JPH09171754A - リレー、リレーを備えたターミナルボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は小型のリレーを備えたターミナルボッ
クスを提供することを目的とする。 【解決手段】強い磁力を発生するためのコイル１０４
と、コイル１０４を覆い、金属材料が塗布された平面状
の絶縁材料１０３と、絶縁材料１０３に塗布された金属
材料と接するための金属片１０１からなる。コイル１０
４は平面状にまかれるように構成する。これにより巻数
を大きくすることができるので平面コイルでも強い磁力
線を生成できる。金属片１０１は十分に細い線を平面状
に巻き平面構造としている。また、絶縁材料に塗布され
た金属材料からは信号が取り出せるように端子を設けて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプラントの増設時な
どの旧設備から新設備に切り替えるために用いるターミ
ナルボックスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば鉄鋼圧延設備に於ける設備の更新
は、設備を休止する時間をできるだけ短くし、新しい設
備に更新し切替後ただちに生産ができるようにすること
が要求される。従って旧設備が稼働している状態で新し
い設備の確認調整を実施する事が必要である。このよう
な調整を行うために旧設備と新設備との間に中継盤を設
け、この中継盤から旧設備，新設備の信号を制御盤で確
認する方法がある。この場合は図７（ａ）に示すよう
に、まず既設ケーブルを取り外し（１）、中継盤から新
旧の盤にケーブルを接続する（(２),（３),（４),
（５),（６)）。次に平行運転試験を実施し、試験が終
了したら中継盤からのケーブルを取り外す（(７)，
(８),（９),（１０)）。最後に中継盤の既設ケーブルを
取り外し（１１）、新設盤に接続する（１２）。このよ
うに中継盤を用いると１２の工数が必要となる。このよ
うな問題を解決する方法として、旧設備，新設備及び制
御装置の端子台をそれぞれ設け、新設備と旧設備を制御
装置に切り替えるためのリレーを各端子間に配置し、新
設備の調整が完了したときに新設備の端子台と制御装置
の端子台とを直接接続するためのジャンパー線を備えた
中継盤が、特開平3−155311 号公報に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような中継盤に用いられるリレーは縦３０mm，幅５mm位
であり設備の端子数を考慮するとかなり大きなものとな
り、中継盤を配置するための新たな場所も必要となる。

【０００４】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、小型のリレーを備えたターミナルボック
スを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、平面状に巻
かれた導線により生成したコイルの両端に絶縁材料を介
して金属板を配置し、金属片を前記金属板と離間して配
置したことにより達成することができる。

【０００６】また上記目的は不活性ガスを注入したケー
ス内に平面状に巻かれた導線により生成した２つの端子
を有するコイルの両端に絶縁材料を介して金属板を配置
すると共に、１つの端子を有する金属片を前記金属板と
離間するように配置することにより達成することができ
る。

【０００７】また、上記目的は不活性ガスを注入したケ
ースに平面状に巻かれた導線により生成したコイルの両
端に絶縁材料を介して金属板を配置し、金属片を前記金
属板と離間して配置すると共に、該金属片を前記コイル
の金属板に接触させるための金属棒を前記ケースに配置
したリレーを複数個備えることにより達成することがで
きる。

【０００８】

【発明の実施の形態】まず、はじめに図２により本発明
によるリレーを適用する場合について説明する。

【０００９】旧設備１は他の設備３からの信号を受けて
プラントの制御を行う制御装置である。ここで、他の設
備３から送られてくる信号は、他の設備での生産が終了
した信号、一定時間経過後の信号などＯＮ／ＯＦＦ信号
である。そして旧設備１に代えて新設備２により新たに
制御を行う場合、まず旧設備１と同じ条件で試験を行
う。つまり新設備２でも他の設備３からの信号を受け
て、制御状態を監視する。そしてその結果が良好であれ
ば旧設備１を新設備２に切り替えて制御を開始する。

【００１０】本発明は、このような新設備２の試験を行
い、旧設備１と新設備２を切り替えるためのリレーを新
設備２に内蔵できるようにリレーの構造を小型化するこ
とによりターミナルボックス（中継盤）を小型化したも
のである。以下、図面に従って説明する。

【００１１】図１は本発明によるリレーの構造を示した
ものである。本発明は強い磁力を発生するための電磁コ
イル１０４を薄い金属板１０２が貼り付けられた平面状
の絶縁材料１０３により挟んでガラスケース１のほぼ中
央に配置する。これは、図示するようにガラスで挟み込
むようにして固定する。そして、絶縁材料１０３に貼り
付けられた薄い金属板１０２と接するための金属片１０
１を、薄い金属板102と離間してガラスケース１内に配
置する。このように、本発明のリレーは１つのケース内
に２つの接点を持つ構造としている。また、ガラスケー
ス１内は不活性ガスが注入されており金属片１０１，金
属板１０２の錆を防止したり、塵による接触不良を防止
する。

