JPH09173300A - 血液分析装置 - Google Patents

血液分析装置

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Publication number
JPH09173300A
JPH09173300A JP8299682A JP29968296A JPH09173300A JP H09173300 A JPH09173300 A JP H09173300A JP 8299682 A JP8299682 A JP 8299682A JP 29968296 A JP29968296 A JP 29968296A JP H09173300 A JPH09173300 A JP H09173300A
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JP
Japan
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image
blood
edge
evaluation value
target
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Pending
Application number
JP8299682A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Takachi
泰浩 高地
Kaoru Asano
薫 浅野
Ken Ishihara
謙 石原
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Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 白血球画像のエッジを対象血球のモデル画像
に対応させて重みづけすることにより、対象とする血球
の正確な認識を能率的に行うこと。 【解決手段】 対象血球を含む画像を撮像する撮像手段
と、撮像された画像を、x−y座標系における画像F
(x,y)として解析する解析手段とを備え、解析手段
は、画像F(x,y)の輪郭を表わすエッジ強度分布E
(x,y)を算出するエッジ算出手段と、対象血球の平
均的な輪郭に対応する重み分布W(i,j)を予め記憶
する重み記憶手段と、各点(x,y)ごとにエッジ強度
分布E(x,y)と重み分布W(i,j)との合致の程
度を計算し、それを点(x,y)における評価値C
(x,y)として算出する評価値演算手段と、評価値C
(x,y)が所定値より大きい点(x,y)を対象血球
の存在する座標として抽出する抽出手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、血液の分析を行
う装置に関し、さらに詳しくは、血液を光学的に計測
し、血液検査に必要な血球成分を認識する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血液を分析することにより得られる、血
球数(白血球数、赤血球数、血小板数など)、ヘマトク
リット値、ヘモグロビン量、恒数(平均赤血球容積:M
CV,平均血色素量:MCH,平均血色素濃度:MCH
C)等の血液学上の検査項目は、診断、治療等のために
極めて重要であり、また、臨床検査において最も頻繁に
検査される項目の一つである。
【0003】これらの血液検査は、生体から血液を採取
(採血)し、その試料を分析装置で分析することにより
行われている。しかし、この採血時には生体に少なから
ぬ苦痛を与える上、採取された血液は、分析装置が設置
されている検査室に運ばれてから分析されるため、診断
中にリアルタイムで血液検査を行うことができない。し
かも、肝炎やエイズなどの感染症患者に用いた採血用注
射針での誤刺事故の懸念は常につきまとうことである。
【0004】そこで、生体から血液を採取することな
く、全く非侵襲的に血液検査が行える装置の開発が長年
にわたって要望されていた。また、そのような装置を、
患者のベットサイドに持って行けば、病態をリアルタイ
ムで把握することに有用となる。
【0005】このような装置としては、細隙灯を改造し
て得られる画像から赤血球や白血球を抽出し、そこから
赤血球指数や白血球数を算出しようとする“Apparatus
andmethod for in vivo analysis of red and white bl
ood cell indices”(J.W.Winkleman, 米国特許第49985
