JPH09175311A - エアバッグ装置用ガス発生装置 - Google Patents

エアバッグ装置用ガス発生装置

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JPH09175311A
JPH09175311A JP7343884A JP34388495A JPH09175311A JP H09175311 A JPH09175311 A JP H09175311A JP 7343884 A JP7343884 A JP 7343884A JP 34388495 A JP34388495 A JP 34388495A JP H09175311 A JPH09175311 A JP H09175311A
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JP
Japan
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gas
igniter
pressure vessel
pressure
pressure container
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JP7343884A
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English (en)
Inventor
Seiji Yamamori
森 清 司 山
Yoshikazu Kawachi
内 義 和 河
Shigeru Takeyama
山 茂 武
Yasushi Usui
井 康 碓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Morita Miyata Corp
Original Assignee
Miyata Industry Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性ガス体を高速燃焼させ、燃焼ガスを効
率よくしかもエアバッグに素早く送り込むエアバッグ装
置用ガス発生装置を提供すること。 【解決手段】 ガス注入口7およびガス出口9を有し内
部に可燃性ガス体8が封入される圧力容器5と、ガス出
口を封止する封止部材13と、圧力容器内の可燃性ガス
体に点火する点火器6と、前記圧力容器を収容し、エア
バッグ3に燃焼ガス8aを供給する複数のガス供給穴4
を有するガス拡散容器2とを備え、点火器には圧力容器
内の複数箇所で点火動作を行なう複数の点火部材19を
設けた。圧力容器内の可燃性ガス体が点火器により複数
の箇所で同時に着火され、燃焼ガスによりガス圧力が所
定の値まで高まったときに封止部材が破断されて、燃焼
ガスを噴出させ、燃焼ガスをエアバッグに素早く送るの
で、応答速度が速く、信頼性の高いエアバッグ装置用ガ
ス発生装置を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両等に搭載され
て、衝突時に乗員と車内部材との間に介在するエアバッ
グに高圧ガスを注入して膨らませることにより乗員を保
護するエアバッグ装置用ガス発生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグ装置用ガス発生装置
は、使用するガスとして圧縮された窒素ガスやアルゴン
ガス等の不活性ガスが用いられていたが、可燃性ガス体
を用いるエアバッグ装置用ガス発生装置が特開平5−2
78554号公報に開示されている。これは、圧力容器
内に収容された可燃性ガス体に対し、一方の端面側から
着火して燃焼させ、燃焼による温度上昇によりガス圧力
が増加すると、その圧力により圧力容器の他方の端面が
破壊されて、燃焼ガスがエアバッグ内に流れてエアバッ
グを膨脹させるようにしたものであり、初期応答速度の
速いエアバッグ装置を実現することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された装置では、圧力容器内の可燃性ガス体に
着火する初期の状態では、圧力容器内のガスのうち、点
火器側のガスは燃焼するが、その反対の他方の端面側の
ガスは燃焼しにくい傾向にあり、可燃性ガス体の有効利
用が図りにくいという問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、可燃性ガス体を高速で燃焼させ、燃焼ガ
スを効率よくしかもエアバッグに素早く送り込むことが
できるエアバッグ装置用ガス発生装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、可燃性ガス体を注入するガス注入口およ
び燃焼ガスを流出させるガス出口を有し内部に可燃性ガ
ス体が封入される圧力容器と、ガス出口を封止する封止
部材と、圧力容器に取り付けられ前記圧力容器内の可燃
性ガス体に点火する点火器と、前記圧力容器を収容する
とともに、エアバッグにガスを供給するための複数のガ
ス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、さらに、点火
器には圧力容器内の複数箇所で点火動作を行なう複数の
点火部材を設けたことを要旨とするものである。
【0006】かかる構成により、圧力容器内の可燃性ガ
ス体が点火器により複数の箇所で同時に着火せしめられ
ると、燃焼したガスによりガス圧力が急激に高まり、所
定の圧力になったときに封止部材がバースト破断して圧
力容器のガス出口を開放させ、燃焼ガスを噴出させるの
で、燃焼ガスをエアバッグに素早く送ることができ、応
答速度の速い、信頼性の高いエアバッグ装置用ガス発生
装置を実現することができる。
【0007】本発明の別の形態では、可燃性ガス体に着
火して燃焼させ、燃焼による温度上昇によりガス圧力を
増加させたガス体をエアバッグ内に導入して膨脹させる
エアバッグ装置用ガス発生装置において、前記可燃性ガ
ス体を収容する圧力容器と、前記圧力容器のガス出口端
に当接配置され点火部を圧力容器内に設置した点火器
と、圧力容器と点火器との当接部に巻装され前記当接部
を機密に保持する封止部材と、前記圧力容器を収容する
とともに、エアバッグにガスを供給するための複数のガ
