JPH09170A - ナミテントウ人工飼育飼料 - Google Patents

ナミテントウ人工飼育飼料

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JPH09170A
JPH09170A JP8039020A JP3902096A JPH09170A JP H09170 A JPH09170 A JP H09170A JP 8039020 A JP8039020 A JP 8039020A JP 3902096 A JP3902096 A JP 3902096A JP H09170 A JPH09170 A JP H09170A
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JP
Japan
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eggs
feed
weight
namitentou
artemia
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JP8039020A
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Hiroyuki Oda
博之 織田
Tomoaki Hongo
智明 本郷
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NOYAKU BIO TECHNOL KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
RES ASS BIOTECH AGRICULT CHEM
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NOYAKU BIO TECHNOL KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
RES ASS BIOTECH AGRICULT CHEM
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナミテントウ用人工飼育飼料、同飼料を使用
する該ナミテントウの飼育方法の提供。 【解決手段】 アルテミア属耐久卵またはその耐久卵を
有効成分とするナミテントウ用人工飼育飼料。 【効果】 幼虫の蛹化率、成虫重、平均生存日数、産卵
数等において天然の餌であるアブラムシを使用した場合
と同等の結果が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はArtemia属耐
久卵を主体としたナミテントウをはじめとする捕食性昆
虫の人工飼料およびその人工飼料を用いた大量増殖法に
関するものであり、更に、本発明により飼育され、果樹
および野菜類を加害するアブラムシ類を防除することを
目的としたナミテントウに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、ナミテントウの飼育
は、幼虫ならびに成虫ともに野外のアブラムシを用いる
方法と、先行技術として特公昭49−29509号で報
告されているミツバチの雄幼虫を凍結乾燥した粉末状の
餌(以下、雄蜂児粉末と記す。)を用いる方法が知られ
ている。これまでナミテントウを飼育する目的は、農業
生産上非常に問題となるアブラムシ類を防除する手段と
して大量に飼育することであった。従って、前者のアブ
ラムシを用いて飼育する方法は、天然のアブラムシを餌
として用いる場合は、その生態から夏季および冬季には
増殖がほとんど見られないため餌として供給できず、一
方、飼育したアブラムシを用いる場合でもテントウムシ
の食欲は非常に旺盛であり、1年中絶やさずに餌として
供給することはなかなか困難でありコストもかかる。ま
た、後者の雄蜂児粉末を餌として用いる場合、ナミテン
トウの飼育は可能であるが、餌として一定の品質のもの
を安定して供給できないといった欠点がある。すなわ
ち、ミツバチ幼虫の発育にばらつきがあり、また、ミツ
バチの病気を防ぐため使用した薬剤が混入し、ナミテン
トウ幼虫の発育ならびに成虫の産卵に対して悪影響を及
ぼす恐れもある。更に、養蜂業者からの入手ルートも煩
雑であり労力的にも時間的にも高いコストを伴うといっ
た問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