33号)が知られている。また、関連する技術としては,
生体表面の観察部位に光を照射して周期的にビデオ撮像
し、血流を観察するようにしたビデオ顕微鏡がある(例
えば、特開平4−161915号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、米国特許第
4998533号には、具体的に白血球を自動認識する
方法について何ら開示されていない。生体内の血管を流
れる血液を、上記装置やビデオ顕微鏡を用いて目視で観
察すると、白血球とわかる球状で透明なものが流れる様
子が認めることができる。これは白血球が流れているた
め、静止した背景に対して白血球の周縁部が強調されて
認識されるものと考えられる。
【0007】しかしながら、その静止像を観察すると、
白血球は背景との光学的差異がほとんどないため、明確
な粒子像としてとらえることが難しい。また、体動によ
り画像ブレが生じるので、誤認識せずに白血球を認識す
ることは、さらに困難である。米国特許第499853
3号には、この点について何ら記載がない。また、ビデ
オ顕微鏡は、基本的に目視での観察をベースとして設計
されているので、白血球の定量的解析、とくに白血球の
数を解析することが困難であるという問題点がある。一
方、このような画像をもとに粒子や細胞を認識する認識
手法としてはテンプレート・マッチングによる手法が単
純で一般的である。しかしながら、生体内を流れる白血
球のサイズはばらつきがあり、かつ流れる方向に変形し
ているため、テンプレート・マッチングによる方法は、
生体内を流れる白血球に対しては認識率がよくないか、
あるいは、極めて多くのテンプレートを用意しなければ
ならないという問題点がある。また、この場合は、実時
間での認識は困難であると考えられる。
【0008】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、生体内の血管内を移動する血球を撮像し、
撮像した画像から血球、とくに白血球を、体動などによ
るアーチファクトの影響をうけずに、実時間で認識する
装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、対象血球を
含む画像を撮像する撮像手段と、撮像された画像を、x
−y座標系における画像F(x,y)として解析する解
析手段とを備え、解析手段は、画像F(x,y)の輪郭
を表わすエッジ強度分布E(x,y)を算出するエッジ
算出手段と、対象血球の平均的な輪郭に対応する重み分
布W(i,j)を予め記憶する重み記憶手段と、各点
(x,y)ごとにエッジ強度分布E(x,y)と重み分
布W(i,j)との合致の程度を計算し、それを点
(x,y)における評価値C(x,y)として算出する
評価値演算手段と、評価値C(x,y)が所定値より大
きい点(x,y)を対象血球の存在する座標として抽出
する抽出手段を備え、それによって、少なくとも対象血
球を認識しうる血液分析装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この分析装置は、非侵襲的に生体
の血液を分析することを特徴とし、また、生体とはヒト
を含む哺乳動物であることが好ましい。この発明の装置
は、撮像手段を生体の体表面に所望の検出領域に対応し
て固定できるように、生体および/又は撮像手段自体の
固定手段をさらに備えることが好ましい。
【0011】この発明の撮像手段は、例えば、生体の血
管を含む検出領域を照明する照明器と、照明された検出
領域を順次撮像する撮像器からなる。この場合、生体の
血管を含む検出領域を照明する照明器における検出領域
とは、その皮下に血管を有する部分、例えば口唇,指,
耳たぶのように生体にありのままに存在する血管を含む
領域のことであり、外科的に生体外へ取り出した生体の
一部を意味するものではない。従って、固定手段として
は、口唇、指、耳たぶのような生体の一部に対して撮像
手段を相対的に固定できるものであることが必要とされ
る。さらに、対象とする領域に含まれる血管の太さは特
に限定されないが、再現性の良い結果を得るためには、
なるべく皮膚に近い毛細血管ないし、細動静脈であるこ
とが好ましい。なお、毛細管ないし細動静脈で得られた
血球情報は、太い血管(中大動静脈)の情報に換算する
ことができる。
【0012】また、照明器には、レーザやハロゲンラン
プ又はタングステンランプのような連続的に光を照射す
る連続光源、又はパルスレーザ(例えば、Spectra-Phys
ics社製、7000シリーズ)やマルチストロボ(例えば、