ス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、点火器は可燃
性ガス体に点火する点火部材と、複数の通し穴を有し点
火部材を覆う筒体とを備えていることを要旨とする。
【0008】かかる構成により、圧力容器内の可燃性ガ
ス体が点火器により着火せしめられると、筒体の触媒作
用により可燃性ガス体の燃焼が促進され、燃焼したガス
によりガス圧力が急激に高まり、所定の圧力になったと
きに封止部材がバースト破断して圧力容器のガス出口を
開放させ、燃焼ガスを噴出させるので、燃焼ガスをエア
バッグに素早く送ることができ、応答速度の速い、信頼
性の高いエアバッグ装置用ガス発生装置を実現すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、可燃性ガス体を注入するガス注入口および燃焼ガス
を流出させるガス出口を有し内部に可燃性ガス体が封入
される圧力容器と、ガス出口を封止する封止部材と、前
記圧力容器に取り付けられ前記圧力容器内の可燃性ガス
体に点火する点火器と、前記圧力容器を収容するととも
に、エアバッグにガスを供給するための複数のガス供給
穴を有するガス拡散容器とを備え、前記点火器には前記
圧力容器内の複数箇所で点火動作を行なう複数の点火部
材が設けられており、圧力容器内の可燃性ガス体が点火
器により複数の箇所で同時に着火せしめられ、高速・高
効率で燃焼するという作用を有する。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、点火
器は、圧力容器の一端部から前記圧力容器の反対側端部
まで対になって延びる中心電極および接地電極と、前記
電極の双方の長手方向に沿って所定の間隔をおいて両電
極間に接続された複数の抵抗発熱体とを備えており、こ
れら複数の抵抗発熱体によって圧力容器内の可燃性ガス
体が点火器により複数の箇所で同時に着火せしめられ、
高速・高効率で燃焼するという作用を有する。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、可燃性
ガス体に着火して燃焼させ、燃焼による温度上昇により
ガス圧力を増加させたガス体をエアバッグ内に導入して
膨脹させるエアバッグ装置用ガス発生装置において、前
記可燃性ガス体を収容する圧力容器と、前記圧力容器の
ガス出口端に当接配置され点火部を圧力容器内に設置し
た点火器と、前記圧力容器と点火器との当接部に巻装さ
れ前記当接部を気密に保持する封止部材と、前記圧力容
器を収容するとともに、エアバッグにガスを供給するた
めの複数のガス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、
前記点火器には圧力容器内の複数箇所で点火動作を行な
う複数の点火部材が設けられており、圧力容器内の可燃
性ガス体が点火器により複数の箇所で同時に着火せしめ
られると、燃焼したガスによりガス圧力が急激に高ま
り、所定の圧力になったときに封止部材がバースト破断
して圧力容器のガス出口を開放させ、燃焼ガスを噴出さ
せるので、高効率に燃焼させながら燃焼ガスをエアバッ
グに素早く送ることができるという作用を有する。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
3記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、圧力
容器のガス出口端部と反対側の端部には可燃性ガス体を
注入するガス注入口が設けられ、点火器は、圧力容器の
ガス出口端部から反対側のガス注入口付近まで対になっ
て延びる中心電極および接地電極と、前記電極の双方の
長手方向に沿って所定の間隔をおいて両電極間に接続さ
れた複数の抵抗発熱体とを備えた構成とし、可燃性ガス
体が圧力容器の中心を通る直線状の径路に沿った複数の
箇所で同時に着火せしめられ、高速で且つ効率よく燃焼
するという作用を有する。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
4記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、圧力
容器のガス注入口はガス充填用プラグによって封栓さ
れ、点火器の二つの電極の少なくともいずれか一方には
先端に係止部が設けられ、係止部をガス充填用プラグに
係合させている構成とし、長寸法の電極をほぼ水平に保
った状態で、可燃性ガス体が圧力容器の中心を通る直線
状の径路に沿った複数の箇所で同時に着火せしめられ、
安全且つ確実に、高速で且つ効率よく燃焼するという作
用を有する。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、可燃性
ガス体に着火して燃焼させ、燃焼による温度上昇により
ガス圧力を増加させたガス体をエアバッグ内に導入して
膨脹させるエアバッグ装置用ガス発生装置において、前
記可燃性ガス体を収容する圧力容器と、前記圧力容器の
ガス出口端に当接配置され点火部を圧力容器内に設置し
た点火器と、前記圧力容器と点火器との当接部に巻装さ
れ前記当接部を機密に保持する封止部材と、前記圧力容
器を収容するとともに、エアバッグにガスを供給するた
めの複数のガス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、
前記点火器は可燃性ガス体に点火する点火部材と、複数
の通し穴を有し点火部材を覆う筒体とを備えた構成と
し、圧力容器内の可燃性ガス体が点火器により着火せし
められると、筒体の触媒作用により可燃性ガス体の燃焼
が促進されるという作用を有する。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
6記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、点火
器の点火部材は複数のスリットを有する筒体によって覆
われている構成とし、可燃性ガス体の高速燃焼に当たっ
て触媒作用がより発揮されるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
