JPH09175812A - 結晶性珪酸化合物の製造方法 - Google Patents

結晶性珪酸化合物の製造方法

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JPH09175812A
JPH09175812A JP35300295A JP35300295A JPH09175812A JP H09175812 A JPH09175812 A JP H09175812A JP 35300295 A JP35300295 A JP 35300295A JP 35300295 A JP35300295 A JP 35300295A JP H09175812 A JPH09175812 A JP H09175812A
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silicic acid
acid compound
aqueous solution
drying
pulse
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Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
Shuichi Nitta
秀一 新田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】珪酸化合物水溶液を加熱・焼成して結晶性
珪酸化合物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法におい
て、珪酸化合物水溶液をパルス衝撃波乾燥して無定形含
水珪酸化合物粉末とした後、これを加熱・焼成して結晶
性珪酸化合物とすることを特徴とする結晶性珪酸化合物
の製造方法。 【効果】本発明の結晶性珪酸化合物の製造方法による
と、無定形含水珪酸化合物粉末(乾燥粉末)を加熱焼成
する場合に、従来の熱風式噴霧乾燥法による乾燥粉末を
用いた場合と比較して、両者の乾燥粉末の含水率および
加熱条件が同じであっても加熱焼成工程における加熱脱
水時間が従来の約半分の時間となり、このため、焼成工
程の熱負荷を軽減し、また生産性を向上することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪酸化合物水溶液
から結晶性珪酸化合物を工業的に製造する方法に関し、
更に詳しくは、珪酸化合物水溶液をパルス衝撃波乾燥し
て無定形含水珪酸化合物粉末とした後、これを加熱・焼
成して結晶性珪酸化合物とする製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、珪酸化合物水溶液を噴霧乾燥
して無定形含水珪酸化合物とした後、これを加熱・焼成
して結晶性珪酸化合物とする方法には、以下のものがあ
る。
【0003】例えば特公平6−69890号公報には、
珪酸化合物水溶液を200〜300℃の熱空気中に噴霧
して乾燥し粉末状の無定形含水珪酸化合物とした後、こ
れを加熱・焼成して結晶性珪酸化合物とする方法が開示
されている。そのときの噴霧乾燥条件としては、滞留時
間10〜25秒、熱空気温度200〜300℃、乾燥排
ガス温度90〜130℃が記載され、また乾燥粉物性と
して含水率15〜23重量%、かさ密度0.3kg/L
以上が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような方法を含
めて、通常、熱空気で噴霧乾燥して得られた無定形珪酸
化合物粉末(乾燥粉)は10〜25重量%程度の水分を
含有する中空状粒子である。これを加熱焼成炉内に導入
すると、被焼成物は120〜140℃で上記水分が脱水
された後、所定の焼成温度(通常500〜850℃)ま
で昇温される。そして、その焼成温度で数時間保持する
ことにより結晶化することができる。従って、加熱・焼
成時間としては加熱・脱水過程と加熱・結晶化過程とを
合わせた時間が必要となる。
【0005】この際、乾燥粉の含水率が高いとより多く
の熱負荷を必要とするため、脱水時間が長くなって生産
性が低下する。逆に含水率を低くすると中空粒子がさら
に膨らんで、乾燥粉のかさ密度が小さくなる。このた
め、一定の容積を要する焼成炉内への乾燥粉の充填量が
減少して生産性が低下してしまう。