(株)菅原研究所製、DSXシリーズ)のような断続的
に光を照射する断続光源を用いることができる。
【0013】撮像器には、例えば一般的なCCD撮像素
子を用いることができる。また、撮像器は、検出領域か
らの反射光をCCD撮像素子に導くための光学系におい
て、光ファイバー、各種反射鏡、偏光素子、各種レン
ズ、プリズム、スリット、又はフィルターを備えてもよ
いが、検出領域からの反射光が微弱な場合にはイメージ
インテンシファイアを備えることが好ましい。また、撮
像手段は、検出領域からの不要な散乱光成分を除去する
ための偏光手段を備えてもよい。
【0014】さらに、撮像器は、その信号処理系におい
て、CCD撮像素子に走査信号を供給すると共にCCD
撮像素子の各画素からの出力をビデオ信号として処理す
るビデオ信号処理回路、およびそのビデオ信号を記録す
るためのVTRやレーザディスクレコーダを備えること
が望ましい。また、照明器および撮像器として、市販の
ビデオ・マイクロスコープシステムを使用してもよい。
【0015】そして、解析手段には、画像処理用コンピ
ュータ(例えば、Quadra 800/Apple社製)を用いること
ができるが、さらに、撮像された画像信号のコントラス
トを調整するためのアナログ・プリプリプロセッサ(例
えば、HK−7000/ミノルタ製)を併用してもよい。
【0016】この発明において、評価値演算手段は、点
(x,y)における評価値C(x,y)を
【数2】 (ここで、上式の右辺は、エッジ強度分布E(x,y)
のある点(x,y)と重み分布W(i,j)の点(0,
0)とが一致するように両分布を重ね合わせる時、重な
り合う各点におけるエッジ強度分布と重み分布との積を
とり、それらを合計する式を表わす)により算出するこ
とができる。白血球は一般に環状の輪郭を有するので、
重み分布W(i,j)は、対象とする血球の輪郭に対応
する環状の分布データであることが好ましい。
【0017】白血球とアーチファクトを区別するため
に、エッジ算出手段は、1つの注目画素(x,y)から
見て複数の方向に対するエッジ強度分布E1(x,
y),E2(x,y),……En(x,y)をそれぞれ
算出するものであり、重み記憶手段は、各方向に対応す
る複数の重み分布W1(i,j),W2(i,j),…
…,Wn(i,j)を記憶するものであり、評価値演算
手段は、各方向ごとに算出された評価値C1(x,
y),C2(x,y),……,Cn(x,y)を加算し
てC(x,y)を算出するものであることが好ましい。
【0018】この場合、複数の重み分布W1(i,
j),W2(i,j),……,Wn(i,j)は、それ
ぞれ対象とする血球の輪郭に対応する環状の分布データ
の一部であることが好ましい。さらに、重み分布W
(i,j)は、予め複数の対象とする血球画像から上記
エッジ算出手段を用いてエッジを抽出し、これらエッジ
を加算したデータに基づいて生成されたものであっても
よい。
【0019】また、この発明は、撮像手段が、生体の血
管を含む検出領域を照明する照明器と、照明された検出
領域を順次撮像する撮像器からなり、解析手段が、同一
検出領域に対して順次撮像した複数の画像のうち少なく
とも一つを用いて基準画像を生成し、複数の画像の一つ
を対象画像とし、対象画像と基準画像との差分をとり差
分画像を生成する差分画像生成手段をさらに備え、画像
F(x,y)が前記差分画像からなる血液分析装置を提
供することができる。
【0020】この場合、解析手段が、基準画像及び対象
画像をそれぞれ2値化する2値化手段をさらに備え、差
分画像が前記2値化画像同士の差分画像であってもよ
い。さらに解析手段は、エッジ算出手段と、重み記憶手
段と、評価値演算手段と、抽出手段をニューラルネット
ワークとして備え、ニューラルネットワークは、画像F
(x,y)を入力層に入力し対象とする血球の抽出結果
を出力層から出力してもよい。
【0021】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、これによってこの発明が限定される
ものではない。図1は、この発明の分析装置の構成説明
図であり、撮像手段と固定手段と解析手段から構成され
る。図2は図1における分析装置本体部分の構成説明図
である。
【0022】まず、撮像手段は次のように生体の一部の
血管を含む領域を照明する照明器と照明された領域を撮
像する撮像器からなる。図1において、分析装置本体2
0中の光源22から発せられた光は、光ファイバ24を
介してプローブ58内へ導かれディフューザ26を照射
する。その光は、ディフューザ26により拡散されコリ