6記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、点火
器の点火部材はメッシュ材から構成された筒体によって
覆われている構成とし、可燃性ガス体の高速燃焼に当た
って触媒作用がより発揮されるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
6乃至8のいずれかに記載のエアバッグ装置用ガス発生
装置において、筒体は、圧力容器の点火器設置部分から
圧力容器の反対側の端部まで筒状に延びている構成と
し、可燃性ガス体の高速燃焼に当たって触媒作用が圧力
容器の広い部分にわたって発揮されるという作用を有す
る。
【0018】本発明の請求項10に記載の発明は、圧力
容器の点火器設置部分と反対側の端部には可燃性ガス体
を注入するガス注入口が設けられ、筒体は、圧力容器の
点火器設置部分からガス注入口部分まで筒状に延びてい
る構成とし、可燃性ガス体の高速燃焼に当たって触媒作
用が圧力容器の中心に沿った広い部分にわたって効果的
に発揮されるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項10記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、
圧力容器のガス注入口はガス充填用プラグによって封栓
され、筒体の先端は前記ガス充填用プラグに係合されて
いる構成とし、可燃性ガス体の高速燃焼に当たって触媒
作用が圧力容器の中心に沿った広い部分にわたって効果
的に発揮されるとともに筒体の構成をより簡単にできる
という作用を有する。
【0020】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項11記載のエアバッグ装置用ガス発生装置において、
点火器は、圧力容器のガス出口端部から反対側のガス注
入口付近まで対になって延びる中心電極および接地電極
と、前記電極の双方の長手方向に沿って所定の間隔をお
いて両電極間に接続された複数の抵抗発熱体とを備え、
前記点火器の二つの電極の少なくともいずれか一方には
先端に係止部が設けられ、係止部をガス充填用プラグに
係合させている一方、筒体の先端はガス注入口の管部外
周に係合されている構成とし、可燃性ガス体が圧力容器
の中心を通る直線状の径路に沿った複数の箇所で同時に
着火せしめられることと、触媒作用が圧力容器の中心に
沿った広い部分にわたって効果的に発揮されることとが
相俟って、安全な状況の下で可燃性ガス体がきわめて高
速で且つ効率よく燃焼するという作用を有する。
【0021】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実
施の形態におけるエアバッグ装置用ガス発生装置の構成
を示す断面図である。図1において、1はガス発生装置
の全体を示す。2はガス発生装置1の外郭を構成する有
底四角筒形状のガス拡散容器であり、その一側面には、
エアバッグ3が取り付けられるとともに、ガス拡散容器
2の内部とエアバッグ3の内部とを連通させる複数のガ
ス供給穴4が形成されている。エアバッグ3は常態では
折り畳まれている。5は密閉円筒形状の圧力容器であ
り、ガス拡散容器2内に固定配置されている。6は圧力
容器5の一端部(こちらを前方端部とする)に設けられ
た点火器であり、本実施の形態においては、図示しない
衝撃センサまたは減速度センサ回路からの信号により電
気的に作動し可燃性ガス体8を燃焼させるタイプのもの
が使用されている。
【0022】ここで、圧力容器5は、その前方端部に、
この圧力容器5の本体部分よりも小径のガス出口9を有
し、他端部(こちらを後方端部とする)にはプラグ取付
け孔が形成され、このプラグ取付け孔に可燃性ガス体8
を充填するためのガス注入口7を備えたガス充填用プラ
グ30が取り付けられている。図2は点火器6の概略構
成を表す部分断面正面図である。この図から明らかなよ
うに、点火器6は、着火源を生成させるための中心電極
17と、中心電極17と対をなす接地電極18と、これ
ら中心電極17と接地電極18との間に接続された点火
部材としての抵抗発熱体19と、中心電極17を支持す
る一方で接地電極18とは一体的に作製されるシェル1
4とから構成され、シェル14のつば部15から電極1
7、18の根元部分に至る範囲にわたってシェル14お
よび電極17、18部分を覆う筒体29が設けられてい
る。上記中心電極17および接地電極18は、図1に示
されているように、点火器6が圧力容器5に当接されて
いる部分、すなわち圧力容器5の一端部分であるガス出
口9の部分から、圧力容器5の反対側端部まで対になっ
て延びている。
【0023】圧力容器5の上記反対側端部にはプラグ取
付け孔が形成され、このプラグ取付け孔に可燃性ガス体
8を充填するためのガス注入口7を備えたガス充填用プ
ラグ30が取り付けられている。したがって、ガス充填
用プラグ30は燃焼ガス8の注入に使用され、またガス
注入口7の封栓にも使用される。ガス充填用プラグ30
は圧力容器5の外側からプラグ取付け孔へ差し込まれ、
その先端は圧力容器5の内側まで延びている。そして、
上記中心電極17および接地電極18は、ガス充填用プ
ラグ30の先端部分まで延びている。このような、二つ
の長寸法の電極17、18の間には、これら二つの電極
17、18の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数
の抵抗発熱体19が接続されており、また複数の電極保
持材44が所定の間隔をおいて設けられている。この実
施の形態においては、上記複数の抵抗発熱体19と電極
保持材44とは所定の間隔をおいて交互に配置されてい
るが必ずしも交互に設けなくてもよい。
【0024】また中心電極17と設置電極18とのうち
少なくともいずれか一方には先端には係止部としての係
止リング45が設けられ、この係止部リング45がガス
充填用プラグ30の先端部分に係合されている。この実
施の形態においては接地電極18の先端に係止リング4
5が設けられている。係止リング45は、この実施の形
態では図2に示すように円環状構造に成形されている
が、例えば矩形や三角形状であってもよく、また環状以