【0006】このため、特開平4−342413号公報
には、上記の特公平6−69890号公報に記載の方法
において、無定形含水珪酸化合物粉末を粉砕してから加
熱焼成炉に導入して結晶性珪酸化合物とする方法が開示
されている。この方法によれば、噴霧乾燥粉を粉砕して
その嵩密度を大きくすることにより焼成への充填量を増
加し、加熱・焼成工程の生産性を改善することができる
が、粉砕工程が必要となり工業的に不利である。
【0007】従って、珪酸化合物水溶液から空気熱風式
噴霧乾燥法により無定形含水珪酸化合物粉末を得、これ
を加熱焼成して結晶性珪酸化合物とする方法は大量連続
操作が可能であるという利点があるが、多大な熱負荷を
必要とする加熱・焼成工程の生産性を如何に向上するか
が従来よりの課題であった。
【0008】従って、本発明の目的は、従来の熱風式噴
霧乾燥法による乾燥粉末を用いた場合と比較して、乾燥
粉末の含水率および加熱条件が同じであっても加熱焼成
工程における加熱脱水時間が従来より大幅に短縮でき、
これにより焼成工程の熱負荷を軽減し、かつ生産性を向
上することができる結晶性珪酸化合物の製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、珪酸化合
物水溶液をパルス衝撃波乾燥することにより、得られる
無定形含水珪酸化合物粉末の粒子構造が通常のものと異
なり、これを用いることにより上記目的が達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、(1) 珪酸化合
物水溶液を加熱・焼成して結晶性珪酸化合物を得る結晶
性珪酸化合物の製造方法において、珪酸化合物水溶液を
パルス衝撃波乾燥して無定形含水珪酸化合物粉末とした
後、これを加熱・焼成して結晶性珪酸化合物とすること
を特徴とする結晶性珪酸化合物の製造方法、(2) パ
ルス衝撃波乾燥の際、二次空気の入口および乾燥排ガス
と乾燥粉末の出口を有する乾燥容器、乾燥容器内部に設
置したパルス性衝撃波を伴う燃焼ガスを発生させるパル
ス燃焼機、および上記燃焼ガス中に乾燥原料を微粒化し
て噴霧する微粒化噴霧器により構成されるパルス衝撃波
乾燥機を用いることを特徴とする前記(1)記載の製造
方法、(3) パルス燃焼機での燃料燃焼量が原料珪酸
化合物水溶液の水分1kg当たり500〜2000kc
al、二次空気の供給量が原料珪酸化合物水溶液の水分
1kg当たり2〜60kg、乾燥時間(滞留時間)が1
〜20秒であることを特徴とする前記(2)記載の製造
方法、(4) 珪酸化合物水溶液の含水率が45〜80
重量%であり、その珪酸化合物の組成が、一般式xM2
O・ySiO2 ・zM’O(但し、MはNa及び/又は
Kを示し、M’はCa及び/又はMgを示し、y/x=
0.5〜3.5、z/x=0〜1.0である。)で表さ
れる前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法、
(5) 無定形含水珪酸化合物粉末が、湿量基準の含水
率で0.1〜28重量%、かさ密度0.1〜0.6kg
/Lである前記(1)〜(4)いずれか記載の製造方
法、(6) 焼成の温度範囲が550〜830℃である
ことを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載の製
造方法、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の結晶性珪酸化合物の製造
方法は、珪酸化合物水溶液を加熱・焼成して結晶性珪酸
化合物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法において、珪
酸化合物水溶液をパルス衝撃波乾燥して無定形含水珪酸
化合物粉末とした後、これを加熱・焼成して結晶性珪酸
化合物とすることを特徴とするものである。
【0012】まず、原料である珪酸化合物水溶液につい
て説明する。用いられる珪酸化合物水溶液の含水率(湿
量基準)は45重量%以上のものが好ましく、より好ま
しくは45〜80重量%である。このような珪酸化合物
水溶液としては、工業的に生産されている珪酸塩水溶液
をそのまま用いることが可能であるが、工業的に生産さ
れている珪酸塩水溶液は通常、珪酸に対するアルカリ金
属濃度が低いので、これに水酸化ナトリウム及び/又は