メートレンズ30によって平行光に変換される。
【0023】平行光の中央部は円盤状の遮光板67によ
って遮光され、平行光の周縁部はリング状ミラー34a
と34bを介してプローブ先端59から出射される。プ
ローブ先端59から指85の爪郭部へ出射した光は透明
板66および皮膚面を介して血管の中の検出領域Vを照
射する。領域Vからの反射光は、透明板66および対物
レンズ38を介してCCD40で受光される。CCD4
0で撮像された画像は分析装置本体20で解析される。
【0024】なお、ここでは、検出領域Vを限外照射つ
まり暗視野照明(dark field illumination)によって照
明し、撮像される画像のコントラストを向上させてい
る。暗視野照明とは、照明光を対物レンズ38の外側か
ら検出領域Vに照射する照明方式である。つまり、照明
光は対物レンズ38の検出領域Vに対する開口角よりも
大きな角度で検出領域Vを照明する。従って、照明光の
うち皮膚面で反射された光は、対物レンズ38の外側に
反射され、CCD40には到達しないので、CCD40
で撮像される画像コントラストが向上する。
【0025】次に固定手段は、次のように撮像手段を生
体の一部とを相対的に固定するものである。図1ではプ
ローブ58と被験者の一部(ここでは指の爪郭部)とを
相対的に固定する状態を示し、L字状の支持台81がプ
ローブ58に取付けられている。プローブ先端59は、
プローブ58から延出する筒59aと、筒59aの先端
外周に矢印aおよびb方向に摺動可能に装着された摺動
筒59bを備える。摺動筒体59bの先端には透明板6
6が固定されている。
【0026】筒59aの先端には摺動筒59bを矢印b
方向に付勢するスプリング82a、82bが設けられて
いる。内筒83は対物レンズ38とリングミラー34b
を内蔵し、微動素子84を介してプローブ58に固定さ
れている。ここで、支持台81は筒59a、摺動筒59
a、スプリング82a、82bおよび透明板66と共に
固定手段を構成し、摺動筒59b、スプリング82a、
82bおよび透明板66は安定化手段を構成する。
【0027】被験者の指85が支持台81と透明板66
との間に挿入されると、スプリング82a、82bは、
適度な圧力で透明板66を指85の爪郭部に押圧する。
それによって爪郭部の血管を含む検出領域VがCCD4
0の視野の中に固定され、指85の微小振動による検出
領域のブレが防止される。
【0028】また、CCD40aのピントの調整は、微
動素子4によりレンズ38を光軸方向(矢印a又はb方
向)に移動させることにより行うことができる。なお、
微動素子84には、例えば、ピエゾ素子を用いた素子P
−720/P−721(Physik instrumente製)や超音
波モータを用いた素子などを適用することができる。
【0029】なお、透明板66は被験者ごとに取り換え
が可能なようにプローブ先端59に着脱可能に取り付け
られる。このように透明板66が取り換え可能であるの
は衛生上の理由からである(被験者を病気の感染等から
守るため)。透明板66としてはガラス板、樹脂製の可
撓性フィルムなどが使用可能である。あるいは、透明板
66自体は交換せず、指85に交換可能なフィルムを密
着させるようにしてもよい。
【0030】さらに、皮膚面の乱反射を防止し、より鮮
明な画像を得るため、液状あるいはゲル状の、生体に安
全な光媒体を皮膚面と透明板66との間に介在させるこ
とが、より好ましい。光媒体としてはオイルやクリーム
が使用できる。本実施例では生体に透明板66を接触さ
せたが、中央部分に光が通過できる孔(光路)を有して
いれば、不透明板であっても検出領域Vのブレを防止す
ることができるので使用可能である。なお、この実施例
では指の爪郭部に対して検出領域を設定しているが、口
唇や耳たぶのような他の部位に設定する場合には、各部
位に対応する適切な固定手段が必要とされる。
【0031】次に、解析手段について説明する。CCD
40の各画素から出力される画像信号は図2に示すよう
にビデオ信号処理回路46によって処理される。そし
て、ビデオ信号処理回路46は1/30秒につき1フレ
ームの画像を連続的に形成し、形成された各フレームの
画像は順次ビデオレコーダ(例えばレーザディスクレコ
ーダ)50に記録される。
【0032】51は画像のコントラストを調整するため
の画像処理回路、例えばアナログ・プリプリプロセッサ
HK−7000(ミノルタ製)である。70は撮像された画
像を処理して検出領域V中に含まれる血管中の血球の数