外の、切欠構造(例えばC字形のような)であってもよ
く、先方にある被係合部(上の例ではガス充填用プラグ
30)に引っ掛け係合し得る形状であれば何でもよい。
上記中心電極17および接地電極18は図1に示された
点火回路26に接続される。この点火回路26は電源2
7とスイッチ28とを有しており、上に述べた衝撃セン
サまたは減速度センサ回路からの信号によりスイッチ2
8が閉動作し中心電極17および接地電極18間の抵抗
発熱体19に電流を導通する。
【0025】なお、電源27には、一般的には自動車の
バッテリが電源に用いられるから、上記電流は直流電流
である。シェル14は、段階的に径が変化する棒状体か
ら成り、根元部分に テーパ部16が設けられた軸部
と、軸部の根元部分において半径方向外方へ延びたつば
部15とを有し、中心電極17を、当該シェル14の中
心部分に絶縁体20の介在の下に支持固定している。中
心電極17は(+)電極になっておりセラミック等の絶
縁体20によりハーメチックシールされている。抵抗発
熱体19には、例えばタングステン、ニクロム、インコ
ネル合金(インコ社製)、ステンレススチール等の高抵
抗材質から成るフィラメントが用いられ、この抵抗発熱
体19は溶接又はカシメ等の方法によって両電極17、
18間に取り付けられている。またこの点火器6には軸
部を挿通させ、両電極17、18の先端側へ開口した筒
体29が設置されている。またシェル14の軸部に設け
られたテーパ部16は軸部前側からつば部15にかけて
次第に拡径する構成を有している。さらにシェル14の
前端にはおねじ21が成形されている。
【0026】可燃性ガス体8としては、不活性ガスと燃
料ガスと酸化剤ガスとを含むものが使用される。不活性
ガスは、窒素もしくはアルゴン、または窒素とアルゴン
の混合物が好ましい。燃料ガスは、水素もしくはメタ
ン、または水素とメタンの混合物が好ましい。酸化ガス
は、酸素が好ましい。可燃性ガス体8として、不活性ガ
スを含まず、燃料ガス濃度を薄くし、酸化ガスの量を燃
料ガスを燃焼させるのに必要な量よりも十分多くした混
合ガスを使用することができる。
【0027】この実施の形態において、点火器6は、圧
力容器5のガス出口9の開口端に取り付けられる。より
具体的には、点火器6のシェル14の後端が先ずガス出
口9の開口端に軸方向(図1中左右方向)に当接され
る。このとき、点火器6と圧力容器5とが軸方向に対し
て直角の方向に相対的にずれないように、一方の当接面
に凸部、他方の当接面に対応する凹部を設けておくこと
が好ましい。これにより、点火器6の中心電極17およ
び接地電極18の先端部分、すなわち点火部はガス出口
9の小径部分の中を通って圧力容器5内へ延びる。次
に、圧力容器5と点火器6との当接部に封止部材13を
巻装する。この封止部材13は、圧力容器5と点火器6
との当接部に対して圧力容器5側の部位、すなわち小径
部分の外周の部位と点火器側の部位、すなわちつば部1
5の後方のシェル14の外周の部位とでそれぞれ圧力容
器および点火器に溶接により固着される。かかる溶接
は、上記圧力容器5の小径部分の外周およびシェル14
の外周の全周にわたって行なわれ対応する部位には溶接
部40および溶接部41が形成される。これにより、圧
力容器5内の可燃性ガス体8が圧力容器5と点火器6と
の当接部の隙間を通って圧力容器5外へ漏れ出ることは
ない。なお、封止部材13の取付はかしめ、或いはろう
付けの方法によってもよい。
【0028】点火器6は、すでに述べた通り、外部を筒
体29によって覆われる。筒体29は、その係止部が点
火器6のつば部15の平らな面の一部に接着又は溶接で
固定される。この状態でディフューザ10をさらに筒体
29の外から被せるように取り付け、このディフューザ
10を溶接部42において圧力容器5に溶接して固定取
り付けする。この状態において、点火器6は、ディフュ
ーザ10内において、つば部15がこのディフューザ1
0の内周面に摺動運動可能に係合する一方、シェル14
の軸部が点火器挿入孔22に摺動運動可能に係合するこ
とにより、全体としてディフューザ10内に摺動運動可
能に配置されている。こうして、圧力容器5、点火器
6、筒体29およびディフューザ10が一体的に組み付
けられる。その後、圧力容器5にはガス充填プラグ30
のガス注入口7から可燃性ガス体8が注入されガス充填
用プラグ30によって栓がされる。このとき、上記点火
器6の接地電極18の先端に設けられた係止リング45
がガス充填用プラグ30の先端部分に引っ掛け係合され
る。これにより、長寸法の電極17、18を圧力容器5
内でほぼ水平を保った状態で保持することができ、電極
17、18が下方へ撓んで圧力容器5の壁面に接触し損
傷するというような事故はなくなり安全な状態が保たれ
る。ガス充填用プラグ30は溶接部43において、圧力
容器5に溶接される。また、ガス充填用プラグ30の後
端部分にはおねじ38が形成されている。
【0029】以上のようにして一体的に組み付けられた
圧力容器5、点火器6、筒体29およびディフューザ1
0は、前方端部においては、点火器のシェル14の先端
をガス拡散容器2の側面に形成された取付穴31に通し
てガス拡散容器2への取り付けが行なわれる。このと
き、点火器6或いはディフューザ10とガス拡散容器2
の側壁との間にはワッシャ23と緩衝材24とが装填さ
れる。緩衝材24は発泡プラスチックスや動植物、金属
等の繊維状マット等で形成され、衝撃の緩和、或いは振
動防止材としての効果を有する。そして、シェル14の
先端に設けられたおねじ21に固定ナット25がねじ込
まれこの部分における取り付けが行なわれる。他方、後
方端部においては、ガス充填用プラグ30の後端をガス
拡散容器2の後側面に形成された取付穴32に通し、ガ
ス充填用プラグ30の後端に設けられたおねじ38に固
定ナット33がねじ込まれこの部分における取り付けが
行なわれる。以上の操作により、圧力容器5の取り付け
が完了する。
【0030】図3には筒体29の各種事例が斜視図で示
されている。図3(a)の筒体29は薄い金属板を成形
して作製された薄板円筒34の側面に、この薄板円筒3
4の軸方向に延びる複数のスリット35を成形して成る
ものである。図3(b)の筒体29はメッシュ材料によ