水酸化カリウム水溶液等を添加してアルカリ金属濃度を
適宜調製したものを用いてもよい。さらにCa、Mgの
供給源としてこれらの水酸化物、塩化物または硝酸塩を
添加した珪酸化合物水溶液であっても使用することがで
きる。
【0013】なお、本発明に用いる珪酸化合物水溶液と
しては、前記珪酸塩水溶液のほか、固体状のオルト珪酸
ナトリウムやメタ珪酸ナトリウムに、ナトリウム又はカ
リウムの、水酸化物、塩化物および硝酸塩、可溶性シリ
カ等の一種または混合物の水溶液を添加して組成調製し
た珪酸化合物水溶液を用いることも可能である。珪酸化
合物水溶液の組成としては、特に制限されるものではな
いが、焼成により生成する結晶性珪酸化合物が、一般式
xM2 O・ySiO2 ・zM’O(但し、MはNa及び
/又はKを示し、M’はCa及び/又はMgを示し、y
/x=0.5〜3.5、z/x=0〜1.0である。)
で表されるものとなるように適宜組成を調整すること
が、製品の有用性の点で好ましい。
【0014】本発明の製造方法は、以上のような珪酸化
合物水溶液をパルス衝撃波乾燥して無定形含水珪酸化合
物粉末とするが、かかるパルス衝撃波乾燥は、例えばパ
ルス衝撃波乾燥機により特定の条件で乾燥することによ
り好適に行われる。
【0015】パルス衝撃波乾燥機とは、二次空気の入口
および乾燥排ガスと乾燥粉末の出口を有する乾燥容器、
乾燥容器内部に設置したパルス性衝撃波を伴う燃焼ガス
を発生させるパルス燃焼機、および上記燃焼ガス中に乾
燥原料を微粒化して噴霧する微粒化噴霧器により構成さ
れる。パルス衝撃波乾燥機の詳細については、化学装
置、6月号(1995年)p.73〜77に記載されてい
る。
【0016】乾燥容器は縦型円筒状あるいは横型筒状の
何れでもよい。縦型の場合、通常、乾燥排ガスと乾燥粉
は円筒下部の1つの出口より排出する。横型の場合は通
常、乾燥容器内に沈降した乾燥粉の出口と乾燥排ガス出
口の2つの出口を設ける。
【0017】二次空気の導入口はパルス燃焼機を冷却し
かつ乾燥温度を調整する目的でパルス燃焼機上流に設け
るのが好ましい。パルス燃焼機は、通常、乾燥に必要な
熱量に応じて1機または複数機を設置する。微粒化噴霧
器としては、パルス性衝撃波を伴う高温の燃焼ガス中に
設置することが可能な一流体スプレーノズル、または二
流体スプレーノズルを使用することができる。微粒化が
不十分であると、乾燥粉を所定の含水率とするために、
より長い乾燥時間が必要となり、より大きな乾燥容器が
必要となることから、二流体スプレーノズルが好まし
い。また、微粒化噴霧器は、通常、パルス燃焼機一台毎
に1器以上設置する。
【0018】上記パルス燃焼乾燥機により珪酸化合物水
溶液から無定形含水珪酸化合物粉末を得る乾燥方法につ
いて、図1を用いて説明する。すなわち、パルス燃焼機
10に燃料と燃焼空気を供給することによりパルス性衝
撃波を伴う1000〜1500℃の燃焼ガスが生成す
る。この燃焼ガス中に微粒化噴霧器20により噴霧され
た珪酸化合物水溶液は、瞬時に初期乾燥される。そし
て、パルス燃焼機の冷却を兼ねて乾燥容器内に二次空気
入口30より導入した空気と混合したガス中で所定の含
水率まで乾燥され、乾燥容器下部の排出口40より乾燥
排ガスと共に排出される。
【0019】このようにして得られる無定形含水珪酸化
合物粉末の含水率は、湿量基準の値で、通常0.1〜2
8重量%、好ましくは5〜24重量%、より好ましくは
10〜22重量%である。この範囲を越えると粘着性の
あるゼリー状の様相を呈し始め、取扱いが難しくなる。
【0020】無定形含水珪酸化合物粉末のかさ密度は、
好ましくは0.1〜0.6kg/L、さらに好ましくは
0.12〜0.4kg/L、0.15〜0.3kg/L
である。この範囲より小さいと、一定の容積を要する加
熱焼成装置内への乾燥粉の充填量が減少して加熱焼成工
程の生産性が低下してしまう。この範囲より大きいと、
加熱焼成時に結晶性珪酸化合物が膨張するために種々ト
ラブルを発生し、加熱焼成工程の生産性を低下させる。
【0021】また、無定形含水珪酸化合物粉末(乾燥粉
末)の含水率およびかさ密度を所定の値にするため、パ
ルス燃焼機での燃料燃焼量、二次空気量、乾燥時間(滞
留時間)等が適宜調整される。
【0022】パルス燃焼機での燃料燃焼量は、原料珪酸
化合物水溶液の水分1kg当たり500〜2000kc