を解析する解析手段であり、例えば、これには画像処理
コンピュータQuadra 800(Apple製)にビデオキャプチャ
ーボードIQ−V50(浜松ホトニクス社製)を前置し
たものが用いられる。
【0033】そして、解析手段70は、画像処理回路5
1の出力する画像フレームの所定領域を切り出(トリミ
ング)して出力するための切り出し手段71、切り出し
手段71の出力画像を2値化する2値化処理手段75、
2値化された連続するフレームの画像について各画素情
報(データ)の差を算出し、算出した差を画素情報とす
る差分画像を形成する差分画像形成手段72、差分画像
から血球の種類と位置を認識する画像認識手段76、そ
して、一定時間内に認識される血球像から単位体積当り
の血球数を演算する演算手段77を備える。また、解析
手段70において形成される各画像は、モニタテレビ8
0によってモニタされる。
【0034】このような解析手段70を用いて白血球を
認識するための手順を以下に説明する。ここで、解析手
段70は、ビデオレコーダ50に記録された複数フレー
ムを時系列に読み出して画像処理を行うものとする。
【0035】図3のフローチャートに示すように、ま
ず、時刻tにおけるフレームの画像を読出し(ステップ
S1)、血管を含む領域の画像を基準画像として切り出
して2値化する(ステップS2、S3)。続いて、時刻
(t+1)のフレームの画像を読出し(ステップS
4)、上記と同一領域の画像を対象画像として切り出し
て2値化する(ステップS5、S6)。
【0036】そして、2値化した2つの画像の各画素デ
ータの差をとり(ステップS7)、その差を画素データ
とする差分画像F(x,y)を形成する(ステップS
8)。この差分画像F(x,y)について血球像を検出
し、検出した血球像から白血球を認識する(ステップS
9)。
【0037】次にステップS9の白血球認識機能につい
て詳述する。画像認識手段76には、図8に示すように
差分画像F(x,y)のエッジ強度分布E(x,y)を
算出するエッジ算出手段76aと、重み分布W(i,
j)を予め記憶する重み記憶手段76bと、エッジ強度
分布E(x,y)と重み分布W(i,j)から評価値C
(x,y)を演算する評価値演算手段76cと、評価値
C(x,y)に基づき画像F(x,y)中の対象とする
血球を抽出する抽出手段76dが設けられている。そし
て図4のフローチャートに示すように、ステップS11
において、エッジ算出手段76aがエッジ強度分布E
(x,y)を算出する。
【0038】つまり、差分画像F(x,y)は、そのサ
イズをn×m画素とすると、図5に示す2次元座標平面
(0≦x≦n−1,0≦y≦m−1)で表されるので、
1つの画素(x,y)に隣接する4(又は8個)の近傍
画素について、画素値の差分をとり、その各差分値を合
計することにより、画素(x,y)におけるエッジ強度
分布E(x,y)を算出する(ステップS11)。
【0039】つまり、座標(x,y)の画素と、その近
傍画素の各画素強度は図6のように表されるから、 E(x,y)=|F(x,y)−F(x,y −1) |+ |F(x,y)−F(x,y+1)| +|F(x,y)−F(x−1,y)|+|F(x,y)−F(x+1,y)|……(1) となる。
【0040】次に、評価値演算手段76cは、重み記憶
手段76bに予め格納された図7に示すような2次元の
分布をもつ重み分布W(i,j)と式(1)を用いて、
画素(x,y)における評価値C(x,y)を次のよう
に演算する(ステップS12)。
【数3】 但し、図7に示す重み分布W(i,j)のサイズは、
(2p+l)×(2q+l)画素であり、−p≦i≦
p、−q≦j≦qとしている。
【0041】そして、抽出手段76dでは、この評価値
C(x,y)が閾値θと比較され(ステップS13)、
それがθより大きいとき、その座標(x,y)に白血球
が存在するものと認識し(ステップS14)、そうでな
いときには白血球は存在しないと認識する(ステップS
15)。
【0042】このようにして、血管中央部分を流れる流
速の速い白血球や血管壁に沿うように流れる比較的流速
の遅い白血球を認識することができる。なお、白血球を
認識するために用いる重み分布W(i,j)は、図9の
フローチャートに示すようにして決定する。
【0043】つまり、形状が少しづつ異なるモデル白血
球画像からエッジを抽出して、エッジ強度を加算平均し
たものを重み分布W(i,j)とする。このようにして
決定されたドーナツ状の重み分布W(i,j)の一例を
図10に示す。この重み分布W(i,j)は、1.0 と0.