り作製されたメッシュ円筒36によって構成されてい
る。いずれの筒体29も完全な筒形状ではなく、一端は
開口になっている一方、他端は点火器6のつば部15に
係止取り付けされるための半径方向内方に延びた係止部
を有している。筒体29は燃焼ガスを冷却する効果、封
止部材13の破片等のゴミを捕獲する効果があり、さら
には、材質の選定により、未燃焼ガスを完全燃焼させる
燃焼触媒の効果をもたせることも可能である。
【0031】図4には、ディフューザ10の具体的な構
造例が分解斜視図で示してある。このディフューザ10
は、全体としては一端が開口、他端が閉塞された筒状、
すなわちキャップ構造を有し、閉塞端面には点火器挿入
孔22が開設されている。またディフューザ10の側面
には複数のガス噴出口11が開設されるとともに、上記
側面のガス噴出口11よりも前方(閉塞端面寄り)の位
置にはエア抜き小孔12が形成されている。ディフュー
ザ10は、このディフューザ10を任意の直径によって
軸方向へ切断した分割構造を有してい る。したがっ
て、上記ディフューザ10の圧力容器5および点火器6
への組み付け時は、ディフューザ10の各分割体を半径
方向外方から組み合わせ合体し、その後溶接を施しても
よい。また、ディフューザ10は上記のような分割体で
なく、一体構造であってももちろんかまわない。
【0032】図5には、封止部材13の具体的な構造例
が斜視図で示してある。この封止部材は、リング構造の
ベルト部材から構成され、その軸方向ほぼ中央部分に
は、この封止部材13が同じ部位において破断するよ
う、外周方向へ延びる溝部37が形成されている。溝部
37の形状は各種のものが考えられ、図6にはその一部
の事例が部分断面図で示してある。図6(a)に示す溝
部37aは半円断面を有しており、図6(b)に示す溝
部37bはV字形断面を有しており、図6(c)に示す
溝部37cは矩形断面を有しておいる。これらの他にも
各種断面形状の溝部37が考えられる。また、上記溝部
37の深さ、或いは幅寸法を種々調整することにより封
止部材13の耐圧力を種々変えることができる。また溝
部37は連続した構造であっても、或いは破線状の構造
(つまり、途切れ構造)になっていてもよい。
【0033】次に、上記実施の形態における動作につい
て説明する。圧力容器5内にはガス注入口7から可燃性
ガス体8が加圧状態で封入されている。車両が衝突等に
より急速に減速すると、衝撃センサまたは減速センサか
らの信号により点火回路26のスイッチ28が閉結
し、図7に示すように中心電極17と接地電極18間に
電流が導通され(電流の流れを矩形信号で表してい
る)、点火器6が動作して圧力容器5内の可燃性ガス体
8に点火する。この点火動作に際しては、点火器6にお
いて、中心電極17および接地電極18が圧力容器5内
の対向端部に設けられたガス充填用プラグ30の先端部
分まで延びており、またこのような、二つの長寸法の電
極17、18の間には、これら二つの電極17、18の
長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の抵抗発熱体
19が接続されている構造となっているから、抵抗発熱
体19による可燃性ガス体8への点火(或いは着火)は
圧力容器5内の複数箇所で同時に行なわれることにな
る。すなわち、この実施の形態においては、可燃性ガス
体8は圧力容器5の中心を通る直線状の経路に沿った複
数の箇所で同時に着火せしめられる。これにより、圧力
容器5内の可燃性ガス体8が高速で且つ効率よく燃焼
し、大量の燃焼ガス8aが短時間で生成される。
【0034】この可燃性ガス体8の燃焼により圧力容器
5内の温度が上昇すると、圧力容器5内のガス圧力が増
大し、このガス圧力が所定の値に達すると、圧力容器5
と点火器6との当接接続部に設けられた封止部材13が
バースト破壊されて点火器6が前方へ押し出され、圧力
容器5のガス出口9が開く。加圧された燃焼ガス8a
は、ガス出口9から図7中矢印の方向へ流出しディフュ
ーザ10の中へ入るとともに、このディフューザ10の
ガス噴出口11からガス拡散容器2内へ入り、さらにガ
ス供給穴4を通ってエアバッグ3内に導入され、エアバ
ッグ3を膨脹させる。
【0035】封止部材13のバースト破壊によって点火
器6が前方へ押し出されるとき、点火器6のシェル14
はディフューザ10内を前方へスライド運動するが、こ
の前進運動は緩衝材24が受け止めることによって急激
な運動が緩和される。また、シェル14の軸部がディ
フューザ10の点火器挿入孔22を通過するとき、軸部
に設けられたテーパ部16が上記点火器挿入孔22に固
く嵌合することにより点火器6が跳ね返って後退し圧力
容器5のガス出口を塞ぐことはない。また、ディフュ−
ザ10の肩の箇所に小さなエア抜き小孔12を設けてあ
るため、点火器6の移動によって圧縮されたガスによる
反発を防止し、点火器6の前進移動をスムーズに行なわ
せる。
【0036】(実施の形態2)次に本発明の第2の実施
の形態について説明する。図8は本発明の第2の実施の
形態におけるエアバッグ装置用ガス発生装置の構成を示
す正面断面図である。この実施の形態に係るガス発生装
置50では、点火器6は、シェル14から比較的短い寸
法(圧力容器5のガス出口9から容器本体に差しかかる
位の長さ寸法)だけ圧力容器5内に向けて延びる中心電
極51と、中心電極51と対をなし中心電極51よりも
わずかに先の方まで圧力容器5内に向けて延びる接地電
極52と、これら中心電極51と接地電極52との間に
接続された可燃性ガス体8に点火する点火部材としての
抵抗発熱体53と、これら中心電極51、接地電極5
2、および抵抗発熱体53、とりわけ点火部材である抵
抗発熱体53の部分を覆う筒体54とを備えて成る。筒
体54は複数の通し穴を有しており、常態において可燃
性ガス体8が筒体54の内外に自由に出入できるように
なっている。この通し穴は目が細かければ細かいほど都
合がよく、その事例としては、先の第1の実施の形態に
おいて図3に例示されたような薄板円筒34の側面に、
この薄板円筒34の軸方向に延びる複数のスリット35
を成形して成るもの、或いはメッシュ材料により作製さ
れたメッシュ円筒36と同じ材質で作製されていてもよ