問題点を解決すべく検討を行った。ナミテントウの大量
累代飼育を行う場合に要求されることとして、幼虫の発
育が正常であること、成虫の卵巣が正常に発達し産卵に
至ること、産卵された卵の孵化率が高く次世代の成虫が
多数得られることが挙げられる。これらの条件に適合す
るテントウムシの餌としては、天然のアブラムシが最適
であるが、その供給に関して前述のような問題点があ
る。また、天然のアブラムシを大量に凍結保存し、必要
なときに餌として供給する手段も試みたが、産卵に至ら
なかった。一方、雄蜂児粉末も一定の品質のものを安定
供給することは前述のような理由で困難である。そこ
で、これらの問題点を解決し、ナミテントウの大量累代
飼育の条件を満たすべく餌について鋭意検討した結果、
一般的には熱帯魚用の安価な餌として大量に販売されて
いるArtemia属耐久卵に着目し、ナミテントウの
飼育を行ったところ、幼虫の正常な発育ならびに成虫の
正常な発育、産卵、産下卵の高率な孵化を観察し、更に
大量の累代飼育が可能であることを観察し、本発明を完
成した。以上の記述から明らかなように、本発明の目的
は、上述のような問題点のないナミテントウ人工飼育飼
料および大量累代飼育法を提供することであり、また、
アブラムシ類の防除を目的として本発明方法により飼育
されたナミテントウを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
有する。 (1)アルテミア(Artemia)属耐久卵またはそ
の耐久卵を有効成分とするナミテントウ用人工飼育飼
料。 (2)アルテミア(Artemia)属耐久卵10〜5
0重量部、トリレバー凍結乾燥粉末10〜50重量部、
乾燥酵母エキス10〜50重量部およびショ糖10〜5
0重量部を混合してなる粉末状物質であるナミテントウ
用人工飼育飼料。 (3)ナミテントウの幼虫にArtemia属耐久卵ま
たはその耐久卵を有効成分とするナミテントウ用人工飼
料を給餌することにより飼育してなるナミテントウ。 (4)ナミテントウもしくはその幼虫をArtemia
属耐久卵またはその耐久卵を有効成分とする人工飼料に
より飼育することを特徴とするナミテントウの飼育方
法。
【0005】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明のナミテントウ人工飼育飼料は、成虫飼育用
としては無甲類Artemia属の耐久卵であり、直径
約0.3mmの粒状物である。一方、幼虫飼育用として
は、無甲類Artemia属の耐久卵を単独、または、
無甲類Artemia属耐久卵にトリレバー凍結乾燥粉
末、乾燥酵母エキスおよびショ糖を混合してなる粉末状
物質である。耐久卵の含水量は6%でいずれも生存して
いるため、2%の塩水25℃の条件で80%以上が孵化
する。本飼料はArtemia属の耐久卵を孵化させず
に卵そのものを用いており、ナミテントウの幼虫ならび
に成虫が正常に発育・産卵することから十分な栄養素を
含んでいるものと考えられる。本発明に使用する耐久卵
は限定されないが、それらの具体例としては、Arte
mia branchinella、Artemia
sarrinaの他にミジンコやカブトエビ等の耐久卵
を用いることができる。また、成虫用としては耐久卵を
単独で使用しても十分に飼育可能であるが、幼虫を飼育
する際には、幼虫期間の短縮、蛹化率の向上、羽化成虫
の体重の増加を目的としてアルテミア(Artemi
a)属耐久卵にトリレバー凍結乾燥粉末、乾燥酵母エキ
ス(例えば商品名:ミーストPIG アサヒビール食品
(株)製)およびショ糖を各々10〜50重量部、好ま
しくは1:1:1:1の割合で混合して粒状の人工飼育
飼料として使用する。更に、他の栄養素、ビタミン類等
を添加しても構わない。本発明は以上の構成を有するも
ので、この人工飼育飼料の飼育対象となるテントウムシ
類としては、ナミテントウ(Harmonia axy
ridis)の他に、ナナホシテントウ、カメノコテン
トウ、ヒメカメホシテントウ、ベデリアテントウ等を挙
げることができ、テントウムシ以外のさまざまな捕食性
昆虫の飼育に供することも可能である。
【0006】本発明の人工飼育飼料は、一般的には2%
の塩水25℃の条件で孵化させた幼虫を熱帯魚用の餌と
して利用しているものであるが、ナミテントウの飼料と
しては、孵化させずに耐久卵そのものを用いることで、
卵自体が生存しているため長期間黴が発生することがな
く、そのため餌を交換する手間が省け労力的にも非常に