5 と0.25の重みを有している。
【0044】上記は、変化の方向性を考慮しないもので
あるが、変化の方向性を考慮することによって、体動に
よる誤認識を防ぐことができる。つまり、方向性を考慮
したエッジ強度分布E(x,y)として、図5に示すよ
うに座標x−yにおいて東西南北の方向をつけ、各方向
について次のように求める。すなわち、北方向のエッジ
強度分布E1(x,y)、西方向のエッジ強度分布E
2(x,y)、南方向のエッジ強度分布E3(x,y)お
よび東方向エッジ強度分布E4(x,y)は、それぞ
れ、
【数4】 となる。
【0045】この場合には、図10に示す重み分布W
(i,j)を、図11の(a)〜(d)に示すように各
方向に対応する重み分布W1(i,j)、W2(i,
j)、W3(i,j)、W4(i,j)に分離して、各方
向についての評価値C1(x,y)、C2(x,y)、C
3(x,y)、C4(x,y)を式(2)から算出し、算
出した各評価値を加算してC(x,y)とし、このC
(x,y)を閾値と比較して白血球を認識をすることが
できる。この場合、図11の(a)〜(d)に示す重み
分布は、1.0 、0.5 、0.25、0.125の重みからなる。
【0046】このようにすれば、ノイズなどのアーチフ
ァクトによって生じる画像を白血球と誤認識することを
防ぐことができる。すなわち、図21のような白血球の
場合と、図22のようなノイズによるアーチファクトの
場合について、それらのエッジ強度分布はいずれも図2
3のように同じような分布が得られるため、エッジ分布
が方向性をもたない場合には、図22も白血球と誤認識
されてしまう。
【0047】ところが、方向性のエッジ分布を考えた場
合、エッジ分布は、白血球の場合には図24のようにな
り、アーチファクトの場合には図25のようになる。な
お、図21〜図25では黒を「1」,白を「0」として
いる。この結果、例えば図11のような重み分布を用い
た場合、白血球(図24)では評価値Cが高い値を示す
のに対し、アーチファクト(図25)では0に近い値と
なり、誤認識を防ぐことができる。
【0048】このようなアーチファクトは、体動による
ブレが生じた場合、特に発生しやすい。すなわち、血管
領域が時刻tと時刻t+1で移動した場合、その移動
(ぶれ)のしかたによっては、このようなアーチファク
トが発生する。
【0049】さらに、図2における2値化処理手段7
5、差分画像形成手段72および画像認識手段76は、
ニューラルネットワークを用いて等価的に構成できる。
この場合、ニューラルネットワークは、図12に示すよ
うに第1層(入力層)、第2層(特徴検出層)および第
3層(白血球検出層)から構成され、図4に示す画像サ
イズに合わせてn×mのニューロンを備える。
【0050】そして、第1層では、時刻tと時刻(t+
1)の画像が入力され、差分が算出される。第2層は特
徴抽出層で、差分画像の入力を受け、差分画像における
各方向のエッジを式(3)〜(6)により算出して出力
する。第3層は認識層で、白血球に相当するエッジの位
置、方向、強度が揃った場合に発火するように、エッジ
の方向毎に独立に又は個別に第2層との結合の重みを定
めたものである。つまり、第1層が差分画像形成手段7
2に対応し、第2層および第3層が、エッジ算出手段7
6a、重み記憶手段76b、評価値演算手段76cおよ
び抽出手段76dに対応する。
【0051】次に、この血液分析装置を用いて実際にヒ
トの爪郭部の毛細血管に流れる白血球の認識処理を行な
った場合に、モニタテレビ80によって得られた画像に
ついて説明する。
【0052】図13〜図16は、1つの白血球を認識し
た場合に得られた画像であり、図17〜図20は2つの
白血球を認識した場合に得られた画像である。まず、図
13は時刻(t+1)に得られた原画像であり、枠内は
切出される所定画像(対象画像)領域を示す。
【0053】図14は、図13の所定領域(枠内)の対
象画像を2値化したものと、時刻tに得られた基準画像
(図示しない)を2値化したものから得られた差分画像
である。 図15は、図14の差分画像から得られたエ
ッジ画像、すなわちエッジ強度分布であり、図16は、
抽出された1つの白血球の位置(座標)を示す画像であ
る。なお、図14〜図16の画像では黒が「1」を,白
が「0」を表わしている。