い。また、ガス発生装置50のその他の部分は上記第1
の実施の形態における構成と同様であるから、同じ部分
には同一の符号を付することにより説明を省略する。
【0037】次に、上記第2の実施の形態に係るガス発
生装置50の動作について説明する。車両が衝突等によ
り急速に減速すると、衝撃センサまたは減速センサから
の信号により点火回路26のスイッチ28が閉結し、中
心電極51と接地電極52間に電流が導通され、点火器
6が動作して圧力容器5内の可燃性ガス体8に点火す
る。この点火動作に際しては、点火器6において、中心
電極51、接地電極52、および抵抗発熱体53が筒体
54によって覆われているから、この筒体54が燃焼触
媒の役割りを果たして可燃性ガス体8の燃焼速度を増大
させたり、或いは未燃焼ガスを完全燃焼させることにな
る。すなわち、この実施の形態においては、可燃性ガス
体8は筒体54の燃焼触媒作用によって着火が増進せし
められる。これにより、圧力容器5内の可燃性ガス体8
が高速で且つ効率よく燃焼し、大量の燃焼ガス8aが短
時間で生成される。
【0038】この可燃性ガス体8の燃焼により圧力容器
5内の温度が上昇すると、圧力容器5内のガス圧力が増
大し、このガス圧力が所定の値に達すると、圧力容器5
と点火器6との当接接続部に設けられた封止部材13が
バースト破壊されて点火器6が前方へ押し出され、圧力
容器のガス出口9が開く。加圧された燃焼ガス8aは、
ガス出口9から矢印の方向へ流出しディフューザ10の
中へ入るとともに、このディフューザ10のガス噴出口
11からガス拡散容器2内へ入り、さらにガス供給穴4
を通ってエアバッグ3内に導入され、エア バッグ3を
膨脹させる。
【0039】(実施の形態3)次に本発明の第3の実施
の形態について説明する。図9は本発明の第3の実施の
形態におけるエアバッグ装置用ガス発生装置の構成を示
す正面断面図である。この実施の形態に係るガス発生装
置60では、点火器6は、シェル14から比較的短い寸
法(圧力容器5のガス出口9から容器本体に差しかかる
位の長さ寸法)だけ圧力容器5内に向けて延びる中心電
極51と、中心電極51と対をなし中心電極51よりも
わずかに先の方まで圧力容器5内に向けて延びる接地電
極52と、これら中心電極51と接地電極52との間に
接続された可燃性ガス体8に点火する点火部材としての
抵抗発熱体53とを有しており、この構成については上
記第2の実施の形態と同様である。
【0040】しかし、第2の実施の形態と異なり、中心
電極51、接地電極52、および抵抗発熱体53を覆う
筒体は、圧力容器の点火器設置部分から圧力容器の反対
側の端部まで筒状に延びる構成となっている。また、筒
体としてはメッシュ材料により構成された筒状メッシュ
61が用いられている。すなわち、図9に示した構成に
基づいて具体的に説明すると、筒状メッシュ61は、圧
力容器5の点火器6設置部分からプラグ取付け孔近傍ま
で筒状に延びており、その先端はプラグ取付け孔に取り
付けられたガス充填用プラグ30の先端部分に係合され
ている構成となっている。なお、ガス発生装置60のそ
の他の部分は上記第1および第2の実施の形態における
構成と同様であるから、同じ部分には同一の符号を付す
ることにより説明を省略する。
【0041】次に、上記第3の実施の形態に係るガス発
生装置60の動作について説明する。車両が衝突等によ
り急速に減速すると、衝撃センサまたは減速センサから
の信号により点火回路26のスイッチ28が閉結し、中
心電極51と接地電極52間に電流が導通され、点火器
6が動作して圧力容器5内の可燃性ガス体8に点火す
る。この点火動作に際しては、点火器6において、中心
電極51、接地電極52、および抵抗発熱体53が筒状
メッシュ61によって覆われているから、この筒状メッ
シュ61が燃焼触媒の役割りを果たして可燃性ガス体8
の燃焼速度を増大させたり、或いは未燃焼ガスを完全燃
焼させることになる。すなわち、この実施の形態におい
ては、可燃性ガス体8は筒状メッシュ61の燃焼触媒作
用によって着火が増進せしめられる。とりわけ本実施の
形態においては、筒状メッシュ61は、圧力容器5の点
火器6取り付け部分から圧力容器5の反対側の端部まで
筒状に延びる構成となっているから、可燃性ガス体8の
高速燃焼に当たって触媒作用が圧力容器5内の広い部分
にわたって効果的に発揮される。これにより、圧力容器
5内の可燃性ガス体8が高速で且つ効率よく燃焼し、大
量の燃焼ガス8aが短時間で生成される。
【0042】この可燃性ガス体8の燃焼により圧力容器
5内の温度が上昇すると、圧力容器5内のガス圧力が増
大し、このガス圧力が所定の値に達すると、圧力容器5
と点火器6との当接接続部に設けられた封止部材13が
バースト破壊されて点火器6が前方へ押し出され、圧力
容器のガス出口9が開く。加圧された燃焼ガス8aは、
ガス出口9から矢印の方向へ流出しディフューザ10の
中へ入るとともに、このディフューザ10のガス噴出口
11からガス拡散容器2内へ入り、さらにガス供給穴4
を通ってエアバッグ3内に導入され、エア バッグ3を
膨脹させる。なお、筒状メッシュ61の先端をガス充填
用プラグ30の先端部分に係合する構成とした場合は、
筒状メッシュ61はその両端で支持されるから、自らを
支える強度は不要となり強度上の要求は軽くなってコス
トを軽減させることができる。
【0043】(実施の形態4)次に本発明の第4の実施
の形態について説明する。図10は本発明の第4の実施
の形態におけるエアバッグ装置用ガス発生装置の構成を
示す正面断面図である。この実施の形態に係るガス発生
装置60では、前記第3の実施の形態において筒状メッ
シュ61を、圧力容器の点火器設置部分から圧力容器の
反対側の端部まで筒状に延びる構成としたことに伴い、
点火器6の電極を長寸法にしたことを特徴としている。
すなわち、この実施の形態の要点は上記第1の実施の形
態の電極と第3の実施の形態の筒状メッシュとを組み合
わせた点にある。そして、電極17、18についてみる
と、中心電極17と設置電極18とのうち設置電極18
には先端には係止リング45が設けられ、この係止部リ
ング45がガス充填用プラグ30の先端部分に係合され
ている。一方、本実施の形態に係る筒状メッシュ71
