JPH09173899A - 電気集塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ２つの集塵極板の間に複数並設した放電極板
を使用して効率の良い電気集塵装置を提供する 【解決手段】 放電極板３の両縁側に形成した刺部３ａ
は上下流方向の集塵極板２に対向しており、並設した放
電極板の間に、放電極板の上下流方向の幅より大きい幅
の矩形状の遮蔽板４を配置し、刺部先端より遮蔽板の垂
直縁部を張り出して設置した。刺部３ａの側方は遮蔽板
４が位置し、さらに隣の放電極板３の刺部３ａとは隔離
されるので、放電の方向が案内され、隣の放電極板３の
刺部３ａからの放電に干渉されにくく、放電の勢いが助
長され塵埃を多く補集することができる。また、これら
放電極板３および遮蔽板４の間隔を狭めても作動を変化
させるものでなく、より塵埃を多く補集することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、発電所、セメント
工場、産業焼却炉および道路、トンネルにおける浮遊微
粒子除去用、または放射性粉塵除去用あるいは室内空気
清浄用などに使用する電気集塵装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】電気集塵装置は、筐体に、不平等電界を
発生させるための放電電極（負極）と塵埃、粉塵を付着
させるための集塵電極とを間隔を開けて対向させて設
け、両電極に高電圧を印加して放電電極と集塵電極との
間にコロナ放電を発生させる。これにより筐体内部の塵
埃を帯電させ、集塵電極に付着するようにしたものであ
る。そして、室内の空調装置等に接続することで室内の
空気中の塵埃を取り除くことができるようになってい
る。

【０００３】図３に示す電気集塵装置１は、多数の孔２
ａが明けられた集塵極板２を空気の流れ方向に直交させ
て配設し、並列した集塵極板２の間に、金属製の矩形板
の両縁側に山形の刺部３ａを連続的に形成した放電極板
３を、この面を流れ方向と平行にして複数個、等間隔に
離して並列に配設したものである。集塵極板２および放
電極板３に高電圧を印加すると、刺部３ａの先端からコ
ロナ放電が発生する。これにより極板間の空気中に不平
等電界が発生し、集塵極板２の電界強度の強い箇所に、
帯電した塵埃が多く吸着する。実際には、電気集塵装置
１に送風機が併設され、処理する空気を送り込むように
なっている。

【０００４】また、図４に示すように、電界強度が及ぼ
す範囲を点線で表すと、集塵極板２に近いところではそ
の幅は広くなり、電流密度は小さくなる。そして、帯電
した塵埃はそれぞれ放電極板３に対応した位置に付着す
るようになる。隣り合う放電極板３（ピッチ：ａ）が干
渉する箇所は集塵極板２に近い位置であるので問題なく
塵埃を補集する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、電気集塵装
置１の効率を高めるため、図５に示すように放電極板３
の数を増やすことが考えられている。これによって集塵
極板２の電界強度の強くなる箇所を多くし塵埃を確実に
補集しようとする。しかしながら、放電極板３の数を増
やすことはピッチｂを図４に示すピッチａより小さくす
ることであり、互いの間隔が狭くなって干渉が強くな
る。このため、放電電流が流れにくくなり、この結果、
塵埃の付着を低下させるという問題が生じてきた。

【０００６】本発明は、上記干渉の起きにくい放電電極
を使用することによって効率の良い電気集塵装置を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、空気を流通させる集塵電極を空気の上下流
方向に配置し、該２つの集塵電極の間に、複数の放電極
板を間隔をあけて並列に設置する放電電極を備えた電気
集塵装置において、前記放電電極を放電極板と遮蔽板と
で構成し、前記放電極板はその面を垂直にすると共に、
放電極板の両縁側に形成した刺部をそれぞれ上下流方向
の前記集塵電極に対向させ、該放電極板の上下流方向の
幅より大きい幅の矩形状の遮蔽板は、その垂直縁部を前
記刺部先端より張り出すように前記放電極板の間に設置
したことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明による電気集塵装置は集塵
電極と放電電極とが向き合い、その方向に空気・ガスを
流し、高圧をかけた集塵電極と放電電極とから発生する
放電によって空気・ガス中の塵埃が帯電し、集塵電極に
付着する。集塵電極および放電電極は流れに対し抵抗を
持たないように配置され、塵埃の付着により効率が落ち
ないようにされ、また、付着した塵埃が再度浮遊しない
ようにされる。放電電極は放電極板と遮蔽板とからな
り、これらが交互に配置され、放電は放電極板の刺部か
ら発生し、遮蔽板の垂直縁部からは放電が起きないよう
に間隔が調整されている。また、刺部両側に張り出した
遮蔽板は放電極板と等電位であり放電を絞るようにな
る。これにより、放電極板どうしの干渉が少なくなり、
塵埃の付着の効率が良くなる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明による実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図１に示すように、電気集塵装置１は集
塵電極と放電電極とが筐体に収納され、集塵電極は多数
の孔２ａが明けられた集塵極板２から構成され、集塵極
板２は流れ方向と直交して配置され、この孔２ａに処理
する空気・ガスが通り抜けるようになっている。放電電
極は刺部３ａを両縁部に有する放電極板３と矩形状の遮
蔽板４とからなっている。