【0054】なお、図17、図18、図19および図2
0は、それぞれ図13、図14、図15および図16に
対応する。これらの図から、この血液分析装置は、白血
球が血管内で大きく変形しても、その白血球の存在を適
確に認識していることがわかる。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、白血球画像のエッジ
を対象血球のモデル画像に対応させて重みづけすること
により、対象とする血球の正確な認識を能率的に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における分析装置の構成説明
図である。
【図2】図1の要部構成を示す説明図である。
【図3】この発明の実施例の動作を示すフローチャート
である。
【図4】この発明の実施例の動作を示すフローチャート
である。
【図5】実施例の差分画像の座標を定義する説明図であ
る。
【図6】実施例の1つの画素とその近傍画素の画素強度
を示す説明図である。
【図7】実施例の重み分布の座標を定義する説明図であ
る。
【図8】実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図9】実施例の重み分布を得る手順を示すフローチャ
ートである。
【図10】実施例の重み分布の一例を示す説明図であ
る。
【図11】実施例の重み分布の他の例を示す説明図であ
る。
【図12】実施例に適用されるニューラルネットワーク
の構成説明図である。
【図13】実施例において得られる原画像(顕微鏡写
真)の一例である。
【図14】実施例において得られる差分画像の一例を示
す説明図である。
【図15】実施例において得られるエッジ画像の一例を
示す説明図である。
【図16】実施例において認識される白血球の位置を示
す説明図である。
【図17】実施例において得られる原画像(顕微鏡写
真)の他の例である。
【図18】実施例において得られる差分画像の他の例を
示す説明図である。
【図19】実施例において得られるエッジ画像の他の例
を示す説明図である。
【図20】実施例において認識される白血球の位置を示
す説明図である。
【図21】白血球の差分画像例である。
【図22】アーチファクトによって生じる差分画像例で
ある。
【図23】図21と図22に対応するエッジ画像例であ
る。
【図24】方向性を考慮した場合の図21に対応するエ
ッジ画像例である。
【図25】方向性を考慮した場合の図22に対応するエ
ッジ画像例である。
【符号の説明】
20 分析装置本体 22 光源 24 光ファイバ 26 ディフューザ 30 コリメートレンズ 38 対物レンズ 40 CCD 34a リング状ミラー 34b リング状ミラー 58 プローブ 59 プローブ先端 59a 筒 59b 摺動筒 66 透明板 67 遮光板 81 支持台 82a スプリング 82b スプリング 83a 内筒 84 微動素子 85 指
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 薫 神戸市中央区港島中町7丁目2番1号 東 亜医用電子株式会社内 (72)発明者 石原 謙 宝塚市千種1丁目1番15号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象血球を含む画像を撮像する撮像手段
    と、撮像された画像を、x−y座標系における画像F
    (x,y)として解析する解析手段とを備え、解析手段
    は、画像F(x,y)の輪郭を表わすエッジ強度分布E
    (x,y)を算出するエッジ算出手段と、対象血球の平
    均的な輪郭に対応する重み分布W(i,j)を予め記憶
    する重み記憶手段と、各点(x,y)ごとにエッジ強度
    分布E(x,y)と重み分布W(i,j)との合致の程
    度を計算し、それを点(x,y)における評価値C
    (x,y)として算出する評価値演算手段と、評価値C
    (x,y)が所定値より大きい点(x,y)を対象血球
    の存在する座標として抽出する抽出手段を備え、それに
    よって、少なくとも対象血球を認識しうる血液分析装
    置。
  2. 【請求項2】 評価値演算手段は、点(x,y)におけ
    る評価値C(x,y)を 【数1】 (ここで、上式の右辺は、エッジ強度分布E(x,y)
