発明の範囲から逸脱すること無しに様々な変更
や改変がなされ得ることは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 マリアーノ・サラザー フランス共和国91401 オルセイ,アヴニ ュー・デ・イロンデル 96

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a)ブチルアクリレート、
    (b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
    メチルアクリレートおよびエチルアクリレートより成る
    群から選ばれる少くとも一種の構成成分、(c)アクリ
    ロニトリル、(d)橋架け剤、(e)スルホン酸塩およ
    び硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤およ
    び(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリ
    カルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤を乳
    化重合条件で重合してシード重合体を含むラテックスを
    調製する工程;(2)(a)スチレン、(b)追加のア
    クリロニトリルおよび(c)追加の橋架け剤を該シード
    重合体含有ラテックスに、ゴム状重合体を含むエマルシ
    ョンを生成させる乳化重合条件下で添加する工程;
    (3)該ゴム状重合体含有エマルションにアミノアルコ
    ールを添加する工程;および(4)該ゴム状重合体含有
    エマルションから該ゴム状重合体を回収する工程を含ん
    でなる、良好な耐熱性と紫外線耐久性を有する皮革様組
    成物を作るためにポリ塩化ビニルとブレンドできる低フ
    ォギング性ゴム状重合体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 (a)ブチルアクリレート、(b)メチ
    ルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアク
    リレートおよびエチルアクリレートより成る群から選ば
    れる少くとも一種の構成成分、(c)アクリロニトリ
    ル、(d)スチレン、(e)スルホン酸塩および硫酸塩
    誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤、(f)芳香
    族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリカルボキシレ
    ート類より成る群から選ばれる分散剤および(g)橋架
    け剤からなる繰返単位を含んで成る、良好な耐熱性と紫
    外線耐久性を有する皮革様組成物を作るためにポリ塩化
    ビニルとブレンドできる低フォギング性ゴム状重合体。
  3. 【請求項3】 (1)(a)ブチルアクリレート、
    (b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
    メチルアクリレートおよびエチルアクリレートより成る
    群から選ばれる少くとも一種の構成成分、(c)アクリ
    ロニトリル、(d)橋架け剤、(e)スルホン酸塩およ
    び硫酸塩誘導体より成る群から選ばれる界面活性剤およ
    び(f)芳香族ホルムアルデヒド縮合生成物およびポリ
    カルボキシレート類より成る群から選ばれる分散剤を乳
    化重合条件で重合してシード重合体を含むラテックスを
    調製する工程;(2)(a)スチレン、(b)追加のア
    クリロニトリルおよび(c)追加の橋架け剤を該シード
    重合体含有ラテックスに、ゴム状重合体を含むエマルシ
    ョンを生成させる乳化重合条件下で添加する工程;およ
    び(3)該ゴム状重合体含有エマルションから該ゴム状
    重合体を回収する工程を含んでなる、良好な耐熱性と紫
    外線耐久性を有する皮革様組成物を作るためにポリ塩化
    ビニルとブレンドできる低フォギング性ゴム状重合体を
    製造する方法。
  4. 【請求項4】 (1)ポリ塩化ビニル、(2)可塑剤、
    および(3)(a)ブチルアクリレート、(b)メチル
    メタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリ
    レートおよびエチルアクリレートより成る群から選ばれ
    る少くとも一種の構成成分、(c)アクリロニトリル、
    (d)スチレン、(e)スルホン酸塩および硫酸塩誘導
    体より成る群から選ばれる界面活性剤、(f)芳香族ホ
    ルムアルデヒド縮合生成物およびポリカルボキシレート
    類より成る群から選ばれる分散剤および(g)橋架け剤
    を含んで成る繰返単位からなるゴム状重合体を含んでな
    る、自動車用途に有用な皮革様組成物。
  5. 【請求項5】 (1)ポリ塩化ビニル、(2)可塑剤、
    および(3)(a)ブチルアクリレート、(b)メチル
    メタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリ
    レートおよびエチルアクリレートより成る群から選ばれ
    る少くとも一種の構成成分、(c)アクリロニトリル、
    (d)スチレン、(e)スルホン酸塩および硫酸塩誘導
    体より成る群から選ばれる界面活性剤、(f)芳香族ホ
    ルムアルデヒド縮合生成物およびポリカルボキシレート
    類より成る群から選ばれる分散剤および(g)橋架け剤
    を含んで成る繰返し単位からなるゴム状重合体を含んで
    なる皮革様スキンで被覆されている、硬い受け板で支え
    られている半硬質ウレタンフォームを含んでなる、低フ
    ォギング性の自動車用途用パネル。
JP8337137A 1995-12-18 1996-12-17 低フォギング性のゴム状重合体 Pending JPH09176248A (ja)

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