alが好ましく、より好ましくは原料珪酸化合物水溶液
の水分1kg当たり600〜1500kcal、さらに
好ましくは原料珪酸化合物水溶液の水分1kg当たり7
00〜1000kcalである。この範囲より少ない
と、乾燥が不十分となり未乾燥あるいは乾燥粉の含水率
が28重量%より大きくなってしまう。この範囲より多
いと、乾燥されすぎて乾燥粉の嵩密度または含水率が所
定の値より小さくなってしまう。なお、パルス燃焼機用
の燃料としては液化天然ガス、プロパン、灯油、重油等
を使用することができる。
【0023】パルス燃焼機での燃料燃焼用空気量は、燃
料を完全燃焼させるのに必要な理論空気量の1.1〜
1.6倍が好ましい。この範囲外であるとパルス性衝撃
波を発生させることができず、本発明の効果が得られな
い。
【0024】二次空気量としては、原料珪酸化合物水溶
液の水分1kg当たり2〜60kgが好ましく、より好
ましくは原料珪酸化合物水溶液の水分1kg当たり4〜
30kgである。この範囲より少ないと、乾燥されすぎ
て乾燥粉の嵩密度または含水率が所定の値より小さくな
ってしまう。また、パルス燃焼機を十分に冷却すること
ができない。この範囲より多いと、乾燥が不十分となり
未乾燥あるいは乾燥粉の含水率が28重量%より大きく
なってしまう。
【0025】乾燥時間(滞留時間)は、1〜20秒が好
ましく、より好ましくは5〜15秒である。この範囲よ
り短いと、乾燥が不十分となり未乾燥あるいは乾燥粉の
含水率が28重量%より大きくなってしまう。この範囲
より長いと、乾燥されすぎて乾燥粉の嵩密度または含水
率が所定の値より小さくなってしまう。尚、滞留時間は
乾燥機内有効容積、乾燥排ガス量及び排ガス温度より計
算される値である。このように乾燥して得られる含水珪
酸化合物粉末は無定形であり、X線回折で分析してもは
っきりしたピークは観察されない。
【0026】上記乾燥工程により得られた無定形含水珪
酸化合物粉末(被焼成物)を加熱・焼成して結晶性珪酸
化合物とする。加熱・焼成装置としては、特に限定され
ないが、箱型焼成炉、ロータリーキルン、ベルト式トン
ネル炉、バケット式トンネル炉が用いられる。
【0027】焼成の温度範囲としては通常500℃〜ガ
ラス化開始温度、好ましくは結晶性珪酸化合物を収率良
く製造する点から550〜830℃である。この範囲を
越えると、珪酸化合物がガラス化するため結晶化された
珪酸化合物が得られにくい傾向がある。また500℃未
満では無定形含水珪酸化合物の結晶化が不十分となる傾
向がある。
【0028】また、被焼成物を加熱焼成炉内に導入する
と、被焼成物は120〜140℃で被焼成分中の水分が
脱水された後、所定の焼成温度まで昇温される。この加
熱脱水時間は被焼成物の含水率により異なるが、生産性
を向上するため加熱温度を調整してなるべく短時間にす
るのが望ましい。但し、下限値としては10分以上、よ
り好ましくは30分以上である。加熱脱水時間が10分
より短いと加熱脱水中に被焼成物が膨張するために種々
トラブルを発生し、加熱焼成工程の生産性を低下させ
る。
【0029】所定の焼成温度での保持時間、即ち加熱結
晶化時間としては20分〜10時間が好ましく、より好
ましくは30分〜5時間である。この範囲より短いと結
晶化反応が不十分となり、結晶性珪酸化合物を得ること
ができない。この範囲を越えると生産性が低下する傾向
がある。以上のようにして得られる結晶性珪酸化合物を
X線回折により分析すると、その結晶相に応じて特定の
ピークが観察される。
【0030】本発明の結晶性珪酸化合物の製造方法よる
と、従来の熱風式噴霧乾燥法による乾燥粉末を用いた場
合と比較して、乾燥粉末の含水率および加熱条件が同じ
であっても加熱焼成工程における加熱脱水時間が従来の
約半分の時間となる。その理由は明らかではないが、次
の如く考えることができる。即ち、従来の熱風式噴霧乾
燥による乾燥粉末は中空の球状粒子であるのに対して、
本発明による方法では、衝撃波を有し、かつ1000〜
1500℃の燃焼ガス中で急激な初期乾燥が行われるた
め、中空の球状粒子に大きな孔が生じていたり、また、
中空の球状粒子が破裂して生じたような鱗片状粒子より
なっている。さらに、乾燥速度が速いためより緻密な脱
水孔が無定形含水珪酸化合物中に多数形成されているも
のと考えられる。このため、従来の乾燥粉を用いるより
も焼成工程における加熱脱水速度が速くなるものと考え