    のある点(x,y)と重み分布W(i,j)の点(0,
    0)とが一致するように両分布を重ね合わせる時、重な
    り合う各点におけるエッジ強度分布と重み分布との積を
    とり、それらを合計する式を表わす)により算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の血液分析装置。
  3. 【請求項3】 重み分布W(i,j)は、対象とする血
    球の輪郭に対応する環状の分布データである請求項1記
    載の血液分析装置。
  4. 【請求項4】 エッジ算出手段は、1つの注目画素
    (x,y)から見て複数の方向に対するエッジ強度分布
    E1(x,y),E2(x,y),……En(x,y)
    をそれぞれ算出するものであり、 重み記憶手段は、各方向に対応する複数の重み分布W1
    (i,j),W2(i,j),……,Wn(i,j)を
    記憶するものであり、評価値演算手段は、各方向ごとに
    算出された評価値C1(x,y),C2(x,y),…
    …,Cn(x,y)を加算してC(x,y)を算出する
    ものである請求項1記載の血液分析装置。
  5. 【請求項5】 複数の重み分布W1(i,j),W2
    (i,j),……,Wn(i,j)は、それぞれ対象と
    する血球の輪郭に対応する環状の分布データの一部であ
    る請求項4記載の血液分析装置。
  6. 【請求項6】 重み分布W(i,j)は、予め複数の対
    象とする血球画像から上記エッジ算出手段を用いてエッ
    ジを抽出し、これらエッジを加算したデータに基づいて
    生成されたものである請求項1記載の血液分析装置。
  7. 【請求項7】 撮像手段が、生体の血管を含む検出領域
    を照明する照明器と、照明された検出領域を順次撮像す
    る撮像器からなり、解析手段が、同一検出領域に対して
    順次撮像した複数の画像のうち少なくとも一つを用いて
    基準画像を生成し、複数の画像の一つを対象画像とし、
    対象画像と基準画像との差分をとり差分画像を生成する
    差分画像生成手段をさらに備え、画像F(x,y)が前
    記差分画像からなる請求項1記載の血液分析装置。
  8. 【請求項8】 解析手段が、基準画像及び対象画像をそ
    れぞれ2値化する2値化手段をさらに備え、差分画像が
    前記2値化画像同士の差分画像からなる請求項7記載の
    血液分析装置。
  9. 【請求項9】 解析手段は、エッジ算出手段と、重み記
    憶手段と、評価値演算手段と、抽出手段をニューラルネ
    ットワークとして備えることを特徴とする請求項1記載
    の血液分析装置。
  10. 【請求項10】 撮像手段を生体の体表面に所望の検出
    領域に対応して固定できるように、生体および/又は撮
    像手段自体の固定手段をさらに備えてなる請求項1記載
    の血液分析装置。
  11. 【請求項11】 血球数演算手段をさらに備え、血球数
    演算手段は、撮像手段が生体の血管を含む領域に対して
    複数の画像を連続的に撮像するとき、所定期間に認識さ
    れる血球の数を計数することを特徴とする請求項1記載
    の血液分析装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の装置を用い、生体の血
    管を含む領域に対して複数の画像を連続的に撮像し、そ
    の複数の画像に含まれる白血球を認識し、単位体積当た
    りの白血球数を算出することを特徴とする血液分析方
    法。
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Cited By (4)

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JP2005502369A (ja) * 2001-09-12 2005-01-27 バースタイン テクノロジーズ,インコーポレイティド 分画細胞計数方法ならびにそれを実行するための関連する装置およびソフトウェア
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