楽に飼育することが可能となる。また、乾燥や熱処理と
いった加工を施さないため、卵内部に含まれるタンパク
質、アミノ酸、ビタミン等が変性を受けにくく、ナミテ
ントウが必要とする栄養素を損なうことがないと考えら
れる。
【0007】ナミテントウへの本発明にかかわる飼料の
給餌方法としては、他の公知の飼料の給餌方法と格別異
なるものではない。すなわち、所定の飼育容器に適量の
飼料を入れ、所定頭数のナミテントウ成虫、若しくは幼
虫を入れる。例えば、容器として直径90mmの腰高シ
ャーレを使用して、成虫の場合の放飼頭数は、雌雄合計
で5頭ないし20頭、好ましくは雄1〜3頭に対し雌5
〜15頭であり、幼虫の場合の放飼頭数は5〜30頭、
好ましくは10〜15頭である。餌は不足若しくは共食
いが起きない程度に定期的に補充し、同時に水も補給す
る。成虫の飼育は雌の交配と採卵のためであり、幼虫の
飼育は成虫を生産するためである。野外で採集した成虫
から採卵し、孵化した幼虫が蛹を経て成虫に達するまで
が第一世代の飼育であり、その後は飼育した成虫から採
卵して飼育するいわゆる累代飼育も可能である。成虫お
よび幼虫1頭当たりの本発明の飼料の所要量は1.0g
および0.1g程度、孵化幼虫から成虫までの飼育期間
は平均18日程度である。飼育室の温度および湿度は各
々15〜25℃、40〜60%が好ましい。
【0008】また、本発明にかかわるナミテントウによ
るアブラムシ防除の試験方法は、公知方法と特に異なる
ものではなく、また、供する際のナミテントウの形態も
限定されないが、例えば次のように行う。5〜20リッ
トル程度の通気性蓋付ガラス容器にアブラムシが十分に
付着した1/500〜1/5000アールポットに栽植
した作物(例えばキャベツ葉)と共に所定頭数のナミテ
ントウ幼虫を入れ、アブラムシを凡て捕食するまでの所
要時間を測定する。あるいは、所定時間内にアブラムシ
を凡て捕食するのに必要なナミテントウの所要頭数を検
出する。
【0009】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例によって
本発明を説明するが、これは本発明を限定するものでは
ない。 実施例1 Artemia属の耐久卵 実施例2 Artemia属の耐久卵25重量部+トリ
レバー乾燥粉末25重量部+発酵酵母エキスミーストP
IG25重量部+ショ糖25重量部の割合で配合した飼
料 実施例3 Artemia属の耐久卵50重量部+トリ
レバー乾燥粉末16.7重量部+発酵酵母エキスミース
トPIG16.7重量部+ショ糖16.7重量部の割合
で配合した飼料 実施例4 Artemia属の耐久卵16.7重量部+
トリレバー乾燥粉末50重量部+発酵酵母エキスミース
トPIG16.7重量部+ショ糖16.7重量部の割合
で配合した飼料 実施例5 Artemia属の耐久卵16.7重量部+
トリレバー乾燥粉末16.7重量部+発酵酵母エキスミ
ーストPIG50重量部+ショ糖16.7重量部の割合
で配合した飼料 実施例6 Artemia属の耐久卵16.7重量部+
トリレバー乾燥粉末16.7重量部+発酵酵母エキスミ
ーストPIG16.7重量部+ショ糖50重量部の割合
で配合した飼料 比較例1 スジコナマダラメイガの生卵 比較例2 ハスモンヨトウの生卵 比較例3 卵黄粉 比較例4 ニシンの卵 比較例5 シャケの卵 比較例6 Artemia属の耐久卵25重量部+雄蜂
児粉末25重量部+発酵酵母エキスミーストPIG25
重量部+ショ糖25重量部の割合で配合した飼料 参考例1 雄蜂児粉末 参考例2 冷凍アブラムシ(クリオオアブラ) 参考例3 乾燥赤虫 参考例4 乾燥酵母
【0010】試験例1 実施例1〜6、比較例1〜6および参考例1〜4の各飼
料の適量をシャーレ内に入れ、各シャーレにつきナミテ
ントウ孵化幼虫1頭ずつを放飼した。各区5頭ずつ供試
し、餌は毎日新しいものと交換した。ナミテントウの幼
虫期間ならびに蛹化率、得られた蛹についての蛹期間、
成虫重について調査した。以上の実施例1〜6、比較例
1〜6および参考例1〜4におけるナミテントウ幼虫の
餌としての適性について表1に示す。各供試した餌につ
き幼虫5頭ずつ検討した結果、実施例1〜6での幼虫期
間は上から順に12.5日、11.4日、12.2日
13.0日、15.2日、16.6日であるのに対して
比較例6が12.0日、参考例1,2が12.0日であ
った。蛹化率は、実施例1が40%、実施例2が100
%、実施例3が60%、実施例4が60%、実施例5が