は、上記電極17、18、抵抗発熱体19および電極保
持材44を外側から覆った状態で、圧力容器5の点火器
6設置部分からプラグ取付け孔近傍まで筒状に延びてい
る。そして、この筒状メッシュ71の先端部分において
は、接地電極18の先端に設けられた係止リング45が
ガス充填用プラグ30の先端部分に係合されているた
め、当該先端部分を他の部分よりも拡径させ、拡径され
た先端をガス注入口の管部外周に係合させる構成となっ
ている。なお、ガス発生装置60のその他の部分は上記
第1、第2、および第3の実施の形態における構成と同
様であるから、同じ部分には同一の符号を付することに
より説明を省略する。
【0044】次に、上記第4の実施の形態に係るガス発
生装置60の動作について説明する。車両が衝突等によ
り急速に減速すると、衝撃センサまたは減速センサから
の信号により点火回路26のスイッチ28が閉結し、中
心電極51と接地電極52間に電流が導通され、点火器
6が動作して圧力容器5内の可燃性ガス体8に点火す
る。この点火動作に際しては、先ず点火器6の電極1
7、18に関して、中心電極17および接地電極18が
圧力容器5内の対向端部に設けられたガス充填用プラグ
30の先端部分まで延びており、またこのよう な、二
つの長寸法の電極17、18の間には、これら二つの電
極17、18の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複
数の抵抗発熱体19が接続されている構造となっている
か ら、抵抗発熱体19による可燃性ガス体8への点火
(或いは着火)は圧力容器5内の複数箇所で同時に行な
われることになる。すなわち、この実施の形態において
は、可燃性ガス体8は圧力容器5の中心を通る直線状の
経路に沿った複数の箇所で同時に着火せしめられる。次
に、筒状メッシュ71に関して、燃焼触媒の役割りを果
たす筒状メッシュ71が圧力容器5の点火器6取り付け
部分から圧力容器5の反対側端部のプラグ取付け孔の部
分まで筒状に延びる構成となっているから、可燃性ガス
体8の高速燃焼に当たって触媒作用が圧力容器5内の広
い部分にわたって効果的に発揮される。
【0045】このように、可燃性ガス体8が圧力容器5
の中心を通る直線状の経路に沿った複数の箇所で同時に
着火せしめられることと、可燃性ガス体8の燃焼を促進
させる触媒作用が圧力容器5の中心に沿った広い部分に
わたって効果的に発揮されることとが相俟って、安全な
状況の下で可燃性ガス体8がきわめて高速で且つ効率よ
く燃焼し、大量の燃焼ガス8aがきわめて短時間で生成
される。この可燃性ガス体8の燃焼により圧力容器5内
の温度が上昇すると、圧力容器5内のガス圧力が増大
し、このガス圧力が所定の値に達すると、圧力容器5と
点火器6との当接接続部に設けられた封止部材13がバ
ースト破壊されて点火器6が前方へ押し出され、圧力容
器のガス出口9が開く。加圧された燃焼ガス8aは、ガ
ス出口9から矢印の方向へ流出しディフューザ10の中
へ入るとともに、このディフューザ10のガス噴出口1
1からガス拡散容器2内へ入り、さらにガス供給穴4を
通ってエアバッグ3内に導入され、エアバッグ3を膨脹
させる。
【0046】以上述べたように、本発明の各実施の形態
においては可燃性ガス体8の燃焼速度の増大が図られて
いるから、この可燃性ガス体8はきわめて短時間で燃焼
して燃焼ガス8aを生成させこの燃焼ガスを素早くエア
バッグ3に供給することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガス注入口およびガス出口を有し内部に可燃性ガス体が
封入される圧力容器と、ガス出口を封止する封止部材
と、圧力容器内の可燃性ガス体に点火する点火器と、前
記圧力容器を収容し、エアバッグに燃焼ガスを供給する
複数のガス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、点火
器には圧力容器内の複数箇所で点火動作を行なう複数の
点火部材を設けたため、圧力容器内の可燃性ガス体が点
火器により複数の箇所で同時に着火され、燃焼ガスによ
りガス圧力が所定の値まで高まったときに封止部材が破
断されて、燃焼ガスを噴出させ、燃焼ガスをエアバッグ
に素早く送ることができ、応答速度が速く、信頼性の高
いエアバッグ装置用ガス発生装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置の構成を表す正面断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置に用いられる点火器の構成を表す部分
断面正面図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置に用いられる筒体の各種事例を示す斜
視図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置に用いられるディフューザの構成を示
す分解斜視図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置に用いられる封止部材を示す斜視図
【図6】図5に示された封止部材の各種構造例を示す部
分断面正面図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置のエアバッグ膨張動作を表す正面断面
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置の構成を表す正面断面図
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るエアバッグ装
置用ガス発生装置の構成を表す正面断面図
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るエアバッグ
装置用ガス発生装置の構成を表す正面断面図
【符号の説明】
