JPH0917597A - プラズマ発生装置及び方法 - Google Patents
プラズマ発生装置及び方法Info
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- JPH0917597A JPH0917597A JP7160854A JP16085495A JPH0917597A JP H0917597 A JPH0917597 A JP H0917597A JP 7160854 A JP7160854 A JP 7160854A JP 16085495 A JP16085495 A JP 16085495A JP H0917597 A JPH0917597 A JP H0917597A
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- JP
- Japan
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- plasma
- microwave
- high frequency
- excitation chamber
- plasma excitation
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- Plasma Technology (AREA)
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ガス導入系5を有するプラズマ励起室1と、
導波管3を介してプラズマ励起室に接続されたマイクロ
波発生源4と、プラズマ励起室の周囲に巻回された高周
波コイル9と、プラズマ励起室の周囲に配置された電磁
石11と、プラズマ励起室内に配置された加熱フィラメン
ト7とからなるプラズマ発生装置。マイクロ波発生源4
は2.45GHzのマイクロ波を発生し、高周波コイル9は13.
56MHzの高周波を発生し、電磁石11は875Gの磁界をもた
らす。かくして熱電子放出と、高周波放電と、マイクロ
波放電の組み合わせによりプラズマが生成される。 【効果】 種々の特性の薄膜を単一の装置で得ることが
できると共に、従来の装置では得られなかったエネルギ
ー分布を有するプラズマを生成することにより、新たな
特性の薄膜を得ることが可能となる。
導波管3を介してプラズマ励起室に接続されたマイクロ
波発生源4と、プラズマ励起室の周囲に巻回された高周
波コイル9と、プラズマ励起室の周囲に配置された電磁
石11と、プラズマ励起室内に配置された加熱フィラメン
ト7とからなるプラズマ発生装置。マイクロ波発生源4
は2.45GHzのマイクロ波を発生し、高周波コイル9は13.
56MHzの高周波を発生し、電磁石11は875Gの磁界をもた
らす。かくして熱電子放出と、高周波放電と、マイクロ
波放電の組み合わせによりプラズマが生成される。 【効果】 種々の特性の薄膜を単一の装置で得ることが
できると共に、従来の装置では得られなかったエネルギ
ー分布を有するプラズマを生成することにより、新たな
特性の薄膜を得ることが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマ発生装置及び方
法に関する。より詳しくは本発明は、薄膜製造に当たっ
て薄膜構成元素を含むガスをプラズマにより活性化する
ための装置及び方法の改良に関するものである。
法に関する。より詳しくは本発明は、薄膜製造に当たっ
て薄膜構成元素を含むガスをプラズマにより活性化する
ための装置及び方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体や磁気記録媒体の分野における機
能性薄膜の製造や加工を行うためのCVD装置、スパッ
タ装置等に関して、プラズマ発生装置を用いることが行
われている。こうした装置は、例えば磁気記録媒体の製
造に際してイオンアシスト蒸着やDLC(ダイヤモンド
ライクカーボン)保護薄膜の形成等に用いられている。
能性薄膜の製造や加工を行うためのCVD装置、スパッ
タ装置等に関して、プラズマ発生装置を用いることが行
われている。こうした装置は、例えば磁気記録媒体の製
造に際してイオンアシスト蒸着やDLC(ダイヤモンド
ライクカーボン)保護薄膜の形成等に用いられている。
【0003】現在知られているプラズマ発生装置として
は、例えばカウフマン型イオン源、高周波イオン源、マ
イクロ波イオン源等がある。カウフマン型イオン源は、
直流電流が印加される加熱フィラメントから放出される
熱電子を磁場により反応室内に閉じ込め、ガス中の元素
と繰り返し衝突させることによりプラズマを生成するも