20%、実施例6が20%であるのに対し、比較例6が
80%、参考例1が60%、参考例2が100%であっ
た。蛹期間に関しては、実施例1〜6、比較例6、参考
例1および参考例2ともに4.0日で差はなかった。得
られた成虫の成虫重に関しては、実施例1、比較例6、
参考例1、参考例2が30.3mg〜32.0mgであ
るのに対し、実施例3および実施例4が約35mgであ
り、実施例2が最も重かった。これらの結果より、Ar
temia属の耐久卵でナミテントウ幼虫の飼育は可能
であるが、この耐久卵にトリレバー凍結乾燥粉末・発酵
酵母エキスミーストPIG・ショ糖を加えることで幼虫
期間の短縮、蛹化率の向上、羽化幼虫の体重増加が見ら
れ、それらの最も好ましい配合比率は1:1:1:1で
あり、餌としての可能性は非常に高いと判断した。これ
らの結果を踏まえ、試験例2では複数頭の幼虫を同一容
器内で飼育し、増殖用の餌として適しているかどうか検
討した。
【0011】
【表1】
【0012】試験例2 実施例1〜6、比較例6および参考例1〜2の各飼料の
適量をシャーレ内に入れ、各シャーレにつきナミテント
ウ孵化幼虫10頭ずつを放飼した。餌は毎日新しいもの
と交換し、幼虫期間、蛹化率、得られた蛹の蛹重、蛹期
間ならびに成虫重について調査した。以上の実施例1〜
6、比較例6、参考例1〜2におけるナミテントウ幼虫
の餌としての適性について複数頭で飼育した場合の結果
について表2に示す。実施例1〜6での幼虫期間は上か
ら順に12.5日、11.0日、12.6日、12.5
日、16.3日、16.5日であるのに対し比較例6が
12.3日、参考例1が12.2日、参考例2が11.
5日であった。蛹化率は、実施例1が60%、実施例2
が90%、実施例3と実施例4が70%、実施例5が4
0%、実施例6が30%であるのに対し比較例6が70
%、参考例1が50%、参考例2が60%であった。蛹
期間に関してはいずれも差は認められなかったが、得ら
れた成虫の成虫重については、実施例2が36.1mg
で最も重く、次いで参考例2の31.5mgであった。
これらの結果からArtemia属の耐久卵はナミテン
トウ幼虫用の人工飼料として有効であり、更に本耐久卵
にトリレバー凍結乾燥粉末・発酵酵母エキスミーストP
IG・ショ糖を1:1:1:1の比率で配合したものが
最も優れていることが示された。
【0013】
【表2】
【0014】試験例3 実施例1、比較例1〜5および参考例1〜4の各飼料の
適量を直径90mmの腰高シャーレ内にいれ、各シャー
レにつき羽化直後のナミテントウ雄成虫を2頭、雌成虫
を5頭ずつ放飼した。餌は毎日新しいものと交換し、処
理してから40日間継続して調査を行った。調査は成虫
の生存日数、産卵前期間、40日間の総産卵数、産下卵
の孵化率について行った。以上の実施例1、比較例1〜
5、参考例1〜4におけるナミテントウ成虫の餌として
の適性について表3に示す。実施例1での調査期間40
日間の雌成虫生存率は100%であり、参考例1および
参考例2とほとんど差はなかった。供試した飼料中、産
卵が確認されたものは、実施例1と参考例1および参考
例2であった。羽化後産卵を開始するまでの産卵前期間
に関しては、実施例1が19日、参考例1が37日、参
考例2が15日であった。調査期間中に産下された卵数
は実施例1が403卵、参考例1が73卵、参考例2が
421卵であり、その孵化率はいずれも80%以上であ
った。以上の結果よりArtemia属の耐久卵は、成
虫の餌として産卵前期間がアブラムシより若干長くなる
が、雄蜂児粉末よりも短縮され、その産卵数は劣らず、
孵化率に関しても80%以上と高い値を示しているた
め、有効であることが示された。
【0015】
【表3】
【0016】実施例4 実施例1、実施例2、参考例1および参考例2の各飼料
の適量をプラスティック容器(18×25×4hcm)
内に入れ、各容器につきナミテントウ孵化幼虫200頭
ずつを放飼した。餌と水は適宜補充した。累代飼育を行
い、各世代について幼虫期間と蛹化率ならびに得られた
成虫の体重を調査した。以上の実施例1,2および参考
例1,2におけるナミテントウの累代飼育飼料としての
適性について試験した結果を表4、表5および表6に示
す。F1世代からF5世代までの幼虫期間について、実
施例1、実施例2および参考例1が12日〜13日であ
るのに対し、参考例2が11日〜12日と若干短くなる
傾向が見られたが大きな差は認められなかった(表
4)。各世代の蛹化率に関しては、実施例1と参考例1