【００１２】金属片１０１には端子２０１，金属板１０
２には端子２０２，電磁コイル104には端子２０４をそ
れぞれ設け、端子２０１に電流が流れることにより電磁
コイル１０４に磁力が発生する。この磁力の発生により
金属片１０１と金属板１０２が接触し端子２０１から端
子２０２へ電流が流れる。尚、電流が流れる方向は逆で
あっても問題はない。端子２０４への電流がなくなる
と、金属片１０１は金属板１０２と離れ端子２０１と端
子２０２巻の電流が遮断される。

【００１３】図３は本発明の小型リレーの一方の側を示
したものである。小型の構造とするために導線を平面上
に巻いた構成とする。これにより、薄い構造で巻数を多
くすることができ強い磁力を発生することができる。絶
縁材料１０３は電磁コイル１０４を覆うように平面上に
構成し、その一方の面に薄い金属板１０２を貼り付けた
構造とする。この薄い金属板の一端には端子２０２を設
置し、リレーの１つの極とする。

【００１４】もう一方の極である金属片１０１について
は図４を用いて説明する。金属片１０１は金属板１０２
と離して設置し電磁コイル１０４の磁力により金属板10
2と接触させるようにするためセルロイドやプラスチッ
ク等の支持部材３０１で支持する。これにより、電磁コ
イル１０４の磁力が弱い場合にも金属片１０１を金属板
１０２へ接触させることができると共に、リレーの構造
を小型化することができる。そして、この支持部材によ
り支持される金属片１０１は非常に軽量でかつ金属板１
０２との接触を十分に確保できるように構成しなければ
ならない。そこで、図３（ａ）に示すように、薄い金属
板により渦巻き状の形とする。これにより軽量化すると
共に中心からほぼ同心円状に金属板があるので接触も十
分に確保することができる。別の形態として図３（ｂ）
に示すように薄い金属板を打ち抜いた形状として金属片
１０１を形成してもよい。このように打ち抜くことによ
り金属板を軽量化することができる。但し、打ち抜いた
ときのバリ等により接触不良を起こす可能性があるの
で、バリ等の加工が必要となる。また、図３（ｄ）に示
すように支持部材３０１も薄い金属板で構成するように
してもよい。更に、図３（ｃ）に示すように、支持部材
３０１に細い導線３０２を巻いた構造としてもよい。本
発明において、金属片１０１の構造は軽量化されるもの
であれば打ち抜いた形状は特に限定されない。しかしな
がら、十分な接点を確保するためには、図４（ａ）に示
した構造がよい。

【００１５】本発明のリレーのＯＮ／ＯＦＦを制御する
信号は他の設備から送られてくる信号であり、その信号
は先に説明したように他の設備での生産が終了した信
号，一定時間経過したことを知らせる信号等の弱い信号
である。このような分野への適用を考えた場合、図５
（ａ）に示すように電磁コイル１０４を平面上に巻いて
高さ1mm程度にすることができる。そして、絶縁材料１
０３と金属板１０２により電磁コイル１０４を挟んでも
２mm程度にすることができる。また、金属片１０１を軽
量化しているために金属板１０２と金属片１０１との空
間距離１mm程度に小さくすることができる。従って、ガ
ラスケース１は長さ７mm、厚さは６mm、幅６mm程度にす
ることができる。

【００１６】次に、このリレーを適用したターミナルボ
ックスについて説明する。ターミナルボックスは、複数
のリレーを備えたものでそれぞれのリレーの端子を接続
しやすいように構成したものである。

【００１７】図５（ｂ）は従来プラント等に多く用いら
れているターミナルボックスを示したものであり、幅３
５mm，高さ３０mm，長さ３０cm〜６０cmで配線をする部
分が各々１３mmである。従って、図５（ｃ）に示すよう
にターミナルボックスの端子の間の高さ１０mm，奥行き
１０mm，幅１３mmの空間があるので、このスペースに本
発明のリレーを入れた場合、リレーとリレーとの間に十
分な空間を持たせることができるため発熱等の影響を低
減することができる。また、リレーとリレーとの間隔を
とらなければ小型のターミナルボックスを実現すること
ができる。

【００１８】図６はターミナルボックスを設備に取り付
けた状態を示したものである。他の設備から送られてく
る信号は３００種類以上と多いためケーブルにより新設
備２のターミナルボックス６０１と接続する。またター
ミナルボックス６０１から旧設備１へ信号を伝送する場
合もケーブルを使用する。このように本発明により小型
化されたリレーをターミナルボックス内に内蔵すること
により、従来の盤の構造を変える事なく中継盤としての
機能を実現することができる。ターミナルボックスの中
に使用される本発明のリレーの詳細を図６（ｂ）に示
す。他の設備３からの信号はリレーの電磁コイル１０４
の端子２０４と接続される。また金属板１０２の端子２
０２は新設備の電源Ｖと接続する。金属片１０１の端子
２０１の一方は、新設備のＩ／Ｏ端子に接続され、もう
一方は旧設備のＩ／Ｏ端子に接続している。