のである。得られるイオン電流は、使用されるガスの種
類、装置内の真空度等によって異なるが、一般に5〜50
0mA程度の範囲にある。高周波イオン源は加熱フィラメ
ントを使用せず、数MHz〜100MHz程度の電磁波を用いる
ものであり、例えば石英の放電容器内でガス圧を0.5〜5
00mTorr程度に維持し、容器外壁周囲に巻回した高周波
コイルに13.56MHzの高周波を供給して容器内のガスを放
電させてプラズマを形成する。引き出し電流はガス圧、
高周波電力等によって変化するが、一般に1〜2mA程度
と比較的小電流のものが多い。またマイクロ波イオン源
は、加熱フィラメントを使用しない点では高周波イオン
源と同様であるが、数GHzのマイクロ波を使用し、波長
(10数cm以下)はプラズマの幾何学的な大きさと同等も
しくはそれ以下であるため、プラズマ中の場所によって
電界の位相が異なる。こうしたマイクロ波イオン源とし
てはECR型イオン源が代表的なものであり、プラズマ
励起室に電子サイクロトロン共鳴条件を満たす磁界(87
5G)を印加し、これに石英窓を通して2.45GHzのマイク
ロ波電力を送り込み、プラズマを生成するものである。
これにより得られるイオン電流は、10〜1000mA程度であ
る。
は、例えばカウフマン型イオン源、高周波イオン源、マ
イクロ波イオン源等がある。カウフマン型イオン源は、
直流電流が印加される加熱フィラメントから放出される
熱電子を磁場により反応室内に閉じ込め、ガス中の元素
と繰り返し衝突させることによりプラズマを生成するも
のである。得られるイオン電流は、使用されるガスの種
類、装置内の真空度等によって異なるが、一般に5〜50
0mA程度の範囲にある。高周波イオン源は加熱フィラメ
ントを使用せず、数MHz〜100MHz程度の電磁波を用いる
ものであり、例えば石英の放電容器内でガス圧を0.5〜5
00mTorr程度に維持し、容器外壁周囲に巻回した高周波
コイルに13.56MHzの高周波を供給して容器内のガスを放
電させてプラズマを形成する。引き出し電流はガス圧、
高周波電力等によって変化するが、一般に1〜2mA程度
と比較的小電流のものが多い。またマイクロ波イオン源
は、加熱フィラメントを使用しない点では高周波イオン
源と同様であるが、数GHzのマイクロ波を使用し、波長
(10数cm以下)はプラズマの幾何学的な大きさと同等も
しくはそれ以下であるため、プラズマ中の場所によって
電界の位相が異なる。こうしたマイクロ波イオン源とし
てはECR型イオン源が代表的なものであり、プラズマ
励起室に電子サイクロトロン共鳴条件を満たす磁界(87
5G)を印加し、これに石英窓を通して2.45GHzのマイク
ロ波電力を送り込み、プラズマを生成するものである。
これにより得られるイオン電流は、10〜1000mA程度であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなプラズマ
発生装置から得られるイオンビームは、それぞれに特徴
的なエネルギー分布を有し、従ってこうした装置を用い
て薄膜を製造した場合、得られる膜の特性も、装置の特
性にある程度依存することになる。そのため、従来は用
途に応じてプラズマ発生装置を適宜選択する必要があっ
た。例えば磁気記録媒体の製造に関してイオンアシスト
蒸着を行うに際しては、ベースフィルムの特性、磁性層
の材料、打ち込みを行うイオン種、イオンソースとなる
ガスの種類、所望の成膜速度等に応じて、使用されるプ
ラズマ発生装置が選択される。本発明は、こうした選択
を不要とし、用途に応じてエネルギー分布を自在に制御
することのできるプラズマ発生装置及び方法を提供する
ことを目的としている。
発生装置から得られるイオンビームは、それぞれに特徴
的なエネルギー分布を有し、従ってこうした装置を用い
て薄膜を製造した場合、得られる膜の特性も、装置の特
性にある程度依存することになる。そのため、従来は用
途に応じてプラズマ発生装置を適宜選択する必要があっ
た。例えば磁気記録媒体の製造に関してイオンアシスト
蒸着を行うに際しては、ベースフィルムの特性、磁性層
の材料、打ち込みを行うイオン種、イオンソースとなる
ガスの種類、所望の成膜速度等に応じて、使用されるプ
ラズマ発生装置が選択される。本発明は、こうした選択
を不要とし、用途に応じてエネルギー分布を自在に制御
することのできるプラズマ発生装置及び方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】また本発明は、従来のプラズマ発生装置に
よっては得ることのできないエネルギー分布をもたらす
プラズマ発生装置及び方法を提供することをも目的と