【００１０】放電極板３と遮蔽板４とは、上流側および
下流側に配置した２つの集塵極板２の間に設けた軸５に
交互に挿通され、互いの面を対向させ、かつ、流れ方向
に沿い垂直に支持され、間にスぺーサ６を介装して間隔
を調整し固定されている。

【００１１】また、集塵電極および放電電極は導電性の
金属（平鋼）で製作され、一例として放電極板３の厚み
は０．５〜０．６ｍｍ、遮蔽板４の厚みは１．２ｍｍ、
集塵極板２の厚みは０．５〜５ｍｍとしている。また、
放電極板３と遮蔽板４との間隔は５０〜１００ｍｍ、集
塵極板２と遮蔽板４との間隔は１００ｍｍとし、刺部３
ａの先端は遮蔽板４の縁より引っ込んでいてその間隔ｓ
は１〜１０ｍｍにしている。なお、放電極板３の厚さは
薄い方が強い放電をする。

【００１２】次に、電気集塵装置１の作用について説明
する。集塵極板２を高電圧の正極に接続し、放電極板３
と遮蔽板４とを高電圧の負極に接続し、スイッチを入れ
ると上流側および下流側に配置した２つの集塵極板２に
向かって放電極板から放電し、立体的で複雑な不平等電
界を生じる。この雰囲気中に送風機によって処理する空
気・ガスを通すと空気・ガス中の塵埃が帯電する。

【００１３】放電極板３と遮蔽板４との間では隣り合っ
た平面が同一電位であるため、無電界となり、逆帯電粒
子ｍ−の付着が著しく減少される。帯電した塵埃ｍは刺
部からの放電の勢いによって、放電極板３の上流側端と
対向した集塵極板２に吸着され、堆積される。このと
き、刺部３ａの側方は遮蔽板４が位置し、さらに隣の放
電極板３の刺部３ａとは隔離されるので、放電の方向が
案内されることになり、かつ、隣の放電極板３の刺部３
ａからの放電に干渉されにくく、放電の勢いが助長され
塵埃を多く補集することができる。また、これら放電極
板３および遮蔽板４の間隔を狭めても作動を変化させる
ものでなく、より塵埃を多く補集することができるよう
になる。また、付着した塵埃は集塵極板２を振動させて
簡単に下方に落下させることができる。なお、下流側の
集塵極板２は刺部３ａから放電が起きても、既に浄化さ
れた空気が流れるので塵埃はほとんど付着しない。ま
た、放電極板３においては逆帯電粒子ｍ−の付着が少な
いので放電の抵抗がわずかであり、強い放電電流を維持
することができ機械の寿命を長くすることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成したもので
あるので、放電極板および遮蔽板を交互に配置し刺部を
囲った放電電極を使用することによって、より強力に塵
埃を付着させることができる。また、これら電極は平面
を垂直にして支持するので、堆積した塵埃は集塵極板お
よび放電極板に邪魔されずに下方に落ち、処理する空気
・ガスの浄化率は向上するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施例の電気集塵装置を示す斜視
図である。

【図２】図１に示す各電極の配置を示す平面図である。

【図３】従来の電気集塵装置を示す斜視図である。

【図４】図３に示す各電極の配置を示す平面図である。

【図５】図４に示す各電極のピッチを変更して配置した
平面図である。

【符号の説明】

１ 電気集塵装置 ２ 集塵電極 ３ 放電極板 ３ａ 刺部 ４ 遮蔽板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気を流通させる集塵電極を空気の上下
   流方向に配置し、該２つの集塵電極の間に、複数の放電
   極板を間隔をあけて並列に設置する放電電極を備えた電
   気集塵装置において、前記放電電極を放電極板と遮蔽板
   とで構成し、前記放電極板はその面を垂直にすると共
   に、放電極板の両縁側に形成した刺部をそれぞれ上下流
   方向の前記集塵電極に対向させ、該放電極板の上下流方
   向の幅より大きい幅の矩形状の遮蔽板は、その垂直縁部
   を前記刺部先端より張り出すように前記放電極板の間に
   設置したことを特徴とする電気集塵装置。