【００１９】そして新設備にターミナルボックスを設置
することにより新旧の更新の際におけるケーブルの接続
作業の回数を少なくすることができる。

【００２０】図７（II）は新たな設備にターミナルボッ
クスを設置しケーブル変更の作業を行った場合を示す。
まず、旧設備に接続されているケーブルを取り外し
（１）、新設備のターミナルボックスの端子に接続し
（２）、新設備のターミナルボックスの端子と旧設備の
端子とを接続する（(３),（４)）。運転試験を実施し、
試験が終了したら旧設備と新設備とのケーブルを外す
（(５),（６)）。このように新設備にターミナルボック
スを備えることにより６工程ですむことになる。

【００２１】尚、新設備にターミナルボックスを接続し
た場合、新設備での稼働が始まれば常時ターミナルボッ
クス内のリレーを接続した状態で使用する。

【００２２】図８は新設備での稼働を開始する場合に他
の設備からの信号を受ける端子204と金属板１０２を常
時接続する機能を持たせたリレーの構成を示す。（尚、
金属片１０１の端子２０１をＩ／Ｏ端子に接続している
場合は、端子２０１と端子２０４を接続することにな
る。）図８（ａ）に示すようにリレーの電磁コイル１０
４に接続する端子２０１と金属片１０１の端子２０１に
それぞれ、摩擦係数の高い山形の金属片７０１を配置す
る。そして、この金属片７０１を支持するための支持部
材７０２をそれぞれ設ける。この支持部材７０２はプラ
スチックや金属等いずれの材料で形成してもよい。そし
て、常時接続する場合には、支持部材７０２に力を加え
ることにより、金属片７０１が重なる。そしてそれぞれ
金属片７０１は摩擦係数が高いために重なった状態を維
持し、端子２０１と端子２０４が常時接続された状態と
なる。また、金属片７０１の代わりに図８（ｂ）に示す
ような凹凸の形状をした金属７０３を用いてもよい。ま
た、図８（ｃ）に示すようにネジ等の金属の部材を設置
して、金属片１０２と電磁コイル１０４を直接接続する
ようにしてもよい。

【００２３】また、ターミナルボックス内には多くのリ
レーを配置しており、これらのリレーの電磁コイル１０
４と金属板１０２又は金属片１０１を一度に接続できる
ように、支持部材７０２を連結した構造としてもよい。

【００２４】図９は旧設備１と新設備２が異なった信号
で稼働する場合を示したものである。旧設備２は他の設
備３からの信号だけでは稼働することができないため従
来の構造のリレー８０１を用いて大きい信号に変化して
稼働するようにしている。これに対して、新設備２は他
の設備からの信号をそのままの状態で稼働できるもので
ある。そこで、新設備２の稼働状態を監視するため、図
に示すように、他の設備３からの信号を旧設備にはその
まま送るようにし、新設備２では本発明によるリレー８
０２の電磁コイル１０４への端子２０４に接続する。こ
のような構成にすれば、旧設備１と新設備２とを平行し
て試験することができる。そして、新設備２に対する試
験を終了し新設備での稼働を開始する場合には、他の設
備３からの信号を受ける端子２０４と端子２０２を接続
することにより新設備２に切り替えることができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、非常に小さなリレーを
構成することができると共に、ターミナルボックスを小
型化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】リレーの全体構造を説明する図。

【図２】本発明の適用対象を説明する図。

【図３】リレーの構造を説明する図。

【図４】リレーの金属片の形態を説明する図。

【図５】リレーの外形及びターミナルボックスとの対応
関係を説明する図。

【図６】新設備を接続した平行試験を説明する図。

【図７】ケーブル接続の工程を説明する図。

【図８】常時接続する機能を持つリレーを説明する図。

【図９】電流が大きい場合の対策を説明する図。

【符号の説明】

１０１…金属片、１０２…金属板、１０３…絶縁材料、
１０４…電磁コイル。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平面状に巻かれた導線により生成したコイ
   ルの両端に絶縁材料を介して金属板を配置し、金属片を
   前記金属板と離間して配置したことを特徴とするリレ
   ー。
2. 【請求項２】不活性ガスを注入したケース内に平面状に
   巻かれた導線により生成した２つの端子を有するコイル
   の両端に絶縁材料を介して金属板を配置すると共に、１
   つの端子を有する金属片を前記金属板と離間するように
   配置したリレーを複数個備えたターミナルボックス。
3. 【請求項３】不活性ガスを注入したケースに平面状に巻
   かれた導線により生成したコイルの両端に絶縁材料を介
   して金属板を配置し、金属片を前記金属板と離間して配
   置すると共に、該金属片を前記コイルの金属板に接触さ
   せるための金属棒を前記ケースに配置したリレーを複数
   個備えたことを特徴とするターミナルボックス。