し、これによって製造される薄膜の特性を改善すること
を指向している。
よっては得ることのできないエネルギー分布をもたらす
プラズマ発生装置及び方法を提供することをも目的と
し、これによって製造される薄膜の特性を改善すること
を指向している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プラズ
マ発生装置はガス導入系を有するプラズマ励起室と、導
波管を介してこのプラズマ励起室に接続されたマイクロ
波発生源と、プラズマ励起室の周囲に巻回された高周波
コイルと、高周波コイルの外側でやはりプラズマ励起室
の周囲に配置された電磁石と、プラズマ励起室内に配置
された加熱フィラメントとからなる。
マ発生装置はガス導入系を有するプラズマ励起室と、導
波管を介してこのプラズマ励起室に接続されたマイクロ
波発生源と、プラズマ励起室の周囲に巻回された高周波
コイルと、高周波コイルの外側でやはりプラズマ励起室
の周囲に配置された電磁石と、プラズマ励起室内に配置
された加熱フィラメントとからなる。
【0007】プラズマ励起室は非磁性材料、例えばステ
ンレスやセラミックスからなり、マイクロ波に対して空
洞共振構造となっている。このプラズマ励起室にはガス
導入系、例えばイオン種や反応性ガスを供給するための
ガスノズルが備えられている。プラズマ励起室には矩形
の導波管を介して、マイクロ波発生源が接続されてお
り、マイクロ波発生源は例えば2.45GHzのマイクロ波を
発生して、これをプラズマ励起室と導波管の間に配置さ
れた石英製の窓を介してプラズマ励起室内へと導くよう
になっている。プラズマ励起室の周囲には、高周波コイ
ルと電磁石とが順次配設されている。高周波コイルは高
周波電源に接続され、数MHz〜100MHz程度、例えば13.56
MHzの高周波をプラズマ励起室内に印加して、ガス導入
系を介して導入されたガスを構成する元素を励起する。
電磁石すなわち磁気コイルは、マイクロ波共振により生
じた定在波に関して、電子サイクロトロン共鳴条件を満
たす磁界875Gをもたらす。プラズマ励起室内に配置さ
れた加熱フィラメントは典型的にはタングステンからな
り、タングステンフィラメントの太さにより異なるが、
0.1〜50A程度の直流電流が印加されて、プラズマ励起
室内へと熱電子を放出する。
ンレスやセラミックスからなり、マイクロ波に対して空
洞共振構造となっている。このプラズマ励起室にはガス
導入系、例えばイオン種や反応性ガスを供給するための
ガスノズルが備えられている。プラズマ励起室には矩形
の導波管を介して、マイクロ波発生源が接続されてお
り、マイクロ波発生源は例えば2.45GHzのマイクロ波を
発生して、これをプラズマ励起室と導波管の間に配置さ
れた石英製の窓を介してプラズマ励起室内へと導くよう
になっている。プラズマ励起室の周囲には、高周波コイ
ルと電磁石とが順次配設されている。高周波コイルは高
周波電源に接続され、数MHz〜100MHz程度、例えば13.56
MHzの高周波をプラズマ励起室内に印加して、ガス導入
系を介して導入されたガスを構成する元素を励起する。
電磁石すなわち磁気コイルは、マイクロ波共振により生
じた定在波に関して、電子サイクロトロン共鳴条件を満
たす磁界875Gをもたらす。プラズマ励起室内に配置さ
れた加熱フィラメントは典型的にはタングステンからな
り、タングステンフィラメントの太さにより異なるが、
0.1〜50A程度の直流電流が印加されて、プラズマ励起
室内へと熱電子を放出する。
【0008】本発明の方法によれば、以上に述べたよう
な装置を用いて、プラズマは熱電子放出と、高周波放電
と、マイクロ波放電の組み合わせにより生成される。か
くしてプラズマ励起室内においては、加熱フィラメント
から放出され磁場によりトラップされた熱電子との衝突
によるガス元素の励起、高周波放電によるイオンのトラ
ップに基づくプラズマによるガス元素の励起、さらには
電子のサイクロイド運動に基づく高密度プラズマによる
ガス元素の励起が、関連し合って生成される。従って加
熱フィラメント、高周波発生源、マイクロ波発生源、高
周波コイル及び電磁石に印加される電流及び電圧を適宜
調節することにより、用途に応じた適切なエネルギー分
布を得て所望の活性種を生成することができると共に、
さらにこれまでにないエネルギー分布を有するプラズマ
を生成することも可能となる。これにより、従来のプラ
ズマ発生装置では得ることのできない特性を有する薄膜
を製造することができる。
な装置を用いて、プラズマは熱電子放出と、高周波放電
と、マイクロ波放電の組み合わせにより生成される。か