られる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0032】実施例1珪酸化合物水溶液の調製 3号水ガラス(大阪珪曹社製、3号K)921kgを1
000L攪拌槽に仕込み、常温にて攪拌下48%NaO
H水溶液(東ソー社製)266kg及びCa(OH)2
(土佐石灰製)30重量%水スラリー113kgを投入
した。3時間攪拌して珪酸化合物水溶液(白濁スラリ
ー)1300kgを得た。この水溶液の含水率(湿量基
準)は62重量%であった。
【0033】パルス衝撃波乾燥 図1に示すようなパルス衝撃波乾燥機(大阪富士工業
(株)製、塔径:2m、塔高(微粒化噴霧機〜排出口の
長さ):6m、微粒化噴霧機:二流体ノズル(スプレー
イングシステムジャパン社製))により、珪酸化合物水
溶液を原料供給速度460kg/hr、パルス燃焼機燃
焼量が原料水溶液の水分1kg当たり900kcal、
二次空気量が原料中の水分1kg当たり13kgの条件
で乾燥した。その結果、かさ密度が0.25kg/L、
含水率20重量%の乾燥粉末を211kg/hrで回収
することができた。なお、この時、乾燥排ガス温度11
0℃、滞留時間9秒(乾燥機内有効容積、乾燥排ガス量
及び排ガス温度より計算した)であった。
【0034】加熱・焼成 この乾燥粉末10kgをバケット(500×500×2
00mm、SUS310S製)に仕込み、これを熱風循
環炉(モトヤマ社製、炉内寸法600×600×600
mm)に入れ、熱風温度600℃、加熱結晶化時間(被
焼成物を600℃で保持する時間)2.0時間で加熱・
焼成した。この時、加熱脱水時間(被焼成物が600℃
になるまでの時間)は2.0時間であった。この結果8
kgの製品を得た。
【0035】実施例2 実施例1と同じ操作により珪酸化合物水溶液を調製し
た。パルス衝撃波乾燥はパルス燃焼機燃焼量が原料水溶
液の水分1kg当たり800kcal、二次空気量が原
料中の水分1kg当たり12kgの条件とする以外は実
施例1と同様の条件で乾燥した。その結果、かさ密度が
0.23kg/L、含水率が20重量%の乾燥粉末を2
09kg/hrで回収することができた。なお、この
時、乾燥排ガス温度102℃、滞留時間12秒であっ
た。この乾燥粉末10kgを実施例1と同様の条件で加
熱・焼成した。この時、加熱脱水時間は2.0時間であ
った。この結果8kgの製品を得た。
【0036】実施例3 実施例1と同じ操作により珪酸化合物水溶液を調製し
た。パルス衝撃波乾燥は、パルス燃焼機燃焼量が原料水
溶液の水分1kg当たり1200kcal、二次空気量
が原料中の水分1kg当たり29kgの条件とする以外
は実施例1と同様の条件で乾燥した。その結果、かさ密
度0.40kg/L、含水率21重量%の乾燥粉末を2
14kg/hrで回収することができた。なお、この
時、乾燥排ガス温度107℃、滞留時間5秒であった。
この乾燥粉末15kgを実施例1と同様の条件で加熱・
焼成した。この時、加熱脱水時間は2.7時間であっ
た。この結果11.9kgの製品を得た。
【0037】比較例1 実施例1と同じ操作により珪酸化合物水溶液を調製し
た。この珪酸化合物水溶液を噴霧乾燥機(大川原化工機
社製、塔径:2.2m、塔高:5.4m、微粒化噴霧
機:回転円盤アトマイザー)により、原料供給速度10
0kg/hr、熱風温度260℃、排ガス温度125℃
の条件で乾燥した。その結果、かさ密度0.21kg/
Lで含水率20重量%の乾燥粉末を46kg/hrで回
収することができた。なお、この時、滞留時間は36秒
であった。この乾燥粉末10kgを実施例1と同様の条
件で加熱・焼成した。この時、加熱脱水時間は3.5時
間であった。この結果8kgの製品を得た。
【0038】比較例2 実施例1と同じ操作により珪酸化合物水溶液を調製し
た。噴霧乾燥方法として、原料供給速度90kg/h
r、熱風温度240℃、排ガス温度120℃の条件とす
る以外は比較例1と同様の条件で乾燥した。その結果、
かさ密度0.35kg/L、含水率21重量%の乾燥粉
末を42kg/hrで回収することができた。なお、こ
の時、滞留時間は36秒であった。この乾燥粉末15k
gを実施例1と同様の条件で加熱・焼成した。この時、
加熱脱水時間は4.9時間であった。この結果11.9
kgの製品を得た。