がほぼ同じ蛹化率であるのに対し、実施例2と参考例2
がほぼ同率で、更に実施例1、参考例1に勝った(表
5)。これらの飼料で得られた成虫の体重は、実施例
1,2および参考例1,2とも世代が進んでも軽くなる
ことはなく、また、実施例1および2の成虫の体重は、
参考例1とほぼ同等であった(表6)。以上の結果よ
り、Artemia属耐久卵ならびにその耐久卵を有効
成分とする人工飼料でナミテントウを累代飼育しても成
虫の成育期間、蛹化率、得られた成虫の体重に大きな差
はなく、ナミテントウ累代飼育用の人工飼育飼料として
有効であることが示された。
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】試験例5 実施例1、実施例2、参考例1および参考例2で累代飼
育した成虫が産卵した500卵について、孵化幼虫数を
カウントし、孵化率を算出した。以上の実施例1,2お
よび参考例1,2の各飼料で累代飼育した成虫の産卵し
た卵の孵化率は、実施例1が80%前後、実施例2が8
5%前後であり、参考例1および2と比較して同等かや
や劣る結果となった(表7)。また、いずれの例区にお
いても世代を重ねることによって孵化率が低下すること
はなかった(表7)。これらの結果よりArtemia
属耐久卵ならびにその耐久卵を有効成分とする人工飼料
でナミテントウ成虫を累代飼育した場合、生きたアブラ
ムシを餌として累代飼育した成虫が産卵したものよりも
孵化率が若干劣るものの大差はなく、また世代を重ねて
も孵化率の低下する傾向は認められなかったことから、
ナミテントウ累代飼育の人工飼育飼料として有効である
ことが示された。
【0021】
【表7】
【0022】試験例6 実施例1、実施例2、参考例1および参考例2を用いて
累代飼育したナミテントウ第4世代3齢期幼虫10頭を
プラスティック容器(18×25×4hcm)の中に放
飼し、モモアカアブラムシの寄生したキャベツの葉の寄
生数をカウント、調整した後入れた。24時間後にキャ
ベツの葉ならびに容器内に残っているモモアカアブラム
シをカウントし、ナミテントウ幼虫による防除率を算出
した。実施例1より得られたナミテントウ幼虫の捕食数
は、参考例1よりも多く参考例2と同等であった(表
8)。実施例2より得られたナミテントウ幼虫の捕食数
は、参考例1および2に勝った(表8)。これらの結果
より、Artemia属耐久卵ならびにその耐久卵を有
効成分とする人工飼育飼料より得られたナミテントウ幼
虫のアブラムシ防除効果は、参考例1ならびに参考例2
より得られた幼虫と同等が若干高く、このことからも本
飼料のナミテントウ累代飼育用の人工飼育飼料として有
効であることが示された。
【0023】
【表8】
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の人工飼育飼料は、天然の餌であるアブラムシまたは公
知の雄蜂児粉末と同等の効果を有し、安価でかつ容易に
給餌できるのでナミテントウの大量飼育用として有用で
ある。また、このように飼育されたナミテントウは園芸
作物におけるアブラムシ防除用として自然界に棲息する
ナミテントウと同等のアブラムシ駆除能力を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルテミア(Artemia)属耐久卵
    またはその耐久卵を有効成分とするナミテントウ用人工
    飼育飼料。
  2. 【請求項2】 アルテミア(Artemia)属耐久卵
    10〜50重量部、トリレバー凍結乾燥粉末10〜50
    重量部、乾燥酵母エキス10〜50重量部およびショ糖
    10〜50重量部を混合してなる粉末状物質であるナミ
    テントウ用人工飼育飼料。
  3. 【請求項3】 ナミテントウの幼虫にArtemia属
    耐久卵またはその耐久卵を有効成分とするナミテントウ
    用人工飼料を給餌することにより飼育してなるナミテン
    トウ。
  4. 【請求項4】 ナミテントウもしくはその幼虫をArt
    emia属耐久卵またはその耐久卵を有効成分とする人
    工飼料により飼育することを特徴とするナミテントウの
    飼育方法。
JP8039020A 1995-04-20 1996-02-01 ナミテントウ人工飼育飼料 Withdrawn JPH09170A (ja)

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