くしてプラズマ励起室内においては、加熱フィラメント
から放出され磁場によりトラップされた熱電子との衝突
によるガス元素の励起、高周波放電によるイオンのトラ
ップに基づくプラズマによるガス元素の励起、さらには
電子のサイクロイド運動に基づく高密度プラズマによる
ガス元素の励起が、関連し合って生成される。従って加
熱フィラメント、高周波発生源、マイクロ波発生源、高
周波コイル及び電磁石に印加される電流及び電圧を適宜
調節することにより、用途に応じた適切なエネルギー分
布を得て所望の活性種を生成することができると共に、
さらにこれまでにないエネルギー分布を有するプラズマ
を生成することも可能となる。これにより、従来のプラ
ズマ発生装置では得ることのできない特性を有する薄膜
を製造することができる。
【0009】
【実施例】図1の装置を構成した。ステンレス製のプラ
ズマ励起室1は石英製の窓2を有し、これに矩形導波管
3が接続されて、マイクロ波発生源4へと延びている。
プラズマ励起室1にはガス導入ノズル5が備えられてお
り、流量コントローラ6を介して反応ガスが供給される
ようになっている。プラズマ励起室1の内部には、タン
グステンからなる加熱フィラメント7が配置され、直流
電源8へと接続されている。プラズマ励起室1の周囲に
は高周波コイル9が巻回され、高周波発生源10に接続さ
れている。さらに、高周波コイル9の外側において、プ
ラズマ励起室1の周囲には磁気コイル11が配置されてい
る。
ズマ励起室1は石英製の窓2を有し、これに矩形導波管
3が接続されて、マイクロ波発生源4へと延びている。
プラズマ励起室1にはガス導入ノズル5が備えられてお
り、流量コントローラ6を介して反応ガスが供給される
ようになっている。プラズマ励起室1の内部には、タン
グステンからなる加熱フィラメント7が配置され、直流
電源8へと接続されている。プラズマ励起室1の周囲に
は高周波コイル9が巻回され、高周波発生源10に接続さ
れている。さらに、高周波コイル9の外側において、プ
ラズマ励起室1の周囲には磁気コイル11が配置されてい
る。
【0010】一つの用例として、プラズマ励起室1は例
えば図示のように、巻き出しロール12から巻き取りロー
ル13に向けて冷却キャンロール14上を走行する磁気記録
媒体15に対向して真空チャンバ16に配設し、磁気記録媒
体15上に保護膜を堆積させるために用いることができ
る。本発明の装置は他にも、例えば後述するイオン打ち
込みその他、機能性薄膜の製造や加工の分野において種
々の公知の用途を有するが、これらは当業者には自明な
ものであるからここで逐一列挙することはしない。
えば図示のように、巻き出しロール12から巻き取りロー
ル13に向けて冷却キャンロール14上を走行する磁気記録
媒体15に対向して真空チャンバ16に配設し、磁気記録媒
体15上に保護膜を堆積させるために用いることができ
る。本発明の装置は他にも、例えば後述するイオン打ち
込みその他、機能性薄膜の製造や加工の分野において種
々の公知の用途を有するが、これらは当業者には自明な
ものであるからここで逐一列挙することはしない。
【0011】実施例1 図1の如き装置を用い、予めPETフィルム上にコバル
トを斜め蒸着させてなる磁気記録媒体15に対し、保護膜
としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜を成
膜した。この場合、プラズマ励起室内の真空度は4mTor
rとし、反応ガスとしてメタン(CH4)を100 SCCM、ま
た水素(H2)を80 SCCMの流量でガス導入ノズル5から
供給した。マイクロ波発生源4からはプラズマ励起室1
へと2.45GHzのマイクロ波を導入し、高周波発生源10か
らは13.56MHzの高周波を生成し、磁気コイル11により87
5Gの磁界を生成させて電子サイクロトロン共鳴条件を
満足させる。磁気記録媒体の走行速度を40m/分とし、
マイクロ波発生源4の出力、高周波発生源10の出力、及
び直流電源8から供給される電流を下記の表1中にA−
Cで示されるように制御することによりDLC薄膜を成
膜し、電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いて
膜質を分析した。結果を図2に示す。
トを斜め蒸着させてなる磁気記録媒体15に対し、保護膜
としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜を成
膜した。この場合、プラズマ励起室内の真空度は4mTor
rとし、反応ガスとしてメタン(CH4)を100 SCCM、ま
た水素(H2)を80 SCCMの流量でガス導入ノズル5から