【0039】実施例1〜3および比較例1〜2の製品を
X線回折装置で分析したところ、何れも結晶化した珪酸
化合物Na2 O・1.5SiO2 ・0.15CaOであ
った。また、含水率は何れも0重量%であった。尚、本
実施例中の含水率はすべて700℃/1hrでの強熱原
料より求め、かさ密度は100ccメスシリンダーにて
タッピングせずに測定した値である。
【0040】
【発明の効果】本発明の結晶性珪酸化合物の製造方法に
よると、無定形含水珪酸化合物粉末(乾燥粉末)を加熱
焼成する場合に、従来の熱風式噴霧乾燥法による乾燥粉
末を用いた場合と比較して、両者の乾燥粉末の含水率お
よび加熱条件が同じであっても加熱焼成工程における加
熱脱水時間が従来の約半分の時間となり、このため、焼
成工程の熱負荷を軽減し、また生産性を向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に用いられるパルス衝撃波乾燥機
の一例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 珪酸化合物水溶液 2 噴霧用空気 3 燃焼用燃料 4 燃焼用空気 5 二次空気 6 乾燥排ガスと乾燥粉末 10 パルス燃焼機 20 微粒化噴霧器 30 二次空気の入口 40 乾燥排ガスと乾燥粉末の出口 50 乾燥容器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸化合物水溶液を加熱・焼成して結晶
    性珪酸化合物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法におい
    て、珪酸化合物水溶液をパルス衝撃波乾燥して無定形含
    水珪酸化合物粉末とした後、これを加熱・焼成して結晶
    性珪酸化合物とすることを特徴とする結晶性珪酸化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 パルス衝撃波乾燥の際、二次空気の入口
    および乾燥排ガスと乾燥粉末の出口を有する乾燥容器、
    乾燥容器内部に設置したパルス性衝撃波を伴う燃焼ガス
    を発生させるパルス燃焼機、および上記燃焼ガス中に乾
    燥原料を微粒化して噴霧する微粒化噴霧器により構成さ
    れるパルス衝撃波乾燥機を用いることを特徴とする請求
    項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 パルス燃焼機での燃料燃焼量が原料珪酸
    化合物水溶液の水分1kg当たり500〜2000kc
    al、二次空気の供給量が原料珪酸化合物水溶液の水分
    1kg当たり2〜60kg、乾燥時間(滞留時間)が1
    〜20秒であることを特徴とする請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 珪酸化合物水溶液の含水率が45〜80
    重量%であり、その珪酸化合物の組成が、一般式xM2
    O・ySiO2 ・zM’O(但し、MはNa及び/又は
    Kを示し、M’はCa及び/又はMgを示し、y/x=
    0.5〜3.5、z/x=0〜1.0である。)で表さ
    れる請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 無定形含水珪酸化合物粉末が、湿量基準
    の含水率で0.1〜28重量%、かさ密度0.1〜0.
    6kg/Lである請求項1〜4いずれか記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 焼成の温度範囲が550〜830℃であ
    ることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007308826A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Kao Corp 洗濯用スベリ性改善剤造粒物
JP2014111520A (ja) * 2006-07-13 2014-06-19 Sued-Chemie Ip Gmbh & Co Kg ナノ結晶金属酸化物の製造方法

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