1 ガス発生装置 2 ガス拡散容器 3 エアバッグ 4 ガス供給穴 5 圧力容器 6 点火器 7 ガス注入口 8 可燃性ガス体 8a 燃焼ガス 9 ガス出口 10 ディフューザ 11 ガス噴出口 13 封止部材 14 シェル 15 つば部 16 テーパ部 17、51 中心電極 18、52 接地電極 19、53 抵抗発熱体 26 点火回路 29、54 筒体 44 電極保持材 45 係止リング(係合部材) 61、71 筒状メッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武 山 茂 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 碓 井 康 神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目1番1号 宮田工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性ガス体を注入するガス注入口およ
    び燃焼ガスを流出させるガス出口を有し内部に可燃性ガ
    ス体が封入される圧力容器と、ガス出口を封止する封止
    部材と、前記圧力容器に取り付けられ前記圧力容器内の
    可燃性ガス体に点火する点火器と、前記圧力容器を収容
    するとともに、エアバッグにガスを供給するための複数
    のガス供給穴を有するガス拡散容器とを備え、前記点火
    器には前記圧力容器内の複数箇所で点火動作を行なう複
    数の点火部材が設けられていることを特徴とするエアバ
    ッグ装置用ガス発生装置。
  2. 【請求項2】 点火器は、圧力容器の一端部から前記圧
    力容器の反対側端部まで対になって延びる中心電極およ
    び接地電極と、前記電極の双方の長手方向に沿って所定
    の間隔をおいて両電極間に接続された複数の抵抗発熱体
    とを備えていることを特徴とする請求項1記載のエアバ
    ッグ装置用ガス発生装置。
  3. 【請求項3】 可燃性ガス体に着火して燃焼させ、燃焼
    による温度上昇によりガス圧力を増加させたガス体をエ
    アバッグ内に導入して膨脹させるエアバッグ装置用ガス
    発生装置において、前記可燃性ガス体を収容する圧力容
    器と、前記圧力容器のガス出口端に当接配置され点火部
    を圧力容器内に設置した点火器と、前記圧力容器と点火
    器との当接部に巻装され前記当接部を気密に保持する封
    止部材と、前記圧力容器を収容するとともに、エアバッ
    グにガスを供給するための複数のガス供給穴を有するガ
    ス拡散容器とを備え、前記点火器には圧力容器内の複数
    箇所で点火動作を行なう複数の点火部材が設けられてい
    ることを特徴とするエアバッグ装置用ガス発生装置。
  4. 【請求項4】 圧力容器のガス出口端部と反対側の端部
    には可燃性ガス体を注入するガス注入口が設けられ、点
    火器は、圧力容器のガス出口端部から反対側のガス注入
    口付近まで対になって延びる中心電極および接地電極
    と、前記電極の双方の長手方向に沿って所定の間隔をお
    いて両電極間に接続された複数の抵抗発熱体とを備えて
    いることを特徴とする請求項3記載のエアバッグ装置用
    ガス発生装置。
  5. 【請求項5】 圧力容器のガス注入口はガス充填用プラ
    グによって封栓され、点火器の二つの電極の少なくとも
    いずれか一方には先端に係止部が設けられ、係止部をガ
    ス充填用プラグに係合させていることを特徴とする請求
    項4記載のエアバッグ装置用ガス発生装置。
  6. 【請求項6】 可燃性ガス体に着火して燃焼させ、燃焼
    による温度上昇によりガス圧力を増加させたガス体をエ
    アバッグ内に導入して膨脹させるエアバッグ装置用ガス
    発生装置において、前記可燃性ガス体を収容する圧力容
    器と、前記圧力容器のガス出口端に当接配置され点火部
    を圧力容器内に設置した点火器と、前記圧力容器と点火
    器との当接部に巻装され前記当接部を気密に保持する封
    止部材と、前記圧力容器を収容するとともに、エアバッ
    グにガスを供給するための複数のガス供給穴を有するガ
    ス拡散容器とを備え、前記点火器は可燃性ガス体に点火
    する点火部材と、複数の通し穴を有し点火部材を覆う筒
    体とを備えていることを特徴とするエアバッグ装置用ガ
    ス発生装置。
  7. 【請求項7】 点火器の点火部材は複数のスリットを有
    する筒体によって覆われていることを特徴とする請求項
    6記載のエアバッグ装置用ガス発生装置。
  8. 【請求項8】 点火器の点火部材はメッシュ材から構成
    された筒体によって覆われていることを特徴とする請求
    項6記載のエアバッグ装置用ガス発生装置。
  9. 【請求項9】 筒体は、圧力容器の点火器設置部分から
    圧力容器の反対側の端部まで筒状に延びていることを特
    徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のエアバッグ
    装置用ガス発生装置。
  10. 【請求項10】 圧力容器の点火器設置部分と反対側の
    端部には可燃性ガス体を注入するガス注入口が設けら
    れ、筒体は、圧力容器の点火器設置部分からガス注入口
    部分まで筒状に延びていることを特徴とする請求項9記
    載のエアバッグ装置用ガス発生装置。
  11. 【請求項11】 圧力容器のガス注入口はガス充填用プ
    ラグによって封栓され、筒体の先端は前記ガス充填用プ
    ラグに係合されていることを特徴とする請求項10記載
    のエアバッグ装置用ガス発生装置。
  12. 【請求項12】 点火器は、圧力容器のガス出口端部か
    ら反対側のガス注入口付近まで対になって延びる中心電
    極および接地電極と、前記電極の双方の長手方向に沿っ
    て所定の間隔をおいて両電極間に接続された複数の抵抗
    発熱体とを備え、前記点火器の二つの電極の少なくとも
    いずれか一方には先端に係止部が設けられ、係止部をガ
    ス充填用プラグに係合させている一方、筒体の先端はガ
    ス注入口の管部外周に係合されていることを特徴とする
    請求項11記載のエアバッグ装置用ガス発生装置。
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