供給した。マイクロ波発生源4からはプラズマ励起室1
へと2.45GHzのマイクロ波を導入し、高周波発生源10か
らは13.56MHzの高周波を生成し、磁気コイル11により87
5Gの磁界を生成させて電子サイクロトロン共鳴条件を
満足させる。磁気記録媒体の走行速度を40m/分とし、
マイクロ波発生源4の出力、高周波発生源10の出力、及
び直流電源8から供給される電流を下記の表1中にA−
Cで示されるように制御することによりDLC薄膜を成
膜し、電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いて
膜質を分析した。結果を図2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】図2から理解されるように、マイクロ波出
力、高周波出力、フィラメント電流のそれぞれを適宜調
節することにより、同じ装置を用いて同じガス種及び流
量の下で、A及びBのようにダイヤモンドに非常に近い
性質を示すものや、グラファイトに近い性質を示すもの
など、種々の特性を有する膜を得ることができる。
力、高周波出力、フィラメント電流のそれぞれを適宜調
節することにより、同じ装置を用いて同じガス種及び流
量の下で、A及びBのようにダイヤモンドに非常に近い
性質を示すものや、グラファイトに近い性質を示すもの
など、種々の特性を有する膜を得ることができる。
【0014】実施例2 図3の装置を構成した。プラズマ発生装置に係る部分1
−10は図1で示したのと同様である。図2の装置におい
ては、真空ポンプ17に接続された真空チャンバ18内にお
いて、プレート19上に取着されたPET基板20に対して
イオンアシスト蒸着を行う。真空ポンプ17によって真空
チャンバ18を10-6Torr程度の真空度にまで排気した後、
底部に配置したルツボ21に入れた純鉄を、出力30kWの電
子ビームを電子銃22から照射することにより蒸発させ、
蒸着雰囲気とする。ガス導入ノズル5からはプラズマ励
起室1内へと窒素ガスを50 SCCMの流量で送り込み、P
ET基板に対して鉄を蒸着させながら窒素イオンを打ち
込むことにより窒化鉄膜を成膜した。この場合に、マイ
クロ波発生源4の出力、高周波発生源10の出力、及び直
流電源8から供給される電流を下記の表2中にD及びE
で示されるように制御し、得られた膜のX線回折を行っ
た。Dについて得られた結果を図4に示す。
−10は図1で示したのと同様である。図2の装置におい
ては、真空ポンプ17に接続された真空チャンバ18内にお
いて、プレート19上に取着されたPET基板20に対して
イオンアシスト蒸着を行う。真空ポンプ17によって真空
チャンバ18を10-6Torr程度の真空度にまで排気した後、
底部に配置したルツボ21に入れた純鉄を、出力30kWの電
子ビームを電子銃22から照射することにより蒸発させ、
蒸着雰囲気とする。ガス導入ノズル5からはプラズマ励
起室1内へと窒素ガスを50 SCCMの流量で送り込み、P
ET基板に対して鉄を蒸着させながら窒素イオンを打ち
込むことにより窒化鉄膜を成膜した。この場合に、マイ
クロ波発生源4の出力、高周波発生源10の出力、及び直
流電源8から供給される電流を下記の表2中にD及びE
で示されるように制御し、得られた膜のX線回折を行っ
た。Dについて得られた結果を図4に示す。
【0015】
【表2】
【0016】図4から理解されるように、本発明の装置
を用いて上記にDで示したように制御を行うことによ
り、α−Feの混在したFe4N膜を得ることができた。
を用いて上記にDで示したように制御を行うことによ
り、α−Feの混在したFe4N膜を得ることができた。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば種々
の特性を有する薄膜を単一の装置によって得ることがで
きる。また半導体その他の機能性薄膜の加工などに関し
ても、条件を選択することだけで、同じ装置により種々
の用途に適応させることができる。また従来の装置では
得られなかったエネルギー分布を有するプラズマを生成
することが可能となり、これまでにない特性を有する薄
膜を得ることが可能となる。
の特性を有する薄膜を単一の装置によって得ることがで
きる。また半導体その他の機能性薄膜の加工などに関し
ても、条件を選択することだけで、同じ装置により種々
の用途に適応させることができる。また従来の装置では
得られなかったエネルギー分布を有するプラズマを生成
することが可能となり、これまでにない特性を有する薄
膜を得ることが可能となる。
【図1】本発明の装置を具体化した一例の概略図であ
る。
る。
【図2】図1の装置により得られるDLC薄膜のEEL
Sスペクトルである。
Sスペクトルである。
【図3】本発明の装置を具体化した別の例の概略図であ
る。
る。
【図4】図3の装置により得られる窒化鉄膜のX線回折
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
1 プラズマ励起室 2 窓 3 導波管 4 マイクロ波発生源 5 ガス導入ノズル 6 流量コントローラ 7 加熱フィラメント 8 直流電源 9 高周波コイル 10 高周波発生源 11 磁気コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 30/04 7202−4G C30B 30/04 H01L 21/203 H01L 21/203 M 21/205 21/205 (72)発明者 水野谷 博英 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 佐々木 克己 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 松尾祐三 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 ガス導入系を有するプラズマ励起室と、
導波管を介して前記プラズマ励起室に接続されたマイク
ロ波発生源と、前記プラズマ励起室の周囲に巻回された
高周波コイルと、前記プラズマ励起室の周囲に配置され
た電磁石と、前記プラズマ励起室内に配置された加熱フ
ィラメントとからなる、プラズマ発生装置。 - 【請求項2】 前記マイクロ波発生源が2.45GHzのマイ
クロ波を発生し、前記高周波コイルが13.56MHzの高周波
を発生し、前記電磁石が875Gの磁界をもたらす、請求
項1の装置。 - 【請求項3】 熱電子放出と、高周波放電と、マイクロ
波放電の組み合わせによりプラズマを生成することから
なる、プラズマ発生方法。 - 【請求項4】 前記高周波放電が13.56MHzの高周波によ
り行われ、前記マイクロ波放電が875Gの磁界の下に2.4
5GHzのマイクロ波により行われる、請求項3の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7160854A JPH0917597A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | プラズマ発生装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7160854A JPH0917597A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | プラズマ発生装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0917597A true JPH0917597A (ja) | 1997-01-17 |
Family
ID=15723832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7160854A Pending JPH0917597A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | プラズマ発生装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0917597A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007035623A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-02-08 | Sandvik Intellectual Property Ab | プラズマ活性を向上させる装置 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP7160854A patent/JPH0917597A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007035623A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-02-08 | Sandvik Intellectual Property Ab | プラズマ活性を向上させる装置 |
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